JP2001048946A - フェノール性水酸基を有する樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

フェノール性水酸基を有する樹脂組成物の製造方法

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JP2001048946A
JP2001048946A JP11224047A JP22404799A JP2001048946A JP 2001048946 A JP2001048946 A JP 2001048946A JP 11224047 A JP11224047 A JP 11224047A JP 22404799 A JP22404799 A JP 22404799A JP 2001048946 A JP2001048946 A JP 2001048946A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋後のシリコーンの分子量が製造後一定範
囲にあり、経時的に変化しないフェノール系樹脂組成物
の製造方法を提供する。 【解決手段】 フェノール系樹脂(A)に対し、分子の
両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサン
(B)及び乳化剤(C)を混合して、これらの(A)、
(B)及び(C)を含む混合物中の水及びフェノール性
水酸基を有する化合物の含有量を特定の範囲に制御し、
次いで、シラノール縮合用架橋剤(D)及びシラノール
縮合用触媒(E)を添加して、フェノール系樹脂中で該
オルガノポリシロキサン(B)の架橋反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化後に熱的諸特
性及び耐衝撃性等に優れた成形物を与えるフェノール性
水酸基を有する樹脂(以下、フェノール系樹脂という)組
成物の製造方法に関する。詳しくは、架橋後のオルガノ
ポリシロキサン(以下、シリコーンという)の分子量が
製造後一定範囲にあり、経時的に変化しないフェノール
系樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール系樹脂は、硬化性、成形性等
が比較的良好であり、その硬化物は電気特性、機械的特
性に優れ、バランスのとれた材料として成形材、積層
材、ディスクブレーキパッド等の摩擦材、シェルモール
ド、注形材、発泡材等に幅広く利用されており、工業的
に価値のある材料である。
【0003】しかし、フェノール系樹脂は、本質的に脆
いため成形材や積層材として使用した場合、寒熱繰り返
しのような急激な温度変化に対してクラックが入りやす
い。又、金属インサートした成形体を製造する場合、成
形後金属とフェノール系樹脂との接触面にクラックが発
生し、生産の歩留まりが低下することがある。又、ディ
スクブレーキパッド等の摩擦材やシェルモールド材等の
結合材として使用する場合にも、フェノール系樹脂が硬
くて脆いため、割れ、かけ等が生じることがある。
【0004】このようなフェノール系樹脂の欠点を改良
するため、フェノール系樹脂にニトリルゴムやアクリル
系重合体を混合する方法が提案されている。しかし、ニ
トリルゴムやアクリル系重合体は、本質的にフェノール
系樹脂よりも耐熱性が低いため、上記方法により得られ
るフェノール系樹脂からなる成形体や積層体を、過酷な
温度条件、例えば200℃以上の高温で連続使用する
と、機械強度が低下することがある。又、摩擦材として
使用する場合、高温時の摩擦係数が低下する等、用途面
での制約を受けている。
【0005】このような問題点を解決する方法として、
例えば、特開昭63−251452号公報、及び特開平
1−230661号公報には、機械的強度、耐クラック
性、耐熱衝撃性、及び耐熱劣化性等を改善するために、
樹脂中にシリコーンを微小粒子として分散させたフェノ
ール系樹脂組成物が提案されている。しかし、これらに
開示されるフェノール系樹脂組成物中に分散するシリコ
ーンは、粒子径が大きく、且つ、架橋反応が充分に進ん
でいないため上記物性の改良効果が不充分である。具体
的には、フェノール系樹脂中でシリコーンの架橋が不十
分であると、未架橋のシリコーンが樹脂表面に分離析出
し、液状フェノール系樹脂組成物の場合には粘度、流動
性等に悪影響を及ぼし、又、固形フェノール系樹脂組成
物の場合には、樹脂の硬化特性である流れ特性、機械強
度、耐クラック性、耐熱衝撃性、及び耐熱劣化性等に経
時的低下を招き問題である。
【0006】上記問題を解決するため、特開平4−22
7949号公報には、シラノール縮合用架橋剤、及び触
媒を添加混合した後、水を連続的又は断続的に装入する
ことによりシリコーン架橋反応を進める方法が提案され
ている。しかし、上記の方法では、シラノール縮合用架
橋剤を添加する前のフェノール系樹脂、分子の両末端に
シラノールを有するオルガノポリシロキサン、及び乳化
剤の混合物中の水分量及びフェノール性水酸基を有する
化合物(以下、フェノール性化合物という)量が規定さ
れていない。シラノール縮合用架橋剤は、水及びフェノ
ール性化合物により分解されるため、混合物中の水分量
及びフェノール性化合物量が変化すると、シラノール縮
合用に費やされる架橋剤量が変化する。その結果、分子
の両末端にシラノールを有するオルガノポリシロキサン
とシラノール縮合用架橋剤の反応モル比が変化するた
め、架橋後のシリコーンの分子量が変化し、耐熱性等の
特性が不安定になる問題がある。例えば、シラノール縮
合用架橋剤を添加する前のフェノール系樹脂、分子の両
末端にシラノールを有するオルガノポリシロキサン、及
び乳化剤の混合物中に水及びフェノール性化合物が全く
ない場合、架橋後のシリコーン分子量が高く、粘度が高
くなりすぎ、製造後にシリコーンの分子量が増大した
り、この樹脂組成物を用いた硬化物の耐熱劣化が速い等
の欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を鑑み、硬化後に熱的諸特性及び耐衝撃性等に優
れた硬化物を与えるフェノール系樹脂組成物の安定的製
造方法を提供することにある。詳しくは、架橋後のシリ
コーンの分子量が製造後一定範囲にあり、経時的に変化
しないフェノール系樹脂組成物の製造方法の提供であ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、加熱、溶融したフ
ェノール系樹脂(A)に対し、先ず、分子の両末端にシ
ラノール基を有するオルガノポリシロキサン(B)及び
乳化剤(C)を混合して、これらの(A)、(B)及び
(C)を含む混合物中の水、及びフェノール性化合物の
含有量を特定の範囲に制御し、次いで、シラノール縮合
用架橋剤(D)及びシラノール縮合用触媒(E)を添加
して、フェノール系樹脂中で該オルガノポリシロキサン
(B)の架橋反応を行うことにより、上記目的が達成で
きることを見出し、本発明を達成した。
【0009】即ち、本発明は、加熱、溶融したフェノー
ル性水酸基を有する樹脂(A)に対し、分子の両末端に
シラノール基を有するオルガノポリシロキサン(B)、
乳化剤(C)、シラノール縮合用架橋剤(D)、及びシ
ラノール縮合用触媒(E)を添加して、フェノール性水
酸基を有する樹脂(A)中で分子の両末端にシラノール
基を有するオルガノポリシロキサン(B)の架橋反応を
行い、反応終了後水を除去するフェノール性水酸基を有
する樹脂組成物の製造方法であって、(A)に対し
(B)及び(C)を添加した後、(A)、(B)及び
(C)を含む混合物中の水及びフェノール性水酸基を有
する化合物の含有量を数式(1)〔数2〕
【0010】
【数2】 〔Aは水の量(重量%)を示し、且つ、A≦5、Bはフ
ェノール性水酸基を有する化合物の量(重量%)を示
し、且つ、B≦20〕を満たすように制御し、次いで
(D)及び(E)を添加することを特徴とするフェノー
ル性水酸基を有する樹脂組成物の製造方法である。
【0011】本発明の特徴は、シラノール縮合用架橋剤
(D)及びシラノール縮合用触媒(E)を添加して、該
オルガノポリシロキサン(B)の架橋反応を開始する前
に、フェノール系樹脂(A)、分子の両末端にシラノー
ル基を有するオルガノポリシロキサン(B)、及び乳化
剤(C)を含む混合物中の水分量及びフェノール性化合
物量を特定の範囲に制御することにある。かかる構成を
採用することにより、フェノール系樹脂組成物中に、架
橋後の分子量が経時的に変化せず一定範囲内に保持され
たシリコーンを分散させることができる。そのため、本
発明により製造されるフェノール系樹脂組成物は、優れ
た耐熱性及び耐衝撃性を有する成形物を与える効果を奏
する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の概要は、加熱、溶融したフェノール性水
酸基を有する樹脂(A)に対し、分子の両末端にシラノ
ール基を有するオルガノポリシロキサン(B)、乳化剤
(C)、シラノール縮合用架橋剤(D)、及びシラノー
ル縮合用触媒(E)を添加して、フェノール性水酸基を
有する樹脂(A)中で分子の両末端にシラノール基を有
するオルガノポリシロキサン(B)の架橋反応を行う、
フェノール性水酸基を有する樹脂組成物の製造方法であ
る。
【0013】本発明に用いられるフェノール系樹脂
(A)は、フェノール、クレゾール、キシレノール、レ
ゾルシノール、ビスフェノールA、パラターシャリーブ
チルフェノール、パラオクチルフェノール等のフェノー
ル類、α−ナフトール、β−ナフトール等のナフトール
類からなる群より選ばれた一種あるいは二種以上のフェ
ノール性化合物とホルムアルデヒド、パラホルムアルデ
ヒド、トリオキサン等のアルデヒド源等のアルデヒド類
とを酸性触媒を用いて反応させて得られるノボラック樹
脂、及び、上記フェノール性化合物とアルデヒド類とを
アルカリ性触媒を用いて反応させて得られるレゾール樹
脂がある。更には、上記フェノール性化合物と二塩化パ
ラキシレン等のパラキシリレンジハライド又はパラキシ
リレンジメチルエーテル等のパラキシリレンジアルキル
エーテルから誘導されるフェノールアラルキル樹脂(例
えば、商品名「ミレックスXL−225」三井化学
(株)製)、ナフトールアラルキル樹脂等がある。これ
らのフェノール系樹脂(A)は、本発明のフェノール系
樹脂組成物の製造にあたって何ら制限を受けず、一種又
は二種以上を併用しても良い。
【0014】本発明に用いられる分子の両末端にシラノ
ール基を有するオルガノポリシロキサン(B)は、一般
式(1)〔化4〕
【0015】
【化4】 (式中、R1、R2は同種又は異種の1価の炭化水素基、
メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基を含む
アルキル基、フェニル基、及びキシリル基を含むアリー
ル基、γ−クロロプロピル基、及び3,3,3−トリフ
ルオロプロピル基を含むハロゲン化1価炭化水素基等を
示す)で表される化合物である。
【0016】分子の両末端にシラノール基を有するオル
ガノポリシロキサンの分子量(B)は、1000〜50
000が好ましい。又、分子の両末端にシラノール基を
有するオルガノポリシロキサン(B)は、フェノール系
樹脂(A)100重量部に対して、3〜50重量部を添
加することが好ましい。
【0017】本発明に用いる乳化剤(C)は、一般式
(2)〔化5〕
【0018】
【化5】 (式中、R1、R2は同種又は異種のC2〜C5の2価の炭
化水素基、POAはエチレンオキシド又はプロピレンオ
キシドの付加物よりなるポリオキシアルキレン基、xは
200〜990の整数、y+z=10〜800、且つ、
x+y+z<1000である)で表わされる側鎖にエポ
キシ基又はポリオキシアルキレン基を有する変性シリコ
ーンオイルが用いられる。
【0019】この乳化剤として使用する変性シリコーン
オイルの分子量,つまり上記一般式(2)中のx、y、
zの値に特に制限はないが、zの値(ポリオキシアルキ
レン基の数)が増し、鎖長が長くなるとフェノール系樹
脂(A)に対する分子の両末端にシラノール基を有する
オルガノポリシロキサン(B)の相溶性が増大して樹脂
中に含まれるシリコーン分散粒径が微小となる。又、逆
にzの値を減らして、鎖長が短くなると相溶性が低下す
るという性質がある。即ち、x、y、zの値を選択する
ことにより、フェノール系樹脂中に分散するシリコーン
の粒子径を0.1〜10μmの範囲に制御することが可
能となる。
【0020】又、本発明に用いられる乳化剤(C)は、
一般式(3)〔化6〕
【0021】
【化6】 (式中、RはC4〜C12のアルキル基、nは平均で1〜2
0の整数、EOはエチレンオキシド、POはプロピレン
オキシドがそれぞれ付加していることを示し、x及びy
は0〜100の整数、且つ、5≦x+y≦100であ
る)で表されるアルキルフェノール−ホルマリン縮合物
のエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加物が
用いられる。
【0022】上記一般式(3)中のRはC4〜C12のブ
チル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基等のアルキ
ル基が好ましい。RがC3以下であるとフェノール系樹
脂中に分散させるシリコーンの分散粒径の制御が困難と
なる。又、RがC13以上の場合はアルキルフェノールの
入手が困難となり経済的ではない。nは平均で1〜2
0、つまり、平均核体数で3核体から22核体である。
この場合も、nが平均で1未満であると、フェノール系
樹脂中に分散させるシリコーンの分散粒径の制御が困難
となる。nが平均で21以上であるとアルキルフェノー
ル−ホルマリン縮合物の合成が困難となる。
【0023】又、エチレンオキシド及びプロピレンオキ
シドの付加物のモル数はエチレンオキシドのモル数を
x、プロピレンオキシドのモル数をy(それぞれ平均)
とすると、xとyの合計が5〜100でありxが0、又
はyが0の場合もあり得る。この乳化剤(C)として使
用するアルキルフェノール−ホルマリン縮合物のエチレ
ンオキシド及びプロピレンオキシドの付加物のxとyを
適度に選択することにより、フェノール系樹脂中のシリ
コーンを0.1〜10μmの範囲に制御することが可能
となる。
【0024】これらの乳化剤(C)の添加量は、特に制
限はないが、フェノール系樹脂(A)100重量部に対
して0.01〜30重量部とするのが好ましい。0.0
1重量部未満では、フェノール系樹脂中のシリコーンを
0.1〜10μmの範囲内に分散粒子を制御することが
困難となる。又、30重量部を超えるとコストが高くな
り経済的ではない。
【0025】本発明に用いられる水は、不純物を含んで
いてもかまわないが、できる限り不純物を取り除いた、
除濁水、蒸留水、清浄水、イオン交換水、又は水蒸気で
あることが好ましい。
【0026】本発明に用いられるフェノール性化合物
は、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシ
ノール、ビスフェノールA、パラターシャリーブチルフ
ェノール、パラオクチルフェノール等のフェノール類、
α−ナフトール、β−ナフトール等のナフトール類等の
化合物が挙げられるが、フェノール系樹脂(A)のモノ
マーと同一のフェノール性化合物の方が好ましい。
【0027】本発明で用いられるシラノール縮合用架橋
剤(D)は、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキ
シム基、アルケニルオキシ基、アミノオキシ基及びアミ
ノ基等からなる群から選ばれた官能基を3個以上けい素
原子に直結してなる多官能シラン化合物である。
【0028】多官能シラン化合物として、例えば、メチ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3
−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、メチ
ルトリス(ジメチルオキシム)シラン、メチルトリス
(メチルエチルケトオキシム)シラン等のケトオキシム
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリアセ
トキシシラン等のアシルオキシシラン、ビニルトリプロ
ペニルオキシシラン、メチルトリイソブテニルシラン等
のアルケニルオキシシラン、メチルトリス(N,N−ジ
アミルアミノオキシ)シラン等のアミノオキシシラン、
ビニルトリス(N−ブチルアミノ)シラン等のアミノシ
ランが挙げられる。これらのシラノール縮合用架橋剤
(D)は、フェノール系樹脂(A)100重量部に対し
て0.05〜5重量部を添加することが好ましい。上記
のシラノール縮合用架橋剤(D)は、一種又は二種以上
併用しても良い。
【0029】本発明に用いられるシラノール縮合用触媒
(E)としては、従来からシリコーンゴムを生成するた
めに使用されているジブチル錫ジラウレート、ジブチル
錫ジアセテート、オレイン酸錫、ナフテン酸錫等の有機
錫化合物が挙げられる。これらのシラノール縮合用触媒
(E)は、分子の両末端にシラノール基を有するオルガ
ノポリシロキサン100重量部(B)に対して0.1〜
5重量部を添加することが好ましい。
【0030】本発明のフェノール系樹脂組成物の製造方
法を具体的に説明する。溶剤の存在下、又は不存在下
に、フェノール系樹脂(A)100重量部を60〜20
0℃に加熱、溶融させた後、攪拌下に、分子の両末端に
シラノール基を有するオルガノポリシロキサン(B)3
〜50重量部を添加する。次いで、乳化剤(C)0.0
1〜30重量部を添加し、充分に混合して、これらの
(A)、(B)及び(C)を含む混合物中の水、及びフ
ェノール性化合物の含有量を前記数式(1)の範囲に制
御する。次いで、シラノール縮合用架橋剤(D)をフェ
ノール樹脂(A)100重量部に対して0.05〜5重
量部を添加する。さらに、シラノール縮合用触媒(E)
を分子の両末端にシラノール基を有するオルガノポリシ
ロキサン(B)100重量部に対して0.1〜5重量部
を添加し、このまま60〜200℃で保ちシリコーン架
橋反応を行う。反応終了後に、フェノール系樹脂組成物
中の水分量が0.05重量%以下になるように系内の不
要な水を常圧下、又は6.7kPa以下の減圧下で吸引
除去し、フェノール系樹脂組成物を得る。
【0031】この際用いる乳化剤(C)は、シリコーン
が目的の粒径となってフェノール系樹脂中に分散するよ
うに、前記一般式(2)のx、y、zの値、又は前記一
般式(3)のx、yの値を選択する。
【0032】シラノール縮合用架橋剤(D)及びシラノ
ール縮合用触媒(E)を添加して、該オルガノポリシロ
キサン(B)の架橋反応を開始する前に、フェノール系
樹脂(A)、分子の両末端にシラノール基を有するオル
ガノポリシロキサン(B)、及び乳化剤(C)を含む混
合物中の水及びフェノール性化合物の含有量が架橋後の
シリコーンの分子量に影響するため、水及びフェノール
性化合物の含有量を数式(1)を満たすように制御しな
ければならない。尚、水分は、(A)、(B)及び
(C)の化合物中に元々含まれいるが、不足している場
合は水を添加しなければならない。但し、(A)、
(B)及び(C)を含む混合物中の水分量は、5重量%
以下が好ましい。水分量が5重量%を超えると、水の蒸
発による発泡が起こり、混合物の液面が上昇して好まし
くない。
【0033】又、フェノール系樹脂(A)中の水の量が
2重量%以下では発泡による混合物の液面上昇が少ない
ため、水の量が2重量%以下であるフェノール系樹脂
(A)を使用することが好ましい。フェノール系樹脂
(A)中の水の量が2重量%を超え5重量%以下のと
き、分子の両末端にシラノール基を有するオルガノポリ
シロキサン(B)を乳化剤(C)より先に添加すれば、
水の発泡は抑えられる。よって、分子の両末端にシラノ
ール基を有するオルガノポリシロキサン(B)を乳化剤
(C)より先に添加することが好ましい。
【0034】フェノール性化合物もフェノール系樹脂中
に含まれているが、不足するときは添加しなければなら
ない。但し、(A)、(B)及び(C)を含む混合物中
のフェノール性化合物の量は、20重量%以下が好まし
い。フェノール性化合物の量が20重量%を超えると、
フェノール系樹脂組成物を硬化させたとき、架橋密度が
低下し、成形物の耐熱性が劣り好ましくない。又、成形
物の耐熱性を維持するために、フェノール系樹脂組成物
中のフェノール性化合物量が10重量%以下になるよう
に系内の不要なフェノール性化合物を6.7kPa以下
に減圧して吸引又は蒸留等により除去することが可能で
ある。
【0035】又、シリコーン架橋反応をより速く行うた
めに、シラノール縮合用架橋剤(D)及びシラノール縮
合用触媒(E)を添加した後で水を添加しても良い。フ
ェノール系樹脂組成物に水を1〜15時間かけて、連続
的又は断続的にフェノール系樹脂(A)100重量部に
対して0.1〜100重量部を添加し、60〜200℃
においてフェノール系樹脂中でオルガノポリシロキサン
の架橋反応を行う。この時、添加した水は、反応温度で
平衡に達する分が水蒸気となり、系外に留出する。シラ
ノール縮合用架橋剤(D)及びシラノール縮合用触媒
(E)を添加した後で添加する水は、シラノール縮合用
触媒を活性化し、シリコーン架橋反応を進める以外に、
縮合反応で生成、発生する低分子縮合物を系外に同伴
し、排除する効果がある。そのため、シリコーンの架橋
反応がより一層進み、フェノール系樹脂組成物の製造後
に未架橋物が残存しなくなり、シリコーン分子量の上昇
を抑えることができる。
【0036】製造されたフェノール系樹脂組成物中の架
橋後のシリコーンの分子量は、フェノール系樹脂組成物
から溶剤に対する溶解度の差を用いて分離されたシリコ
ーン分の粘度を測定することで知ることができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明につい
て更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。尚、実施例、比較例中の「部」
は、「重量部」を表す。又、実施例、比較例及び試験例
で使用した水分測定法、フェノール性化合物の定量法、
シリコーン粘度、耐熱性試験、及びシャルピー衝撃試験
の測定は下記の方法により実施した。 (1)水分測定法(重量%) 試料0.3gを採取し、カールフィッシャー式水分計
(京都電子工業(株)製、MKA−510型)を用いて
測定する。 (2)フェノール性化合物の定量法(重量%) 試料1.0gをアセトン10mlに溶解し、この溶液を
ガスクロマトグラフィで測定すことで定量する。 (3)シリコーン粘度(mm2/s) コーンプレート粘度計(東亜工業(株)製)を用いて、
50℃における粘度を測定する。 (4)耐熱性試験(%) 得られた成形体を温度300℃で100時間熱処理を行
う。熱処理前後の重量変化を測定する。 (5)シャルピー衝撃試験(kJ/m2) JIS K6911に従い、シャルピー衝撃試験機(東
洋精機製作所(株)製)を用いて、1回の打撃で試験片
の折れた振り上がり角度を測定し、シャルピー衝撃強さ
を求める。
【0038】実施例1 フェノールを3.7重量%含むフェノールノボラック樹
脂(三井化学(株)製、ノボラック#2000)100
部を170℃の温度で加熱、溶融させた。次に、これを
攪拌しながら一般式(1)で表され、R1、R2がメチル
基である分子量4000の分子の両末端にシラノール基
を有するオルガノポリシロキサン10部を添加し、1時
間攪拌した。次に、一般式(2)で表され、エポキシ基
のみを持ち25℃における粘度が8000mm2/sで
エポキシ基当量が3000の変性シリコーンオイルを
0.5部加え30分間攪拌を行った。この混合物中の水
分をカールフィッシャー式水分計で測定したところ、
0.02重量%であった。混合物中の水分が0.2重量
%になるようにイオン交換水を加えた後、シラノール縮
合用架橋剤としてテトラ(n−プロポキシ)シラン1.
25部とシラノール縮合用触媒としてジ−n−ブチル錫
ジアセテート0.25部の混合物を加えた。そのまま1
70℃の温度で5時間シリコーンの架橋反応を行った
後、系内に残る水分を1.34kPaの圧力において吸
引除去し、水分量が0.05重量%以下のフェノール系
樹脂組成物を得た。
【0039】実施例2 フェノールを2.1重量%含むフェノールアラルキル樹
脂(三井化学(株)製、商品名:ミレックスXL−22
5)100部を170℃の温度で加熱、溶融させた。次
に、これを攪拌しながら一般式(1)で表され、R1
2がメチル基である分子量10000の分子の両末端
にシラノール基を有するオルガノポリシロキサン10部
を添加し、1時間攪拌した。次に、一般式(2)で表さ
れ、POA基のみを持ち25℃における粘度が320m
2/sの変性シリコーンオイルを2部加え30分攪拌
を行った。この混合物中の水分をカールフィッシャー式
水分計で測定したところ、0.15重量%であった。フ
ェノール3部を加えた後、シラノール縮合用架橋剤とし
て3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.2部とシ
ラノール縮合用触媒としてジ−n−ブチル錫ジオクテー
ト0.02部の混合物を加え、30分間攪拌した。次
に、この混合物にイオン交換水を、フェノールアラルキ
ル樹脂100部に対し、2.4部/hr加え、発生する
縮合物等を系外に留出させながら170℃において2時
間シリコーンの架橋反応を行った後、系内に残る水分及
びフェノールを1.34kPaの圧力において吸引除去
し、水分量が0.05重量%以下及びフェノールが2重
量%以下のフェノール系樹脂組成物を得た。
【0040】実施例3 フェノールを1.5重量%含むフェノールノボラック樹
脂(三井化学(株)製、ノボラック#2000)100
部を170℃の温度で加熱、溶融させた。次に、これを
攪拌しながら一般式(1)で表され、R1、R2がメチル
基である分子量7000の分子の両末端にシラノール基
を有するオルガノポリシロキサン30部を添加し、1時
間攪拌した。次に、一般式(3)で表され、RがC9
ニル基であり、nが8のノニルフェノール−ホルマリン
縮合物にエチレンオキシドを、活性水素1モル当たり平
均60モル付加した乳化剤を5部加え30分攪拌を行っ
た。この混合物中の水分をカールフィッシャー式水分計
で測定したところ、0.05重量%であった。混合物中
の水分が0.4重量%になるように水を添加した後、シ
ラノール縮合用架橋剤としてメチルトリメトキシシラン
0.7部とシラノール縮合用触媒としてジ−n−ブチル
錫ジラウレート0.03部の混合物を加え、30分間攪
拌した。次に、この混合物にイオン交換水を、フェノー
ルノボラック樹脂100部に対し、2.44部/hr加
え、発生する縮合物等を系外に留出させながら170℃
において3時間シリコーンの架橋反応を行った後、系内
に残る水分を1.34kPaの圧力において吸引除去
し、水分量が0.05重量%以下のフェノール系樹脂組
成物を得た。
【0041】実施例4 α−ナフトールとパラキシリレンジメチルエーテルより
得られたナフトールアラルキル樹脂(軟化点105℃、
α−ナフトールを4.6重量%含む)100部を170
℃の温度で加熱、溶融させた。次に、これを攪拌しなが
ら一般式(1)で表され、R1、R2がメチル基である分
子量20000の分子の両末端にシラノール基を有する
オルガノポリシロキサン20部を添加し、1時間攪拌し
た。次に、一般式(2)で表され、エポキシ基とPOA
基の両方を持ち25℃における粘度が3500mm2
sの変性シリコーンオイルを1部加え30分攪拌を行っ
た。この混合物中の水分をカールフィッシャー式水分計
で測定したところ、0.01重量%であった。混合物中
の水分が0.3重量%になるようにイオン交換水を加え
た後、シラノール縮合用架橋剤としてメチルトリエトキ
シシラン0.4部とシラノール縮合用触媒としてジ−n
−ブチル錫ジアセテート0.02部の混合物を加え、3
0分間攪拌した。次に、この混合物にイオン交換水を、
ナフトールアラルキル樹脂100部に対し、2.0部/
hr加え、発生する縮合物等を系外に留出させながら1
70℃において5時間シリコーンの架橋反応を行った
後、系内に残る水分を1.34kPaの圧力において吸
引除去し、水分量が0.05重量%以下のフェノール系
樹脂組成物を得た。
【0042】実施例5 フェノールを6.8重量%含むフェノールレゾール樹脂
(群栄化学工業(株)製、商品名:PS−4104)1
00部にアセトン120部を加え60℃の温度で加熱、
溶融させた。次に、これを攪拌しながら一般式(1)で
表され、R1、R2がメチル基である分子量8000の分
子の両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキ
サン15部を添加し、1時間攪拌した。次に、一般式
(2)で表され、POA基のみを持ち25℃における粘
度が320mm2/sの変性シリコーンオイルを2部加
え30分攪拌を行った。この混合物中の水分をカールフ
ィッシャー式水分計で測定したところ、0.07重量%
であった。混合物中の水分が0.15重量%になるよう
にイオン交換水を加えた後、シラノール縮合用架橋剤と
してメチルトリメトキシシラン0.25部とシラノール
縮合用触媒としてジ−n−ブチル錫ジオクテート0.0
4部の混合物を加え、30分間攪拌した。次に、この混
合物にイオン交換水を、フェノールレゾール樹脂100
部に対し、2.4部/hr加え、発生する縮合物等を系
外に留出させながら60℃において2時間シリコーンの
架橋反応を行った後、アセトン及び系内に残る水分を
1.34kPaの圧力において吸引除去し、水分量が
0.05重量%以下のフェノール系樹脂組成物を得た。
【0043】比較例1 フェノールを3.7重量%含むフェノールノボラック樹
脂、乳化剤及び分子の両末端にシラノール基を有するオ
ルガノポリシロキサン混合物中の水分を0.02重量%
のままで調整しなかった以外は、実施例1と同様にフェ
ノール系樹脂組成物を得た。
【0044】比較例2 フェノールを2.1重量%含むフェノールアラルキル樹
脂、乳化剤及び分子の両末端にシラノール基を有するオ
ルガノポリシロキサン混合物中にフェノールを添加しな
かった以外は、実施例2と同様にフェノール系樹脂組成
物を得た。
【0045】比較例3 フェノールを3.7重量%含むフェノールノボラック樹
脂、乳化剤及び分子の両末端にシラノール基を有するオ
ルガノポリシロキサン混合物中の水分を0.02重量%
のままで調整しない、又シラノール縮合用架橋剤及びシ
ラノール縮合用触媒を添加後に、混合物中の水分量が
0.2重量%になるようにイオン交換水を加えた以外
は、実施例1と同様にフェノール系樹脂組成物を得た。
【0046】試験例1 実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた各々のフェノ
ール系樹脂組成物を、製造直後、4倍重量のアセトンに
溶解し、シリコーンを遠心分離器で不溶分として取り出
した。このシリコーンの分子量の目安として、50℃に
おける粘度を測定した。又、室温に60日間放置後の該
フェノール系樹脂組成物のシリコーン粘度も上記と同様
に測定した。〔表1〕に結果を示す。各実施例で得られ
たフェノール系樹脂組成物中のシリコーン粘度つまり分
子量は、一定範囲内にあり、且つ、経時的に変化しない
ことが確認された。
【0047】試験例2 室温で60日間放置した実施例1〜4及び比較例1〜3
で得られたフェノール系樹脂組成物100部にそれぞれ
ヘキサメチレンテトラミン12部、ガラス繊維120
部、クレー60部、ステアリン酸2部、カーボンブラッ
ク3部を添加し、110〜120℃の熱ロールで3分間
混練後、粉砕して成形粉とした。実施例5で得られたフ
ェノール系樹脂組成物を室温で60日間放置後、ヘキサ
メチレンテトラミンを添加しなかった以外は、上記と同
様にして成形粉を得た。各成形粉を圧縮成形機により、
温度170℃、圧力9.8MPaの条件で10分間圧縮
成形した。さらに、220℃、1時間の条件で後硬化を
行った。得られた成形体を耐熱性及びシャルピー衝撃の
評価試験に供した。各評価試験の結果、実施例で得られ
たフェノール系樹脂組成物の耐熱性及び耐衝撃性は、フ
ェノール系樹脂組成物製造後、経時的に低下しないこと
が確認された。これらの結果を〔表1〕に示す。
【0048】
【表1】 注)シラノール縮合用架橋剤(D)及びシラノール縮合
用触媒(E)を添加後に、混合物中の水分量が0.2重
量%になるよう水を添加した。
【0049】
【発明の効果】本発明により、架橋後の分子量が経時的
に変化せず一定範囲内に保持されたシリコーンを分散し
たフェノール系樹脂組成物が得らる。該フェノール系樹
脂組成物は、耐熱性及び耐衝撃性に優れた成形物を与え
る。そのため、該フェノール系樹脂組成物は、優れた機
械的強度、耐クラック性、耐熱衝撃性、応力緩和性、又
は耐摩擦性を必要とする各種成形材料又は摩擦材料とし
て使用すことができ、産業上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 正信 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 福井 幸雄 愛知県名古屋市南区粕畠町1丁目21番地 Fターム(参考) 4J033 CA01 CA02 CA03 CA11 CA12 CA14 CA19 CA22 HA12 HA13

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱、溶融したフェノール性水酸基を有
    する樹脂(A)に対し、分子の両末端にシラノール基を
    有するオルガノポリシロキサン(B)、乳化剤(C)、
    シラノール縮合用架橋剤(D)、及びシラノール縮合用
    触媒(E)を添加して、フェノール性水酸基を有する樹
    脂(A)中で分子の両末端にシラノール基を有するオル
    ガノポリシロキサン(B)の架橋反応を行い、反応終了
    後水を除去するフェノール性水酸基を有する樹脂組成物
    の製造方法であって、(A)に対し(B)及び(C)を
    添加した後、(A)、(B)及び(C)を含む混合物中
    の水及びフェノール性水酸基を有する化合物の含有量を
    数式(1)〔数1〕 【数1】 〔Aは水の量(重量%)を示し、且つ、A≦5、Bはフ
    ェノール性水酸基を有する化合物の量(重量%)を示
    し、且つ、B≦20〕を満たすように制御し、次いで
    (D)及び(E)を添加することを特徴とするフェノー
    ル性水酸基を有する樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 フェノール性水酸基を有する樹脂(A)
    が、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、及びフェノールア
    ラルキル樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂である
    ことを特徴とする請求項1記載のフェノール性水酸基を
    有する樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 フェノール性水酸基を有する樹脂(A)
    に対し、分子の両末端にシラノール基を有するオルガノ
    ポリシロキサン(B)を添加した後、乳化剤(C)を添
    加することを特徴とする請求項1記載のフェノール性水
    酸基を有する樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 分子の両末端にシラノール基を有するオ
    ルガノポリシロキサン(B)が一般式(1)〔化1〕 【化1】 (式中、R1、R2は同種又は異種の1価の炭化水素基、
    メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基を含む
    アルキル基、フェニル基、及びキシリル基を含むアリー
    ル基、γ−クロロプロピル基、及び3,3,3−トリフ
    ルオロプロピル基を含むハロゲン化1価炭化水素基等を
    示す)で表される化合物であることを特徴とする請求項
    1記載のフェノール性水酸基を有する樹脂組成物の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 フェノール性水酸基を有する樹脂(A)
    100重量部に対し、分子の両末端にシラノール基を有
    するオルガノポリシロキサン(B)3〜50重量部を添
    加することを特徴とする請求項1記載のフェノール性水
    酸基を有する樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 乳化剤(C)が一般式(2)〔化2〕 【化2】 (式中、R1、R2は同種又は異種のC2〜C5の2価の炭
    化水素基、POAはエチレンオキシド又はプロピレンオ
    キシドの付加物よりなるポリオキシアルキレン基、xは
    200〜990の整数、y+z=10〜800、且つ、
    x+y+z<1000である)で表わされる化合物、又
    は一般式(3)〔化3〕 【化3】 (式中、RはC4〜C12のアルキル基、nは平均で1〜2
    0の整数、EOはエチレンオキシド、POはプロピレン
    オキシドがそれぞれ付加していることを示し、x及びy
    は0〜100の整数、且つ、5≦x+y≦100であ
    る)で表される化合物であることを特徴とする請求項1
    記載のフェノール性水酸基を有する樹脂組成物の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 フェノール性水酸基を有する樹脂(A)
    100重量部に対し、乳化剤(C)0.01〜30重量
    部を添加することを特徴とする請求項1記載のフェノー
    ル性水酸基を有する樹脂組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 シラノール縮合用架橋剤(D)が、アル
    コキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシム基、アルケニ
    ルオキシ基、アミノオキシ基及びアミノ基からなる群か
    ら選ばれた官能基を3個以上けい素原子に直結してなる
    多官能シラン化合物であることを特徴とする請求項1記
    載のフェノール性水酸基を有する樹脂組成物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 フェノール性水酸基を有する樹脂(A)
    100重量部に対し、シラノール縮合用架橋剤(D)
    0.05〜5重量部を添加することを特徴とする請求項
    1記載のフェノール性水酸基を有する樹脂組成物の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 シラノール縮合用触媒(E)が有機錫
    化合物であることを特徴とする請求項1記載のフェノー
    ル性水酸基を有する樹脂組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 分子の両末端にシラノール基を有する
    オルガノポリシロキサン(B)100重量部に対し、シ
    ラノール縮合用触媒(E)0.1〜5重量部を添加する
    ことを特徴とする請求項1記載のフェノール性水酸基を
    有する樹脂組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 フェノール性水酸基を有する樹脂
    (A)中の水の量が2重量%以下であることを特徴とす
    る請求項1記載のフェノール性水酸基を有する樹脂組成
    物の製造方法。
  13. 【請求項13】 シラノール縮合用架橋剤(D)及びシ
    ラノール縮合用触媒(E)を添加した後、水を連続的又
    は断続的に装入して、分子の両末端にシラノール基を有
    するオルガノポリシロキサン(B)の架橋反応を行うこ
    とを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の
    フェノール性水酸基を有する樹脂組成物の製造方法。
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