JP2841233B2 - シリコン樹脂被覆鋼板およびその製造方法 - Google Patents

シリコン樹脂被覆鋼板およびその製造方法

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英敏 田中
幸夫 内田
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雅一 江村
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、加工性に優れたシリコン樹脂被覆鋼板およ
びその製造方法に関する。
(従来技術) 近年、鋼板にセラミックス皮膜を形成して、鋼板の耐
熱性、耐食性、耐摩耗性および遠赤外線放射特性等を向
上させることが行なわれている。このセラミックス皮膜
は、セラミックスペースト塗料やセラミックスフリット
を鋼板に塗布した後高温で焼成により形成する方法によ
り行なわれている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、セラミックス皮膜は、加工性が劣り、種々の
形状に加工すると、皮膜にクラックが発生したり、剥離
したりして、目的の形状に加工できないものであった。
このため、セラミックス皮膜の形成は、鋼板を目的の形
状に加工した後にペースト塗料やフリットを塗布して焼
成する方法で行わなければならなかった。しかし、この
方法は、製造効率が非常に低いため、コストが高いもの
であった。また、加工後高温焼成すると、加工時のひず
みが復元して、形状が損なわれる場合が多かった。
セラミックス皮膜の加工性を良好にするには、皮膜厚
を0.6μm以下にすればよいのであるが、皮膜厚をこの
ように薄くすると、セラミックス特有の特性が十分発揮
できないものであった。
そこで、本発明は、皮膜厚が厚くても加工性の優れた
耐熱性皮膜で被覆した鋼板およびその製造方法を提供す
るものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、鋼板表面に金属粉末を含有するメチルシリ
コン樹脂皮膜を1〜15μm形成した。そして、鋼板への
このメチルシリコン樹脂皮膜の形成をモノメチルトリア
ルコキシシランを1重量%以上含有するアルコール溶液
に平均粒径が0.01〜5μmの金属粉末を添加して、その
添加溶液を鋼板表面に塗布した後、150℃を越える温度
で加熱して、金属粉末含有シリコン樹脂皮膜を1〜15μ
m形成するようにした。
(作用) 本発明で鋼板に形成するシリコン樹脂皮膜をメチルシ
リコン樹脂にしたのは、Siと結合しているアルキル基が
炭素数2以上のものであると、炭素数の増加に伴って耐
熱性が低下し、また、ジメチルシリコン樹脂であると、
ポリマーは、線状ポリマーであるため、皮膜の密着性が
劣るためである。
メチルシリコン樹脂皮膜は、金属粉末を含有させる
と、無添加の場合より皮膜硬度が高くなる。しかし、そ
れにも拘わらず皮膜の加工性は向上する。この理由につ
いては明確でないが、次のような理由が掲げられる。
(1)金属粉末はメチルシリコン樹脂皮膜自体より延性
に富んでいるため、皮膜に延性が付与される。
(2)加工の際、皮膜にかかる応力を金属粉末か緩和す
る。
(3)金属粉末の熱膨張係数は、鋼板と近似しているた
め、溶液皮膜を加熱して樹脂皮膜にする際皮膜に発生す
る残留応力が少なくなり、加工してもクラックが発生し
にくくなる。
(4)金属粉末は、無機酸化物に比較して、加工時に皮
膜に生じる応力を緩和したり、クラックの進展を防止し
たりする効果が大きい。
この金属粉末は、単体金属、合金であってもよい。こ
の金属粉末の好ましいものとしては、Mg、Ni、Fe、Zn、
Al、Cu、W、Zn−Al、Cu−Zn、ステンレス鋼などの粉末
があるが、耐食性を考慮した場合、Ni、Al、Zn−Al、ス
テンレス鋼などの粉末が好ましい。
金属粉末は、導電性を有しているため、セラミックス
皮膜やメチルシリコン樹脂皮膜自体より電気抵抗溶接性
に優れ、スポット溶接が可能である。
金属粉末の皮膜中への含有量は、1〜20重量%にする
のが好ましい。これは、金属粉末が1重量%未満である
と、加工性や溶接性が十分でなく、20重量%より多くす
ると、皮膜の加工性が低下してしまうからである。
皮膜厚は1〜15μmにする。1μm未満であると、耐
熱性、耐食性が劣り、15μmを越えると、クラックや剥
離が生じ易くなる。
メチルシリコン樹脂皮膜の形成は、モノメチルトリア
ルコキシシランのアルコール溶液に金属粉末を添加した
溶液により行う。この溶液を鋼板に塗布して空気中の水
分で加水分解させてシラノールした後、または塗布前に
溶液に水と必要に応じて酸もしくはアルカリの添加して
加水分解させることによりシラノールにし、そのシラノ
ールを鋼板に塗布した後に鋼板を加熱すると、シラノー
ルは脱水縮合して三次元構造のメチルシリコン樹脂皮膜
が形成される。
モノメチルアルコキシシランの濃度は、加熱後の皮膜
を1μm以上にするため、1重量%以上にする。また、
溶解させるアルコールとしては、沸点が低く、安価な低
級アルコールが好ましい。さらに、添加する金属粉末と
しては、0.01〜5μmのものにする。これは、平均粒径
が0.01μm未満の微粒子にすると、高価になり、5μm
を超えるものにすると、皮膜中に分散しにくく、加工性
も悪くなるためである。
溶液の鋼板への塗布は、公知方法、例えば、ロールコ
ート法、スプレー法、浸漬法などで均一に行えばよい。
加熱温度は150℃を越える温度にすれば良好な皮膜が
形成されるが、溶媒のアルコールの突沸を抑制するた
め、450℃以下にするのが好ましい。樹脂皮膜は、加熱
温度が低い程皮膜が柔らかく、加工性が良好になるの
で、加熱温度は使用目的に合わせて設定するのが好まし
い。
なお、鋼板については、特に限定はなく、目的、用途
に応じて、例えば、普通鋼鋼板、ステンレス鋼板、各種
めっき鋼板(例えば、Alめっき鋼板、Cuめっき鋼板、Zn
めっき鋼板など)などを選択すればよい。
(実施例) モノメチルエトキシシラン15重量%、水0.1重量%、
塩酸0.02重量%のイソプロピルアルコール溶液に第1表
に示す金属粉末を添加して、これを板厚0.4mmのステン
レス鋼板(SUS304、2D仕上げ)または溶融Alめっき鋼板
の表面に塗布した後、加熱して、メチルシリコン樹脂皮
膜を形成した。そして、室温に冷却した後、皮膜硬度測
定、加工密着性試験および溶接性試験を実施した。
この結果を第1表に示す。
なお、試験および評価は、次のようにして行った。
(1)皮膜硬度測定 JIS G 3312の着色亜鉛鉄板に規定する鉛筆硬度試験に
準じ、硬度が2B〜9Hの三菱ユニ鉛筆を用いて、皮膜硬度
を測定した。
(2)加工密着性試験 デュポン衝撃加工、エリクセン張り出し加工(6mm張
り出し)、2T曲げ加工の各加工後、加工部にセロテープ
を貼付け、その後剥離するテーピング試験を行い、皮膜
の剥離程度を次の基準で評価した。
○ 全く剥離なし △ 一部剥離した × 全面剥離した (3)溶接性試験 電極CF型−3.0mmφ、通電時間10サイクル、加圧力200
Kgfでスポット溶接を行った後、引張試験を行い、溶接
部の引張強度を次の基準で評価した。
◎ 201Kgf以上 ○ 101〜200Kgf △ 100Kgf以下 × 溶接できず (発明の効果) 以上のように、本発明鋼板の皮膜は、メチルシリコン
樹脂であるので、耐熱性を有し、高温での用途に使用で
きる。また、高温で皮膜が分解されても、ケイ素酸化物
が皮膜となって残るので、セラミックス皮膜に近似した
耐熱性を発揮する。さらに、皮膜が加工性に優れている
ので、皮膜を厚くしても加工の際にクラックや剥離が発
生しにくい。
フロントページの続き (72)発明者 江村 雅一 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株 式会社鉄鋼研究所表面処理研究部内 (56)参考文献 特開 昭63−172640(JP,A) 特開 昭63−280770(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 15/08 B05D 7/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板表面に金属粉末を含有するメチルシリ
    コン樹脂皮膜を1〜15μm形成したことを特徴とするシ
    リコン樹脂被覆鋼板。
  2. 【請求項2】メチルシリコン樹脂皮膜に金属粉末を1〜
    20重量%含有させたことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項に記載のシリコン樹脂被覆鋼板。
  3. 【請求項3】モノメチルトリアルコキシシランを1重量
    %以上含有するアルコール溶液に平均粒径が0.01〜5μ
    mの金属粉末を添加して、その添加溶液を鋼板表面に塗
    布した後、150℃を越える温度で加熱して、金属粉末含
    有メチルシリコン樹脂皮膜を1〜15μm形成することを
    特徴とするシリコン樹脂被覆鋼板の製造方法。
JP16929990A 1990-06-27 1990-06-27 シリコン樹脂被覆鋼板およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2841233B2 (ja)

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JP2011032343A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Kenichi Yasuda 塗料組成物
JP6344223B2 (ja) * 2014-12-05 2018-06-20 新日鐵住金株式会社 溶接性と塗装後耐食性に優れる熱間プレス用Alめっき鋼材

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