JPH11300804A - 射出成形装置 - Google Patents
射出成形装置Info
- Publication number
- JPH11300804A JPH11300804A JP10832698A JP10832698A JPH11300804A JP H11300804 A JPH11300804 A JP H11300804A JP 10832698 A JP10832698 A JP 10832698A JP 10832698 A JP10832698 A JP 10832698A JP H11300804 A JPH11300804 A JP H11300804A
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- Japan
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- thermoplastic resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金型の熱膨張による動作不良などの弊害を回
避しつつ、キャビティ内に充填された熱可塑性樹脂の流
動性を維持して、残留応力が小さく高品質な成形品を歩
留りよく生産する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂が流動する中心経路となる
キャビティ2の中央部分2aに沿ってその近傍に長手方
向に中央加熱ヒータ3を埋設するとともに、キャビティ
2の幅狭部2c近傍にも長手方向に幅狭部加熱ヒータ4
を埋設する。これら各加熱ヒータ3,4により、キャビ
ティ2内に充填されてきた熱可塑性樹脂を加熱して円滑
に流動させる。
避しつつ、キャビティ内に充填された熱可塑性樹脂の流
動性を維持して、残留応力が小さく高品質な成形品を歩
留りよく生産する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂が流動する中心経路となる
キャビティ2の中央部分2aに沿ってその近傍に長手方
向に中央加熱ヒータ3を埋設するとともに、キャビティ
2の幅狭部2c近傍にも長手方向に幅狭部加熱ヒータ4
を埋設する。これら各加熱ヒータ3,4により、キャビ
ティ2内に充填されてきた熱可塑性樹脂を加熱して円滑
に流動させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、製品成形用のキ
ャビティを内面に形成した金型を備え、キャビティ内に
熱可塑性樹脂を射出して成形する射出成形装置に関し、
特に金型を効率的に加熱するようにした射出成形装置に
関する
ャビティを内面に形成した金型を備え、キャビティ内に
熱可塑性樹脂を射出して成形する射出成形装置に関し、
特に金型を効率的に加熱するようにした射出成形装置に
関する
【0002】
【従来の技術】図4は一般的な射出成形装置の構造を示
す断面図である。ホッパ10には粒状の熱可塑性樹脂M
が充填されており、スクリュー11の後退に伴い一定量
の熱可塑性樹脂Mがホッパ10から加熱シリンダ12内
に供給される。射出工程が始まると、金型13が閉じる
とともに、スクリュー11が回転しながら前進を始め
る。熱可塑性樹脂Mは、スクリュー11により前方(図
示左方向)へ押し出されていき、次第に加熱溶融され
て、ノズル14から湯路(スプルー、ランナー、および
ゲート)15を経て、金型13内に形成したキャビティ
16に充填される。
す断面図である。ホッパ10には粒状の熱可塑性樹脂M
が充填されており、スクリュー11の後退に伴い一定量
の熱可塑性樹脂Mがホッパ10から加熱シリンダ12内
に供給される。射出工程が始まると、金型13が閉じる
とともに、スクリュー11が回転しながら前進を始め
る。熱可塑性樹脂Mは、スクリュー11により前方(図
示左方向)へ押し出されていき、次第に加熱溶融され
て、ノズル14から湯路(スプルー、ランナー、および
ゲート)15を経て、金型13内に形成したキャビティ
16に充填される。
【0003】キャビティ16に充填された熱可塑性樹脂
Mは、冷却されて硬化し成形品となる。熱可塑性樹脂M
が充分に硬化した後、金型13が開き成形品をノックア
ウトで突き出し、一サイクルの工程が終了する。
Mは、冷却されて硬化し成形品となる。熱可塑性樹脂M
が充分に硬化した後、金型13が開き成形品をノックア
ウトで突き出し、一サイクルの工程が終了する。
【0004】さて、射出成形装置の金型13には、キャ
ビティ16内に充填された熱可塑性樹脂Mを冷却するた
めに、冷却水の循環経路(図示せず)が全体に形成され
ている。通常、この循環経路には冷水が供給されるが、
熱可塑性樹脂によっては、金型温度が低すぎるとキャビ
ティ16の全域に行き渡る前に硬化してしまうものがあ
る。そのような熱可塑性樹脂に対しては、循環経路に温
水を供給し、金型13の全体を保温しつつ同材料を冷却
していく手段が採られていた。
ビティ16内に充填された熱可塑性樹脂Mを冷却するた
めに、冷却水の循環経路(図示せず)が全体に形成され
ている。通常、この循環経路には冷水が供給されるが、
熱可塑性樹脂によっては、金型温度が低すぎるとキャビ
ティ16の全域に行き渡る前に硬化してしまうものがあ
る。そのような熱可塑性樹脂に対しては、循環経路に温
水を供給し、金型13の全体を保温しつつ同材料を冷却
していく手段が採られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、金型
13の全体に形成した循環経路に冷却水を供給して、熱
可塑性樹脂Mを冷却すると、キャビティ16の内面に接
触する同材料Mのスキン層部分は急速に固まり、一方、
キャビティ16の内面から離れた同材料Mのコア層部分
は冷却が遅れるため滑らかに流動していく。これらスキ
ン層とコア層との間の流速差が大きいほど、硬化した後
の成形品内の残留応力が大きくなる。成形品内の残留応
力が大きいと、離型したときに反り等の変形が生じ、品
質の低下ひいては不良品の頻発による歩留りの低下をも
たらすおそれがあった。
13の全体に形成した循環経路に冷却水を供給して、熱
可塑性樹脂Mを冷却すると、キャビティ16の内面に接
触する同材料Mのスキン層部分は急速に固まり、一方、
キャビティ16の内面から離れた同材料Mのコア層部分
は冷却が遅れるため滑らかに流動していく。これらスキ
ン層とコア層との間の流速差が大きいほど、硬化した後
の成形品内の残留応力が大きくなる。成形品内の残留応
力が大きいと、離型したときに反り等の変形が生じ、品
質の低下ひいては不良品の頻発による歩留りの低下をも
たらすおそれがあった。
【0006】特に、湯路15から押し出されてきた熱可
塑性樹脂Mが流動する中心経路上で、熱可塑性樹脂Mが
急速に硬化すると、同材料Mをキャビティ16の全域に
行き渡らせるために大きな圧力をかけなければならず、
成形後に大きな残留応力が蓄積されやすい。また、幅の
狭い部分や角部など熱可塑性樹脂Mが滞留しやすい部分
でも、熱可塑性樹脂Mに作用する圧力が大きくなるた
め、成形後に大きな残留応力が蓄積されやすい。
塑性樹脂Mが流動する中心経路上で、熱可塑性樹脂Mが
急速に硬化すると、同材料Mをキャビティ16の全域に
行き渡らせるために大きな圧力をかけなければならず、
成形後に大きな残留応力が蓄積されやすい。また、幅の
狭い部分や角部など熱可塑性樹脂Mが滞留しやすい部分
でも、熱可塑性樹脂Mに作用する圧力が大きくなるた
め、成形後に大きな残留応力が蓄積されやすい。
【0007】一方、循環経路に温水を供給し金型13の
全体を保温した場合には、キャビティ16内での熱可塑
性樹脂Mの硬化が遅くなるため、射出成形のサイクルが
遅延して生産性が低下することは否めない。しかも、金
型温度が室温より著しく高くなるとその温度差から、離
型後に成形品がさらに収縮して変形するおそれがあっ
た。また、金型全体を温水等で加熱した場合、熱膨張に
より金型各部の寸法精度に誤差が現れ、動作不良を生じ
るおそれもあった。
全体を保温した場合には、キャビティ16内での熱可塑
性樹脂Mの硬化が遅くなるため、射出成形のサイクルが
遅延して生産性が低下することは否めない。しかも、金
型温度が室温より著しく高くなるとその温度差から、離
型後に成形品がさらに収縮して変形するおそれがあっ
た。また、金型全体を温水等で加熱した場合、熱膨張に
より金型各部の寸法精度に誤差が現れ、動作不良を生じ
るおそれもあった。
【0008】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、残留応力が小さく高品質な成形品を歩留り
よく生産でき、しかも金型に負担のかからない構造の射
出成形装置の提供を目的とする。
れたもので、残留応力が小さく高品質な成形品を歩留り
よく生産でき、しかも金型に負担のかからない構造の射
出成形装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は、製品成形用のキャビティを内面に形成し
た金型を備え、キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出して
成形する射出成形装置において、金型の所要部分のみに
加熱手段を設けたことを特徴としている。
にこの発明は、製品成形用のキャビティを内面に形成し
た金型を備え、キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出して
成形する射出成形装置において、金型の所要部分のみに
加熱手段を設けたことを特徴としている。
【0010】金型全体ではなく、所要部分のみに加熱手
段を設けることにより、金型全体の温度上昇を抑制で
き、金型の熱膨張による動作不良などの弊害を回避する
ことができる。また、部分的な加熱であるため、キャビ
ティ内で熱可塑性樹脂の硬化速度が著しく遅延するおそ
れもなく、高い生産性を維持できる。金型温度が室温よ
り著しく高くなることもないので、離型後に成形品が収
縮変形するおそれもない。
段を設けることにより、金型全体の温度上昇を抑制で
き、金型の熱膨張による動作不良などの弊害を回避する
ことができる。また、部分的な加熱であるため、キャビ
ティ内で熱可塑性樹脂の硬化速度が著しく遅延するおそ
れもなく、高い生産性を維持できる。金型温度が室温よ
り著しく高くなることもないので、離型後に成形品が収
縮変形するおそれもない。
【0011】また、加熱手段として、電熱ヒータを用い
ることにより金型の所要部分に対する温度制御が容易と
なる。
ることにより金型の所要部分に対する温度制御が容易と
なる。
【0012】加熱手段は、キャビティ内に充填された熱
可塑性樹脂の残留応力が生じやすい箇所を重点的に加熱
できる部分に設けることが好ましい。このような部分に
加熱手段を設けることで、キャビティ内に充填された熱
可塑性樹脂を円滑に流動させることが可能となるため、
成形品に蓄積される残留応力を低減して品質の向上を図
ることができる。
可塑性樹脂の残留応力が生じやすい箇所を重点的に加熱
できる部分に設けることが好ましい。このような部分に
加熱手段を設けることで、キャビティ内に充填された熱
可塑性樹脂を円滑に流動させることが可能となるため、
成形品に蓄積される残留応力を低減して品質の向上を図
ることができる。
【0013】例えば、加熱手段をキャビティ内の熱可塑
性樹脂が流動する中心経路に沿って設けることにより、
低い充填圧力で熱可塑性樹脂をキャビティ内へ円滑に充
填させることが可能となり、残留応力が低減する。
性樹脂が流動する中心経路に沿って設けることにより、
低い充填圧力で熱可塑性樹脂をキャビティ内へ円滑に充
填させることが可能となり、残留応力が低減する。
【0014】また、加熱手段をキャビティ内の熱可塑性
樹脂が滞留しやすい部分の近傍に設けることにより、該
部分の流動性を高め、低い圧力で円滑に熱可塑性樹脂を
流動させることが可能となり、残留応力が低減する。
樹脂が滞留しやすい部分の近傍に設けることにより、該
部分の流動性を高め、低い圧力で円滑に熱可塑性樹脂を
流動させることが可能となり、残留応力が低減する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。図1はこの発明の
実施形態を説明するための金型の斜視図、図2は同じく
平面断面図である。
いて図面を参照して詳細に説明する。図1はこの発明の
実施形態を説明するための金型の斜視図、図2は同じく
平面断面図である。
【0016】図1に想像線で示す形状の金型1の内面に
は、製品成型用のキャビティ2が形成してある。この実
施形態では、幅の広い中央部分2aの両端縁から屈曲し
て幅の狭い部分(幅狭部)2bが形成されたキャビティ
2を想定して、本発明の適正な構成を説明する。熱可塑
性樹脂は幅の広いキャビティ2の中央部分2aに充填さ
れ、上下方向に流動するとともに、該中央部分2aから
次第に角部2cを経て幅狭部2bへと流動していく。す
なわち、キャビティ2の中央部分2aが、熱可塑性樹脂
が流動する中心経路となる。
は、製品成型用のキャビティ2が形成してある。この実
施形態では、幅の広い中央部分2aの両端縁から屈曲し
て幅の狭い部分(幅狭部)2bが形成されたキャビティ
2を想定して、本発明の適正な構成を説明する。熱可塑
性樹脂は幅の広いキャビティ2の中央部分2aに充填さ
れ、上下方向に流動するとともに、該中央部分2aから
次第に角部2cを経て幅狭部2bへと流動していく。す
なわち、キャビティ2の中央部分2aが、熱可塑性樹脂
が流動する中心経路となる。
【0017】この実施形態では、キャビティ2の中央部
分2aに沿ってその近傍に長手方向に電熱ヒータ(中央
加熱ヒータ)3を埋設してある。この中央加熱ヒータ3
は、キャビティ2の中央部分2aに充填される熱可塑性
樹脂を加熱して、充填当初の硬化を抑制する機能を有し
ている。すなわち、キャビティ2の中央部分2aに充填
されてきた熱可塑性樹脂は、中央加熱ヒータ3によって
加熱されるため、急激に硬化することもなく比較的低い
充填圧力でもキャビティ2内に広がっていく。
分2aに沿ってその近傍に長手方向に電熱ヒータ(中央
加熱ヒータ)3を埋設してある。この中央加熱ヒータ3
は、キャビティ2の中央部分2aに充填される熱可塑性
樹脂を加熱して、充填当初の硬化を抑制する機能を有し
ている。すなわち、キャビティ2の中央部分2aに充填
されてきた熱可塑性樹脂は、中央加熱ヒータ3によって
加熱されるため、急激に硬化することもなく比較的低い
充填圧力でもキャビティ2内に広がっていく。
【0018】またこの実施形態では、キャビティ2の幅
狭部2b近傍にも長手方向に電熱ヒータ(幅狭部加熱ヒ
ータ)4を埋設してある。この幅狭部加熱ヒータ4は、
角部2cを通り幅狭部2bに進入してきた熱可塑性樹脂
を加熱してその流動性を保持する機能を有している。す
なわち、幅狭部2bは金型1の内面積に比べ容積が小さ
いため、熱可塑性樹脂が早く硬化して全域に行き渡らな
い可能性がある。そこで、幅狭部2bに進入してきた熱
可塑性樹脂を、幅狭部加熱ヒータ4により加熱して流動
性を保持することにより、同部2b内に熱可塑性樹脂を
充分に行き渡らせることができる。
狭部2b近傍にも長手方向に電熱ヒータ(幅狭部加熱ヒ
ータ)4を埋設してある。この幅狭部加熱ヒータ4は、
角部2cを通り幅狭部2bに進入してきた熱可塑性樹脂
を加熱してその流動性を保持する機能を有している。す
なわち、幅狭部2bは金型1の内面積に比べ容積が小さ
いため、熱可塑性樹脂が早く硬化して全域に行き渡らな
い可能性がある。そこで、幅狭部2bに進入してきた熱
可塑性樹脂を、幅狭部加熱ヒータ4により加熱して流動
性を保持することにより、同部2b内に熱可塑性樹脂を
充分に行き渡らせることができる。
【0019】なお、幅狭部加熱ヒータ4の埋設部は、図
2に示すとおりキャビティ2の角部2cにも近いため、
同ヒータ4により角部2cを通る熱可塑性樹脂をも加熱
して、角部2cでの同材料の滞留を防止することができ
る。幅狭部2bの奥行きが長い場合は、幅狭部加熱ヒー
タ4とは別に角部2cの近傍にも電熱ヒータを設けるこ
とが好ましい。
2に示すとおりキャビティ2の角部2cにも近いため、
同ヒータ4により角部2cを通る熱可塑性樹脂をも加熱
して、角部2cでの同材料の滞留を防止することができ
る。幅狭部2bの奥行きが長い場合は、幅狭部加熱ヒー
タ4とは別に角部2cの近傍にも電熱ヒータを設けるこ
とが好ましい。
【0020】図1,図2には示されていないが、金型1
の内部には冷却水の循環経路が形成してあり、同経路に
冷却水を循環させることにより、キャビティ2内の熱可
塑性樹脂を速やかに冷却できる構造となっている。
の内部には冷却水の循環経路が形成してあり、同経路に
冷却水を循環させることにより、キャビティ2内の熱可
塑性樹脂を速やかに冷却できる構造となっている。
【0021】図3は各加熱ヒータにより加熱された熱可
塑性樹脂の流動先端部(フローフロント)を拡大して示
す断面図である。各加熱ヒータ3,4を埋設した部分で
は、キャビティ2の内面と接触する熱可塑性樹脂Mのス
キン層a部分も、加熱ヒータ3,4により保温されるた
め硬化速度が遅い。したがって、スキン層a部分とキャ
ビティ2の内面から離れたコア層b部分との間の流速差
が小さく、フローフロントは図3に実線で示すような緩
やかな凸状となって流動していく。このため、各層a、
b部分が均一に硬化していき、内部に生じる残留応力が
小さい。
塑性樹脂の流動先端部(フローフロント)を拡大して示
す断面図である。各加熱ヒータ3,4を埋設した部分で
は、キャビティ2の内面と接触する熱可塑性樹脂Mのス
キン層a部分も、加熱ヒータ3,4により保温されるた
め硬化速度が遅い。したがって、スキン層a部分とキャ
ビティ2の内面から離れたコア層b部分との間の流速差
が小さく、フローフロントは図3に実線で示すような緩
やかな凸状となって流動していく。このため、各層a、
b部分が均一に硬化していき、内部に生じる残留応力が
小さい。
【0022】これに対して、従来の射出成形装置では、
キャビティ2の内面と接触する熱可塑性樹脂Mのスキン
層a部分は急激に冷却されるため硬化速度が速く、スキ
ン層a部分とコア層b部分との間の流速差が大きくな
る。フローフロントは、図3に想像線で示すようにコア
層b部分が大きく突き出した状態で流動していく。この
ため、各層a、b間で剪断応力が生じ、その応力が残留
応力として蓄積されることになる。この残留応力は、既
述したように離型後の成形品に反りなどの変形を生じさ
せる。
キャビティ2の内面と接触する熱可塑性樹脂Mのスキン
層a部分は急激に冷却されるため硬化速度が速く、スキ
ン層a部分とコア層b部分との間の流速差が大きくな
る。フローフロントは、図3に想像線で示すようにコア
層b部分が大きく突き出した状態で流動していく。この
ため、各層a、b間で剪断応力が生じ、その応力が残留
応力として蓄積されることになる。この残留応力は、既
述したように離型後の成形品に反りなどの変形を生じさ
せる。
【0023】本実施形態では、特に残留応力の生じやす
い中心経路、すなわちキャビティ2の中央部分2aを加
熱しているので、離型後の成形品に残留応力による変形
の生じるおそれがない。
い中心経路、すなわちキャビティ2の中央部分2aを加
熱しているので、離型後の成形品に残留応力による変形
の生じるおそれがない。
【0024】上述した本実施形態の射出成形装置は、金
型1の閉塞動作に同期して各加熱ヒータ3,4に電源を
投入し、金型1を部分的に加熱する。続いて、キャビテ
ィ2内に熱可塑性樹脂を充填する。熱可塑性樹脂は、中
央加熱ヒータ3により加熱されてキャビティ2の中央部
分2aを流動し、角部2cを通り幅狭部2bに進入す
る。幅狭部2bでは、熱可塑性樹脂を幅狭部加熱ヒータ
4により加熱して流動性を維持する。
型1の閉塞動作に同期して各加熱ヒータ3,4に電源を
投入し、金型1を部分的に加熱する。続いて、キャビテ
ィ2内に熱可塑性樹脂を充填する。熱可塑性樹脂は、中
央加熱ヒータ3により加熱されてキャビティ2の中央部
分2aを流動し、角部2cを通り幅狭部2bに進入す
る。幅狭部2bでは、熱可塑性樹脂を幅狭部加熱ヒータ
4により加熱して流動性を維持する。
【0025】このようにしてキャビティ2の全域に熱可
塑性樹脂を充填した後、各加熱ヒータ3,4の電源を切
るとともに、図示しない冷却経路に冷却水を流して金型
1を冷却する。冷却水を循環させることにより、金型1
を迅速に冷却できる。そして、キャビティ2内に充填し
た熱可塑性樹脂が硬化した後、金型1を開き成形品を取
り出す。
塑性樹脂を充填した後、各加熱ヒータ3,4の電源を切
るとともに、図示しない冷却経路に冷却水を流して金型
1を冷却する。冷却水を循環させることにより、金型1
を迅速に冷却できる。そして、キャビティ2内に充填し
た熱可塑性樹脂が硬化した後、金型1を開き成形品を取
り出す。
【0026】なお、この発明は上述した実施形態に限定
されるものではない。電熱ヒータは、キャビティの形状
に応じて熱可塑性樹脂の流動性を維持したい部分に設け
ることができる。加熱手段とともに、冷却手段を金型に
設ければ、上述した実施形態と同様、キャビティ内に充
填した熱可塑性樹脂を速やかに冷却することができ、生
産性が一層向上する。
されるものではない。電熱ヒータは、キャビティの形状
に応じて熱可塑性樹脂の流動性を維持したい部分に設け
ることができる。加熱手段とともに、冷却手段を金型に
設ければ、上述した実施形態と同様、キャビティ内に充
填した熱可塑性樹脂を速やかに冷却することができ、生
産性が一層向上する。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、金型の所要部分のみに加熱手段を設けたので、金型
の熱膨張による動作不良などの弊害を回避しつつ、キャ
ビティ内に充填された熱可塑性樹脂の流動性を維持し
て、残留応力が小さく高品質な成形品を歩留りよく生産
することができる。
ば、金型の所要部分のみに加熱手段を設けたので、金型
の熱膨張による動作不良などの弊害を回避しつつ、キャ
ビティ内に充填された熱可塑性樹脂の流動性を維持し
て、残留応力が小さく高品質な成形品を歩留りよく生産
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を説明するための金型の斜
視図である。
視図である。
【図2】同じく平面断面図である。
【図3】各加熱ヒータにより加熱された熱可塑性樹脂の
流動先端部(フローフロント)を拡大して示す断面図で
ある。
流動先端部(フローフロント)を拡大して示す断面図で
ある。
【図4】一般的な射出成形装置の構造を示す断面図であ
る。
る。
1:金型 2:キャビティ 2a:中央部分 2b:幅狭部 2c:角部 3:中央加熱ヒータ 4:幅狭部加熱ヒータ 10:ホッパ 11:スクリュー 12:加熱シリンダ 13:金型 14:ノズル
Claims (4)
- 【請求項1】 製品成形用のキャビティを内面に形成し
た金型を備え、前記キャビティ内に熱可塑性樹脂を射出
して成形する射出成形装置において、 前記金型の所要部分のみに加熱手段を設けたことを特徴
とする射出成形装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の射出成形装置において、 前記加熱手段として、電熱ヒータを用いたことを特徴と
する射出成形装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の射出成形装置にお
いて、 前記加熱手段を、前記キャビティ内の熱可塑性樹脂が流
動する中心経路に沿って設けたことを特徴とする射出成
形装置。 - 【請求項4】 請求項1又は2記載の射出成形装置にお
いて、 前記加熱手段を、前記キャビティ内の熱可塑性樹脂が滞
留しやすい部分の近傍に設けたことを特徴とする射出成
形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10832698A JPH11300804A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 射出成形装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10832698A JPH11300804A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 射出成形装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11300804A true JPH11300804A (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=14481874
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10832698A Pending JPH11300804A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 射出成形装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11300804A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008252671A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Clarion Co Ltd | ヘリカルアンテナの製造方法 |
JP2011230445A (ja) * | 2010-04-30 | 2011-11-17 | Neomax Material:Kk | 金型および金型用感温磁性材料 |
-
1998
- 1998-04-17 JP JP10832698A patent/JPH11300804A/ja active Pending
Cited By (2)
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