JP2001036333A - ハンドヘルド型携帯電話機用スタックアンテナ - Google Patents

ハンドヘルド型携帯電話機用スタックアンテナ

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JP2001036333A
JP2001036333A JP11206928A JP20692899A JP2001036333A JP 2001036333 A JP2001036333 A JP 2001036333A JP 11206928 A JP11206928 A JP 11206928A JP 20692899 A JP20692899 A JP 20692899A JP 2001036333 A JP2001036333 A JP 2001036333A
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Japan
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antenna
circularly polarized
patch antenna
short
rectangular patch
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JP11206928A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Arai
宏之 新井
Hideo Mitsumoto
秀夫 光本
Shigehisa Yoshimoto
繁壽 吉本
Toshiaki Sato
俊明 佐藤
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JISEDAI EISEI TSUSHIN HOSO SYS
JISEDAI EISEI TSUSHIN HOSO SYSTEM KENKYUSHO KK
Original Assignee
JISEDAI EISEI TSUSHIN HOSO SYS
JISEDAI EISEI TSUSHIN HOSO SYSTEM KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】衛星通信用携帯電話機に適した、2周波分離型
円偏波スタックアンテナの提供。 【解決手段】矩形パッチアンテナ18,19を2段重ね
にしてスタック化した、送受の周波数を分離する2周波
分離型円偏波スタックアンテナにおいて、上層の矩形パ
ッチアンテナ18への給電は、下層のパッチアンテナ1
9面を短絡する円環状の孔を通り上層アンテナ18まで
伸びた給電線25により行われる。下層パッチアンテナ
19面のショートを円環状の筒部分のみとし、下層の矩
形パッチアンテナ19の縦または横の辺の長さを調整し
て各方向の共振周波数を一致させ、下層アンテナ19の
対角線上に設けられた給電点24により励振して円偏波
を発生させる。上層の矩形パッチアンテナ18の直下に
ある誘電体を2枚板構成とし、その板に間隙を設けて、
上層アンテナ18への給電線25を1本通して円偏波を
励振し、静止衛星を用いた移動体通信である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信、特に
静止衛星を用いた移動体通信におけるハンドヘルド型携
帯電話機用のアンテナで、マイクロストリップ構造の送
受の2周波分離型円偏波スタックアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】移動体通信におけるハンドヘルド型携帯
電話機(特願平9−36899号)が同じ出願人によっ
て提案されている。該提案を図16を用いて簡単に説明
すると、図16は、上記提案の衛星通信用ハンドヘルド
型携帯電話機の基本的構成を示す。該携帯電話機51
は、その筐体背面52に、先端付近に小型アンテナを取
り付けたアンテナ展開部材53を有する。該展開部材5
3は、常時は前記携帯電話機筐体の背面52に収納さ
れ、使用時には図16(b)の矢印aに示すように前記
携帯電話機筐体の背面長手方向に対してほぼ垂直になる
ように展開する。前記アンテナ展開部材53は、図16
(b)に示すようにアンテナを支える板と薄い平面のパ
ッチアンテナ54および図示されない給電部から構成さ
れる。同図で55は、人間頭部を示し、携帯電話機は通
常筐体長手方向の向きが垂直方向から約60°傾いた状
態で使用されることが多い。
【0003】従って、前記パッチアンテナ54を天井方
向に向けるためには、携帯電話機筐体の背面上で図16
(b)の矢印bの如く、回転させる必要がある。すなわ
ち、図16(a)のように展開部材53が収納されてい
る状態から衛星通信を始めるとき、次のようにアンテナ
を展開する。
【0004】展開部材53は図16(b)の矢印aの方
向に携帯機筐体の背面52に対してほぼ垂直に展開され
る、さらに展開部は大地の傾き角を考慮して大地に対し
てほぼ水平となるように図16(b)の矢印bの方向に
数十度回転し固定される。
【0005】この大地に対してほぼ水平になるような固
定は、携帯電話機を持つ手の指でボタンを押すことをき
っかけに回転し固定される構造とし、携帯機が頭部の
右、または左側にあっても水平が保てるようにする構造
が望ましい。
【0006】アンテナは、展開部材の先端付近に取り付
け、その位置を適正に選ぶことにより頭部による影響を
極めて受けにくくできる。このように上記提案は、ハン
ドヘルド型携帯電話機の背面に収納されたアンテナ板
(展開部)にマイクロストリップアンテナを取り付け
て、使用時にはまず展開部を携帯電話機の背面に対して
ほぼ垂直になるように展開し、さらに携帯電話機が人体
頭部の左側で使われても右側で使われても小型アンテナ
が大地に対してほぼ水平な面に設置できるように回転し
固定して小型アンテナを使用できるようにしたアンテナ
展開構造を有するハンドヘルド型携帯電話機である。
【0007】携帯電話機の小型・軽量化に有用なマイク
ロストリップアンテナに関しての従来技術の一例は、文
献「図説・アンテナ 後藤尚久著」(p.231-232 )に示
されている。文献によると、移動体衛星通信用のアンテ
ナとしてはマイクロストリップアンテナをスタック化
し、送信信号と受信信号を自分で分離する特性を有する
セルフダイプレクシング(Self-diplexing)アンテナと
して紹介されている。
【0008】これは、大きさの異なる円形のパッチアン
テナを重ねて1つのアンテナとする方法である。2つの
パッチアンテナに直接給電する方法として、先ず、図1
(a)に示すように下層のパッチアンテナ1への給電
は、中心からずれた位置で同軸線路の内部導体2を接続
し、上層の円形パッチアンテナ3への給電は図1(b)
に示すように、下層の円形パッチの中心の導体線を太く
し(円環アンテナになる)、太い導体線4の内部を貫通
する給電線5で行う。なお、図1の下層のパッチアンテ
ナの構造は、図1(a)と同じであり、6は上層パッチ
アンテナの支持部である。
【0009】このようにして作られたアンテナは、上下
のパッチアンテナに、それぞれ独立に給電することがで
き、それぞれのアンテナは独立に設計できる。また、送
信と受信に別々の給電回路を用いるため送受信信号を分
離できる利点を有している。なお、円偏波励振のため、
図2に示したように上下のパッチアンテナをそれぞれ独
立に2点(7,8及び9,10)で給電し、2点間の給
電位相を90゜シフトさせて給電している。なお、図2
において、11は金属体であり、下層のパッチアンテナ
のアース部(円形パッチアンテナの中心部の電界は0)
となっている。
【0010】以上のような従来の円偏波スタックアンテ
ナには次のような問題点がある。 (1)送受信用円偏波アンテナとしては、従来技術の円
形パッチアンテナと円環アンテナで構成されるスタック
化アンテナは、パッチ面が大きくなるので、小型化が重
要な移動体通信用携帯電話機のアンテナとしては、改善
の余地があった。 (2)円形パッチアンテナの中心に円筒上の零電位部を
作った円環アンテナでは、円環部を作るため構造が複雑
になり、製作が難しい問題点があった。 (3)従来技術で円偏波を発生させるためには、2点給
電し、位相を90゜シフトさせる必要があり、構造が複
雑であった。
【0011】発明者は、上記従来の問題点を改良し、特
に移動無線用ハンドヘルド携帯電話機に適した小型で、
構造が簡単で、給電が容易な一点給電円偏波スタックア
ンテナを既に提案している(特願平10−67643
号)。該提案のものを、図3〜図4に示す。
【0012】しかし、上記提案のものは、上層、下層間
の結合特性(アイソレーション)に問題があり、下層ア
ンテナに用いられるショートの数が4ケ所と多く、製作
に手間がかかる欠点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記従来
の問題点を改良し、下層アンテナのショートを上層への
給電線を通す金属製の円環状のショートの1個所のみと
し、該円環状のショートを採用することにより上層、下
層アンテナ間のアイソレーションを改善すると共に、該
該円環状のショートを採用することによる下層アンテナ
の縦・横共振周波数のずれを調整したものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる円偏波
スタックアンテナは、移動体通信におけるハンドヘルド
型携帯電話機に用いられ、上層及び下層アンテナのそれ
ぞれを矩形パッチアンテナを用いて該矩形パッチアンテ
ナを2段重ねにしてスタック化した、送受の周波数を分
離する2周波分離型円偏波スタックアンテナにおいて、
上記上層の矩形パッチアンテナへの給電は、上記下層の
矩形パッチアンテナの縦または横の中心線上において下
層アンテナを貫通し、下層のパッチアンテナ面を短絡す
る円環状の孔を通り上層アンテナまで伸びた給電線によ
り行われることを特徴とする。
【0015】さらに、前記下層パッチアンテナ面の支持
用のショートを前記円環状の筒部分のみとし、前記下層
の矩形パッチアンテナの縦または横の辺の長さを調整し
て各方向の共振周波数を一致させ、下層アンテナの対角
線上に設けられた給電点により励振して円偏波を発生さ
せることを特徴とする。
【0016】前記上層の矩形パッチアンテナの直下にあ
る誘電体を2枚板構成とし、その2枚の板に間隙を設け
て、該間隙に前記上層アンテナへの給電線を1本通して
円偏波を励振し、前記移動体通信が静止衛星を用いた移
動体通信であることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】次に本発明の前提となる従来提案
の実施例について図3〜図7を用いて説明する。
【0018】図3〜図4に上記従来提案の円偏波スタッ
クアンテナの実施例を示す。図3(a)は全体斜視図で
あり、図3(b)は図3(a)のA−A断面図である。
図4は、図3(a)の上面図であり、実際の設計数値が
記入されている。図3(a)において、18は上面パッ
チアンテナ面、19は下層のパッチアンテナ面、20,
21は誘電体(例えば、アルミナ等のセラミック)、1
3は上層パッチアンテナの給電点である。図3には図示
されないが、図4における24が下層アンテナの給電点
である。図4(b)の下層アンテナは、給電点24に給
電されると、アンテナ面の縦・横方向に励振され円偏波
が生じることが知られている。
【0019】図3,図4において、14〜17は下層ア
ンテナのアース点に設けられた下層のアンテナとアース
間に設けられたショートピンである。該ショートピン
は、上層のアンテナ18がパッチアンテナとして動作す
るとき、下層のアンテナ面19を該上層のアンテナ面1
8に対してアース面とするため設けられている(ただ
し、ピン14は、後述するように下層アンテナを貫通し
て同軸構造を形成している給電線であり、該給電線14
は下層アンテナのアース点に位置しているだけであっ
て、下層アンテナとは非接触である。従って、その14
の位置においては、下層アンテナとアース間の短絡はし
ていない。ただし、同軸構造の外側25は図3(b)に
見られる如く、誘電体21にスルーホールを形成して、
該ホールの内側は金属メッキされているので、該同軸構
造の外側部分は下層のアンテナとアース間を短絡してい
る。)。
【0020】該ピンは中心点に対称に面の縦・横それぞ
れの中心線上に対になって設けられる。縦・横の中心線
上は励振電流の電界分布が理論上0となるアース点であ
るが、ピンの太さ等により若干の影響が出るので、図の
如く中心点に対して対になって設けられている。こうす
ることにより、上記ピンの太さ等により生じた不平衡成
分がお互いにキャンセルされて、アンテナ動作への影響
を無くすることができる。上層アンテナへの給電は上記
下層アンテナのアースピンの一つ14の位置に設けられ
た同軸構造の給電線(内導体)を上層アンテナにまで延
長する(図3の13)ことにより行われる。該給電線
(ピン)13,14は図3(b)の断面図に示されるよ
うに、下層アンテナ面及び最下層のアース面26を貫通
して、同軸構造(25)となっている。上層のアンテナ
は、かくして下層のアンテナ面19をアース面とする
(該アースはピン15〜17や前記同軸構造の外側部分
によって具現される)パッチアンテナが形成される。一
方、下層アンテナは、面19を励振面とし、全体のアー
ス面26をアースとするパッチアンテナが形成される。
【0021】図より明らかなように、上層アンテナの給
電線は、下層アンテナのショート部分を介して同軸構造
で上部に導かれるので、該給電が下層アンテナに影響を
与えることはない。この実施例では、上層アンテナの誘
電体が真ん中で二つに分離され、間隙23が設けられて
いる。これは前述の如く、上層アンテナに対しても通常
の構造であれば、給電点13は理論上アース点になって
しまうので、誘電体に上記間隙を形成して励振分布に不
平衡成分を生じせしめ、円偏波を発生するための工夫で
ある。円偏波を発生させるため、角を切るとかして不平
衡を形成する工夫はいろいろ知られているが、この発明
では前記給電点13を下層アンテナのアース点からの延
長上に設けて構造を簡単にした工夫との関係上、上記誘
電体を二つに分離する構造が好適である。使用周波数
は、例えば、2.5GHz(下層アンテナ)と2.8G
Hz(上層アンテナ)である。
【0022】上記従来提案のものは、前記同軸構造の外
側25は図3(b)に見られる如く、誘電体21にスル
ーホールを形成して、該ホールの内側は金属メッキされ
ており、該同軸構造の外側部分は下層のアンテナとアー
ス間を短絡している。また、別途支持用のショートピン
を3ケ所設けている(図4の15,16,17)。
【0023】従って、上記提案のものは、下層アンテナ
に用いられるショートの数が4個所(上記支持用ショー
トピン3個所+スルーホール1個所の計4個所)と多
く、製作に手間がかかる欠点があった。また、上層、下
層間の結合特性(アイソレーション)が十分でない問題
があった。
【0024】この発明は、上記従来の問題点を改良し、
下層アンテナのショートを上層への給電線を通す円環状
のショートの1個所のみとし、該円環状のショートを金
属製の構造を採用することにより、上層、下層アンテナ
間のアイソレーションを改善すると共に、該円環状のシ
ョートを採用することによって生じる下層アンテナの縦
・横共振周波数のずれをその辺長により調整したもので
ある。
【0025】以下、具体的に本発明の実施例を説明す
る。図3に本発明のスタックアンテナの実施例の全体斜
視図を示す。すなわち、該構造は、基本的に従来提案の
ものと同じである。
【0026】図5にこの発明のスタックアンテナの下層
アンテナの構造を示す。前記従来提案の図4のショート
ピン(15,16,17)は図5においては存在しな
い。その代わり、図4の14に相当する図5の14’は
金属製で円環状の構造(以下、円環ショートという。)
とし、該円環ショートだけで下層のパッチアンテナ面を
支持する構造となっている。上層アンテナの給電線は該
円環ショートの中心を通って上層パッチアンテナ面の給
電点に接続されている。従って、該円環ショートの部分
は上記給電線としては同軸構造となっている。
【0027】図6には、上記図5のスタックアンテナに
おいて、上記円環状の孔の有無によるリターンロスの違
いを測定した結果を示している。図において、31が上
記孔が無い場合のリターンロスであり、32は2つの曲
線が重なっているが、上記孔のある場合のリターンロス
特性である。なお、一点鎖線のものは、下側コネクタが
ついているもの、すなわち上層アンテナ給電用コネクタ
ー及び給電線がついているものの特性であるが、図に見
られる如く、下側コネクタの影響はほとんど無い。な
お、上記リターンロスとは反射減衰量のこと、すなわち
伝送線上の不連続点における入射電力と反射電力のデシ
ベル比である。
【0028】図より、下層アンテナに給電線が通る程度
の小さい孔(例えば、比誘電率4.2の基板に、2GH
z帯用の矩形パッチアンテナを作る場合、3mm程度)を
開けても、殆ど影響がないことが分かる。
【0029】図7は、本発明の上記円環ショート部分の
さらに詳細な構造図である。図において、33が下層の
パッチアンテナ面、34が上層アンテナへの給電線、3
5が該給電用のコネクタ、36が上記円環ショートの部
分である。図7(b)は図7(a)を上方から見た図で
ある。
【0030】図8には、上記円環ショートの有無による
アンテナ特性の違いを測定した結果を示す。アンテナ専
有面積の低減を図るために、2つのアンテナを上下に重
ねる積層型構造を採っているため、アンテナ間の距離が
非常に短くなっている。そのためアンテナ間の相互結合
量(アイソレーション)が問題となる。この発明は前述
の如く、該相互結合を低くするため前記円環ショートを
用いているが、該円環ショートをしないで、孔の周囲に
何の処理もせずに地板とパッチをオープンにした状態の
場合の測定結果が図8の37と39であり、円環ショー
トを用いた場合の測定結果が38と40である。測定は
上層アンテナは形成せずに下層アンテナと上層用給電コ
ネクタとの相互結合を測定している。
【0031】孔の周囲をオープンにした状態では、相互
結合が最大で−18dBとなるのに対し、円環ショート
を行った場合は、相互結合が最大でも−33dB以下と
なっている。ただし、円環ショートを行った、図8の3
8において、下層アンテナのリターンロス特性に2個所
で共振特性が見られるようになった。
【0032】さらに、この2つの共振周波数における励
振偏波を見るため、Zx 面とYz 面に沿った電界の周波
数特性を測定した結果を図9に示す。図中、41がZx
面、42がYz 面である。Zx 面に沿った方向が円環シ
ョートをしていないものと比較して殆ど変化していない
ことから、円環ショートをすることによる影響はYz面
方向の電界分布で、すなわちパッチに関してはY軸方向
のみであることが分かる。片方の偏波のみが上記円環シ
ョートの影響を受ける周波数特性が変化したため円偏波
励振が行えない。そこでアンテナサイズのパラメータを
変化させながら円偏波励振が行えるように工夫を行っ
た。この実施例を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から分かるようにX軸方向のサイズを
変更している。これは上記図9の周波数の変化がY軸に
平行な偏波の共振周波数とX軸に平行な偏波の共振周波
数が円環ショートの存在のためずれてしまっているため
に生じる、すなわちこの発明の矩形パッチアンテナは対
角線上の1点に給電し、Yz 成分とZx 成分の位相差を
90度にして円偏波を発生させているが、上記のように
円環ショートを設けると、Zx 成分は円環ショートがあ
ってもパッチの対称性が維持されているため共振周波数
への影響は少ないが、Yz 成分については円環ショート
の存在により対称性がなくなり電流分布に大きな影響が
生じて、結果的にY軸に沿った辺が短縮したのと等価に
なっていると考えられる。従って、X、Y軸方向相互の
サイズを変更したものである。この下層アンテナの実施
例のアンテナパラメータを表1に示し、その測定結果を
図10,図11に示す。
【0035】図10,図11から、円偏波が励振され、
かつ前記相互結合が低いも(図10の45)のができて
いることが分かる。なお、図11の46はYz 方向の位
相特性であるが、47は前記パッチアンテナの斜め45
度方向の位相特性である。
【0036】該47は測定の都合上でプロットしたもの
であるが、該45度方向はYz 方向とZx 方向の特性が
結合されたものであるため、上記46と併せて見るなら
ば、Zx 方向の特性も見て取ることができる。
【0037】この下層アンテナの上に図12の上層アン
テナを形成し、積層型(スタック)アンテナを設計し
た。この実施例のアンテナパラメータを表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】上記上層アンテナは、図3に示される基本
構造と同じく、誘電体20が1枚板ではなく平行に並べ
た2枚の長方形を用いている。これは給電位置の調整を
容易にするためであって、特に分割しなくてもよい。
【0040】上記上層、下層アンテナを図3のように上
下に重ねて積層型にした場合の測定結果を図13,図1
4に示す。図13より、下層アンテナ、上層アンテナ共
に二重共振が生じていることがわかり、また相互結合も
最大で−20dB、それぞれの共振周波数では−23d
Bまでに抑えられていることが分かる。すなわち、それ
ぞれのアンテナは独立に動作し、Self-Diplexingアンテ
ナとして動作していることが分かる。
【0041】また、下層、上層アンテナの放射指向性特
性を図14,図15に示す。両図より、下層、上層共に
直交する偏波の位相差が約90度取れているため、広い
範囲で軸比が抑えられており、特に±45度以内では軸
比が2dB以下となっており、十分円偏波励振がなされ
ていることが分かる。なお、上記「二重共振」とは図1
3のUpper アンテナのリターンロスが割れていることを
いう。Lower のアンテナも図13では明確でないが実際
は二重共振となっていて、いずれのアンテナもそれによ
って円偏波を放射している。
【0042】なお、上記従来提案のものを含め、本発明
は、矩形のパッチアンテナをスタック化して小型化を図
った点を最大の特徴とするが、以下従来の円形パッチア
ンテナを用いたスタックアンテナとの比較を述べると、 (1)円環アンテナ(下層)と円形パッチアンテナ(上
層)で構成される従来のスタック化アンテナは、円環ア
ンテナの中心部がアンテナとして、まったく作用しない
ためパッチ面が大きくなる。また、円形パッチアンテナ
自体も同じ周波数で共振する矩形パッチアンテナに比べ
て大きくなる。本発明は、小型化をはかるために、図3
に示すように矩形パッチアンテナを用いたスタック化ア
ンテナとしている。 (2)円環パッチアンテナ(下層)と円形パッチアンテ
ナ(上層)を用いた従来方式では、円環のため構造が複
雑になり、製作が難しかったが、矩形パッチアンテナを
スタック化し、下層アンテナの矩形の縦横の中心線上に
円環ショートを設け、該円環ショートを貫通して上層ア
ンテナへの給電線を1本通したことにより、構造が簡単
で製作も容易な小型スタックアンテナが実現できた。 (3)本発明のスタックアンテナは、上層アンテナへの
給電をそれぞれ1 点給電としている。そして、下層アン
テナの矩形パッチ面の縦横の中心線上またはその近辺に
上層アンテナへの給電線を1本通し、かつ上層アンテナ
の直下にある誘電体を2枚板構成とし、その間(間隙)
から上層アンテナへの給電線を通して給電し、円偏波を
発生せしめている。
【0043】従って、本発明のスタックアンテナは、従
来の円形パッチアンテナを用いたスタックアンテナと比
較すると、以下のような効果が生じている。 (1)スタック化アンテナを矩形パッチアンテナで構成
することで、 さらに、小型化される。 (2)円環パッチアンテナ(下層)と円形パッチアンテ
ナ(上層)の従来方式では、円環のため構造が複雑にな
り、製作が難しかったが、矩形パッチアンテナをスタッ
ク化し、下層アンテナの矩形の縦横の中心線上に円環シ
ョートを設け、該円環ショートを貫通して上層アンテナ
への給電線を1本通したことにより、下層アンテナの電
界分布の乱れを軽減する簡易な方法で、構造が簡便にな
る。 (3)(3−1)上層の矩形パッチアンテナへの給電を
1 点給電にすることにより、円偏波を発生させる簡便な
構造となる。 また、上層アンテナに、堅い高誘電率基板
を用いる必要がある場合には、従来のように矩形面の対
角線上に給電(例えば、図4の24のように)して円偏
波を発生させる方法は新たに上記基板に穴をあけねばな
らず、加工性に問題点があったが、上層アンテナの直下
にある誘電体を2つに分け、 その間から上層アンテナへ
の給電線を通して、 給電することで、 上層アンテナの対
角線上に給電することなく、 かつ特にパッチ面を新たな
形状にすることなく、円偏波が簡易な構造で発生でき
る。 これは、 上層アンテナの直下にある誘電体が途中で
分断されているので、縮退が起こり円偏波が発生するこ
とを利用しているからである。
【0044】(3−2)また、上層アンテナの矩形パッ
チの対角線上に給電点を設けて、簡易に円偏波を励振す
ると上層アンテナが下層アンテナのパッチ面からはみ出
し、上層アンテナが簡単に設計できなくなる問題点があ
る。上層アンテナの直下にある誘電体を2つに分け、 そ
の間から上層アンテナへの給電線を通して、 給電するこ
とで、 上層アンテナの対角線上に給電することなく、 円
偏波が、簡易な構造で発生できる。 したがって、 上層ア
ンテナが下層アンテナをはみ出すことがないので、上層
アンテナと下層アンテナを独立に設計できるため、 設計
が簡便になる。
【0045】このように、約2.5GHzと約2.7G
Hzの2周波分離型アンテナが実現できる。
【0046】
【発明の効果】本発明のスタック化矩形パッチアンテナ
を、前記移動体衛星通信におけるハンドヘルド型携帯電
話機に利用すると、アンテナ板の隅に、本発明のスタッ
ク化矩形パッチアンテナを取り付けることにより、携帯
電話機の小型化が実現でき、携帯電話機の機動性が高ま
る効果を奏する。すなわち、矩形パッチアンテナを一点
給電で励振するため、給電部が2カ所(上下、各1)で
済み、また円形パッチアンテナと比較して、パッチ面が
小さくなり、ハンドヘルド型携帯電話機の小型化に貢献
することになる。さらに、スタック化した上層アンテナ
と下層アンテナが独立に設計できるために、設計が簡易
となるとともに、送信と受信に別々の給電回路を用いる
ため、送受信信号を自分で分離でき、デュプレクサが不
要となる。
【0047】さらに、本発明は従来提案のものに比較
し、下層アンテナのパッチ面の支持を下層の矩形パッチ
アンテナの縦または横の中心線上において下層アンテナ
を貫通し、下層のパッチアンテナ面を接地短絡する上層
アンテナまで伸びた給電線の同軸外皮を兼用した円環シ
ョートのみにより行うため、上記中心線上の複数カ所に
設けていたショートピンが不要になるので製作が容易に
なるメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の円形スタックアンテナを示す図である。
【図2】従来の円形スタックアンテナの他の例の上面図
である。
【図3】この発明の円偏波スタックアンテナの基本構成
の全体斜視図である。
【図4】従来提案のスタックアンテナのパラメータを示
す図である。
【図5】本発明のスタックアンテナの下層アンテナの構
造を示す図である。
【図6】本発明のスタックアンテナの下層アンテナのリ
ターン特性を示す図である。
【図7】本発明に用いられる円環ショートの構造を示す
図である。
【図8】本発明に用いられる円環ショートの有無による
アンテナ特性の測定結果を示す図である。
【図9】本発明に用いられる円環ショートを用いた場合
の、辺長の調整を行わなかった時の測定結果を示す図で
ある。
【図10】本発明に用いられる円環ショートパッチアン
テナ(下層アンテナ)の特性を示す図である。
【図11】本発明に用いられる下層アンテナの位相特性
を示す図である。
【図12】本発明に用いられる上層アンテナの構造を示
す図である。
【図13】本発明に用いられるスタックアンテナの総合
特性を示す図である。
【図14】本発明に用いられる下層アンテナの放射特性
を示す図である。
【図15】本発明に用いられる上層アンテナの放射特性
を示す図である。
【図16】本発明のスタックアンテナを用いるハンドヘ
ルド型携帯電話機を示す図である。
【符号の説明】
1 下層パッチアンテナ 2 給電線 3 上層パッチアンテナ 4 ショート金属 5 給電線 6 支持ピン 7,8 給電線 9,10、 給電線 11 ショート金属 13 給電点 14〜17 ショートピン 14’円環ショート 18 上層パッチアンテナ 19 下層パッチアンテナ 20,21 誘電体 23 間隙 24 給電点 25 給電線 26 アース面 33 パッチ面 34 給電線 35 コネクタ 36 円環ショート 51 ハンドヘルド型携帯機 53 展開部材 54 パッチアンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 繁壽 東京都千代田区岩本町二丁目12番5号 株 式会社次世代衛星通信・放送システム研究 所内 (72)発明者 佐藤 俊明 東京都千代田区岩本町二丁目12番5号 株 式会社次世代衛星通信・放送システム研究 所内 Fターム(参考) 5J021 AA01 AA02 AB06 CA03 HA05 HA07 JA05 JA06 JA07 5J045 AA12 AB05 AB06 DA10 EA07 FA02 HA03 MA07 NA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体通信におけるハンドヘルド型携帯
    電話機に用いられ、上層及び下層アンテナのそれぞれを
    矩形パッチアンテナを用いて該矩形パッチアンテナを2
    段重ねにしてスタック化した、送受の周波数を分離する
    2周波分離型円偏波スタックアンテナにおいて、 上記上層の矩形パッチアンテナへの給電は、上記下層の
    矩形パッチアンテナの縦または横の中心線上において下
    層アンテナを貫通し、下層のパッチアンテナ面を接地短
    絡する円環状の孔を通り上層アンテナまで伸びた給電線
    により行われることを特徴とする円偏波スタックアンテ
    ナ。
  2. 【請求項2】 前記下層パッチアンテナ面の支持用のシ
    ョートを前記円環状の筒部分のみとしたことを特徴とす
    る前記請求項1記載の円偏波スタックアンテナ。
  3. 【請求項3】 前記下層の矩形パッチアンテナの縦また
    は横の辺の長さを調整して各方向の共振周波数を一致さ
    せ、下層アンテナの対角線上に設けられた給電点により
    励振して円偏波を発生させることを特徴とする前記請求
    項1または2記載の円偏波スタックアンテナ。
  4. 【請求項4】 前記上層の矩形パッチアンテナの直下に
    ある誘電体を2枚板構成とし、その2枚の板に間隙を設
    けて、該間隙に前記上層アンテナへの給電線を1本通し
    て円偏波を励振することを特徴とする前記請求項1〜3
    の内いずれか1項記載の円偏波スタックアンテナ。
  5. 【請求項5】 前記移動体通信が静止衛星を用いた移動
    体通信であることを特徴とする前記請求項1〜4の内い
    ずれか1項記載の円偏波スタックアンテナ。
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Cited By (6)

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