JP2001045302A - 画像処理装置、および、それを用いた画像形成装置、並びに、そのプログラムが記録された記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、および、それを用いた画像形成装置、並びに、そのプログラムが記録された記録媒体

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JP2001045302A
JP2001045302A JP11211144A JP21114499A JP2001045302A JP 2001045302 A JP2001045302 A JP 2001045302A JP 11211144 A JP11211144 A JP 11211144A JP 21114499 A JP21114499 A JP 21114499A JP 2001045302 A JP2001045302 A JP 2001045302A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各チャンネル毎に疑似中間調処理されている
にも拘わらず、各チャンネルのドットバランスを損ねず
に、黒点粒状感と彩度低下とを抑制可能な画像処理装置
を提供する。 【解決手段】 画像形成装置の疑似中間調処理部におい
て、各チャンネル毎の誤差拡散法で補正された補正値C
1・M1・Y1は、各閾値処理部31c・31m・31
yにて閾値より大きいか否かが判定される。CMY重ね
打ち検出部32によって、3チャンネル全てで閾値より
濃度が高いことが検出されると、最小濃度チャンネル判
定部33は、第1量子化値置換部34へ指示して、最も
濃度が低いチャンネルの出力値が、ドットを形成しない
値となるように、各閾値処理部31c・31m・31y
の出力C2a・M2a・Y2aを変更する。これによ
り、3チャンネルの重ね打ちが阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各チャンネル毎に
疑似中間調処理しても黒点粒状感が発生しないように画
像データを処理する画像処理装置、および、それを備え
る画像形成装置、並びに、画像処理装置を実現するため
のプログラムが記録された記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、カラーインクプリンタ、カラー
インク複写機、カラーレーザープリンタ、カラーレーザ
ー複写機など、カラー印刷装置を有する画像形成装置で
は、例えば、多階調RGBデータなど、入力される画像
データで表現可能な階調数と、各カラー印刷装置で表現
可能な階調数とが異なっていることが多く、両者の階調
数が同じであっても、多くの場合、それぞれで表現可能
な色濃度が互いに異なっている。したがって、これらの
画像形成装置では、インクまたはトナーの各チャンネル
毎に2以上の多値化を行って、各色のインクやトナー
で、ドットを形成するか否かを判定することで、画像形
成装置が表現可能な色濃度のドットの分布で疑似的に入
力画像を表現している。多値化の方法としては、ディザ
法や誤差拡散法(誤差分散法)などが採用され、例え
ば、誤差拡散法を用いた場合、原画像のデータと、多値
化された値との誤差が、周囲の画素に分散される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各チャ
ンネル毎に独立して、疑似中間調処理すると、当該疑似
中間調処理によって、不所望なドットの重ね打ちが発生
する虞れがある。この結果、黒点が形成され、黒点粒状
感と彩度の低下とが発生してしまうという問題を生ず
る。
【0004】具体的には、例えば、レモンを示す画像の
ように、高彩度のデータが入力された場合であっても、
各チャンネル毎の疑似中間調処理によって、入力データ
とは異なる位置にドットが形成される。この結果、入力
データ中に黒点が存在しない場合であっても、例えば、
図48に示すように、不所望に黒点が形成されてしま
う。なお、同図は、出力画像を60倍に拡大した画像に
おいて、色の相違をハッチングで示したものであり、上
記黒点は、肌色領域、高輝度領域や高彩度領域における
黒点粒状感として使用者に知覚される。また、黒点が形
成されると、有彩色成分が減少するため、彩度が低下し
てしまう。
【0005】上記問題を解決するために、例えば、特開
平10−81026号公報には、ディザ法によって、M
チャンネルのドットを形成した後、Mチャンネルとの関
係が強い色相であるCチャンネルでは、Mチャンネルの
形成で発生する誤差に重み係数をかけた値をCチャンネ
ルに加えて補正しながら、ドットを形成する構成が開示
されている。
【0006】しかしながら、当該構成では、チャンネル
を処理する順番が予め定められているため、順番が後と
決められたチャンネルのドット形成が少なくなり、各チ
ャンネルのドットバランスが不均一になる虞れがある。
【0007】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、各チャンネルのドットバラン
スを損ねることなく、各チャンネル毎に疑似中間調処理
しても黒点粒状感が発生しないように、画像データを処
理する画像処理装置、および、それを備える画像形成装
置、並びに、それらを実現するためのプログラムが記録
された記録媒体を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像処理装
置は、上記課題を解決するために、複数の色相のチャン
ネルを含む予め定められた各チャンネルのドット自体、
各ドットの重ね合わせ、あるいは、全ドットの非形成で
表現される画素からなる画像を示す出力データを出力す
るデータ出力手段が設けられた画像処理装置において、
カラーの入力画像の各画素について、上記各色相のチャ
ンネル毎の濃度と、予め定められる閾値とを比較する第
1比較手段と、比較対象となる注目画素について、予め
定められた数以上のチャンネルで、上記閾値よりも濃度
が高い場合、閾値よりも濃度が高いチャンネルのうちの
少なくとも1つのチャンネルの濃度が低下するように、
上記出力データを調整する黒点粒状感防止手段とを備え
ていることを特徴としている。
【0009】上記構成において、注目画素を示し、各チ
ャンネル毎に疑似中間調処理されたデータが入力される
と、当該第1比較手段は、各色相のチャンネル毎に、入
力された濃度が閾値を越えているか否かを判定する。閾
値よりも濃度が高いチャンネルが予め定められた数以上
の場合、黒点粒状感防止手段は、それらのチャンネルの
うち、少なくとも1つのチャンネルの濃度が低下するよ
うに、出力データを調整する。したがって、当該出力デ
ータによって形成される画素は、濃度が低下した分だ
け、輝度、彩度および色相が黒点から離れた値となる。
この結果、各チャンネル毎に疑似中間調処理したデータ
が入力された場合でも、不要なドットの重ね合わせに起
因する黒点粒状感が抑制された出力データを出力でき
る。
【0010】さらに、上記構成では、各色相のチャンネ
ルの濃度を判定した後、出力データが調整されているの
で、特開平10−81026号に記載のように、各チャ
ンネルの濃度が順番に判定される構成とは異なり、ドッ
トバランスを均等に近づけることができる。
【0011】また、上記構成に加えて、上記予め定めら
れたチャンネルには、シアン、マゼンタおよびイエロー
のチャンネルが含まれ、上記黒点粒状感防止手段は、シ
アン、マゼンタおよびイエローの3チャンネルで上記閾
値よりも濃度が高い場合、当該3チャンネルのうち、1
チャンネルの濃度が低下するように、上記出力データを
調整する方が好ましい。
【0012】当該構成によれば、黒点が形成される状
況、すなわち、3チャンネルの重ね合わせが発生する状
況で、1チャンネルの濃度が低下する。したがって、画
像処理装置は、疑似中間調処理に起因する黒点粒状感
と、彩度の低下との双方が抑制された出力データを出力
できる。
【0013】さらに、上記構成の上記黒点粒状感防止手
段は、上記濃度を低下させる1チャンネルとして、最小
濃度のチャンネルを選択することが望まれる。当該構成
によれば、ドットを形成した場合に最も濃度の低いチャ
ンネルが調整されるので、出力データの調整に起因する
誤差を最小限に抑えることができる。この結果、画像処
理装置は、より入力画像に忠実な画像を示す出力データ
を出力できる。
【0014】また、上記構成に加えて、上記注目画素の
輝度と、予め定められる輝度閾値とを比較する輝度判定
手段を備え、上記黒点粒状感防止手段は、注目画素の輝
度が輝度閾値よりも低輝度の場合、上記出力データの調
整を停止してもよい。
【0015】当該構成では、例えば、入力画像中の黒点
など、黒点粒状感が目立たず、かつ、黒点の形成が望ま
れる画素が低輝度の画素として識別され、当該画素で
は、黒点粒状感防止手段による出力データの調整が停止
される。この結果、画像処理装置は、本来の黒点の作成
や、黒成分が不足する領域での黒点の作成を阻害するこ
となく、黒点粒状感が抑制され、彩度の向上した出力デ
ータを出力できる。
【0016】一方、3チャンネルの重ね合わせを検出す
る代わりに、上記注目画素の輝度と、予め定められる輝
度閾値とを比較する輝度判定手段を備え、上記予め定め
られたチャンネルには、シアン、マゼンタおよびイエロ
ーのチャンネルが含まれていると共に、上記黒点粒状感
防止手段は、シアン、マゼンタおよびイエローの3チャ
ンネルのうち、2チャンネル以上で閾値よりも濃度が高
く、かつ、輝度閾値よりも高輝度の場合、閾値よりも濃
度が高いチャンネルのうちの1つを選択し、残余のチャ
ンネルの濃度が低下するように、上記出力データを調整
してもよい。
【0017】当該構成によれば、注目画素の輝度が高い
場合、1チャンネルのみが選択され、残余のチャンネル
の濃度が低下する。これにより、注目画素の輝度が高
く、ドットの重ね合わせに起因する輝度の低下が識別し
やすい状況で重ね合わせが阻止される。この結果、画像
処理装置は、疑似中間調処理に起因する黒点粒状感と彩
度および輝度の低下とが抑制された出力データを出力で
きる。
【0018】さらに、上記構成の黒点粒状感防止手段
は、最大濃度のチャンネルを選択する方が望ましい。当
該構成によれば、ドットを形成した場合に最も濃度の高
いチャンネルを除いたチャンネルが調整されるので、出
力データの調整に起因する誤差を最小限に抑えることが
できる。この結果、画像処理装置は、より入力画像に忠
実な画像を示す出力データを出力できる。
【0019】予め定められたチャンネル数が2であるか
3であるかに拘わらず、上記各構成の画像処理装置は、
上記注目画素の彩度と、予め定められる彩度閾値とを比
較する彩度判定手段を備え、上記黒点粒状感防止手段
は、注目画素の彩度が彩度閾値よりも低彩度の場合、上
記出力データの調整を停止する方が好ましい。
【0020】当該構成によれば、黒点粒状感が目立た
ず、かつ、黒点の形成が望まれる画素が低彩度の画素と
して識別され、当該画素では、黒点粒状感防止手段によ
る出力データの調整が停止される。したがって、画像処
理装置の出力データが示す画像では、赤などの彩度が高
い部分において、出力データの調整によって彩度が向上
しているにも拘わらず、無彩色の部分では、黒点が形成
される。
【0021】また、彩度判定手段の有無に拘わらず、上
記各構成の画像処理装置は、上記入力画像に基づいて、
上記注目画素が文字領域に属するか否かを判定する領域
判定手段を備え、上記黒点粒状感防止手段は、注目画素
が文字領域に属する場合、上記出力データの調整を停止
する方が望ましい。
【0022】上記構成では、文字領域では、出力データ
が調整され、画像領域では、黒点粒状感防止手段による
出力データの調整が停止される。したがって、画像処理
装置の出力データが示す画像では、画像領域では、黒点
粒状感が防止され、文字領域では、出力データの調整に
起因する滲みの発生が防止される。
【0023】一方、上記領域判定手段に代えて、上記入
力画像に基づいて、上記注目画素が無彩色の文字領域に
属するか否かを判定する領域判定手段を備え、上記黒点
粒状感防止手段は、注目画素が無彩色の文字領域に属す
る場合、上記出力データの調整を停止してもよい。
【0024】当該構成では、無彩色の文字領域の場合に
出力データの調整が停止される。したがって、画像処理
装置の出力データが示す画像では、画像領域および有彩
色の文字領域では、黒点粒状感が防止され、無彩色の文
字領域では、出力データの調整に起因する滲みの発生が
防止される。
【0025】また、3チャンネル全てで濃度が閾値より
高いときに出力データを調整する構成の場合、当該構成
に加えて、上記第1比較手段への各チャンネル毎の入力
と、上記第1比較手段の閾値よりも濃度が高い値に設定
された許可値とを比較する第2比較手段を備え、上記黒
点粒状感防止手段は、上記3チャンネル全てで上記許可
値よりも濃度が高い場合、上記出力データの調整を停止
する方が好ましい。
【0026】一方、2チャンネルで濃度が閾値よりも高
く、かつ、高輝度のときに出力データを調整する構成の
場合、当該構成に加えて、上記第1比較手段への各チャ
ンネル毎の入力と、上記第1比較手段の閾値よりも濃度
が高い値に設定された許可値とを比較する第2比較手段
を備え、上記黒点粒状感防止手段は、上記3チャンネル
のうち、2チャンネル以上で上記許可値よりも濃度が高
い場合、上記出力データの調整を停止することが望まし
い。
【0027】これらの構成によれば、第1比較手段によ
って、高濃度であると判定された場合であっても、許可
値よりも濃度が高い画素、すなわち、出力データの調整
により大きな誤差が発生する虞れのある画素では、出力
データの調整が停止され、黒点が形成される。この結
果、出力データの調整に起因する誤差の最大値を抑制で
き、画像処理装置は、より入力画像に忠実な画像を示す
出力データを出力できる。
【0028】また、第2比較手段の有無に拘わらず、上
記予め定められたチャンネルには、黒チャンネルが含ま
れていてもよい。当該構成では、黒ドットの形成を指示
可能な出力データが出力されるので、黒ドットを形成可
能で画質の良い画像処理装置による黒ドットの形成を制
御しやすい。したがって、画像処理装置は、良好な画質
の形成が容易な出力データを出力できる。
【0029】上記構成の画像処理装置は、黒チャンネル
の濃度が予め定められた閾値よりも高い場合、残余のチ
ャンネルの濃度が低下するように、上記出力データを調
整する出力データ調整手段を備えている方が望ましい。
【0030】当該構成によれば、黒チャンネルの濃度が
高い場合、残余のチャンネルの濃度が低下するように、
出力データが調整されるので、無彩色の黒ドットと、有
彩色のドットとの重ね合わせに起因する有彩色成分の減
少を抑制できる。
【0031】また、黒チャンネルが含まれている構成の
場合、注目画素の近隣に黒ドットを形成したか否かを判
定する判定手段を備え、上記黒点粒状感防止手段は、注
目画素の近隣に黒ドットが存在する場合、上記出力デー
タの調整を停止してもよい。
【0032】ここで、近隣に黒ドットが存在する場合
は、他の色相のチャンネルのドットを重ね合わせたとし
ても、黒点粒状感が知覚しにくい。上記構成では、近隣
に黒ドットが存在するか否かによって、出力データ調整
の要否が判定されるため、黒点粒状感が知覚しにくい箇
所において、他の色相のチャンネルのドットを重ね合わ
せることで、不足している黒成分を補うことができる。
【0033】また、黒チャンネルが含まれている構成の
場合、上記予め定められたチャンネルには、シアン、マ
ゼンタおよびイエローの3チャンネルが含まれていると
共に、上記出力データが上記3チャンネルのドットの重
ね合わせを示している場合、3チャンネルのドットの重
ね合わせに代えて、黒チャンネルのドット形成を指示す
るように、上記出力データを調整する黒ドット置換手段
を備えていてもよい。
【0034】当該構成では、例えば、輝度判定手段など
の指示によって、黒点粒状感防止手段が出力データの調
整を停止した場合など、出力データが3チャンネルのド
ットの重ね合わせを示している場合、黒ドット置換手段
によって、当該重ね合わせが黒ドットに置換される。こ
の結果、画像処理装置は、重ね合わせで黒を表現する場
合に比べて、黒色のムラが発生しにくい出力データを出
力できる。
【0035】また、黒チャンネルが含まれているか否か
に拘わらず、上記入力画像に基づいて、上記予め定めら
れた各チャンネル毎に疑似中間調処理して、上記第1比
較手段へ入力する疑似中間調処理手段を備えている方が
望ましい。
【0036】上記構成では、画像処理装置が疑似中間調
処理手段を備えているので、入力される画像に拘わら
ず、疑似中間調処理に起因する黒点粒状感を防止でき
る。
【0037】なお、輝度判定手段、彩度判定手段あるい
は領域判定手段を有する構成の場合、疑似中間調処理す
る前のデータと後のデータとの双方を参照すると、各判
定手段の判定精度を向上できるので、画像処理装置は、
より入力画像に忠実な画像を示す出力データを出力でき
る。
【0038】さらに、上記構成の上記疑似中間調処理手
段は、上記入力画像の各チャンネル濃度と、出力データ
の各チャンネル濃度との誤差を、当該注目画素の近隣の
画素を注目画素として疑似中間調処理する際に加算する
誤差加算手段を備えている方が望ましい。
【0039】当該構成では、疑似中間調処理が誤差拡散
法で行われるため、ある画素の出力データ調整に起因す
る誤差を、他の画素の疑似中間調処理にて補償できる。
この結果、画像処理装置は、さらに入力画像に近い画像
を示す出力データを出力できる。
【0040】また、上記疑似中間調処理手段を備える場
合、当該構成に加えて、上記疑似中間調処理手段による
疑似中間調処理の前に、墨生成法により黒チャンネルの
濃度を決定する墨生成処理手段を備えている方が好まし
い。当該構成では、墨生成法により、黒チャンネルが形
成されるので、黒チャンネルを形成せずに疑似中間調処
理する場合と比較して、本来黒点を形成すべき領域にお
ける各色相のチャンネルの濃度が低下する。この結果、
本来の黒点の形成を阻害することなく、疑似中間調処理
に起因する黒点粒状感や彩度低下を防止できる。
【0041】さらに、上記構成の輝度判定手段の輝度閾
値は、予め定められた値を基準とする乱数である方が好
ましい。また、上記構成の彩度判定手段の彩度閾値は、
予め定められた値を基準とする乱数である方が好まし
い。ここで、輝度閾値や彩度閾値が固定の場合、出力デ
ータが示す画像に不所望な境界が発生する虞れがある
が、当該構成によれば、これらの閾値が変化するので、
当該境界の発生を防止できる。
【0042】また、判定手段の構成に拘わらず、上記デ
ータ出力手段は、各チャンネルのドットを対象物上に重
ね合わせて形成可能なドット形成手段が設けられたカラ
ー画像形成装置へ、上記出力データを出力する方が望ま
しい。特に、上記黒点粒状感防止手段は、チャンネルの
濃度を低下させる際、当該チャンネルでドットが形成さ
れない値になるように、上記出力データを調整する方が
よい。
【0043】当該構成では、第1比較手段などの閾値を
ドット形成手段に合わせて設定できる。したがって、画
像処理装置は、より的確に、ドットバランスを損なわ
ず、かつ、不要なドットの重ね合わせに起因する黒点粒
状感が抑制された出力データを出力できる。
【0044】一方、本発明に係る画像形成装置は、上記
課題を解決するために、上記各構成のうちのいずれかの
画像処理装置と、上記画像処理装置が出力する出力デー
タに基づいて、各チャンネルのドットを対象物上に重ね
合わせて形成可能なドット形成手段とを備えていること
を特徴としている。
【0045】当該構成によれば、上記各構成の画像処理
装置の出力データによって、ドット形成手段が制御され
るので、ドットバランスを損なわず、かつ、不要なドッ
トの重ね合わせに起因する黒点粒状感が抑制された画像
を形成できる。
【0046】ところで、上記画像処理装置は、ハードウ
ェアで実現してもよいし、ソフトウェアによって実現し
てもよい。具体的には、本発明に係る記録媒体は、複数
の色相のチャンネルを含む予め定められた各チャンネル
のドット自体、各ドットの重ね合わせ、あるいは、全ド
ットの非形成で表現される画素からなる画像を示す出力
データを出力するためのプログラムが記録された記録媒
体であって、上記課題を解決するために、カラーの入力
画像の各画素について、上記各色相のチャンネルの濃度
と、予め定められる閾値とを比較する第1比較手段、お
よび、比較対象となる注目画素について、予め定められ
た数以上のチャンネルで、上記閾値よりも濃度が高い場
合、閾値よりも濃度が高いチャンネルのうちの少なくと
も1つのチャンネルの濃度が低下するように、上記出力
データを調整する黒点粒状感防止手段として、コンピュ
ータを動作させるプログラムが記録されていることを特
徴としている。
【0047】上記構成の記録媒体からプログラムが読み
だされ、コンピュータにて実行されると、当該コンピュ
ータは、上述の画像処理装置として動作する。この結
果、当該コンピュータは、各チャンネル毎に疑似中間調
処理したデータが入力された場合でも、ドットバランス
を損なうことなく、不要なドットの重ね合わせに起因す
る黒点粒状感が抑制された出力データを出力できる。
【0048】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態〕本発明の一実
施形態について図1〜図7に基づいて説明すると以下の
通りである。すなわち、本実施形態に係る画像形成装置
は、例えば、カラーインクプリンタ、カラーインク複写
機、カラーレーザープリンタ、カラーレーザ複写機など
のカラー印刷部を有する装置であって、例えば、紙など
の対象物上に、入力された画像データに応じた画像を形
成することができる。
【0049】具体的には、例えば、図2に示すように、
上記画像形成装置1のカラー印刷部(カラー画像形成装
置)2は、予め定められた色相のドットを形成可能な複
数のドット形成部(ドット形成手段)3…を備えてお
り、各ドットを上記対象物上に重ね合わせて、カラーの
画素を形成できる。さらに、画像形成装置1には、上記
画像データの各画素について、上記各色相毎の濃度を示
すデータ(多階調データ)を疑似中間調処理し、各ドッ
ト形成部3…によるドット形成を制御するための多値化
データを出力する疑似中間調処理部(画像処理装置、疑
似中間調処理手段)4と、上記画像データを色変換し
て、各チャンネル毎の多階調データを上記疑似中間調処
理部4へ出力する前処理部5とが設けられている。
【0050】本実施形態では、上記ドット形成部3…の
一例として、シアン(C:青緑色)・マゼンタ(M:赤
紫色)・イエロー(Y:黄色)の色相の3つのドット形
成部3c・3m・3yが設けられており、各ドット形成
部3c・3m・3yによって、ドットを形成するか否か
が制御される。これに合わせて、上記前処理部5は、例
えば、多階調RGBや表色系で表現された画像データを
CMYの3チャンネルの多階調データ(例えば、256
階調)に変換し、上記疑似中間調処理部4は、各チャン
ネルの多階調データに基づいて、CMYチャンネル毎
に、それぞれ2値の多値化データを出力する。
【0051】上記前処理部5は、画像形成装置1へ入力
される画像データが多階調RGBデータの場合、例え
ば、図3に示すように、多階調RGBデータを多階調C
MYデータに変換するRGB−CMY変換部11を備え
ている。RGB−CMY変換部11は、変換方法とし
て、例えば、補間付きルックアップテーブル(LUT)
法や最小二乗法を用いる方法、あるいは、ニューラル・
ネットワークを用いて変換する方法などを採用してい
る。
【0052】一方、本実施形態に係る疑似中間調処理部
4は、図4に示すように、2次元の画像のうち、注目画
素を順次移動させながら、各注目画素毎に、各チャンネ
ルの多階調データを、それぞれ誤差拡散法を用いて多値
化している。具体的には、主走査方向(例えば、水平方
向など)へ注目画素を移動させ、主走査方向への走査、
すなわち、ある主走査線の走査が終了すると、主走査方
向とは異なる副走査方向(例えば、垂直方向など)で、
当該主走査線に隣接する主走査線を走査する。これによ
り、疑似中間調処理部4は、画像を構成する全ての画素
について、疑似中間調処理できる。この構成では、画像
全体を記憶しなくても疑似中間調処理できるので、特
に、インクジェットプリンタなどのラインプリンタに適
している。
【0053】ここで、上記疑似中間調処理部4は、例え
ば、図5に示すように、これまで疑似中間処理した画素
における誤差の積算値を各チャンネル毎に記憶する誤差
値バッファー21と、注目画素を示す多階調CMYデー
タと上記誤差値バッファー21を参照して得られる各チ
ャンネルの拡散誤差積算値とを加算する誤差加算部(誤
差加算手段)22と、後述する方法で、誤差加算部22
が出力する補正値C1・M1・Y1を量子化する量子化
部23と、量子化部23が出力する量子化値C2・M2
・Y2に基づいて、多値化データC3・M3・Y3を出
力する2値化処理部(データ出力手段)24c・24m
・24yと、上記量子化値C2・M2・Y2と補正値C
1・M1・Y1とをチャンネル毎に比較して、両者の誤
差を上記誤差値バッファー21へ格納する誤差計算部2
5c・25m・25yとを備えている。本実施形態で
は、一例として、量子化値C2・M2・Y2が「0」ま
たは「255」の値を取り、それぞれ8ビット幅の伝送
線で伝送されている。また、上記各2値化処理部24c
・24m・24yは、当該伝送線のMSB(Most Signi
ficant Bit)を選択するなどにより、ドットの形成を示
す「1」または非形成を示す「0」の値を取る多値化デ
ータC3・M3・Y3を生成し、それぞれ1ビットの伝
送線で出力する。
【0054】なお、上記拡散誤差積算値は、注目画素の
近傍の画素のうち、処理後の画素での誤差に重みを付け
て加算するなどして算出される。一般に、例えば、注目
画素に隣接する画素のみから算出する場合のように、誤
差拡散の範囲が狭いと、計算負荷が減り、見かけの鮮鋭
性が高くなる一方で、ドットの不規則なつながりに起因
する「ワームノイズ」などが発生し、画質が低下する。
これとは逆に、注目画素と隣接していない画素の誤差も
参照して算出する場合のように、誤差拡散の範囲を広げ
ると、ドットが空間的に均等に分散されやすくなる一方
で、見かけ上の鮮鋭性が下がると共に、上記誤差値バッ
ファー21に必要な記憶容量と計算負荷とが増大する。
したがって、誤差を拡散する範囲、および、重み付けの
係数は、それらのバランスを考慮して適切な値が選択さ
れる。
【0055】ここで、本実施形態に係る量子化部23に
は、図1に示すように、上記各補正値C1・M1・Y1
と予め定められた閾値とをそれぞれ比較して、予め定め
られた値に2値化する閾値処理部(第1比較手段)31
c・31m・31yに加えて、冗長なドットの重ね打ち
に起因する黒点の発生を防止するための構成が設けられ
ている。具体的には、上記閾値処理部31c・31m・
31yの出力C2a・M2a・Y2aが3ドットの重ね
打ちを指示しているか否かを検出するCMY重ね打ち検
出部32と、重ね打ちを検出した場合、上記補正データ
C1・M1・Y1を比較して最小濃度のチャンネルを識
別し、当該チャンネルのドット形成の防止を指示する最
小濃度チャンネル判定部33と、当該指示に応じて、上
記出力C2a・M2a・Y2aを調整する第1量子化値
置換部(黒点粒状感防止手段)34とが設けられてい
る。
【0056】本実施形態では、一例として、補正値C1
・M1・Y1は、それぞれ「0〜255」の値を取るよ
うに設定されている。また、上記各閾値処理部31c・
31m・31yの閾値は、いずれも「127」に設定さ
れており、出力C2a・M2a・Y2aは、当該閾値を
越えた場合にドット形成を示す値「255」、閾値に満
たない場合にドットの非形成を示す値「0」となる。ま
た、CMY重ね打ち検出部32は、上記出力C2a・M
2a・Y2aの各MSBの論理和を演算するAND回路
として実現されている。さらに、上記第1量子化値置換
部34は、各出力C2a・M2a・Y2aのうち、最小
濃度チャンネル判定部33がドット形成の防止を指示し
たチャンネルに対応する出力を、ドット形成しない値と
して予め定められた値(例えば、「0」など)に置換す
る。
【0057】上記構成の画像形成装置1において、図6
に示すフローチャートに基づいて、画像形成時の動作を
説明すると、以下の通りである。すなわち、注目画素が
選択されると、ステップ1(以下では、S1のように略
称する)において、図5に示す誤差加算部22は、誤差
値バッファー21を参照して、注目画素の多階調CMY
データに拡散誤差積算値を加え、補正値C1・M1・Y
1を算出する。さらに、各閾値処理部31c・31m・
31yによって、補正値C1・M1・Y1がドット形成
すべき閾値よりも濃度が高いか否かが判定されると、C
MY重ね打ち検出部32は、閾値処理部31c・31m
・31yの出力C2a・M2a・Y2aに基づいて、3
チャンネル全てで濃度が閾値よりも高いか否かを判定す
る(S2)。
【0058】3ドット全てがドット形成すべきと判定さ
れた場合(上記S2にて、YES の場合)、最小濃度チャ
ンネル判定部33は、補正値C1・M1・Y1の濃度を
比較して、最も濃度が低いチャンネルがドット形成しな
いように、第1量子化値置換部34へ指示する。したが
って、量子化部23の出力(量子化値C2・M2・Y
2)は、補正値C1・M1・Y1のうち、濃度が高い2
チャンネルで、ドット形成を指示する値となり、最も濃
度が低い1チャンネルでは、ドットの非形成を指示する
値となる。さらに、2値化処理部24c・24m・24
yは、量子化値C2・M2・Y2に基づいて、多値化デ
ータC3・M3・Y3を生成し、図2に示すドット形成
部3c・3m・3yへ指示する。これにより、当該注目
画素では、濃度が高い順に2チャンネルのみドットが形
成され、残余の1チャンネルのドット形成が阻止される
(S3)。
【0059】また、S4において、図5に示す誤差計算
部25c・25m・25yは、未処理の周辺画素へ誤差
を振り分けるために、上記量子化値C2・M2・Y2
と、補正値C1・M1・Y1との差分を算出し、各差分
に基づいて、誤差値バッファー21に格納してある各拡
散誤差積算値が加減処理して修正される。
【0060】これとは逆に、CMY3チャンネルのう
ち、1つでも、ドット形成の閾値に満たないチャンネル
が存在する場合(上記S2にて、 NO の場合)、上記C
MY重ね打ち検出部32は、最小濃度チャンネル判定部
33へ判定を指示しないので、上記第1量子化値置換部
34は、閾値処理部31c・31m・31yの出力C2
a・M2a・Y2aを、そのまま出力する。これによ
り、当該注目画素では、ドット形成の閾値よりも高濃度
のチャンネルのドットが形成され、低濃度のチャンネル
のドットは形成されない(S5)。
【0061】一例として、注目画素の多階調CMYデー
タが、それぞれ、「150」、「130」、「190」
であり、前回までの拡散誤差積算値として、それぞれ
「5」、「10」、「15」を示す値が誤差値バッファ
ー21に格納されている場合を例にして説明すると、上
記S1にて算出される補正値C1・M1・Y1は、それ
ぞれ、「155」、「140」、「205」となる。こ
れらは、いずれも、閾値処理部31c・31m・31y
の閾値(この例では、「127」)よりも濃度が高い。
したがって、CMY重ね打ち検出部32による上記S2
の判定がYES となり、上記S3において、最小濃度チャ
ンネル判定部33は、「140」の値を持つMチャンネ
ルが、最も濃度が低いチャンネルと判定する。この結
果、第1量子化値置換部34は、Mチャンネルの量子化
値M2aを「0」に置き換え、2値化処理部24mは、
ドットの非形成を示す「0」を出力する。また、第1量
子化値置換部34は、他のチャンネル(C・Y)の量子
化値C2a・Y2aを置き換えず、そのままの値(「2
55」)で出力するので、2値化処理部24c・24y
は、いずれも、ドット形成を示す値「1」を出力する。
この場合は、上記S4において、各誤差計算部25c・
25m・25yは、量子化値C2・M2・Y2(「25
5」、「0」、「255」)と、補正値C1・M1・Y
1(「155」、「140」、「205」)とを比較し
て、各チャンネルの差分「−100」、「+140」、
「−50」が周辺の画素へ振りまかれ、図5に示す誤差
値バッファー21に格納される。
【0062】上記S1〜S5の処理は、各注目画素毎に
繰り返され、画像形成装置1に入力される画像データの
全画素は、疑似中間処理された後、カラー印刷部2によ
って印刷される。
【0063】上記構成では、誤差拡散法を用いて、各チ
ャンネル毎に疑似中間調処理した結果、CMYの3チャ
ンネル全てでドット形成が指示された場合、3チャンネ
ルのうち、濃度が高い順に2チャンネルのドットが形成
され、残余の1チャンネルのドットの形成が阻止される
ので、3チャンネルの重ね打ちによる黒点の形成が阻止
される。このように、疑似中間調処理による冗長な黒点
の形成が阻止されるので、周辺画素へ振りまく誤差値を
最小に抑えながら、画像形成装置1が出力する画像か
ら、黒点粒状感を取り除くことができると共に、有彩色
成分の増加によって、出力画像の彩度を向上できる。
【0064】一例として、レモンを示す画像の一部のよ
うに、本来、黒点が存在しない画像データが入力された
としても、従来の構成、すなわち、閾値処理部31c・
31m・31yの出力C2a・M2a・Y2aが、その
まま、量子化値C2・M2・Y2として出力される構成
の場合は、疑似中間調処理によって、図48に示すよう
に、CMYの3ドットの重ね打ちによる黒点が発生して
しまう。これに対して、本実施形態の構成によれば、同
様の画像データが入力された場合、疑似中間調処理部4
が3チャンネルの重ね打ちを防止するので、図7に示す
ように、本来不要な黒点が形成されていない。また、リ
ンゴ・レモン・ピーマンを含む高彩度の画像データが入
力された場合について、上記従来の構成と本実施形態の
構成とを、各色のドット数で比較すると、以下の表1の
ようになる。なお、当該画像データは、後述する第2の
実施形態のように、黒チャンネルを生成したとしても、
Bkドットが形成されないデータを選択しているので、
以下の表1では、本実施形態および第2の実施形態のド
ット数変化を合わせて記載しており、表1のうち、Bk
ドットを除いた部分が、本実施形態を示している。
【0065】
【表1】
【0066】上記表1から明らかなように、CMK重ね
打ちに起因する黒点の数は、従来の「6044」個から
「0」個にまで減少されると共に、有彩色ドット数が
「3780」個増加している。このように、本実施形態
の構成によって、出力画像は、黒点粒状感が抑制され、
彩度が向上している。
【0067】さらに、上記構成では、CMY重ね打ち検
出部32が全チャンネルの量子化値C2a・M2a・Y
2aに基づいて、当該量子化値C2a・M2a・Y2a
を調整する必要があるか否かを一括して判定している。
したがって、例えば、特開平10−81026号公報に
記載の従来技術の構成、すなわち、ドット形成の要否を
「Bk」−「C」−「M」−「Y」チャンネルの順番で
順次判定する構成とは異なり、各チャンネルのドットバ
ランスを均等にすることができる。
【0068】〔第2の実施形態〕ところで、第1の実施
形態では、疑似中間調処理に起因する不要な黒点の形成
を防止できる一方で、例えば、入力された画像が文章の
場合など、入力された画像データに黒点が存在する場合
には、当該黒点の形成を不所望に防止する虞れがある。
【0069】これに対して、本実施形態に係る疑似中間
調処理部4aは、例えば、図8に示すように、黒点の要
否を判定する重ね打ち要否判定部35を備え、黒点が必
要な場合には、上記最小濃度チャンネル判定部33およ
び第1量子化値置換部34による重ね打ちの防止処理を
停止させることができる。
【0070】具体的には、本実施形態に係る重ね打ち要
否判定部(輝度判定手段)35aは、注目画素の輝度に
基づき、黒点の要否を判定する回路であって、図9に示
すように、ランダムな値αを出力するランダム数発生部
41aと、予め定められた閾値と当該ランダム数αとを
加算する閾値加算部41bと、正規化された輝度信号N
Lと、閾値加算部41bの出力とを比較して、注目画素
が高輝度か否かを判定する比較部41cとを備えてい
る。本実施形態では、上記ランダム数発生部41aは、
LUTにより実現されており、例えば、図10に示すよ
うに、多階調CMYデータの組み合わせに応じた設定値
を出力することで、実用上ランダムな値αを出力でき
る。
【0071】また、上記正規化された輝度信号NLは、
注目画素の輝度を正規化した値であり、例えば、図11
に示すように、前処理部5に設けられたRGB−Lab
変換部12によって生成される。具体的には、表色系の
一例として、1976CIEL*a*b*表色系を使用
した場合、CIE(国際照明委員会)のD50の光源下
における印刷物の輝度(色の明るさ)L*は、「0〜1
00」の値となるので、本実施形態に係るRGB−La
b変換部12では、輝度L*を8ビットに正規化して表
現している。
【0072】当該RGB−Lab変換部12は、図3に
示すRGB−CMY変換部11と同様に、最小二乗法、
補間付きLUT法を用いたり、ニューラルネットワーク
によって実現される。ここで、本実施形態のように、表
色系の信号を使用する場合、上記RGB−CMY変換部
11とRGB−Lab変換部12とを、それぞれ備えて
いてもよいし、図12に示すように、RGB−CMY変
換部11に代えて、Lab−CMY変換部13を設け
て、RGB−Lab変換部12が出力する表色系の信号
Nb・Na・NLを多階調CMYデータへ変換してもよ
い。なお、上記1976CIE L*a*b*表色系の
場合、a*およびb*は、色鮮やかさの度合い(彩度)
と、色そのもの(色相)を含めて表現される数字であ
り、a*=−85〜+85、b*=−75〜+125の
範囲の値となり、上記RGB−Lab変換部12は、a
*およびb*を8ビットに正規化した値Na・Nbを出
力する。
【0073】上記構成の画像形成装置1aは、図13に
示すように、図6と略同様の処理によって、多階調CM
Yデータを疑似中間調処理して、多値化データC3・M
3・Y3を出力する。ただし、本実施形態では、図13
に示すように、S2とS3との間に、S11の処理が加
えられており、重ね打ち要否判定部35aは、比較部4
1cによって、注目画素の輝度値NLが、閾値加算部4
1bの出力する輝度閾値に満たないと判定された場合、
最小濃度チャンネル判定部33aへ指示して、第1量子
化値置換部34への置換指示を抑制させる。この結果、
図8に示す量子化部23aは、各閾値処理部31c・3
1m・31yの出力C2a・M2a・Y2aを量子化値
C2・M2・Y2として出力する。これにより、輝度値
が輝度閾値に満たない場合(上記S11にて NO の場
合)は、CMY3チャンネルの重ね打ちが発生しなかっ
た場合と同様に、S5の処理が行われ、閾値より高濃度
のチャンネルのドットが形成される。
【0074】上記構成によれば、重ね打ち要否判定部3
5aは、疑似中間調処理が行われる前の注目画素の輝度
に基づいて、重ね打ち防止処理の要否を判定する。これ
により、輝度が低い画素は、黒に近く、黒点を形成して
もよいと判断され、ドットが重ね打ちされる。したがっ
て、黒成分が不足している箇所に、CMYチャンネルの
ドットの重ね打ちによる黒点を形成できる。これとは逆
に、輝度が高いにも拘わらず、量子化後は、重ね打ちが
指示された画素は、本来、黒点を形成すべきではない
が、疑似中間調処理によって不要な重ね打ちが指示され
た点と見なされ、重ね打ちが阻止される。これらの結
果、本来の黒点の形成を阻害することなく、疑似中間調
処理によって不所望に形成される黒点のみを除去でき
る。
【0075】なお、上記実施形態では、ランダム数発生
部41aによって輝度の閾値が、予め定められた値を中
心に変化しているが、これに限るものではない。例え
ば、比較部41cが注目画素の輝度と、固定の輝度閾値
とを比較しても、ほぼ同様の効果が得られる。ただし、
輝度閾値が一定の場合は、出力画像に不所望な境界が形
成される虞れがある。したがって、本実施形態に示すよ
うに、輝度閾値を変化させる方が好ましい。
【0076】また、上記輝度閾値(予め定められた値)
の最適値と、最適な変化量(ランダム数αの範囲)は、
例えば、入力される画像やカラー印刷部2の特性など、
種々の要因によって変化するので、印刷結果を参照する
などして決定される。さらに、これらの値は、予め設定
された値を使用してもよいし、設定する手段を設け、使
用者が設定してもよい。
【0077】〔第3の実施形態〕上記第2の実施形態で
は、重ね打ち要否判定部35が注目画素の輝度に基づい
て重ね打ちの要否を判定する場合について説明したが、
本実施形態では、重ね打ち要否判定部35が注目画素の
彩度に基づいて判定する場合について、図14〜図18
に基づいて説明する。
【0078】すなわち、本実施形態に係る重ね打ち要否
判定部(彩度判定手段)35bは、図14に示すよう
に、表色系の信号Na・Nbに基づいて、注目画素の彩
度を計算する彩度計算部42aと、ランダム数βを生成
するランダム数発生部42bと、ランダム数βと彩度の
二乗とを加算するランダム数加算部42cと、ランダム
数加算部42cの出力と予め定められた彩度閾値とを比
較する比較部42dとを備えている。
【0079】これにより、ランダム数加算部42cは、
以下の式(1)に示すように、 Chorm = (Na−a0)2 +(Nb−b0)2 +β …(1) 彩度の二乗とランダム数βとを加算した値Chormを
出力できる。なお、上記式(1)において、a0,b0
は、上述の表色系の値a*=0と、b*=0とを正規化
した値である。
【0080】なお、図14では、計算式によって彩度を
求めたが、別の構成例として、図15に示すように、L
UTを用いて求めてもよい。この構成例では、上記部材
42a〜42dに代えて、表色系の信号Na・Nbの値
の組み合わせに対応して、彩度を示す出力値が格納され
たLUT42eと、ランダム数γを発生させるランダム
数発生部42fと、両者42e・42fの出力を比較す
る比較部42gとが設けられている。当該構成例に係る
LUT42eでは、図16に示すように、それぞれ3ビ
ットに正規化されたNa・Nbの組み合わせに対応し
て、0〜3の値が格納されている。一方、上記ランダム
数発生部42fは、0〜3の値をランダムに発生し、比
較部42gが両者42e・42fの出力を比較して、L
UTデータ値がランダム数γよりも大きい場合、注目画
素が高彩度と判定する。当該構成は、図14に示す計算
で彩度を求める場合に比べて、回路の実現が容易であ
り、LUT42eに格納される値を調整することで、柔
軟な彩度閾値を設定できる。
【0081】重ね打ち要否判定部35bの構成に拘わら
ず、重ね打ち要否判定部35bを有する画像形成装置1
bは、図17に示すように、図13と略同様の処理によ
って、多階調CMYデータを疑似中間処理して、多値化
データC3・M3・Y3を出力する。ただし、本実施形
態では、図13に示すS11に代えて、S12の処理が
設けられており、重ね打ち要否判定部35bは、疑似中
間処理される前の注目画素の彩度が彩度閾値に満たない
場合(上記S12にて、 NO の場合)、最小濃度チャン
ネル判定部33aへ指示して、第1量子化値置換部34
への置換指示を抑制させる。この結果、図8に示す第1
量子化値置換部34は、各閾値処理部31c・31m・
31yの出力C2a・M2a・Y2aを量子化値C2・
M2・Y2として出力する。これにより、彩度の値が彩
度閾値に満たない場合(上記S12にて NO の場合)
は、CMY3チャンネルの重ね打ちを検出しなかった場
合と同様に、S5の処理が行われ、閾値より高濃度のチ
ャンネルのドットが形成される。
【0082】上記構成によれば、重ね打ち要否判定部3
5bは、疑似中間調処理が行われる前の注目画素の彩度
に基づいて、重ね打ち防止処理の要否を判定する。これ
により、彩度が低い画素(無彩色に近い画素)では、重
ね打ちによる黒点が形成される。したがって、黒成分が
不足している箇所に、CMYチャンネルのドットの重ね
打ちによる黒点を形成できる。これとは逆に、例えば、
赤など、彩度が高い画素であるにも拘わらず、補正後
は、量子化後は、重ね打ちが指示された画素は、疑似中
間調処理によって不要に重ね打ちが指示された点と見な
され、重ね打ちが阻止される。これらの結果、本来の黒
点の形成を阻害することなく、疑似中間調処理によって
不所望に形成される黒点のみを除去でき、彩度が高い領
域での黒点粒状感を低減できる。
【0083】なお、第2の実施形態と同様に、彩度に基
づく重ね打ち要否判定部35bも、彩度閾値を固定の値
としてもよいが、本実施形態に示すように、彩度閾値を
ランダムな値に変化させることで、出力画像への境界の
発生を防止できる。また、彩度閾値を変化させるときの
基準値と変化量とは、印刷結果より判断して決められ
る。さらに、予め決定された値を使用しても、使用者が
設定した値を使用してもよい。
【0084】〔第4の実施形態〕以下の実施形態では、
重ね打ち要否判定部35cが輝度と彩度との双方に基づ
いて、重ね打ち処理の要否を判定する場合について、図
18および図19に基づき説明する。
【0085】すなわち、本実施形態に係る重ね打ち要否
判定部35cは、図18に示すように、第2の実施形態
に係る重ね打ち要否判定部35aと同一構成の輝度判定
部(輝度判定手段)41と、第3の実施形態に係る重ね
打ち要否判定部35bと同一構成の彩度判定部(彩度判
定手段)42と、両者の出力に基づいて、出力信号を生
成する信号出力部43とを備えており、注目画素が高輝
度で、かつ、高彩度の場合、図8に示す第1量子化値置
換部34によって、3ドットの重ね打ちが防止される。
なお、本実施形態では、上記輝度判定部41が高輝度と
判定した場合「1」を出力し、彩度判定部42が高彩度
と判定した場合「1」を出力すると共に、最小濃度チャ
ンネル判定部33aは、重ね打ち要否判定部35cから
の信号が「1」の場合に、量子化値C2・M2・Y2を
調整して、重ね打ちを阻止するので、信号出力部43と
して、AND回路が用いられている。
【0086】上記構成では、図19に示すように、図1
7と略同様の処理によって、多階調CMYデータが疑似
中間処理され、多値化データC3・M3・Y3が出力さ
れる。ただし、本実施形態では、図17に示すS12に
代えて、S13の処理が設けられており、重ね打ち要否
判定部35cは、疑似中間処理される前の注目画素の彩
度が彩度閾値以上で、かつ、輝度が輝度閾値以上の場合
(上記S13にて、YES の場合)、最小濃度チャンネル
判定部33aへ指示して、3ドットの重ね打ちを検出し
たときに第1量子化値置換部34へ置換指示を出力させ
る。これとは逆に、疑似中間される前の注目画素の彩度
が彩度閾値を下回る場合、あるいは、輝度が輝度閾値を
下回る場合(上記S13にて NO の場合)、最小濃度チ
ャンネル判定部33aへ指示して、第1量子化値置換部
34への置換指示を抑制させる。これにより、CMY3
チャンネルの重ね打ちを検出しなかった場合と同様に、
S5の処理が行われ、閾値より高濃度のチャンネルのド
ットが形成される。
【0087】上記構成によれば、重ね打ち要否判定部3
5cは、疑似中間調処理が行われる前の注目画素の彩度
および輝度に基づいて、重ね打ち防止処理の要否を判定
する。この結果、彩度が低い領域(無彩色領域)、およ
び、輝度が低い領域(位領域)の双方では、黒点が形成
される。したがって、黒成分が不足している箇所に、C
MYチャンネルのドットの重ね打ちによる黒点を形成で
きる。
【0088】これとは逆に、彩度が高く、輝度が高い領
域では、重ね打ちが指示されても、疑似中間調処理によ
る誤った指示と判定され、重ね打ちが阻止される。な
お、上記では、彩度が高く、かつ、輝度が高い領域に
て、重ね打ちを阻止したが、彩度が高いか、または、輝
度が高い領域にて、重ね打ちを阻止してもよい。いずれ
の場合であっても、輝度のみ、あるいは、彩度のみに基
づいて判定する場合よりも確実に、疑似中間調処理によ
って不所望に形成される黒点のみを除去できる。
【0089】〔第5の実施形態〕ところで、上述の第2
〜第4の実施形態では、疑似中間調処理する前の注目画
素に基づいて、重ね打ち防止処理の要否を判定していた
が、本実施形態では、複数の画素に基づいて要否を判定
する方法の一例として、注目画素が文字領域に属するか
否かに基づいて判定する場合について説明する。
【0090】すなわち、本実施形態に係る重ね打ち要否
判定部35dは、図20に示すように、注目画素が属す
る領域の特徴を判定する特徴判定部(領域判定手段)4
4を備えている。入力された画像データに基づいて、文
字領域であるか否かを判定する方法としては、種々の方
法が挙げられるが、一例として、特開平8−12585
7号公報に開示された方法では、注目画素と、その近傍
の複数画素とからなる局所ブロックについて、局所ブロ
ックの特性を示す第1および第2特徴パラメータを抽出
し、抽出された各特徴値を、神経回路網を用いた判定回
路に入力して、注目画素の領域識別を行っている。ここ
で、第1特徴パラメータは、局所ブロック内の最大信号
レベル(輝度レベル)と最小信号レベルとの差であり、
第2特徴パラメータは、局所ブロック内の主走査方向に
連続する2つの画素間の信号レベル差の総和と、当該局
所ブロック内の副走査方向に連続する2つの画素間の信
号レベル差の総和とのうち、小さい方の値である。な
お、ここでは、上記2つの特徴パラメータにより判定す
る場合を例示したが、文字領域か否かを判定できれば、
他の方法で判定しても同様の効果が得られる。
【0091】上記構成では、図21に示すように、図1
9と略同様の処理によって、多階調CMYデータが疑似
中間処理され、多値化データC3・M3・Y3が出力さ
れる。ただし、本実施形態では、図19に示すS13に
代えて、S21の処理が設けられており、重ね打ち要否
判定部35dは、注目画素が文字領域に存在する場合
(上記S21にて、 NO の場合)、最小濃度チャンネル
判定部33aへ指示して、第1量子化値置換部34への
置換指示を抑制させる。これにより、CMY3チャンネ
ルの重ね打ちを検出しなかった場合と同様に、S5の処
理が行われ、閾値より高濃度のチャンネルのドットが形
成される。
【0092】上記構成によれば、重ね打ち要否判定部3
5dは、注目画素が文字領域に存在するか否かに基づい
て、重ね打ち防止処理の要否を判定する。したがって、
文字領域では、黒点が形成され、文字の滲みの発生が抑
制される。これとは逆に、写真領域など、文字領域以外
の領域では、重ね打ちが阻止される。この結果、文字に
滲みを発生させることなく、疑似中間調処理によって不
所望に形成される黒点のみを除去できる。
【0093】〔第6の実施形態〕上記第5の実施形態で
は、文字領域であるか否かのみに基づいて、重ね打ち防
止処理の要否を判定していた。これに対して、本実施形
態では、さらに、上述の第3の実施形態と同様、注目画
素の彩度も参照して、重ね打ち防止処理の要否を判定す
ることによって、有彩色文字の「黒ずみ」を防止可能な
画像形成装置1eについて説明する。
【0094】すなわち、図22に示すように、本実施形
態に係る重ね打ち要否判定部(領域判定手段)35e
は、図20と同様の特徴判定部44と、注目画素が有彩
色か無彩色かを判定する有彩色/無彩色判定部45と、
両部材44・45の判定に基づいて、出力信号を生成す
る信号出力部46とを備えており、無彩色文字の場合
に、図8に示す第1量子化値置換部34への置換指示が
抑制される。なお、本実施形態では、上記特徴判定部4
4が文字領域と判定した場合「1」を出力し、有彩色/
無彩色判定部45は、図15または図16に示す重ね打
ち要否判定部35cと略同様の構成であるが、出力論理
が異なっており、無彩色と判定した場合に「1」を出力
する。また、本実施形態に係る最小濃度チャンネル判定
部33aは、信号出力部46の出力が「1」の場合は、
置換指示を出力しない。したがって、上記信号出力部4
6として、AND回路が用いられている。
【0095】上記構成では、図23に示すように、図2
1と略同様の処理によって、多階調CMYデータが疑似
中間処理され、多値化データC3・M3・Y3が出力さ
れる。ただし、本実施形態では、図21に示すS21に
代えて、S22の処理が設けられており、重ね打ち要否
判定部35eは、注目画素が無彩色文字領域に存在する
場合(上記S22にて、 NO の場合)、最小濃度チャン
ネル判定部33aへ指示して、第1量子化値置換部34
への置換指示を抑制させる。これにより、CMY3チャ
ンネルの重ね打ちを検出しなかった場合と同様に、S5
の処理が行われ、閾値より高濃度のチャンネルのドット
が形成される。これとは逆に、注目画素が文字領域では
ない場合、あるいは、文字領域であっても、有彩色文字
の場合(上記S22にて、YES の場合)は、最小濃度チ
ャンネル判定部33aへ指示して、3ドットの重ね打ち
を検出したときに第1量子化値置換部34へ置換指示を
出力させる。
【0096】上記構成によれば、重ね打ち要否判定部3
5eは、注目画素が無彩色文字か否かに基づいて、重ね
打ち防止処理の要否を判定する。したがって、文字領域
であっても、有彩色文字の領域では、重ね打ちが阻止さ
れるので、有彩色文字の黒ズミを防止できる。
【0097】〔第7の実施形態〕ところで、第2〜第6
の実施形態では、補正値C1・M1・Y1を算出する前
の画素(画像)のデータに基づいて、重ね打ち防止処理
の要否を判定していた。これに対して、本実施形態で
は、他の判定基準として、補正値C1・M1・Y1に基
づいて、要否を判定する場合について説明する。
【0098】すなわち、本実施形態に係る量子化部23
fは、図24に示すように、図1に示す量子化部23の
構成に加えて、補正値C1・M1・Y1と、予め定めら
れた許可値とを、それぞれ比較する許可値判定部(第2
比較手段)36c・36m・36yと、各許可値判定部
36c・36m・36yの出力に基づき、それらの論理
積の否定を算出するNAND回路37と、CMY重ね打
ち検出部32とNAND回路37との論理積を最小濃度
チャンネル判定部33へ出力するAND回路38とを備
えている。なお、上記許可値は、例えば、「224」な
ど、上記閾値処理部31c・31m・31yの閾値より
も大きな値に設定されている。
【0099】これにより、許可値判定部36c・36m
・36yの全てが、各チャンネルの濃度が許可値よりも
高いと判定した場合、AND回路37は、CMY重ね打
ち検出部32が重ね打ちを検出しても、重ね打ちを検出
しないときと同じ値を最小濃度チャンネル判定部33へ
出力する。これとは逆に、許可値判定部36c・36m
・36yのいずれかが許可値よりも低いと判定した場
合、AND回路38は、CMY重ね打ち検出部32が重
ね打ちを検出したとき、最小濃度チャンネル判定部33
へ指示して、第1量子化値置換部34への置換指示を出
力させると共に、重ね打ちを検出しなかったとき、最小
濃度チャンネル判定部33による置換指示を抑制でき
る。
【0100】なお、各許可値の最適値は、上述の彩度閾
値や輝度閾値と同様に、印刷結果に基づいて決定でき、
予め定められた値を使用してもよいし、使用者が設定し
た値を使用してもよい。また、それぞれの許可値を同一
の値に設定してもよいし、互いに異なる値に設定するこ
ともできる。
【0101】上記構成では、図25に示すように、図6
と略同様の処理によって、多階調CMYデータが疑似中
間処理され、多値化データC3・M3・Y3が出力され
る。ただし、本実施形態では、S2とS3との間に、S
31の処理が設けられており、CMY3チャンネルの全
てがドット形成のための閾値よりも濃度が高く、かつ、
CMY3チャンネルのいずれかが、黒点形成のための許
可値よりも濃度が低い場合(上記S2およびS3の双方
がYES の場合)、S3以降の処理によって、最小濃度の
ドット形成が阻止される。
【0102】これとは逆に、CMY3チャンネルの全て
がドット形成のための閾値よりも濃度が高くても、CM
Y3チャンネルの全てが、黒点形成のための許可値より
も濃度が高い場合(上記S32にて、 NO の場合)、最
小濃度チャンネル判定部33による置換指示が抑制され
る。これにより、CMY3チャンネルの重ね打ちが発生
しなかった場合と同様に、S5の処理が行われ、閾値よ
り高濃度のチャンネルのドットが形成される。
【0103】上記構成によれば、量子化部23fは、補
正値C1・M1・Y1を参照して、全チャンネルで、黒
点形成のための許可値を越えていた場合、CMY3ドッ
トの重ね打ちを図1に示すカラー印刷部2へ指示する。
したがって、CMY3ドットの重ね打ち時に、重ね打ち
するドット数を減少させることで、誤差が増加したとし
ても、全チャンネルの濃度が上記許可値を越えると、C
MYドットの重ね打ちにより、誤差が大きく補償され
る。この結果、一定以上大きい誤差の発生を防止でき、
画像形成装置1fは、より入力画像に忠実な画像を出力
できる。
【0104】なお、本実施形態では、全てのチャンネル
で許可値を越えた場合に第1量子化値置換部34による
置換を抑制したが、いずれかのチャンネルで許可値を越
えた場合に置換を抑制しても同様の効果が得られる。
【0105】〔第8の実施形態〕ところで、上記第1〜
第7の実施形態では、画像形成装置がCMKの3つの色
相のドットを形成可能な場合を例にして説明したが、画
像形成装置が形成可能なドットの種類は、これに限るも
のではない。例えば、ライト・シアンなどのように、他
の色相のドットを形成する場合や、Bkドットを形成す
る場合にも、本発明を適用することができる。なお、以
下では、図26〜図29を参照して、第1の実施形態に
適用した場合を例にして説明するが、上記第1〜第7の
実施形態のいずれの画像形成装置にも適用できる。
【0106】すなわち、本実施形態に係る画像形成装置
1gでは、上述の第1の実施形態の構成に加えて、図2
および図3にて、破線で示すように、Bkドットを形成
可能なドット形成部3kbが設けられており、前処理部
5gは、例えば、墨生成処理などによって、入力された
画像データを、Bkチャンネルを含めた4チャンネルの
多階調CMYBkデータとして出力する。さらに、図2
6に示すように、疑似中間調処理部4gには、CMYチ
ャンネルと同様に、Bkチャンネルの多値化データBk
3を出力する2値化処理部24Bkと、誤差計算部25
Bkとが加えられている。なお、残余の部材21〜23
も、Bkチャンネルを処理できるように構成されてい
る。
【0107】具体的には、本実施形態に係る量子化部2
3gには、図27に示すように、図1に示す構成に加え
て、Bkチャンネルに補正値Bk1と、予め定められた
しきい値とを比較して、量子化値Bk2aを出力する閾
値処理部31Bkが設けられている。さらに、量子化部
23gは、閾値処理部31Bkの出力Bk2aがBkド
ットの形成を指示しているか否かを判定するBk発生判
定部39と、Bkドットの形成が指示されている場合、
残余のCMKチャンネルの量子化値C2・M2・Y2を
調整して、ドットが形成されないと予め定められた値
(例えば、「0」)に変更する第2量子化値置換部(出
力データ調整手段)40とを備えている。
【0108】上記構成では、画像データが入力される
と、前処理部5gは、図28に示すS41にて、当該画
像データのグレイ成分を墨で置換する処理(墨生成処
理)を行い、S42において、Bkチャンネルを含む4
チャンネルの多階調CMYBkデータを出力する。な
お、墨生成処理の方法としては、例えば、画像データの
色濃度信号[DR ,DG ,DB t から共通のグレイ成
分を除去する処理(UCR:下色除去)などが採用され
ている。これにより、無彩色量と有彩色量とのバランス
が調整される。
【0109】前処理部5gが多階調CMYBkデータを
出力すると、疑似中間調処理部4gは、図29に示すS
51〜S55の処理により疑似中間調処理を行い、4チ
ャンネルの多値化データC3・M3・Y3・Bk3を出
力する。具体的には、S51において、図26に示す誤
差加算部22gは、図6に示すS1と同様に、誤差値バ
ッファー21gを参照し、これまでの疑似中間調処理に
よって、現在の注目画素に振りまかれた拡散誤差累算値
を各チャンネルCMYBk毎に加え、補正値C1・M1
・Y1・Bk1を生成する。一方、S52において、図
27に示すBk発生判定部39は、閾値処理部31Bk
の出力Bk2aに基づいて、補正値Bk1がドット形成
を示しているか否か、すなわち、補正値Bk1が所定の
閾値より濃度が高いか否かを判定する。
【0110】Bkドット形成を示していない場合(上記
S52にて、YES の場合)、上記Bk発生判定部39
は、第2量子化値置換部40へ量子化値の置き換えを指
示せず、第2量子化値置換部40は、第1量子化値置換
部34の出力C2b・M2b・Y2bと、閾値処理部3
1bkの出力Bk2aとを、量子化値C2・M2・Y2
として出力する。この場合、上記量子化部23gは、S
53、S54、S56において、図6に示すS2、S
3、S5と同様の処理を行い、量子化値C2a・M2a
・Y2aが、CMYドットの重ね打ちを指示していると
き、濃度の高い2チャンネルのドット形成を指示するよ
うに、量子化部23gの出力C2・M2・Y2を調整す
る。
【0111】これとは逆に、Bkドット形成が指示され
ている場合(上記S52にて、 NOの場合)、上記Bk
発生判定部39は、第2量子化値置換部40へ、量子化
値の置換を指示する。この場合、第2量子化値置換部4
0は、第1量子化値置換部34の出力C2b・M2b・
Y2bに拘わらず、ドット形成しないと予め定められた
値(例えば、「0」)の量子化値C2・M2・Y2を出
力する(S58)。また、この場合、第2量子化値置換
部40は、Bkチャンネルの量子化値Bk2として、閾
値処理部31bkの出力Bk2aをそのまま出力する。
これにより、疑似中間調処理部4gからカラー印刷部2
gへ、Bkドットの形成のみが指示される(S57)。
【0112】Bkドットを形成するか否かに拘わらず、
量子化部23gが量子化値C2・M2・Y2を出力する
と、誤差計算部25c・25m・25y・25bkは、
図6に示すS4と同様に、補正値C1・M1・Y1・B
k1と、量子化値C2・M2・Y2・Bk2との誤差を
計算して、周辺画素に誤差を振りまく(S55)。
【0113】上記S51〜S58の処理は、注目画素毎
に繰り返され、画像形成装置1gは、入力された画像デ
ータを疑似中間処理して印刷する。
【0114】上記構成によれば、BkチャンネルがBk
ドット形成を指示しない領域では、上述の図7および図
48、並びに、表1に示すように、上記第1の実施形態
と同様、出力画像の黒点粒状感を抑制し、彩度を向上で
きると共に、各チャンネルのドットバランスを均等にす
ることができる。
【0115】ところで、BkチャンネルがBkドット形
成を指示した場合は、Bkドットと、他の有彩色チャン
ネルのドットとが重ね打ちされると、有彩色チャンネル
のドットが形成されているにも拘わらず、出力した画像
からは、当該ドットの有彩色成分が消えてしまう。この
場合、量子化部は、有彩色チャンネルのドット形成を指
示しているので、当該ドットの有彩色成分が出力画像に
反映されたものとして、誤差拡散処理してしまう。した
がって、量子化部23gは、有彩色成分の減少を補うこ
とができず、出力画像の彩度が低下する虞れがある。
【0116】ところが、本実施形態に係る画像形成装置
1gでは、BkチャンネルがBkドット形成を指示した
場合は、上記Bk発生判定部39および第2量子化値置
換部40によって、CMYチャンネルのドットの形成指
示が抑制される。したがって、上記有彩色成分の減少が
発生しない。この結果、カラー印刷部2gがBkドット
を形成可能で、CMYドットのみを形成する場合と比較
して、例えば、黒点の均一性などの点で画質が向上して
いるにも拘わらず、より彩度の高い画像を出力できる。
さらに、冗長な重ね打ちが発生しないので、インクやト
ナーの消費を抑制できる。
【0117】なお、上記では、墨生成法によりBkチャ
ンネルを生成したが、他の方法でBkチャンネルを生成
してもよい。また、カラー印刷部2gがインクを用いて
ドットを生成する構成では、ドットの色材として、顔料
や染料が挙げられるが、染料・顔料の特性から、より速
く乾くように、BKドットのみを形成する場合であって
も、Bkドットとシアンのような他のチャンネルのドッ
トとを重ね打ちする方がよいことがある。この場合は、
例えば、多値化データや量子化値を制御するなどして、
多値化データBk3がドット形成を示す値のとき、シア
ンの多値化データC3をドット形成を示す値に置換すれ
ばよい。
【0118】〔第9の実施形態〕ところで、Bkドット
を形成可能な画像形成装置では、重ね打ち要否判定部の
他の判定方法として、近傍にBkドットが形成されてい
るか否かに基づいて判定する方法を採用できる。すなわ
ち、本実施形態では、図30に示すように、疑似中間調
処理部4hでの重ね打ち要否判定部35hに、既に疑似
中間処理された画素のうち、例えば、注目画素に隣接す
る画素など、注目画素近傍の画素について、2値化処理
部24Bkの出力Bk3を格納するBkバッファー47
と、Bkバッファー47を参照して、注目画素の近傍に
Bkドットが形成されていた場合、最小濃度チャンネル
判定部33aによる第1量子化値置換部34への置換指
示を抑制させる判定部48とが設けられている。なお、
Bkバッファー47および判定部48が、特許請求の範
囲に記載の判定手段に対応する。
【0119】上記構成では、図31に示すように、図2
9と略同様の処理によって、多階調CMYデータが疑似
中間処理され、多値化データC3・M3・Y3・Bk3
が出力される。ただし、本実施形態では、S53とS5
4との間に、S61の処理が設けられており、重ね打ち
要否判定部35hは、注目画素の近傍にBkドットが形
成されていた場合(上記S22にて、 NO の場合)、最
小濃度チャンネル判定部33aへ指示して、第1量子化
値置換部34への置換指示を抑制させる。これにより、
CMY3チャンネルの重ね打ちを検出しなかった場合と
同様に、S56の処理が行われ、閾値より高濃度のチャ
ンネルのドットが形成される。
【0120】上記構成によれば、重ね打ち要否判定部3
7hは、Bkドットの近傍か否かに基づいて、重ね打ち
防止処理の要否を判定する。したがって、Bkドットの
近傍、すなわち、本来、黒点を打つべき箇所の回りで
は、必要に応じて、重ね打ちが行われる。これとは逆
に、Bkドットから離れた領域は、本来、黒点を形成す
べきではないが、疑似中間調処理によって不要な重ね打
ちが指示された点と見なされ、重ね打ちが阻止される。
これらの結果、疑似中間調処理によって不所望に形成さ
れる黒点のみを除去することができる。
【0121】なお、上記実施形態では、注目画素近傍の
一例として、隣接する画素を例示したが、これに限るも
のではなく、Bkバッファー47に注目画素に接してい
ない画素の多値化データBk3を格納してもよい。ま
た、この場合、判定部48は、注目画素との距離に応じ
て重みを付けて演算した結果に基づいて、重ね打ち防止
処理の要否を判定してもよい。これらによって、より的
確に重ね打ち防止処理の要否を判定できる。ただし、判
定時に参照される画素領域が大きくなると、Bkバッフ
ァー47に必要な記憶容量が増大する。したがって、参
照する画素領域の大きさは、両者のバランスを取った値
(例えば、注目画素に隣接する画素など)に設定され
る。
【0122】〔第10の実施形態〕ところで、上述の第
2〜第7または第9の実施形態に示すように、CMY3
チャンネルを重ね打ちすることがあり、かつ、第8また
は第9の実施形態に示すように、カラー印刷部がBkド
ットを形成できる場合、当該重ね打ちをBkドットの形
成で置き換えることができる。
【0123】具体的には、本実施形態に係る疑似中間調
処理部4kは、図32に示すように、量子化部23の出
力C2・M2・Y2に基づいて、CMY3チャンネルの
重ね打ちを判定するCMY重ね打ち検出部26と、CM
Y重ね打ち検出部26の指示に応じて、2値化処理部2
4c・24m・24y・24Bkの出力C3・M3・Y
3・Bk3を制御するBkドット置換部(黒ドット置換
手段)27とを備えており、量子化部23が重ね打ちを
指示した場合、CMK3チャンネルの重ね打ち指示をB
kドット形成指示に置換することができる。
【0124】本実施形態では、上述したように、例え
ば、量子化値C2・M2・Y2が「0」または「25
5」の2値に設定され、多値化データC3・M3・Y3
・Bk3は、ドットの非形成を示す「0」またはドット
形成を示す「1」に設定される。したがって、例えば、
CMY重ね打ち検出部26は、各量子化値C2・M2・
Y2のMSBの論理積を出力するAND回路として実現
され、Bkドット置換部27は、多値化データC3・M
3・Y3のうち、対応する多値化データと、上記AND
回路出力の否定との論理積を算出する3つの論理回路
と、上記AND回路の出力と多値化データBk3との論
理和を算出するOR回路とで実現されている。
【0125】上記構成では、図33に示すように、図6
と略同様の処理によって、多階調CMYデータが疑似中
間処理され、多値化データC3・M3・Y3・Bk3が
出力される。ただし、本実施形態では、S2とS3との
間に、S71の処理が設けられており、重ね打ち防止処
理が不要と判定され、量子化部23が重ね打ちを指示し
た場合(上記S71にて NO の場合)、CMY重ね打ち
検出部26は、Bkドット置換部27へBkドットの置
換を指示する。これにより、疑似中間調処理部4kは、
カラー印刷部2gへBkドットのみの形成を指示し、B
kドットのみが形成される(S72)。また、本実施形
態では、誤差計算部25c・25m・25y・25Bk
が量子化値C2・M2・Y2・Bk2に基づいて誤差を
算出しているので、疑似中間調処理部4kは、CMYド
ットを形成したとして、周辺画素に誤差を振りまき(S
73)、次の画素の疑似中間処理が行われる。なお、上
記S71の処理は、重ね打ち防止処理の要否を判定する
処理、より具体的には、第2〜第7および第9の実施形
態のうち、上述したS11〜S13・S21・S22・
S31・S61の処理に対応し、これらの処理にて、 N
O と判定された場合、重ね打ちする処理(S5・S5
6)に代えて、上記S72およびS73の処理を行う。
【0126】上記構成では、Bkドット置換部27がC
MY3チャンネルの重ね打ちをBkドットの形成に置換
する。したがって、3チャンネルのドットを重ね打ちし
た場合とは異なり、形成された黒点に色ムラが発生しな
い。この結果、画像形成装置1kは、より鮮明な画像を
出力できる。また、冗長な重ね打ちが発生しないので、
インクやトナーの消費を削減できる。
【0127】さらに、色ムラに起因する誤差が発生しな
いので、疑似中間調処理部4kが把握していない誤差を
削減できる。この結果、疑似中間調処理部4kは、より
確実に補正でき、画像形成装置1kは、入力画像に忠実
な画像を出力できる。
【0128】なお、図32の構成では、誤差計算部25
c・25m・25y・25Bkが、Bkドット置換前の
誤差、すなわち、量子化部23の出力C2・M2・Y2
・Bk2と、補正値C1・M1・Y1・Bk1との誤差
を算出しているが、これに限るものではなく、Bkドッ
ト置換後の誤差、すなわち、Bkドット置換部27の出
力と補正値C1・M1・Y1・Bk1との誤差を算出し
ても略同様の効果を得ることができる。
【0129】〔第11の実施形態〕ところで、上記第1
〜第10の実施形態では、重ね打ちの防止処理がCMY
3チャンネルの重ね打ち時に実施される場合について説
明した。これに対して、以下の実施形態では、疑似中間
調処理に起因する黒点粒状感と彩度低下とを防止するた
めの他の方法として、重ね打ち防止処理が、少なくとも
2チャンネルが重ね打ちされ、かつ、高輝度のときに実
施される場合について説明する。この構成であっても、
疑似中間調処理に起因する不所望な重ね打ちが防止され
るので、黒点粒子感と彩度低下とを防止できる。
【0130】具体的には、本実施形態に係る疑似中間調
処理部4mは、例えば、図34に示すように、図5に示
す疑似中間調処理部4に類似しているが、量子化部23
に代えて、注目画素の輝度を判定する高輝度判定部(輝
度判定手段)51と、誤差加算部22の出力C1・M1
・Y1を量子化すると共に、高輝度の場合は、1チャン
ネルのみ、ドット形成を指示するように量子化値C2・
M2・Y2を調整する量子化部52とを備えている。
【0131】上記高輝度判定部51は、図9に示す輝度
判定部41とほぼ同様の構成であり、予め定められる輝
度閾値よりも高いか否かを判定できる。なお、輝度閾値
は、固定値であってもよいが、出力画像に境界が発生し
ないように、第2の実施形態と同様に、所定の基準値を
中心にランダムに変化する方が望ましい。
【0132】上記量子化部52は、図35に示すよう
に、図1に示す閾値処理部31c・31m・31yと同
様の閾値処理部(第1比較手段)61c・61m・61
yと、閾値処理部61c・61m・61yの出力C2a
・M2a・Y2aに基づいて、少なくとも2チャンネル
の重ね打ちを検出する重ね打ち検出部62と、重ね打ち
が検出された場合、上記補正データC1・M1・Y1を
比較して最大濃度のチャンネルを識別し、当該チャンネ
ルのドット形成のみを指示する最大濃度チャンネル判定
部(黒点粒状感防止手段)63と、当該指示に応じて、
上記出力C2a・M2a・Y2aを調整する第3量子化
値置換部64とを備えている。
【0133】本実施形態では、一例として、補正値C1
・M1・Y1は、それぞれ「0〜255」の値を取るよ
うに設定されている。また、上記各閾値処理部61c・
61m・61yの閾値は、いずれも「127」に設定さ
れており、出力C2a・M2a・Y2aは、当該閾値を
越えた場合にドット形成を示す値「255」、閾値に満
たない場合にドットの非形成を示す値「0」となる。ま
た、重ね打ち検出部62は、上記出力C2a・M2aの
両MSBの論理積を演算するAND回路と、出力C2a
・Y2aの両MSBの論理積を演算するAND回路と、
出力M2a・Y2aの両MSBの論理積を演算するAN
D回路と、各AND回路の論理和を演算するOR回路と
から実現されている。さらに、上記最大濃度チャンネル
判定部63は、高輝度判定信号が高輝度を示し、かつ、
上記OR回路の出力が「真」の場合に、最大濃度チャン
ネル判定部63へ最大濃度のチャンネル判定を指示し、
第3量子化値置換部64は、最大濃度以外のチャンネル
に対応する出力を、ドット形成しない値として予め定め
られた値(例えば、「0」など)に置換できる。
【0134】上記構成では、図36に示すように、図6
と略同様の処理によって、多階調CMYデータが疑似中
間処理され、多値化データC3・M3・Y3・Bk3が
出力される。ただし、本実施形態では、S2およびS3
の処理に代えて、S81およびS82の処理が設けられ
ており、上記最大濃度チャンネル判定部63は、図34
に示す高輝度判定部51からの高輝度判定信号と重ね打
ち検出部62の出力とに基づいて、CMYチャンネルの
うち2チャンネル以上で閾値よりも濃度が高く、かつ、
高輝度の場合(S81にて、YES の場合)、第3量子化
値置換部64へ、最大濃度チャンネルのドット形成を指
示し、第3量子化値置換部64は、出力C2a・M2a
・Y2aのうち、残余のチャンネルを調整するなどし
て、最大濃度のチャンネルのみのドット形成を示す量子
化値C2・M2・Y2が出力される(S82)。
【0135】これとは逆に、重ね打ちが発生しない場
合、あるいは、輝度が低い場合、最大濃度チャンネル判
定部63は、特に、出力の置換を指示せず、第3量子化
値置換部64は、各閾値処理部61c・61m・61y
の出力C2a・M2a・Y2aを量子化値C2・M2・
Y2として出力する(S5)。
【0136】上記構成によれば、誤差拡散法を用いて、
各チャンネル毎に疑似中間調処理した結果、CMYのう
ち、2チャンネル以上でドット形成が指示され、かつ、
高輝度の場合、最大濃度のチャンネルのドットのみが形
成され、残余のチャンネルのドット形成が阻止される。
したがって、輝度が高く、本来、重ね打ちが不要な領域
において、疑似中間処理に起因する重ね打ちが阻止され
る。また、当該領域では、3チャンネルの重ね打ちに起
因する黒点の形成も阻止できる。これらの結果、画像形
成装置1mは、周辺画素へ振りまく誤差値を最小に抑え
ながら、当該重ね打ちに起因する輝度の低下と、黒点粒
状感の発生と、CMYドットの重ね打ちに起因する彩度
の低下とが抑制された画像を出力できる。
【0137】さらに、上記構成では、重ね打ち検出部6
2が全チャンネルの量子化値C2a・M2a・Y2aに
基づいて、当該量子化値C2a・M2a・Y2aを調整
する必要があるか否かを一括して判定している。したが
って、例えば、特開平10−81026号公報に記載の
従来技術の構成、すなわち、ドット形成の要否を「B
k」−「C」−「M」−「Y」チャンネルの順番で順次
判定する構成とは異なり、各チャンネルのドットバラン
スを均等にすることができる。
【0138】〔第12の実施形態〕本実施形態では、第
11の実施形態の重ね打ち防止処理の要否が、第3の実
施形態と同様、彩度に応じて判定される場合について、
図37および図38に基づき説明する。すなわち、本実
施形態に係る疑似中間調処理部4nには、図37に示す
ように、図34および図35に示す構成に加えて、彩度
を判定する重ね打ち要否判定部(彩度判定手段)65n
が設けられており、AND回路66は、高輝度判定部5
1が高輝度と判定し、かつ、重ね打ち要否判定部65n
が重ね打ち防止処理を必要と判定した場合に、最小濃度
チャンネル判定部33へ第3量子化値置換部64への置
換指示を出力させる。
【0139】上記重ね打ち要否判定部65nは、例え
ば、図14あるいは図15に示す彩度判定部42と同様
の構成であり、注目画素が予め定められる彩度閾値を越
えた場合に、「真」を出力する。なお、当該彩度閾値
は、固定値であってもよいが、第3の実施形態と同様
に、出力画像に境界が発生しないように、基準値を中心
にランダムに変化する方が望ましい。
【0140】上記構成では、図38に示すように、図3
6と略同様の処理によって、多階調CMYデータが疑似
中間処理され、多値化データC3・M3・Y3・Bk3
が出力される。ただし、本実施形態では、S81とS8
2との間に、S91の処理が設けられており、重ね打ち
要否判定部65nは、疑似中間処理される前の注目画素
の彩度が彩度閾値に満たない場合(上記S91にて、 N
O の場合)、AND回路66を介して、最大濃度チャン
ネル判定部63へ指示して、第3量子化値置換部64へ
の置換指示を抑制させる。これにより、彩度の値が彩度
閾値に満たない場合(上記S91にて NO の場合)は、
重ね打ちを検出しなかった場合と同様に、S5の処理が
行われ、閾値より高濃度のチャンネルのドットが形成さ
れる。
【0141】上記構成によれば、重ね打ち要否判定部6
5nは、疑似中間調処理が行われる前の注目画素の彩度
に基づいて、重ね打ち防止処理の要否を判定する。これ
により、彩度が低い画素(無彩色に近い画素)では、重
ね打ちが行われる。したがって、黒成分が不足している
箇所に、CMYチャンネルのドットの重ね打ちによる黒
点を形成できる。これとは逆に、例えば、赤など、彩度
が高い画素であるにも拘わらず、補正後は、量子化後
は、重ね打ちが指示された画素は、疑似中間調処理によ
って不要に重ね打ちが指示された点と見なされ、重ね打
ちが阻止される。これらの結果、本来の黒点の形成を阻
害することなく、第11の実施形態と同様の効果を得る
ことできる。
【0142】〔第13の実施形態〕本実施形態では、第
11の実施形態の重ね打ち防止処理の要否が、第5の実
施形態と同様、注目画素が文字領域に属するか否かに基
づいて判定される場合について、図37および図39に
基づき説明する。すなわち、本実施形態に係る疑似中間
調処理部4oでは、図20に示す特徴判定部44と同様
の重ね打ち要否判定部65oが設けられている。これに
より、AND回路66は、注目画素が高輝度で、かつ、
注目画素が文字領域ではない場合、「真」を示す値
(「1」)を出力し、注目画素が低輝度の場合あるいは
注目画素が文字領域の場合、「偽」を示す値を出力し
て、最大濃度チャンネル判定部63による第3量子化値
置換部64への置換指示を抑制する。
【0143】上記構成では、図39に示すように、図3
8と略同様の処理によって、多階調CMYデータが疑似
中間処理され、多値化データC3・M3・Y3・Bk3
が出力される。ただし、本実施形態では、図38に示す
S91に代えて、S92の処理が設けられており、重ね
打ち要否判定部65oは、注目画素が文字領域に属する
場合(上記S92にて NO の場合)、AND回路66を
介して、最大濃度チャンネル判定部63へ指示して、第
3量子化値置換部64への置換指示を抑制させる。これ
により、文字領域では、重ね打ちを検出しなかった場合
と同様に、S5の処理が行われ、閾値より高濃度のチャ
ンネルのドットが形成される。
【0144】上記構成によれば、重ね打ち要否判定部6
5oは、注目画素が文字領域に存在するか否かに基づい
て、重ね打ち防止処理の要否を判定する。したがって、
文字領域では、黒点が形成され、文字の滲みの発生が抑
制される。これとは逆に、写真領域など、文字領域以外
の領域では、第11の実施形態と同様に、重ね打ちが阻
止される。この結果、文字に滲みを発生させることな
く、第11の実施形態と同様の効果を得ることできる。
【0145】〔第14の実施形態〕本実施形態では、第
11の実施形態の重ね打ち防止処理の要否が、第6の実
施形態と同様、注目画素が無彩色文字領域に属するか否
かに基づいて判定される場合について、図37および図
40に基づき説明する。すなわち、本実施形態に係る疑
似中間調処理部4pでは、図37に示す重ね打ち要否判
定部(領域判定手段)65pとして、図22に示す重ね
打ち要否判定部37eと同様の構成が使用されている。
これにより、AND回路66は、注目画素が無彩色文字
領域の場合、「偽」の値を出力して、最大濃度チャンネ
ル判定部63による第3量子化値置換部64への置換指
示を抑制できる。
【0146】上記構成では、図40に示すように、図3
9と略同様の処理によって、多階調CMYデータが疑似
中間処理され、多値化データC3・M3・Y3・Bk3
が出力される。ただし、本実施形態では、図39に示す
S92に代えて、S93の処理が設けられており、重ね
打ち要否判定部65pは、注目画素が無彩色文字領域に
属する場合(上記S93にて NO の場合)、AND回路
66を介して、最大濃度チャンネル判定部63へ指示し
て、第3量子化値置換部64への置換指示を抑制させ
る。これにより、無彩色文字領域では、重ね打ちを検出
しなかった場合と同様に、S5の処理が行われ、閾値よ
り高濃度のチャンネルのドットが形成される。また、文
字領域であっても、有彩色領域の場合は、上記S93の
判定がYESとなり、量子化値C2・M2・Y2の変更に
よって、重ね打ちが防止される(S82)。
【0147】上記構成によれば、重ね打ち要否判定部6
5pは、注目画素が無彩色文字か否かに基づいて、重ね
打ち防止処理の要否を判定するので、文字領域であって
も、有彩色文字の領域では、重ね打ちが阻止される。こ
の結果、第11の実施形態の効果に加えて、有彩色文字
の黒ズミを防止できる。
【0148】〔第15の実施形態〕本実施形態では、第
11の実施形態の重ね打ち防止処理の要否が、第7の実
施形態と同様、補正値C1・M1・Y1に基づいて判定
される場合について、図41および図42に基づいて説
明する。
【0149】すなわち、本実施形態に係る量子化部52
rには、図35に示す構成に加えて、図24に示す許可
値判定部38c・38m・38yと同様の許可値判定部
(第2比較手段)67c・67m・67yと、各許可値
判定部67c・67m・67yの判定に基づいて、2チ
ャンネル以上で重ね打ちのための許可値を越えた場合、
重ね打ち防止処理が不要と判定する許可値識別部68
と、重ね打ち検出部62および許可値識別部68の出力
に基づいて、最大濃度チャンネル判定部63へ指示する
指示部69とが設けられている。
【0150】上記許可値識別部68は、例えば、許可値
判定部67c・67mの出力の論理積を算出するAND
回路と、許可値判定部67m・67yの出力の論理積を
算出するAND回路と、許可値判定部67y・67cの
出力の論理積を算出するAND回路と、各AND回路の
論理和の否定を出力するNOR回路とを備えており、2
チャンネル以上で重ね打ちのための許可値を越えた場
合、「偽」を示す値(「0」)を出力できる。また、指
示部69は、AND回路から構成されている。
【0151】上記構成では、図42に示すように、図4
0と略同様の処理によって、多階調CMYデータが疑似
中間処理され、多値化データC3・M3・Y3・Bk3
が出力される。ただし、本実施形態では、図40に示す
S93に代えて、S94の処理が設けられており、CM
Yチャンネルのうち、重ね打ちの許可値より高濃度なチ
ャンネルが1チャンネル以下の場合(上記S94にて、
YES の場合)、量子化値C2・M2・Y2の変更によっ
て、重ね打ちが防止される(S82)。
【0152】これとは逆に、重ね打ちの許可値よりも高
濃度なチャンネルが2チャンネル以上の場合(上記S9
4にて NO の場合)、許可値識別部68は、指示部69
を介し、最大濃度チャンネル判定部63へ指示して、第
3量子化値置換部64への置換指示を抑制させる。これ
により、補正値C1・M1・Y1のうち、許可値よりも
濃度が高いチャンネルが2チャンネル以上の場合は、重
ね打ちを検出しなかった場合と同様に、S5の処理が行
われ、閾値より高濃度のチャンネルのドットが形成され
る。
【0153】上記構成によれば、量子化部52rは、補
正値C1・M1・Y1を参照して、全チャンネルで、重
ね打ちのための許可値を越えていた場合、図1に示すカ
ラー印刷部2へ重ね打ちを指示する。したがって、高輝
度の領域で重ね打ちするドット数を減少させることで、
誤差が増加したとしても、2チャンネル以上で、重ね打
ちのための許可値を越えると、2チャンネル以上の重ね
打ちにより、誤差を大きく補償できる。この結果、一定
以上大きい誤差の発生を防止でき、画像形成装置1r
は、より入力画像に忠実な画像を出力できる。
【0154】〔第16の実施形態〕ところで、上記第1
1〜第15の実施形態では、画像形成装置がCMKの3
つの色相のドットを形成可能な場合を例にして説明した
が、上述の第8〜第10の実施形態と同様に、画像形成
装置が形成可能なドットの種類は、これに限るものでは
ない。例えば、ライト・シアンなどのように、他の色相
のドットを形成する場合や、Bkドットを形成する場合
にも、本発明を適用することができる。なお、以下で
は、図43〜図45を参照して、第11の実施形態に適
用した場合を例にして説明するが、上記第12〜第15
の実施形態のいずれの画像形成装置にも適用できる。
【0155】すなわち、本実施形態に係る画像形成装置
1sは、第8の実施形態と同様のカラー印刷部2gおよ
び前処理部5gが設けられている。また、図43に示す
ように、図33の構成に加えて、図26と同様の2値化
処理部24Bkと、誤差計算部25Bkとが設けられて
おり、残余の部材21および22もBkチャンネルを処
理できるように構成されている。さらに、本実施形態に
係る量子化部52sは、図44に示すように、図35に
示す構成に加えて、図27と同様のBk発生判定部71
と第2量子化値置換部(出力データ調整手段)72とが
設けられている。
【0156】上記構成では、図45に示すように、図2
9と略同様の処理によって、多階調CMYデータが疑似
中間処理され、多値化データC3・M3・Y3・Bk3
が出力される。ただし、本実施形態では、図29に示す
S52およびS53に代えて、図36と同様のS81お
よびS82の処理が行われ、注目画素が低輝度である
か、重ね打ちが指示されていない場合(上記S81に
て、 NO の場合)、S56にて、CMYに対して閾値よ
りも高濃度のドットが形成される。
【0157】上記構成では、BkチャンネルがBkドッ
ト形成を指示しない領域では、上述の第11の実施形態
と同様、出力画像の黒点粒状感を抑制し、彩度を向上で
きると共に、各チャンネルのドットバランスを均等にす
ることができる。
【0158】さらに、BkチャンネルがBkドット形成
を指示した場合は、上記Bk発生判定部71および第2
量子化値置換部72によって、CMYチャンネルのドッ
トの形成指示が抑制される。したがって、第8の実施形
態と同様に、Bkドットと他のドットとの重ね打ちに起
因する有彩色成分の減少を抑制できる。この結果、カラ
ー印刷部2gがBkドットを形成可能で、CMYドット
のみを形成する場合と比較して、例えば、黒点の均一性
や染料と顔料との差に起因する速乾性などの点で画質が
向上しているにも拘わらず、より彩度の高い画像を出力
できる。
【0159】〔第17の実施形態〕ところで、上記第1
1から第15の実施形態に示すように、CMY3チャン
ネルを重ね打ちすることがあり、かつ、第16の実施形
態に示すように、カラー印刷部がBkドットを形成でき
る場合、上述した第10の実施形態と同様に、当該重ね
打ちをBkドットの形成で置き換えることができる。
【0160】具体的には、本実施形態に係る疑似中間調
処理部4tは、図46に示すように、図43に示す構成
に加えて、図32に示すCMY重ね打ち検出部26とB
kドット置換部27とを備えており、量子化部52が重
ね打ちを指示した場合、CMK3チャンネルの重ね打ち
指示をBkドット形成指示に置換することができる。な
お、第10の実施形態で説明したように、誤差計算部2
5c・25m・25y・25BkがBkドット置換部2
7の出力に基づいて誤差を算出しても、略同様の効果を
得ることができる。
【0161】上記構成では、図47に示すように、図3
6と略同様の処理によって、多階調CMYデータが疑似
中間処理され、多値化データC3・M3・Y3・Bk3
が出力される。ただし、本実施形態では、S81とS8
2との間に、S101の処理が設けられており、重ね打
ち防止処理が不要と判定され、かつ、CMY重ね打ち検
出部26が重ね打ちを検出した場合(上記S101に
て、 NO かつ、S102にれYES の場合)、図33に示
すS72およびS73と同様の処理(S103およびS
104)が実施され、疑似中間調処理部4tは、カラー
印刷部2gへBkドットのみの形成を指示すると共に、
CMYドットを形成したとして、周辺画素に誤差を振り
まく。また、重ね打ち防止処理が不要であっても、3ド
ットの重ね打ちが検出されない場合(上記S102にて
NO の場合)は、2チャンネル以上の重ね打ちが検出さ
れない場合と同様に、S5の処理が行われ、閾値より高
濃度のチャンネルに対応するドットが形成される。
【0162】ここで、上記S101の処理は、重ね打ち
防止処理の要否を判定する処理、より具体的には、第1
2〜第16の実施形態のうち、上述したS91〜S95
の処理に対応し、これらの処理にて、 NO と判定された
場合、重ね打ちする処理(S5・S56)に代えて、上
記S103およびS104の処理を行う。
【0163】上記構成では、Bkドット置換部27がC
MY3チャンネルの重ね打ちをBkドットの形成に置換
する。したがって、3チャンネルのドットを重ね打ちし
た場合とは異なり、形成された黒点に色ムラが発生しな
い。この結果、画像形成装置1tは、より鮮明な画像を
出力できる。
【0164】さらに、色ムラに起因する誤差が発生しな
いので、疑似中間調処理部4tが把握していない誤差を
削減できる。この結果、疑似中間調処理部4tは、より
確実に補正でき、画像形成装置1tは、入力画像に忠実
な画像を出力できる。
【0165】なお、上記第1〜第10の実施形態では、
最小濃度チャンネル判定部33および第1量子化値置換
部34によって、最も濃度が小さいチャンネルのドット
形成が阻止され、上記第11〜第17の実施形態では、
最大濃度チャンネル判定部63および第3量子化値置換
部64によって、最も濃度が大きなチャンネルのドット
のみが形成されると共に残余のドット形成が阻止されて
いるが、これに限るものではない。第1あるいは第3量
子化値置換部34・64が出力を調整する際、いずれか
のチャンネルのドット形成を阻止すれば、不要な黒点の
形成と有彩色成分の低下とが抑制されるため、ほぼ同様
の効果が得られる。
【0166】ただし、この場合は、上述した第1〜第1
7の実施形態のように、濃度が薄いチャンネルから順番
にドット形成を阻止する場合に比べて、ドットの非形成
によって発生する誤差が大きくなり、出力画像の色調に
悪影響を及ぼす虞れがある。したがって、より忠実な画
像を出力するためには、濃度が薄いチャンネルから順番
にドット形成を阻止する方が望ましい。
【0167】また、上記第1〜第17の実施形態では、
各疑似中間調処理部が誤差拡散によって疑似中間調処理
する場合を例にして説明したが、例えば、ディザ法な
ど、他の疑似中間調処理を行っても同様の効果が得られ
る。ここで、各チャンネル毎に誤差拡散した場合、注目
画素の量子化時に積算された誤差を加えるため、より入
力された画像に近い忠実な画像を出力できる一方で、ド
ットの重ね打ちを予測しにくく、彩度の低下や黒点粒状
感を招きやすい。ところが、本実施形態では、例えば、
量子化値C2・M2・Y2(・Bk2)など、誤差加算
部22以降のデータに基づいてドットの重ね打ちを阻止
しているので、誤差拡散した場合であっても、確実に重
ね打ちを阻止できる。したがって、上記各実施形態に示
すように、誤差拡散法を使用する方が、彩度の低下や黒
点粒状感を招くことなく、より忠実な画像を出力できる
ので、より効果的である。
【0168】さらに、上記各実施形態では、説明の便宜
上、多値化データが2値の場合について説明したが、こ
れに限らず、3値以上に多値化する場合であっても同様
の効果が得られる。一例として、閾値を「64」および
「192」に設定し、「0」〜「64」の値を「0」に
量子化し、「64」〜「192」の値を「128」に、
「192」〜「255」の値を「255」に量子化すれ
ば、3値に量子化できる。このように、3値以上に多値
化する場合、上記各第1〜第3量子化値置換部34・4
0・72は、多値化データC3・M3・Y3(Bk3)
を調整する際、ドットを形成しない値(「0」)に変更
するだけではなく、濃度が減少するように調整してもよ
い。この構成では、濃度を減少させた分だけ、輝度の減
少、および有彩色成分の減少を抑えることができるの
で、上記各実施形態と同様の効果が得られる。
【0169】なお、上記各実施形態では、カラー印刷部
2(2g)がドットの重ね打ちによって、フルカラー印
刷可能な場合を例にして説明したが、例えば、2色カラ
ー印刷であっても、各チャンネル毎の疑似中間調処理に
よって不要な重ね打ちが発生すると、不所望な輝度の低
下が発生する。特に、2色の重ね打ちによって黒点が形
成される場合には、当該黒点によって、黒点粒状感を招
き、彩度の低下が発生する。したがって、2色カラーの
場合であっても、重ね打ちの発生時に重ね打ちを回避す
るように、多値化データを調整すれば、ほぼ同様の効果
を得ることができる。
【0170】また、上記各実施形態では、疑似中間調処
理部とカラー印刷部とを備える画像形成装置を例にして
説明したが、これに限るものではない。例えば、プリン
タドライバなど、カラー印刷部を持たず、カラープリン
タなどのカラー印刷部へチャンネル毎の多値化データを
出力する装置にも広く適用できる。また、例えば、画像
処理装置のように、疑似中間調処理を行わず、既に、各
チャンネル毎の疑似中間調処理が行われた量子化値に基
づいてチャンネル毎の多値化データを出力する装置にも
適用できる。加えて、装置が出力するデータ形式も各チ
ャンネル毎の多値化データに限るものではなく、例え
ば、RGB形式のデータなど、これらの多値化データと
相互変換可能なデータを出力してもよい。各チャンネル
毎の疑似中間調処理によって量子化された各チャンネル
毎の値を参照して、ドットを形成した場合の重ね打ちの
有無を判定し、各チャンネル毎に出力される多値化デー
タを調整する装置であれば、同様の効果が得られる。
【0171】ただし、ドットを形成するための閾値は、
多くの場合、カラー印刷部の特性によって異なってい
る。したがって、カラー印刷部を特定せず、予め定めら
れた閾値との比較で重ね打ちの有無を推定し、所定の方
法で定められた幅だけ、多値化データを調整する場合と
比較すると、画像形成装置、または、予め定められたカ
ラー印刷部のドライバ装置のように、上記多値化データ
を出力されるカラー印刷部が定められている方が、重ね
打ちの誤判定を防止でき、より的確に多値化データを調
整できる。
【0172】当然ながら、これらの装置は、ハードウェ
アによって実現してもよいし、RAMやROMなどの記
憶手段に格納されたプログラムを実行するCPUなどの
演算処理手段によって実現してもよい。後者のように、
ソフトウェアを用いて実現した場合は、例えば、CD−
ROMなどプログラムを記録した記録媒体を配付した
り、例えば、インターネットなどの通信手段を介してプ
ログラムを伝送したりすれば、当該装置を実現できるの
で、配付の手間を削減できる。
【0173】なお、上記の説明では、出力手段がカラー
印刷部の場合について説明したが、画像の画素が、複数
のドットを減法混色して形成される出力手段であれば、
例えば、カラーフィルタを重ねて形成される液晶表示装
置など、他の出力手段を含む装置、あるいは、当該出力
手段へのデータを出力する装置にも広く適用できる。
【0174】
【発明の効果】本発明に係る画像処理装置は、以上のよ
うに、各注目画素について、所定の数以上のチャンネル
で閾値よりも濃度が高い場合、これらのうちの少なくと
も1つのチャンネルの濃度が低下するように、画像を示
す出力データを調整する黒点粒状感防止手段を備えてい
る構成である。
【0175】上記構成によれば、閾値よりも濃度が高い
チャンネルが所定数以上の場合、出力データが調整さ
れ、画素の輝度、彩度および色相が黒点から離れた値と
なる。また、各色相のチャンネルの濃度を判定した後、
出力データが調整される。これらの結果、各チャンネル
毎に疑似中間調処理したデータが入力された場合でも、
各チャンネル毎のドットバランスを損なうことなく、疑
似中間調処理に起因する黒点粒状感が抑制された出力デ
ータを出力できるという効果を奏する。
【0176】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記構成において、上記黒点粒状感防止手段は、シ
アン、マゼンタおよびイエローの3チャンネルで上記閾
値よりも濃度が高い場合、そのうちの1チャンネルの濃
度が低下するように出力データを調整する構成である。
それゆえ、黒点が形成される状況、すなわち、3チャン
ネルの重ね合わせが発生する状況で、1チャンネルの濃
度が低下し、画像処理装置は、疑似中間調処理に起因す
る黒点粒状感と、彩度の低下との双方が抑制された出力
データを出力できるという効果を奏する。
【0177】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記構成において、最小濃度のチャンネルを選択し
濃度を低下させる構成である。当該構成では、ドットを
形成した場合に最も濃度の低いチャンネルが調整される
ので、出力データの調整に起因する誤差を最小限に抑え
ることができる。この結果、画像処理装置は、より入力
画像に忠実な画像を示す出力データを出力できるという
効果を奏する。
【0178】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記構成において、注目画素の輝度が輝度閾値より
も低輝度の場合、上記黒点粒状感防止手段が上記出力デ
ータの調整を停止する構成である。当該構成では、黒点
粒状感が目立たず、かつ、黒点の形成が望まれる画素が
低輝度の画素として識別され、当該画素では、出力デー
タの調整が停止される。この結果、画像処理装置は、本
来の黒点の作成や、黒成分が不足する領域での黒点の作
成を阻害することなく、黒点粒状感が抑制され、彩度の
向上した出力データを出力できるという効果を奏する。
【0179】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記構成において、3チャンネルの重ね合わせを検
出する代わりに、上記黒点粒状感防止手段は、シアン、
マゼンタおよびイエローの3チャンネルのうち、2チャ
ンネル以上で閾値よりも濃度が高く、かつ、高輝度の場
合、それらのうちの1つを選択し、残余のチャンネルの
濃度が低下するように出力データを調整する構成であ
る。当該構成によれば、注目画素の輝度が高い場合、1
チャンネルのみが選択され、残余のチャンネルの濃度が
低下する。これにより、注目画素の輝度が高く、ドット
の重ね合わせに起因する輝度の低下が識別しやすい状況
で重ね合わせが阻止され、画像処理装置は、疑似中間調
処理に起因する黒点粒状感と彩度および輝度の低下とが
抑制された出力データを出力できるという効果を奏す
る。
【0180】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記構成において、黒点粒状感防止手段が最大濃度
のチャンネルを選択する構成である。それゆえ、出力デ
ータの調整に起因する誤差を最小限に抑えることがで
き、画像処理装置は、より入力画像に忠実な画像を示す
出力データを出力できるという効果を奏する。
【0181】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上述のいずれかの構成において、上記黒点粒状感防
止手段は、注目画素の彩度が彩度閾値よりも低彩度の場
合、上記出力データの調整を停止する構成である。当該
構成によれば、黒点粒状感が目立たず、かつ、黒点の形
成が望まれる画素が低彩度の画素として識別され、当該
画素では、出力データの調整が停止される。したがっ
て、無彩色の部分における黒点の生成を妨げることな
く、高彩度の領域での彩度を向上した出力データを出力
できるという効果を奏する。
【0182】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上述のいずれかの構成において、上記黒点粒状感防
止手段は、注目画素が文字領域に属する場合、上記出力
データの調整を停止する構成である。当該構成では、文
字領域での出力データ調整が停止される。したがって、
当該出力データが示す画像において、画像領域では、黒
点粒状感が防止され、文字領域では、出力データの調整
に起因する滲みの発生が防止されるという効果を奏す
る。
【0183】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記構成において、文字領域か否かを判定する代わ
りに、上記黒点粒状感防止手段が、注目画素が無彩色の
文字領域に属する場合、上記出力データの調整を停止す
る構成である。当該構成では、無彩色の文字領域の場合
に出力データの調整が停止されるので、画像領域および
有彩色の文字領域では、黒点粒状感が防止され、無彩色
の文字領域では、滲みが少ない出力データを出力できる
という効果を奏する。
【0184】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記3チャンネル全てで濃度が閾値より高いときに
出力データを調整する構成において、上記黒点粒状感防
止手段は、上記3チャンネル全てで上記許可値よりも濃
度が高い場合、上記出力データの調整を停止する構成で
ある。
【0185】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、2チャンネルで濃度が閾値よりも高く、かつ、高輝
度のときに出力データを調整する構成において、上記黒
点粒状感防止手段は、上記3チャンネルのうち、2チャ
ンネル以上で上記許可値よりも濃度が高い場合、上記出
力データの調整を停止する構成である。
【0186】これらの構成によれば、第1比較手段によ
って、高濃度であると判定された場合であっても、許可
値よりも濃度が高い画素、すなわち、出力データの調整
により大きな誤差が発生する虞れのある画素では、出力
データの調整が停止される。この結果、出力データの調
整に起因する誤差の最大値を抑制でき、画像処理装置
は、より入力画像に忠実な画像を示す出力データを出力
できるという効果を奏する。
【0187】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上述のいずれかの構成において、上記予め定められ
たチャンネルには、黒チャンネルが含まれていてもよ
い。当該構成では、黒ドットの形成を指示可能な出力デ
ータが出力されるので、黒ドットを形成可能で画質の良
い画像処理装置による黒ドットの形成を制御しやすい。
したがって、画像処理装置は、良質な画像形成が容易な
出力データを出力できるという効果を奏する。
【0188】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記構成において、黒チャンネルの濃度が予め定め
られた閾値よりも高い場合、残余のチャンネルの濃度が
低下するように、上記出力データを調整する出力データ
調整手段を備えている構成である。当該構成によれば、
黒チャンネルの濃度が高い場合、残余のチャンネルの濃
度が低下するように、出力データが調整されるので、無
彩色の黒ドットと、有彩色のドットとの重ね合わせに起
因する有彩色成分の減少を抑制できるという効果を奏す
る。
【0189】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記黒チャンネルを含む構成において、上記黒点粒
状感防止手段は、注目画素の近隣に黒ドットが存在する
場合、上記出力データの調整を停止する構成である。上
記構成では、近隣に黒ドットが存在し、黒点粒状感を知
覚しにくい箇所において、他の色相のチャンネルのドッ
トを重ね合わせることで、不足している黒成分を補うこ
とができるという効果を奏する。
【0190】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記黒チャンネルを含む構成において、上記出力デ
ータがシアン・マゼンタ・イエローのドットの重ね合わ
せを示している場合、これらのドットに代えて、黒ドッ
トの形成を指示するように出力データを調整する黒ドッ
ト置換手段を備えている構成である。当該構成では、例
えば、黒点粒状感防止手段が出力データを調整しない場
合など、出力データが3チャンネルのドットの重ね合わ
せを示している場合、当該重ね合わせが黒ドットに置換
される。この結果、画像処理装置は、重ね合わせする場
合に比べて、黒色のムラが発生しにくい出力データを出
力できるという効果を奏する。
【0191】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上述のいずれかの構成において、各チャンネル毎に
疑似中間調処理して、濃度と閾値とを比較する第1比較
手段へ入力する疑似中間調処理手段を備えている構成で
ある。当該構成では、画像処理装置が疑似中間調処理手
段を備えているので、入力画像に拘わらず、疑似中間調
処理に起因する黒点粒状感が抑制された出力データを出
力できるという効果を奏する。
【0192】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記構成において、上記入力画像の各チャンネル濃
度と、出力データの各チャンネル濃度との誤差を、当該
注目画素の近隣の画素を注目画素として疑似中間調処理
する際に加算する誤差加算手段を疑似中間調処理手段に
備えている構成である。当該構成では、疑似中間調処理
が誤差拡散法で行われるため、ある画素の出力データ調
整に起因する誤差を、他の画素の疑似中間調処理にて補
償できる。この結果、画像処理装置は、さらに入力画像
に近い画像を示す出力データを出力できるという効果を
奏する。
【0193】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記疑似中間調処理手段を備える構成において、疑
似中間調処理の前に、墨生成法により黒チャンネルの濃
度を決定する墨生成処理手段を備えている構成である。
当該構成では、墨生成法により、本来黒点を形成すべき
領域における各色相のチャンネルの濃度が低下する。こ
の結果、本来の黒点の形成を阻害することなく、疑似中
間調処理に起因する黒点粒状感や彩度低下を防止できる
という効果を奏する。
【0194】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上記輝度を判定する構成における輝度閾値、あるい
は、上記彩度を判定する構成における彩度閾値が、予め
定められた値を基準とする乱数である構成である。これ
らの構成によれば、各閾値が固定の場合に画像に発生す
る境界を抑制できるという効果を奏する。
【0195】本発明に係る画像処理装置は、以上のよう
に、上述のいずれかの構成において、各チャンネルのド
ットを対象物上に重ね合わせて形成可能なドット形成手
段が設けられたカラー画像形成装置へ、上記出力データ
を出力する構成である。さらに、本発明に係る画像処理
装置は、当該構成において、上記黒点粒状感防止手段
は、チャンネルの濃度を低下させる際、当該チャンネル
でドットが形成されない値になるように、上記出力デー
タを調整する構成である。これらの構成では、出力デー
タを出力するドット形成手段が特定されているので、こ
れらのドット形成手段に合わせて、例えば、濃度の閾値
などの種々の設定値を調整できる。この結果、より的確
に、ドットバランスを損なわず、かつ、不要なドットの
重ね合わせに起因する黒点粒状感が抑制された出力デー
タを出力できるという効果を奏する。
【0196】本発明に係る画像形成装置は、以上のよう
に、上述のいずれかの構成の画像処理装置と、上記画像
処理装置が出力する出力データに基づいて、各チャンネ
ルのドットを対象物上に重ね合わせて形成可能なドット
形成手段とを備えている構成である。
【0197】当該構成によれば、上記各構成の画像処理
装置の出力データによって、ドット形成手段が制御され
るので、ドットバランスを損なわず、かつ、不要なドッ
トの重ね合わせに起因する黒点粒状感が抑制された画像
を形成できるという効果を奏する。
【0198】本発明に係る記録媒体は、以上のように、
各注目画素について、所定の数以上のチャンネルで閾値
よりも濃度が高い場合、これらのうちの少なくとも1つ
のチャンネルの濃度が低下するように、画像を示す出力
データを調整する黒点粒状感防止手段として、コンピュ
ータを動作させるためのプログラムが記録されている構
成である。当該構成の記録媒体から読みだされたプログ
ラムがコンピュータで実行されると、当該コンピュータ
は、上述の画像処理装置として動作するので、各チャン
ネル毎に疑似中間調処理したデータが入力された場合で
も、ドットバランスを損なうことなく、不要なドットの
重ね合わせに起因する黒点粒状感が抑制された出力デー
タを出力できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、画像形
成装置の疑似中間調処理部に設けられた量子化部の要部
を示すブロック図である。
【図2】上記画像形成装置の要部を示すブロック図であ
る。
【図3】上記画像形成装置の前処理部の構成例を示すブ
ロック図である。
【図4】上記疑似中間調処理部の動作を説明するもので
あり、疑似中間調処理時の走査方法を示す説明図であ
る。
【図5】上記疑似中間調処理部の要部を示すブロック図
である。
【図6】上記疑似中間調処理部の動作を示すフローチャ
ートである。
【図7】上記画像形成装置の印字例を示す説明図であ
る。
【図8】本発明の他の実施形態を示すものであり、疑似
中間調処理部の要部を示すブロック図である。
【図9】上記疑似中間調処理部において、重ね打ち要否
判定部となる輝度判定部の構成例を示すブロック図であ
る。
【図10】上記輝度判定部のLUTに格納される数値例
を示す説明図である。
【図11】上記前処理部の他の構成例を示すブロック図
である。
【図12】上記前処理部のさらに他の構成例を示すブロ
ック図である。
【図13】上記疑似中間調処理部の動作を示すフローチ
ャートである。
【図14】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、重ね打ち要否判定部となる彩度判定部の構成例を示
すブロック図である。
【図15】上記彩度判定部の他の構成例を示すブロック
図である。
【図16】上記彩度判定部のLUTに格納される数値例
を示す説明図である。
【図17】上記重ね打ち要否判定部を有する疑似中間調
処理部の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明のまた別の実施形態を示すものであ
り、重ね打ち要否判定部の他の構成例を示すブロック図
である。
【図19】上記重ね打ち要否判定部を有する疑似中間調
処理部の動作を示すフローチャートである。
【図20】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、文字領域か否かを判定する重ね打ち要否判定部の構
成例を示すブロック図である。
【図21】上記重ね打ち要否判定部を有する疑似中間調
処理部の動作を示すフローチャートである。
【図22】本発明のまた別の実施形態を示すものであ
り、重ね打ち要否判定部のさらに他の構成例を示すブロ
ック図である。
【図23】上記重ね打ち要否判定部を有する疑似中間調
処理部の動作を示すフローチャートである。
【図24】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、疑似中間調処理部に設けられた量子化部の要部構成
を示すブロック図である。
【図25】上記疑似中間調処理部の動作を示すフローチ
ャートである。
【図26】本発明のまた別の実施形態を示すものであ
り、Bkドットを形成可能な画像形成装置で用いられる
疑似中間調処理部の要部構成を示すブロック図である。
【図27】上記疑似中間調処理部の量子化部を示すブロ
ック図である。
【図28】上記画像形成装置の墨生成処理を示すフロー
チャートである。
【図29】上記疑似中間調処理部の動作を示すフローチ
ャートである。
【図30】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、Bkバッファーを有する疑似中間調処理部を示すブ
ロック図である。
【図31】上記疑似中間調処理部の動作を示すフローチ
ャートである。
【図32】本発明のまた別の実施形態を示すものであ
り、Bkドット置換部を有する疑似中間調処理部を示す
ブロック図である。
【図33】上記疑似中間調処理部の動作を示すフローチ
ャートである。
【図34】本発明の他の実施形態を示すものであり、疑
似中間調処理部の要部構成を示すブロック図である。
【図35】上記疑似中間調処理部の量子化部を示すブロ
ック図である。
【図36】上記疑似中間調処理部の動作を示すフローチ
ャートである。
【図37】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、重ね打ち要否判定部を有する疑似中間調処理部を示
すブロック図である。
【図38】彩度値で判定する重ね打ち要否判定部が設け
られた疑似中間調処理部の動作を示すフローチャートで
ある。
【図39】本発明のまた別の実施形態を示すものであ
り、文字領域で判定する重ね打ち要否判定部が設けられ
た疑似中間調処理部の動作を示すフローチャートであ
る。
【図40】本発明の他の実施形態を示すものであり、モ
ノクロ文字領域で判定する重ね打ち要否判定部を有する
疑似中間調処理部の動作を示すフローチャートである。
【図41】本発明のまた別の実施形態を示すものであ
り、疑似中間調処理部に設けられた量子化部の要部構成
を示すブロック図である。
【図42】上記疑似中間調処理部の動作を示すフローチ
ャートである。
【図43】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、Bkドットを形成可能な画像形成装置で用いられる
疑似中間調処理部の要部構成を示すブロック図である。
【図44】上記疑似中間調処理部の量子化部を示すブロ
ック図である。
【図45】上記疑似中間調処理部の動作を示すフローチ
ャートである。
【図46】本発明のまた別の実施形態を示すものであ
り、Bkドット置換部を有する疑似中間調処理部を示す
ブロック図である。
【図47】上記疑似中間調処理部の動作を示すフローチ
ャートである。
【図48】従来技術を示すものであり、画像形成装置の
印字例を示す説明図である。
【符号の説明】
1・1a〜1t 画像形成装置 2・2g カラー印刷部(カラー画像形成装置) 3c・3m・3y・3Bk ドット形成部(ドット形成
手段) 4・4a〜4t 疑似中間調処理部(画像処理装置、疑
似中間調処理手段) 5g 前処理部(墨生成手段) 22 誤差加算部(誤差加算手段) 24c・24m・24y・24Bk 2値化処理部(デ
ータ出力手段) 27 黒ドット置換部(黒ドット置換手段) 31c・31m・31y・31Bk 閾値処理部(第1
比較手段) 34 第1量子化値置換部(黒点粒状感防止手段) 35e 重ね打ち要否判定部(領域判定手段) 36c・36m・36y・36Bk 許可値判定部(第
2比較手段) 40 第2量子化値置換部(出力データ調整手段) 41 輝度判定部(輝度判定手段) 42 彩度判定部(彩度判定手段) 44 特徴判定部(領域判定手段) 47 Bkバッファー(判定手段) 48 判定部(判定手段) 51 高輝度判定部(輝度判定手段) 61c・61m・61y・61Bk 閾値処理部(第1
比較手段) 64 第3量子化値置換部(黒点粒状感防止手段) 67c・67m・67y・67Bk 許可値判定部(第
2比較手段) 72 第2量子化値置換部(出力データ調整手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/405 H04N 1/40 B 1/52 1/46 B Fターム(参考) 2C262 BA07 BA09 BA16 BA19 BA20 BB03 BB08 BB15 BC07 EA07 GA21 5B057 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB07 CB12 CB16 CE13 CE17 CH01 CH11 DA08 DB02 DB06 DB09 DC25 5C077 LL06 LL19 MP08 NN11 NP01 PP15 PP27 PP28 PP32 PP33 PP35 PP36 PP37 PP38 PP43 PP54 PQ08 PQ12 PQ20 PQ22 RR14 TT02 TT06 5C079 HB02 HB06 LA02 LA03 LA06 LA12 LA31 LB01 LC09 MA01 MA11 NA03 PA02 PA03

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の色相のチャンネルを含む予め定めら
    れた各チャンネルのドット自体、各ドットの重ね合わ
    せ、あるいは、全ドットの非形成で表現される画素から
    なる画像を示す出力データを出力するデータ出力手段が
    設けられた画像処理装置において、 カラーの入力画像の各画素について、上記各色相のチャ
    ンネルの濃度と、予め定められる閾値とを比較する第1
    比較手段と、 比較対象となる注目画素について、予め定められた数以
    上のチャンネルで、上記閾値よりも濃度が高い場合、閾
    値よりも濃度が高いチャンネルのうちの少なくとも1つ
    のチャンネルの濃度が低下するように、上記出力データ
    を調整する黒点粒状感防止手段とを備えていることを特
    徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】上記予め定められたチャンネルには、シア
    ン、マゼンタおよびイエローのチャンネルが含まれ、 上記黒点粒状感防止手段は、シアン、マゼンタおよびイ
    エローの3チャンネルで上記閾値よりも濃度が高い場
    合、当該3チャンネルのうち、1チャンネルの濃度が低
    下するように、上記出力データを調整することを特徴と
    する請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】上記黒点粒状感防止手段は、上記濃度を低
    下させる1チャンネルとして、最小濃度のチャンネルを
    選択することを特徴とする請求項2記載の画像処理装
    置。
  4. 【請求項4】上記注目画素の輝度と、予め定められる輝
    度閾値とを比較する輝度判定手段を備え、 上記黒点粒状感防止手段は、注目画素の輝度が輝度閾値
    よりも低輝度の場合、上記出力データの調整を停止する
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の画像処理
    装置。
  5. 【請求項5】上記注目画素の輝度と、予め定められる輝
    度閾値とを比較する輝度判定手段を備え、 上記予め定められたチャンネルには、シアン、マゼンタ
    およびイエローのチャンネルが含まれていると共に、 上記黒点粒状感防止手段は、シアン、マゼンタおよびイ
    エローの3チャンネルのうち、2チャンネル以上で閾値
    よりも濃度が高く、かつ、輝度閾値よりも高輝度の場
    合、閾値よりも濃度が高いチャンネルのうちの1つを選
    択し、残余のチャンネルの濃度が低下するように、上記
    出力データを調整することを特徴とする請求項1記載の
    画像処理装置。
  6. 【請求項6】上記黒点粒状感防止手段は、最大濃度のチ
    ャンネルを選択することを特徴とする請求項5記載の画
    像処理装置。
  7. 【請求項7】上記注目画素の彩度と、予め定められる彩
    度閾値とを比較する彩度判定手段を備え、 上記黒点粒状感防止手段は、注目画素の彩度が彩度閾値
    よりも低彩度の場合、上記出力データの調整を停止する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記
    載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】上記入力画像に基づいて、上記注目画素が
    文字領域に属するか否かを判定する領域判定手段を備
    え、 上記黒点粒状感防止手段は、注目画素が文字領域に属す
    る場合、上記出力データの調整を停止することを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5、6または7記載の画像
    処理装置。
  9. 【請求項9】上記入力画像に基づいて、上記注目画素が
    無彩色の文字領域に属するか否かを判定する領域判定手
    段を備え、 上記黒点粒状感防止手段は、注目画素が無彩色の文字領
    域に属する場合、上記出力データの調整を停止すること
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記
    載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】上記第1比較手段への各チャンネル毎の
    入力と、上記第1比較手段の閾値よりも濃度が高い値に
    設定された許可値とを比較する第2比較手段を備え、 上記黒点粒状感防止手段は、上記3チャンネル全てで上
    記許可値よりも濃度が高い場合、上記出力データの調整
    を停止することを特徴とする請求項2、3または4記載
    の画像形成装置。
  11. 【請求項11】上記第1比較手段への各チャンネル毎の
    入力と、上記第1比較手段の閾値よりも濃度が高い値に
    設定された許可値とを比較する第2比較手段を備え、 上記黒点粒状感防止手段は、上記3チャンネルのうち、
    2チャンネル以上で上記許可値よりも濃度が高い場合、
    上記出力データの調整を停止することを特徴とする請求
    項5または6記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】上記予め定められたチャンネルには、黒
    チャンネルが含まれることを特徴とする請求項1から1
    1のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  13. 【請求項13】黒チャンネルの濃度が予め定められた閾
    値よりも高い場合、残余のチャンネルの濃度が低下する
    ように、上記出力データを調整する出力データ調整手段
    を備えていることを特徴とする請求項12記載の画像処
    理装置。
  14. 【請求項14】注目画素の近隣に黒ドットを形成したか
    否かを判定する判定手段を備え、 上記黒点粒状感防止手段は、注目画素の近隣に黒ドット
    が存在する場合、上記出力データの調整を停止すること
    を特徴とする請求項12または13記載の画像処理装
    置。
  15. 【請求項15】上記予め定められたチャンネルには、シ
    アン、マゼンタおよびイエローの3チャンネルが含まれ
    ていると共に、 上記出力データが上記3チャンネルのドットの重ね合わ
    せを示している場合、3チャンネルのドットの重ね合わ
    せに代えて、黒チャンネルのドット形成を指示するよう
    に、上記出力データを調整する黒ドット置換手段を備え
    ていることを特徴とする請求項12、13または14記
    載の画像処理装置。
  16. 【請求項16】上記入力画像に基づいて、上記予め定め
    られた各チャンネル毎に疑似中間調処理して、上記第1
    比較手段へ入力する疑似中間調処理手段を備えているこ
    とを特徴とする請求項1から15のいずれか1つに記載
    の画像処理装置。
  17. 【請求項17】上記疑似中間調処理手段は、上記入力画
    像の各チャンネル濃度と、出力データの各チャンネル濃
    度との誤差を、当該注目画素の近隣の画素を注目画素と
    して疑似中間調処理する際に加算する誤差加算手段を備
    えていることを特徴とする請求項17記載の画像処理装
    置。
  18. 【請求項18】上記予め定められたチャンネルには、黒
    チャンネルが含まれ、 上記疑似中間調処理手段による疑似中間調処理の前に、
    墨生成法により黒チャンネルの濃度を決定する墨生成処
    理手段を備えていることを特徴とする請求項16または
    17記載の画像処理装置。
  19. 【請求項19】上記輝度判定手段の輝度閾値は、予め定
    められた値を基準とする乱数であることを特徴とする請
    求項4、5または6記載の画像処理装置。
  20. 【請求項20】上記彩度判定手段の彩度閾値は、予め定
    められた値を基準とする乱数であることを特徴とする請
    求項7記載の画像処理装置。
  21. 【請求項21】上記データ出力手段は、各チャンネルの
    ドットを対象物上に重ね合わせて形成可能なドット形成
    手段が設けられたカラー画像形成装置へ、上記出力デー
    タを出力することを特徴とする請求項1から20のいず
    れか1つに記載の画像処理装置。
  22. 【請求項22】上記黒点粒状感防止手段は、チャンネル
    の濃度を低下させる際、上記ドット形成手段が当該チャ
    ンネルでドットを形成しないように、上記出力データを
    調整することを特徴とする請求項21記載の画像処理装
    置。
  23. 【請求項23】請求項1から21のいずれか1つに記載
    の画像処理装置と、 上記画像処理装置が出力する出力データに基づいて、各
    チャンネルのドットを対象物上に重ね合わせて形成可能
    なドット形成手段とを備えていることを特徴とする画像
    形成装置。
  24. 【請求項24】複数の色相のチャンネルを含む予め定め
    られた各チャンネルのドット自体、各ドットの重ね合わ
    せ、あるいは、全ドットの非形成で表現される画素から
    なる画像を示す出力データを出力するためのプログラム
    が記録された記録媒体において、 カラーの入力画像の各画素について、上記各色相のチャ
    ンネルの濃度と、予め定められる閾値とを比較する第1
    比較手段、および、 比較対象となる注目画素について、予め定められた数以
    上のチャンネルで、上記閾値よりも濃度が高い場合、閾
    値よりも濃度が高いチャンネルのうちの少なくとも1つ
    のチャンネルの濃度が低下するように、上記出力データ
    を調整する黒点粒状感防止手段として、コンピュータを
    動作させるプログラムが記録されていることを特徴とす
    る記録媒体。
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