JP2001040825A - 外部床の出隅における防水構造 - Google Patents

外部床の出隅における防水構造

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JP2001040825A
JP2001040825A JP11220940A JP22094099A JP2001040825A JP 2001040825 A JP2001040825 A JP 2001040825A JP 11220940 A JP11220940 A JP 11220940A JP 22094099 A JP22094099 A JP 22094099A JP 2001040825 A JP2001040825 A JP 2001040825A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外部床の防水作業を容易に行うことができ、特
に、外部床の出隅においても精度よく施工しうる、施工
性及び水密性に優れた防水構造を提供する。 【解決手段】この防水構造は、平坦部21とその二辺に
立ち上がり部22を有する耐水鋼板2が、断熱材1を介
して出隅に配置され、各立ち上がり部22が出隅を形成
する二面の腰壁Qに固定されて補強部材7により連結さ
れ、軟質樹脂製の防水シート3が耐水鋼板2の各立ち上
がり部22に沿って各腰壁Qの上縁部まで取り付けら
れ、出隅の稜角部に沿うように一体的かつ水密的に形成
された軟質樹脂製の出隅カバー81が、その背面に貼着
された取付部材82を介して出隅の稜角部に固定され、
出隅カバー81の外側の縁部が各防水シート3の出隅側
の縁部に被さるように貼着されることにより構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルコニー、屋上
床、屋外廊下など、建物の外部に設けられて風雨に曝さ
れる外部床の防水構造に関し、特に、外部床の出隅にお
ける防水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バルコニーや屋上床などの外部床
の防水には、外部床の構造材上に板材を配置して外部床
下地を形成し、この外部床下地の上にならしモルタル層
を設けて排水勾配を形成し、このモルタル層の上に防水
シートを敷設して貼着する、という施工方法が採用され
ていた。
【0003】この場合、外部床の周囲には、通常、建物
外壁やバルコニーの手摺壁等が立設され、これら建物外
壁や手摺壁には外装材や開口部枠等が取り付けられる。
そのため、これら建物外壁や手摺壁の下部には、外装材
や開口部枠の下端まで立ち上がる腰壁が形成され、外部
床の周縁はそれら腰壁に連続することとなる。したがっ
て、前記防水シートは、外部床の周縁から上方に延出さ
せて腰壁の上縁部まで水密的に貼着される必要があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の施工方法では、モルタル層の上に防水シートを敷設
する際に専門職人が必要であり、その専門職人が外装等
の取り付け作業を主とする外装工事現場に入らなければ
ならないので、工程管理面での不便や制約が大きかっ
た。
【0005】また、モルタル層に排水勾配を形成するの
に正確な左官作業を要するとともに、防水シートを外部
床全体に平坦にかつ隙間なく敷設する必要があるため、
作業自体に相当の手間と時間がかかっていた。
【0006】さらに、外部床の四隅や建物外壁の突出部
など、外部床を囲む腰壁が入隅や出隅を形成する箇所に
おいては、平面的な防水シートをそのまま延出させて腰
壁に水密的に貼着するのが無理なので、防水シートを適
当にカットするなどして入隅や出隅に密着しうるコーナ
ー役物を作成しているが、このような作業にも手間や時
間がかかり、また、施工精度によっては十分な水密性が
確保できないおそれもあった。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、外部床の防水作業を容易に行うことができ、
特に、外部床の出隅においても精度よく施工することの
できる、施工性及び水密性に優れた外部床の出隅におけ
る防水構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、外部床の周囲
に設けられた二面の腰壁が出隅を形成する箇所における
防水構造であって、隣接する二辺が出隅の平面形状に沿
うように形成された平坦部と、前記二辺からそれぞれ立
ち上げられた一対の立ち上がり部とを有してなる耐水鋼
板が、断熱材を介して外部床下地上に配置されるととも
に、各立ち上がり部が前記二面の腰壁にそれぞれ固定さ
れ、出隅の稜角部に沿うように折曲形成された一対の直
立部を有してなる補強部材が前記耐水鋼板の両立ち上が
り部にわたって固着され、軟質樹脂製の防水シートが前
記耐水鋼板の平坦部の腰壁側の各縁部近傍から前記二面
の腰壁の上縁部までを被覆するように取り付けられ、出
隅の稜角部に沿うように一体的かつ水密的に形成された
二面の立面部及び一面の底面部を有してなる軟質樹脂製
の出隅カバーが、この出隅カバーの背面に貼着された取
付部材を介して出隅の稜角部に固定されるとともに、前
記出隅カバーの外側の縁部が前記各防水シートの出隅側
の各縁部に被さるように貼着されることにより、出隅の
稜角部周辺が水密的に被覆されたことを特徴とする。
【0009】すなわち、本発明は、耐熱鋼板及びその表
面に貼着された防水シートが出隅の稜角部を挟んで不連
続となる箇所に、一体的かつ水密的に形成された出隅カ
バーが貼着されることによって、稜角部周辺が被覆され
るものである。この出隅カバーは、その背面に貼着され
た取付部材と背面に塗布された接着剤とを介して、出隅
の稜角部を挟む二面の腰壁及び防水シートの上に固定さ
れる。
【0010】これにより、耐水鋼板及び防水シートの出
隅側の縁部を出隅の形状に合わせて現場で加工するよう
な面倒な作業が不要になる。したがって、耐水鋼板や防
水シートを予め所定の形状に加工・貼合しておき、外部
床の一般部と同様にして、簡単に設置することができ
る。こうして、外部床の出隅における防水作業の効率化
を図ることができるとともに、安定した施工精度を確保
することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。
【0012】まず、外部床を囲む腰壁が出隅や入隅を形
成する箇所以外の一般部における防水構造と、その施工
方法について説明する外部床の一般部における防水構造
は、図1に示すように、ALC床板等からなる外部床下
地Pの上に貼着された断熱材1と、この断熱材1の表面
に貼着された耐水鋼板2と、この耐水鋼板2の上に貼設
された防水シート3と、防水シート3の上縁部に沿って
取り付けられる水切り部材4とから構成される。
【0013】断熱材1は、発泡ポリスチレン樹脂等から
なる板状体で、接着剤を介して外部床下地P上に貼着さ
れる。
【0014】耐水鋼板2は、鋼製薄板の表面又は表裏両
面に塩化ビニル等による耐水性被膜を形成したもので、
断熱材1上に重ねて貼着される平坦部21と、平坦部2
1の一方の縁部を上方に折曲して形成された立ち上がり
部22とを備え、この立ち上がり部22が腰壁Qに沿っ
てあてがわれ、腰壁Qにビス止めされる。
【0015】防水シート3は、軟質塩化ビニル等の樹脂
からなり、耐水鋼板2の平坦部21の腰壁Q側の縁部近
傍から立ち上がり部22に沿って貼着され、さらに上方
に延出されて、腰壁Qの上縁部までを被覆する。
【0016】さらに、腰壁Qの上縁部には、外装材や開
口部枠R等の下端に沿って長尺の水切り部材4が取り付
けられ、防水シート3を押さえるようにして腰壁Qにビ
ス止めされる。こうして、外装材や開口部枠Rと腰壁Q
との境界部分が止水される。
【0017】このように、外部床の表面の防水層の大部
分を耐水鋼板2によって形成することにより、防水シー
ト3の貼着に伴う作業を大幅に軽減することができる。
【0018】この防水構造については、断熱材1、耐水
鋼板2及び防水シート3を予め工場等で所定の形状に加
工・貼合して防水パネルを形成し、この防水パネルを施
工現場に搬入して敷設するという手段により、施工現場
での作業をさらに効率化することができる。図2及び図
3に、防水パネルの実施の形態を示す。
【0019】防水パネルとしては、外部床を囲む腰壁Q
の直線状部分に沿って配置される一般部用床パネル5A
(図2)と、一般部用床パネル5Aの表面上を流下する
雨水を集めて排水するために外部床の水下側に配置され
る樋パネル5B(図3)とが用意される。
【0020】一般部用床パネル5Aは、平面視矩形の断
熱材1に耐水鋼板2の平坦部21を貼着し、平坦部21
の一辺に上方に立ち上がる立ち上がり部22を形成した
もので、立ち上がり部22の上縁近傍には、この立ち上
がり部22を腰壁Qにビス止めするためのビス孔221
が複数個、水平方向に間隔をあけて設けられている。ま
た、断熱材1は、その厚さが立ち上がり部22側から対
辺側に向けて次第に薄くなるように形成され、これによ
り耐水鋼板2の表面に排水勾配が付与されている。耐水
鋼板2の平坦部21には、立ち上がり部22側の縁部近
傍から立ち上がり部22にかけて防水シート3が貼着さ
れ、この防水シート3が立ち上がり部22よりもさらに
上方に延出されている。ただし、この防水シート3は、
立ち上がり部22の上縁近傍のビス孔221付近には接
着されておらず、防水シート3の延出部分を下方にめく
ると立ち上がり部22に設けられたビス孔221が露出
して、そのままビス止め作業ができるようになってい
る。
【0021】樋パネル5Bは、平面形状が一般部用床パ
ネル5Aよりも細長く形成され、その長手方向に沿っ
て、耐水鋼板2の平坦部21を折曲して形成された排水
溝23が設けられている。平坦部21及び排水溝23の
下面には断熱材1が貼着されている。耐水鋼板2の長辺
側の縁部の一方には立ち上がり部22が形成され、立ち
上がり部22の上縁近傍にはビス孔221が複数個、水
平方向に間隔をあけて設けられている。そして、防水シ
ート3が、その下縁部を立ち上がり部22の下部に接着
して取り付けられ、立ち上がり部22の上方まで延出さ
れている。また、耐水鋼板2の長辺側の縁部の他方に
は、垂下片部241と水平片部242とからなる断面略
L字型の接合部24が形成されている。接合部24の水
平片部242には、これを外部床下地Pにビス止めする
ためのビス孔243が複数個、間隔をあけて設けられて
いる。
【0022】これら一般部用床パネル5A及び樋パネル
5Bを使用して外部床の一般部の防水作業を行う際の施
工方法について、図4を参照して説明する。
【0023】まず、樋パネル5Bを、外部床下地Pと溝
受け部材Sとの間に形成された凹部Tに排水溝23を落
とし込むようにして配置し、立ち上がり部22を腰壁Q
に、接合部24の水平片部242を外部床下地Pに、そ
れぞれビス止めする。樋パネル5Bの縁端部について
は、図示しないエンド部材によって止水する。
【0024】次いで、一般部用床パネル5Aを、その水
下側の縁部で樋パネル5Bの水平片部242を押さえる
ようにして外部床下地P上に載置し、接着剤を介して外
部床下地P上に固定するとともに、立ち上がり部22を
腰壁Qにビス止めする。
【0025】こうして、一般部用床パネル5A及び樋パ
ネル5Bが所定の位置に配置されたならば、それぞれに
貼着された防水シート3を腰壁Qに沿って立ち上げ、接
着剤や釘等を用いてその上縁部を腰壁Qに仮止めする。
これによって、立ち上がり部22を腰壁Qに固定するビ
スの頭部も被覆される。腰壁Qの高さは建物の種類や外
壁の仕様等によって変化するが、防水シート3の延出部
分を予め多少長めにしておけば、腰壁Qの高さに合わせ
て防水シート3を適宜カットすることで、確実に腰壁Q
の上縁部までを被覆することができる。
【0026】隣り合う各一般部用床パネル5A及び樋パ
ネル5Bの間には、それぞれ若干の隙間を有する目地U
が形成されるので、これらの目地Uを粘着テープ61及
びパッチベルト62を用いて封止する。
【0027】粘着テープ61は、クラフトテープ等に代
表される耐水性を備えた合成紙又は布製のテープであ
る。目地Uの幅の2倍程度の幅のクラフトテープを、隣
り合う一般部用床パネル5A・樋パネル5Bにまたがる
ようにして目地Uの上に貼着する。
【0028】パッチベルト62は、軟質塩化ビニル等の
樹脂からなる帯状部材で、その幅は前記粘着テープ61
よりもさらに幅広に形成されている。パッチベルト62
の裏面は、粘着テープ61の幅に相当する中央部分を除
いて両側縁部に粘着面が形成されている。このパッチベ
ルト62を、中央部分の非粘着面が前記粘着テープ61
に重なるようにして、両側縁部の粘着面を隣り合う一般
部用床パネル5A・樋パネル5Bの表面に貼着する。
【0029】粘着テープ61及びパッチベルト62は、
耐水鋼板2の表面から、腰壁Qに沿って仮止めされた防
水シート3の上部まで連続するように貼着する。これに
より、各一般部用床パネル5A・樋パネル5Bの間の目
地Uが水密的に封止されるとともに、各一般部用床パネ
ル5A・樋パネル5Bが相互に水平移動した場合でも、
目地Uの間隔の変位を吸収できることとなる。
【0030】外部床の表面から腰壁Qの上縁部までが、
耐水鋼板2、防水シート3及びパッチベルト62によっ
て水密的に被覆されたならば、腰壁Qの上縁部に沿って
図1に示した水切り部材4を取り付け、防水シート3の
上縁部を押さえるようにして腰壁Qにビス止めする。最
後に、水切り部材4の上縁部と外装材や開口部枠Rの下
端との間にシーリング41を施す。こうして、外装材や
開口部枠Rと腰壁Qとの境界部分も止水される。
【0031】このように、断熱材1、耐水鋼板2及び防
水シート3を予め所定の形状に加工・貼合して形成した
防水パネル(一般部用床パネル5A、樋パネル5B)を
外部床に載置・固定することにより、施工現場における
面倒な左官作業や防水シート3の貼着作業が不要にな
り、外部床の防水作業を効率的に、かつ精度よく行なう
ことができる。防水シート3は湾曲容易な軟質樹脂から
なるので、これを予め耐水鋼板2に貼着しておいたとし
ても、運搬や保管等の面での支障は小さい。
【0032】本発明は、外部床を囲む腰壁Qが出隅を形
成する箇所において前記防水構造を実施するにあたり、
その出隅周辺を確実に止水するためのものである。以
下、その防水構造及び施工方法について、図5乃至図8
を参照して説明する。
【0033】外部床の出隅における防水構造は、出隅の
形状に合わせて用意された防水パネルである出隅用床パ
ネル5C(図7)と、この出隅用床パネル5Cの稜角部
を補強するための補強部材7と、この補強部材7に重ね
て貼着される出隅用防水役物8と、を使用して構成され
ている。
【0034】出隅用床パネル5Cは、一般部に配置され
る前記一般部用床パネル5Aと同様に、断熱材1と、断
熱材1の表面に貼着された耐水鋼板2と、耐水鋼板2の
表面に貼着された防水シート3とからなり、出隅を形成
する二面の腰壁Qにその一角を接して外部床下地P上に
固定されている。断熱材1、耐水鋼板2及び防水シート
3の素材については前記と同様である。
【0035】断熱材1は、一角を挟んで隣接する二辺が
出隅の平面形状に合致するように形成され、出隅側から
対角方向に向けて、或いは出隅側の一辺からその対辺側
に向けて、適当な排水勾配が付与されている。この断熱
材1は、接着剤を介して外部床下地P上に接着されてい
る。
【0036】耐水鋼板2は、断熱材1上に貼着された平
坦部21と、平坦部21の腰壁Q側の二辺からそれぞれ
上方に立ち上げられた一対の立ち上がり部22とを備え
ている。これら各立ち上がり部22は、出隅の稜角部側
の縁部を斜めに切り込んだ平板状の耐水鋼板2を折曲し
て形成されるため、出隅の稜角部に面する部分は不連続
となる。各立ち上がり部22の上縁近傍には、ビス孔2
21が複数個、水平方向に間隔をあけて設けられ、この
ビス孔221を利用して、各立ち上がり部22が腰壁Q
にビス止めされている。
【0037】防水シート3は、耐水鋼板2の平坦部21
の腰壁Q側の縁部近傍から各立ち上がり部22に沿って
それぞれ貼着され、各立ち上がり部22の上縁よりも上
方まで延出している。したがって、これら各防水シート
3も、出隅の稜角部に面する部分が不連続となる。各防
水シート3は、その下縁部が予め耐水鋼板2の平坦部2
1と各立ち上がり部22の下部にのみ接着されており、
上部をめくって立ち上がり部22を腰壁Qにビス止めす
ることができるようになっている。各防水シート3は、
腰壁Qの高さに合わせてカットされ、上方に伸展され
て、立ち上がり部22及びこれを腰壁Qにビス止めして
いるビスの頭部を被覆している。
【0038】補強部材7は、耐水鋼板2と同様の樹脂被
膜鋼板を折曲して形成された部材で、出隅の稜角部に沿
うように折曲されて連続する一対の直立部71と、各直
立部71の下縁から出隅の外方に向かって水平に張り出
す水平部72とを備えている。この補強部材7は、出隅
用床パネル5Cの耐水鋼板2の平坦部21及び両立ち上
がり部22に重ねて溶接されている。これによって、互
いに不連続に形成された耐水鋼板2の左右の立ち上がり
部22が出隅の稜角部に沿って構造的に連結され、各立
ち上がり部22の直立状態が安定的に保持されるととも
に、稜角部周辺に応力が集中した場合に耐水鋼板2が変
形・損傷するのを防止することができる。
【0039】なお、この補強部材7は、少なくとも左右
の立ち上がり部22を連結しうる一対の直立部71を有
するものであればよく、水平部72の有無やその形状は
特に問わない。
【0040】出隅用防水役物8は、軟質塩化ビニル等の
樹脂を射出成型するなどして予め一体的かつ立体的に形
成された出隅カバー81と、その背面に取り付けられた
樹脂被膜鋼板製の取付部材82とからなる。
【0041】出隅カバー81は、出隅の稜角部に沿うよ
うに形成された二面の立面部811と、それらの下縁に
一体的に連続する底面部812とを備え、各立面部81
1と底面部812とは互いに隙間なく水密的に形成され
ている。これら立面部811及び底面部812は、前記
補強部材7を被覆し、かつ、外側の両縁部の幅が出隅用
床パネル5Cの左右の防水シート3にまたがる大きさに
形成されている。また、立面部811の高さは、出隅用
床パネル5Cの防水シート3の延出高さと同程度に形成
されている。
【0042】取付部材82は、出隅の稜角部に沿うよう
に折曲されて連続する一対の直立部821を有し、各直
立部821の外側の縁部近傍にはビス孔822がそれぞ
れ設けられている。この取付部材82は、各直立部82
1の稜角部側の縁部近傍が、出隅カバー81の立面部8
11背面の稜角部近傍に予め接着されており、出隅カバ
ー81の立面部811の両縁部を手前にめくって取付部
材82を腰壁Qにビス止めすることができるようになっ
ている。この取付部材82を出隅の稜角部を挟む二面の
腰壁Qにビス止することにより、出隅カバー81が腰壁
Qの稜角部に引き付けられる。そして、出隅カバー81
の両立面部811が伸展されると、この取付部材82は
出隅カバー81の背後に被覆される。立面部811の外
側の両縁部は、稜角部の両側にそれぞれ伸展された各防
水シート3の出隅側の縁部にそれぞれ被せられ、接着剤
を介して各防水シート3及び耐水鋼板2に接着されてい
る。
【0043】かかる構成によって、出隅の稜角部におけ
る耐水鋼板2の不連続部分とその表面に重ねて溶接され
た補強部材7とが、出隅用防水役物8によって被覆され
るとともに、二面の腰壁Qに沿ってそれぞれ伸展された
防水シート3の出隅側の縁部も出隅用防水役物8によっ
て被覆され、隙間のない防水面が一体に形成されること
となる。
【0044】かかる防水構造の施工方法については以下
の通りである。まず、出隅用床パネル5Cを、出隅に沿
って外部床下地P上に載置する。接着剤を介して断熱材
1を外部床下地Pに接着するとともに、出隅用床パネル
5Cに貼着された防水シート3を手前にめくって、出隅
を形成する二面の腰壁Qに耐水鋼板2の各立ち上がり部
22をそれぞれビス止めする。
【0045】次いで、出隅用床パネル5Cの耐水鋼板2
の稜角部に補強部材7を溶接し、耐水鋼板2の左右の立
ち上がり部22を連結する。
【0046】また、各防水シート3を各腰壁Qに沿って
立ち上げ、腰壁Qの高さに合わせて適宜カットした後、
接着剤や釘等を用いてその上縁部を各腰壁Qに仮止めす
る。
【0047】なお、防水シート3と補強部材7とが互い
に重なり合わない場合には、補強部材7を耐水鋼板2の
稜角部に溶接する作業と、防水シート3を腰壁Qに仮止
めする作業とは、特に手順の先後を問わない。ただし、
防水シート3と補強部材7とが重なり合う場合には、補
強部材7の溶接を先にして、その表面に防水シート3が
被さるようにするのが好ましい。
【0048】続いて、出隅用防水役物8を出隅の稜角部
にあてがい、出隅カバー81の立面部811の両縁部を
手前にめくって、取付部材82を腰壁Qにビス止めす
る。立面部811の高さが腰壁Qの高さよりも高い場合
には、立面部811を腰壁Qの高さに揃えてカットす
る。そして、出隅カバー81の背面の周縁に接着剤を塗
布し、耐水鋼板2の平坦部21及び防水シート3の出隅
側の縁部に重ねて接着する。
【0049】出隅用床パネル5Cと前記一般部に配置さ
れる一般部用床パネル5Aや樋パネル5Bとが隣接する
部分については、その目地Uを、前述のように、粘着テ
ープ61及びパッチベルト62を用いて封止する。
【0050】最後に、腰壁Qの上縁部に沿って水切り部
材4を取り付け、一般部と連続するようにして固定し、
シーリング41を施す。この際、出隅の稜角部には、そ
の形状に合わせて屈曲させた出隅用水切り部材(図示せ
ず)を別途用意して取り付けてもよい。
【0051】このように、耐熱鋼板2とその表面に貼着
した防水シート3とが出隅の稜角部において不連続とな
る箇所に、一体的かつ水密的に形成された出隅カバー8
1を被せて貼着することにより、稜角部周辺が水密的に
被覆される。この出隅カバー81は、その背面に貼着さ
れた取付部材82を介して腰壁Qにビス止めされるとと
もに、背面の縁部に塗布された接着剤を介して防水シー
ト3の上に接着されるので、出隅の稜角部に沿って確実
に保持され、その取り付けも容易である。
【0052】また、耐水鋼板2の両立ち上がり部22を
連結する補強部材7や出隅カバー81の背面に貼着され
た取付部材82によって、稜角部周辺の各部材の取り付
け状態も強化される。
【0053】また、かかる出隅用防水役物8を利用する
ことにより、耐水鋼板2及び防水シート3の出隅側の縁
部を出隅の形状に合わせて現場で加工するような面倒な
作業は不要になる。したがって、これら耐水鋼板2及び
防水シート3を、断熱材1とともに予め所定の形状に加
工・貼合して出隅用床パネル5Cを形成し、この出隅用
床パネル5Cを、外部床の一般部と同様にして簡単に設
置することができる。
【0054】さらに、出隅用床パネル5Cに補強部材7
や出隅用防水役物8を予め一体的に取り付けて出隅用防
水パネルユニット50C(図8)を形成し、これを現場
に搬入して設置する、という施工方法を採用することに
より、施工現場における各部材相互の取付・貼着作業を
軽減して、施工性をさらに高めることができる。この場
合でも、防水シート3や出隅カバー81は軟質樹脂製で
あるため、これらを適当に折り畳むことができる。した
がって、立体的な形状を有する出隅カバー81の背面に
取付部材82が貼着されていても、運搬や保管等の面で
の支障は小さい。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、出隅の稜角部における
耐熱鋼板及び防水シートの不連続箇所に、稜角部に沿う
ように一体的かつ水密的に形成された出隅カバーが貼着
され、これによって稜角部周辺が水密的に被覆されるの
で、出隅の稜角部周辺が確実に止水される。出隅カバー
は、その背面に貼着された取付部材を介して腰壁にビス
止めされるとともに、背面の縁部に塗布された接着剤を
介して防水シートの上に接着されるので、出隅の稜角部
に沿って確実に保持され、その取り付けも容易である。
【0056】また、耐水鋼板及び防水シートの出隅側の
縁部を出隅の形状に合わせて現場で加工するような面倒
な作業が不要になるので、これら耐水鋼板及び防水シー
トを、断熱材とともに予め所定の形状に加工・貼合して
おくことができる。こうして形成された出隅用床パネル
に、さらに補強部材や出隅用防水役物を予め一体的に取
り付けて、出隅用防水パネルユニットを形成することも
可能である。これら出隅用床パネル或いは出隅用防水パ
ネルユニットを利用することによって、外部床の出隅を
一般部と同様にして簡単に施工することができる。こう
して、防水作業の施工性は格段に向上し、また安定した
施工精度が確保されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】外部床の一般部における防水構造の実施の形態
を示す縦断面図である。
【図2】前記一般部の防水構造に用いられる一般部用床
パネルの構成を示す斜視図である。
【図3】前記一般部の防水構造に用いられる樋パネルの
構成を示す斜視図である。
【図4】前記一般部用床パネル及び樋パネルを使用して
一般部の防水作業を行う際の施工状態を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明にかかる外部床の出隅における防水構造
の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図6】図5の防水構造の、出隅の稜角部近傍における
縦断面図である。
【図7】図5の防水構造に用いられる出隅用床パネルの
構成を示す斜視図である。
【図8】出隅用防水パネルユニットの実施の形態を示す
斜視図である。
【符号の説明】
P 外部床下地 Q 腰壁 1 断熱材 2 耐水鋼板 21 平坦部 22 立ち上がり部 3 防水シート 7 補強部材 71 直立部 81 出隅カバー 811 立面部 812 底面部 82 取付部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部床の周囲に設けられた二面の腰壁が
    出隅を形成する箇所における防水構造であって、 隣接する二辺が出隅の平面形状に沿うように形成された
    平坦部と、前記二辺からそれぞれ立ち上げられた一対の
    立ち上がり部とを有してなる耐水鋼板が、断熱材を介し
    て外部床下地上に配置されるとともに、各立ち上がり部
    が前記二面の腰壁にそれぞれ固定され、 出隅の稜角部に沿うように折曲形成された一対の直立部
    を有してなる補強部材が前記耐水鋼板の両立ち上がり部
    にわたって固着され、 軟質樹脂製の防水シートが前記耐水鋼板の平坦部の腰壁
    側の各縁部近傍から前記二面の腰壁の上縁部までを被覆
    するように取り付けられ、 出隅の稜角部に沿うように一体的かつ水密的に形成され
    た二面の立面部及び一面の底面部を有してなる軟質樹脂
    製の出隅カバーが、この出隅カバーの背面に貼着された
    取付部材を介して出隅の稜角部に固定されるとともに、
    前記出隅カバーの外側の縁部が前記各防水シートの出隅
    側の各縁部に被さるように貼着されることにより、 出隅の稜角部周辺が水密的に被覆されたことを特徴とす
    る外部床の出隅における防水構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114876074A (zh) * 2022-06-06 2022-08-09 中建八局第三建设有限公司 一种大跨度钢结构预应力拉索节点防水构造

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