JP2001048702A - 殺虫剤組成物 - Google Patents
殺虫剤組成物Info
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Abstract
組成物を提供すること。 【解決手段】溶剤及び殺虫剤成分を含有してなる殺虫剤
組成物において、さらに炭素数10〜12の一価アルコ
ールを含有してなることを特徴とする殺虫剤組成物。
Description
る殺虫剤組成物に関する。
油剤、乳剤等がある。かかる剤型の違いにかかわらず、
殺虫剤成分を溶解希釈させるために溶剤が使用されてい
る。従来より溶剤としては、石油、キシロール等の各種
溶剤がその溶解性能に応じて使用されている。昨今、害
虫駆除を目的とする殺虫剤組成物はその臭いの少ないも
のの要望が高く、臭いの強いキシロールや芳香族化合物
を含む石油系溶剤は敬遠されつつある。臭いの低い溶剤
としては芳香族化合物を含まない石油系溶剤、例えば、
パラフィン系又はイソパラフィン系石油等が利用されて
いる。
を含まない石油系溶剤には溶解しにくいか、ほとんど溶
解しないものがあり、かかる殺虫剤成分を用いて臭いの
少ない殺虫剤組成物を製造する際の障害となっている。
例えば、有機リン系殺虫剤であるスミチオンは芳香族を
含まない石油系溶剤にはほとんど溶解せず、アルキルベ
ンゼン等の芳香族溶剤を溶解補助剤として使用し製剤化
されている。
Pがある。DDVPは単独製剤に限らず各種混合製剤に
も適用できる。DDVPを含む混合製剤は数多く市場に
流通している。具体例を挙げればスミチオンDDVP油
剤/乳剤、ダイアジノンDDVP油剤/乳剤、バイテッ
クスDDVP油剤/乳剤、サフロチンDDVP油剤/乳
剤等が挙げられる。混合製剤が多いことはそれだけ有用
な用途があることを示しており、殺虫剤の中で重要な位
置を占めている。このようなDDVPには、溶解性が悪
いという製剤上の欠点がある。即ち、DDVPは芳香族
化合物を含有する石油系溶剤には溶解するが、芳香族化
合物を含まない石油系溶剤にはほとんど溶解しない。そ
れだけでなく、DDVPはアルキルベンゼン等の芳香族
溶剤にも溶解しにくい。このようなDDVPの溶解性
は、溶剤臭、石油臭の少ない殺虫剤組成物を提供する際
の障害となっている。したがって、DDVPを含有する
殺虫剤組成物を製剤する際の溶剤選択には著しい制約が
あった。
VPを殺虫成分とする、臭気の弱い殺虫剤組成物を提供
することにある。
効率良く溶解させ、かつ臭いの少ない殺虫剤組成物を提
供すべく研究を重ねた結果、脂肪族アルコールの特殊な
範囲のなかに、DDVPを効率良く溶解させることがで
きる化合物があることを見出し、本発明を完成させた。
分を含有してなる殺虫剤組成物において、さらに炭素数
10〜12の一価アルコールを含有してなることを特徴
とする殺虫剤組成物に関するものである。
いものとして挙げられる。例えば、炭素数9〜17の、
より好ましくは炭素数11〜15の炭化水素又はその混
合物が挙げられる。取り分け、芳香族化合物の含有量が
0.5重量%以下のものが、いわゆる「石油臭」が弱い
ためより好ましい。好適な石油系溶剤としては、低アロ
マ又はノンアロマと称されるもので、パラフィン系石油
のものとイソパラフィン系石油のものとがある。具体例
を挙げれば、例えば、ネオチオゾールF(中央化成社
製)、イソパラフィンYH−CF(中央化成社製)、エ
クソール(エクソン化学社製)、LA-30 (出光興産社
製)、FP-30 (出光興産社製)、パラオール250(昭
和シェル石油社製)、アイソパーM(エクソン化学社
製)等が挙げられる。溶剤は単独で用いても良く、複数
成分を併用しても良い。芳香族化合物の含有量は石油の
密度、粘度、屈折率等の物性値から演算により求められ
る。
9.4重量%が好ましく、50〜99.0重量%がより
好ましく、70〜98.5重量%が特に好ましい。
DDVPは代表的な有機リン系殺虫剤として広く使用さ
れているため、本発明によりその使用場面が広がること
は極めて有用である。殺虫剤成分はDDVP単独でも良
く、さらに他の各種殺虫剤と併用しても良い。殺虫剤成
分の含有量は殺虫剤組成物の0.1〜50重量%が好ま
しく、0.2〜15重量%がより好ましく、0.2〜
9.0重量%が特に好ましい。
は、デカノール、ウンデカノール及びドデカノールが好
ましい。かかるアルコールは直鎖でも分岐鎖でも良い
が、直鎖のもの、即ち、n−デカノール、n−ウンデカ
ノール及びn−ドデカノールがより好ましい。炭素数1
0〜12の一価アルコールは単独で用いても良く、複数
成分を併用しても良い。かかるアルコールはDDVPの
溶解性に優れているだけでなく、臭気が少ないこと、低
毒性であること、常温で取り扱い易い融点・引火点であ
ること、及び比較的安価にかつ容易に供給できることと
いった極めて好ましい性質を有する。
量は殺虫剤組成物の0.1〜50重量%が好ましく、
0.2〜15重量%がより好ましく、0.2〜9.0重
量%が特に好ましい。
12の一価アルコールと殺虫剤成分とを混合して混合物
(該混合物を「殺虫剤濃縮液」とする。)を得、殺虫剤
濃縮液と溶剤とを混合する方法、炭素数10〜12の一
価アルコールと溶剤とを混合して混合物(該混合物を
「混合溶剤」とする。)を得、混合溶剤と殺虫剤成分と
を混合する方法等により調製することができる。
れず、油剤型でも乳剤型でも良い。乳剤型殺虫剤組成物
においては、上記の油剤型殺虫剤組成物100重量部に
対して、乳化剤が好ましくは1〜20重量部、より好ま
しくは3〜15重量部、特に好ましくは3〜10重量部
含有してなる。乳化剤としては、本技術分野で通常使用
される公知の乳化剤を制限なく使用することができる。
乳剤型の組成物は、例えば上記の殺虫剤組成物に乳化剤
をさらに混合して攪拌処理等を行うこと等により調製す
ることができる。
剤、消臭剤、香料等が含有されていても良い。
の一価アルコールの単独成分又は混合物と殺虫剤成分と
を含有してなる。本発明の殺虫剤組成物は一旦殺虫剤濃
縮液として調製した後、溶剤と混合することでも調製す
ることができるため、殺虫剤組成物を遠隔地へ移送する
場合、殺虫剤濃縮液の形態で移送する方がコスト的に極
めて有利である。殺虫剤濃縮液における炭素数10〜1
2の一価アルコールの含有量は30〜70重量%が好ま
しく、40〜60重量%がより好ましい。殺虫剤濃縮液
における殺虫剤成分の含有量は30〜70重量%が好ま
しく、40〜60重量%がより好ましい。
細に説明するが、本発明はかかる実施例等に何ら限定さ
れるものではない。
合物が多いほど溶解力が高くなる傾向にある。そこで、
石油系溶剤の性質とスミチオン、DDVPの溶解性を調
べた。結果を表1に示す。ここで、ノンアロマ石油系溶
剤としてはエクソールを、含アロマ石油系溶剤としては
CA-30 (出光興産社製)を、アロマ石油系溶剤としては
ソルベッソ(エクソン化学社製)を用いた。
選択すると溶解力がなくなってしまう。臭気があっても
許容される場合は、アロマ石油やキシロールが溶剤とし
て利用される。低臭化を目的とする場合、上記の溶剤で
はその目的にそぐわないため、溶剤も臭気がないものを
選択する必要がある。低臭化と溶解性の両者を満たす目
的のために、溶剤の溶解力を向上させる剤である溶解補
助剤が使用されることがある。現在使用されている溶解
補助剤には、スミチオンの溶解補助剤であるアルキルベ
ンゼン及びKMC-113 (クレハ化学社製)、IPBC(三井化
学社製)の溶解補助剤であるMFTG(日本乳化剤社製)が
知られている。しかしながら、溶解補助剤には溶解させ
るものについての特異性があるのが一般的である。アル
キルベンゼンにDDVPは溶解しない。KMC-113 にもD
DVPは溶解しない。従ってDDVPの溶解補助剤は従
来適当なものがなく、DDVPを殺虫成分とする殺虫剤
組成物の溶剤としてはアロマ石油を使用せざるを得ない
状態であった。
Pの溶解性等を検討した。まず、臭気の強弱については
次のように評価した。
(ここではネオチオゾールF)を使用し、これを0重量
%芳香族溶剤添加品とした。この0重量%芳香族溶剤添
加品に、芳香族100重量%の溶剤(ここではソルベッ
ソ150)を添加した臭気比較溶液を作製した。臭気比
較溶液は7種類用意し、それぞれのソルベッソ150の
含有量は1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、
15重量%、20重量%、25重量%であった。臭いの
尺度は、各臭気比較溶液におけるソルベッソ150の含
有量の重量%の数値の5分の1の数値を採用した。評価
する溶剤がどの尺度の臭気比較溶液と同等であるかを知
覚により判定し、該当する臭気比較溶液の尺度で評価し
た。従来溶剤の臭気を上記評価方法で評価した結果を表
2に示す。
検討した。臭いの尺度の値が4.0以上を「強い」臭気
と、0.4以下を「弱い」臭気と判定した。DDVPの
溶解性については、溶剤と混合し、−5℃で24時間放
置後、分離物の生じないものを「溶解する」と、同一条
件で分離物を認めるものを「溶解せず」と判定した。結
果を表3に示す。
デカノール、n−ドデカノールが、DDVPの溶解性が
良好なだけではなく、臭気が弱く、常温で取り扱い易い
ものであることが分かった。よって、これらのアルコー
ルはDDVPの溶解に使用し得ることが分かった。さら
に、DDVPの溶解性については、アルコールであれば
いかなるものであっても良好であるというわけではな
く、例えば、ベンジルアルコールやブタノール、エタノ
ールにはDDVPは溶解しなかった。
は、まず最初にDDVPとn−ドデカノールとを混合
し、次いで石油系溶剤(低臭灯油)と混合して調製した
(本発明組成物)。本発明組成物においては、常温での
DDVPの溶解性は全く問題がなく、調製も迅速に行う
ことができた。調製されたDDVP油剤は石油臭、溶剤
臭がなく、低臭油剤として有用なものであった。なお、
低臭灯油は低アロマタイプ石油系溶剤(出光興産社製、
商品名:スーパーゾルLA−30)であり、この灯油の
物性値からの演算法による芳香族化合物含有量は0.1
重量%以下であった。有臭灯油は含アロマ石油系溶剤
(出光興産社製、商品名:スーパーゾルCA−30)で
あり、この灯油は芳香族化合物を22.8重量%含有す
るものであった。参考に、n−ドデカノールを使用せず
に調製したDDVP油剤(比較組成物1、2)との比較
も行った。比較組成物1は、DDVPと石油系溶剤(有
臭灯油)とを混合して調製した。比較組成物2は、各成
分を混合しても製剤化自体が不可能であった。
物を含まない石油系溶剤(低臭灯油)はDDVPを溶解
させるだけの溶解力はなく、低臭灯油単独では製剤化で
きなかった(比較組成物2)。芳香族化合物を含む石油
系溶剤(有臭灯油)であればそれ単独でも製剤化はでき
るが、製剤化された組成物は石油臭が強く、臭いの弱い
商品を提供する観点からは不適切なものであった(比較
組成物1)。一方、本発明組成物は低臭灯油が組成物中
の99重量%以上を占めているにもかかわらず、DDV
Pが完全に溶解しており、製剤化も非常に簡単であっ
た。できた組成物は石油臭が全くなく、臭いの弱い商品
として最適であった。
合してDDVP油剤濃縮液を調製した。該濃縮液におい
ては、常温でのDDVPの溶解性は全く問題がなく、調
製も迅速に行うことができた。得られた濃縮液は石油
臭、溶剤臭が無く、低臭油剤濃縮液として有用なもので
あった。本濃縮液は用途に従って石油等の溶剤で希釈し
て使用するものであり、表5の希釈倍率にて低臭灯油で
濃縮液を希釈したところ、容易に殺虫剤組成物を調製す
ることができた。このことからも、本発明の濃縮液は低
臭用油剤濃縮液として有用なものであった。一方、n−
デカノールを使わずに低臭灯油を使用して濃縮液の調製
を試みたが、調製自体が不可能であった。
い石油系溶剤で希釈して殺虫剤組成物を調製するのに非
常に有効であった。炭素数10〜12の一価アルコール
を含有させることにより、本実施例のような濃縮液を調
製することが初めて可能になった。このような濃縮液は
遠隔地への移送に極めて有利である。
は、まず最初にDDVPとn−ドデカノールとを混合
し、次いで溶剤と混合し、さらに乳化剤〔陰イオン、非
イオン混合品(日本乳化剤社製、商品名:TS−751
4)〕と混合して乳剤を調製した(本発明組成物)。
DDVPの溶解性は全く問題がなく、調製も迅速に行う
ことができた。調製したDDVP乳剤は石油臭、溶剤臭
が無く、水で所定量に希釈して散布しても溶剤臭はしな
かった。比較組成物は、DDVPとキシロールとを混合
した後、乳化剤と混合して調製した。本発明組成物と比
較組成物の乳剤の性能を比較した結果を表7に示す。
剤としてキシロールが使用されている。キシロールにつ
いては近年その毒性が話題になっていることから、溶剤
転換が望まれている。本発明のDDVP乳剤はキシロー
ルを用いることなく調製することができるため安全性が
高く、さらに石油臭、溶剤臭もほとんど無い乳剤であ
る。
が低含有量の石油系溶剤を溶剤として製剤化された、D
DVPを含有する殺虫剤組成物であり、本発明により臭
気の弱いDDVPを含有する殺虫剤組成物を提供するこ
とができる。本発明によれば、DDVPの溶剤選択につ
いての制約が取り除かれることになり、幅広い製剤を提
供することが可能になる。
Claims (6)
- 【請求項1】 溶剤及び殺虫剤成分を含有してなる殺虫
剤組成物において、さらに炭素数10〜12の一価アル
コールを含有してなることを特徴とする殺虫剤組成物。 - 【請求項2】 溶剤、殺虫剤成分及び炭素数10〜12
の一価アルコールの含有量がそれぞれ0.1〜99.4
重量%、0.1〜50重量%及び0.1〜50重量%で
ある請求項1記載の組成物。 - 【請求項3】 炭素数10〜12の一価アルコールと殺
虫剤成分とを混合して得られる殺虫剤濃縮液と、溶剤と
を混合して得られる請求項1又は2記載の組成物。 - 【請求項4】 炭素数10〜12の一価アルコールと溶
剤とを混合して得られる混合溶剤と、殺虫剤成分とを混
合して得られる請求項1又は2記載の組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4いずれか記載の殺虫剤組成
物100重量部に対して、乳化剤を1〜20重量部含有
してなる乳剤型殺虫剤組成物。 - 【請求項6】 炭素数10〜12の一価アルコールと殺
虫剤成分とを含有してなる殺虫剤濃縮液。
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JP22495599A JP4338837B2 (ja) | 1999-08-09 | 1999-08-09 | 殺虫剤組成物 |
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5925301A (ja) * | 1982-08-02 | 1984-02-09 | Nippon Nohyaku Co Ltd | 発泡性乳剤組成物 |
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-
1999
- 1999-08-09 JP JP22495599A patent/JP4338837B2/ja not_active Expired - Fee Related
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