JP2001047485A - 射出成形機およびそのシリンダ加熱装置 - Google Patents

射出成形機およびそのシリンダ加熱装置

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JP2001047485A
JP2001047485A JP11226937A JP22693799A JP2001047485A JP 2001047485 A JP2001047485 A JP 2001047485A JP 11226937 A JP11226937 A JP 11226937A JP 22693799 A JP22693799 A JP 22693799A JP 2001047485 A JP2001047485 A JP 2001047485A
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heater
injection molding
ground
molding machine
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Yasuhiko Sawada
靖彦 澤田
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Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダの上下方向の温度差による熱膨張差
でシリンダが下方に湾曲することを防止する射出成形機
のシリンダ加熱装置を提供する。 【解決手段】 シリンダの外周面にヒータ(2)を配置
して、前記ヒータ(2)の加熱によりシリンダ内の成形
材料を溶融する射出成形機のシリンダ加熱装置におい
て、ヒータ(2)はシリンダの天側を所定の温度に加熱
する天側ヒータ(2a)と、シリンダの地側を所定の温
度に加熱する地側ヒータ(2b)とを有して構成される
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
又はマグネシウム合金等の軽合金材料を加熱溶融し、金
型に射出して成形品を得る射出成形機のシリンダ加熱装
置等に関し、特にシリンダの天側と地側の温度差を解消
でき、温度差に基づく熱膨張差でシリンダが下方に湾曲
することを防止することができる射出成形機のシリンダ
加熱装置及びそれを備えた射出成形機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウム合金又はマグネシウ
ム合金等の射出成形機のシリンダ加熱装置は、図5に示
すように、シリンダ1の外周面軸方向に沿って複数のヒ
ータ4を配置して構成され、ヒータ4によりシリンダ1
内の軽合金材料8を加熱溶融させる。ヒータ4は、図6
に示される図5のA−A断面で明らかなように、一部に
開放部4aを有するリング状をなし、シリンダ1を嵌挿
した後、締め付けネジ4bにより、開放部4aを締め付
けてその内周面をシリンダ1外周面に密着させる。
【0003】ヒータ4が配置される複数の領域H1,H
2,H3,H4,H5には、熱電対5が一個ずつ配置さ
れ、各領域H1,H2,H3,H4,H5の温度が検出
される。そして、ヒータ4のそれぞれは各熱電対5検出
温度に基づき、シリンダ1の各領域H1,H2,H3,
H4,H5が図8に示す温度(ここでは全て600℃)
となるよう、図示しない温度設定器によりオン/オフ制
御される。すなわち、温度設定器は熱電対5により検出
された温度が設定温度より低い場合には、ヒータ4への
通電をオンして昇温動作を開始させ、設定温度より高い
場合には、ヒータ4への通電をオフして昇温動作を停止
させる。
【0004】射出成形では、まず、ヒータ4に通電し
て、シリンダ1を所定の温度(600℃)に加熱する
と、ホッパ7内の軽合金材料8をシリンダ1内に送り、
スクリュ9を回転させて軽合金材料8を溶融し、同時
に、スクリュ9がノズル13側から遠ざかる回転後退動
作によって、シリンダ1内のスクリュ先端側(図中左
側)に溶融軽合金材料15を蓄積する計量動作を行う。
【0005】次に、計量動作によってシリンダ1前方に
溜まった溶融軽合金材料15を、スクリュ9を図中左側
へ移動させて、金型10のキャビティ11内に充填する
射出動作を行う。射出成形では、上述の計量及び射出動
作を繰り返し行う。この計量動作では、ホッパ7内で常
温(通常25℃前後)の軽合金材料8が、ヒータ4によ
り加熱されシリンダ1前方に送られ、射出動作では、溶
融された溶融軽合金材料15がキャビテイ11内に押出
される。このとき、溶融軽合金材料15は、シリンダ1
の軸方向に垂直な断面の水平線3よりも天側を通過する
ことはなく、水平線3よりも地側を接触しながら通過す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の射出成形機のシ
リンダ加熱装置は、以上のように構成されているため、
以下のような問題点がある。すなわち、リング状のヒー
タ4に通電してシリンダを600℃以上に加熱して溶融
軽合金材料15をシリンダ1前方に送るとき、溶融軽合
金材料15はシリンダ1の水平線3より天側を通過する
ことはなく、シリンダ1の地側を接触して通過するため
に、シリンダ1の天側の熱よりも地側の熱を多く吸収す
ることとなり、シリンダ1の天地方向において温度差が
生じてしまう。
【0007】一方、シリンダ1の温度調節制御は、熱電
対5によって実測されたシリンダ1の検出温度が設定値
よりも低くなるとリング状のヒータ4に通電して昇温動
作させるが、ヒータ4はシリンダ1の円周方向で一体と
なったリング状であるため、シリンダの円周方向におけ
る温度調節制御は行えず、シリンダ1の天地方向に生じ
る温度差を解消することはできない。すなわち、シリン
ダ1の地側の熱だけが奪われて熱電対5によるシリンダ
1の検出温度が低下した場合、ヒータ4に通電が行われ
て昇温(加熱)動作が行われるが、ヒータ4はシリンダ
の円周方向全体にわたって加熱するため、地側と同様、
天側も加熱(昇温)されることとなって上記温度差が維
持されることとなる。
【0008】このような温度差はシリンダ1の軸方向の
全領域H1,H2,H3,H4,H5において発生し、
図7に示すように、シリンダ1の軸方向の熱膨張差が生
じてしまう。すなわち、シリンダ1天側の温度の方が高
くなるため、シリンダ1天側の寸法cがシリンダ1地側
の寸法dよりも大きくなり、両者間の寸法差eが軸方向
での天側と地側の熱膨張差として生じ、シリンダ1が下
方に湾曲することとなる。
【0009】シリンダ1に湾曲が生じると、シリンダ1
先端のノズル13と金型10のスプルブッシュ14との
芯位置が狂い、ノズル13の穴とスプルブシュ14の穴
との間にズレが生じる。その結果、射出工程において、
シリンダ1から金型10のキャビティ11に充填される
べき溶融軽合金材料15が、ノズル13とスプルブッシ
ュ14とのズレによって生じた隙間から漏れ出し、場合
によっては勢いよく噴出するおそれもある。
【0010】また、シリンダ1が湾曲することによっ
て、スクリュ9が回転後退する計量動作やキャビティ1
1内に溶融軽合金材料15を充填する射出動作でシリン
ダ1内面と強接触を起こし、スクリュ9自体の磨耗やシ
リンダ1内面のカジリが生じるという問題もある。
【0011】本発明は、かかる課題を解決するものであ
り、シリンダの天地側において生じる温度差を解消し、
シリンダの熱膨張差によりシリンダが下方に湾曲するこ
とを防止することができる射出成形機のシリンダ加熱装
置及びその加熱装置を備えた射出成形機を提供すること
を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による射出成形機
のシリンダ加熱装置は、かかる課題を解決するものであ
り、請求項1記載の発明は、シリンダ(1)の外周面に
ヒータ(2)を配置して、前記ヒータ(2)の加熱によ
りシリンダ(1)内の成形材料を溶融する射出成形機の
シリンダ加熱装置において、ヒータ(2)はシリンダ
(1)の天側を所定の温度に加熱する天側ヒータ(2
a)と、シリンダ(1)の地側を所定の温度に加熱する
地側ヒータ(2b)とを有して構成されていることを特
徴とする。
【0013】かかる構成によれば、シリンダの天側と地
側のそれぞれに対して、それぞれが所定の温度となるよ
うに加熱を行うことができるので、シリンダの天地にお
いて生じる温度差を解消できる。すなわち、成形材料が
シリンダ(1)の地側を接触して通過することによりシ
リンダ(1)の地側の熱が吸収されても、地側ヒータ
(2b)がその熱を供給することにより、天地方向で温
度差が生じることはなくなり、シリンダ(1)の熱膨張
を均一化することができ、従来のようなシリンダ(1)
の特定方向の湾曲が生じることを防止することができ
る。
【0014】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の射出成形機のシリンダ加熱装置において、地側ヒー
タ(2b)と天側ヒータ(2a)はそれぞれ別個独立に
温度制御されてシリンダ(1)の地側と天側をそれぞれ
所定の温度に加熱することを特徴とする。
【0015】かかる構成によれば、シリンダ(1)の天
側と地側を別個独立に温度制御できるので、例えば天側
に熱が貯まって、地側に対して温度が高くなるような温
度差が生じることはなくなる。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項2記載の射
出成形機のシリンダ加熱装置において、シリンダ(1)
の外周面に、地側ヒータ(2b)と天側ヒータ(2a)
に対応してそれぞれ別個独立に温度検知手段(5)を備
えることを特徴としている。かかる構成によれば、温度
検知手段(5)により地側ヒータ(2b)と天側ヒータ
(2a)に対応して温度検知できるので、シリンダ
(1)の天側と地側を別個独立に温度制御できるので、
例えば天側に熱が貯まって、地側に対して温度が高くな
るような温度差が生じることはなくなる。温度検知手段
(5)としては、例えば、熱電対などである。
【0017】また、請求項4記載の発明は、請求項1〜
3のいずれかに記載の射出成形機のシリンダ加熱装置に
おいて、天側ヒータ(2a)は地側ヒータ(2b)より
も加熱容量が小さくされていることを特徴としている。
かかる構成によれば、シリンダ(1)の地側への熱の供
給が容易となり、天地の温度差を容易に解消できると共
に、射出成形機の総電気容量を小さくすることができ
る。これは、天側ヒータ(2a)の加熱必要機会が地側
ヒータ(2b)のそれに比べて少なくなることに基づく
ものであり、例えば、天側ヒータ(2a)の一部または
加熱容量(ヒータワット密度)を地側ヒータ(2b)よ
り20〜50%小さくすることができる。
【0018】更に、請求項5記載の発明は、請求項1〜
4のいずれかに記載の射出成形機のシリンダ加熱装置に
おいて、ヒータ(2)は更にシリンダ(1)の軸方向の
複数領域それぞれに設けられ、複数のヒータ(2)のそ
れぞれがシリンダ(1)の各領域を所定の温度に加熱す
ることを特徴とする。
【0019】かかる構成によれば、シリンダ(1)の軸
方向全体にわたり、所定の温度に調節することができ、
シリンダ(1)各部の膨張を細やかに調節することがで
きる。
【0020】また、請求項6記載の発明は、請求項1〜
5のいずれかに記載の射出成形機のシリンダ加熱装置に
おいて、天側ヒータ(2a)と地側ヒータ(2b)それ
ぞれは、シリンダ(1)が挿通され得るリング形状を上
下に分割した形状を有し、天側ヒータ(2a)と地側ヒ
ータ(2b)はシリンダ外周面をリング状に覆うように
シリンダ(1)に取り付けられることを特徴とする。
【0021】このようなヒータ形状によれば、シリンダ
の外周より効率的にシリンダを加熱することができ、温
度差を速やかに解消することができる。なお、発明の実
施の形態においては、天側ヒータ(2a)及び地側ヒー
タ(2b)は、シリンダ(1)が挿通され得るリング形
状をシリンダの軸方向垂直断面の中心を通る水平線
(3)に対して上下方向に各々分割した形状を有してお
り、天側ヒータ(2a)及び地側ヒータ(2b)の配置
が容易となる。
【0022】更に、請求項7記載の発明は、請求項1〜
6のいずれかに記載の射出成形機のシリンダ加熱装置に
おいて、前記成形材料は軽合金材料(8)であることを
特徴とする。
【0023】軽合金材料(8)では、特に、溶融温度が
他の成形材料に比べて高温であり、シリンダ(1)の熱
膨張の均一化の要請が高いため、かかる構成とすること
により、シリンダ(1)の下方への湾曲防止が有効とな
る。ここで、「軽合金材料」とは、アルミニウム合金又
はマグネシウム合金等をいう。
【0024】また、請求項8記載の発明は、シリンダ
(1)内部にスクリュ(9)を備え、シリンダ(1)の
外周にヒータ(2)を備え、成形材料(8)の可塑化、
計量、射出を行うスクリュシリンダと、スクリュシリン
ダに成形材料(8)を供給するホッパ(7)と、スクリ
ュシリンダ先端に設けられ、金型(10)に成形材料を
射出するノズル(13)と、スクリュシリンダのスクリ
ュ(9)を前進させ、スクリュに射出圧力、背圧、射出
速度を与える射出ピストンシリンダとを有する射出装置
を備えた射出成形機において、前記ヒータ(2)は、請
求項1〜7のいずれかに記載のシリンダ加熱装置で構成
されることを特徴とする。
【0025】かかる射出成形機では、シリンダ天地方向
で温度差が生じることはなくなり、シリンダ(1)の熱
膨張を均一化することができ、従来のようなシリンダ
(1)の特定方向の湾曲が生じることを防止することが
できる。
【0026】なお、実施の形態においては、各天側ヒー
タ(2a)又は地側ヒータ(2b)に対応させてシリン
ダ(1)の温度を天側及び地側別々に検知する温度検知
手段としての熱電対(5)を設置し、これら熱電対の検
出温度が所定の温度となるよう、天側ヒータ(2a)及
び地側ヒータ(2b)の温度制御を行うようにしてい
る。なお、以上で示されたかっこ内の符号は、以下にお
いて説明される図面中の符号に対応している。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図により詳
細に説明する。図1は、本発明の実施の形態のシリンダ
加熱装置の側面断面図、図2は、図1のB−B断面図、
図3は、本発明の実施の形態の温度設定器の設定欄を表
示した図、図4は、本発明の実施の形態により、シリン
ダが曲がることなく良好な状態を表した側面図である。
なお、従来例と同様の構成には同一符号を付し、その説
明を省略する。
【0028】本実施の形態の射出成形機のシリンダ加熱
装置は、成形材料をアルミニウム合金又はマグネシウム
合金等の軽合金材料とする軽合金射出成形機のシリンダ
加熱装置である。なお、成形材料は軽合金材料に限定す
るものではなく、他の成形材料であっても良い。軽合金
射出成形機のシリンダ加熱装置は、図1に示すように、
シリンダ1の外周面にヒータ2を設置し、ヒータ2の加
熱によりシリンダ1内の軽合金材料8を加熱溶融するも
のである。
【0029】なお、図1に示される射出成形機は、シリ
ンダ1内部にスクリュ9を備え、シリンダ1の外周にヒ
ータ2を備え、軽合金材料8の可塑化、計量、射出を行
うスクリュシリンダと、スクリュシリンダの後部より、
該スクリュシリンダに成形材料である軽合金材料8を供
給するホッパ7と、スクリュシリンダ先端に設けられ、
金型10に成形材料を射出するノズル13と、スクリュ
シリンダのスクリュ9を前進させ、スクリュに射出圧
力、背圧、射出速度を与える射出ピストンシリンダが収
納された射出ピストンシリンダ収納部17とを有して構
成されている。
【0030】実施の形態においては、ヒータ2はシリン
ダ1の天側を所定の温度に加熱する天側ヒータ2aと、
シリンダ1の地側を所定の温度に加熱する地側ヒータ2
bとを有して構成されている。天側ヒータ2aと地側ヒ
ータ2bとは各ヒータ位置に対応して設けられた温度検
知手段である熱電対5の検出温度に基づいて図示しない
温度設定器により別個独立に温度制御される。
【0031】天側ヒータ2a及び地側ヒータ2bのそれ
ぞれは、図2に示すように、シリンダ1の軸方向所定長
さにわたりシリンダ1の外周上半面及び下半面を包囲す
る形状とされ、天側ヒータ2a及び地側ヒータ2bによ
りリング形状が形成される。天側ヒータ2a及び地側ヒ
ータ2bは、それらの両端がシリンダ1の垂直断面中心
を通るほぼ水平面上で締め付けネジ4c、4dにより接
合され、それにより形成されるリング形状内周面がシリ
ンダ1の外周面に密着される。
【0032】なお、本実施の形態では、天側ヒータ2a
及び地側ヒータ2bはシリンダ1の断面中心を通る水平
線3に対して、その上下方向に各々設置されるようにし
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、シリン
ダ1の大きさ、軽合金材料8の種類等に応じて、水平線
3の位置を中心位置よりも上方又は下方に変更すること
もできる。
【0033】さらに、本実施の態様では、天側ヒータ2
a及び地側ヒータ2bを軸方向の複数の領域H1,H
2,H3,H4,H5に各々配置し、各々軸方向におい
ても別個独立に温度制御する。なお、本実施の形態で
は、シリンダ1の領域H1,H2,H3,H4,H5は
5領域としているが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、シリンダ1の長さ又は成形材料の種類等によ
り、領域数を4以下、又は6以上としても良い。
【0034】このように、シリンダ1外周面を軸方向の
複数領域H1,H2,H3,H4,H5に分けると共
に、各領域を各天側、地側領域に分けたので、各部を細
やかに温度調節することができる。なお、本実施の形態
ではH1〜H5の天側及び地側も同じく600℃に設定
しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、
天側と地側の設定温度に予め差を付けて設定しても良
い。
【0035】以下に、加熱装置の動作について説明す
る。まず、シリンダ1を昇温させるため天側ヒータ2a
及び地側ヒータ2bに通電して昇温させて、図示しない
温度設定器により設定された温度までシリンダの温度が
到達すると、成形工程に入る。
【0036】ホッパ7内の軽合金材料8をシリンダ1内
に送り、スクリュ9を回転させながら軽合金材料8を溶
融し、同時に、スクリュ9によるノズル13側から遠ざ
かる回転後退動作により、シリンダ1内のスクリュ先端
側(図中左側)に溶融軽合金材料15を蓄積する計量動
作を行う。次に、計量工程によってシリンダ1前方に溜
まった溶融軽合金材料15を、スクリュ9を図中左側へ
移動させて、金型10のキャビティ11内に充填する射
出動作を行う。このとき、溶融軽合金材料15はシリン
ダ1の中心を通る水平線3よりも天側を通ることはな
く、水平線3よりも地側のシリンダ内周面に接触しなが
ら通過する。従って、溶融軽合金材料15はシリンダ1
の地側を通過する際に、シリンダ1の地側の熱を吸収し
ながら前方へ送られることとなるため、シリンダ1の地
側の温度が低下する。
【0037】このとき、天側ヒータ2aと地側ヒータ2
bに対応して別々にシリンダ1外周面に取り付けた熱電
対5により、天側と地側とで別々に温度が検知され、検
知された温度と温度設定器で設定された温度とを比較す
ることにより、天側ヒータ2a及び地側ヒータ2bへの
通電がオン/オフ制御される。例えば、一回目の計量動
作でH1領域の天側の温度が600℃のままであるのに
対して地側の温度が570℃に低下したとすると、本発
明では天側ヒータ2aはオフのままで、地側ヒータ2b
のみ通電をオンとして昇温動作させることができ、シリ
ンダ1の天地の温度差を解消することができ、シリンダ
1を均一で良好な熱膨張状態とすることができる。
【0038】このため、本発明では、図4に示すよう
に、従来のようなシリンダ1は天地の温度差からくる熱
膨張差によって生じる天側と地側の寸法差がなくなり、
シリンダ1に湾曲が発生することもなく、ノズル13と
スプルブッシュ14との間にもズレが生じることがな
い。
【0039】以上には、本発明の実施の形態として、天
側ヒータ2aと地側ヒータ2bとを別個独立に制御する
ようにした場合について説明したが、この場合、さらに
天側ヒータ2aと地側ヒータ2bとの加熱容量を異なら
せ、天側ヒータの加熱容量を地側ヒータの加熱容量より
も小さくすることができ、射出成形機の総電気容量を小
さくすることができる。これは、天側ヒータ2aによる
加熱必要機会が地側ヒータ2bのそれよりも少ないこと
に基づくものであり、例えば、シリンダ1のヒータ容量
50kW、動力その他50kWの総電気容量100kW
の軽合金射出成形機において、地側ヒータ2bの加熱容
量25kWに対して、天側ヒータ2aの加熱容量を地側
ヒータ2bの60%の15kWに減少させて動作さても
成形上、何ら不都合なく動作し、且つ軽合金射出成形機
の総電気容量が90kWと10%減少した。なお、天側
ヒータ2aは加熱容量を地側ヒータ2bのそれより20
〜50%の範囲で小さくすることが有効であることが確
かめられている。
【0040】
【発明の効果】本発明による射出成形機及びそのシリン
ダ加熱装置は、以上のように構成されているため、成形
材料がシリンダ(1)の地側を接触して通過することに
よりシリンダ(1)天地側で熱吸収量が異なった場合に
生じる、シリンダ(1)の上下方向の温度差をなくすこ
とができるので、シリンダ(1)の熱膨張を均一化する
ことができ、従来のようなシリンダ(1)の湾曲が生じ
ることがない。このため、シリンダ(1)先端のノズル
(13)と金型(10)のスプルブッシュ(14)との
芯ズレによる両者の穴位置にズレが生じることが無くな
り、両者の接触隙間から成形材料が漏れ出したり、場合
によっては勢いよく噴出する恐れがなくなる。さらに、
シリンダ(1)が湾曲することによって、スクリュ
(9)とシリンダ(1)とが強接触を起こすことによ
る、スクリュ(9)自体の磨耗やシリンダ(1)内面の
カジリが生じることもなく、射出成形を安全に行うこと
ができ、且つ生産効率も向上する。
【0041】さらに、天側ヒータ(2a)の加熱容量を
地側ヒータ(2b)のそれより小さくすることにより、
シリンダ(1)の天側半分の過剰昇温を防ぐことができ
ると共に,成形機の電気容量ひいては工場の設備電力を
小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のシリンダ加熱装置の側面
断面図である。
【図2】図1のB−B断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の温度設定器の設定欄を表
示した図である。
【図4】本発明の実施の形態により、シリンダが曲がる
ことなく良好な状態を表した側面図である。
【図5】従来のシリンダ加熱装置の側面断面図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】従来のシリンダ加熱装置によってシリンダが曲
がった状態を示す側面図である。
【図8】従来の温度設定器の設定欄を表示した図であ
る。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ヒータ 2a 天側ヒータ 2b 地側ヒータ 3 水平線 5 熱電対(温度検知手段) 7 ホッパ 8 軽合金材料 9 スクリュ 10 金型 11 キャビティ 13 ノズル 15 溶融軽合金材料 17 射出ピストンシリンダ収納部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ(1)の外周面にヒータ(2)
    を配置して、ヒータ(2)の加熱によりシリンダ(1)
    内の成形材料を溶融する射出成形機のシリンダ加熱装置
    において、 ヒータ(2)はシリンダ(1)の天側を所定の温度に加
    熱する天側ヒータ(2a)と、シリンダ(1)の地側を
    所定の温度に加熱する地側ヒータ(2b)とを備えて構
    成されていることを特徴とする射出成形機のシリンダ加
    熱装置。
  2. 【請求項2】 地側ヒータ(2b)と天側ヒータ(2
    a)はそれぞれ別個独立に温度制御されてシリンダ
    (1)の地側と天側をそれぞれ所定の温度に加熱する請
    求項1記載の射出成形機のシリンダ加熱装置。
  3. 【請求項3】 シリンダ(1)の外周面に、地側ヒータ
    (2b)と天側ヒータ(2a)に対応してそれぞれ別個
    独立に温度検知手段(5)を備える請求項2記載の射出
    成形機のシリンダ加熱装置。
  4. 【請求項4】 天側ヒータ(2a)は地側ヒータ(2
    b)よりも加熱容量が小さくされている請求項1〜3の
    いずれかに記載の射出成形機のシリンダ加熱装置。
  5. 【請求項5】 地側ヒータ(2b)と天側ヒータ(2
    a)は更にシリンダ(1)の軸方向の複数領域それぞれ
    に設けられ、これらヒータ(2a,2b)のそれぞれが
    シリンダ(1)の各領域を所定の温度に加熱する請求項
    1〜4のいずれかに記載の射出成形機のシリンダ加熱装
    置。
  6. 【請求項6】 天側ヒータ(2a)と地側ヒータ(2
    b)それぞれは、シリンダ(1)が挿通され得るリング
    形状を上下に分割した形状を有し、天側ヒータ(2a)
    と地側ヒータ(2b)はシリンダ外周面をリング状に覆
    うようにシリンダ(1)に取り付けられる請求項1〜5
    のいずれかに記載の射出成形機のシリンダ加熱装置。
  7. 【請求項7】 前記成形材料は軽合金材料(8)である
    請求項1〜6のいずれかに記載の射出成形機のシリンダ
    加熱装置。
  8. 【請求項8】 シリンダ(1)内部にスクリュ(9)を
    備え、シリンダ(1)の外周にヒータ(2)を備え、成
    形材料(8)の可塑化、計量、射出を行うスクリュシリ
    ンダと、 スクリュシリンダに成形材料(8)を供給するホッパ
    (7)と、 スクリュシリンダ先端に設けられ、金型(10)に成形
    材料を射出するノズル(13)と、 スクリュシリンダのスクリュ(9)を前進させ、スクリ
    ュに射出圧力、背圧、射出速度を与える射出ピストンシ
    リンダとを有する射出装置を備えた射出成形機におい
    て、 前記ヒータ(2)は、請求項1〜7のいずれかに記載の
    シリンダ加熱装置で構成されることを特徴とする射出成
    形機。
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