JP2004314399A - 成形機の温度調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱バレル内で大きな剪断熱が発生する樹脂を溶融する際にも、加熱バレル内の温度を正確に制御することができる成形機の温度調整装置を提供する。
【解決手段】加熱バレル１内には、スクリュ２が組み込まれている。加熱バレル１の周囲には、ヒータ３が配置されている。ヒータ３の周囲は、第一の筒状部材４によって取り囲まれている。第一の筒状部材４の壁面には、多数の貫通孔８が形成されている。第一の筒状体４の周囲は、間隙をあけて、第二の筒状部材５により取り囲まれている。これによって、第一の筒状部材４と第二の筒状部材５の間に環状の流路８が形成されている。第二の筒状部材５の周囲は、断熱材６によって覆われている。第二の筒状部材５には、冷却用の冷却媒体の供給口７が設けられている。
【選択図】 図１
【解決手段】加熱バレル１内には、スクリュ２が組み込まれている。加熱バレル１の周囲には、ヒータ３が配置されている。ヒータ３の周囲は、第一の筒状部材４によって取り囲まれている。第一の筒状部材４の壁面には、多数の貫通孔８が形成されている。第一の筒状体４の周囲は、間隙をあけて、第二の筒状部材５により取り囲まれている。これによって、第一の筒状部材４と第二の筒状部材５の間に環状の流路８が形成されている。第二の筒状部材５の周囲は、断熱材６によって覆われている。第二の筒状部材５には、冷却用の冷却媒体の供給口７が設けられている。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形機の温度調整装置に係り、特に加熱バレル内で樹脂の温度を制御するための手段に係る。
【０００２】
【従来の技術】
射出成形機の射出装置は、加熱バレル、加熱バレル内に組み込まれたスクリュ、加熱バレル内に原料樹脂を供給するホッパ、加熱バレルの周囲に配置されたヒータなどから構成されている。原料樹脂をホッパから加熱バレル内に導入し、スクリュを回転させて原料樹脂を加熱バレルの先端側に送り込むとともに攪拌し、同時に加熱バレルの外からヒータを用いて原料樹脂を加熱して溶融する。それによって、溶融樹脂がスクリュの前方に貯えられ、その圧力でスクリュが加熱バレル内で後退する。所定量の溶融樹脂がスクリュの前方に貯えられた後、スクリュを加熱バレル内で前進させ、加熱バレルから金型内に溶融樹脂を射出する。
【０００３】
従来の温度調整装置では、ヒータから周囲に放出される熱量を小さく抑えるため、ヒータの周囲を断熱材からなる保温層で覆っていた。
【０００４】
しかし、一部のエンジニアリング・プラスチックなど強度の高い樹脂を溶融する際には、加熱バレル内でスクリュを回転させることによって大きな剪断熱が発生する。そのような場合、従来の温度調整装置では加熱バレルを積極的に冷却する手段を備えていないため、加熱バレル内が過熱状態になり、温度制御が困難になって成形品の品質の低下を招くことがあった。
【０００５】
また、押出成形機の加熱バレルにおいても同様な問題があった。
【０００６】
【特許文献１】
特開平０９−００１６１３号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来の成形機の温度調整装置における問題点に鑑み成されたもので、本発明の目的は、大きな剪断熱が発生する樹脂を溶融する際に、加熱バレル内の温度を正確に制御することができる温度調整装置を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明の成形機の温度調整装置は、
加熱バレル内で原料樹脂を加熱及び混練して溶融し、金型内に射出するまたは押出す成形機の温度調整装置において、
加熱バレルの周囲に配置されたヒータと、
このヒータの周囲を取り囲み、壁面に多数の貫通孔が形成された第一の筒状部材と、
第一の筒状体の周囲を間隔をあけて取り囲むように配置され、第一の筒状部材との間に環状の流路を形成する第二の筒状部材と、
第二の筒状体の周囲を取り囲む断熱材からなる保温層と、
第二の筒状部材に設けられた冷却媒体供給口と、を備え、
前記冷却媒体供給口から前記環状の流路内に冷却媒体を供給し、前記多数の貫通孔を介して冷却媒体を加熱バレルに吹き付けることによって加熱バレルを冷却するように構成されていることを特徴とする。
【０００９】
本発明の成形機の温度調整装置によれば、前記環状の流路に冷却媒体を供給することによって加熱バレルを冷却することができる。このため、加熱バレル内で大きな剪断熱が発生する樹脂を溶融する場合にも、加熱バレル内の過熱を防止し、加熱バレル内の温度を正確に制御することができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１に、本発明に基づく温度調整装置の概要を示す。この図は、軸に対して垂直な方向の断面図である。図中、１は加熱バレル、２はスクリュ、３はヒータ、４は第一の筒状部材、５は第二の筒状部材、６は断熱材、８は環状の流路、９は貫通孔８を示す。
【００１１】
加熱バレル１内には、スクリュ２が組み込まれている。加熱バレル１の周囲には、ヒータ３が配置されている。ヒータ３の周囲は、第一の筒状部材４によって取り囲まれている。第一の筒状部材４の壁面には、多数の貫通孔８が形成されている。第一の筒状体４の周囲は、間隙をあけて、第二の筒状部材５により取り囲まれている。これによって、第一の筒状部材４と第二の筒状部材５の間に環状の流路８が形成されている。第二の筒状部材５の周囲は、断熱材６によって覆われている。第二の筒状部材５には、冷却用の冷却媒体の供給口７が設けられている。温度調整装置として空気または窒素が使用される。
【００１２】
加熱バレル１内に導入された原料樹脂は、スクリュ２によって加熱バレル１の先端側に送り込まれるとともに攪拌される。それと同時に、原料樹脂は、加熱バレル１の外からヒータ３によって加熱され溶融される。加熱バレル１の樹脂の温度は、加熱バレル１内に配置された温度センサ（図示せず）によって検知される。そのデータに基づいて、溶融樹脂の温度が所定の目標温度に維持されるように、ヒータ３の出力が制御される。
【００１３】
また、樹脂の剪断熱によって、溶融樹脂の温度が目標温度を超えた場合には、冷却媒体の供給口７から環状の流路８内に冷却用の冷却媒体を供給する。その冷却媒体は、第一の筒状部材４の壁面に設けられた多数の貫通孔９を介して、ヒータ３の内部に吹き付けられ、ヒータ３の端部からヒータ３外へ排出される。
【００１４】
また、本発明は、押出成形機の温度調整装置にも同様に適用される。
【００１５】
【発明の効果】
本発明の成形機の温度調整装置によれば、前記環状の流路に冷却媒体を供給することによって加熱バレルを冷却することができる。このため、加熱バレル内で大きな剪断熱が発生する樹脂を溶融する場合にも、加熱バレル内の過熱を防止し、加熱バレル内の温度を正確に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に基づく射出装置の概要を示す図であって、軸に対して垂直な方向の断面図。
【符号の説明】
１…加熱バレル、
２…スクリュ、
３…ヒータ、
４…第一の筒状部材、
５…第二の筒状部材、
６…断熱材、
７…冷却媒体の供給口、
８…環状の流路、
９…貫通孔。
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形機の温度調整装置に係り、特に加熱バレル内で樹脂の温度を制御するための手段に係る。
【０００２】
【従来の技術】
射出成形機の射出装置は、加熱バレル、加熱バレル内に組み込まれたスクリュ、加熱バレル内に原料樹脂を供給するホッパ、加熱バレルの周囲に配置されたヒータなどから構成されている。原料樹脂をホッパから加熱バレル内に導入し、スクリュを回転させて原料樹脂を加熱バレルの先端側に送り込むとともに攪拌し、同時に加熱バレルの外からヒータを用いて原料樹脂を加熱して溶融する。それによって、溶融樹脂がスクリュの前方に貯えられ、その圧力でスクリュが加熱バレル内で後退する。所定量の溶融樹脂がスクリュの前方に貯えられた後、スクリュを加熱バレル内で前進させ、加熱バレルから金型内に溶融樹脂を射出する。
【０００３】
従来の温度調整装置では、ヒータから周囲に放出される熱量を小さく抑えるため、ヒータの周囲を断熱材からなる保温層で覆っていた。
【０００４】
しかし、一部のエンジニアリング・プラスチックなど強度の高い樹脂を溶融する際には、加熱バレル内でスクリュを回転させることによって大きな剪断熱が発生する。そのような場合、従来の温度調整装置では加熱バレルを積極的に冷却する手段を備えていないため、加熱バレル内が過熱状態になり、温度制御が困難になって成形品の品質の低下を招くことがあった。
【０００５】
また、押出成形機の加熱バレルにおいても同様な問題があった。
【０００６】
【特許文献１】
特開平０９−００１６１３号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来の成形機の温度調整装置における問題点に鑑み成されたもので、本発明の目的は、大きな剪断熱が発生する樹脂を溶融する際に、加熱バレル内の温度を正確に制御することができる温度調整装置を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明の成形機の温度調整装置は、
加熱バレル内で原料樹脂を加熱及び混練して溶融し、金型内に射出するまたは押出す成形機の温度調整装置において、
加熱バレルの周囲に配置されたヒータと、
このヒータの周囲を取り囲み、壁面に多数の貫通孔が形成された第一の筒状部材と、
第一の筒状体の周囲を間隔をあけて取り囲むように配置され、第一の筒状部材との間に環状の流路を形成する第二の筒状部材と、
第二の筒状体の周囲を取り囲む断熱材からなる保温層と、
第二の筒状部材に設けられた冷却媒体供給口と、を備え、
前記冷却媒体供給口から前記環状の流路内に冷却媒体を供給し、前記多数の貫通孔を介して冷却媒体を加熱バレルに吹き付けることによって加熱バレルを冷却するように構成されていることを特徴とする。
【０００９】
本発明の成形機の温度調整装置によれば、前記環状の流路に冷却媒体を供給することによって加熱バレルを冷却することができる。このため、加熱バレル内で大きな剪断熱が発生する樹脂を溶融する場合にも、加熱バレル内の過熱を防止し、加熱バレル内の温度を正確に制御することができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１に、本発明に基づく温度調整装置の概要を示す。この図は、軸に対して垂直な方向の断面図である。図中、１は加熱バレル、２はスクリュ、３はヒータ、４は第一の筒状部材、５は第二の筒状部材、６は断熱材、８は環状の流路、９は貫通孔８を示す。
【００１１】
加熱バレル１内には、スクリュ２が組み込まれている。加熱バレル１の周囲には、ヒータ３が配置されている。ヒータ３の周囲は、第一の筒状部材４によって取り囲まれている。第一の筒状部材４の壁面には、多数の貫通孔８が形成されている。第一の筒状体４の周囲は、間隙をあけて、第二の筒状部材５により取り囲まれている。これによって、第一の筒状部材４と第二の筒状部材５の間に環状の流路８が形成されている。第二の筒状部材５の周囲は、断熱材６によって覆われている。第二の筒状部材５には、冷却用の冷却媒体の供給口７が設けられている。温度調整装置として空気または窒素が使用される。
【００１２】
加熱バレル１内に導入された原料樹脂は、スクリュ２によって加熱バレル１の先端側に送り込まれるとともに攪拌される。それと同時に、原料樹脂は、加熱バレル１の外からヒータ３によって加熱され溶融される。加熱バレル１の樹脂の温度は、加熱バレル１内に配置された温度センサ（図示せず）によって検知される。そのデータに基づいて、溶融樹脂の温度が所定の目標温度に維持されるように、ヒータ３の出力が制御される。
【００１３】
また、樹脂の剪断熱によって、溶融樹脂の温度が目標温度を超えた場合には、冷却媒体の供給口７から環状の流路８内に冷却用の冷却媒体を供給する。その冷却媒体は、第一の筒状部材４の壁面に設けられた多数の貫通孔９を介して、ヒータ３の内部に吹き付けられ、ヒータ３の端部からヒータ３外へ排出される。
【００１４】
また、本発明は、押出成形機の温度調整装置にも同様に適用される。
【００１５】
【発明の効果】
本発明の成形機の温度調整装置によれば、前記環状の流路に冷却媒体を供給することによって加熱バレルを冷却することができる。このため、加熱バレル内で大きな剪断熱が発生する樹脂を溶融する場合にも、加熱バレル内の過熱を防止し、加熱バレル内の温度を正確に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に基づく射出装置の概要を示す図であって、軸に対して垂直な方向の断面図。
【符号の説明】
１…加熱バレル、
２…スクリュ、
３…ヒータ、
４…第一の筒状部材、
５…第二の筒状部材、
６…断熱材、
７…冷却媒体の供給口、
８…環状の流路、
９…貫通孔。
Claims (1)
- 加熱バレル内で原料樹脂を加熱及び混練して溶融し、金型内に射出するまたは押出す成形機の温度調整装置において、
加熱バレルの周囲に配置されたヒータと、
このヒータの周囲を取り囲み、壁面に多数の貫通孔が形成された第一の筒状部材と、
第一の筒状体の周囲を間隔をあけて取り囲むように配置され、第一の筒状部材との間に環状の流路を形成する第二の筒状部材と、
第二の筒状体の周囲を取り囲む断熱材からなる保温層と、
第二の筒状部材に設けられた冷却媒体供給口と、を備え、
前記冷却媒体供給口から前記環状の流路内に冷却媒体を供給し、前記多数の貫通孔を介して冷却媒体を加熱バレルに吹き付けることによって加熱バレルを冷却するように構成されていることを特徴とする成形機の温度調整装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003110485A JP2004314399A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 成形機の温度調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003110485A JP2004314399A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 成形機の温度調整装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004314399A true JP2004314399A (ja) | 2004-11-11 |
Family
ID=33471331
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003110485A Pending JP2004314399A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 成形機の温度調整装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004314399A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008155650A2 (en) * | 2007-06-21 | 2008-12-24 | Sinergetic S.R.L. | Method and means for moulding by injection or extrusion |
| WO2009041309A1 (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-02 | Fujifilm Corporation | 溶融押出装置及び熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
| JP2010247458A (ja) * | 2009-04-17 | 2010-11-04 | Kizashi Matsunaga | 断熱カバー |
| JP5699268B1 (ja) * | 2014-02-28 | 2015-04-08 | 安尾 清一 | 断熱カバー取付け後のヒーター冷却パイプ |
| US11648719B2 (en) | 2019-08-01 | 2023-05-16 | Seiko Epson Corporation | Plasticization device, three-dimensional shaping device, and injection molding device |
| US11731331B2 (en) | 2020-11-24 | 2023-08-22 | Seiko Epson Corporation | Plasticizing apparatus, injection molding apparatus, and three-dimensional shaping apparatus |
-
2003
- 2003-04-15 JP JP2003110485A patent/JP2004314399A/ja active Pending
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008155650A2 (en) * | 2007-06-21 | 2008-12-24 | Sinergetic S.R.L. | Method and means for moulding by injection or extrusion |
| WO2008155650A3 (en) * | 2007-06-21 | 2009-02-12 | Sinergetic S R L | Method and means for moulding by injection or extrusion |
| WO2009041309A1 (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-02 | Fujifilm Corporation | 溶融押出装置及び熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
| JP2009083312A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Fujifilm Corp | 溶融押出装置及び熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
| CN101808799A (zh) * | 2007-09-28 | 2010-08-18 | 富士胶片株式会社 | 熔体挤出机和用于制备热塑性树脂膜的方法 |
| JP2010247458A (ja) * | 2009-04-17 | 2010-11-04 | Kizashi Matsunaga | 断熱カバー |
| JP5699268B1 (ja) * | 2014-02-28 | 2015-04-08 | 安尾 清一 | 断熱カバー取付け後のヒーター冷却パイプ |
| US11648719B2 (en) | 2019-08-01 | 2023-05-16 | Seiko Epson Corporation | Plasticization device, three-dimensional shaping device, and injection molding device |
| US11731331B2 (en) | 2020-11-24 | 2023-08-22 | Seiko Epson Corporation | Plasticizing apparatus, injection molding apparatus, and three-dimensional shaping apparatus |
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