JP2014007195A - コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】平角線を構成する導体基線の一体性を高めることにより、占積率の向上を図ることができるコイルの提供を目的とする。
【解決手段】厚み方向Xの両端側に、厚みよりも幅広な積層面21を有する平角線20を、前記積層面21によって螺旋面が構成されるように螺旋軸方向に沿って巻き回してなるコイル10であって、前記平角線20を、前記積層面21の幅よりも幅狭な導体基線50を幅方向Yに沿って複数配置して構成し、複数の前記導体基線50のうち前記平角線20の幅方向Yにおいて互いに対向する一対の導体基線50,50に、該一対の導体基線50,50同士を嵌合する嵌合手段70を備えた。
【選択図】図1

Description

この発明は、厚み方向の両端側に、厚みよりも幅広な積層面を有する平角線を、該積層面によって螺旋面が構成されるように螺旋軸方向に沿って巻き回してなるエッジワイズコイルに関し、詳しくは、占積率を高めたエッジワイズコイルに関する。
最近、丸線を巻き回してなるコイルよりも占積率を高めるために、厚み方向の両端側に、厚みよりも幅広な積層面を有する平角線などの平角線を、該積層面によって螺旋面が構成されるように螺旋軸方向に沿って巻き回してなるエッジワイズコイル(縦巻きコイル)が実施されている。
しかし、エッジワイズコイルは、平角線の曲げ部分における曲率が大きい場合、巻きの外側に引張り力が加わるとともに、内側に圧縮力が加わることにより積層面の幅が変化する等、平角線が変形するという課題が生じる。
また、このような課題により、平角線を、所望の曲率以上の曲率で曲げ加工することができないという課題も有する。
このような課題に対して、前記平角線として、前記積層面の幅よりも幅狭な導体基線を幅方向に沿って複数配置して構成した平角線が用いられ、下記特許文献1における「コイルおよびその製造方法」もその一つである。
しかし、前記積層面の幅よりも幅狭な導体基線を幅方向に沿って複数配置して構成した平角線の場合、それぞれの導体基線の一体性を保ち難く、互いに分離するおそれがあるという難点がある。
詳しくは、特許文献1におけるコイルの場合、特許文献1における「コイル」を構成する平角線は、複数本の電線を巻きの内側から外側に向けて重ねた状態で構成している。
しかし、特許文献1におけるコイルは、複数の電線を単に重ね合わせながら巻き重ねた構成であるため、それぞれの電線の一体性が乏しくなり、特に、曲げ部分の曲率が大きくなればなるほど、それぞれの電線に作用する応力が大きくなるため、上述したように、平角線において、電線の一体性を保つことが困難になるという課題が顕著になる。
従って、特許文献1におけるコイルの場合、曲げ部分の曲率をある程度まで大きくするは可能であったが、より大きくするには限界があり、占積率の向上を図ることができなかった。
さらに、複数の電線を巻き重ねる過程において、それぞれの電線に対して付与するテンションの方向が微妙にずれた場合には、積層面を構成するように重ね合わせた電線同士の境界部分に凹凸が形成される。そうするとやはり高い占積率を有したコイルを得ることができないという課題を有する。
加えて、上述したように、複数の電線を巻き重ねる過程において、それぞれの電線に対して付与するテンションの方向が微妙にずれるなどして、導体基線のそれぞれが分離しないよう慎重に巻き重ねる必要があり、製造時間を要するとともに、より高精度な設備を要するため、製造コストを要するという課題も生じていた。
特開2005−327834号公報
そこでこの発明は、平角線を構成する導体基線の一体性を高めることにより、占積率の向上を図ることができるコイルの提供を目的とする。
本発明は、厚み方向の両端側に、厚みよりも幅広な積層面を有する平角線を、前記積層面によって螺旋面が構成されるように螺旋軸方向に沿って巻き回してなるコイルであって、前記平角線を、前記積層面の幅よりも幅狭な導体基線を幅方向に沿って複数配置して構成し、複数の前記導体基線のうち前記平角線の幅方向において互いに対向する一対の前記導体基線に、該一対の導体基線同士を嵌合する嵌合手段を備えたことを特徴とする。
上述した構成によれば、前記平角線を、前記積層面の幅よりも幅狭な導体基線を幅方向に沿って複数配置して構成したため、平角線の曲げに伴って該平角線に内部応力が作用することによって、平角線の厚み等、平角線の形状が不測に変化することを防ぐことができる。
これにより、本発明のコイルは、平角線の曲げ部分の曲率を大きく形成することができ、同じサイズのコイルにおいて、より多くの平角線を幅方向に沿って配置することが可能となるため、コイルの占積率を高めることができる。
さらに、本発明のコイルは、複数の前記導体基線のうち前記平角線の幅方向において互いに対向する一対の前記導体基線に、該一対の導体基線同士を嵌合する嵌合手段を備えたため、複数の導体基線のそれぞれが分離することなく平角線の一体性を高めることができる。
これにより、曲げ部分を形成することにより、平角線に内部応力が作用しても、前記導体基線が互いに分離し難くなるため、より大きな曲率の曲げ部分を形成でき、コイルの占積率を高めることができる。
さらに、本発明のコイルは、前記導体基線のそれぞれを幅方向に沿って配列した状態において、前記導体基線のそれぞれが厚み方向にずれることで、積層面に凹凸が生じることを防ぐことができるため、コイルの占積率を高めることができる。
従って、本発明のコイルは、上述したように、コイルの占積率を高めることにより、同一巻き数において、従来のコイルよりも小型化を図ることができる。さらに、同一インダクタンスでは、巻き数を減らすことができるため、直流抵抗の低減化や軽量化を図ることができる。
さらにまた、本発明のコイルは、内部応力が少なく、しかも優れた一体性を有して構成できるため、信頼性の高いコイルを構成することができる。
さらに、本発明のコイルは、曲げ部分を形成する際に平角線に作用する内部応力を抑制できるため、曲げ部分を容易に形成することができる。よって、平角線が厚み方向や幅方向において不測に変形しないように、曲げ部分を形成するための特殊な装置や、変形し難い特殊材料で形成した平角線を用いずとも、高品質なコイルを容易に製造することができる。
また、本発明のコイルは、上述したように、前記平角線を、前記積層面の幅よりも幅狭な導体基線を幅方向に沿って複数配置して構成したため、断面長方形状に形成した従来の平角線と比較して表面積を向上させることができる。
従って本発明のコイルは、表皮効果を向上させることができる。
さらに、本発明のコイルは、嵌合手段を備えることで、一対の前記導体基線における一方の一対の前記導体基線の対向部分に、嵌合部と被嵌合部とが嵌合する凹凸形状の嵌合部分を有するため、単に複数の導体基線を重ねただけの従来の平角線と比較して導体基線同士が対向する対向部分の表面積をより向上させることができる。
従って本発明のコイルは、表皮効果を向上させることができる。
さらにまた、コイル製造の際に、互いに対向する一対の前記導体基線同士を嵌合させながら幅方向に沿って、複数の導体基線を巻き重ねることができる。このため、コイル製造の際に、複数の導体基線のそれぞれが分離することなく巻き重ねることができる。
従って、複数の導体基線からなる平角線を巻き回してなるコイルをスムーズに製造することができる。
また、前記導体基線は、長さ方向に直交する直交断面が例えば、正方形、或いは長方形をした四角形、四角形以外の多角形状、楕円形状、又は、丸形状となるように形成することができる。
この発明の態様として、前記一対の導体基線を、一方の導体基線と他方の導体基線とで構成し、前記嵌合手段を、前記一方の導体基線に形成した一方の嵌合部と、前記他方の導体基線に形成した他方の被嵌合部とで構成し、前記嵌合部と前記被嵌合部とを、嵌合状態における該嵌合部と該被嵌合部との間のクリアランスが、すき間ばめ、又は、中間ばめとなるように構成することができる。
前記嵌合部と前記被嵌合部とを、嵌合状態における該嵌合部と該被嵌合部とのクリアランスが、すき間ばめ、又は中間ばめとなるように構成することで、締まりばめの場合のように、該嵌合部と該被嵌合部とを圧入により嵌合する必要がなくスムーズ、且つ容易に嵌合することができる。
従って、複数の導体基線を重ね合わせる際に、一対の導体基線を互いに嵌合させながら重ね合わせた場合であっても、スムーズ且つ、容易にコイルを構成することができる。
前記嵌合部は、凸状に形成するに限らず、凹状に形成するなど、被嵌合部と嵌合可能であれば、その構成は限定しない。
前記被嵌合部は、凹状に形成するに限らず、凸状に形成するなど、嵌合部と嵌合可能であれば、その構成は限定しない。
またこの発明の態様として、前記嵌合部と前記被嵌合部との間に導電材を介在させることができる。
前記嵌合部と前記被嵌合部との間に導電材を介在させることで導電材によって、嵌合状態における該嵌合部と該被嵌合部との間の隙間を消滅させることができる。
よって、コイルの占積率の向上を図ることができるとともに、前記嵌合部と前記被嵌合部とのスムーズな嵌合と、導体基線同士の一体性を高めることができる。
またこの発明の態様として、前記嵌合部を、前記一方の導体基線に複数形成するとともに、前記被嵌合部を、複数形成した前記嵌合部のそれぞれと嵌合可能に、前記他方の導体基線に複数形成することができる。
上述したように、前記嵌合部を、前記一方の導体基線に複数形成するとともに、前記被嵌合部を、前記他方の導体基線に複数形成することにより、嵌合状態において、コイルに対して外力が作用した場合、該外力を複数の嵌合部分のそれぞれに分散させることができるため、一つあたりの嵌合部分に加わる外力の大きさを低減させることができる。
従って、複数の嵌合部分によって導体基線同士の強固な嵌合状態を維持することができる。
またこの発明の態様として、前記嵌合部を一方の鍵状嵌合部で形成するとともに、前記被嵌合部を、前記鍵状嵌合部を嵌合可能な他方の鍵状嵌合部で形成することができる。
上述したように、鍵状嵌合部と鍵状嵌合部とが嵌合することで、厚み方向のみならず、幅方向においても、より強固な嵌合状態を得ることができる。
よって、コイルに外力が作用しても、複数の導体基線は、確実な嵌合状態を維持することができる。
この発明によれば、平角線を構成する導体基線の一体性を高めることにより、占積率の向上を図ることができるコイルを提供することができる。
第1実施形態のコイルの外観図。 第1実施形態の平角線の構成説明図。 第1実施形態の平角線の作用説明図。 第1実施形態の平角線の作用説明図。 他の実施形態のコイルの説明図。 他の実施形態のコイルの説明図。 他の実施形態のコイルの説明図。 他の実施形態のコイルの説明図。 従来の平角線の説明図。 従来の平角線の説明図。
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態におけるコイル10は、図1、及び図2に示すように、厚み方向Xの両端側に、厚みよりも幅広な積層面21(フラット面21)を有する平角線20(フラット線20)を、前記積層面21によって螺旋面が構成されるように螺旋軸方向Sに沿って巻き回して螺旋軸方向Sに対して直交する直交断面が略四角形となる外周形状を有した筒状に構成している。
図1はコイル10の外観図を示し、図2(a)は図1中のA−A線矢視断面の一部を示す断面図であり、図2(b)は図2(a)中のX部分拡大図を示す。
コイル10は、直交断面視した状態において、長方形状をした長辺部分と短辺部分に相当する直線部10Sと、隅角部分に相当し、略90度に湾曲させた曲げ部分10L1とで構成している。
前記平角線20は、上述したように厚み方向Xに対して幅方向Yが幅広に形成するとともに積層面21の幅よりも幅狭な4本の導体基線50を幅方向Yに沿って積層(配置)して形成している。
すなわち、導体基線50は、前記積層面21の幅を略4等分配した幅を有して、厚み方向Xに対して幅方向Yが長い断面略長方形で形成している。また、導体基線50は、銅やアルミ二ウムなどの導体からなる線材と該線材を被覆する絶縁物とで形成している。
なお、図1に示すように、平角線20を螺旋状に巻き回した状態においては、平角線20の厚み方向Xは螺旋軸方向Sと略一致する。また、図1、及び図2、並びに後述する図3乃至図8に図示した導体基線50において、導体からなる線材を被覆する絶縁層は図示省略している。
4本の導体基線50は、巻き回した外層側から内層側へ順に第1導体基線50a、第2導体基線50b、第3導体基線50c、及び第4導体基線50dとで構成している。
これら4本の導体基線50のうち平角線20の幅方向Yにおいて互いに対向する一対の導体基線50,50における対向部分には、該一対の導体基線50,50同士を嵌合する嵌合手段70を形成している。
嵌合手段70は、一対の導体基線50,50における一方の導体基線50に形成した嵌合凸部71と、他方の導体基線50に形成した嵌合凹部72とで構成している。
嵌合凸部71は、他方の導体基線50に向けて徐々に先細りとなる突状に形成するとともに、嵌合凹部72は、嵌合凸部71を嵌合可能な凹状に形成している。
具体的には、第1導体基線50aは、幅方向Yにおける第2導体基線50bとの対向部分に嵌合凸部71を形成している。第2導体基線50bは、幅方向Yにおける第1導体基線50aとの対向部分に嵌合凹部72を形成するとともに、第3導体基線50cとの対向部分に嵌合凸部71を形成している。第3導体基線50cは、幅方向Yにおける第2導体基線50bとの対向部分に嵌合凹部72を形成するとともに、第4導体基線50dとの対向部分に嵌合凸部71を形成している。第4導体基線50dは、幅方向Yにおける第3導体基線50cとの対向部分に嵌合凹部72を形成している。
嵌合手段70は、嵌合凸部71と嵌合凹部72とを嵌合させた嵌合状態において、該嵌合凸部71と該嵌合凹部72との間のクリアランスΔL、詳しくは、嵌合凸部71と嵌合凹部72とが対向する側面部分の間、及び、底面部分の間のクリアランスΔLが、すき間ばめ、又は、中間ばめとなるように構成している。
具体的には、嵌合手段70は、嵌合状態において嵌合凸部71と嵌合凹部72との間の最大のクリアランスΔLが0.005〜0.05mmとなるように構成している。
上述したコイル10は、以下の作用、効果を奏することができる。
コイル10は、上述したように、前記平角線20を、前記積層面21の幅よりも幅狭な導体基線50を幅方向Yに沿って複数配置して構成しているため、平角線20の曲げに伴って該平角線20に内部応力が作用する場合であっても、平角線20の厚み等の形状が不測に変化することを防ぐことができる。
これにより、平角線20の厚み(厚み方向X長さ)に対する幅(幅方向Y長さ)の比を示すアスペクト比を、従来の平角線では困難であった例えば、20以上といった大きな値にすることができる。
さらに、アスペクト比の低い導体基線50を幅方向Yに沿って配置することで、その導体基線50の配置数に応じて平角線20のアスペクト比を任意に設定することが可能となる。
さらにまた、平角線20の厚みに対する幅の比を示すアスペクト比を大きくすることができるため、高周波損失の低減を図ることができる。
さらに、平角線20の曲げ部分10L1の曲率を大きくでき、同じサイズのコイル10において、より多くの導体基線50を厚み方向Xに沿って配置することが可能となるため、コイル10の占積率を高めることができる。
しかも、複数の導体基線50のうち平角線20の幅方向Yにおいて互いに対向する一対の導体基線50,50に、該一対の導体基線50,50同士を嵌合する嵌合手段70を備えたため、複数の導体基線50のそれぞれが分離することなく平角線20の一体性を高めることができる。
これにより、平角線20の曲げ部分10L1に内部応力が作用しても、4本の導体基線50が互いに分離し難くなり、より大きな曲率の曲げ部分10L1を形成できるため、コイル10の占積率を高めることができる。
さらに、導体基線50のそれぞれを幅方向Yに沿って配列した状態において、導体基線50のそれぞれが厚み方向Xにずれた場合には、積層面21には凹凸が生じることになるが、第1実施形態の平角線20は、嵌合手段70による嵌合によって、導体基線50のそれぞれが厚み方向にずれないように規制できるため、このような事態が生じることがない。
従って、螺旋状に巻き回した状態においてコイル10の占積率を高めることができる。
上述したように、コイル10の占積率を高めることにより、同一巻き数において、従来のコイルよりも小型化を図ることができる。さらに、同一インダクタンスでは、巻き数を減らすことができるため、直流抵抗の低減化や軽量化を図ることができる。
さらに、曲げ部分10L1を形成する際に、平角線20に作用する内部応力を抑制できるため、曲げ部分10L1を容易に形成できる。よって、平角線20を安定して曲げるための特殊な装置や、圧縮、又は引張り変形し難い特殊材料で形成した導体を用いずとも、コイル10を容易に製造することができる。
さらにまた、高いアスペクト比、又は高い曲率の曲げ部分10L1を有する高品質なコイル10を製造することができる。
また、上述したように、平角線20を積層面21の幅よりも幅狭な導体基線50を幅方向Yに沿って複数配置して構成したため、断面長方形状に形成した従来の平角線と比較して導体基線50,50同士の対向部分の表面積の分だけ全体の表面積を増加させることができる。
従ってコイル10は、優れた表皮効果を得ることができる。
さらに、嵌合手段70を備えることで、一対の導体基線50,50における一方の導体基線50の対向部分を互いに嵌合させて形成しているため、嵌合凸部71と嵌合凸部72とが嵌合する凹凸形状の嵌合部分を有する分だけ、単に複数の導体基線50を重ねただけの従来の平角線と比較して導体基線50同士が対向する対向部分の表面積を、より増加させることができる。
従ってコイル10は、優れた表皮効果を得ることができる。
さらにまた、コイル10製造の際に、互いに対向する一対の導体基線50,50同士を嵌合させながら幅方向Yに沿って、複数の導体基線50を巻き重ねることができる。このため、コイル10製造の際に、複数の導体基線50のそれぞれが分離することなく巻き重ねることができる。
従って、一対の導体基線50,50に、嵌合手段70を備えることにより、複数の導体基線50からなる平角線20を巻き回してなるコイル10であっても、曲げ部分10L1に内部応力が残留し難く、また、優れた一体性を有して構成できるため、信頼性の高いコイル10をスムーズに製造することができる。
また、上述したように、嵌合凸部71と嵌合凹部72とを、嵌合状態における該嵌合凸部71と該嵌合凹部72とのクリアランスΔLが、「すき間ばめ」、又は「中間ばめ」となるように構成することで、4本の導体基線50を幅方向Yに沿って配置して平角線20を製造する際に、クリアランスΔLが例えば、「締りばめ」の場合のように、該嵌合凸部71と該嵌合凹部72とを圧入により嵌合させる必要がなくスムーズ且つ、容易に嵌合させることができる。
上述した第1実施形態のコイル10に備えた平角線20を実施例の平角線20として、該平角線20が奏する効果を確認するために行った2つの効果確認試験について説明する。
2つの効果確認試験のうちの一方の効果確認試験としての効果確認試験1は、図3、及び後述する比較例1に関する図9を用いて説明する。
他方の効果確認試験としての効果確認試験2は、図4、及び後述する比較例2に関する図10を用いて説明する。
なお、図3(a)は実施例の平角線20の一部を折り返すようにして略180度曲げた折返し曲げ部分10L2の正面図を示し、図3(b)は、図3(a)中のX1からX7のラインにおける実施例の平角線20の折り曲げ加工前に対する厚みの変化の様子を示すグラフを示している。ここで、図3(b)中のtは、折返し曲げ部分10L2形成前の実施例の平角線20の板厚を示している。図9(a)は比較例1の平角線200の折返し曲げ部分200L2の正面図を示し、図9(b)は、図9(a)中のX1からX7のラインにおける比較例1の平角線200の折り曲げ加工前に対する厚みの変化の様子を示すグラフを示している。ここで、図9(b)中のtは、折返し曲げ部分200L2形成前の比較例1の平角線200の板厚を示している。
図4は、実施例の平角線20の折り曲げ加工後の形態を示す写真である。図10は、比較例2の平角線300の折り曲げ加工後の形態を示す写真である。また、図4、及び図10中、平角線20の幅方向Yに沿ったラインは、曲げ部分10L1の各線の長手方向のズレを目視し易いように付した線である。
(効果確認試験1)
効果確認試験1では、図9(a)に示すような比較例1の平角線200を比較対象として用い、実施例の平角線20と比較例1の平角線200のそれぞれについて上述した折返し曲げ部分10L2,200L2を形成するとともに、該折返し曲げ部分10L2,200L2における平角線20の曲げ加工前に対する厚み(厚み方向X長さ)の変化具合を確認した。
比較例1の平角線200は、本実施形態の平角線20のように、複数本の導体基線50を幅方向Yに沿って配置して形成したものではなく、平角線200の幅方向Yと略同じ幅を有する幅広に形成した1本の導体からなる従来の平角線である。
比較例1の平角線200の場合、図9(b)に示すグラフのように、折返し曲げ部分200L2の径内方向である程、平角線200には圧縮応力が加わるため、平角線200の板厚が厚くなる一方で、径外方向である程、平角線200には引張り応力が加わるため、平角線20の板厚が薄くなることが確認できた。
すなわち、比較例1の平角線200は、折返し曲げ部分200L2において、内部応力の影響をダイレクトに受けて厚みが加工前に対して大きく変化することが確認された。
これに対して、実施例の平角線20の場合、図3(b)に示すグラフのように、折返し曲げ部分10L2において径方向の内側、及び外側において、曲げ加工前に対する平角線20の厚みが殆ど変化しなかった。これにより、比較例1の平角線200Lと比較して曲げ加工前に対する平角線20の厚みの変化量を大幅に抑えることを確認できた。
(効果確認試験2)
続いて、効果確認試験2では、図10に示すような比較例2の平角線300を比較対象として用い、実施例の平角線20の折返し曲げ部分10L2と比較例2の平角線300の折返し曲げ部分300L2とのそれぞれを形成するために、それぞれの平角線20,300に対して曲げ加工を行った後の平角線20,300の態様について検証した。
比較例2の平角線300は、実施例の平角線20と同様に、4本の導体基線500(500a,500b,500c,500d)を幅方向Yに沿って配置して形成しているが、これら4本の導体基線500のうち平角線300の幅方向Yにおいて互いに対向する一対の導体基線50,50における対向部分には、嵌合手段70を形成しておらず、該対向部分の端面を平坦状に形成している。
すなわち、幅方向Yに沿って配置した4本の導体基線500は、平坦状の端面同士を互いに重ね合わせた状態で配置している。
上述した構成の比較例2の平角線300に対して曲げ加工を行ったところ、図10に示す写真のように、平角線300を曲げている最中に、平角線300が導体基線500ごとに分散してばらけることが確認された。
その理由としては以下の理由が考えられる。
曲げ加工によって、平角線300に内部荷重が作用すると、該平角線300を構成する4本の導体基線500のそれぞれが長さ方向へ相対的にずれるズレ力として作用する。そうすると、比較例2の平角線300の場合、一対の導体基線500,500の対向部分の平坦状の端面同士を単に重ね合わせただけであるため、このズレ力によって4本の導体基線500の一体性が損なわれ、4本の導体基線500が長さ方向へずれる最中において、厚み方向Xへのずれを規制することができずに平角線20がばらけたと考えられる。
一方、実施例の平角線20についても、比較例2の平角線300と同様に、曲げ加工によって、平角線20を構成する複数の導体基線50のそれぞれが長さ方向へ相対的にスライドする。
しかし、実施例の平角線20は、複数の導体基線50のそれぞれが長さ方向へ相対的にずれるに伴って厚み方向Xにずれようとするずれ力が作用しても、複数の導体基線50のそれぞれを嵌合手段70で嵌合しているため、厚み方向Xへずれないように規制することができ、図4に示す写真のように、複数の導体基線50のそれぞれの一体性を確保した状態で折返し曲げ部分10L2を形成できることを確認できた。
また、本発明のコイルは、第1実施形態のコイル10に限定せず、様々な実施形態で構成することができる。
但し、以下で説明するコイル10A,10B,10C,10C,10Eの構成のうち、上述した第1実施形態におけるコイル10と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
(第2実施形態)
第2実施形態のコイル10Aは、図5(a)に示すように、嵌合凸部71と嵌合凹部72との間に導電材81として例えば、10ナノメートル程度、或いはそれ以下の粒径に銀を微細化したナノ銅や、同様に銅を微細化したナノ銀をペーストして介在させて形成している。
なお、図5(a)は第2実施形態のコイル10Aの平角線20における複数の導体基線50のうち互いに対向する一対の導体基線50,50の対向部分を拡大した断面図を示している。
上述した構成の平角線20は、嵌合凸部71と嵌合凹部72とを嵌合する際に、予め導電材81を配置した状態で嵌合することで導電材81を介在させることができる。
上述した構成によれば、嵌合状態における嵌合凸部71と嵌合凹部72との間に存在する隙間に導電材81が充填された状態となるため、該隙間を消滅させることができる。
よって、複数の導体基線50の間の隙間を消滅させることで、コイル10の占積率の向上を図ることができる。
さらに、嵌合凸部71と嵌合凹部72との間のクリアランスΔLがすき間ばめ、又は、中間ばめとなるように、例えば、締りばめよりも緩い嵌合具合で構成することによって、嵌合凸部71と嵌合凹部72とのスムーズな嵌合を実現させ、しかも嵌合状態においては、嵌合凸部71と嵌合凹部72との間に介在する導電材81によって、複数の導体基線50の一体性を高めることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態のコイル10Bは、図5(b)に示すような嵌合手段70Bを構成している。
具体的には、第3実施形態の嵌合手段70Bは、嵌合凸部71Bを、導体基線50の平坦な端面から突出する突出方向において同じ幅、厚みで突出するとともに、導体基線50の平坦な端面に対して略直角に突出して形成している。
一方、嵌合凹部72Bは、導体基線50の平坦な端面から底部にかけて同じ幅、厚みで凹んで形成しているとともに、導体基線50の平坦な端面に対して略直角に凹んで形成している。
さらに、嵌合凸部71Bと嵌合凹部72Bとを、嵌合状態における該嵌合凸部71Bと該嵌合凹部72Bとの間のクリアランスが、すき間ばめよりも強固な嵌合状態となるように中間ばめ、又は、締りばめとなるように構成している。
上述した構成により、第3実施形態のコイル10Bは、嵌合凸部71Bと嵌合凹部72Bとが隙間なく強固に嵌合した嵌合状態とすることができる。よって、コイル10Bの占積率の向上を図ることができるとともに、平角線20の優れた一体性を確保することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態のコイル10Cは、図6(a)に示すような嵌合手段70Cを構成している。
具体的には、第4実施形態の嵌合手段70Cは、複数の導体基線50のうち互いに対向する一対の導体基線50,50の対向部分に第1嵌合手段70C1と第2嵌合手段70C2とで構成している。
換言すると、複数の導体基線50のうち互いに対向する一対の導体基線50,50の対向部分における一方の端面部51には、嵌合凸部71C1と嵌合凹部71C2とを形成するとともに、他方の端面部52には、嵌合凹部72C1と嵌合凸部72C2とを形成している。
すなわち、第1嵌合手段70C1は、一方の端面部51に形成した嵌合凸部71C1と、他方の端面部52に形成した嵌合凹部72C2とで構成される一方で、第2嵌合手段70C1は、一方の端面部51に形成した嵌合凹部71C2と、他方の端面部52に形成した嵌合凸部72C2とで構成される。
上述したように、嵌合手段70Cを、第1嵌合手段70C1と第2嵌合手段70C2とで構成することにより、第1嵌合手段70C1と第2嵌合手段70C2との双方により、導体基線50同士を強固な嵌合状態で一体化することができるとともに、コイル10Cに対して外力が作用した場合、その外力を第1嵌合手段70C1と第2嵌合手段70C2との双方によって受け止めることができるため、一つの嵌合手段70Cで外力を受け止める場合と比較して一つあたりの嵌合手段に加わる不可を軽減することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態のコイル10Dは、図6(b)に示すような嵌合手段70Dを構成している。
具体的には、第5実施形態の嵌合手段70Dは、複数の導体基線50のうち互いに対向する一対の導体基線50,50の対向部分となる端面部51,52を、微細な凹部73と凸部74を複数形成し、例えば、図10に示した後述する比較例2の一対の導体基線500,500の対向部分となる端面部よりも粗い表面粗さで形成している。
これにより、一対の導体基線50,50のそれぞれの端面同士が接触した状態において、それぞれの端面部51に形成した微細な凹凸73,74が係合し合うことで、平角線20の優れた一体性を確保することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態のコイル10Eは、図6(c)に示すような嵌合手段70Eを構成している。
具体的には、第6実施形態の嵌合手段70Eは、第1鍵状嵌合部70E1と、該第1鍵状嵌合部70E1に嵌合する第2鍵状嵌合部70E2とで構成している。
第1鍵状嵌合部70E1は、複数の導体基線50のうち互いに対向する一対の導体基線50,50の対向部分の一方の端面部51から突出し、第1凸部71E1と第1凹部72E1とを備えた鍵状に形成している。
第1凸部71E1は、第1鍵状嵌合部70E1の先端部において、嵌合状態において厚み方向Xにおける第2鍵状嵌合部70E2に向けて突出した突出部分である。第1凹部72E1は、幅方向Yにおける第1凸部71E1と一方の端面部51との間において、第1凸部71E1に対して凹んだ凹状部分である。
第2鍵状嵌合部70E2は、一対の導体基線50,50の対向部分の他方の端面部52から突出し、第2凸部71E2と第2凹部72E2とを備えた鍵状に形成している。
第2凸部71E2は、第2鍵状嵌合部70E2の先端部において、嵌合状態において厚み方向Xにおいて第1鍵状嵌合部70E1に向けて突出した突出部分である。第2凹部71E2は、幅方向Yにおける第2凸部71E2と他方の端面部52との間において、第2凸部71E2に対して凹んだ凹状部分である。
上述した構成により、第1鍵状嵌合部70E1と第2鍵状嵌合部70E2とを嵌合状態としたとき、第1凸部71E1と第2凹部72E2とが嵌合するとともに、第1凹部72E1と第2凸部71E2とが嵌合する。
特に、第1鍵状嵌合部70E1と第2鍵状嵌合部70E2とが嵌合状態であるとき、複数の導体基線50のうち互いに対向する一対の導体基線50,50同士が幅方向Yにおいて互いに離間しないように嵌合することができるため、平角線20の幅方向Yにおける優れた一体性も確保することができる。
(第7実施形態)
第7実施形態のコイル10Fは、図7(a),(b)に示すように、幅がそれぞれ異なる3本の導体基線50を幅方向Yに沿って積層してなる平角線20Fを備えている。
なお、図7(a)は第7実施形態のコイル10Fの構成を断面で示した構成説明図であり、図2(a)に相当する図である。図7(b)は第7実施形態のコイル10Fの平角線20Fの曲げ部分10L1の正面図である。
具体的には、第7実施形態の平角線20Fは、巻き回した内層側から外層側へ順に第1導体基線50Fa、第2導体基線50Fb、及び第3導体基線50Fcの3本の導体基線50Fで構成している。
第1導体基線50Faは、3本の導体基線50中で最も幅狭な幅(L1)で形成している。第2導体基線50Fbは、第1導体基線50Faの幅(L1)よりも広く、且つ、第3導体基線50Fcの幅(L3)よりも狭い幅(L2)で形成している。第3導体基線50Fcは、3本の導体基線50F中で最も幅広な幅(L3)で形成している。
さらに、第1導体基線50Faは、第1実施形態の導体基線50よりも幅狭に形成するとともに、第2導体基線50Fb、及び第3導体基線50bcは、第1実施形態の導体基線50よりも幅広で形成している。
上述した構成により、平角線20Fの折返し曲げ部分10L2において径方向(巻き付け方向)の内側において、幅狭に形成した第1導体基線50Faを配置することで、平角線20Fの折返し曲げ部分10L2の曲率をより大きくできる。
従って、コイル10Fの占積率を向上させることができる。
さらに、平角線20Fの折返し曲げ部分10L2において径方向の内側から外側へ幅が徐々に広くなるよう形成した第1導体基線50Fa、第2導体基線50Fb、及び第3導体基線50Fcのそれぞれを配置することで、複数の導体基線50Fのそれぞれには、過大な内部応力が作用することなく所望の曲率を有した折返し曲げ部分10L2を形成することができる。
しかも、上述した構成によれば、所定の幅を有する平角線20Fを構成する導体基線50Fの積層数を少なくすることができるため、複数の導体基線50Fが幅方向Yにおいて対向する対向部分、すなわち、平角線20Fが幅方向Yにおいて分断された分断部分の数を低減でき、コイル10Fの占積率を向上させることができる。
しかも、上述した構成によれば、所定の幅を有する平角線20Fを構成する導体基線50Fの積層数を少なくすることができるため、複数の導体基線50Fが幅方向Yにおいて対向する対向部分の数を低減できるため、平角線20Fが導体基線50Fごとに分離してしまうことをより一層、防ぐことができ、結果的に平角線20Fの優れた一体性を確保することができる。
加えて、上述した構成によれば、所定の幅を有する平角線20Fを構成する導体基線50Fの積層数を少なくすることができるため、複数の導体基線50Fを幅方向Yに沿って積層する手間を低減できるため、平角線20Fを容易に製造することができる。
また、導体基線50Fは、幅広に形成することにより、側方(厚み方向X)からの外力を受けた場合に、該外力が作用するに伴ってより大きなモーメント荷重を受け易くなるが、第7実施形態の平角線20Fは、導体基線50F同士の対向部分に構成した嵌合手段70によって導体基線50Fが分離することなく優れた一体性を確保することができる。
詳しくは、幅広に形成した第3導体基線50Fcに対して例えば、厚み方向Xの外力が加わった場合、第3導体基線50Fcの幅方向Yの長さを長く形成している分、第3導体基線50Fcと第2導体基線50Fbとの対向部分には、より過大なーメント荷重(曲げ応力)が作用することになり、導体基線50F同士が分離し易くなる。
ところが、互いに対向する一対の導体基線50Fの対向部分には、嵌合手段70を構成しているため、上述したように、幅広に形成した導体基線50Fに対して外力が加わることに伴って大きな荷重が前記対向部分に加わることとなっても、導体基線50F同士は、嵌合手段70により互いにしっかりと嵌合した状態に保つことができる。
従って、第7実施形態の平角線20Fは、導体基線50F同士の対向部分に構成した嵌合手段70によって導体基線50Fが分離することなく優れた一体性を確保することができる。
また、該導体基線50Fを曲げることが可能な最大の曲率、すなわち、平角線20Fの折返し曲げ部分10L2の最大曲率は、導体基線50Fの幅に応じて定まるため、積層する導体基線50Fごとに、折返し曲げ部分10L2の曲率に応じて必要な曲率で曲げることが可能となるように導体基線50Fの幅を設定してもよい。
これにより、平角線20Fの折返し曲げ部分10L2を所望の曲率に曲げることができつつ、導体基線50Fの積層数を最小限に留めることができる。
また、第7実施形態のコイル10Fに形成する嵌合手段は、図1に示すような構成の嵌合手段70に限らず、上述した実施形態の嵌合手段のいずれの構成であってもよい。
また、本発明のコイルは、上述した第1〜7実施形態のコイル10,10A,10B,10C,10D,10E,10Fに限定せず、様々な実施形態で構成することができる。
例えば、複数の導体基線50の中でも、第2導体基線50bと第3導体基線50cとのうち、少なくとも一方の導体基線50は、図8(a1)に示すように、平角線20の幅方向Yの一方の端面側に嵌合凹部72を形成するとともに、幅方向Yの他方の端面側に嵌合凸部71を形成するに限らず、図8(a2)に示すように、平角線20の幅方向Yの一方の端面側と他方の端面側との双方に嵌合凸部71を形成してもよい。
また、嵌合手段70は、図6(a)に示すように、第1嵌合手段70C1と第2嵌合手段70とのそれぞれにおいて、逆方向に突出する嵌合凸部71C1,71C2を備えた組み合わせで構成するに限らず、図8(b)に示す嵌合手段70C’のように、同じ方向に突出する嵌合凸部71C1,71C2と、それぞれの嵌合凸部71C1,71C2に嵌合可能に同方向に凹んだ嵌合凹部72C1,72C2を備えた組み合わせで構成してもよい。
さらに、嵌合手段70は、複数の導体基線50のうち互いに対向する一対の導体基線50,50の対向部分に2つ構成するに限らず、一対の導体基線50,50の対向部分に3つ以上形成してもよい。
また、本発明のコイルは、図1に示すように、螺旋軸方向Sに対して直交する直交断面が略四角形状の筒状に形成するに限らず、円筒状のコイルで形成するなど、コイル形状は限定しない。
なお、本発明のコイルは、例えば、導体からなる線材に対してポリイミド等の耐熱性樹脂で絶縁塗布して形成した導体基線50を幅方向Yに沿って複数積層した平角線20を用いて構成し、電気自動車のインバーターのリアクトルとして使用してもよい。
嵌合手段70は、嵌合凸部71と嵌合凹部72を嵌合することにより、厚み方向に規制可能な手段であれば特に限定せず、例えば、平角線20の長さ方向に沿って連続して形成するに限らず、断続的に形成してもよい。
この発明の嵌合部は、嵌合凸部71、又は凹凸状の表面の凸部74に対応し、以下同様に、
被嵌合部は、嵌合凹部72、又は凹凸状の表面の凹部73に対応し、
一方の鍵状嵌合部は、第1鍵状嵌合部70E1に対応し、
他方の鍵状嵌合部は、第2鍵状嵌合部70E2に対応する。
または、被嵌合部は、嵌合凸部71、又は凹凸状の凹部7に対応し、
嵌合部は、嵌合凹部72、又は凹凸状の表面の凸部74に対応し、
他方の鍵状嵌合部は、第1鍵状嵌合部70E1に対応し、
一方の鍵状嵌合部は、第2鍵状嵌合部70E2に対応するも、この発明は、上述した実施形態に限らず、この発明は、上述した実施形態に限らず、その他にも様々な実施形態で形成することができる。
10,10A,10B,10C,10C,10E,10F…コイル
20,20F…平角線
21…積層面
50,50F…導体基線
70,70B,70C,70D,70E,70F,70C’…嵌合手段
71,71B,71C1,71C2…嵌合凸部
72,72B,72C1,72C2…嵌合凹部
70E1…第1鍵状嵌合部
70E2…第2鍵状嵌合部
73…凹凸状の表面の凹部
74…凹凸状の表面の凸部
81…導電材
ΔL…クリアランス

Claims (5)

  1. 厚み方向の両端側に、厚みよりも幅広な積層面を有する平角線を、前記積層面によって螺旋面が構成されるように螺旋軸方向に沿って巻き回してなるコイルであって、
    前記平角線を、前記積層面の幅よりも幅狭な導体基線を幅方向に沿って複数配置して構成し、
    複数の前記導体基線のうち前記平角線の幅方向において互いに対向する一対の前記導体基線に、該一対の導体基線同士を嵌合する嵌合手段を備えた
    コイル。
  2. 前記一対の導体基線を、一方の導体基線と他方の導体基線とで構成し、
    前記嵌合手段を、前記一方の導体基線に形成した一方の嵌合部と、前記他方の導体基線に形成した他方の被嵌合部とで構成し、
    前記嵌合部と前記被嵌合部とを、
    嵌合状態における該嵌合部と該被嵌合部との間のクリアランスが、すき間ばめ、又は、中間ばめとなるように構成した
    請求項1に記載のコイル。
  3. 前記嵌合部と前記被嵌合部との間に導電材を介在させた
    請求項2に記載のコイル。
  4. 前記嵌合部を、前記一方の導体基線に複数形成するとともに、
    前記被嵌合部を、複数形成した前記嵌合部のそれぞれと嵌合可能に、前記他方の導体基線に複数形成した
    請求項2、又は3に記載のコイル。
  5. 前記嵌合部を一方の鍵状嵌合部で形成するとともに、前記被嵌合部を、前記鍵状嵌合部を嵌合可能な他方の鍵穴状嵌合部で形成した
    請求項2乃至4のうちいずれかに記載のコイル。
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