JP2009153291A - コイル部材,ステータおよびコイル部材の組立方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 コイル巻きだしローラ14から巻き出される4本のコイル線11は、集合領域Raで次第に集められ、集合ローラ15で1つの平角線状に束ねられて、分割平角線10が形成される。分割平角線10は、4本のコイル線11が平板状に集合して構成され、両端で各コイル線11が互いに導通している。分割平角線10は、ピンチローラ16と板厚矯正ローラ17との間の曲げ領域Rbで、曲げローラ18によって曲げられた後、巻き重ね領域Rdで、分割平角線10の仮想平板面Pimが重ね合わせられて、エッジワイズ形状を有するコイル部材20が形成される。
【選択図】図1
Description
しかしながら、複数のコイルをエッジワイズ形状に巻回するためには、各コイルに作用する種々の応力や変形に対する対策を講じなければならないが、特許文献2の技術では、具体的な対策が講じられておらず、実際上、安定したエッジワイズ形状を有するコイル部材を組み立てることは困難である。
しかも、コイル電流の周波数をf、コイル線幅をd、磁束密度振幅をBmax、コイル材料の抵抗率をρとしたとき、コイル渦損wは、下記式(1)
w=π2f2d2Bmax2/6ρ (1)
によって表される。そして、コイル線幅が(1/コイル線の本数)に低減されるので、コイル渦損wが低減される。
また、分割平角線が樹脂によってモールドされていることにより、コイル部材をカセットコイルとして利用することが可能になる。
図1は、本発明の実施形態に係るコイル部材の組立方法を示す斜視図である。
同図に示すように、本実施形態の組立装置は、4つの個別巻きだし部14a〜14dが設けられたコイル巻きだしローラ14と、集合ローラ15と、ピンチローラ16と、板厚矯正ローラ17と、曲げローラ18とを備えている。コイル巻きだしローラ14の個別巻きだし部14a〜14dは、互いに独立して回転する構造となっている。
図示されていないが、集合ローラ15からピンチローラ16に向かう領域には、分割平角線10を仮想平板面Pimおよび両端面に沿って挟持するガイド部材が設けられており、ガイド部材がとぎれた領域で固定処理が行われる。
固定処理が行われた固定部Rcは、コイル部材20のコイルエンド部に、ターン毎に上下を入れ換えて形成されている。これは、固定処理で導通している部分が重なることで、短絡が生じるのを避けるためである。
図2に示す破線は、コイル部材20の分割平角線10をモールドしている樹脂の外形を示している。モールド樹脂には、分割コア51のヨーク部51aの上面および下面に嵌合する部分が設けられている。そして、モールド樹脂をティース部51bに嵌め込み、さらにヨーク部51aの上下面を挟むことにより、コイル部材20がティース部51bを囲むように取り付けられる。
次に、分割平角線10の各コイル線11の固定構造を形成する処理について説明する。
図4は、レーザ溶接による固定構造の形成処理を示す図である。この場合、分割平角線10の各コイル線11の被覆膜13を残したままで、レーザ40を照射すると、被覆膜13の一部が削除され、コイル線11の銅線12同士が接合される。レーザ40としては、YAGレーザが適しているが、CO2レーザ等を用いてもよい。
なお、溶接には、上述のレーザ溶接やTIG溶接の他、MIG溶接,炭素アーク溶接などのアーク溶接や、電子ビーム溶接、プラズマアーク溶接、抵抗溶接などがあり、いずれを用いてもよい。
また、銅線12を露出させる場合は、コイルサイド部は避けて、コイルエンド部で固定することが好ましい。
したがって、たとえば、図1に示すように、ターン毎にコイルエンド部の上下位置を交互に変えて、コイルエンド部で固定構造の形成処理を行うことが好ましい。
しかも、コイル電流の周波数をf、コイル線幅をd、磁束密度振幅をBmax、コイル材料の抵抗率をρとしたとき、コイル渦損wは、下記式(1)
w=π2f2d2Bmax2/6ρ (1)
によって表される。
なお、従来の平角線のコイル渦損wを100とすると、2分割した分割平角線のコイル渦損wは50となり、3分割した分割平角線のコイル渦損wは33となる。
図9(a),(b)は、順に、本発明の分割平角線10を有するコイル部材20をティース部51bに取り付けた場合の断面図、および従来の平角線61を有するコイル部材60をティース部51bに取り付けた場合の断面図である。
また、コイル長も短くできるので、銅線材料の削減により、製造コストも低減することができる。
上記開示された本発明の実施の形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
11 コイル線
12 銅線
13 被覆膜
14 コイル巻きだしローラ
14a〜14d 個別巻きだし部
15 集合ローラ
16 ピンチローラ
17 板厚矯正ローラ
18 曲げローラ
20 コイル部材
21,22 端子
31 バンド
33 接着剤
35 ノズル
40 レーザ
41 タングステン棒
42a,42b ポンチ
50 コア
51 分割コア
51a ヨーク部
51b ティース部
Pim 仮想平板面
Ra 集合領域
Rb 曲げ領域
Rc1,Rc2 固定領域
Rd 巻き重ね領域
Claims (10)
- 複数のコイル線を絶縁膜を挟んで平板状に集合させてなる分割平角線が巻回されたコイル部材であって、
前記分割平角線の少なくとも1つの途中部位で、前記複数のコイル線同士を互いに固定する固定構造を備えている、コイル部材。 - 請求項1記載のコイル部材において、
前記分割平角線は、エッジワイズ形状に巻回されている、コイル部材。 - 請求項1または2記載のコイル部材において、
前記分割平角線の前記途中部位は、溶接,ろう接,カシメ,接着および結束から選ばれる1つの処理によって固定されている、コイル部材。 - 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載のコイル部材において、
前記分割平角線の途中部位は、コイルエンド部である、コイル部材。 - 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載のコイル部材において、
前記分割平角線の途中部位は、相隣接しない複数の部位である、コイル部材。 - 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載のコイル部材において、
前記分割平角線が樹脂によってモールドされている、コイル部材。 - 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載のコイル部材と、
前記コイル部材が装着されるコアと、
を備えたステータ。 - 複数のコイル線を絶縁膜を挟んで平板状に集合させて、分割平角線を形成する工程(a)と、
前記分割平角線の少なくとも1つの途中部位で、前記複数のコイル線同士を互いに固定する工程(b)と、
前記工程(b)の前または後に、前記分割平角線の所定部位を曲げる工程(c)と、
前記分割平角線を環状に巻回してコイル部材を形成する工程(d)と、
を含むコイル部材の組立方法。 - 請求項8記載のコイル部材の組立方法において、
前記工程(c),(d)では、前記分割平角線をエッジワイズ形状に曲げて巻回する、コイル部材の組立方法。 - 請求項8または9記載のコイル部材の組立方法において、
前記工程(b)では、溶接,ろう接,カシメ,接着および結束から選ばれる1つの処理を行う、コイル部材の組立方法。
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