JP2001048908A - 重合触媒及び樹脂複合材の合成方法 - Google Patents
重合触媒及び樹脂複合材の合成方法Info
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Abstract
並びにこれを用いた樹脂複合材の合成方法を提供する。 【解決手段】 重合触媒は,イオン交換能を有するクレ
イ2などの層間化合物と,層間化合物とイオン結合でつ
ながれた,ポリメチレン鎖11,アルケニル鎖などの連
結物質と,重合触媒能を有する金属触媒3とからなり,
上記連結物質と金属触媒との間は化学結合によりつなが
れている。重合触媒を製造するに当たっては,層間化合
物の層間イオンを,アルケニル鎖などの二重結合を有す
る有機オニウム塩などの連結物質でイオン交換し,連結
物質に重合触媒能を有する金属触媒を作用させるととも
にその末端に金属触媒を化学結合によりつなげる。
Description
製造方法,並びにこれを用いたオレフィン系,アクリル
系,ビニル系などの樹脂複合材の合成方法に関する。
担持した重合触媒がある。しかし,かかる重合触媒は,
充分な重合活性が得られない。その理由は,以下のよう
に考えられる。遷移金属の層間化合物への担持が物理吸
着を利用して行われるため,担持量が少なくなり,不均
一となる。また,層間化合物のシリケート層間の相互作
用が非常に強いため,単量体が層間に進入しない。
に鑑み,重合活性が高い重合触媒及びその製造方法,並
びにこれを用いた樹脂複合材の合成方法を提供しようと
するものである。
層間化合物と,該層間化合物とイオン結合でつながれた
連結物質と,該連結物質と化学結合によりつながれた重
合触媒能を有する金属触媒とからなることを特徴とする
重合触媒である。
触媒を,連結物質を介して,粘土などの層間化合物に担
持させたものである。ここで,重合触媒能を有する金属
触媒は上記連結物質に対して共有結合などの化学結合に
より結合している。金属触媒と上記連結物質との間の化
学結合は,物理的吸着とは異なり,強固である。したが
って,層間化合物に対して安定に多量の金属触媒を担持
させることができ,触媒安定性に優れている。
て金属触媒を担持しているため,層間が十分に広がり,
層間の単量体の進入が容易となる。そのため,単量体
は,金属触媒との接触機会が増え,重合反応性が向上す
る。また,クレイなどの層間化合物は,それ自体が助触
媒能を有するため,金属触媒の重合触媒能を高める。そ
のため,本発明の重合触媒を用いて重合反応を行う場合
には,助触媒の使用量を低減できる。
合物に担持させているため,層間が広がり層間で触媒及
び単量体が拡散しやすい。そのため,単量体の中に触媒
能を有する金属触媒を均一に分散させることができる。
明する。層間化合物は,イオン交換能を有する。イオン
交換能とは,層間化合物が交換性イオンをもち,他のイ
オンに置換し得る性質をいう。イオン交換能は,例え
ば,陽イオン交換容量で表すことができる。かつ,金属
触媒により生成するポリマーの一部は連結物質あるいは
金属触媒を介して層間化合物と結合を形成するため,重
合後には層間化合物はポリマーに覆われることとなる。
このため,層間化合物は,ポリマー中で微細に分散で
き,かつ層間化合物とポリマー界面が強固であるため,
優れた複合材料を得ることができる。
〜200ミリ等量/100gであることが好ましい。5
0ミリ等量/100g未満の場合には,オニウムイオン
の交換が十分に行われず,層間化合物の層間を膨潤させ
ることが困難な場合がある。一方,200ミリ等量/1
00gを越える場合には,層間化合物の層間の結合力が
強固となり,層間を膨潤させることが困難な場合があ
る。
土鉱物)がある。クレイとしては,例えば,モンモリロ
ナイト,サポナイト,ヘクトライト,バイデライト,ス
ティブンサイト,ノントロナイトなどのスメクタイト系
粘土鉱物,バーミキュライト,ハロイサイト,又は膨潤
性マイカがある。天然のものでも,合成されたものでも
よい。
m2/gであることが好ましい。これにより,ポリメチ
レン鎖などの連結物質を介して多量の金属触媒を結合さ
せることができる。50m2/g未満では,金属触媒の
担持量が少なくなり,重合触媒能が低下するおそれがあ
る。10,000m2/gを越える場合は,それに見合
う効果を得難い。
を連結する介在物質である。連結物質は,層間化合物に
対してはイオン結合を形成し,金属触媒に対しては化学
結合を形成している。連結物質は,例えば,図1の一般
式で示される化合物(図1中,i,nは整数,i<n)
がある。
0であることが好ましい。100を超える場合には,連
結物質と層間化合物との間でイオン結合を形成しにくく
なるおそれがある。図1におけるAiは,−CR1R2
−,−O−,−NR−,−S−,−SiR 1R2−,−
BR−,−GeR1R2−,AsR−,−Se−,−S
nR1R2−(R,R1,R2は置換基)または,直鎖
状若しくは環状の二官能性化合物であることが好まし
い。
ば,アルキル,アリール基,アリル基,アルケン基,ア
ルキン基,アルコキシ基,ヒドロキシ基,カルボキシル
基,カルボキシレート基,チオカルボキシ基,ジチオカ
ルボキシ基,スルホ基,スルフィノ基,スルフェノ基,
オキシカルボニル基,ハロホルミル基,カルバモイル
基,ヒドラジノカルボニル基,アミジノ基,シアノ基,
イソシアン基,シアナト基,イソシアナト基,チオシア
ナト基,イソチオシアナト基,ホルミル基.オキソ基,
チオホルミル基,チオキソ基,メルカプト基,アミノ
基,イミノ基,ヒドラジノ基,アルコキシ基,アリロキ
シ基,スルフィド基,ハロゲン,ニトロ基,シリル基,
ベンジル基等を含む官能基である。
図2(a)〜図2(d)の一般式に示す化合物があり,
環状の二官能性化合物としては,例えば図2(e)〜図
2(h)の一般式に示す化合物がある。図2の中におけ
るR3,R4,R5,R6は置換基であり,例えば,上
記のごとく,R,R1,R2として列挙したものを用い
ることができる。
官能基と,金属触媒と化学結合する官能基とを有してい
る。層間化合物とイオン結合を形成する官能基として
は,例えば,−NR7R8R 9 +,−PR7R
8R9 +,−AsR7R8R9 +(R7,R8,R9は
置換基),−CO2 −,−SO3 −,−O−,−PO3
−,−S−などがある。金属触媒と化学結合する官能基
としては,例えば,オレフィン,ハロゲン,アルキン,
アミン,アミド,ケトン,イミン,ホスフィン,アリ
ル,ジエン,トリエン,ケテン,アレンなどがある。
はアルケニル鎖を有することが好ましい。即ち,請求項
2の発明のように,上記連結物質は,ポリメチレン鎖ま
たはアルケニル鎖を有することが好ましい。ポリメチレ
ン鎖とは,−(CH2)n−(n;整数)で表されるア
ルキル基の連鎖をいう。アルケニル鎖とは,分子内に1
つ以上の二重結合を有する不飽和の鎖をいう。連結物質
がアルケニル鎖の場合,層間化合物と連結物質と金属触
媒とが結合した状態で連結物質に1つ以上の二重結合を
有する。ポリメチレン鎖及びアルケニル鎖は,直鎖状,
枝分かれ状のいずれであってもよいが,層間化合物の層
間における触媒用の空間を確保するため,直鎖状である
ことが好ましい。
数は3〜100であることが好ましい。3未満では,層
間化合物の層間が十分に広がらず,触媒用の空間を確保
できないおそれがある。また,100を超える場合に
は,充分なイオン交換が行われないおそれがある。更に
好ましくはポリメチレン鎖及びアルケニル鎖の炭素数は
6〜50,特に好ましくは炭素数6〜20である。
合物側の末端は,層間化合物に対してイオン結合可能な
官能基が結合している。例えば,官能基としては,オニ
ウム塩,アニリニウム塩,ピリジニウム塩,グアニジウ
ム塩などがある。ポリメチレン鎖またはアルケニル鎖と
しては,例えば,オレオイル,ペンテニル,ヘキセニ
ル,ドデセニル,ペンタドデセニルのほか,表1の右欄
に列挙したものがあるが,これらに限定されない。
触媒であることが好ましい。遷移金属触媒としては,例
えば,i) ジルコノセン,ハフノセン,チタノセン,ア
ンサジルコノセン,アンサハフノセン,アンサチタノロ
ンなどのKaminsky触媒,ii)Pd錯体,Ni錯体などのB
rookhart触媒,iii)Al錯体,Y錯体,Sn錯体,Sn
錯体,V錯体,Cr錯体,Fe錯体,Ru錯体,Cu錯
体,Mn錯体などがある。中でも,有機化剤との結合性
の点から,ジルコノセンが好ましい。
Xm]a+[A]a−で示される単成分型触媒であるこ
とが好ましい。これにより,重合効率を向上させること
ができる。該一般式中,Mは周期律表第8,9及び10
族の遷移金属元素を表し,Lは1から3個のπ結合能を
有する配位子を示し,Xは少なくとも一つのσ結合と0
から3個のπ結合能を有する配位子を示し,nは0,1
あるいは2であり,mは0,1,2あるいは3であり,
nとmとの両方が同時に0であることはなく,Aは,
[LnMXm]a+に対するアニオンを示す。
第8,9及び10族の遷移金属元素の遷移金属化合物
と,(b)有機アルミニウム化合物,及び/又は(c)
電子受容性成分とを含有する多成分型触媒であってもよ
い。これにより,重合触媒を向上させることができる。
あることが好ましい。上記金属として,チタン,ジルコ
ニウム,ハフニウム,バナジウム,ニオブ,タンタル,
ニッケル,パラジウム,クロム,コバルト,鉄,サマリ
ウム,イットリウム,モリブデン,タングステン等のい
ずれかーつまたは複数を含む。上記配位子として,シク
ロベンタジエニル誘導体(シクロペンタジエニル基,イ
ンデニル基,フルオレニル基等を単数あるいは複数有
し,置換基を有する化合物)あるいは,金属に複数ある
いは単数の酸素,窒素,リン,硫黄,炭素で配位しうる
配位点を有する化合物(例えばフェナントロリン誘導
体,ビピリジル誘導体,1,2−ジイミノエタン化合物
誘導体,3−イミノ−1−ヒドロキシ−1−プロペニル
化合物誘導体など)がある。
例えば,アルキル基,アリール基,アリル基,アルケン
基,アルキン基,アルコキシ基,ヒドロキシ基,カルボ
キシル基,カルボキシレート基,チオカルボキシ基,ジ
チオカルボキシ基,スルホ基,スルフィノ基,スルフェ
ノ基,オキシカルボニル基,ハロホルミル基,カルバモ
イル基,ヒドラジノカルボニル基,アミジノ基,シアノ
基,イソシアン基,シアナト基,イソシアナト基,チオ
シアナト基,イソチオシアナト基,ホルミル基,オキソ
基,チオホルミル基,チオキソ基,メルカプト基,アミ
ノ基,イミノ基,ヒドラジノ基,アルコキシ基,アリロ
キシ基,スルフィド基,ハロゲン基,ニトロ基,シリル
基等を含む官能基で置換されていても良い。また,これ
ら錯体は互いに直接結合あるいは二官能性置換基で連結
していても良く,その連結部は上記官能基のいずれかを
含んでいても良い。
対する金属触媒の担持量は0.1ppm〜100%であ
ることが好ましい。これにより,優れた触媒活性を発揮
できる。0.1ppm未満では金属触媒が失活するおそ
れがあり,100%を超える場合には層間における単量
体の重合効率が低下するおそれがある。
ppm〜10%であることが好ましい。0.1ppm未
満では,重合効率が低下するおそれがある。10%を超
える場合には生成ポリマーの分子量が低下し,これによ
り生成ポリマーの物性が低下するおそれがある。本発明
の重合触媒によれば,後述のように,オレフィン系単量
体,アクリル系単量体,ビニル系単量体などの重合反応
をおこなうことができる。なお,層間化合物に対する金
属触媒の担持量は,例えば,層間化合物に対する金属触
媒の添加量を変えることにより制御できる。
求項3記載のように,イオン交換能を有する層間化合物
の層間イオンを,該層間イオンとイオン結合を形成で
き,かつ重合触媒能を有する金属触媒と化学結合を形成
できる連結物質でイオン交換する工程と,上記連結物質
に,層間化合物に重合触媒能を有する金属触媒を作用さ
せて,上記連結物質と該金属触媒とを化学結合によりつ
なげる工程とから構成されていることを特徴とする重合
触媒の製造方法がある。
イオンに連結物質をイオン交換させることにより層間化
合物に連結物質をイオン結合させ,次いで,該連結物質
に金属触媒を化学結合によってつなげている。これによ
り,層間化合物に連結物質を介して金属触媒が結合され
る。従って,本製造方法によれば,上記のごとく優れた
性質を有する重合触媒を製造できる。
の層間イオンを,連結物質でイオン交換する。層間化合
物の層間イオンとは,層間化合物表面に結合しているイ
オンをいい,例えば,上記の層間化合物をイオン化させ
たものを用いることができる。
合し得,かつ金属触媒に対して化学結合し得る物質であ
る。連結物質は,上記のごとく,図1に示す化合物を形
成し得る不飽和物質であることが好ましく,例えば図1
に示す化合物を不飽和化した不飽和化合物がある。上記
不飽和物質とは,少なくとも1つの二重結合を有する物
質の有機オニウム塩であることが好ましい。
する有機オニウム塩であることが好ましい。該有機オニ
ウム塩に金属触媒を作用させると,有機オニウム塩にお
けるアルケニル鎖中の二重結合が異性化されて,ポリメ
チレン鎖あるいはアルケニル鎖になり,その末端に金属
触媒が共有結合でつながれる。これにより,金属触媒が
ポリメチレン鎖あるいはアルケニル鎖を介して層間化合
物に担持された重合触媒を得ることができる。なお,金
属触媒がアルケニル鎖(分子内に1つ以上の二重結合を
有するもの)を介して層間化合物に担持された重合触媒
を得るには,上記有機オニウム塩のアルケニル鎖には2
つ以上の二重結合を有するものを用いる。
としては,アルキルアンモニウム塩,アルキルアニリニ
ウム塩,アルキルピリジニウム塩,アルキルグアニジリ
ウム塩などがある。また,上記アルケニル鎖としては,
例えば,下記の表1の左欄に列挙したものがあげられ
る。これら列挙したアルケニル鎖を金属触媒に結合させ
ると,上記表1の右欄に示すポリメチレン鎖が形成され
ることになる。
を有する不飽和炭素鎖からなる有機オニウム塩であって
もよい。該有機オニウム塩に金属触媒を作用させると,
上記有機オニウム塩における上記不飽和炭素鎖中の二重
結合が異性化されて,アルケニル鎖になり,その末端に
金属触媒が共有結合でつながれる。これにより,金属触
媒がアルケニル鎖を介して層間化合物に担持された重合
触媒を得ることができる。アルケニル鎖としては,たと
えば,下記の表1の左欄に列挙したものがある。
飽和炭素からなる有機オニウム塩であってもよい。該有
機オニウム塩に金属触媒を作用させると上記有機オニウ
ム塩における三重結合が二重結合に変化すると同時に触
媒−オニウム塩結合を形成する。これにより金属触媒が
アルケニル鎖を介して層間化合物に担持された重合触媒
を得ることができる。
と化学反応し得る連結物質との組合せの具体例として,
例えば,bis(cyclopentadienyl)zirconium chloride hy
drideと,オレフィン含有アンモニウム塩化合物との反
応の組み合せ,あるいは,オレフィン含有アンモニウム
塩化合物と有機アルミニウム化合物との反応の組み合せ
がある。あるいは,ハイドロシラン含有アンモニウム塩
化合物とメタロセン(ジルコノセン,チタノセン,ハフ
ノセン等)との反応の組み合せ等があげられる。
%〜100%であることが好ましい。1%未満では,層
間化合物に対する金属触媒の担持量が少なくなるおそれ
があり,100%を超える場合には有機オニウム塩がブ
リーディングするおそれがある。
よりイオン交換するにあたっては,具体的には,層間化
合物を溶媒に膨潤させ,連結物質とイオン交換する方法
がある。
物質に金属触媒を作用させる。上記層間化合物に金属触
媒を作用させるに当たっては,例えば,i) 連結物質が
二重結合を有する場合には,該二重結合に対する金属錯
体の付加反応,ii) 連結物質がハロゲン化物,アミン化
合物またはアミド化合物である場合には,該化合物に対
する金属錯体の置換反応,iii) 連結物質がアセチルア
セトナート,アリル,フェナントリル,ホスフィン,イ
ミノ,ピリジル,ヒドロキシ,チオニル基などの官能基
を有する場合には,該官能基の金属との錯体形成反応,
iv) 連結物質が有機化合物である場合には,該有機化合
物と金属錯体などの金属触媒とのイオン結合反応,v)
金属触媒が有機金属化合物である場合には,該有機金属
化合物に影響を与えない範囲で使用できる結合形成反応
を用いることができる。
法は,溶媒中または溶媒無しで層間化合物と金属触媒と
を混合する方法がある。
明した遷移金属触媒であることが好ましい。
は1ppm〜100%であることが好ましい。1ppm
未満では,層間化合物に対する金属触媒の担持量が減少
し,触媒活性が低下するおそれがある。また,100%
を超える場合には生成ポリマーの分子量が低下するおそ
れがある。
ることもできる。具体的には,請求項4記載のように,
重合触媒を用いて単量体を重合させることにより樹脂複
合材を合成する方法であって,上記重合触媒は,層間化
合物と,該層間化合物とイオン結合でつながれた連結物
質と,該連結物質と化学結合によりつながれた重合触媒
能を有する金属触媒とからなることを特徴とする樹脂複
合材の合成方法がある。
合された生成ポリマーは,重合触媒を覆う。これによ
り,層間化合物の層間が拡大し,層間化合物が生成ポリ
マーの中に分散して,層間化合物が生成ポリマーの強度
を補強する。従って,強度の高い生成ポリマーが得られ
る。また,生成ポリマーに対して分散性及び強度向上の
ための変性をする必要もない。
オレフィン系単量体,アクリル系単量体,ビニル系単量
体等があるが,これらに限定されない。単量体は,鎖
状,環状,枝分かれ状のいずれであってもよく,また1
種のみでもよいし2種以上の混合であってもよい。鎖状
オレフィン系単量体としては,エチレン,プロピレン,
アセチレン,ブチレンなどがある。環状オレフィン系単
量体としては,シクロペンテン,ノルボルネン,ノルボ
ルナジエンなどがある。枝分かれ状オレフィン系単量体
としては,イソブチレン,3−メチルブテンなどがあ
る。
記重合触媒と同様のものを用いる。重合触媒の使用量
は,オレフィン単量体に対して0.1ppm〜10%で
あることが好ましい。0.1ppm未満では反応効率が
低下するおそれがあり,10%を超える場合には重合生
成物の分子量が低下するおそれがある。
ィン系単量体の濃度は,0.001mM〜100mMで
あることが好ましい。0.001mM未満では反応効率
が低くなるおそれがあり,また100mMを超える場合
には粘度が過剰に上昇するおそれがある。
ことが好ましい。−80℃未満では反応溶媒が凍結する
おそれがあり,250℃を超える場合には有機化剤が分
解するおそれがある。重合反応は,重合触媒の存在下
で,スラリー重合,気相重合,塊状重合,溶液重合,懸
濁重合などのいずれも方法を用いてもよい。なお,重合
反応の後,脱溶媒操作,乾燥操作等により溶媒を除去す
ることが好ましい。
射出成形,サンドイッチ成形,ブロー成形,押出成形な
どにより成形品にすることができる。また,樹脂複合材
は,例えば,包装フィルム,構造材料,ガスバリヤ材な
どの用途がある。
いてオレフィン系単量体の重合反応をおこなった。
(i) オートクレーブ中で,乾燥THF(テトラヒド
ロフラン)20mlに,オレイルクロリド(図3
(a))15gを溶解し,トリメチルアミン(Me
3N)を10g導入した。室温で1時間攪拌した後,大
気に開放し,THFを留去した。冷ヘキサンで洗浄し,
12.5gのN,N,N−テトラメチルオレイルアミン
塩化物(図3(b),図4(a))を得た。
N,N−テトラメチルオレイルアミン塩化物10gを温
水300m1に分散し,クレイ2としてのナトリウムモ
ンモリロナイト(図4(a))12gの温水分散液と強
攪拌下に混合して,イオン交換をおこなった。15分攪
拌を継続した後ろ過,温水洗浄した。凍結乾燥して13
gのN,N,N−テトラメチルオレイルアミン粘土層間
化合物(図3(c),図4(b))を得た。
イルアミン粘土層間化合物1gを真空乾燥した後,トル
エン30mlに分散した。オートクレーブ中で,金属触
媒3としてのbis(cyclopentadienyl)zirconiumchloride
hydride(以下,「Cp2ZrHCl」という。)50
mgを加え,50℃で1時間攪拌した。これにより,C
p2ZrHClをN,N,N−テトラメチルオレイルア
ミン粘土層間化合物に結合してなる重合触媒4(図3
(d),図4(c))を得た。
後,メチルアルミノキサン(MAO,トーソーアクゾ
製)500mgを加えた。10分攪拌した後,2気圧の
エチレンを導入し,1時間重合を行ない,ポリエチレン
5を生長させた。大気に解放後,塩酸酸性エタノールに
あけ,ろ過,エタノール洗浄を行なった後,真空乾燥し
た。20gのN,N,N−テトラメチルオレイルアミン
粘土層間化合物のエチレン複合体(図3(e),図4
(d))を得た。
オレイルアミン粘土層間化合物のエチレン複合体のX線
構造解析をおこなったところ,粘土層間の平均距離は5
0オングストローム以上であった。一方,エチレン重合
前のN,N,N−テトラメチルオレイルアミン粘土層間
化合物の粘土層間の平均距離は,22オングストローム
であった。N,N,N−テトラメチルオレイルアミン粘
土層間化合物のエチレン複合体の無機化合物含量は,
4.6Wt%であった。
化合物中のエチレンの重合N,N,N−テトラメチルオ
クタデシルアミン粘土層間化合物1gを真空乾燥した
後,トルエン30mlに分散した。オートクレーブ中で
Cp2ZrHCl(50mg)を加え,50℃で1時間
攪拌した。室温に冷却後,メチルアルミノキサン(MA
O,トーソーアクゾ製)500mgを加えた。10分攪
拌した後,2気圧のエチレンを導入し,1時間重合を行
なった。大気に解放後,塩酸酸性エタノールにあけ,ろ
過,エタノール洗浄を行なった後,真空乾燥した。23
gのN,N,N−テトラメチルオレイルアミン粘土層間
化合物のエチレン複合体を得た。
シルアミン粘土層間化合物のエチレン複合体のX線構造
解析をおこなったところ,粘土層間の平均距離は24オ
ングストロームであった。一方,エチレン重合前のN,
N,N−テトラメチルオクタデシルアミン粘土層間化合
物の粘土層間の平均距離は,22オングストロームであ
った。
よって,モンモリロナイト(クレイ)の層間が広がっ
た。その理由は以下のように考えられる。実施形態例1
においては,図5(a)に示すごとく,二重結合を有す
るアルケニル鎖1としてのN,N,N−テトラメチルオ
レイルアミンを用いて,クレイ2に金属触媒3を結合し
ている。アルケニル鎖1に金属触媒3を作用させると,
図5(b)に示すごとく,その中の二重結合10が異性
化してポリメチレン鎖11となり,その末端に金属触媒
3が共有結合により結合することになる。このため,ク
レイ2に金属触媒3が強固に担持される。よって,かか
る重合触媒をエチレン単量体に添加すると,重合触媒は
エチレン単量体中に均一に分散して,重合反応を活発に
おこなう。また,ポリメチレン鎖11を介して金属触媒
3をクレイ2に担持させているため,クレイ層間が十分
に広がり,エチレン単量体の層間への浸入が容易とな
り,金属触媒へのエチレン単量体の接触機会が増える。
そのため,ポリエチレンの生成効率が高いと考えられ
る。
をおこなっても,モンモリロナイト(クレイ)の層間は
殆ど広がらなかった。その理由は以下のように考えられ
る。比較例1では,金属触媒のクレイへの担持を,二重
結合を有しないN,N,N−テトラメチルオクタデシル
アミンを介しておこなっている。そのため,金属触媒の
N,N,N−テトラメチルオクタデシルアミンへの結合
は,共有結合ではなく物理的吸着により行われているも
のと考えられる。このため,金属触媒のクレイへの担持
量が少なくなる。よって,かかる重合触媒をエチレン単
量体に添加することにより,エチレン単量体中における
触媒分布が不均一となる。また,クレイのシリケート層
間の相互作用が強いため,層間にエチレン単量体が進入
しない。ゆえに,比較例1の場合には,重合反応でポリ
マーの生長がほとんど起こらず,重合反応後の層間が殆
ど広がらない。
を,アルケニル鎖からなる有機オニウム塩でイオン交換
する工程と,層間化合物に金属触媒を作用させて,上記
アルケニル鎖中の二重結合を一重結合にするとともに,
アルケニル鎖の末端に重合触媒能を有する金属触媒を結
合する工程とをおこなって製造された重合触媒を用い
て,オレフィン系単量体の重合反応をおこなうと,重合
反応が活発に行われることがわかる。
N,N,N−テトラメチルオレイルアミン粘土層間化合
物のエチレン複合体,比較例1のN,N,N−テトラメ
チルオクタデシルアミン粘土層間化合物のエチレン複合
体,及びポリエチレンのみからなる材料の弾性率,破断
強度,破断伸びを測定し,その結果を表2に示した。表
2より,実施形態例1の上記複合体は,比較例1のそれ
に比べて,弾性率,破断強度及び破断伸びが向上した。
かかる力学特性の向上は,粘土がエチレンなかに良好に
分散していることと,エチレンと粘土層間化合物との間
が共有結合によって結合され,粘土−エチレン界面の結
合が強固となったことによるものと推察される。
媒及びその製造方法,並びにこれを用いた樹脂複合材の
合成方法を提供することができる。
(a)〜(h)。
((a)〜(d))及び重合触媒を用いた重合体の合成
方法を示す説明図(e)。
((a)〜(c))及び重合触媒を用いた重合体の合成
方法を示す説明図(d)。
(b))。
Claims (4)
- 【請求項1】 層間化合物と,該層間化合物とイオン結
合でつながれた連結物質と,該連結物質と化学結合によ
りつながれた重合触媒能を有する金属触媒とからなるこ
とを特徴とする重合触媒。 - 【請求項2】 請求項1において,上記連結物質は,ポ
リメチレン鎖またはアルケニル鎖を有することを特徴と
する重合触媒。 - 【請求項3】 イオン交換能を有する層間化合物の層間
イオンを,層間化合物とイオン結合を形成でき,かつ重
合触媒能を有する金属触媒と化学結合を形成できる連結
物質でイオン交換する工程と,上記連結物質に,層間化
合物に重合触媒能を有する金属触媒を作用させて,上記
連結物質と該金属触媒とを化学結合によりつなげる工程
とから構成されていることを特徴とする重合触媒の製造
方法。 - 【請求項4】 重合触媒を用いて単量体を重合させるこ
とにより樹脂複合材を合成する方法であって,上記重合
触媒は,層間化合物と,該層間化合物とイオン結合でつ
ながれた連結物質と,該連結物質と化学結合によりつな
がれた重合触媒能を有する金属触媒とからなることを特
徴とする樹脂複合材の合成方法。
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JP11-156387 | 1999-06-03 | ||
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---|---|---|---|---|
JPS63312303A (ja) * | 1987-06-05 | 1988-12-20 | ヘキスト・アクチエンゲゼルシヤフト | 1―オレフィン重合体の製造方法およびそれに使用される遷移金属触媒 |
JPH1171465A (ja) * | 1998-03-20 | 1999-03-16 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 複合材料 |
-
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- 2000-06-02 JP JP2000166349A patent/JP4622045B2/ja not_active Expired - Fee Related
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