JP2001040629A - 土木工事型枠用土嚢およびそれを用いた土木工事方法 - Google Patents

土木工事型枠用土嚢およびそれを用いた土木工事方法

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JP2001040629A
JP2001040629A JP11215494A JP21549499A JP2001040629A JP 2001040629 A JP2001040629 A JP 2001040629A JP 11215494 A JP11215494 A JP 11215494A JP 21549499 A JP21549499 A JP 21549499A JP 2001040629 A JP2001040629 A JP 2001040629A
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sandbags
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Noriya Morioka
宣也 森岡
Toshiyuki Fujikawa
利幸 藤河
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KODAMA SHOJI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、作業性に優れた土木工事型
枠用土嚢を提供することにある。 【解決手段】 充填材114が入れられた主袋118
と、充填材114が入れられ、前記主袋118の外側壁
に設けられた二以上の補助袋120と、を備えたことを
特徴とする土木工事型枠用土嚢110。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は土木工事型枠用土嚢
およびそれを用いた土木工事方法、特に土嚢の構造の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、山地、海岸、河岸などで土砂
の崩壊、流出、移動などを防止するため、コンクリート
堰による砂防が行なわれており、例えば砂防ダム山肌の
侵食や河川の土砂及び巨石等の流出を防ぐ目的で、上流
の山間部に設けられる砂防ダムがある。ところで、砂防
ダムを構築するには、通常、鉄製等のプレート板等によ
り型枠を作り、この型枠にコンクリート等を打設して完
成した後、該型枠を撤去する方法が用いられる。
【0003】しかしながら、このような方法では、砂防
ダム構築予定箇所への前記鉄製等のプレート板等の搬送
や、完成後の該プレート板等の撤去が必要であった。そ
こで、従来は、以下に示す方法も考えられる。まず、図
1に示すような俵状の土嚢10を作成する。例えば袋1
2に土等の充填材14を入れ、土嚢10を複数作成す
る。
【0004】このようにして作成された土嚢10を施工
基盤16上に複数段、例えば2段ずつ積み上げ、コンク
リート打設することを、所望の施工高さとなるまで交互
に繰り返し行うことにより、砂防ダムを構築することが
可能となる(例えば特開平10−266168など)。
このように型枠として土嚢を用い、完成後はこれを撤去
することなく砂防ダム等の構築物と一体的に用いること
により、前記鉄製のプレート板等を用いた場合に比較
し、作業が容易となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記土
嚢を用いた場合であっても、その作業性は以下の点でま
だまだ改善の余地が残されていた。すなわち、平地部等
の土木工事では問題にならない作業性でも、特に砂防ダ
ムを建築するような山間部等では足場等が悪いため、土
嚢の設置作業に支障を来す場合がある。
【0006】特に一般的な俵状の土嚢に対し、前記土嚢
を複数段積み上げ、コンクリート打設することを、所望
の施工高さが得られるまで交互に繰り返す従来の方法を
用いると、所望の形に型枠が組み立てられなかったり、
土嚢と土嚢の間の隙間が大きくなったり、コンクリート
打設前に、複数段積み上げられた土嚢が崩れてしまう場
合があった。このため、通常の平地部等での土木工事は
もちろん、特に山間部等での砂防ダム構築等という悪条
件での土木工事であれば、作業時間が長くなるにつれ、
土砂崩れ等の影響を受ける危険性、人件費等の工賃等が
増大するおそれもある。
【0007】このように、土嚢及びそれを用いた工事方
法には非常に作業性のよいものが望まれるが、従来はこ
れを解決することのできる適切な技術が存在しなかっ
た。本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたもので
あり、その目的は作業性に優れた土木工事型枠用土嚢お
よびそれを用いた土木工事方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明にかかる土木工事型枠用土嚢は、主袋と、補
助袋と、を備えることを特徴とする。ここで、前記主袋
は、充填材が入れられる。また、前記補助袋は、充填材
が入れられ、前記主袋の外周壁に設けられた二以上のも
のである。
【0009】ここにいう二以上の補助袋は、例えば主袋
に対し等間隔等に設けることが、土嚢の重心を安定でき
る点で好ましい。なお、本発明において、前記補助袋の
高さは、前記主袋での充填材の充填高さとほぼ同じ高さ
であることが好適である。
【0010】また、本発明において、前記充填材は、モ
ルタルであり、前記土嚢が設置される際は、該モルタル
は未硬化の状態であり、設置後は、該土嚢に充填されて
いる該モルタルが硬化し、該土嚢が構築物の一部として
用いられることも好適である。ここにいう未硬化の状態
とは、モルタルの硬化が全く進行していない状態のみを
いうのではなく、その硬化状態がある程度進行したもの
をも含めたものをいう。 例えばモルタルの硬化状態が
5割〜6割程度のものの方が、その硬化が全く進行して
いない状態のものを用いた場合に比較し、設置時の安定
性が図られる点で好ましい。
【0011】また、本発明において、前記主袋には、前
記充填材が充填される充填部分と、該充填材が充填され
ない結代部分と、前記結代部分の端部には、充填材を入
れるための開口部と、前記結代部分には、前記開口部を
閉口可能な緊定手段と、を設けることも好適である。ま
た、本発明において、一の部材により、前記主袋外側の
底部に、強度、耐久性等に優れた略十字状の底部補強部
を形成し、かつ、該主袋外側の側部に提手を形成するこ
とも好適である。
【0012】また、本発明において、前記充填材の充填
高さの範囲内のある高さでの、前記主袋の側部のほぼ全
周囲に亘って、側部補強部を設けることも好適である。
また、前記目的を達成するために、本発明にかかる土木
工事方法は、前記土木工事型枠用土嚢が構築物の型枠と
して用いられる土木工事方法であって、型枠組立工程
と、硬化材打設工程と、を備え、所望の施工高さとなる
まで、前記土嚢を1つ積み上げるごとに、前記型枠組立
工程および前記硬化材打設工程を交互に繰り返し行うこ
とを特徴とする。
【0013】ここで、前記型枠組立工程は、隣り合う土
嚢の補助袋同士が重なり合うように、複数の土嚢を同一
の高さの段上に、1列又は2列以上設置し、型枠を組み
立てる。また、前記硬化材打設工程は、前記型枠組立工
程後の型枠に、硬化材を打設する。なお、本発明におい
て、構築物に傾斜がある場合、2段目以降の前記型枠組
立工程は、前段の土嚢の列の上に次段の土嚢の列を、該
構築物の傾斜角に応じた距離だけ、該傾斜方向にずらし
て積み上げることが好適である。また、本発明におい
て、前記硬化材打設工程の前段に、連結工程を備えるこ
とも好適である。
【0014】ここで、前記連結工程は、同じ高さの段上
で隣り合う土嚢の列同士を連結手段により連結する。ま
た、本発明において、前記型枠組立工程は、作業員が施
工基盤から離隔した地盤がしっかり安定した作業場で、
前記土嚢の水平方向及び垂直方向の位置を調整可能な遠
隔操作手段を操作することにより、該作業場の該土嚢
を、該施工基盤の所定の位置まで搬送し、かつ、これを
隣り合う土嚢の小袋同士が重なり合うように設置するこ
とも好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の好適
な一実施形態を説明する。図2には、本発明の一実施形
態にかかる土木工事型枠用土嚢の概略構成が示されてい
る。なお、前記図1と対応する部分には符号100を加
えて示し、説明を省略する。同図に示す土木工事型枠用
土嚢110は、本体(主袋)118と、小袋(補助袋)
120を含む。
【0016】ここで、前記本体118は、例えば本体径
=1100mm、モルタル(充填材)114が入れ
られる高さh1=1080mm程度の円柱状の織布等か
らなり、モルタル114が、例えば本体容量1mあた
り、2.2トン程度、入れられる。本実施形態では、
1.5トン程度のモルタルが、高さh1からなる充填部
分117に入れられる。
【0017】また、前記小袋120は、例えば小袋径d
=200mm、高さが本体118でのモルタル114
の充填高さh1とほぼ同じ高さの例えば円柱状の織布等
からなる。本実施形態では、本体118の外周壁の対向
位置に、モルタル(充填材)114が例えば40kgづ
つ、入れられた小袋120を2つ設けている。なお、本
実施形態においては、本体118には、端部にモルタル
114を入れるための開口部119と、モルタル114
が入れられない結代部分121と、結代部分121には
閉口可能な紐体(緊定手段)122が設けられる。
【0018】また、本実施形態においては、本体118
には、例えば100mm幅の帯体(一の部材)124に
より、本体118の底壁を、強度、耐久性等に優れた十
字底抱え縫製することにより底部補強部126を形成
し、かつ、側壁に吊りベルト(提手)128を形成して
いる。また、本実施形態においては、モルタル114の
充填高さh1の範囲内のある高さでの本体118の側部
のほぼ全周囲に亘り、例えば100mm幅の補強ベルト
(側部補強部)130を設けている。
【0019】本実施形態にかかる土木工事型枠用土嚢1
10は、概略以上のように構成され、以下にその作用に
ついて、図3〜図6を参照しつつ説明する。まず、土嚢
を作成する(S100)。すなわち、通常は一般的な形
状、例えば俵状の布袋に、現地発生土や建築副産物など
を入れる。ここで、前記俵状の布袋からなる土嚢は、平
地部での土木工事は勿論、山間部等の砂防ダム等の構築
にも用いられる。
【0020】しかしながら、一般的な形状、例えば俵状
の布袋を山間部等の砂防ダム等にも用いるには、作業性
等に改善の余地があった。そこで、本実施形態では、作
業等を向上させるため、本体118に小袋120を加え
ることとした。
【0021】この結果、複数の土嚢110を設置する際
は、隣り合う土嚢110の小袋120同士を重ね合わせ
ることにより、これら土嚢110を組み合わせたときの
相互作用により、例えば同じ列の土嚢は安定して設置さ
れる。したがって、一般的な俵状のものを用いた場合に
比較し、複数設置時の作業性の向上が図られる。
【0022】しかも、小袋120の高さを本体118で
のモルタル114の充填部分117の高さh1と同じ高
さとしている。この結果、小袋120の高さを、充填部
分117の高さより低い高さとした場合に比較し、より
安定させることが可能となるともに、土嚢と土嚢の間の
隙間を大幅に低減することが可能となる。したがって、
コンクリート打設の際に、該土嚢と土嚢の間の隙間から
コンクリートが流出するのを防止している。
【0023】また、充填材の粒の大きさを揃え、土嚢の
形状、大きさのばらつきを低減するため、充填材として
モルタル114が入れられる。なお、本実施形態では、
本体118には、モルタル114が充填される高さh1
からなる充填部分117と、該モルタル114が充填さ
れない結代部分121を設けている。そして、モルタル
114を高さh1の充填部分117まで充填した後は、
紐体122で結代部分121を閉口することとしている
ので、土嚢一杯に充填材を入れた場合に比較し、モルタ
ル114充填後の閉口作業が容易となるとともに、しっ
かりと閉口することが可能となる。
【0024】つぎに、1段目の型枠を組み立てる(S1
02)。すなわち、型枠を組み立てる際、通常は一般的
な俵状の土嚢を作業者が手で担いで施工基盤に搬送する
が、一般的な俵状のものを用いたのでは、すべりやすく
運び難い。そこで、本実施形態では、一の帯体124に
より、本体118の底壁を、強度、耐久性等に優れた十
字底抱え縫製することにより底部補強部126を形成
し、かつ、側壁に吊りベルト128も形成している。
【0025】この結果、使用者は土嚢110を運ぶ際
は、その吊りベルト128を持つことにより、すべらず
容易に搬送することができる。しかも、その吊りベルト
128は、前述のように一の帯体124により、本体1
18の底壁で強度、耐久性等に優れた底部補強部126
も形成しているので、側壁のみに吊りベルト128を設
けた場合に比較し、吊りベルト128がモルタル114
の重みで取れたり、底壁が抜けるのを大幅に低減するこ
とができる。
【0026】また、前記本体118でのモルタル114
の充填高さh1の範囲内のある高さでの、本体118の
側部のほぼ全周に亘り、補強ベルト130を設け、本体
118の側壁を補強している。このため、モルタル11
4で本体118の側壁が破れるのを大幅に低減すること
ができる。そして、土嚢110を設置する際は、本体1
18は、図4に示すように結代部分121を折り畳む等
して、本体118の高さが、小袋120の高さと同じ高
さとなるように形が整えられる。
【0027】すなわち、前述のようにして形が整えられ
た土嚢110を、図5に示すように、施工基盤116上
の、構築される砂防ダム(構築物)の上流側の面となる
位置に、複数の土嚢110a〜110eを小袋120同
士が重なるように1列に設置し、上流側の土嚢の列A1
を形成する。その後、砂防ダムの下流側の面となる位置
に、複数の土嚢110f〜110jを小袋120同士が
重なるように1列に設置し、下流側の土嚢の列B1を形
成する。
【0028】ここで、通常は一般的な形状の土嚢、例え
ば俵状のものを設置するが、特に山間部等での砂防ダム
を構築する際は満足のゆく安定性が得られるものではな
かった。また、足場が平地部等に比較し悪いため、土嚢
間にも隙間が生じやすく、コンクリート打設した時に、
その隙間からコンクリートが流出してしまう場合があっ
た。
【0029】特に土嚢には現地発生地や建築副産物を入
れるのが一般的であるが、大きさにばらつきの大きい充
填材を入れたのでは、土嚢の大きさや形状のばらつきが
大きくなる。これにより、前記設置時の安定性や隙間の
問題は深刻であった。そこで、本実施形態では、本体1
18に小袋120を加え、複数の土嚢110を設置する
際は、隣り合う土嚢の小袋120同士を重ねあわせるこ
とで、これら土嚢を組み合わせたときの相互作用によ
り、複数設置時の安定性の向上が図られるとともに、隣
り合う土嚢と土嚢の間の隙間を大幅に低減することがで
きる。
【0030】また、本体118には、硬化が例えば5割
〜6割程度進行した状態のモルタル114が入れられて
おり、該モルタル114が完全に硬化しないうちに土嚢
110を設置する。このため、土嚢110を設置する際
は、前記半生状態のモルタル114により施工基盤11
6や、隣り合う土嚢110等の形状に合わせて、前記土
嚢110の形状を若干変化させることが可能となるの
で、現地発生土等や、完全に硬化した状態のモルタル等
の充填材を入れた場合に比較し、より土嚢の設置時の安
定性が向上されるとともに、土嚢同士がぴったりとくっ
つき、土嚢の隙間が大幅に低減される。
【0031】しかも、モルタル114が完全に硬化する
と、一般的な土等の充填材を入れた場合に比較し、完成
した砂防ダムの強度向上が図られる。また、上流側の土
嚢の列A1と、下流側の土嚢の列B1とを、例えば土嚢
3つ位の間隔で、例えば土嚢(連結手段)136により
連結する。これにより、上流側の土嚢の列A1、下流側
の土嚢のB1に対し、ほぼ直交する方向、つまり上流側
の土嚢の列A1と下流側の土嚢の列B1を結ぶ方向の強
度向上が図られる。
【0032】また、金属壁W1a,b等を、土嚢の各列
A1,B1等の両端部等に設置する。つぎに、前記1段
目の型枠に、コンクリート(硬化材)を打設する(S1
04)。すなわち、上流側の土嚢の列A1と下流側の土
嚢の列B1との間に、コンクリート(硬化材)C1を、
各列を構成する土嚢の高さまで流し込む。ここで、型枠
に、前記一般的な俵状の土嚢を用いると、施工基盤の状
態、土嚢の大きさや形状のばらつきにより、土嚢と土嚢
の間に隙間が生じる場合がある。これにより、土嚢の隙
間からコンクリートが流出し、所望とおりに砂防ダムが
構築できないばかりか、強度的な問題や、流出分のコン
クリートが無駄になってしまう等の問題もある。
【0033】そこで、本実施形態では、本体118と同
じ高さの小袋120を持つ土嚢110を用い、土嚢11
0を設置する際は、隣り合う土嚢110の小袋120同
士を重ね合わせることとしている。この結果、一般的な
土嚢を用いた場合に比較し、複数の土嚢110の設置時
の安定性を向上させるとともに、土嚢と土嚢の間の隙間
を大幅に低減し、コンクリート流出を大幅に防止するこ
とができる。
【0034】そして、コンクリートC1は次第に硬化す
るので、1段目の型枠が完成される。ここで、土嚢は通
常、取り出されることなく、コンクリートと一体的に砂
防ダム(構築物)を構成することとなるが、土嚢に一般
的な土等をいれたのでは、強度の点から問題があった。
すなわち、土嚢が砂防ダムの内部深くにある場合には強
度的にはあまり問題とならないが、一般には表層部にあ
り、この場合には、土嚢に充填された土等の分だけ、コ
ンクリートの部分が薄くなるので、強度の点で問題があ
った。
【0035】そこで、本実施形態では、設置作業の容易
性、土嚢と土嚢の間の隙間の低減、構築される砂防ダム
の強度向上を図るため、土嚢110には半生状態、例え
ば硬化状態が5〜6割程度のモルタル114を入れるこ
ととしている。このため、土嚢110を設置する際は、
半生状態のモルタル114により、施工基盤116や、
隣り合う土嚢110等の周囲の形状に合わせて、前記土
嚢110の形状を若干変化させることが可能となる。
【0036】これにより、現地発生土等や、完全に硬化
した状態のモルタル等を入れた場合に比較し、より設置
時の安定性が向上されるとともに、土嚢同士がぴったり
とくっつき、土嚢と土嚢の間の隙間が大幅に低減され
る。しかも、モルタル114が硬化すると、一般的な土
等を入れた場合に比較し、構築される砂防ダムの強度が
図られる。
【0037】さらに、同じ高さの段上で、隣り合う土嚢
の列同士、つまり上流側の土嚢の列A1と下流側の土嚢
の列B1を連結手段136により連結しているので、そ
のような工夫のない場合に比較し、該列方向に対し直交
する方向に対しても強度向上が図られる。そして、1段
目の型枠を組み立てた後、土嚢110を1つ積み上げる
ごとに、前記型枠組立工程(S102)と同様の型枠組
立工程(S106)と、前記硬化材打設工程(S10
4)と同様の硬化材打設工程(S108)を交互に繰り
返すことを、所望の施工高さとなるまで行う。
【0038】また、これらの工程を繰り返す際、例えば
図6に示すように構築する砂防ダム(構築物)146に
傾斜があれば、その傾斜角に応じた距離だけ、前段の土
嚢の列の上に次段の土嚢の列を、該傾斜方向に多少ずら
して積み上げる。すなわち、前記1段目の型枠組立工程
(S102)と同様の型枠組立工程(S106)を行っ
た後、図6に示すように1段目の上流側の土嚢の列A1
に対し、土嚢110を、傾斜方向、図中左方向に多少ず
らして積み上げ、2段目の上流側の土嚢の列A2をつく
る。
【0039】つぎに、1段目の下流側の土嚢列B1に対
し、土嚢110を、傾斜方向、図中左方向に多少ずらし
て積み上げ、2段目の下流側の土嚢の列B2をつくる。
その後、2段目の上流側の土嚢の列A2と下流側の土嚢
の列B2との間に、コンクリートC2を打設し、硬化さ
せる。そして、施工高さが所望の高さh0となるまで、
これらの工程を土嚢110を1つ積み上げるごとに交互
に繰り返し行うことにより、土嚢層Ai,Biと、コン
クリート提体Ciからなる砂防ダム146が完成する。
【0040】ここで、コンクリート打設の前段で、土嚢
を複数段積み上げると、完成前に型枠が崩れてしまうお
それがあり、特に一般的な俵状の土嚢を用いた場合に
は、土嚢と土嚢の間の隙間や土嚢の大きさのばらつきに
より、設置時の安定性が悪いので、この場合は、より深
刻である。そこで、本実施形態では、これを防ぐため、
土嚢110を1つ積み上げるごとに、前記型枠組立工程
S106と、前記硬化材打設工程S108を交互に繰り
返すことにより、コンクリート打設の前段での、土嚢の
崩れを確実に防止することができる。
【0041】また、本実施形態では、複数設置時の安定
性に優れた本実施形態にかかる土嚢110を用いて、所
望の施工高さh0となるまで、該土嚢110を1つ積み
上げるごとに、型枠組立工程および硬化材打設工程を交
互に繰り返し行うこととした。この結果、構築する砂防
ダム146に傾斜があっても、前段の土嚢の列の上に次
段の土嚢の列を、該砂防ダム146の傾斜角に応じた距
離だけ、該傾斜方向にずらして積み上げることを安定し
て行うことができる。
【0042】以上のように本発明の一実施形態にかかる
土木工事方法によれば、複数設置時の安定性に優れた本
実施形態にかかる土嚢110を用いて、該土嚢110を
1つ積み上げるごとに、前記型枠組立工程および前記硬
化材打設工程を交互に繰り返し行うことにより、所望の
高さh0の砂防ダム146を構築することとしたので、
型枠が崩れることなく、所望通りの砂防ダムをつくるこ
とが可能となるので、作業性が向上される。なお、本発
明の土木工事方法は、前記構成に限定されるものではな
く、発明の要旨内で種々の変形が可能である。
【0043】また、構築物は砂防ダム146に限られる
ものではなく、土木工事型枠用土嚢を用いた土木工事全
般に用いられる。また、連結手段としては土嚢に限られ
るものではなく、例えば河川工事等では、図7に示すよ
うなロープ等の連結手段236を用いることが有効であ
り、該連結手段236により例えば上流側の土嚢の列A
1の本体218cと、下流側の土嚢の列B1の本体21
8hを連結することも可能である。また、本発明の土木
工事型枠用土嚢は、前記構成に限定されるものではな
く、発明の要旨内で種々の変形が可能である。
【0044】例えば前記構成では、小袋(補助袋)12
0を2つ設けた例について説明したが、1つあるいは3
つ以上等の任意数、例えば図8に示すように小袋(補助
袋)320を4つ、ほぼ等間隔で設けてもよい。特に小
袋(補助袋)を3つ以上設け、ほぼ等間隔で設けると、
設置時の安定性がより向上される。また、前記構成で
は、円柱状の小袋(補助袋)を用いた例について説明し
たが、図9に示すような例えば台形等の四角柱からなる
小袋(補助袋)420a,420b等や、図10に示す
ような三角柱からなる小袋(補助袋)520a,520
b等を用いることも可能である。
【0045】また、土嚢の大きさと形状を均一にする
点、砂防ダムの強度向上の観点から、本体(主袋)や小
袋(補助袋)に入れる充填材には、モルタル(例えばセ
メントと砂とを1:1または1:3程度の重量比で水練
りしたもの)等が好ましいが、施工基盤の状態や砂防ダ
ムの使用目的などに応じて、任意のもの、例えば一般的
な土はもちろん、例えば砂防ダムの構築現場で発生する
現地発生土や建設副産物などを充填することも可能であ
る。さらに、本実施形態にかかる土木工事方法は、前述
のような本実施形態にかかる種々の土嚢を用いることに
より、作業員が土砂崩れ等の危険性のある施工基盤のあ
る谷底等で作業することなく、その谷部中腹等にある平
坦部分等の地盤がしっかりと安定した作業場からの遠隔
操作手段の遠隔操作により行うことが可能である。
【0046】これは本実施形態にかかる土嚢は、重心が
安定するように複数設けられた小袋を含み、このような
土嚢を複数設置して型枠を作る際は、隣り合う土嚢の小
袋に、設置しようとする土嚢の小袋が重なり合うように
設置すると、隣り合う土嚢同士の間に隙間が殆ど生じな
いという長所を有することにより、はじめて可能になっ
たものである。その工事方法の一例を以下に示す。ま
ず、この工事には例えば設置用ケーブルと、ホイスト
と、搬送用ケーブルと、アンカー等を含む遠隔操作手段
が用いられる。
【0047】そして、図11に示すように本実施形態に
かかる土嚢610には、フック650を介して2本の設
置用ケーブル652a,bが設けられ、各設置用ケーブ
ルケーブル652a,bは、各対応ホイスト654a,
bを介して搬送用ケーブルケーブル656a,bに設け
られている。この搬送用ケーブル656a,bは、後述
する作業場に埋め込まれたアンカーに取り付けられる。
【0048】このホイスト654a,bは、後述するコ
ントローラにより搬送用ケーブル656a,bに沿って
自走可能である。また、各対応設置用ケーブル652
a,bを巻き取る、或いはリリース等して、各設置用ケ
ーブル652a,bを、それぞれ所望の長さに調節可能
である。このような遠隔操作手段が設けられる作業場付
近の上面図を図12に、同様の縦断面図を図13に、そ
れぞれ示す。
【0049】これらの図に示すように、搬送用ケーブル
656aを結ぶアンカー658,660と、搬送用ケー
ブル656bを結ぶアンカー662,664が施工基盤
616のある谷底を構成する谷部666上方の地盤が平
坦でしっかり安定した作業場668に打ち付けられる。
そして、ホイスト654のコントローラ670を操作し
てホイスト654a,bを同様に図12中A方向に走行
させると、土嚢610を図中A方向に移動させることが
可能となる。
【0050】また、該コントローラ670により一方の
ホイスト654a(b)により一方の設置用ケーブル6
52a(b)をリリースしながら、他方のホイスト65
4(a)により他方の設置用ケーブル652b(a)を
巻き取る等して設置用ケーブル652aと652bとに
生じる合成力を変化させることにより、土嚢610のB
方向の位置を調整することが可能となる。また、該コン
トローラ670により、両方のホイスト654a,bを
同様に設置用ケーブル652a,bを巻き取る、或いは
リリース等することにより、土嚢610のC方向の位置
を調整することが可能となる。
【0051】このように地盤がしっかりと安定した作業
場668からコントローラ670を遠隔操作して土嚢6
10を、図中A,B,C方向の位置を調整しながら、谷
底にある施工基盤616の所望の位置まで搬送すること
ができる。ここで、本実施形態にかかる土嚢610は、
小袋620を含むので、該土嚢610を設置する際は、
隣り合う土嚢の小袋に、設置しようとする土嚢610の
小袋620を押しつけるように接触させるだけで、隣り
合う土嚢との隙間を殆ど生じることなく、該土嚢610
を所望の位置に設置することができる。
【0052】これにより、作業員は、土砂崩れ等の危険
性のある、施工基盤616のある谷底等の悪所で直接作
業することなく、離れた作業場668から、コントロー
ラ670を遠隔操作して安全に作業を行うことができ
る。しかも、土嚢610に大型なものを用いれば、土嚢
610の搬送回数が大幅に低減されるので、作業時間を
大幅に低減できる。また、複数の小袋620は、その土
嚢610の重心が安定するように等間隔等に設けられて
いるので、コントローラ670による遠隔操作の際は、
土嚢610が比較的揺れることなく安定して、谷底にあ
る施工基盤616の所望の設置箇所までの搬送が確実に
行える。
【0053】これにより、砂防ダムの構築を、作業場6
68からの遠隔操作手段による遠隔操作で容易に行うこ
とが可能となる。このようにして本実施形態にかかる土
嚢610を、コントローラ670の遠隔操作により砂防
ダムを構築することにより、工期の大幅な短縮化が図ら
れるとともに、作業員が施工基盤のある谷底等で作業す
ることなく、地盤が安定した作業場668からの遠隔操
作で行うことが可能となる。
【0054】したがって、作業員、作業機械などが一般
に施工基盤のある谷底での土砂崩れ等の影響を受けるお
それが確実に回避される。これにより、人件費等の大幅
な削減も可能となる。なお、前記搬送用ケーブルの設置
箇所は前記4箇所に限定されるものではなく、土嚢61
0を施工基盤616の所望の位置まで搬送できるもので
あれば、任意数、例えば3箇所等でもよい。また、例え
ば土嚢の設置予定箇所等に合わせて、搬送用ケーブルの
設置場所を変更可能である。
【0055】以下にその例を示すが、これらの図は、前
記設置予定箇所付近を上から見た図である。まず、図1
4に示すような略直線状に延びる谷部666に対し、略
直交するように搬送用ケーブル656a,bを設置する
と、図中斜線で示すような設置エリアが得られる。これ
が施工基盤616となる。また、図15に示すような略
直線状に延びる谷部666に対し、搬送用ケーブル65
6a,bを斜め方向に設置すると、図中斜線で示すよう
な設置エリアが得られる。これが施工基盤616とな
る。
【0056】また 図16に示すような略蛇行する谷部
666に対し、搬送用ケーブル656a,bを設置する
と、図中斜線で示すような設置エリアが得られる。これ
が施工基盤616となる。また、前記遠隔操作手段に代
えて、例えばクレーン等を用いることも可能である。こ
のクレーンは、図17に示すような本実施形態にかかる
土嚢710を吊り下げるフック750と、該フック75
0に取り付けられたクレーンケーブル772a〜cを含
む。
【0057】このクレーンが配置される作業場付近の上
面図を図18に、同様の縦断面図を図19に、それぞれ
示す。なお、前記図11〜図13と対応する部分には符
号100を加えて示し、説明を省略する。これらの図に
示すように、クレーン774a〜cは、作業場768に
配置されている。
【0058】そして、これらの図に示すように各クレー
ンの各対応アーム776a〜cの図18中D方向の回
転、図19中E方向の位置の調整、さらには各対応クレ
ーンケーブル772a〜cの長さの調節により、フック
750に吊り下げられた土嚢710の図中A,B,C方
向の位置を調整することができる。このようにしてクレ
ーン774a〜cを地盤がしっかり安定した作業場76
8から操作して、土嚢710を施工基盤716の所望の
位置まで搬送することができる。
【0059】そして、本実施形態にかかる土嚢710
は、小袋720を含むことにより、前記遠隔操作手段を
用いた場合と同様、該土嚢710を設置する際は、隣り
合う土嚢の小袋に、設置しようとする土嚢710の小袋
720を押しつけるように接触させ、クレーン774a
〜cを操作してフック750を解除するだけで、隣り合
う土嚢との隙間を殆ど生じることなく、該土嚢710を
所望の位置に設置することができる。
【0060】これにより、作業員が施工基盤のある谷底
等の悪所で直接作業することなく、該谷底の谷部766
で地盤がしっかり安定した作業場768からの遠隔操作
で作業することができる。しかも、本実施形態にかかる
土嚢710を大型化すれば、土嚢の搬送回数を大幅に低
減できるので、作業時間を大幅に低減できる。
【0061】また、複数の小袋720がその土嚢710
の重心が安定するように等間隔に設けられているので、
クレーン774a〜cによる操作の際も、土嚢710が
比較的揺れることなく安定して、所望の設置箇所までの
搬送が確実に行える。また、コンクリート打設に関して
も、前記土嚢に代えて、例えばフック750にコンクリ
ートを流し込むためのホースの注入口側を取りつけ、ク
レーン774a〜cの遠隔操作により、ホースの所望の
位置への搬送、該ホースの注入口からのコンクリートの
流し込み、及びその中止を行えば、砂防ダムの構築の全
ての作業を、地盤がしっかり安定した作業場768から
のクレーン774a〜cの遠隔操作で行うことが可能と
なる。
【0062】このようにして本実施形態にかかる土嚢を
用いることにより、地盤の安定した作業場768でクレ
ーン774a〜cの遠隔操作により砂防ダムを構築可能
となる。この結果、工期の大幅な短縮化が図られるとと
もに、作業員が施工基盤716のある谷底等で直接作業
することなく、地盤の安定した作業場768からの遠隔
操作により行うことが可能となる。
【0063】したがって、作業員、作業機械等が谷底で
の土砂崩れ等の影響を受けるおそれが確実に回避され
る。これにより、人件費等の大幅な削減も可能となる。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明にかかる土木工事型
枠用土嚢によれば、主袋の外側壁に、補助袋を設けるこ
ととしたので、複数の土嚢を設置する際は、隣り合う土
嚢の小袋同士を重ね合わせることにより、その安定性が
一般的な俵状のものを用いた場合に比較し、大幅に向上
される。なお、本発明において、前記補助袋の高さは、
前記主袋とほぼ同じ高さとすることにより、土嚢と土嚢
の間の隙間をより大幅に低減することができる。また、
本発明において、前記充填材は、モルタルであり、該モ
ルタルが未硬化状態で、前記土嚢が設置され、設置後、
該土嚢に充填されている該モルタルが硬化し、該土嚢が
構築物の一部として用いられることにより、土嚢を設置
する際は、充填材が未硬化であるから施工基盤や隣り合
う土嚢等の周囲の形状に合わせて土嚢の形状を変化させ
ることが可能となる。この結果、設置時の安定性がより
向上されるとともに、土嚢と土嚢の間の隙間が大幅に低
減される。しかも、充填材が硬化すると、一般的な土等
を入れた場合に比較し、完成物の強度向上が図られる。
また、本発明において、主袋に結代部分を設け、該結代
部分の端部に開口部を設け、該結代部分に緊定手段を設
け、充填材を結代部分を除いて実質的に主袋の充填部分
のみに充填した後、緊定手段による結代部分での閉口を
行うことにより、閉口作業が容易となるとともに、しっ
かりと閉口することができる。また、本発明において、
一の部材により、主袋の底部に、強度、耐久性等に優れ
た略十字状の底部補強部を形成し、かつ、側部に提手を
形成することにより、土嚢を運搬する際は、その提手を
用いることで、その作業が容易となるとともに、主袋の
底部の強度向上が図られる。しかも、これらを別個独立
に設けた場合に比較し、構成簡略化が図られる。また、
主袋の側部に側部補強部を設けることにより、主袋の側
部の強度向上が図られる。また、本発明にかかる土木工
事方法によれば、複数設置時の安定性に優れた本発明に
かかる土木工事型枠用土嚢を用いて、隣り合う土嚢の補
助袋同士が重なるように、同じ高さの段上で複数の土嚢
を設置し、所望の施工高さとなるまで、該土嚢を1つ積
み上げるごとに、型枠組立工程および硬化材打設工程を
交互に繰り返し行うこととしたので、これら土嚢の組み
合わせによる相互作用により、一般的な俵状の土嚢を複
数段積み上げるごとにコンクリート打設した場合に比較
し、複数の土嚢を安定して設置することができるので、
作業性が向上される。しかも、同じ高さの段上で、隣り
合う土嚢の補助袋同士が重なるように、複数の土嚢を1
列又は2列以上設置することにより、一般的な俵状の土
嚢を設置した場合に比較し、隣り合う土嚢と土嚢の間の
隙間を大幅に低減することができるので、その隙間から
の硬化材流出の防止が図られる。なお、本発明におい
て、作業性に優れた本発明にかかる土木工事型枠用土嚢
を用いて、所望の施工高さとなるまで、該土嚢を1つ積
み上げるごとに、型枠組立工程および硬化材打設工程を
交互に繰り返し行うこととしたので、構築物に傾斜があ
っても、前段の土嚢の列の上に次段の土嚢の列を、該構
築物の傾斜角に応じた距離だけ、該傾斜方向にずらして
積み上げることを安定して行うことができる。また、本
発明において、硬化材打設工程の前段に、同じ高さの段
上で、隣り合う土嚢の列同士を連結手段により連結する
連結工程を設けることにより、土嚢の各列の安定性等が
向上されるので、より作業性が向上するとともに、土嚢
の列方向に対し直交する方向の強度向上が図られる。さ
らに、本発明において、前記型枠組立工程は、作業員が
施工基盤から離隔した地盤がしっかり安定した作業場
で、前記土嚢の水平方向及び垂直方向の位置を調整可能
な遠隔操作手段を操作することにより、該作業場の該土
嚢を、該施工基盤の所定の位置まで搬送する。そして、
これを隣り合う土嚢の小袋同士が重なり合うように設置
することにより、作業員は、通常は谷底等の悪所にある
施工基盤で直接作業を行うことなく、谷部等の地盤がし
っかりと安定した作業場から遠隔操作手段を遠隔操作す
ることにより作業を行うことが可能となる。この結果、
本発明において、悪所での工期の大幅な短縮化、谷底等
の悪所で直接作業する場合には回避するのが非常に困難
であった作業員、作業機械等の土砂崩れ等の影響の回
避、さらには人件費等の工賃の大幅な削減が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の土木工事型枠用土嚢およびそれを用いた
土木工事の問題点の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる土木工事型枠用土
嚢の概略構成の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる土木工事方法の流
れの説明図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる土木工事型枠用土
嚢の設置時の状態の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる土木工事方法の型
枠組立工程の土嚢の設置方法の説明図(上面図)であ
る。
【図6】本発明の一実施形態にかかる土木工事方法の型
枠組立工程および硬化材打設置工程の繰り返しを行う際
の説明図(横断面図)である。
【図7】図5に示した連結手段の変形例である。
【図8】,
【図9】,
【図10】図2に示した土木工事型枠用土嚢の変形例の
説明図(上面図)であり、図8は補助袋を4つ設けた
例、図9は四角柱の補助袋を用いた例、図10は三角柱
の補助袋を用いた例である。
【図11】本発明の一実施形態にかかる土木工事方法を
遠隔操作により行う際の土嚢と遠隔操作手段との取付け
方法の一例である。
【図12】図11に示した遠隔操作手段による土嚢設置
予定箇所付近の上面図である。
【図13】図11に示した土嚢設置予定箇所付近と同様
の縦断面図である。
【図14】,
【図15】,
【図16】図11に示した遠隔操作手段の設置場所と土
嚢の設置予定箇所との関係を示す説明図である。
【図17】前記図11に示した遠隔操作手段の変形例で
ある。
【図18】図17に示した遠隔操作手段による土嚢設置
予定箇所付近の上面図である。
【図19】図18に示した土嚢設置予定箇所付近と同様
の縦断面図である。
【符号の説明】
110 土木工事型枠用土嚢 114 モルタル(充填材) 117 充填部分 118 本体(主袋) 119 結代部分 120 小袋(補助袋) 122 紐体(緊定手段) 124 帯体(一の部材) 126 底部補強部 128 吊りベルト(提手) 130 補強ベルト(側部補強部) 146 砂防ダム(構築物) C コンクリート(硬化材)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充填材が入れられる主袋と、 充填材が入れられ、前記主袋の外周壁に設けられた二以
    上の補助袋と、 を備えたことを特徴とする土木工事型枠用土嚢。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の土木工事型枠用土嚢にお
    いて、 前記補助袋の高さは、前記主袋での充填材の充填高さと
    ほぼ同じ高さであることを特徴とする土木工事型枠用土
    嚢。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の土木工事型枠用土
    嚢において、 前記充填材は、モルタルであり、 前記土嚢が設置される際は、該モルタルは未硬化の状態
    であり、 設置後は、該土嚢に充填されている該モルタルが硬化
    し、該土嚢が構築物の一部として用いられることを特徴
    とする土木工事型枠用土嚢。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の土木工
    事型枠用土嚢において、 前記主袋には、前記充填材が充填される充填部分と、該
    充填材が充填されない結代部分と、 前記結代部分の端部には、前記充填材を入れるための開
    口部と、 前記結代部分には、前記開口部を閉口可能な緊定手段
    と、 を設けたことを特徴とする土木工事型枠用土嚢。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の土木工
    事型枠用土嚢において、 一の部材により、前記主袋外側の底部に略十字状の底部
    補強部を形成し、かつ、該主袋外側の側部に提手を形成
    したことを特徴とする土木工事型枠用土嚢。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の土木工
    事型枠用土嚢において、 前記充填材の充填高さの範囲内のある高さでの、前記主
    袋の側部のほぼ全周囲に亘って、側部補強部を設けたこ
    とを特徴とする土木工事型枠用土嚢。
  7. 【請求項7】 前記土木工事型枠用土嚢が構築物の型枠
    として用いられる土木工事方法であって、 隣り合う土嚢の補助袋同士が重なり合うように、複数の
    土嚢を同一の高さの段上に、1列又は2列以上設置し、
    型枠を組み立てる型枠組立工程と、 前記型枠組立工程後の型枠に、硬化材を打設する硬化材
    打設工程と、 を備え、所望の施工高さとなるまで、前記土嚢を1つ積
    み上げるごとに、前記型枠組立工程および前記硬化材打
    設工程を交互に繰り返し行うことを特徴とする土木工事
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の土木工事方法において、 構築物に傾斜がある場合、2段目以降の前記型枠組立工
    程は、前段の土嚢の列の上に次段の土嚢の列を、該構築
    物の傾斜角に応じた距離だけ、該傾斜方向にずらして積
    み上げることを特徴とする土木工事方法。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の土木工事方法にお
    いて、 前記硬化材打設工程の前段に、同じ高さの段上で隣り合
    う土嚢の列同士を連結手段により連結する連結工程を備
    えたことを特徴とする土木工事方法。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれかに記載の土木
    工事方法において、 前記型枠組立工程は、作業員が施工基盤から離隔した地
    盤がしっかり安定した作業場で、前記土嚢の水平方向及
    び垂直方向の位置を調整可能な遠隔操作手段を操作する
    ことにより、該作業場の該土嚢を、該施工基盤の所定の
    位置まで搬送し、かつ、これを隣り合う土嚢の小袋同士
    が重なり合うように設置することを特徴とする土木工事
    方法。
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