JP2001040489A - 抗菌性を付与したアルミニウム系めっき鋼板 - Google Patents

抗菌性を付与したアルミニウム系めっき鋼板

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JP2001040489A
JP2001040489A JP11213139A JP21313999A JP2001040489A JP 2001040489 A JP2001040489 A JP 2001040489A JP 11213139 A JP11213139 A JP 11213139A JP 21313999 A JP21313999 A JP 21313999A JP 2001040489 A JP2001040489 A JP 2001040489A
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Japan
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aluminum
plating
steel sheet
plating layer
plated steel
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JP11213139A
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Hiroshi Tanaka
宏 田中
Masahiko Soda
正彦 惣田
Yoshikazu Morita
芳和 守田
Minoru Saito
実 斎藤
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐食性,耐熱性に優れたアルミニウム系めっ
き鋼板に抗菌性を付与する。 【構成】 このアルミニウム系めっき鋼板は、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金めっき層の表面にモリブデン
金属粉末を露出状態で付着させている。モリブデン金属
粉末の付着量は、2.0g/m2 以上が好ましい。 【効果】 アルミニウム又はアルミニウム合金めっき層
にモリブデン金属粉末を分散させることにより、アルミ
ニウムめっき本来の優れた耐食性及び耐熱性を損うこと
なく抗菌性が付与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム又はアル
ミニウム合金めっき層にモリブデン金属粉末を付着させ
ることにより抗菌性を付与したアルミニウム系めっき鋼
板に関する。
【0002】
【従来の技術】Cu,Co,Mo,Ag等は、抗菌性を
示す金属として知られており、ステンレス鋼等の金属材
料に添加した状態においても抗菌性を発現する。そこ
で、本出願人等は、これら抗菌性金属元素を添加するこ
とにより抗菌性を付与したステンレス鋼を開発してい
る。抗菌性金属元素は、マトリックス中に均一分散する
ようにステンレス鋼等の金属材料に添加される。しか
し、金属材料の表層部に存在する抗菌性金属元素が専ら
抗菌作用に寄与し、マトリックスの内部に含まれる抗菌
性金属元素はほとんど抗菌作用に関与しない。そのた
め、金属材料に添加された抗菌性金属元素のうち、抗菌
作用に寄与する割合はごく僅かである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】抗菌性金属元素を抗菌
作用に有効に働かせるためには、金属材料の表層部に抗
菌性金属元素を分布させる必要がある。しかし、溶射,
スパッタリング,CVD等の方法で金属材料の表面に抗
菌性金属元素を付着させても剥離・脱落し易く、加工後
に抗菌性を持続させることが困難である。本発明は、こ
のような問題を解消すべく案出されたものであり、アル
ミニウム又はアルミニウム合金めっき層に抗菌性金属元
素であるモリブデン金属粉末粒子を一部が露出した状態
で分散させることにより、アルミニウムめっき本来の優
れた耐食性及び耐熱性を損うことなく、抗菌性を付与し
たアルミニウム系めっき鋼板を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のアルミニウム系
めっき鋼板は、その目的を達成するため、アルミニウム
又はアルミニウム合金めっき層の表面にモリブデン金属
粉末が露出状態で付着していることを特徴とする。モリ
ブデン金属粉末は、2.0g/m2 以上の付着量でアル
ミニウム又はアルミニウム合金めっき層の表面に付着さ
せることが好ましい。
【0005】
【作用】本発明では、溶融めっき法で製造されるアルミ
ニウム又はアルミニウム合金めっき鋼板(以下、アルミ
ニウム系めっき鋼板という)を下地として使用する。ア
ルミニウム合金めっきには、Al−Si合金めっき,A
l−Si−Fe合金めっき,Al−Zn合金めっき等が
ある。アルミニウム系めっき鋼板は、耐食性及び耐熱性
に優れていることは勿論、亜鉛,錫,鉛等に比較して活
性度が高く、抗菌性金属元素として使用されるモリブデ
ンに対する親和性にも優れている。アルミニウム系めっ
き鋼板を下地にすることから、モリブデンを抗菌性金属
元素として使用する。抗菌性金属元素には、モリブデン
の外に銀,銅,鉄,錫等が知られている。しかし、銀は
モリブデンに比較して高価な金属であり、銅,鉄,錫が
アルミニウム又はアルミニウム合金層に混入するとアル
ミニウム系めっき鋼板の特徴である耐食性が著しく損わ
れる。
【0006】この点、モリブデンは、アルミニウム又は
アルミニウム合金めっき層に対する密着性に優れ、めっ
き金属との反応による合金化を生じ難い元素でもある。
そのため、アルミニウム又はアルミニウム合金めっき層
に付着したモリブデン金属粉末は、単体のままでアルミ
ニウム又はアルミニウム合金めっき層に分散し、本来の
抗菌作用を発現する。また、モリブデンがアルミニウム
と合金化しないため、アルミニウム系めっき鋼板本来の
優れた耐食性が維持される。更に、純Alめっき,Al
−Si合金めっき等では通常の腐食環境に曝されるとめ
っき欠陥部で下地鋼板が腐食して赤錆を発生することが
あるが、Moを付着させることによってめっき欠陥部に
当たる下地鋼板の腐食が抑制される。
【0007】モリブデン金属粉末は、溶融めっき法でめ
っき浴から引き上げられた直後の鋼板に吹き付けること
により、アルミニウム又はアルミニウム合金めっき層に
付着する。引上げ直後のアルミニウム又はアルミニウム
合金めっき層は600℃以上の高温で粘性に富んでお
り、この状態のアルミニウム又はアルミニウム合金めっ
き層にモリブデン金属粉末をキャリアガスと共に吹き付
けると、めっき層及び板温が高いことと相俟ってモリブ
デン金属粉末がめっき金属と相互拡散し、良好な密着性
でモリブデン金属粉末がアルミニウム又はアルミニウム
合金めっき層に分散する。他方、600℃を下回る温度
まで降温したアルミニウム又はアルミニウム合金にモリ
ブデン金属粉末を吹き付けると、アルミニウムとモリブ
デンとの相互拡散反応が十分に進行せず、モリブデン粉
末粒子の密着性が低下する。
【0008】アルミニウム又はアルミニウム合金めっき
層に吹き付けられるモリブデン金属粉末の粒径は、粒径
が3μm以上でめっき層厚さ以下の範囲が好ましい。粒
径が3μmに満たないモリブデン金属粉末では、衝突エ
ネルギーが小さいため吹付け時にめっき層表層にある酸
化膜を突き破れず、アルミニウムとの相互拡散反応が阻
害され、付着効率が低下する。逆にめっき層厚さより大
きな粒径のモリブデン金属粉末では、めっき層に衝突し
て下地鋼に達する貫通孔をめっき層に開ける虞れがあ
る。このような貫通孔が形成されると、貫通孔を介して
下地鋼が露出するため耐食性が劣化する。
【0009】アルミニウム又はアルミニウム合金めっき
層から露出した状態でモリブデン金属粉末を付着させる
ためには、吹付け時のキャリアガス速度を1〜50m/
秒の範囲に設定することが好ましい。1m/秒に達しな
いキャリアガス速度では、吹付け時にめっき層表層にあ
る酸化膜が破れず、モリブデンとアルミニウムとの相互
拡散反応が抑制されるためモリブデンの付着効率が低下
する。逆に50m/秒を超える吹付け速度では、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金めっき層にモリブデン粉末
粒子が埋没し、抗菌性に有効なめっき層表層から露出し
たモリブデン粉末粒子の割合が少なくなる。
【0010】
【実施例】板厚0.8mm,板幅100mmの鋼板を脱
脂した後、Al−9.5重量%Si−1.8重量%Fe
の組成をもつ温度660℃の溶融めっき浴に導入した。
溶融めっき浴から引き上げられた鋼板にワイピングガス
を吹き付け、めっき付着量を120g/m2 に調整し
た。次いで、鋼板及びめっき層が高温状態にあるときモ
リブデン金属粉末を溶融アルミニウム合金めっき層に吹
き付けて付着させた。モリブデン粉末の付着量は、吹付
け時間によって13g/m2 以下の範囲で変化させた。モリブデン金属粉末の吹付け条件 吹付け時の鋼板温度:630℃ モリブデン粉末の平均粒径:15μm キャリアガス:N2 めっき層に衝突したときのキャリアガス速度:20m/
秒 モリブデン付着量:0〜13g/m2
【0011】モリブデン付着量を種々変化させたアルミ
ニウム系めっき鋼板から試験片を切り出し、抗菌性試験
に供した。抗菌性試験では、大腸菌及び黄色ブドウ球菌
を普通ブイヨン培地で35℃,16〜24時間振盪培養
し、培養液を用意した。培養液を滅菌リン酸緩衝溶液で
20000倍に希釈して菌液を調製した。菌液1mlを
試験片の表面に滴下し、35℃で24時間保存した。保
存後、試験片をSCDLP培地で洗い出し、得られた液
について標準寒天培地を用いた混釈平板培養法(35
℃,2日間培養)で生菌数を測定した。比較のため、モ
リブデン粉末を付着していないアルミニウム系めっき鋼
板についても、同じ条件下で抗菌性試験した。表1の試
験結果にみられるように、モリブデン粉末を付着させた
試験片では、24時間保持後の生菌数が大幅に少なくな
っており、アルミニウム系めっき鋼板に十分な抗菌性が
付与されていることが判る。
【0012】
【0013】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のアルミ
ニウム系めっき鋼板は、耐食性に優れたアルミニウム又
はアルミニウム合金めっき層の表面にモリブデン粉末を
付着している。モリブデン粉末粒子は、アルミニウムと
合金化反応することなく、粒子状態でアルミニウム又は
アルミニウム合金めっき層に分散する。そのため、アル
ミニウム系めっき本来の優れた耐食性を損うことなく、
モリブデンにより抗菌性が付与される。めっき層に分散
しているモリブデン粉末粒子は密着性に優れているた
め、加工後にも剥離や脱落することがなく良好な抗菌性
が持続される。このようにして抗菌性が付与されたアル
ミニウム系めっき鋼板は、アルミニウム系めっき本来の
耐食性及び耐熱性を活用し、電子レンジ,オーブントー
スタ等の調理用機器や厨房用機器として使用される。
フロントページの続き (72)発明者 守田 芳和 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 (72)発明者 斎藤 実 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K044 AA02 AB02 BA02 BA10 BB11 CA11 CA25

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金めっ
    き層の表面にモリブデン金属粉末が露出状態で付着して
    いることを特徴とする抗菌性を付与したアルミニウム系
    めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 2.0g/m2 以上の付着量でモリブデ
    ン金属粉末がアルミニウム又はアルミニウム合金めっき
    層の表面に付着している請求項1記載の抗菌性を付与し
    たアルミニウム系めっき鋼板。
JP11213139A 1999-07-28 1999-07-28 抗菌性を付与したアルミニウム系めっき鋼板 Withdrawn JP2001040489A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114401635A (zh) * 2019-08-29 2022-04-26 克劳生物技术股份有限公司 抗病原体组合物

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Effective date: 20061003