JP2001035260A - 架空電線 - Google Patents

架空電線

Info

Publication number
JP2001035260A
JP2001035260A JP10100506A JP10050698A JP2001035260A JP 2001035260 A JP2001035260 A JP 2001035260A JP 10100506 A JP10100506 A JP 10100506A JP 10050698 A JP10050698 A JP 10050698A JP 2001035260 A JP2001035260 A JP 2001035260A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
segment
concave
electric wire
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10100506A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukimasa Aida
幸勝 会田
Tamezo Suzuki
為蔵 鈴木
Tetsuya Okada
哲哉 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP10100506A priority Critical patent/JP2001035260A/ja
Priority to TW087115217A priority patent/TW388031B/zh
Priority to KR1019997004752A priority patent/KR20000069189A/ko
Priority to CA002273219A priority patent/CA2273219A1/en
Priority to US09/308,625 priority patent/US6331677B1/en
Priority to CNB021186626A priority patent/CN1246860C/zh
Priority to CN98801436A priority patent/CN1126116C/zh
Priority to PCT/JP1998/004153 priority patent/WO1999017306A1/ja
Priority to CNB021186685A priority patent/CN1183552C/zh
Priority to EP98942999A priority patent/EP0942437A4/en
Publication of JP2001035260A publication Critical patent/JP2001035260A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】低風圧および低騒音電線を、柔軟性に富む撚り
線に構成し、かつ、最外層のセグメント素線撚合層の素
線が、撚り合わせの際や架線工事の金車通過の際に、電
線径方向にずれて肩立ちや線浮き等を起こすのを防止す
る。 【解決手段】最外層に撚り合わせるセグメント素線1の
両側面に凹部3と凸部5を設け、隣接する素線相互の凹
部3と凸部5を嵌合させて撚り合わせることにより、セ
グメント素線撚合層の素線1の電線径方向のずれを防
ぎ、また、凹凸嵌合部35における両凹凸面の接触長さ
を小にすることにより撚り線に柔軟性を与え、また、電
線外周面にスパイラル状凹溝10を設けて、風圧抵抗を
低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低風圧化を図った
架空電線および低風圧化と低騒音化を図った架空電線に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】最外層に断面台形のセグメント素線を撚
り合わせた架空電線において、電線表面に、周囲方向に
間隔を空けて断面円弧状のスパイラル溝を複数条設けて
低風圧化を図った架空電線が知られている。また、最外
層のセグメント素線を、薄肉のセグメント素線と厚肉の
セグメント素線を撚り合わせて低騒音化を図った架空電
線が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまでの風洞試験結
果によれば、低風圧効果を得るためには、電線表面が可
能な限り平滑であって、さらに所定の形状の複数条のス
パイラル溝を有することが不可欠であったが、従来の最
外層に断面台形のセグメント素線を撚り合わせた電線で
は、あらかじめプレフォームされて撚り合わせられた素
線がその残留弾力によりスプリングバックして良好な電
線表面が得られなくなり、また、台形素線の側面が直線
状のために、最外層にセグメント素線を撚り合わせたと
きに素線が電線の径方向にずれて、いわゆる肩立ち或い
は線浮きと称する現象が発生しやすく、このため電線表
面が平滑にならず、期待する低風圧効果を得ることがで
きなかった。また、前記のように最外層に薄肉と厚肉の
セグメント素線を撚り合わせた電線では、鉄塔上に架線
する際に電線が複数の金車上を通過すると繰り返し曲げ
を受ける結果最外層素線のずれが生じて飛び出しや線浮
きが発生し、低風圧効果が損なわれるという問題点があ
った。
【0004】また、従来の撚り合わせ電線は、予め伸線
加工され撚り合わせ直前に圧延成型された異形素線を撚
り合わせて外部よりダイス等で押さえて形を整えていた
が、ダイス等を通過した後は各素線の姿勢を制御するも
のがないため、素線間で段差ができたり、素線が傾いた
りすることがあり、電線特性に悪影響を及ぼし、かつ外
径変動の要因となっていた。
【0005】また、従来のセグメント素線を撚り合わせ
た電線は、各セグメント素線の隣接接触部における接触
長さが長いために、接触摩擦が大で柔軟性に乏しく取扱
いに難点があり、撚り合わせや延線の過程で素線に過大
な応力がかかってひびが入る等の問題点があった。
【0006】また、従来の低騒音電線は、風騒音を低減
するのみで風圧荷重は増加する欠点があり、抗力係数が
大きく風圧荷重が大であるという問題点があった。
【0007】本発明は、前記の課題を解決し、撚合セグ
メント素線の隣接接触部における接触長さを所定以下に
して撚合電線を柔軟性にするとともに、撚り合わせ工程
や架線時の金車上を通過する際に、撚合素線に電線径方
向のずれが生ぜず、肩立ち、飛び出しや線浮きが発生し
ないようにした低風圧架空電線および低風圧・低騒音架
空電線を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め本発明の架空電線は、以下の(1)乃至(6)の構成
としたものである。 (1)最外層にセグメント素線1を撚り合わせた架空電
線において、前記の各セグメント素線の一方の側面2に
凹部3を設けるとともに他方の側面4に凸部5を設け、
隣接するセグメント素線1、1の一方のセグメント素線
の側面の凹部3と他方のセグメント素線の側面の凸部5
を嵌合させて凹凸嵌合部35を形成し、かつ、最外層の
セグメント素線撚合層における少なくとも1箇所の前記
凹凸嵌合部35の両凹凸面の電線径方向接触長さUを、
該凹凸嵌合部35の凹凸嵌合面の電線径方向長さWの1
0%以下として、セグメント素線撚合層を形成し、前記
セグメント素線の隣接境界部の外周面または素線外周面
に設けた凹溝10により電線外周面に少なくとも1条ま
たは電線周方向に間隔を空けて複数条のスパイラル状凹
溝10を形成したことを特徴とするものである。(請求
項1)
【0009】前記の本発明における凹凸嵌合部35にお
ける両凹凸面の電線径方向接触長さU、および凹凸嵌合
面の電線径方向長さWとは、以下の長さを言うものであ
る。電線最外層のセグメント素線撚合層における隣接セ
グメント素線1、1の隣接側面2、4の一方の凹部3と
他方の凸部5が嵌合し合う凹凸嵌合部を示した図3に示
すとおり、該凹凸嵌合部において、隣接セグメント素線
1、1の隣接し合う側面2、4の電線径方向接線をX−
X線(上下方向鎖線)とし、該接線X−X線から立ち上
がる凹部3と凸部5の立ち上がり点(横方向鎖線の位
置)の電線外方側(図の上方)の立ち上がり点をY点、
電線内方側(図の下方)の立ち上がり点をZ点とし、こ
のY点とZ点の間の凹部3と凸部5が嵌合し合う部分を
凹凸嵌合部35と言う。この凹凸嵌合部35における凹
凸嵌合面は円弧曲面であって直線面ではないが、電線長
手方向ではなく電線中心に向け径方向に伸びる曲面なの
で、この凹凸嵌合面の径方向に伸びる長さを電線径方向
の長さと言う。前記の凹凸嵌合部35における凹凸嵌合
面の電線径方向の長さをWとし、該凹凸嵌合部35にお
ける凹部3と凸部5の両凹凸面の接触面のうち、電線外
方側(図の上方)の接触面部V1の電線径方向接触長さ
をδ1とし、電線内方側(図の下方)の接触面部V2の
電線径方向接触長さをδ2とし、凹凸嵌合部35におけ
る両凹凸面の電線径方向接触長さUをδ1+δ2とす
る。ただしこの接触長さUはδ1、δ2のいずれか一方
がゼロの場合、すなわち前記凹凸嵌合部35における上
下の両接触面部V1、V2のうち上方または下方のいず
れか一方の接触面部のみにおいて凹部3と凸部5が接触
している場合も含む。本発明は前記のように凹凸嵌合部
35における凹凸嵌合面の電線径方向長さWと両凹凸面
の電線径方向接触長さUを定義し、この凹凸嵌合部35
における両凹凸面の電線径方向接触長さUを凹凸嵌合面
の電線径方向円弧長さWに対して10%以下に設定す
る。
【0010】(2)前記(1)の架空電線において、最
外層のセグメント素線撚合層の各セグメント素線の両側
面に設ける凸部5の先端円弧面部5aの円弧面の曲率R
1と凹部3の奥底円弧面部3aの円弧面の曲率R2を
R1>R2 に形成したことを特徴とするものである。
(請求項2)
【0011】(3)前記(1)、(2)の架空電線にお
いて、最外層のセグメント素線撚合層を形成するセグメ
ント素線1の両側面の凹部3の奥底円弧面部3aの中心
部Pおよび凸部5の先端円弧面部5aの中心部Qからセ
グメント素線撚合層の底面6までの間隔Gを、該底面6
と外周表面7との間の厚さtに対し0.2t≦G≦0.
8t(mm)としたことを特徴とするものである。(請
求項3)
【0012】(4)前記(1)、(2)または(3)の
架空電線において、最外層における撚合セグメント素線
1の隣接部の少なくとも1箇所に 0.1〜1.0mm
の間隙gを有することを特徴とするものである。(請
求項4)
【0013】(5)前記(1)乃至(4)の架空電線に
おいて、セグメント素線撚合層の外周表面に形成するス
パイラル状凹溝10の溝深さaと溝巾bを0.05≦
a/b ≦0.5 としたことを特徴とするものであ
る。(請求項5)
【0014】(6)前記の(1)乃至(5)の架空電線
において、最外層の径方向厚さtが小なる薄肉セグメン
ト素線1(又は21)の撚合層中に、径方向厚さdが前
記薄肉セグメント素線の厚さtよりも大なる厚肉セグメ
ント素線11(又は22)を少なくとも1条撚り合わ
せ、前記薄肉セグメント素線の外径Dの撚合層の外周面
7と厚肉セグメント素線の外周面12との間の段差h
を、前記薄肉のセグメント素線撚合層の外径Dに対し
0.01< h/D <0.10 とし、前記厚肉セグ
メント素線の中心角θを 10°<θ<90° とした
ことを特徴とするものである。(請求項6)
【0015】〔作用〕前記(1)のように、セグメント
素線撚合層の隣接し合う各セグメント素線の一方の素線
の凹部3と他方の素線の凸部5を嵌合させてセグメント
素線撚合層を形成したことにより、隣接し合う素線相互
の電線径方向のずれ、移動が阻止される。このため最外
層のセグメント素線の撚り合わせの際に素線が電線径方
向にずれないから肩立ちや線浮きが抑えられて電線外径
のばらつきがなくなり、架線の際に金車上を通過する時
にも素線が電線径方向にずれないから素線の飛び出しや
線浮きが生じない。
【0016】また、前記(1)のように、最外層のセグ
メント素線撚合層における少なくとも1箇所の前記凹凸
嵌合部35の両凹凸面の電線径方向接触長さUを、該凹
凸嵌合部35の凹凸嵌合面の電線径方向長さWの10%
以下とすることにより、最外層のセグメント素線撚合層
において隣接し合うセグメント素線間の摩擦が小さくな
り、撚線が柔軟性に富み、セグメント素線に過大な応力
がかからず従来のようにひびが入ることがなくなる。
【0017】また、前記(1)のように、セグメント素
線撚合層の外周表面に、スパイラル状凹溝10を設けた
ことにより、架空電線に風が吹きつけたときの風圧荷重
が低減する。架空電線に側方から風が吹きつけると、そ
の気流は電線表面に沿って薄い境界層を形成して電線表
面を風下側に流れ、円弧面の凹溝10内で気流の混合が
生じて乱流化が促進され、電線表面から一端剥離した気
流が再び後方の電線表面に再付着してその風下側で電線
表面から剥離する。このように境界層の剥離点が電線表
面後方に移行することにより電線風下側の伴流が小さく
なり風圧抵抗が低減する。これに反し電線表面に前記の
ような凹部が無い従来の電線では、剥離した気流はその
まま再付着せず流れ去るので電線風下側の伴流が大きく
なり風圧抵抗は減少しない。前記の電線外周面のスパイ
ラル状凹溝10の形状は、風圧抵抗のみを重視した場合
は半円形がよい。
【0018】前記(2)のように、各セグメント素線の
一方の側面に設ける凸部5の先端円弧面部5aの円弧面
の曲率R1と他方の側面に設ける凹部3の奥底円弧面部
3aの円弧面の曲率R2を R1>R2 として凸部5
の先端面の曲率を凹部3の奥底面の曲率よりも大にする
ことにより、前記(1)の隣接セグメント素線相互の前
記凹凸嵌合部35における両凹凸面の電線径方向接触長
さUを凹凸嵌合面の電線径方向長さWの10%以下に抑
えることができる。
【0019】前記(3)のように、最外層の外径Dのセ
グメント素線撚合層を形成するセグメント素線1の両側
面の凹部3の奥底円弧面部3aの中心部Pおよび凸部5
の先端円弧面部5aの中心部Qからセグメント素線撚合
層の底面6までの間隔Gを、セグメント素線の底面6と
外周表面7の間の厚さtに対し0.2t≦G≦0.8t
(mm)としたことにより、最外層のセグメント素線の
撚り合わせの際に素線が電線径方向にずれて生ずる肩立
ちや線浮き現象の防止効果が大になる。
【0020】前記(4)のように、最外層における各セ
グメント素線1の隣接部の少なくとも1箇所に0.1〜
1.0mmの間隙gが形成されることにより、セグメン
ト素線の寸法に誤差があってもオーバレイヤーにならず
肩立ちや線浮きが生じない。最外層がセグメント素線を
撚り合わせて形成される場合に、撚線工程において外層
セグメント素線の寸法に誤差があると、たとえばセグメ
ント素線の幅が所定の寸法よりも大きいと、オーバレイ
ヤーになり、外層セグメント素線が内層の撚合素線に密
着せずに浮いた状態で撚り合わせられ、電線外周側から
側圧が加わると外層セグメント素線が凹んで平滑な外周
面が形成されず凸凹な表面になってしまい、肩立ちや線
浮きが生ずるが、前記のように最外層の隣接セグメント
素線間に間隙gが形成されると、撚合セグメント素線1
の凹部3に隣接素線の凸部5を嵌入させてセグメント素
線1を撚り合わせる際に、セグメント素線の寸法に若干
の誤差があっても、間隙gで吸収、調整されるので両
凹、凸部を嵌合させることができ、オーバレイヤーにな
らず、撚り合わせ工程が容易になり、セグメント素線の
線浮きや肩立ちが防止されて平滑な外表面を形成するこ
とができ、確実な低風圧効果を得ることができる。また
この間隙gにより電線内部に入った雨水が速やかに排出
される。
【0021】低風圧効果を得るには電線外周面を、平滑
な外周面に形成すること、及び有害な隙間を形成しない
ことが必要である。このため前記(1)のように最外層
における撚合セグメント素線相互が凹部3と凸部5で嵌
合し合う構造として、撚り合わせ時のずれを防止すると
ともに、前記(4)のように最外層における撚合セグメ
ント素線1の隣接部の少なくとも1箇所に所定の間隙g
を設けることにより、電線外周面に平滑な外表面が形成
される。
【0022】前記(5)のように、セグメント素線撚合
層の外周表面に形成するスパイラル状凹溝10の溝深さ
aと溝巾bを 0.05≦ a/b ≦0.5 とした
ことにより、所望の設計風速に対して最適な抗力係数を
選択でき、低風圧効果を増すことができる。本発明にお
いては、前記の溝巾bは一般に2〜10mm、好ましく
は5〜7mmとすると、溝深さaは0.25〜0.35
mm以上である。架空電線に側方から風が吹きつけ電線
表面に沿って流れる気流は凹溝10内で気流の乱流化が
促進されて、風圧抵抗が低減されるが、前記のa/bが
0.05以下では凹溝10の深さが浅すぎて乱流化促進
効果が大幅に失われてしまう。乱流生成の可視化観察に
よればa/bが0.05以上であると凹溝10内で気流
の境界層が通過する際に激しく振動する様子が見られ、
これが効果的に層流の乱流化を促進させ風圧抵抗を低減
させる因子であることが確認された。一方前記のa/b
を0.5以上(溝深さaは2.5〜3.5mm)にする
と、凹溝10の深さが深すぎて該溝内での乱流化が充分
に促進されずに凹溝10の上部を層流が通過してしまう
ため、気流の剥離が電線の風上側で生ずる結果、風圧抵
抗を充分に低減させることがてきなくなる。
【0023】前記(6)のように、最外層の薄肉セグメ
ント素線撚合層中に混ぜて撚り合わせた少なくとも1条
の厚肉セグメント素線は、電線外周面上に突出部11d
がスパイラル状に突出する外表面突出セグメント素線を
形成する。この電線表面のスパイラル状突条によって、
風により生ずるカルマン渦が攪乱されて風騒音が低減す
る。薄肉セグメント素線1の撚合層外周面7と厚肉セグ
メント素線11の外周面12との間の段差hを、薄肉セ
グメント素線撚合層の外径Dとの比が0.01< h/
D <0.10 の範囲になるように選定することによ
り、風圧抵抗が低減して大なる低風圧効果が得られる。
この段差hが小さすぎると、風により生ずるカルマン渦
を攪乱する作用がなくなって低騒音効果が失われること
になり、段差hが大きすぎると、効力係数が高くなり風
圧抵抗が大になって低風圧効果が損なわれる。このため
段差hは h/Dが0.01〜0.10 の範囲内にな
るように選定する。
【0024】また、最外層の薄肉セグメント素線撚合層
中に撚り合わせた厚肉セグメント素線の中心角θを 1
0°<θ<90° の範囲に選定することにより、大な
る低風圧効果、低騒音効果が得られ、かつ架線工事にお
いて電線が金車を通過する際の厚肉セグメント素線11
の転倒や突出部の潰れ、変形が生じない。この中心角θ
が10°以下であると電線の風下側にカルマン渦が形成
されやすくなり、低騒音効果が損なわれ、さらに架線工
事において金車を通過する際に、電線周面上にスパイラ
ル状に突出して最外層に撚り合わせられている厚肉セグ
メント素線11が転倒したり突出部が潰れ変形しやすく
なる。中心角θが90°を越えると投影断面積が増加し
て風圧抵抗が増大し低風圧効果が損なわれる。
【0025】前記(6)のように最外層の薄肉セグメン
ト素線撚合層中に厚肉セグメント素線を撚り合わせ電線
外周面にスパイラル状の突起を形成して、風圧抵抗の低
減効果を若干犠牲にしても風騒音を下げたい場合には、
この電線外周面に形成するスパイラル状凹溝10の形状
は、円弧状にしたものが特に風騒音レベルの低減効果が
顕著である。前記の風騒音レベルを低減する厚肉セグメ
ント素線により形成される電線周面の突起は、電線周面
に深い溝を有する粗い表面に突起を設けるよりも、より
平滑な表面に同じ高さの突起物を設けたほうがカルマン
渦を擾乱する効果が大きくなる。換言すれば、粗い表面
を有する電線では、平滑な表面を有する電線に設けた突
起高さよりも、より高い突起を設けないと騒音レベルを
効果的に低減できない。したがって本発明のように、突
起高さをより低い突起として風圧抵抗を増加させずに風
騒音レベルを低減させるためには、円弧状の平滑な表面
に近い溝と突起の組み合わせが最適である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
より説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の架空
電線を、中心の素線以外はハッチングを省略した断面図
で示し、図2はその最外層の撚の合わせ素線部分を拡大
して示した図であり、図3は隣接セグメント素線の隣接
側面の凹部と凸部が嵌合し合う凹凸嵌合部を示した図で
ある。図1に示すように、鋼撚線の心線8の周りに円形
断面のアルミ素線の撚線層9を設け、このアルミ撚線層
9の上の最外層に断面台形のセグメント素線1を撚り合
わせて外径Dの架空電線を構成する。このセグメント素
線1は、アルミ合金製、銅製等の導電体製または表面が
導電体である素線(たとえばアルミ被覆鋼線)であり、
この本発明の架空電線は、送電線だけでなく架空地線も
含むものである。この図1に示した電線は、中心の7本
の鋼撚線8の周囲に10本の断面円形のアルミ素線を撚
り合わせ、このアルミ撚線層9の周囲の最外層に24本
のセグメント素線1を撚り合わせた例を示す。なお、前
記のアルミ撚線層9は、円形断面のアルミ素線のかわり
に断面扇形のセグメント素線を用いることにより、断面
密度を高めコンパクト化を図り、同一外径を維持して電
流容量の増加を図ることもできる。
【0027】前記の各セグメント素線1は、図2に示し
たように、その断面台形の電線径方向の一方の側面2
に、ほぼV形の溝奥底が円弧面の凹部3を素線の長手方
向に連続して設け、断面台形の他方の電線径方向側面4
に、ほぼV形の凸部先端が円弧面の凸部5を素線の長手
方向に連続して設ける。この溝奥底が円弧面の凹部3と
突出先端部が円弧面の凸部5は、最外層にセグメント素
線1を撚り合わせたときに、隣接し合う一方の素線1の
一側面2に開口する凹部3と他方の素線1の側面4の凸
部5の先端部が嵌合し合うように形成する。前記のよう
に電線径方向の両側面に凹部3と凸部5を設けたセグメ
ント素線1を電線の最外層に撚り合わせることにより、
撚り合わせの隣接素線が相互に凹部3と凸部5が嵌合す
るので、各セグメント素線の電線径方向のずれが防止さ
れ肩立ちや線浮きの防止効果が大になる。
【0028】本発明においては、図3に示すように、前
記の最外層に撚り合わせられた隣接し合うセグメント素
線1、1の対向側面の凹部3と凸部5が嵌合し合う凹凸
嵌合部35において、凹部3と凸部5の両凹凸面の電線
径方向接触長さUを凹凸嵌合面の電線径方向長さWに対
し10%以下に形成する。このため前記の凸部5の先端
円弧面部5a(符号5aは図2)の円弧面の曲率R1を
凹部3の奥底円弧面部3a(符号3aは図2)の円弧面
の曲率R2よりも若干大にしてR1>R2に形成する。
このように凸部先端円弧面部5aの曲率を凹部奥底円弧
面部3aの曲率よりも大にすることにより、前記凹凸嵌
合部35における凹凸嵌合面の電線径方向長さWに対す
る両凹凸面の電線径方向接触長さUを10%以下に抑え
ることができる。
【0029】前記のように形成する凹凸嵌合部35にお
ける凹凸面の電線径方向接触長さUは、最外層のセグメ
ント素線撚合層において各隣接セグメント素線間に形成
される全部の凹凸嵌合部35のうちの多数個所の凹凸嵌
合部もしくは適宜個所の複数の凹凸嵌合部に形成される
が、少なくとも1箇所の凹凸嵌合部35に形成する。前
記のように凹凸嵌合部35における凹凸嵌合面の電線径
方向長さWに対し凹凸面の電線径方向接触長さUを10
%以下とすることにより、隣接するセグメント素線間の
摩擦が小さくなる。このため柔軟性に富む撚線を得るこ
とができ、セグメント素線に過大な応力がかからず、ひ
びが入るようになことはない。前記の接触長さUが10
%以上では撚線の柔軟性が充分に得られない。
【0030】前記の凹部3と凸部5は、図2に示したよ
うに、凹部3の奥底円弧面部3aの中心部Pおよび凸部
5の先端円弧面部5aの中心部Qとセグメント素線撚合
層の底面6との間の間隔Gが、セグメント素線1の厚さ
t(該底面6と電線外周側表面7の間の距離)に対し
0.2t≦G≦0.8t(mm)の範囲になるように形
成する。前記の凹部奥底円弧面部3aの中心部Pと凸部
先端円弧面部5aの中心部Qの位置は、セグメント素線
1の表面7側よりも内側の底面6側方向に位置させたほ
うが肩立ちや線浮きの防止効果が大きいので、前記のよ
うにP点、Q点の位置Gは、素線1の厚さtに対し
0.2t〜0.8t(mm)の範囲とするのが好まし
い。この中心部P、Qの位置がセグメント素線の電線外
表面部にあると、電線が曲げを受けたときに撚合素線の
笑いや変形が生じやすく、これが永久に残る場合があ
り、平滑な電線表面を形成することが困難になり、風圧
抵抗を低減できなくなる不都合を生じやすい。
【0031】前記のセグメント素線撚合層の表面には、
各セグメント素線の隣接境界部における外周面に、図示
のように凹円弧状に窪む凹溝10を設けて、電線外周面
にスパイラル状の凹溝を形成する。このセグメント素線
1の隣接境界部外周面の円弧状凹溝10は、隣接し合う
各セグメント素線の側面の電線外周側の肩部の表面を凹
円弧状に切除した2つの凹円弧面10m、10n(図
2)により形成し、その窪み形状の凹円弧の形状は半円
弧形または浅い円弧形に形成する。この電線表面に設け
るスパイラル状凹溝10の数は、電線周方向に間隔を空
けて複数条を設けるが、少なくとも1条は設ける。図1
は最外層の撚合セグメント素線1の各隣接境界部のうち
1つおきの隣接境界部の外周側に凹溝10を設けた例を
示す。前記の凹溝10は、図示のようにセグメント素線
の隣接境界部における外周面の隣接2条の素線にわたっ
て凹円弧状に形成するかわりに、1条のセグメント素線
の外周面に設けてもよい。また、前記の凹溝は凹溝面が
凵字形の凹溝でもよい。
【0032】前記のように最外層にセグメント素線1を
撚り合わせた架空電線の表面にスパイラル状凹溝10を
形成することにより、風が吹きつけると、その気流の電
線表面を流れる気流は凹溝10内で気流の混合が生じて
乱流化が促進され、電線表面から一端剥離した気流が再
び後方の電線表面に再付着し、剥離点が風下側に移行し
て電線風下側の伴流が小さくなり風圧抵抗が低減する。
【0033】前記のスパイラル状凹溝10の大きさは、
該凹溝10の深さをa、巾をbとすると、該深さaと巾
bの比が 0.05≦ a/b ≦0.5 の範囲にな
るように形成するのが低風圧効果上好ましい。溝巾b
は、一般に2〜10mm、好ましくは5〜7mmとする
と、溝深さaは0.25〜0.35mm以上である。
【0034】前記の図2におけるgは、最外層の撚合セ
グメント素線層におけるセグメント素線1の隣接部に形
成される間隙であり、この間隙gは 0.1〜1.0m
mであって、最外層におけるセグメント素線隣接部の少
なくとも1箇所に形成され、この間隙により、セグメン
ト素線の寸法に多少の誤差があってもオーバレイヤーに
ならず肩立ちや線浮きが生じない。
【0035】図4は本発明の第2の実施の形態の架空電
線を、中心の素線以外はハッチングを省略した断面で示
し、図5はその最外層の素線部分を拡大して示し、図
1、図2と同一符号は同一部分を示す。この第2の実施
形態の架空電線は、前記の図1と図2に示した実施形態
と同様にセグメント素線1を最外層に撚り合わせて外径
Dの撚合層を形成し、このセグメント素線1の径方向の
厚さtよりも大なる径方向厚さdの厚肉のセグメント素
線11を、前記の小なる径方向厚さtの薄肉セグメント
素線1の撚合層中に混ぜて一緒に撚り合わせたものであ
り、この厚肉セグメント素線11の外表面側の半部が電
線周面上にスパイラル状に突出する。前記の最外層の薄
肉セグメント素線撚合層中に撚り合わせる厚肉セグメン
ト素線11は、少なくとも1条を前記撚合層中に撚り合
わせる。図4は直径線上に相対して1対の厚肉セグメン
ト素線11を撚り合わせた例を示す。
【0036】この図4と図5に示した第2の実施形態の
電線は、前記の厚肉セグメント素線11を、薄肉セグメ
ント素線1と同巾の2条のセグメント素線を厚肉にした
左右1対の厚肉セグメント素線11m、11nを合わせ
て形成した実施形態であり、図5に示したように、一方
の右側の素線11nの左側面2の凹部3と他方の左側の
素線11mの対向右側面4の凸部5の先端を嵌合させ、
この左側素線11mの他側の左側面2の凹部3と、さら
に左側に隣接する薄肉セグメント素線1の凸部5の先端
を嵌合させ、また前記右側素線11nの他側の右側面4
の凸部5の先端と、さらに右側に隣接する薄肉セグメン
ト素線1の凹部3を嵌合させて撚り合わせる。最外層の
他の個所における各隣接薄肉セグメント素線を、凹部3
と隣接凸部5を嵌合させて撚り合わせることは、前記第
1の実施形態と同様である。
【0037】この第2の実施形態の電線も、最外層のセ
グメント素線撚合層における各凹凸嵌合部35のうち少
なくとも1箇所の凹凸嵌合部35において、その両凹凸
面の電線径方向接触長さUを凹凸嵌合面の電線径方向長
さWの10%以下に形成することは、図3に示した前記
第1実施形態の電線と同様であり、このため凸部5の先
端円弧面部5aの円弧面の曲率R1を凹部3の奥底円弧
面部3aの円弧面の曲率R2よりも若干大にして R1
>R2 に形成し前記凹凸嵌合部35における両凹凸面
の電線径方向接触長さUを凹凸嵌合面の電線径方向長さ
Wに対し10%以下に抑えることも、前記第1実施形態
の電線と同様である。
【0038】また、前記凹部3の奥底円弧面部3aの中
心部Pと凸部5の先端円弧面部5aの中心部Qとセグメ
ント素線撚合層の底面との間の間隔Gを最外層の外径D
のセグメント素線撚合層を形成する薄肉セグメント素線
1の厚さtに対し0.2t≦G≦0.8t(mm)の範
囲にすることも前記第1の実施形態と同様であり、厚肉
セグメント素線11の両側面に設ける凹部3と凸部5
も、その凹部奥底円弧面部3aの中心部Pおよび凸部先
端円弧面部5aの中心部Qとセグメント素線撚合層の底
面との間の間隔Gを前記と同様に選定する。
【0039】前記のように最外層の薄肉セグメント素線
1の撚合層中に厚肉セグメント素線11を撚り合わせる
ことにより、図5に示すように、薄肉セグメント素線1
の撚合層の電線外周側表面7と厚肉セグメント素線11
の電線外周側表面12との間に段差hが形成され、この
段差hだけ電線周面上に突出した厚肉セグメント素線1
1の突出部11dにより電線周面上にスパイラル状に突
出するスパイラル突条が形成される。
【0040】前記の最外層の外径Dの薄肉セグメント素
線撚合層の電線外周側表面7上に厚肉セグメント素線1
1の突出部11dが突出する段差hは、薄肉セグメント
素線1の撚合層の外径Dに対しh/Dが 0.01<
h/D <0.10 の範囲になるように設定する。こ
の段差hが、小さすぎると低騒音効果が失われ、大きす
ぎると風圧抵抗が大になって低風圧効果が損なわれる。
実験よれば、段差hがh<0.01D であると低騒音
効果が失われ、一方、外径が等価な従来の電線の風圧抵
抗よりも10〜20%小さくして低風圧効果を得るには
h<0.1Dにする必要があることがわかった。な
お、前記の段差hを電線周面の対向する4箇所に設け
て、より低い段差で低風圧化と低騒音化を図ることも可
能である。
【0041】前記の最外層の薄肉セグメント素線1の撚
合層中に撚り合わせた厚肉セグメント素線11の両側面
間の巾(図5において右側の素線11nの右側面4と左
側の素線11mの左側面2との間の間隔巾)は、中心点
がOの電線における該両素線11m、11nの両側面間
の中心角θを 10°<θ<90° の範囲にする。こ
の中心角θが10°以下であると、電線の風下側にカル
マン渦が形成されやすくなり、低騒音効果が損なわれる
ばかりでなく、架線工事において金車を通過する際に、
電線の外周面上にスパイラル状に突出して最外層に撚り
合わせられている厚肉セグメント素線11が転倒したり
突出部が潰れ変形しやすくなるので、この中心角θは1
0°以上が好ましい。また中心角θが90°を越えると
投影断面積が増加して風圧抵抗が増大し低風圧効果が損
なわれるので、中心角θは90°以下とするのが好まし
い。
【0042】前記の第2の実施形態の架空電線も、前記
第1の実施形態の電線と同様に、最外層のセグメント素
線撚合層の素線隣接境界部の表面に、円弧状に窪む凹溝
10を設けて電線外周面にスパイラル状の凹溝を、電線
周方向に間隔を空けて複数条または少なくとも1条形成
するが、薄肉セグメント素線1に隣接する厚肉セグメン
ト素線11には、図4のように、厚肉セグメント素線1
1の突出部11dの下縁のセグメント肩部に凹円弧面を
形成して、これに隣接する薄肉セグメント素線1の凹円
弧面とともに円弧面の凹溝を形成する。この第2実施形
態の架空電線においても、電線外周面にスパイラル状凹
溝を形成することにより、前記第1実施形態のスパイラ
ル状凹溝10と同様に、風が吹きつけると電線表面を流
れる層流が凹溝10を通過して風下側に移り、剥離点が
風下側に移行して抗力係数が小になり、風圧荷重が低減
する。
【0043】また、前記第2実施形態の架空電線におい
ても、凹溝10の深さaと巾bの比を 0.05≦ a
/b ≦0.5 の範囲にすることも前記第1実施形態
と同様であり、最外層の撚合セグメント素線1の隣接境
界部に0.1〜1.0mmの間隙gを撚合セグメント素
線の隣接部の少なくとも1箇所に形成することも前記第
1実施形態と同様である。
【0044】図6は本発明の第3の実施の形態の架空電
線を、中心の素線以外はハッチングを省略した断面図で
示し、図1、図2および図4、図5と同一符号は同一部
分を示す。この第3の実施形態の架空電線は、前記第2
の実施形態における最外層の各セグメント素線の2条分
の巾のセグメント素線21、22を用い、10条の薄肉
セグメント素線21と2条の厚肉セグメント素線22を
撚り合わせて、薄肉セグメント素線21の撚合層の外径
がDで、直径線上に2条の厚肉セグメント素線22が相
対する電線を構成したものである。この第3の実施形態
の電線においては、最外層の各セグメント素線の隣接境
界部ごとにその境界部表面に凹円弧状の凹溝10を設け
て電線外周面にスパイラル状凹溝を電線周方向に間隔を
空けて形成する。
【0045】また、この第3の実施形態の電線も、最外
層のセグメント素線撚合層における各凹凸嵌合部35の
うち少なくとも1箇所の凹凸嵌合部35において、その
両凹凸面の電線径方向接触長さUを凹凸嵌合面の電線径
方向長さWの10%以下に形成することは、図3に示し
た前記第1実施形態の電線と同様であり、このため凸部
5の先端円弧面部5aの円弧面の曲率R1を凹部3の奥
底円弧面部3aの円弧面の曲率R2よりも若干大にして
R1>R2 に形成することも、前記第1実施形態の
電線と同様である。
【0046】また第3の実施形態の電線も、前記第2実
施形態の電線と同様に、最外層の各隣接薄肉セグメント
素線を、その側面の凹部3と隣接素線側面の凸部5を嵌
合させて撚り合わせるものであり、凹部3の奥底円弧面
部3aの中心部Pと凸部5の先端円弧面部5aの中心部
Qの位置を、セグメント素線1の厚さtに対し0.2t
≦G≦0.8t(mm)の範囲にすることも前記第1の
実施形態と同様である。
【0047】前記第3の実施形態を示した図6におい
て、θは厚肉セグメント素線21の中心角、hは薄肉セ
グメント素線21の撚合層の外周面と厚肉セグメント素
線22の突出外周面との間の段差であり、中心角θは1
0°<θ<90°の範囲とし、段差hは薄肉セグメント
素線撚合層の外径Dに対しh/Dを0.01< h/D
<0.10 の範囲にすることも前記第2実施形態の
電線と同様である。また凹溝10の深さaと巾bの比を
0.05≦ a/b ≦0.5 の範囲にすること、最
外層撚合セグメント素線1の隣接部の少なくとも1箇所
に0.1〜1.0mmの間隙gを形成することも前記第
1実施形態と同様である。
【0048】従来の電線は風速20m/s前後で抗力係
数が最大値となりその後風速が高くなると抗力係数が若
干増加し80m/sでは抗力係数はほぼ1になる。これ
に対し、本発明の電線は、電線表面に設けた凹溝10に
より気流が乱流化されて風下側の伴流が小さくなり風圧
抵抗が著しく低減するものであり、風速20m/s程度
では凹溝10内での乱流化作用が余り発揮できないが、
風速25m/s以上になると凹溝10内での乱流化作用
により風圧抵抗が劇的に減少し風速80m/s程度にな
っても持続する。本発明の電線は風圧抵抗が大幅に低減
され、鉄塔や基礎等の建設費を節減できるのでその経済
的効果は著しい。
【0049】前記第2実施形態のように外周にスパイラ
ル突条の段差hがある電線でも電線外径Dに対する段差
hの割合h/Dを前記0.01< h/D <0.10
の範囲の適切な範囲に選定することにより、従来の電線
に比べ、30〜40m/sの高風速領域で抗力係数を比
較すると、少なくとも20%以上の低減効果を有するこ
とが明らかとなった。また,電線表面に形成するスパイ
ラル状凹溝10の形状を、凹溝の深さaと巾bの比を
0.05≦ a/b ≦0.5 の所定の範囲に選定す
ることにより所望の設計風速に対して最適な抗力係数を
選択でき、凹溝10の本数も所定範囲に選定することに
より最適抗力係数を選択できることが明らかとなった。
また、従来の電線に比べて風圧抵抗のみを低減させた第
1実施形態の電線は、電線の外表面が従来電線に比べよ
り平滑なために風騒音レベルが若干高くなる傾向にある
が、第2実施形態の低騒音化を図った電線では卓越周波
数が消えて風騒音レベルが大幅に低下している。
【0050】図7は本発明の第4の実施の形態の架空電
線を示し、図1、図2と同一符号は同一部分を示す。こ
の第4の実施形態の電線は、前記の第1実施形態におけ
る最外層の各セグメント素線1の2条分の巾のセグメン
ト素線21を用いて最外層に撚り合わせ、最外層セグメ
ント素線21の側面に設ける凹部3と凸部5の円弧面
を、前記第1実施形態の最外層セグメント素線1の凹部
3と凸部5よりも大なる曲率に形成したものであり、1
2条のセグメント素線21を撚り合わせて外径がDの電
線を構成し、最外層の各セグメント素線21の隣接部ご
とにその隣接境界部表面に凹円弧状の凹溝10を設け
て、電線外周面にスパイラル状凹溝を電線周方向に間隔
を空けて形成する。
【0051】この第4の実施形態も、最外層のセグメン
ト素線撚合層における各凹凸嵌合部35のうち少なくと
も1箇所の凹凸嵌合部35においてその両凹凸面の電線
径方向接触長さUを凹凸嵌合面の電線径方向長さWの1
0%以下に形成することは、図3に示した前記第1の実
施形態の電線と同様であり、このため凸部5の先端円弧
面部5aの円弧面の曲率R1を凹部3の奥底円弧面部3
aの円弧面の曲率R2よりも若干大にして R1>R2
に形成することも、前記第1実施形態の電線と同様で
ある。また、前記凹部3の奥底円弧面部3aの中心部P
および凸部5の先端円弧面部5aの中心部Qからセグメ
ント素線撚合層底面までの間隔Gを、該底面と外周表面
との間の厚さtに対し0.2t≦G≦0.8t(mm)
とすること、および最外層におけるセグメント素線21
の隣接境界部の少なくとも1箇所に0.1〜1.0mm
の間隙gを形成すること、および電線外周面のスパイラ
ル状凹溝10の溝深さaと溝巾bを0.05≦ a/b
≦0.5とすることも第1実施形態の電線と同様であ
る。
【0052】図8は本発明の第5の実施の形態の架空電
線を示し、図1、図2と同一符号は同一部分を示す。こ
の第5の実施形態の電線は、前記第4実施形態と同様に
広巾のセグメント素線21を用いて最外層に撚り合わ
せ、最外層セグメント素線21の側面に設ける凹部3と
凸部5を、半円弧状の凹部3と凸部5に形成したもので
ある。この第5実施形態においても、最外層のセグメン
ト素線撚合層における各凹凸嵌合部35のうち少なくと
も1箇所の凹凸嵌合部35において、その両凹凸面の電
線径方向接触長さUを凹凸嵌合面の電線径方向長さWの
10%以下に形成することは、図3に示した前記第1実
施形態の電線と同様であり、このため凸部5の先端円弧
面部5aの円弧面の曲率R1を凹部3の奥底円弧面部3
aの円弧面の曲率R2よりも若干大にして R1>R2
に形成することも、前記第1実施形態の電線と同様で
ある。また前記凹部3の奥底円弧面部の中心部Pおよび
凸部5の先端円弧面部の中心部Qからセグメント素線撚
合層の底面までの間隔Gを、該底面と外周表面との間の
厚さtに対し 0.2t≦G≦0.8t(mm)とする
こと、および最外層における撚合セグメント素線21の
隣接境界部の少なくとも1箇所に0.1〜1.0mmの
間隙gを形成すること、および電線外周面のスパイラル
状凹溝10の溝深さaと溝巾bを0.05≦ a/b≦
0.5とすることも前記第1実施形態の電線と同様で
ある。
【0053】なお、前記の各図に示した各実施形態の電
線は撚り層数が4層構造のものを示したが、この撚り層
数は電線のサイズに応じて変更されるものである。また
前記のように最外層のみをセグメント素線の撚合層とす
るだけでなく、その内層のアルミ撚線層のすべての素線
もセグメント素線にして、占積率を高め同一断面積で電
線外径を細くして、風圧抵抗をさらに低減させるように
してもよい。
【0054】
【発明の効果】前記のように本発明の架空電線は、セグ
メント素線に凹部と凸部を設け隣接セグメント素線の
凹、凸部を嵌合させて撚り合わせ、最外層のセグメント
素線撚合層の少なくとも1箇所の凹凸嵌合部における両
凹凸面の電線径方向接触長さを凹凸嵌合面の電線径方向
長さの10%以下としたので、隣接するセグメント素線
間の摩擦が小さくなって柔軟性に富む撚線を得ることが
でき、取扱い容易となり、セグメント素線に過大な応力
がかからず従来のようにひびが入ることがなく、しかも
従来のような、撚り合わせの際の素線相互のずれが起こ
らず、架線の際の金車通過時の素線の飛び出しや線浮き
を防ぐことができる。
【0055】また、セグメント素線側面の凸部先端円弧
面の曲率を凹部奥底円弧面の曲率よりも大にすることに
より、隣接セグメント素線の凹凸嵌合部における両凹凸
面の電線径方向接触長さを凹凸嵌合面の電線径方向長さ
の10%以下に抑えることが容易にできる。
【0056】前記セグメント素線の両側面の凹部の奥底
円弧面部の中心部および凸部の先端円弧面部の中心部か
らセグメント素線底面までの間隔Gを、セグメント素線
の底面と外周表面との間の厚さtに対し 0.2t≦G
≦0.8t(mm)としたので、最外層のセグメント素
線の撚り合わせの際に素線が電線径方向にずれて生ずる
肩立ちや線浮き現象の防止効果が大になる。
【0057】また、最外層のセグメント素線撚合層の外
周表面に少なくとも1条または電線周方向に間隔を空け
て複数条のスパイラル状凹溝を設けたので、架空電線に
風が吹きつけたときに電線表面を流れる境界層の剥離点
が電線風下側に移行して風圧荷重が低減する。
【0058】また、最外層における撚合セグメント素線
の境界部の少なくとも1箇所に0.1〜1.0mmの間
隙を形成することにより、撚合セグメント素線1の凹部
に隣接素線の凸部を嵌入させてセグメント素線を撚り合
わせる際に、セグメント素線の寸法に若干の誤差があっ
ても、前記間隙で吸収、調整されて両凹、凸部を支障な
く嵌合させることができる。またこの間隙により電線内
部に入った雨水を速やかに排出することができる。
【0059】また、セグメント素線撚合層の外周表面に
形成するスパイラル状凹溝の溝深さaと溝巾bを 0.
05≦ a/b ≦0.5 としたことにより、所望の
設計風速に対して最適な抗力係数を選択でき、低風圧効
果を増すことができる。
【0060】また、最外層における薄肉セグメント素線
の撚合層中に、厚肉セグメント素線を少なくとも1条撚
り合わせて薄肉セグメント素線撚合層の外周面と厚肉セ
グメント素線外周面との間に段差を形成し、この段差h
を薄肉セグメント素線撚合層の外径Dに対し 0.01
< h/D <0.10 としことにより、大なる低風
圧効果を有する低風騒音電線を得ることができる。
【0061】また、前記厚肉セグメント素線の中心角θ
を 10°<θ<90° としたことにより、大なる低
風圧効果、低騒音効果が得られるばかりでなく、架線工
事において金車を通過する際の厚肉セグメント素線の転
倒や突出部の潰れ、変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図
【図2】本発明の第1の実施形態の最外層撚合素線部の
拡大図
【図3】本発明のセグメント素線撚合層の隣接セグメン
ト素線の凹凸嵌合部を示す図
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す図
【図5】本発明の第2の実施形態の最外層撚合素線部の
拡大図
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す図
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す図
【図8】本発明の第5の実施の形態を示す図
【符号の説明】
1、21:セグメント素線 2、4:セグメント素線の両側面 3:セグメント素線側面の凹部 3a:凹部3の奥底円弧面部 5:セグメント素線側面の凸部 5a:凸部5の先端円弧面部 6:セグメント素線撚合層の底面 7:セグメント素線撚合層の外周面 10:電線外周面の凹溝 11、22:厚肉セグメント素線 35:凹凸嵌合部 V1:凹凸嵌合部の両凹凸面の上側の接触部 δ1:凹凸嵌合部の両凹凸面の上側の接触部V1の接触
長さ V2:凹凸嵌合部の両凹凸面の下側の接触部 δ2:凹凸嵌合部の両凹凸面の下側の接触部V2の接触
長さ U:凹凸嵌合部の両凹凸面の電線径方向接触長さ W:凹凸嵌合部の凹凸嵌合面の電線径方向長さ R1:凸部先端円弧面部5aの円弧面の曲率 R2:凹部奥底円弧面部3aの円弧面の曲率 P:凹部3の奥底円弧面部3aの中心部 Q:凸部5の先端円弧面部5aの中心部 G:中心部P、Qの位置点 t:セグメント素線撚合層の厚さ g:隣接セグメント素線間の間隙 a:凹溝10の溝深さ b:凹溝10の溝巾 h:厚肉セグメント素線11、22の段差 D:架空線直径 θ:厚肉セグメント素線11、22の両側面間の中心角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 哲哉 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 5G307 EA03 EA06 EA08 ED01 EE01 EF05 EF09 EF10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】最外層にセグメント素線を撚り合わせた架
    空電線において、前記各セグメント素線の一方の側面に
    凹部を設けるとともに他方の側面に凸部を設け、隣接す
    るセグメント素線の一方のセグメント素線側面の凹部と
    他方のセグメント素線側面の凸部を嵌合させて凹凸嵌合
    部を形成し、かつ、最外層のセグメント素線撚合層にお
    ける少なくとも1箇所の前記凹凸嵌合部の両凹凸面の電
    線径方向接触長さを、該凹凸嵌合面の電線径方向長さの
    10%以下としてセグメント素線撚合層を形成し、前記
    セグメント素線の隣接境界部の外周面または素線外周面
    に設けた凹溝により電線外周面に少なくとも1条または
    電線周方向に間隔を空けて複数条のスパイラル状凹溝を
    形成したことを特徴とする架空電線。
  2. 【請求項2】最外層のセグメント素線撚合層の各セグメ
    ント素線の両側面に設ける凸部の先端円弧面部の円弧面
    の曲率R1と凹部の奥底円弧面部の円弧面の曲率R2を
    R1>R2 に形成したことを特徴とする請求項1の
    架空電線。
  3. 【請求項3】最外層のセグメント素線撚合層を形成する
    セグメント素線の両側面の凹部の奥底円弧面部の中心部
    および凸部の先端円弧面部の中心部からセグメント素線
    撚合層の底面までの間隔Gを、該底面と外周表面との間
    の厚さtに対し 0.2t≦G≦0.8t(mm)とし
    たことを特徴とする請求項1または2の架空電線。
  4. 【請求項4】最外層における撚合セグメント素線の隣接
    部の少なくとも1箇所に 0.1〜1.0mmの間隙を
    有することを特徴とする請求項1、2または3の架空電
    線。
  5. 【請求項5】セグメント素線撚合層の外周表面に形成す
    るスパイラル状凹溝の溝深さaと溝巾bを 0.05≦
    a/b ≦0.5 としたことを特徴とする請求項1
    乃至4の架空電線。
  6. 【請求項6】最外層における径方向厚さが小なる薄肉セ
    グメント素線の撚合層中に径方向厚さが前記薄肉セグメ
    ント素線よりも大なる厚肉セグメント素線を少なくとも
    1条撚り合わせ、前記薄肉セグメント素線の撚合層の外
    周面と厚肉セグメント素線の外周面との間の段差hを、
    前記薄肉セグメント素線の撚合層の外径Dに対し 0.
    01< h/D <0.10 とし、前記厚肉セグメン
    ト素線の中心角θを 10°<θ<90° としたこと
    を特徴とする請求項1乃至5の架空電線。
JP10100506A 1997-09-29 1998-03-28 架空電線 Pending JP2001035260A (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10100506A JP2001035260A (ja) 1998-03-28 1998-03-28 架空電線
TW087115217A TW388031B (en) 1997-09-29 1998-09-11 Overhead wire
KR1019997004752A KR20000069189A (ko) 1997-09-29 1998-09-16 가공전선
CA002273219A CA2273219A1 (en) 1997-09-29 1998-09-16 Overhead wire
US09/308,625 US6331677B1 (en) 1997-09-29 1998-09-16 Overhead wire
CNB021186626A CN1246860C (zh) 1997-09-29 1998-09-16 架空电线
CN98801436A CN1126116C (zh) 1997-09-29 1998-09-16 架空电线
PCT/JP1998/004153 WO1999017306A1 (fr) 1997-09-29 1998-09-16 Fil aerien
CNB021186685A CN1183552C (zh) 1997-09-29 1998-09-16 架空电线
EP98942999A EP0942437A4 (en) 1997-09-29 1998-09-16 OVERHEAD LINE WIRE

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10100506A JP2001035260A (ja) 1998-03-28 1998-03-28 架空電線

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001035260A true JP2001035260A (ja) 2001-02-09

Family

ID=14275841

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10100506A Pending JP2001035260A (ja) 1997-09-29 1998-03-28 架空電線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001035260A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010225457A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Viscas Corp 低風圧電線
JP2014007195A (ja) * 2012-06-21 2014-01-16 Fcm Kk コイル
JP2015146276A (ja) * 2014-02-04 2015-08-13 株式会社ジェイ・パワーシステムズ 送電線
CN107425496A (zh) * 2017-06-06 2017-12-01 国网河南省电力公司电力科学研究院 一种多分裂覆冰导线风阻抑舞环装置
CN108520792A (zh) * 2018-05-04 2018-09-11 无锡市曙光电缆有限公司 一种聚氯乙烯绝缘无护套电线电缆
CN110375949A (zh) * 2019-08-08 2019-10-25 南方电网科学研究院有限责任公司 一种导线风洞试验模型及其制作方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010225457A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Viscas Corp 低風圧電線
JP2014007195A (ja) * 2012-06-21 2014-01-16 Fcm Kk コイル
JP2015146276A (ja) * 2014-02-04 2015-08-13 株式会社ジェイ・パワーシステムズ 送電線
CN107425496A (zh) * 2017-06-06 2017-12-01 国网河南省电力公司电力科学研究院 一种多分裂覆冰导线风阻抑舞环装置
CN107425496B (zh) * 2017-06-06 2019-07-30 国网河南省电力公司电力科学研究院 一种多分裂覆冰导线风阻抑舞环装置
CN108520792A (zh) * 2018-05-04 2018-09-11 无锡市曙光电缆有限公司 一种聚氯乙烯绝缘无护套电线电缆
CN110375949A (zh) * 2019-08-08 2019-10-25 南方电网科学研究院有限责任公司 一种导线风洞试验模型及其制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6331677B1 (en) Overhead wire
JP2001035260A (ja) 架空電線
US6734366B2 (en) Overhead cable
JPS61263004A (ja) 低い抗力を有する導線
JP2898903B2 (ja) 架空線
JP2959884B2 (ja) 低風音型撚線導体
JP2942438B2 (ja) 低騒音電線
JP2000243143A (ja) 架空電線
CN212257013U (zh) 低风压节能型中强度全铝合金扩径导线
JPS63116310A (ja) 架空送電線
JP6252212B2 (ja) 送電線
JP2585927Y2 (ja) 低風音低an電線
JP4615924B2 (ja) 自己支持型低風圧ケーブル
JPH03196413A (ja) 低騒音電線
JP2508854B2 (ja) 多導体用低風音電線
JPH0718627A (ja) 制振型斜張橋ケーブル
JPS6353764B2 (ja)
JP2000306434A (ja) 架空送電線
JP2000268636A (ja) 架空電線
JPH09330617A (ja) 架空電線
JPH024082B2 (ja)
JP2006120362A (ja) 絶縁電線
JP2002170428A (ja) 架空送電線
JPH0393108A (ja) 低an型低騒音電線
JPH1139951A (ja) 架空電線