JP2001040588A - ポリプロピレンテレフタレート繊維と他繊維との混用品の染色方法 - Google Patents
ポリプロピレンテレフタレート繊維と他繊維との混用品の染色方法Info
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Abstract
伸縮回復性を維持し、しかも染色堅牢度が良好である、
ポリプロピレンテレフタレート系繊維と他繊維との混用
品の染色方法を提供すること。 【解決手段】ポリプロピレンテレフタレート系繊維と他
繊維の混用品の染色において、キャリア不含であり、か
つポリプロピレンテレフタレート系繊維の最適染色温度
である105℃〜120近辺で吸尽染色することを特徴
とするものである。
Description
フタレート系繊維と他繊維との混用品の染色方法に関す
るものである。
系繊維あるいはポリアミド系繊維に代表される熱可塑性
合成繊維は機械的強度、耐薬品性、耐熱性および強伸度
特性などに優れるため、衣料用途や産業用途あるいは資
材用途などを主体に広く使用されている。
はW&Wや寸法安定性および染色堅牢度に優れ、またア
ルカリ処理での減量加工により、種々の風合いが可能に
なり、衣料用として特に優れた特性を有している。
レンテレフタレート繊維(PET)の場合は結晶化度が
高く、難染性であるため、高温、高圧下での染色が必要
になり、常圧下での染色では濃色や極濃色の染色ができ
ないので、色相範囲が狭く、汎用面においてやや問題で
ある。
性であるために、例えば羊毛などとの混用品の場合、ポ
リエチレンテレフタレート系繊維の最適染色温度(13
0℃)では羊毛が損傷するので、実用的には膨潤剤(キ
ャリアー)を使用し、染色温度を低下させて、(100
℃近辺)羊毛損傷を防止している。
維の染色においては、その防止が十分でなく、分散染料
が多く染液に残存するため、分散染料の羊毛汚染が拡大
し、これにより、染色堅牢度が低下する傾向にある。
るいは耐光性低下の原因になるので、膨潤剤(キャリア
ー)を使用した後は脱膨潤剤処理として、180℃以上
の高温下で膨潤剤を昇華させる必要がある。180℃以
上の高温下では耐熱性の低い、羊毛は風合い硬化あるい
は弾性繊維においては伸長回復率が低下し好ましくな
い。
繊維の染色性を改良するために様々な研究が行われい
る。例えばポリエステル系繊維を他の化合物と共重合さ
せたり、あるいはポリマーブレンドなどによる原糸改質
と後加工改質に大別される。
号公報および特開昭60−245629号公報などに特
定のポリアルキレンオキサイドまたはポリアルキレング
リコールを共重合させ、常圧可染性を付与する方法が提
案されている。ポリアルキレンオキサイドまたはポリア
ルキレングリコールが共重合されるとポリエステル系繊
維が分散染料易染性になる特徴を有するが、その反面、
繊維物性がやや低下したり、染色堅牢度面として、特に
耐光性が低下するなど問題点も指摘されている。
関しては、特表平9−509225号公報に常圧下でキ
ャリア不含で染色する方法が提案されている。この方法
は主に昇温方法および染料濃度を特定した染色方法であ
り、染料濃度が制限されているため、基本的には淡色〜
中色の色相範囲であり、実用面で必要な淡色〜極濃色ま
での広範囲な色相付与が難しい、制限付きの常圧可染染
色法である。
温度が80℃〜110℃と記載されているが、水溶液の
沸点は100℃であり、100℃を上回るためには高濃
度の塩の添加あるいは高濃度の溶剤添加に必要になる。
高濃度の塩の添加は染料吸尽率の低下を招き易い。
め、染色機内で布帛のネジレやヨジレが多発し、染色工
程で染めムラが生じ易く、好ましくない。
に関しては特開平11−61562号公報にポリアルキ
レングリコールを共重合させることにより、染色性を改
善する方法が提案されているが、上記したように、染色
性は繊維の非晶部に影響を受けるため、染色性改善は達
成されるが、反面、繊維物性の低下が生じ、両者が満足
されるものでない。
レート繊維と他繊維の混用品、例えばポリプロピレンテ
レフタレート繊維と羊毛、あるいはポリプロピレンテレ
フタレート繊維と弾性繊維、またはポリプロピレンテレ
フタレート繊維と羊毛、および弾性繊維の3者混用品に
おいて、ポリプロピレンテレフタレート繊維および他繊
維の優れた特性を保持し、しかも高染色堅牢度の三者を
満足する方法はない。
技術の背景に鑑み、ポリプロピレンテレフタレート繊維
と他繊維の混用品を特定な染色条件で染色することによ
り、優れた物性を保持し、しかも染色堅牢性に最も影響
を及ぼす、分散染料汚染が減少し、高堅牢性を有するポ
リプロピレンテレフタレート繊維と他繊維との混用品の
染色方法を提供するものである。
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、 (1)ポリプロピレンテレフタレート繊維と他繊維との
混用品の染色に際し、キャリア不含であり、かつ染色温
度が105℃〜120℃の加圧下で吸尽染色することを
特徴とする混用品の染色方法。
と他繊維との混用品がポリプロピレンテレフタレート成
分を含む潜在捲縮型複合繊維からなるものであることを
特徴とする前記(1)に記載の混用品の染色方法。
レンテレフタレート繊維が重量比で20〜80%含有さ
れていることを特徴とする前記(2)に記載の混用品の
染色方法。
徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の混用品
の染色方法。
レート繊維を織物の経糸あるいは緯糸の一方向に使用さ
れたものであることを特徴とする前記(1)〜(4)の
いずれかに記載の混用品の染色方法。
維であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれ
かに記載の混用品の染色方法。
タレート繊維と他繊維との混用品の染色に際し、キャリ
アー不含有であり、かつ染色温度が105℃〜120℃
加圧下で吸尽染色するものであり、繊維物性の低下がな
く、かつ高染色堅牢度を有する染色方法を提供するもの
である。
鋭意検討した結果、ポリプロピレンテレフタレート繊維
と他繊維との混用品を分散染料を用いてポリプロピレン
テレフタレートの最適染色温度付近で染色することによ
り、分散染料の吸尽性を高め、染浴中の残存染料を顕著
に減少させることにより、分散染料の他繊維への汚染を
防止し、繊維物性を損なうことなく、高染色堅牢性を可
能にし、かかる課題を一挙に解決することを究明したも
のである。
維とはグリコール成分の炭素数が3個のものであり、酸
性分はテレフタル酸を用いるポリエステル系繊維であ
り、通常の溶融紡糸で製糸が可能である。
維の断面形状は特に限定されるものでなく、たとえば通
常の丸断面および三角、四角、5葉(5角)、などの異
形断面でも中空糸でもよい。
レンテレフタレート繊維が潜在捲縮型複合繊維であるこ
とが好ましい。この潜在捲縮型複合繊維とは収縮差を利
用して捲縮発現させるものであり、熱水またはスチーム
処理などの湿熱下で、しかも70℃〜130℃の温度で
収縮差の発現が生じるものであることが好ましい。特に
熱水処理として90℃〜130℃が捲縮発現性が優れ好
ましく用いられる。
複合の中実糸あるいは偏心型などが採用できるが、特に
バイメタル型複合繊維が捲縮発現性および伸縮性の面で
好ましく用いられる。バイメタル型複合繊維の場合、目
的により組み合わせが異なるが、ポリプロピレンテレフ
タレートポリマー成分と、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートあるいはポリ乳酸など
の他のポリエステル系ポリマー成分との組み合わせが好
ましく採用でき、なかでもポリエチレンテレフタレート
との組み合わせが特に優れている。なお、芯鞘複合の場
合は、芯成分、鞘成分のいずれにもポリプロピレンテレ
フタレートを用いることができるが、鞘成分にポリプロ
ピレンテレフタレートを用いることが好ましい。
トが重量比で20%〜80%含有されていることが、伸
縮性の面で好ましく、40%〜80%含有されているこ
とがより好ましい。
ートと染色性が近似しているポリブチレンテレフタレー
トとの組み合わせが、両者間の色差あるいは色のイラツ
キがなく落ち着いた色相付与が可能になり、好ましく用
いられる。
性および伸縮回復率が優れているため、他繊維としては
伸縮性がある羊毛や通常のポリウレタン系繊維などの弾
性繊維、あるいは弾性繊維をポリプロピレンテレフタレ
ート繊維でカバーリングしたカバリング糸が好ましく用
いられる。 この場合、羊毛および弾性繊維の3者混で
あってもよい。ポリプロピレンテレフタレート系繊維は
伸長回復性が優れるため、織物の経糸あるいは緯糸の一
方向に使用されることでストレッチ性が付与できる。ス
トレッチ性は目的に応じて適宜選択すればよいが、緯糸
の使用が好ましく用いられる。
レフタレートが染色できる分散染料の汚染が非常に大き
く、同時にソーピングや還元洗浄を行っても、汚染除去
が極めて困難である。汚染防止法はやはり使用染料の吸
尽性を高め、染浴に残存染料を極力減少させることが重
要である。分散染料は高温下ではマイグレーション性
(染料移行)を示し、繊維と染料間の親和性は他繊維よ
りポリプロピレンテレフタレート繊維が大きいため、分
散染料がポリプロピレンテレフタレート繊維の方に移行
するが、この場合も染浴に残存染料がないことが望まし
い。そのためにはポリプロピレンテレフタレート繊維の
最適染色温度である、120℃近辺に近似させる必要が
あり、その温度で染着量が増大し、顕著に汚染が防止で
きる。本発明は、ポリプロピレンテレフタレート繊維と
他繊維との混用品の染色に際し、キャリアー不含有であ
り、かつ染色温度が105℃〜120℃加圧下で吸尽染
色するものであるが、染色温度としては110〜120
℃の範囲がより好ましく用いられる。
るが特に洗濯、ドライクリーニングなどの湿潤堅牢度お
よび耐光性が顕著に向上する。
ト繊維の特徴である伸縮回復性を維持する目的で比較的
低張力の染色機が最適であり、そのために液流染色機が
好ましく用いられる。特に羊毛は風合いを目的に縮絨工
程が、一般に組み込まれているが、液流染色機であれば
縮絨工程が必要なく有利である。
通常行われている、ソーピングや還元洗浄などの洗浄工
程、さらに羊毛などの染色堅牢度向上を目的に羊毛など
に通常行われている、フィックス処理など工程を、必要
に応じ、組み入れてもさしつかえない。
してもさしつかえない。
フィラメント、ステープルのいずれでも良く、常法によ
って得ることができる。混用品の繊維構造物の形態とし
ては、ポリプロピレンテレフタレート繊維と羊毛との混
紡、複合などの混用品、あるいはポリプロピレンテレフ
タレート繊維と通常のポリウレタン系繊維などの弾性繊
維との混繊、複合、カバーリングなどの混用品、あるい
はポリプロピレンテレフタレート繊維と羊毛および通常
のポリウレタン系繊維などの弾性繊維との3者の混繊、
複合、カバーリングなどの混用品であることが好まし
く、混繊、混紡、複合、カバーリングなど糸での混用、
該糸を用いた織物、編物、不織布、あるいは交織、交
編、混繊、混紡不織布など目的に応じて適宜選択でき
る。ポリプロピレンテレフタレートが重量比で20%〜
80%含有されていることが、伸縮性の面で好ましく、
40%〜80%含有されていることがより好ましい。 (測色)分光測色系(ミノルタ社製:CMー3700)
でL*値光源はD65、視野角度10度で測定した。L
*値は数値が小さいぼど濃色を示す。 (染色堅牢度)洗濯堅牢度はJIS−L0844のラウ
ンダメータ法、ドライクリーニングはJISーL086
0によるラウンダメータ法、また耐光性はJISーL0
842によるカーボンアーク灯法により評価した。
に、以下の実験を行った。 [実験例1〜実験例3、比較実験例1〜比較実験例5]
ポリエチレンテレフタレート系繊維(PET)、ポリプ
ロピレンテレフタレート(PPT))をそれぞれ130
0m/分で紡糸し、3.1倍で延伸した原糸をそれぞれ
100%で筒編みした。
50Dの48フィラメントである。それらの筒編地を精
練、次いでセット(180℃)し、染色前の試料を準備
した。
ラ”(東レ・デュポン社製)(デュポン社登録商標)の
2種をそれぞれ100%で筒編みした。
の筒編地を液流染色機の染浴に同時添加し(重量比はポ
リエステル:羊毛:弾性繊維、2:1:1)、下記に示
した染色条件およびソーピング条件で処理した。染色布
の発色性および汚染性を調べ、表1に示した(実験
例)。
3種の筒編地を液流染色機の染浴に同時添加し(重量比
はポリエステル:羊毛:弾性繊維、2:1:1)、下記
に示した染色条件およびソーピング条件で処理した。染
色布の発色性および汚染性を調べ、表1に示した(比較
実験例)。
ステル) PHー500(PH調整剤) 0.5g/l 浴比 1:50 (2) 染色温度 105、110、120、130℃の加圧下で各々60
分染色 染色後は水洗、乾燥後測色した。
105℃〜120℃のものは、PPTの発色性が高く、
しかも繊維物性の低下が少なく、かつ羊毛汚染や弾性繊
維の汚染が少なく、両者の面で優れていることが確認で
きた。
0℃染色のPPTおよびPETにおいては、染色性は優
れているが(発色性も優れる)羊毛および弾性繊維の強
度低下があり、好ましくない。またPETの場合、染色
温度が低下すると(比較実験例3、4)は発色性低下お
よび汚染が増大する傾向にある。
比較実験例5で染色された試料の染色堅牢度を調べ、表
2に示した。
なく染色堅牢度が良好であるが、比較実験例はいずれも
汚染が大きいため、洗濯およびドライクリーニイングな
どの湿潤堅牢度が低下していることが確認できた。
レート系繊維と他繊維の混用品の染色において、ポリプ
ロピレンテレフタレート系繊維の染色性を高め、分散染
料の汚染を減少せしめ、繊維物性の保持と高染色堅牢性
を有する染色方法であり、工業価値が極めて高い。
Claims (6)
- 【請求項1】ポリプロピレンテレフタレート繊維と他繊
維との混用品の染色に際し、キャリア不含であり、かつ
染色温度が105℃〜120℃の加圧下で吸尽染色する
ことを特徴とする混用品の染色方法。 - 【請求項2】ポリプロピレンテレフタレート繊維と他繊
維との混用品がポリプロピレンテレフタレート成分を含
む潜在捲縮型複合繊維からなるものであることを特徴と
する請求項1に記載の混用品の染色方法。 - 【請求項3】潜在捲縮型複合繊維が、ポリプロピレンテ
レフタレート繊維が重量比で20〜80%含有されてい
ることを特徴とする請求項2項に記載の混用品の染色方
法。 - 【請求項4】染色機が液流染色機であることを特徴とす
る請求項1項〜3項のいずれかに記載の混用品の染色方
法。 - 【請求項5】混用品が、ポリプロピレンテレフタレート
繊維を織物の経糸あるいは緯糸の一方向に使用されたも
のであることを特徴とする請求項1項〜4項のいずれか
に記載の混用品の染色方法。 - 【請求項6】他繊維が羊毛および/または弾性繊維であ
ることを特徴とする請求項1項〜5項のいずれかに記載
の混用品の染色方法。
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JP21200599A JP3801815B2 (ja) | 1999-07-27 | 1999-07-27 | ポリプロピレンテレフタレート繊維と他繊維との混用品の染色方法 |
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