JP2001048463A - ボックス型パレット - Google Patents

ボックス型パレット

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JP2001048463A
JP2001048463A JP11231084A JP23108499A JP2001048463A JP 2001048463 A JP2001048463 A JP 2001048463A JP 11231084 A JP11231084 A JP 11231084A JP 23108499 A JP23108499 A JP 23108499A JP 2001048463 A JP2001048463 A JP 2001048463A
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box
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 底蓋を適度な速度で緩やかに開放させること
ができて、良好な作業性を得ることができるとともに、
底蓋開放時の衝撃による部品劣化を防止できるボックス
型パレットを提供する。 【解決手段】 下端が開放されたボックス体10の下端
後縁部に底蓋20の後端縁が回転自在に取り付けられ
て、ボックス体10の下端開口部が底蓋20によって開
閉自在に構成される。閉塞状態にロックされた底蓋20
が、そのロックを解除することによって、自重により開
放される。底蓋20を閉塞方向に補助的に付勢するため
の巻ばね100が設けられ、その巻ばね100の付勢力
に抗しながら、底蓋20が開放されるよう構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば工場にお
ける廃棄物、パーツ等の一時収納や搬送等に用いられる
ボックス型パレットに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のボックス型パレットとして、図
9に示すように、上下両端が開放されたボックス体
(1)における下端の一縁部に、底蓋(2)の一縁部が
蝶番軸(3)を回転軸として回転自在に設けられ、底蓋
(2)によりボックス体(1)の下端開口部が開閉され
るよう構成されるものが周知である。このボックス型パ
レットは、底蓋(2)の開放側端縁にフック受金具(4
a)が設けられるとともに、その金具(4a)に対応し
てボックス体(1)の下端部に揺動自在なフック(4
b)が設けられている。このフック(4b)はフック受
金具(4a)に係合する方向に付勢されており、底蓋
(2)を閉じた際に、フック(4b)が自動的にフック
受金具(4a)に係合されるとともに、レバー(5)の
操作により、フック(4b)を金具(4a)から離脱さ
せて係合を解除できるよう構成されている。そしてこの
ボックス型パレットを、フォークリフト等により持ち上
げた状態で、レバー操作により底蓋(2)のロックを解
除すると、底蓋(2)及び内容物の荷重により底蓋
(2)が開放して、内容物が放出落下されるよう構成さ
れている。
【0003】またこのようなボックス型パレットにおい
ては、底蓋(2)の回転軸心側端部における下面側に
は、L字型の当たり金具(6b)が設けられている。更
にその当たり金具(6b)に対応して、ボックス体
(1)の下端部には、ストッパープレート(6a)及び
ゴム製の緩衝部材(7)が設けられている。そして底蓋
(2)を開放した際には、当たり金具(6b)が緩衝部
材(7)を介してストッパープレート(6a)に当接係
止されることにより、底蓋(2)が所定の開放角度(5
0°〜60°程度)に保持されるよう構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のボックス型
パレットにおいては、底蓋(2)を開放した際に、底蓋
(2)の当たり金具(6b)をボックス体(1)側のス
トッパープレート(6a)に緩衝部材(7)を介して当
接係止させるようにしているが、この当接時には、底蓋
(2)の荷重と、内容物の荷重とが合わさった大きい荷
重が、緩衝部材(7)に加わるため、内容物が軽量の場
合はまだしも、内容物が1トンを超えるような高重量の
場合には、長期使用しているうちに、緩衝部材(7)が
劣化破損してしまうという問題が発生する。
【0005】更に緩衝部材(7)として、硬質のものを
使用すると、当たり金具(6b)が緩衝部材(7)に衝
突した際に、梃子の原理により、緩衝部材(7)が支
点、蝶番軸(3)が作用点となって、蝶番軸(3)に多
大な変形応力が加わるので、蝶番軸(3)が早期に劣化
してしまうという問題も抱えている。
【0006】また底蓋(2)を開放した際には、底蓋
(2)及び内容物の荷重によって、底蓋(2)が急速に
開放するので、多量の内容物が一度に放出されて散乱し
てしまい、内容物の放出位置を正確にコントロールでき
ない等、良好な作業性を得ることができないとともに、
内容物が一度に落下すると、内容物が落下時の衝撃によ
り破損するという問題もあった。
【0007】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、底蓋を適度な速度で緩やかに開放させることがで
き、内容物の破損を防止しつつ、良好な作業性を得るこ
とができる上更に、底蓋開放時の衝撃による部品劣化を
防止できて、十分な耐久性を得ることができるボックス
型パレットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、下端が開放されたボックス体の下端縁
部に底蓋の端部が回転自在に取り付けられて、前記ボッ
クス体の下端開口部が前記底蓋によって開閉自在に構成
され、閉塞状態にロックされた前記底蓋が、そのロック
を解除することによって、自重により開放されるボック
ス型パレットにおいて、前記底蓋を閉塞方向に補助的に
付勢するための補助付勢手段が設けられ、その補助付勢
手段の付勢力に抗しつつ、前記底蓋が開放されるよう構
成されてなるものを要旨としている。
【0009】本発明のボックス型パレットにおいては、
底蓋を閉塞方向に補助的に付勢する補助付勢手段を設け
ているため、底蓋を適度な速度で緩やかに開放すること
ができる。
【0010】このため、内容物を安定状態で徐々に放出
することができ、内容物の散乱や急な落下も防止するこ
とができる。更に底蓋の当たり金具が、ストッパープレ
ートの緩衝部材に当接する際の衝撃を小さくすることが
でき、その衝撃による緩衝部材や回転軸等の部品の劣化
を回避することができる。
【0011】一方、本発明においては、前記補助付勢手
段が、前記底蓋における回転軸心の両側部に対応してそ
れぞれ設けられてなる構成を採用するのが好ましい。
【0012】すなわちこの構成を採用する場合、底蓋を
その両側位置において補助付勢することによりバランス
良く均等に支持することができ、底蓋の片側に偏って荷
重が集中する等の不具合を防止することができる。
【0013】また本発明においては、前記補助付勢手段
としての巻ばねが、巻ばね支持軸に外嵌された状態で、
その巻ばね支持軸が、前記ボックス体の下端縁部に前記
底蓋の回転軸心と平行に着脱自在に設けられるととも
に、前記巻ばねの一端に設けられた底蓋支持片が前記底
蓋の下面に対応して配置されてなる構成を採用するのが
良い。
【0014】すなわちこの構成を採用する場合、巻ばね
支持軸の着脱操作によって、巻ばねを簡単に交換するこ
とができる。このため例えば、巻ばね破損時の補修や修
繕を簡単に行えるとともに、内容物の種類やサイズ等に
合わせて、巻ばねのサイズを簡単に変更することができ
る。
【0015】更に本発明においては、前記巻ばねの他端
が前記ボックス体の下端縁部に調整ボルト及びナットを
介して固定され、その調整ボルト及びナット間の締結操
作及び緩め操作によって、前記巻ばねの前記底蓋に対す
る付勢力が調整されるよう構成されてなるものを採用す
るのが望ましい。
【0016】すなわちこの場合、巻ばねの付勢力を調整
することにより、底蓋の開放速度を最適な速度に微調整
することができる。
【0017】また本発明においては、前記ボックス体の
下端縁部に脚フレームが設けられ、その脚フレームに前
記巻ばねが配置されてなる構成を採用するのが、より一
層好ましい。
【0018】すなわちこの構成を採用する場合には、ば
ね取付用のスペースを、別途設ける必要がなく、スペー
スの有効利用を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1及び図2はこの発明の実施形
態であるボックス型パレットを示す図である。これらの
図に示すように、このパレットは、上下両端が開放され
た角筒状のボックス体(10)と、ボックス体(10)
の下端開口部の形状に対応する平面視方形状の底蓋(2
0)とを有している。そして、ボックス体(10)の内
部下端に、その後縁に沿って固定された蝶番軸(11)
を回転軸として、底蓋(20)の後縁部が回転自在に取
り付けられ、これによりボックス体(10)の下端開口
部が底蓋(20)により開閉されるよう構成されてい
る。
【0020】図1ないし図3に示すように、ボックス体
(10)の下端後縁部及び底蓋(20)の下面前端縁に
は、前後脚フレーム(31)(31)がそれぞれ固定さ
れるとともに、底蓋(20)の下面両側縁部における前
後両端の除く部分には、両側脚フレーム(32)(3
2)がそれぞれ固定される。
【0021】後脚フレーム(31)には、幅方向に間隔
をおいて複数の垂直桟(31b)が設けられ、その垂直
桟(31b)により仕切られて、両側に2つのフォーク
差込口(60)(60)が形成されるとともに、内側に
2つの巻ばね設置スペース(61)(61)が形成され
る。
【0022】図7に示すように、底蓋(20)の下面両
側部において、その後端位置から両側脚フレーム(3
2)の後端面には、L字型の当たり金具(40)が固定
されている。またボックス体(10)の下端における両
側部後端には、上記底蓋(20)の当たり金具(40)
の両側及び後部を覆うようにして、ストッパープレート
(41)が固定されている。このストッパープレート
(41)において当たり金具(40)の後方に対応する
領域には、所定の傾斜角度で前方に向けて傾斜する傾斜
片(41a)が設けられており、その傾斜片(41a)
の傾斜面上に、ゴム製の緩衝部材(42)が取り付けら
れている。そして図1に示すように、ボックス型パレッ
トを吊持した状態で、底蓋(20)を開放した際に、底
蓋(20)の当たり金具(40)が緩衝部材(42)を
介してストッパープレート(41)の傾斜片(41a)
に当接係止して、底蓋(20)が所定の開放角度に保持
されるよう構成されている。
【0023】底蓋(20)の両側縁部には、その両側縁
部に沿って立ち上がるようにして、ガイドプレート(2
1)(21)が固定されるとともに、底蓋(20)の両
側前端には、側方へ突出するように円柱形のフック受金
具(22)が取り付けられている。
【0024】図1及び図8に示すように、ボックス体
(10)の下端前縁部には、その前縁部に沿って回転軸
(24)が回転自在に取り付けられる。この回転軸(2
4)の両端には、上記フック受金具(22)に対応して
フック(51)の上部が固定される。各フック(51)
はその下端に設けられた係合片(51a)がそれぞれ後
方に向くように配置されている。なお、左右の両フック
(51)は、回転軸(24)の回転に伴って同期して揺
動されるよう構成されている。
【0025】ボックス体(10)の一側面において、一
方側のフック(51)の上端には、連結レバー(52)
の下端が固定される。またボックス体(10)の一側面
側における下端後部には、支持金具(53)が固定され
ており、この支持金具(53)に操作レバー(54)の
下端が回転自在に取り付けられている。
【0026】また、上記連結レバー(52)の上端に
は、連結ロッド(55)の前端が回転自在に取り付けら
れるとともに、この連結ロッド(55)の後端に、上記
操作レバー(54)の下部が回転自在に取り付けられ
る。
【0027】ボックス体(10)の一側面における連結
ロッド(55)の下方位置には、連結ロッド(55)を
前方へ、つまりフック(51)を係合方向へ付勢するロ
ッド付勢手段(56)が設けられている。そして、底蓋
(20)を閉塞した状態では、ロッド付勢手段(56)
により、連結ロッド(55)が前方へ付勢されて、フッ
ク(51)の係合片(51a)がフック受金具(22)
に係合され、これにより底蓋(20)が閉塞状態にロッ
クされるよう構成されている。
【0028】またこの底蓋ロック状態から、操作レバー
(54)を後方へ回転操作すると、連結ロッド(55)
が、ロッド付勢手段(56)の付勢力に抗して後方へス
ライドしてフック(51)が回転し、係合片(51a)
のフック受金具(22)への係合が解除される。こうし
てロックを解除した際、ボックス型パレットが吊持され
ていると、底蓋(20)が自重により開放されることに
なる。
【0029】なお、底蓋(20)を所定の開放角度に保
持した状態で、ボックス型パレットを設置面に降ろす
と、底蓋(20)が設置面により上方へ押し上げられ
て、底蓋(20)が閉塞される。更にその閉塞時に、フ
ック(51)は、その下端面がフック受金具(22)に
当接して係合解除方向に一旦回転し、係合片(51a)
がフック受金具(22)を乗り越えたところで、上記ロ
ッド付勢手段(56)の付勢力によって係合方向に回転
して、フック(51)がフック受金具(22)に自動的
に係合してロックされることになる。
【0030】一方、図2ないし図6に示すように、後脚
フレーム(31)の巻ばね設置スペース(61)に設け
られる補助付勢手段としての巻ばね(100)は、その
一端が棒状に延設されて底蓋支持片(101)が形成さ
れるとともに、他端がU字状に曲成されて、固定片(1
02)が形成されている。
【0031】また巻ばね(100)を固定するための調
整ボルト(120)は、その頭部に巻ばね(100)の
固定片(102)を挿通可能な頭部孔(121)が設け
られている。
【0032】一方、後脚フレーム(31)における巻ば
ね設置スペース(61)には、その設置スペース(6
1)の下側半部を閉塞するように、取付プレート(14
0)が溶接処理等により固定されている。この取付プレ
ート(101)の所定位置には、ボルト挿通孔(14
1)が形成されている。更に後脚フレーム(31)にお
ける設置スペース(61)の両側内面には、後端が開放
する軸挿着溝(62)がそれぞれ形成されている。
【0033】そして、巻ばね(100)を円筒形の巻ば
ね支持軸(110)に外嵌するとともに、巻ばね(10
0)の固定片(102)を、調整ボルト(120)の頭
部孔(121)に挿通した状態で、巻ばね(100)の
底蓋支持片(101)を、設置スペース(61)におけ
る取付プレート(101)の上方隙間に、後方側から挿
通して底蓋(20)の下面側に配置するようにして、巻
ばね支持軸(110)の両側端を、軸挿着溝(62)内
に挿入配置し、更に調整ボルト(120)の軸部を取付
プレート(140)のボルト挿通孔(141)に挿通す
る。その状態で、ナット(121)をワッシャ(12
5)を介して調整ボルト(120)の軸部に締結するこ
とにより、巻ばね(100)が、巻ばね支持軸(11
0)を底蓋(20)の回転軸と平行な状態で、ボックス
体(10)の後部下端にに固定される。なお、底蓋(2
0)の底蓋支持片(101)に対応する部分には、溝型
の案内部材(105)が溝開口部を下側に向けた状態で
固定されており、その溝内に巻ばね(100)の底蓋支
持片(101)の先端が収容されている。
【0034】ここで、本実施形態において、巻ばね(1
00)を固定した状態では、図6に示すように、ナット
(121)の締結量、つまりナット(121)を締結し
たり緩めたりして、調整ボルト(120)を前後にスラ
イドさせることにより、巻ばね(100)における底蓋
支持片(101)の底蓋(20)に対する圧接度合や、
巻ばね(100)の巻回度合を調整することができ、こ
の調整により、巻ばね(100)の付勢力を調整できる
よう構成されている。
【0035】一方図1及び図2に示すように、ボックス
体(10)の前後板上部には、フォークリフトのフォー
クを差込可能なフォーク差込孔(12)が形成される。
更にボックス体(10)上端の4つのコーナー部のやや
内側には、クレーンのフック等を係止するための吊り金
具(13)が突出するように設けられている。なお図1
において、(80)は操作レバー(54)を遠隔から操
作するための紐である。
【0036】本実施形態のボックス型パレットは、以上
の構成を有しており、パレット内に収容したパーツ等の
内容物を、トラックの荷台等に移載する場合には、例え
ばフォークリフトのフォークを、フォーク差込孔(1
2)内に差し込んで、ボックス型パレットをトラック荷
台の上方まで持ち上げ、その状態で、操作レバー(5
4)を後方に回転操作する。これにより、フック(5
1)のフック受金具(22)に対する係合が解除され、
底蓋(20)が、その荷重と内容物の荷重とによって開
放する。この開放過程においては、底蓋(20)の下面
に巻ばね(100)の底蓋支持片(101)が当接して
いるので、底蓋(20)は、巻ばね(100)の付勢力
に抗しながら開放される。このため、底蓋(20)は、
緩やかな速度で開放するとともに、底蓋(20)の開放
に伴って内容物が少しずつ落下していく。更に底蓋(2
0)が開放するに従って、巻ばね(100)はその付勢
力を次第に増大させて、底蓋(20)の閉塞方向への付
勢力を増大させるとともに、内容物の放出により、底蓋
(20)の開放方向への荷重が低減されていくので、底
蓋(20)は開放速度を次第に低下させながら開放し、
極低速で底蓋(20)の当たり金具(40)がストッパ
ープレート(41)に緩衝部材(42)を介して当接係
止し、底蓋(20)が所定の傾斜角度(50°〜60
°)に保持される。一方、内容物は底蓋(20)の開放
動作に合わせるように、安定状態で少しずつ放出され
る。
【0037】なお、本実施形態においては、調整ボルト
(120)及びナット(121)間の締結操作により、
巻ばね(100)のばね力(付勢力)を調整することに
より、底蓋(20)の開放速度を調整したり、あるいは
底蓋開放時において底蓋(20)をばね力のみで傾斜姿
勢に保持するようなことも可能である。
【0038】こうして、内容物を放出した後は、ボック
ス型パレットを、トラック荷台等の設置面に降ろして、
上記したように、底蓋(20)を閉塞させて、所定の箇
所に戻すことになる。
【0039】以上のように、本実施形態のボックス型パ
レットによれば、底蓋(20)が低速で開放されて、内
容物が適量ずつ放出されるため、内容物を程良く安定さ
せた状態で放出することができ、良好な作業性を得るこ
とができる。更に内容物の散乱や急な落下も防止できる
ので、作業者の安全性をより一層向上させることができ
るとともに、内容物の破損も確実に防止することができ
る。
【0040】また、底蓋(20)が低速で開放されるた
め、底蓋(20)の当たり金具(40)が、ストッパー
プレート(41)の緩衝部材(42)に当接する際の衝
撃が非常に小さくなり、その衝撃により緩衝部材(4
2)が早期に劣化するのを防止することができる。更に
その衝突時に、蝶番軸(11)に多大な変形応力が加わ
ることはなく、蝶番軸(11)の早期劣化を防止するこ
とができる。このように底蓋開放時の衝撃による部品の
早期劣化を防止できるので、十分な耐久性を得ることが
できる。
【0041】更に本実施形態においては、底蓋(20)
を閉塞方向へ補助的に付勢するための補助付勢手段とし
て、底蓋(20)の開放量に伴って、付勢力(蓄勢力)
が次第に増大する巻ばね(100)を用いているため、
開放開始直後では巻ばね(100)の付勢力が小さいの
で、底蓋(20)がスムーズに開放していき、開放完了
直前では巻ばね(100)の付勢力が大きいので、底蓋
(20)の開放速度が非常に遅くなり、当たり金具(4
0)等の衝撃を確実に緩和させることができ、上記の効
果を、より確実に得ることができる。
【0042】また本実施形態においては、底蓋(20)
の回転軸心上における両側位置に、巻ばね(100)を
それぞれ配置しているため、底蓋(20)をその両側位
置において、バランス良く均等に付勢することができる
ので、底蓋(20)の開閉をスムーズに行えるととも
に、より一層耐久性を向上させることができる。
【0043】また本実施形態においては、巻ばね(10
0)を巻ばね支持軸(110)に外嵌して、その軸付き
の巻ばね(100)をボックス体(10)に着脱自在に
取り付けるようにしているため、その着脱作業により、
巻ばね(100)を簡単に交換することができる。従っ
て、巻ばね(100)が破損してしまった場合等には、
巻ばね(100)を取り外して交換するだけで簡単に、
補修、修繕を行うことができる。更にボックス型パレッ
トや内容物の種類やサイズに合わせて、巻ばね(10
0)のサイズを簡単に変更することができ、多種多様な
ニーズに適切に対処することができ、優れた汎用性を得
ることができる。
【0044】また本実施形態においては、ナット(12
1)を調整ボルト(120)に対し、締結したり、緩め
たりすることにより、巻ばね(100)の付勢力を調整
できるよう構成しているため、巻ばね(100)の付勢
力を微調整することができるので、底蓋(20)を最適
な速度で開放させることができ、上記した底蓋開放に関
連する効果をより確実に得ることができる。
【0045】また本実施形態においては、ボックス体
(10)に設けられた後脚フレーム(31)に、巻ばね
(100)を取り付けるようにしているため、巻ばね取
付スペースを、別途設ける必要がなく、スペースの有効
利用を図ることができる。
【0046】更に後脚フレーム(31)におけるフォー
ク差込口(60)を避けた位置に、巻ばね設置スペース
(61)を形成するようにしているため、フォークリフ
トによる搬送作業等、他の性能に悪影響を及ぼすような
こともない。
【0047】なお、上記実施形態においては、本発明
を、ボックス体の下端開口部が、1枚の底蓋により開閉
されるボックス型パレットに適用する場合について説明
しているが、それだけに限られず、本発明は、底蓋が2
枚に分割されたボックス型パレットにも適用することが
できる。
【0048】また本発明において、補助付勢手段として
は、上記のような巻ばねだけに限られず、板ばねの他、
圧縮コイルばねや、引張コイルばね等も使用することが
できる。
【0049】また補助付勢手段の取付位置も上記のもの
だけに限られるものではなく、更に補助付勢手段の取付
数も2つだけに限られず、1つ又は3つ以上設けても良
い。
【0050】
【発明の効果】以上のように、この発明のボックス型パ
レットによれば、底蓋を閉塞方向に補助的に付勢する補
助付勢手段を設けているため、底蓋を低速で開放するこ
とができる。このため、内容物を連続的に安定状態で放
出することができ、良好な作業性を得ることができる。
更に内容物の散乱や急な落下を防止できるので、作業の
安全性をより一層向上させることができるとともに、内
容物の破損も防止することができる。また底蓋が低速で
開放されるため、底蓋の当たり金具が、ストッパープレ
ートの緩衝部材に当接する際の衝撃が小さくなり、その
衝撃による緩衝部材の破損や、蝶番軸に変形を防止する
ことができ、十分な耐久性を得ることができるという効
果がある。
【0051】本発明において、補助付勢手段を、底蓋に
おける回転軸の両側部に対応して設ける場合には、底蓋
をその両側位置において補助付勢することができてバラ
ンス良く均等に支持することができるので、底蓋の開閉
をスムーズに行えるとともに、より一層耐久性を向上さ
せることができるという利点がある。
【0052】また本発明において、ボックス体に着脱自
在な巻ばね支持軸に、補助付勢手段としての巻ばねを外
嵌する場合には、巻ばね支持軸の着脱操作によって、巻
ばねを簡単に交換することができる。このため例えば、
巻ばね破損時の補修や修繕を簡単に行えるとともに、内
容物の種類やサイズ等に合わせて、巻ばねのサイズを簡
単に変更することができ、多種多様なニーズに適格に対
処することができ、優れた汎用性を得ることができると
いう利点がある。
【0053】また本発明において、巻ばねの端部を調整
ボルト及びナットを用いて固定して、その調整ボルト及
びナット間の締結操作及び緩め操作によって、巻ばねの
付勢力を調整できるよう構成する場合には、巻ばねの付
勢力、換言すれば底蓋の開放速度を微調整することがで
きるので、上記の効果をより確実に得ることができると
いう利点がある。
【0054】更に本発明において、ボックス体の脚フレ
ームに巻ばねを配置する場合には、巻ばね取付用スペー
スを、別途設ける必要がなく、スペースの有効利用を図
ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態であるボックス型パレット
を正面側から見た状態での斜視図である。
【図2】実施形態のボックス型パレットを背面側から見
た状態での斜視図である。
【図3】実施形態のボックス型パレットを示す下端背面
図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】実施形態のボックス型パレットにおける巻ばね
部周辺を分解して示す斜視図である。
【図6】実施形態のボックス型パレットにおける巻ばね
部周辺を示す断面図である。
【図7】実施形態のボックス型パレットにおける後部下
端の一部切欠側面図である。
【図8】実施形態のボックス型パレットにおけるレバー
操作力伝達機構を示す斜視図である。
【図9】従来のボックス型パレットを示す側面図であ
る。
【符号の説明】
10…ボックス体 20…底蓋 31…後脚フレーム 100…巻ばね(補助付勢手段) 101…底蓋支持片 102…固定片 110…巻ばね支持軸 120…調整ボルト 121…ナット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端が開放されたボックス体の下端縁部
    に底蓋の端部が回転自在に取り付けられて、前記ボック
    ス体の下端開口部が前記底蓋によって開閉自在に構成さ
    れ、閉塞状態にロックされた前記底蓋が、そのロックを
    解除することによって、自重により開放されるボックス
    型パレットにおいて、 前記底蓋を閉塞方向に補助的に付勢するための補助付勢
    手段が設けられ、 その補助付勢手段の付勢力に抗しつつ、前記底蓋が開放
    されるよう構成されてなることを特徴とするボックス型
    パレット。
  2. 【請求項2】 前記補助付勢手段が、前記底蓋における
    回転軸心の両側部に対応してそれぞれ設けられてなる請
    求項1記載のボックス型パレット。
  3. 【請求項3】 前記補助付勢手段としての巻ばねが、巻
    ばね支持軸に外嵌された状態で、その巻ばね支持軸が、
    前記ボックス体の下端縁部に前記底蓋の回転軸心と平行
    に着脱自在に設けられるとともに、前記巻ばねの一端に
    設けられた底蓋支持片が前記底蓋の下面に対応して配置
    されてなる請求項1又は2記載のボックス型パレット。
  4. 【請求項4】 前記巻ばねの他端が前記ボックス体の下
    端縁部に調整ボルト及びナットを介して固定され、その
    調整ボルト及びナット間の締結操作及び緩め操作によっ
    て、前記巻ばねの前記底蓋に対する付勢力が調整される
    よう構成されてなる請求項3記載のボックス型パレッ
    ト。
  5. 【請求項5】 前記ボックス体の下端縁部に脚フレーム
    が設けられ、その脚フレームに前記巻ばねが配置されて
    なる請求項3又は4記載のボックス型パレット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106880300A (zh) * 2015-12-15 2017-06-23 威斯达电器(中山)制造有限公司 烤箱式多功能面包机
CN117088271A (zh) * 2023-08-30 2023-11-21 无锡市欣帆船舶设备有限公司 一种船舶用货物起重装卸装置

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