JP2001035741A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

電子部品の製造方法

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JP2001035741A
JP2001035741A JP11207459A JP20745999A JP2001035741A JP 2001035741 A JP2001035741 A JP 2001035741A JP 11207459 A JP11207459 A JP 11207459A JP 20745999 A JP20745999 A JP 20745999A JP 2001035741 A JP2001035741 A JP 2001035741A
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dielectric
internal conductor
bao
composition
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JP11207459A
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Tomoaki Kawada
智明 河田
Akira Nakamura
晃 中村
Aya Fukuhara
綾 福原
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 AgまたはAg合金を内部導体として使用し
ながらも、Agの拡散による誘電特性のバラツキが極め
て少なく、かつ、内部導体と誘電体間の空隙の発生や、
内部導体の外部接続導体部における引き込み発生のない
誘電体磁器を用いた電子部品の製造方法を提供する。 【解決手段】 Agの融点以下での燒結が可能なBaO
−Nd23−TiO2系の誘電体磁器組成物に対してA
gを0.3〜1.5重量%の範囲となるように添加した
グリーンシートを用い、AgまたはAg合金を内部導体
として積層して所定の形状に成形し、その後、内部導体
の融点以下の温度で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は誘電体磁器を用いた
電子部品、特にAgまたはAgを主成分とする合金を内
部導体とした電子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車電話、携帯電話等の移動体
通信分野の成長が著しい。これら移動体通信では、数1
00MHz〜数GHzのいわゆる準マイクロ波と呼ばれ
る高周波帯が使用される。そのため、移動体通信機器に
用いられる共振器、フィルター、コンデンサー等の電子
デバイスにおいても高周波特性が重視される。また、近
年の移動体通信の普及に関しては、サービスの向上の他
に通信機器の小型化および低価格化が重要な因子となっ
ている。そのため、上記の電子デバイスに関しても小型
化・低価格化が要求されている。
【0003】例えば、共振器用材料では高周波特性の向
上と小型化を達成するために、使用周波数において以下
の(1)〜(4)のような特性が要求される。 (1)比誘電率が大きいこと:マイクロ波付近で使用さ
れる共振器は、誘電体中において波長が誘電率の平方根
の逆数に比例して短縮されることを利用する場合が多
く、そのため共振器の長さは誘電率の平方根の逆数に比
例して短くできる。 (2)Qが大きいこと:マイクロ波材料では、誘電損失
の評価としてQ=1/tanδで定義されるQを用い、
このQが大きいことは損失が小さいことを表す。 (3)誘電率の温度変化が小さいこと:共振器やフィル
ター等の共振周波数の温度変化を極力抑えるため、誘電
率の温度変化は小さいことが望ましい。 (4)低温燒結が可能であること:電子デバイスの小型
化を実現するために、内部に導体電極を内蔵した表面実
装型の部品(SMD:Surface Mount Device)が主流と
なりつつあるが、その場合、電子デバイスの損失特性を
向上させるために、内部導体電極としては低抵抗である
AgもしくはCuを用いることが望ましい。しかし、A
gやCuは融点が低く、使用される誘電体磁器組成物と
しては、これらの融点以下の温度で燒結が可能であるこ
とが要求される。この同時燒結の問題は、AgやCu等
を内部導体電極とした温度補償用コンデンサー材料とす
るときにも同様に指摘される。
【0004】従来、マイクロ波用誘電体磁器の材料とし
ては、BaO−4TiO2系、BaO−希土類酸化物−
TiO2系等の組成系がよく知られている。特に、Ba
O−Nd23−TiO2系は、誘電率およびQ値が高い
ことから広範な研究がなされている。近年では、この組
成系での低温燒結化も行なわれており、特許第2613
722号(主成分仮焼の後に所定粒径まで粉砕を行い、
これに副成分を添加するもの);特許第2781500
号、特許第2781501号、特許第2781502
号、特許第2781503号、特許第2786977号
(これらは、副成分としてガラスを使用する);特開平
5−234420号公報、特開平6−211564号公
報、特開平6−223625号公報、特開平7−697
19号公報、特開平8−55518号公報、特開平8−
55519号公報、特開平8−167322号公報、特
開平8−167323号公報、特開平8−167324
号公報、特開平8−208328号公報、特開平8−2
08329号公報(これらは、副成分としてガラスを含
有する);特開平3−290359号公報、特開平3−
295854号公報、特開平3−295855号公報、
特開平3−295856号公報、特開平6−11602
3号公報、特開平6−150719号公報、特開平6−
162822号公報、特開平8−55518号公報、特
開平8−167322号公報、特開平8−167323
号公報、特開平8−167324号公報、特開平8−2
08328号公報、特開平8−208329号公報、特
開平8−245262号公報(これらは、副成分として
Ge酸化物を含有する);その他、特開昭61−564
07号公報、特開平2−44609号公報、特開平5−
97508号公報、特開平6−116023号公報、特
開平8−157257号公報、特開平8−277161
号公報等に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、BaO
−Nd23−TiO2系の誘電体磁器組成物は、誘電率
およびQが高く、誘電率の温度係数が小さい誘電体磁器
を可能とすることから、マイクロ波用誘電体磁器の材料
として利用されている。特に、近年においてBaO−N
23−TiO2系での低温焼結化が実現されるように
なった。
【0006】しかし、従来の誘電体磁器組成物は、Ag
を内部導体として焼成した場合、内部導体のAgが誘電
体中に拡散する。このAgの拡散は、Agの濃度勾配に
より発生するため、誘電体内部におけるAgの濃度は均
一ではなく、例えば、Ag導体周辺ではAg濃度が高
く、Ag導体から離れた部位ではAg濃度が低いといっ
た濃度分布が生じる。このようにAgが誘電体内に拡散
した場合、その濃度によって誘電特性が変化するため、
Agを内部導体とした誘電体磁器においては、部位によ
って異なる誘電特性をもつことになり、所望のデバイス
特性が得られず、デバイス特性のバラツキを生じる等の
不具合の要因となる。また、上記のAgの誘電体内への
拡散により、内部導体のAg量が減少し、これによって
も、所望のデバイス特性が得られず、デバイス特性にバ
ラツキを生じることになる。
【0007】さらに、内部導体から誘電体内へのAgの
拡散量が多い場合、内部導体と誘電体との間に隙間が生
じたり、外部との接続のための導体部分に引き込みが発
生し、導通不良等の不具合の原因となる。特に近年にお
いて高周波部品の小型化が急速に進行しており、これに
伴い内部導体のファインパターン化と薄層化も進んでい
るため、上記の内部導体と誘電体素地との間の隙間や、
内部導体の外部接続部分における引き込みによる不具合
は大きな問題となっている。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、AgまたはAg合金を内部導体として使
用しても、Agの拡散による誘電特性のバラツキが極め
て少なく、かつ、内部導体と誘電体間の空隙の発生や、
内部導体の外部接続導体部における引き込み発生のない
誘電体磁器を用いた電子部品を製造するための方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の電子部品の製造方法は、Agの融点
以下での燒結が可能なBaO−Nd23−TiO2系の
誘電体磁器組成物に対してAgを0.3〜1.5重量%
の範囲となるように添加したグリーンシートを用い、A
gまたはAg合金を内部導体として積層して所定の形状
に成形し、前記内部導体の融点以下の温度で焼成した誘
電体磁器を用いるような構成とした。
【0010】そして、前記BaO−Nd23−TiO2
系の誘電体磁器組成物を、主成分が一般式xBaO・y
Nd23・zTiO2(ただし、6≦x≦23、13≦
y≦30、64≦z≦68、x+y+z=100の関係
を有する)で表され、該主成分に対して副成分としてC
u酸化物がCuO換算で0.1〜3.0重量%、Zn酸
化物がZnO換算で0.1〜4.0重量%、B酸化物が
23換算で0.1〜3.0重量%の範囲で含有される
ものであるような構成とした。
【0011】あるいは、前記BaO−Nd23−TiO
2系の誘電体磁器組成物を、主成分が一般式xBaO・
yNd23・zTiO2(ただし、6≦x≦23、13
≦y≦30、64≦z≦68、x+y+z=100の関
係を有する)で表され、該主成分に対して副成分として
Cu酸化物がCuO換算で0.1〜3.0重量%、ガラ
ス組成物が2.0〜10重量%の範囲で含有されるもの
であり、前記ガラス組成物が以下の組成の範囲にあるよ
うな構成とした。 5重量%≦SiO2≦15重量% 15重量%≦B23≦25重量% 50重量%≦(MgO+BaO+SrO+ZnO+Ca
O)≦80重量% 90重量%≦(SiO2+B23+MgO+BaO+S
rO+ZnO+CaO)≦100重量%
【0012】このような本発明では、Agの融点以下で
の燒結が可能なBaO−Nd23−TiO2系の誘電体
磁器組成物に副成分として所定の含有量で添加されたA
gが、AgまたはAg合金を内部導体として焼成した場
合のAgの誘電体内への拡散を抑制する作用をなす。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
説明する。
【0014】本発明の電子部品の製造方法は、Agの融
点以下での燒結が可能なBaO−Nd23−TiO2
の誘電体磁器組成物に対してAgを0.3〜1.5重量
%の範囲となるように添加したグリーンシートを用い
て、AgまたはAg合金を内部導体として所定の形状に
成形し、この内部導体の融点以下の温度で燒結した誘電
体磁器を用いるものである。
【0015】本発明において、BaO−Nd23−Ti
2系の誘電体磁器組成物にAgを含有させるのは、内
部導体としてAgまたはAg合金を使用して焼成する際
に、内部導体から誘電体素地中へのAgの拡散を抑制す
るためである。このようなAgの含有量がBaO−Nd
23−TiO2系の誘電体磁器組成物に対して0.3重
量%未満であると、上記のAg拡散の抑制が不十分とな
り、Ag拡散による不具合、例えば、誘電体内のAg含
有量の不均一化による誘電率のバラツキ発生、内部導体
のAg量低減による導体と誘電体素地との間での空隙発
生、外部との接続部分における内部導体の引き込みよる
導通不良等を起こすことになる。また、Agの含有量が
増大するにつれて誘電率が大きくなる傾向にあるが、A
gの含有量がBaO−Nd23−TiO2系の誘電体磁
器組成物に対して1.5重量%を超えると、誘電体中で
のAg拡散の許容取り込み量を超えてしまい、誘電体素
地中においてAgの偏析を生じるようになり、電圧負荷
寿命等の信頼性に悪影響を及ぼすことになり好ましくな
い。
【0016】本発明の電子部品の製造方法では、まず、
Agの融点以下での燒結が可能なBaO−Nd23−T
iO2系の誘電体磁器組成物を準備する。この誘電体磁
器組成物に所定量のAgと、ポリビニルアルコール系、
アクリル系、エチルセルロース系のような有機バインダ
ーと、可塑剤およびトルエン、エタノール等の有機溶剤
をボールミル等により混合して誘電体スラリーを得る。
次に、この誘電体スラリーを用いてシート法や印刷法等
の湿式成型により誘電体グリーンシートを得る。上記の
Agは、金属Agである必要はなく、例えば、AgNO
3、Ag2OおよびAgClのように熱処理により金属A
gとなるものを使用することにより、金属Agを使用し
た場合と同等の誘電体磁器を得ることができる。
【0017】その後、AgまたはAg合金の粉末を含有
するペーストをスクリーン印刷法等により上記の誘電体
グリーンシート上に印刷して内部導体パターンを形成
し、この印刷面上にさらに誘電体グリーンシートを重ね
て積層体とした後に焼成して燒結する。焼成は、例え
ば、空気中のような酸素雰囲気にて行うことが望まし
く、焼成温度はAgまたはAg合金からなる内部導体の
融点以下、好ましくは850〜950℃の範囲で設定す
ることができ、焼成時間は0.1〜24時間程度が好ま
しい。
【0018】上述のような本発明の製造方法により製造
される電子部品は、誘電体磁器組成物に含有させたAg
によって、AgやAg合金からなる内部導体からの誘電
体へのAg拡散が抑制されて誘電特性の不均一性が防止
され、かつ、内部導体と誘電体間の空隙の発生や、内部
導体の外部接続部位における引き込み発生が防止され
る。その結果、高周波用デバイスの諸特性の向上、小型
化、低コスト化が可能となる。
【0019】次に、本発明において用いるBaO−Nd
23−TiO2系の誘電体磁器組成物について説明す
る。
【0020】本発明では、BaO−Nd23−TiO2
系の誘電体磁器組成物として、一般式xBaO・yNd
23・zTiO2で表される主成分に対して、副成分と
してCu酸化物、Zn酸化物およびB酸化物を含有する
ものを使用することができる。
【0021】上記の主成分は、x、y、zが下記の関係
を満足する組成である。 6≦x≦23 13≦y≦30 64≦z≦68 x+y+z=100
【0022】また、主成分に対して含有される各副成分
の含有量は、下記の範囲内で設定される。 Cu酸化物:CuO換算にて0.1〜3.0重量% Zn酸化物:ZnO換算にて0.1〜4.0重量% B酸化物 :B23換算にて0.1〜3.0重量%
【0023】上記のような主成分の組成範囲、副成分の
含有範囲は、使用するBaO−Nd 23−TiO2系の
誘電体磁器組成物をAgの融点以下での燒結が可能なも
のとし、かつ、所望の誘電特性を具備した誘電体磁器を
可能とするために設定されたものである。以下、これに
ついて説明する。
【0024】誘電体磁器組成物の成分含有量は、低温
燒結性、比誘電率、誘電率の温度係数(以下、TC
Cで表す)、Q(1/tanδ)特性の各評価項目に
おいて、以下のような判断に基づいて規定することがで
きる。
【0025】低温燒結性 本発明では、Agの融点以下での燒結が可能な誘電体磁
器組成物を使用することを前提としているので、920
℃での焼成後に燒結体密度が5.0g/cm3以上のも
のを実用可能であると判断する。
【0026】比誘電率 例えば、本発明の電子部品の製造方法により高周波用の
誘電体共振器が製造された場合、共振器の長さは誘電率
の大きさに依存するので、共振器の小型化を図るために
は誘電率が大きい方が有利である。しかし、本発明にお
いて使用できる誘電体磁器組成物は、上記の誘電体共振
器の他にも、AgまたはAgを主成分とした合金を内部
導体とする種々の電子デバイスに使用可能であることが
望ましく、好ましい誘電率の値は一概には決定できな
い。したがって、本発明では誘電率の値は特に考慮しな
いものとする。
【0027】TCC 本発明では、TCC(ppm/℃)は下記の式で算出さ
れる。 TCC=[(C85℃−C-25℃)/C25℃]×(1/1
10℃)×106 ここで、TCC:−25℃〜85℃の誘電率の温度係数 C85℃ :85℃でのキャパシタンス C-25℃ :−25℃でのキャパシタンス C25℃ :25℃でのキャパシタンス
【0028】例えば、誘電体共振器ではTCCが±30
ppm/℃以内であることが好ましく、誘電体フィルタ
ではTCCが±100ppm/℃以内であることが好ま
しく、さらに、温度補償用コンデンサーではTCCは広
範な値をもつ方が利用領域が広くなる。そして、本発明
によってこのような誘電体共振器、誘電体フィルタ、温
度補償用コンデンサ等を製造可能とするためには、TC
Cの目標として0近傍が好ましいが、TCCの絶対値が
大きくても特に問題とはならない。
【0029】Q特性 上述のように、Q特性の低下は電子デバイスの損失が大
きくなることを意味するので、ある程度以上のQ特性が
必要となる。そこで、本発明では、Q特性の目標を10
00以上とする。
【0030】上述のような誘電体磁器組成物の主成分組
成が上記の組成範囲から外れると、以下のような不具合
が生じる。
【0031】まず、BaOの割合が6モル%未満である
と、誘電率が低下するとともに、低温燒結性も低下(9
20℃での焼成後において燒結体密度が5.0g/cm
3未満となる)する。低温燒結性の低下は、Agまたは
Agを主成分とする合金を内部導体とする誘電体磁器を
用いた電子部品の製造方法である本発明に対して致命的
であるため、低温燒結性の確保が可能な範囲にBaO量
を限定した。また、BaOが23モル%を超えると、誘
電率が大きくなり低温燒結性が向上し、TCCが大きく
マイナス側にシフトするとともに、Q特性が低下(10
00未満)する。Q特性の低下は、誘電体磁器の損失増
大を来すことになり好ましくないため、Q特性の確保
(1000以上)が可能な範囲にBaO量を限定した。
【0032】次に、Nd23の割合が13モル%未満の
場合、誘電率が増加し、低温燒結性が向上するものの、
TCCおよびQ特性の低下(1000未満)が生じるの
で、Q特性の確保が可能な範囲にNd23量を限定し
た。一方、Nd23が30モル%を超えると、誘電率が
低下するとともに、低温燒結性が低下(920℃での焼
成後において燒結体密度が5.0g/cm3未満)する
ので好ましくない。
【0033】また、TiO2の割合が64モル%未満の
場合、TCCがプラス側に大きくなるとともに、Q特性
が悪化(1000未満)するので好ましくない。一方、
TiO2の割合が68モル%を超えると、低温燒結性が
低下するとともに、TCCがマイナス側に大きくなる。
このため、低温燒結性の確保が可能な範囲にTiO2
を限定した。
【0034】上述の誘電体磁器組成物における副成分組
成が上記の範囲から外れると、以下のような不具合が生
じる。
【0035】まず、Cu酸化物の割合が、主成分に対し
てCuO換算にて0.1重量%未満であると、Cu酸化
物による低温燒結効果が不充分なものとなる。また、
3.0重量%を超えると、Q特性が低下(1000未
満)して好ましくないとともに、温度に対して誘電率が
非直線的に変化するため、電子部品としては使用しにく
いものとなる。特に、Cu酸化物の割合は主成分に対し
てCuO換算にて0.5〜1.5重量%の範囲が好まし
い。
【0036】また、Zn酸化物の割合が、主成分に対し
てZnO換算にて0.1重量%未満であると、Zn酸化
物による低温燒結効果が不充分なものとなり好ましくな
い。一方、4.0重量%を超えても、含有量の増加にし
たがって低温燒結性が向上するわけではなく、逆に低温
燒結性が低下するとともに、誘電率の低下、Q特性の低
下等の誘電特性の劣化を引き起こすことになり好ましく
ない。
【0037】さらに、B酸化物の割合が、主成分に対し
てB23換算にて0.1重量%未満であると、B酸化物
による低温燒結効果が不充分なものとなる。また、3.
0重量%を超えても、含有量の増加にしたがって低温燒
結性が向上するわけではなく、逆に低温燒結性が低下す
るとともに、誘電率の低下、Q特性の低下等の誘電特性
の劣化を引き起こすことになり好ましくない。
【0038】本発明において使用するBaO−Nd23
−TiO2系の誘電体磁器組成物の他の例として、一般
式xBaO・yNd23・zTiO2で表される主成分
に対して、副成分としてCu酸化物、ガラス組成物を含
有するものを使用することができる。
【0039】上記の主成分は、x、y、zが下記の関係
を満足する組成である。 6≦x≦23 13≦y≦30 64≦z≦68 x+y+z=100
【0040】また、主成分に対して含有される各副成分
の含有量は、下記の範囲内で設定される。 Cu酸化物 :CuO換算にて0.1〜3.0重量%、
好ましくは0.5〜1.5重量% ガラス組成物:2.0〜10重量%、好ましくは3.0
〜6.0重量%
【0041】ただし、上記のガラス組成物の組成が以下
の範囲にあるような構成とした。 5重量%≦SiO2≦15重量% 15重量%≦B23≦25重量% 50重量%≦(MgO+BaO+SrO+ZnO+Ca
O)≦80重量%(好ましくはZnO必須) 90重量%≦(SiO2+B23+MgO+BaO+S
rO+ZnO+CaO)≦100重量%
【0042】より好ましいガラス組成物の組成範囲は以
下のものである。 5重量%≦SiO2≦15重量% 15重量%≦B23≦25重量% 50重量%≦ZnO≦80重量% 90重量%≦(SiO2+B23+ZnO)≦100重
量%
【0043】上記のような主成分の組成範囲、副成分の
含有範囲は、使用するBaO−Nd 23−TiO2系の
誘電体磁器組成物をAgの融点以下での燒結が可能なも
のとし、かつ、所望の誘電特性を具備した誘電体磁器の
製造を可能とするために設定されたものであり、上記の
各評価項目(〜)にしたがって、以下のような判断
に基づいて規定することができる。
【0044】まず、主成分であるBaO、Nd23、T
iO2、および、副成分であるCu酸化物の各割合は、
上記例で示した誘電体磁器組成物と同じである。
【0045】副成分であるガラス組成物が、主成分に対
して2.0重量%未満の場合には、低温燒結効果が不充
分であり、10重量%を超える場合には、誘電率が低下
するとともに、Q特性も低下(1000未満)するので
好ましくない。
【0046】また、ガラス組成物に関しては、SiO2
とB23が必須成分であり、これにMgO、BaO、S
rO、ZnOおよびCaOの中から選択された副成分を
加えた合計が90重量%以上であることが好ましく、特
に副成分としてZnOがより好ましい。例えば、Al2
3等のような上記の群以外の無機成分の含有量が10
重量%を超えると、低温燒結効果が不充分なものとなり
好ましくない。
【0047】さらに、ガラス組成物のSiO2量が5重
量%未満の場合、またはB23量が25重量%を超える
場合、ガラス化が困難であり実用的ではない。また、S
iO 2量が15重量%を超える場合、またはB23量が
15重量%未満の場合、低温燒結効果が不充分である。
【0048】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。
【0049】[実施例1]まず、Agの融点以下での燒
結が可能なBaO−Nd23−TiO2系の誘電体磁器
組成物として、下記の表1に示す組成の誘電体磁器組成
物1を準備した。
【0050】
【表1】 次に、100重量部の誘電体磁器組成物1に、下記の表
2に示される量のAg粉と、バインダーとしてポリビニ
ルブチラール10重量部、溶剤としてトルエン12重量
部、エタノール28重量部、分散剤1.5重量部、可塑
剤4.0重量部を秤量し、ボールミルにて混合して、7
種の誘電体スラリー(試料1〜7)を得た。
【0051】得られた誘電体スラリーをポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム上にドクターブレード
を用いて流し込み乾燥させた。これをPETフィルムか
ら剥離し、厚さ100μmの誘電体グリーンシート(試
料1〜7)を得た。
【0052】評価項目1 上記のようにして得た誘電体グリーンシート上に、Ag
ペースト(Ag粉、エチルセルロース、ブチルカルビト
ールを混合したもの)をスクリーン印刷法により印刷し
て内部導体パターンを形成した。次いで、この印刷面上
に更に誘電体グリーンシートを重ねて熱圧着した後、所
定の大きさに切断し、空気中にて920℃で2時間焼成
した後、端子導体としてAgを焼き付けて、図1に示さ
れるような内部導体1(幅W=100μm)と誘電体2
(厚みT=300μm)と端子導体3とを備えた導通試
験用のサンプル(試料1〜7)を作製した。
【0053】この導通試験用サンプルの試料1と試料5
について、Ag内部導体1まで研磨(図1(B)に鎖線
矢印で示される個所)し、Ag内部導体1からの距離に
よるAgの濃度分布をEPMA(Electron Probe Micro
Analyzer)によるWDS(Wavelength Dispersive Spectr
ometer)により分析し、結果を図2に示した。
【0054】図2に示されるように、誘電体磁器組成物
にAgを含有させないで製造された誘電体磁器(試料
1)では、内部導体1からAgが誘電体2中に拡散し、
内部導体1近傍の誘電体素地中のAg濃度が高く、内部
導体1からの距離が大きくなるにしたがって、Ag濃度
が減少する濃度分布が存在している。これに対して、A
gを所定量含有させて製造する本発明による誘電体磁器
(試料5)では、誘電体素地中のAg濃度がほぼ均一で
あり、内部導体1からのAgの拡散が抑制されているこ
とが確認された。
【0055】評価項目2 また、上記のように作製した導通試験用サンプル(試料
1〜7)を内部導体1の部位まで研磨し、図3に示され
るような内部導体1の端部に生じている空隙の大きさG
を測定して、下記の表2に示した。
【0056】表2に示されるように、内部導体1と誘電
体2との間に生じる空隙は、使用する誘電体磁器組成物
へのAg添加量が増加するにしたがって減少する。この
ことより、誘電体磁器組成物にAgを含有させる本発明
の製造方法では、内部導体からのAgの拡散が抑制さ
れ、内部導体の端部に発生する空隙を原因とする不具合
(内部導体パターン面積の変化、電磁気結合量の変化に
よるデバイス特性のバラツキ等)を低減することがで
き、設計値通りのデバイス特性を安定して得られること
が確認された。
【0057】評価項目3 さらに、上記のように作製した導通試験用サンプル(試
料1〜7)の両端の端子導体3間の導通をテスターにて
測定し、導通不良率を下記の表2に示した。
【0058】表2に示されるように、Agの含有量が
0.3重量%未満(試料1、2)の場合、内部導体1の
端子導体3との接続部分において、Agの拡散が原因で
ある内部導体の引き込みが発生し導通不良を生じること
が明らかである。しかし、Agを0.3重量%以上含有
する場合、内部導体1からのAgの拡散が抑制され、こ
れにより、内部導体1の端子導体3との接続部分におけ
る引き込みが抑えられ、結果として導通不良が防止され
ることが確認された。
【0059】評価項目4 先に得た誘電体グリーンシートを積層して熱圧着後、
0.75mm×0.75mm×100mmの棒形状に切
断し、これを空気中にて920℃で2時間焼成して棒状
サンプル(試料1〜7)を得た。この各棒状サンプルに
ついて、空洞共振器により摂動法にて2GHzでの誘電
率εを測定し、結果を下記の表2に示した。また、同時
に低温燒結性(棒状サンプルの燒結密度が5.0g/c
3以上を実用レベルとする)、およびQfを測定し、
結果を下記の表2に示した。尚、表2中の燒結密度の単
位は(g/cm3)、誘電率εは無次元、Qfの単位は
(GHz)である。
【0060】
【表2】 表2に示されるように、Agの含有量にかかわらず、低
温燒結性、誘電率ε、Qf特性は、全て実用上問題のな
いレベルである。しかし、高周波デバイスを設計する際
に最も重要な要素である誘電率εに関しては、Agの含
有量が増えるにつれて大きくなっている。この結果と、
上述の図2に示された結果から以下のことが明らかであ
る。すなわち、Agを内部導体とする図4に示すような
コンデンサー(図4に示すチップコンデンサーは、Ag
の内部導体1と誘電体2とが交互に積層され、最外層の
Ag内部導体1は、それぞれ異なる端子導体3に接続さ
れたものである)を作製した場合、Agの含有量が0.
3重量%未満である誘電体磁器組成物を用いて作製した
コンデンサー(試料1、2)では、内部導体からAgが
誘電体中に拡散し、内部導体近傍の誘電体素地中のAg
濃度が高くなるような濃度分布が生じているが、これと
同時に、誘電率分布も生じる。これに対して、Agを
0.3重量%以上含有する誘電体磁器組成物を用いて作
製したコンデンサー(試料3〜7)では、内部導体から
のAgの拡散が抑制され、Ag濃度がほぼ均一となるの
で、誘電体素地中の誘電特性のバラツキを極めて少ない
ものとなる。
【0061】以上の評価項目1〜4の内容から、Agの
融点以下での燒結が可能なBaO−Nd23−TiO2
系の誘電体磁器組成物に副成分としてAgを所定の含有
量で添加して用いる本発明の製造方法により、Agを内
部導体として使用した場合においても、焼成時における
内部導体から誘電体内へのAg拡散が抑制され、これに
より、誘電体内部での誘電特性のバラツキが低減され、
かつ、内部導体と誘電体間の空隙の発生や、内部導体の
外部接続部位における引き込み発生が防止される。これ
により、AgやAg合金のような融点の低い金属を内部
導体とした電子部品において、所望の設計値通りのデバ
イス特性を得ることが可能となる。
【0062】ただし、Agの含有量が1.5重量%を超
える場合(試料7)、誘電特性および導通の両方におい
て問題は生じないが、誘電体素地中のAgの取り込み量
の限界を超え、極度なAgの偏析が生じる。したがっ
て、例えば、図4に示すようなコンデンサーにおいて
は、寿命に悪影響を及ぼす。このため、Agの添加量と
しては、0.3〜1.5重量%の範囲が好ましい。
【0063】[実施例2]まず、Agの融点以下での燒
結が可能なBaO−Nd23−TiO2系の誘電体磁器
組成物として、下記の表3に示す組成の誘電体磁器組成
物2を準備した。尚、誘電体磁器組成物2に用いたガラ
ス組成物の組成を下記の表4に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】 次に、100重量部の誘電体磁器組成物2に、下記の表
5に示される量のAg粉と、バインダーとしてポリビニ
ルブチラール10重量部、溶剤としてトルエン12重量
部、エタノール28重量部、分散剤1.5重量部、可塑
剤4.0重量部を秤量し、ボールミルにて混合して、7
種の誘電体スラリー(試料8〜14)を得た。
【0066】得られた誘電体スラリーをポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム上にドクターブレード
を用いて流し込み乾燥させた。これをPETフィルムか
ら剥離し、厚さ100μmの誘電体グリーンシート(試
料8〜14)を得た。
【0067】評価項目1 上記のようにして得た誘電体グリーンシート(試料8〜
14)を使用し、実施例1の評価項目1と同様にして、
図1に示されるような内部導体1(幅W=100μm)
と誘電体2(厚みT=300μm)と端子導体3とを備
えた導通試験用のサンプル(試料8〜14)を作製し
た。
【0068】次に、上記のように作製した導通試験用サ
ンプル(試料8〜14)を内部導体1の部位まで研磨
し、図3に示されるような内部導体1の端部に生じてい
る空隙の大きさGを測定して、下記の表5に示した。
【0069】表5に示されるように、内部導体1と誘電
体2との間に生じる空隙は、使用する誘電体磁器組成物
へのAg添加量が増加するにしたがって減少する。この
ことより、誘電体磁器組成物にAgを含有させて用いる
本発明の製造方法において、誘電体磁器組成物としてガ
ラス組成物を添加し低温燒結性が付与された誘電体磁器
組成物2を用いても、内部導体からのAgの拡散が抑制
され、内部導体の端部に発生する空隙を原因とする不具
合(内部導体パターン面積の変化、電磁気結合量の変化
によるデバイス特性のバラツキ等)を低減することがで
き、設計値通りのデバイス特性を安定して得られること
が確認された。
【0070】評価項目2 また、上記のように作製した導通試験用サンプル(試料
8〜14)の両端の端子導体3間の導通をテスターにて
測定し、導通不良率を下記の表5に示した。
【0071】表5に示されるように、Agの含有量が
0.3重量%未満(試料8、9)の場合、内部導体1の
端子導体3との接続部分において、Agの拡散が原因で
ある内部導体の引き込みが発生し導通不良を生じること
が明らかである。しかし、Agを0.3重量%以上含有
する場合、内部導体1からのAgの拡散が抑制され、こ
れにより、内部導体1の端子導体3との接続部分におけ
る引き込みが抑えられ、結果として導通不良が防止され
ることが確認された。
【0072】評価項目3 先に得た誘電体グリーンシートを積層して熱圧着後、
0.75mm×0.75mm×100mmの棒形状に切
断し、これを空気中にて920℃で2時間焼成して棒状
サンプル(試料8〜14)を得た。この各棒状サンプル
について、空洞共振器により摂動法にて2GHzでの誘
電率εを測定し、結果を下記の表5に示した。また、同
時に低温燒結性(棒状サンプルの燒結密度が5.0g/
cm3以上を実用レベルとする)、およびQfを測定
し、結果を下記の表5に示した。尚、表5中の燒結密度
の単位は(g/cm3)、誘電率εは無次元、Qfの単
位は(GHz)である。
【0073】
【表5】 表5に示されるように、Agの含有量にかかわらず、低
温燒結性、誘電率ε、Qf特性は、全て実用上問題のな
いレベルである。しかし、高周波デバイスを設計する際
に最も重要な要素である誘電率εに関しては、Agの含
有量が増えるにつれて大きくなっている。この結果から
以下のことが明らかである。すなわち、Agを内部導体
とする図4に示すようなコンデンサーを作製した場合、
Agの含有量が0.3重量%未満である誘電体磁器組成
物を用いて作製したコンデンサー(試料8、9)では、
内部導体からAgが誘電体中に拡散し、内部導体近傍の
誘電体素地中のAg濃度が高くなるような濃度分布が生
じているが、これと同時に、誘電率分布も生じる。これ
に対して、Agを0.3重量%以上含有する誘電体磁器
組成物を用いて作製したコンデンサー(試料10〜1
4)では、内部導体からのAgの拡散が抑制され、Ag
濃度がほぼ均一となるので、誘電体素地中の誘電特性の
バラツキを極めて少ないものとなる。
【0074】以上の評価項目1〜3の内容から、本発明
では、Agの融点以下での燒結が可能なBaO−Nd2
3−TiO2系の誘電体磁器組成物として、ガラス組成
物を添加して低温燒結性が付与された誘電体磁器組成物
を使用し得ることが確認された。すなわち、この誘電体
磁器組成物に副成分としてAgを所定の含有量で添加し
て用いる本発明の製造方法では、Agを内部導体として
使用しても、焼成時における内部導体から誘電体内への
Ag拡散が抑制され、これにより、誘電体内部での誘電
特性のバラツキが低減され、かつ、内部導体と誘電体間
の空隙の発生や、内部導体の外部接続部位における引き
込み発生が防止される。これにより、AgやAg合金の
ような融点の低い金属を内部導体とした電子部品におい
て、所望の設計値通りのデバイス特性を得ることが可能
となる。
【0075】ただし、Agの含有量が1.5重量%を超
える場合(試料14)、実施例1の試料7と同じよう
に、誘電特性および導通の両方において問題は生じない
が、誘電体素地中のAgの取り込み量の限界を超え、極
度なAgの偏析が生じ、例えば、図4に示すようなコン
デンサーにおいては、寿命に悪影響を及ぼす。このた
め、Agの添加量としては、0.3〜1.5重量%の範
囲が好ましい。
【0076】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によればA
gの融点以下での燒結が可能なBaO−Nd23−Ti
2系の誘電体磁器組成物に副成分としてAgが所定の
含有量で添加されているので、内部導体であるAgやA
g合金から誘電体内への焼成時におけるAg拡散が抑制
され、誘電特性の不均一性が防止され、かつ、内部導体
と誘電体間の空隙の発生や、内部導体の外部接続部位に
おける引き込み発生が防止される。これにより、低抵抗
であるAgやAg合金のような融点の低い金属を内部導
体として電子部品を構成することが可能となり、結果と
して高周波用デバイスの諸特性の向上、小型化、低コス
ト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導通試験用のサンプルの例を示す図であり、
(A)は平面図、(B)は(A)に示されるサンプルの
I−I線における断面図である。
【図2】実施例1において、チップコンデンサーの誘電
体素地中のAgの濃度分布を分析した結果を示す図であ
る。
【図3】図1(A)に示されるサンプルのII−II線にお
ける断面図である。
【図4】チップコンデンサーの一例を示す図であり、
(A)は平面図、(B)は(A)に示されるチップコン
デンサーのIII−III線における断面図である。
【符号の説明】
1…内部導体 2…誘電体 3…端子導体
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01P 11/00 H01B 17/62 // H01B 17/62 C04B 35/46 D (72)発明者 福原 綾 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 4G031 AA03 AA04 AA05 AA06 AA07 AA11 AA25 AA26 AA28 AA30 BA09 CA03 GA11 5E001 AC09 AE00 AE02 AE03 AE04 AH05 AH06 AH09 AJ02 5E082 AA01 BC39 BC40 EE04 EE24 EE35 FG06 FG22 FG26 FG27 FG46 FG54 LL03 MM22 MM24 PP03 PP06 5G303 AA01 AA02 AA10 AB06 AB08 AB11 AB20 BA12 CA01 CA03 CB02 CB03 CB06 CB11 CB17 CB22 CB30 CB32 CB35 CB38 CB43 5G333 AA07 AB12 BA01 CA03 DA01 DB01 FB02 FB12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体磁器を用いた電子部品において、
    Agの融点以下での燒結が可能なBaO−Nd23−T
    iO2系の誘電体磁器組成物に対してAgを0.3〜
    1.5重量%の範囲となるように添加したグリーンシー
    トを用い、AgまたはAg合金を内部導体として積層し
    て所定の形状に成形し、前記内部導体の融点以下の温度
    で焼成することを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記BaO−Nd23−TiO2系の誘
    電体磁器組成物は、主成分が一般式xBaO・yNd2
    3・zTiO2(ただし、6≦x≦23、13≦y≦3
    0、64≦z≦68、x+y+z=100の関係を有す
    る)で表され、該主成分に対して副成分としてCu酸化
    物をCuO換算で0.1〜3.0重量%、Zn酸化物を
    ZnO換算で0.1〜4.0重量%、B酸化物をB23
    換算で0.1〜3.0重量%の範囲で含有するものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記BaO−Nd23−TiO2系の誘
    電体磁器組成物は、主成分が一般式xBaO・yNd2
    3・zTiO2(ただし、6≦x≦23、13≦y≦3
    0、64≦z≦68、x+y+z=100の関係を有す
    る)で表され、該主成分に対して副成分としてCu酸化
    物をCuO換算で0.1〜3.0重量%、ガラス組成物
    を2.0〜10重量%の範囲で含有するものであり、前
    記ガラス組成物は以下の組成の範囲にあることを特徴と
    する請求項1に記載の電子部品の製造方法。 5重量%≦SiO2≦15重量% 15重量%≦B23≦25重量% 50重量%≦(MgO+BaO+SrO+ZnO+Ca
    O)≦80重量% 90重量%≦(SiO2+B23+MgO+BaO+S
    rO+ZnO+CaO)≦100重量%
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