JP2001033609A - キューブコーナー型再帰反射シート及びキューブコーナー金型 - Google Patents
キューブコーナー型再帰反射シート及びキューブコーナー金型Info
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Abstract
するとともに、シート外観の意匠性をも改善したキュー
ブコーナー型再帰反射シートの提供。 【解決手段】光線透過性のプリズム層が、再帰反射素子
が最密充填状に配置されたプリズム集合面と、該再帰反
射素子の頂部を超えて突出して該プリズム集合面を囲周
する該再帰反射素子と共に形成された周壁とからなり、
該反射素子の光学軸が該光入射側の表面の垂線に対して
傾斜している再帰反射素子からなるプリズム層、及び/
又は、該再帰反射素子を構成する3面のうちの2面がな
すそれぞれの交差角の少なくとも1つが90度から僅か
な偏差を有する再帰反射素子からなるプリズム層を含む
ことを特徴とするキューブコーナー型再帰反射シート、
並びに、この再帰反射シートを成形するためのキューブ
コーナー金型。
Description
子が最密充填状に配置された、新規な構造のキューブコ
ーナー型再帰反射シート、並びに、それを作成するため
のキューブコーナー金型に関し、詳しくは、道路標識、
工事標識等の標識類、自動車やオートバイ等の車両のナ
ンバープレート類、衣料、救命具等の安全資材類、看板
等のマーキング、可視光、レーザー光あるいは赤外光反
射型センサー類の反射板等において有用な、キューブコ
ーナー型再帰反射素子(以下単に、再帰反射素子又は反
射素子ともいう)によって構成される広角性に優れたキ
ューブコーナー型再帰反射シート、並びに、それを作成
するためのキューブコーナー金型に関する。
プリズム層が、光入射側の表面が実質的に平滑で光線透
過性の保持体層、該保持体層の裏面にキューブコーナー
型再帰反射素子が最密充填状に配置されたプリズム集合
面と、該再帰反射素子の頂部を超えて突出して該プリズ
ム集合面を囲周する該再帰反射素子と共に形成された周
壁とからなり、該プリズム層から空気層を隔てて配置さ
れた結合剤層からなり、該プリズム層の周壁の頂部と該
結合剤層とが連結され、その結果、周壁、プリズム集合
面及び結合剤層によって囲まれる空気層を包含する密封
封入単位の集合体からなるキューブコーナー型再帰反射
シートであって、少なくとも2種類以上の相異なる密封
封入単位が組み合わされているキューブコーナー型再帰
反射シートにおいて、上記キューブコーナー型再帰反射
シートは、該反射素子の光学軸が該光入射側の表面の垂
線に対して傾斜している再帰反射素子からなるプリズム
層、及び/又は、該再帰反射素子を構成する3面のうち
の2面がなすそれぞれの交差角(プリズム頂角)の少な
くとも1つが90度から僅かな偏差を有する再帰反射素
子からなるプリズム層を含むことを特徴とするキューブ
コーナー型再帰反射シートに関する。
側に突出するキューブコーナー型再帰反射素子が最密充
填状に配置されたプリズム集合面と、該基盤より該再帰
反射素子の頂部を超えて突出して該プリズム集合面を囲
周する周壁とからなる金型構成単位を、多数組み合わせ
て構成されているキューブコーナー金型であって、少な
くとも2種類以上の相異なる金型構成単位が組み合わさ
れているキューブコーナー金型において、上記キューブ
コーナー金型は、キューブコーナー型再帰反射素子の光
学軸が該再帰反射素子の基盤への垂線に対して傾斜して
いる再帰反射素子を有する金型構成単位、及び/又は、
該再帰反射素子を構成する3面のうちの2面がなすそれ
ぞれのプリズム頂角の少なくとも1つが90度から僅か
な偏差を有する再帰反射素子からなるプリズム集合単位
を有する金型構成単位を含むことを特徴とするキューブ
コーナー金型に関する。
する再帰反射シートはよく知られており、その再帰反射
性を利用した該シートは上記のごとき利用分野で広く利
用されている。中でもキューブコーナー型再帰反射素子
の再帰反射原理を利用したキューブコーナー型再帰反射
シートは、従来のマイクロ硝子球を用いた再帰反射シー
トに比べ、光の再帰反射効率が格段に優れており、その
優れた再帰反射性能により年々用途が拡大しつつある。
は、高輝度性、すなわち、該シート正面から入射した光
の反射輝度に代表される反射輝度の高さ、及び広角性で
あり、さらに広角性に関しては、観測角特性、入射角特
性、回転角特性の三性能が要求される。
ューブコーナー型再帰反射シートの正面からの再帰反射
輝度は、マイクロ硝子球型再帰反射シートのそれに比べ
2〜3倍も高いという特徴があるといわれている。それ
は、後者のマイクロ硝子球型再帰反射シートに一般に用
いられている硝子球の、レンズ素子としての光学的不完
全性や、球面収差又は反射側面に設置された金属反射側
面の反射率の低さ、さらにはその光入射側全表面に対す
る該硝子球の占有割合の低さ(70%程度)などの理由
により再帰反射効率低下が起こり易いのに対し、前者に
用いられるキューブコーナー型再帰反射素子の場合に
は、比較的精度の高い光学素子が形成可能であり、かつ
再帰反射素子のほぼ全面にわたって光を再帰反射させる
ことができるためといわれている。
角特性である。再帰反射シートが、例えば、交通標識な
ど各種標識類に用いられる場合、通常、光源と観察者の
位置は同じではないため、光源と反射点とを結ぶ軸であ
る入射光軸から離れた位置にいる観察者にも、十分に強
い光が到達する必要がある。そのためには観測角,すな
わち入射光軸と、観察者と反射点とを結ぶ軸(観察軸)
とがなす角度が大きくなっても反射輝度の低下が少ない
ことが必要である。
度の広がりを持ち、入射光軸から外れた位置にいる観察
者にも届くようにするためには、反射光が僅かな角度
(発散角)を持って広がるように設計される必要があ
る。大型トラックなどの輸送手段の、ヘッドライトと運
転手との相対的位置からすると、観測角は通常最大で約
2度程度であるので、発散角もこの最大観測角を僅かに
超える角度で制御されるべきである。
角特性である。例えば、自動車が交通標識に接近しつつ
あるとき、該自動車から発せられるヘッドライトの光
の、該標識に対する入射角、すなわち、再帰反射シート
表面の垂線と入射光線とがなす角度は次第に増大し、そ
れにつれて観察者である運転者に到達する光の強さは減
少する。運転者が標識に近づいても該標識に十分な反射
強度を保持させるためには、優れた入射角特性を必要と
する。
帰反射効率は低下する。これは、キューブコーナー型再
帰反射素子の再帰反射原理である三面反射原理を満足さ
せるためには、入射角が比較的0度に近いこと、すなわ
ち光が再帰反射シート面に垂直に近い角度で入射するこ
とが必要であり、入射角が大きくなると次に反射すべき
第2又は第3の反射側面に光が到達せず、該素子の外に
光が逃げてしまって再帰反射の効率が低下するからであ
る。また、入射角が大きくなるにつれて内部全反射条件
が満足されなくなり、素子の反射側面を光が透過してし
まうことになる。
角特性である。キューブコーナー型再帰反射素子特有の
現象として、再帰反射シートのどの方向から光が入るか
により、再帰反射輝度が変化するという性質がある。こ
のため再帰反射シートを標識に貼付するに際しては、該
シートを一定の方向に管理して貼らなければならないと
いう煩雑な問題がある。回転角特性は、特に三角錐型反
射素子の場合に顕著に発生する。マイクロ硝子球型再帰
反射シートでは、反射素子が回転体形状であるためにこ
の問題は起こらない。
ート、特に三角錐キューブコーナー型再帰反射シートに
は、その正面輝度が極めて高いという優れた特徴と共
に、前記のような多くの問題点が存在している。これら
の問題点を解決することを目的にして、古くから多くの
提案が知られており、種々の改良検討がなされている。
n)の米国特許第2,481,757号明細書には、薄
いシートの上に様々な形の再帰反射素子を設置してなる
再帰反射シート及びそれらシートの製造方法について開
示されている。上記米国特許に例示されている三角錐型
反射素子は、頂点が底面三角形の中心を通る該底面に対
する垂線上に位置した光学軸の傾斜のない三角錐型反射
素子と共に、頂点の位置が該垂線上に位置していない傾
斜三角錐型反射素子が例示されており、このような傾斜
三角錐型反射素子は、接近してくる自動車に対して効率
的に光を反射させることが記載されている。
米国特許明細書には、優れた観測角特性や入射角特性を
与えるために、三角錐型反射素子がどのような大きさ及
び光学軸傾斜を有することが必要かなどについては、何
らの記載も示唆もされていない。
る特開昭60−100103号公報(米国特許第4,5
88,258号明細書)には、薄いシート上に底面の三
角形の形状が二等辺三角形である傾斜三角錐型キューブ
コーナー再帰反射素子が、その底面が共通面上に最密充
填状となるように並べられた再帰反射シートについて述
べられている。この特許明細書に記載の三角錐型キュー
ブコーナー再帰反射素子の光学軸は、上記Junger
senの米国特許明細書の図面に図示されている再帰反
射素子とは反対の方向に傾斜しており、その傾斜角は約
7度〜13度であることが示されている。
ブコーナー再帰反射素子の光学軸の傾斜方向を簡明に示
すために、以下のように「プラス(+)」傾斜及び「マ
イナス(−)」傾斜と表現する。
再帰反射素子が1つの底辺を共有する再帰反射素子対で
あり、該再帰反射素子の光学軸と該底面との交点(Q)
から該素子対が共有する共通の底辺を含み該底面と垂直
な面までの距離をqとし、該再帰反射素子の頂部(H)
から底面に下された垂線と該底面との交点(p)から該
素子対が共有する共通の底辺を含み該底面と垂直な面ま
での距離をpとするとき、該再帰反射素子の光学軸が、
これらの距離の差(q−p)がプラス(+)となるよう
な方向に傾斜しているときには「プラス(+)」傾斜、
この差がマイナス(−)となるような方向に傾斜してい
るときには「マイナス(−)」傾斜と表現する。
許明細書の図面に開示されている傾斜三角錐型キューブ
コーナー再帰反射素子はプラス傾斜であり、前記Hoo
pmanによる公開公報に開示されている傾斜三角錐型
キューブコーナー再帰反射素子はマイナス傾斜である。
ngersenの米国特許第2,481,757号明細
書;Hoopmanによる公開公報等の三角錐型キュー
ブコーナー再帰反射シートは、いずれも本発明における
ような、プリズム集合面の側から突出して該プリズム集
合面を囲周する周壁を有するものではなく、またこれら
の明細書又は公報に記載のキューブコーナー再帰反射素
子は、いずれも、光の入射及び反射の中核をなす多数の
三角錐型反射素子の底面が同一平面上にある点で共通し
ているが、いずれも入射角特性が十分ではない、すなわ
ち光の該三角錐型反射素子に対する入射角が増大する
と、再帰反射輝度が急激に減少するという欠点を克服し
切れてはいない。さらにこれらの明細書又は公報には、
観測角特性及び回転角特性の改良については何ら開示さ
れておらず、これらの明細書又は公報に基づいて作成さ
れていると思われる再帰反射シートは、いずれもこれら
の性質、中でも回転角特性は劣悪である。
て、例えば、アッペルドーン(Appeldorn)ら
による特開昭63−143502号公報(米国特許第
4,775,219号明細書)には、平板表面をダイヤ
モンドカッター等により三方向から切削して、一点で交
差するV字状の溝を形成することにより三角錐型キュー
ブコーナー金型を作成するに際して、V字状の溝の中心
線を平板に対する垂直方向から少し傾斜させ、また切削
角を通常の値から僅かに変異させて複数種のV字状の溝
を切削することにより、プリズム頂角が90度から僅か
に偏異した多数種の三角錐型再帰反射素子を形成して、
この金型により形成されるキューブコーナー型再帰反射
シートの反射光にある程度の広がりを持たせる試みにつ
いて開示されている。
よって得られる再帰反射シートは、確かにある程度入射
角特性及び観測角特性の改善されたものとなりうるが、
金型の作成に極めて高度な精度と熟練と共に極めて煩雑
な操作が要求され、またこの方法によっては回転角特性
の改善は期待できない。
バーク(Burke)らによる米国特許第4,202,
600号明細書及びバン・アーマン(Van Arna
m)らによる米国特許第4,243,618号明細書に
開示されているように、プリズム集合面を一定の区画に
区切り、その区画毎にプリズム集合面におけるプリズム
型再帰反射素子の方向を変化させる方法が知られてい
る。またこれらの明細書には、本発明と同様に、この区
画を周壁によって1つ又はそれ以上の密封封入単位に分
割する態様についても開示されている。
子へ入射する回転角が異なり、それに応じて反射輝度が
変化するので、遠距離から見ると平均化されて回転角特
性が均一化されるが、近くからこのシートを見るとプリ
ズム集合面の区画が再帰反射シートの表面からかなりは
っきりと見えてしまい、該シート外観の意匠性が低下す
るという問題点がある。
amらによる米国特許明細書に具体的に開示されている
再帰反射素子は、底面が正三角形で三側面が直角二等辺
三角形である正規三角錐型キューブコーナー再帰反射素
子のみであって、このようなプリズムによる再帰反射シ
ートでは、入射角特性及び観測角特性の改善は全く期待
できない。そして本発明におけるように、再帰反射シー
トを、光学軸の傾斜した再帰反射素子やプリズム頂角に
僅かな偏差を有する再帰反射素子からなる密封封入単位
を含む、少なくとも2種以上の密封封入単位により構成
することによって、回転角特性と共に、入射角特性や観
測角特性も顕著に改善されるということについてなど、
全く記載も示唆もされていない。
学軸が傾斜した三角錐プリズム型再帰反射素子からな
る、方位角を異にする4つの領域を組み合わせた再帰反
射シートが、スチムソナイトコーポレーション社より
「Stimsonite Series♯6200」、
「Stimsonite Series♯4000」と
して1980年頃より販売されている。
gard)らによる米国特許第5,706,132号明
細書及びスミス(Smith)らによる米国特許第5,
898,523号明細書には、同様の再帰反射シート、
すなわち、複数の三角錐型再帰反射素子帯域からなる再
帰反射シートであって、それらの領域内の再帰反射素子
はその方位角が相互に約90度異なっている再帰反射シ
ートが開示されている。それらのうち前者は、直交する
2つの方向で高い入射角に対して卓越した再帰反射特性
を発揮することを目的にするものであり、具体的には光
学軸がマイナス(−)方向に約7〜15度傾斜した三角
錐型再帰反射素子群からなる、相互にその方位角が略直
交する約3〜25mm幅の帯状の再帰反射素子領域を、
交互に配置した再帰反射シートであり、後者は、再帰反
射シートの回転方向に拘わらず、高い入射角に対して卓
越した再帰反射特性を発揮することを目的にするもので
あり、具体的には光学軸がプラス(+)方向に約12〜
30度傾斜した三角錐型再帰反射素子群からなる、相互
にその方位角が略直交する帯状の再帰反射素子領域を、
交互に配置した再帰反射シートである。
子領域並びに、Nestegardら及びSmithら
による米国特許明細書に具体的に開示されている再帰反
射素子領域は、本発明におけるような再帰反射素子のプ
リズム集合面を囲周する周壁を有するものではなく、プ
リズム集合面とそれを囲周する周壁とを一単位として、
2種以上の相異なる単位を組み合わせることにより形成
される本発明のキューブコーナー型再帰反射シートおよ
びキューブコーナー金型とは明らかにその構造を異にす
るものである。また前記BurkeらやVan Arn
amらによる米国特許明細書に開示された型再帰反射シ
ートの場合と同様に、これらの再帰反射シートを近くか
ら見ると異なる再帰反射素子領域間の外観差がはっきり
と見えてしまい、該シート外観の意匠性が低下するとい
う問題点がある。
広角性、すなわち、入射角特性、観測角特性及び回転角
特性を共に満足するような再帰反射シートの開発するた
め、光追跡法コンピュータシミュレーションにより解析
するという手法を用いて研究を行ってきた。その結果、
周壁によって囲まれた密封構造内に、再帰反射素子が最
密充填状に配置されたプリズム集合面を有する密封封入
単位少なくとも2種以上を組み合わせた多数の密封封入
単位の集合体により構成されるキューブコーナー型再帰
反射シートであって、特にこの密封封入単位として、光
学軸の傾斜した再帰反射素子やプリズム頂角に僅かな偏
差を有する再帰反射素子からなる密封封入単位を含む、
少なくとも2種以上の密封封入単位により構成されるキ
ューブコーナー型再帰反射シートにより、これら広角性
改善の課題を解決できることを見出し、さらにこの知見
に基づいて実際にキューブコーナー型再帰反射シートを
試作して、この知見の正しいことを確認し、さらに研究
を継続して本発明を完成した。
過性のプリズム層が、光入射側の表面が実質的に平滑で
光線透過性の保持体層、該保持体層の裏面にキューブコ
ーナー型再帰反射素子が最密充填状に配置されたプリズ
ム集合面と、該再帰反射素子の頂部を超えて突出して該
プリズム集合面を囲周する該再帰反射素子と共に形成さ
れた周壁とからなり、該プリズム層から空気層を隔てて
配置された結合剤層からなり、該プリズム層の周壁の頂
部と該結合剤層とが連結され、その結果、周壁、プリズ
ム集合面及び結合剤層によって囲まれる空気層を包含す
る密封封入単位の集合体からなるキューブコーナー型再
帰反射シートであって、少なくとも2種類以上の相異な
る密封封入単位が組み合わされているキューブコーナー
型再帰反射シートにおいて、上記キューブコーナー型再
帰反射シートは、該反射素子の光学軸が該光入射側の表
面の垂線に対して傾斜している再帰反射素子からなるプ
リズム層、及び/又は、該再帰反射素子を構成する3面
のうちの2面がなすそれぞれの交差角(プリズム頂角)
の少なくとも1つが90度から僅かな偏差を有する再帰
反射素子からなるプリズム層を含むことを特徴とするキ
ューブコーナー型再帰反射シートが提供される。
コーナー金型再帰反射シートを作製するために用いられ
るキューブコーナー金型、すなわち、一つの基盤の一方
の側に突出するキューブコーナー型再帰反射素子が最密
充填状に配置されたプリズム集合面と、該基盤より該再
帰反射素子の頂部を超えて突出して該プリズム集合面を
囲周する周壁とからなる金型構成単位を、多数組み合わ
せて構成されているキューブコーナー金型であって、少
なくとも2種類以上の相異なる金型構成単位が組み合わ
されているキューブコーナー金型において、上記キュー
ブコーナー金型は、キューブコーナー型再帰反射素子の
光学軸が該再帰反射素子の基盤への垂線に対して傾斜し
ている再帰反射素子を有する金型構成単位、及び/又
は、該再帰反射素子を構成する3面のうちの2面がなす
それぞれのプリズム頂角の少なくとも1つが90度から
僅かな偏差を有する再帰反射素子からなるプリズム集合
単位を有する金型構成単位を含むことを特徴とするキュ
ーブコーナー金型が提供される。
説明する。
作成に用いられるプリズム集合単位の代表的な態様であ
る、三角錐型プリズム集合単位を模式的に表す拡大斜視
図である。(1)はキューブコーナー型再帰反射素子で
あり、(2)はこのような再帰反射素子(1)が最密充
填状に配置されたプリズム集合面である。(3)はプリ
ズム集合面(2)を囲周する周壁であり、再帰反射素子
(1)の頂部を超えて突出している。一般にプリズム集
合面における再帰反射素子(1)の形状は、全て実質的
に同一形状であるが、必ずしもこれに限定されるもので
はなく、後述するように、プリズム集合単位の作成方法
によっては相異なる再帰反射素子を含む場合もあり得
る。
反射シートを構成する密封封入単位の代表的な態様であ
る、三角錐型プリズム集合面を有する密封封入単位の断
面図である。(1)はキューブコーナー型再帰反射素子
であり、(2)はこのような再帰反射素子(1)が最密
充填状に配置されたプリズム集合面である。(3)はプ
リズム集合面(2)を囲周する周壁であり、再帰反射素
子(1)の頂部を超えて突出して、その周壁の頂部が結
合剤層(6)と接合され、その結果、周壁(3)、プリ
ズム集合面(2)及び結合剤層(6)によって囲まれ、
該プリズム集合面(2)と結合剤層(6)との間に空気
層(7)を包含する密封構造を形成する。
(2)を形成する再帰反射素子(1)はまた、該プリズ
ム集合面(2)を囲周する周壁(3)と共にプリズム層
(4)を形成し、このプリズム層(4)の光入射側に隣
接して保持体層(5)が形成されており、この保持体層
(5)の光入射側の表面は実質的に平滑である。このプ
リズム層(4)と保持体層(5)とは、通常一体をなす
ものであり、合成樹脂などの光線透過性の材料のシート
を本発明のキューブコーナー金型を用いて、加熱エンボ
ス成形等の方法により形成されている。
要に応じて、プリズム層(4)と保持体層(5)とを、
汚染や傷、光や熱による劣化などの物理的または化学的
な損傷から防護する目的で光線透過性の材料からなる表
面層(8)を設けることができる。また、結合剤層
(6)の背面(光入射側と反対の面)には、通常、結合
剤層(6)及び再帰反射シート全体の強度の向上と形状
保持の目的で、支持体層(9)が設けられ、さらにその
背面には、再帰反射シートの使用に際して、金属板、木
板、ガラス板、プラスチック板などの対象物に貼着する
ために、感圧接着剤又は感熱接着剤などの接着剤層(1
0)が形成されている。接着剤層(10)の外表面に
は、対象物に貼着するまでの間該接着剤層(10)の表
面を保護するために剥離材層(11)が貼付されてい
る。
び表面層(8)の光線透過性は、一般に20%以上、好
ましくは50%以上であるのがよい。
(5)を構成する材料としては、特に限定されるもので
はないが、光学的透明性、均一性のあるものが好まし
く、例えば、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニール樹
脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹
脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂
やポリプロピレン樹脂などのオレフィン樹脂、セルロー
ス系樹脂及びウレタン樹脂などを例示できる。これらプ
リズム層(4)及び保持体層(5)には、耐候性を向上
する目的で紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤など
をそれぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができ
る。さらに着色剤として、各種の有機顔料、無機顔料及
び染料、蛍光染料などを含有させることができる。
持体層(5)に用いたのと同じ樹脂を用いることがで
き、またこれらの層の場合と同様に、紫外線吸収剤、光
安定剤及び酸化防止剤などをそれぞれ単独あるいは組み
合わせて用いることができる。さらに、各種の有機顔
料、無機顔料及び染料などの着色剤を含有させることも
できる。
(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド
樹脂、エポキシ樹脂などがあげられ、接合の方法として
は公知の熱融着性樹脂接合法、熱硬化性樹脂接合法、紫
外線硬化性樹脂接合法、電子線硬化性樹脂接合法などが
適宜採用可能である。
(9)の全面にわたって塗布しうるし、周壁の接合部分
に例えば印刷などの方法により選択的に設置することも
可能である。
は、プリズム層(4)を構成する樹脂や、一般のフィル
ム成形可能な樹脂、繊維、布、ステンレスやアルミニウ
ムなどの金属箔または板をそれぞれ単独又は複合して用
いることができる。
て印刷層を、表面層(8)と保持体層(5)の間、或い
は、表面層(8)の上やプリズム層(4)のキューブコ
ーナー型再帰反射素子(1)の反射側面上に設置するこ
とができ、通常グラビア印刷、スクリーン印刷およびイ
ンクジェット印刷などの手段により設置可能である。
密封封入単位から結合剤層(6)を取り除いたものを、
プリズム集合面側から見た拡大斜視図と見ることもでき
る。この場合、(1)はキューブコーナー型再帰反射素
子であり、(2)はこのような再帰反射素子(1)が最
密充填状に配置されたプリズム集合面である。(3)は
プリズム集合面(2)を囲周する周壁であり、再帰反射
素子(1)の頂部を超えて突出している。
するためのプリズム集合単位、又はキューブコーナー型
再帰反射シートの密封封入単位内の、プリズム集合面
(2)におけるキューブコーナー型再帰反射素子(1)
は、上記の三角錐型プリズムの他に、フルキューブ型プ
リズム、テントプリズムなどであってもよいが、本発明
における再帰反射素子としては、三角錐型キューブコー
ナー再帰反射素子、テント型キューブコーナー再帰反射
素子又はフルキューブ型再帰反射素子が好ましく、三角
錐型キューブコーナー再帰反射素子が特に好ましい。
単位の形状は、同一形状のものを最密充填状に配列でき
るものであれば特に限定されるものではないが、周壁を
形成する際の切削加工性や最密充填に適した構造である
ことなどの理由により、不等辺三角形、二等辺三角形、
直角三角形、正三角形、長方形、正方形、菱形、平行四
辺形、台形、正六角形などの形状であるのが好ましく、
直角三角形、正三角形、長方形、正方形、菱形及び正六
角形などの形状であるのが特に好ましい。
さも、特に限定されるものではないが、好ましくは9〜
2500mm2、より好ましくは20〜1000mm2
の範囲であるのがよい。
さが上記下限値以上であれば、周壁を構成する部分の面
積が過大になって輝度の低下が大きくなるなどの不都合
が生ずることがなく、また、上記上限値以下であれば、
シートの端部を切断した際に密封封入構造が破壊されて
水やゴミなどが浸入する範囲が過大となるなどの不都合
が生じにくいので、プリズム集合単位又は密封封入単位
の大きさは上記の範囲内であるのが好ましい。
入単位におけるキューブコーナー型再帰反射素子の大き
さは、基準となる平面からの高さ(h)で表して、50
〜400μm、好ましくは60〜200μmの範囲であ
るのがよい。再帰反射素子の大きさが該下限値以上であ
れば、回折効果による反射光の発散が過大となって反射
性能が低下するなどの不都合が生じにくいので好まし
く、該上限値以下であればシートが厚くなり過ぎること
がなく、柔軟なシートが得られるので好ましい。
に関しては後に詳述する。
封封入単位における周壁(3)の厚さは、再帰反射しな
い部分の面積を最小にし、且つ美麗な外観を保持するな
どの理由から、0.1〜3mmの範囲であるのが好まし
く、0.2〜1mmの範囲であるのがより好ましい。周
壁(3)の高さは、キューブコーナー型再帰反射素子
(1)の頂部(H)の高さ(h)を超え、その1.5倍
以下であるのが好ましい。
封封入単位における周壁(3)の頂部の形状は、結合剤
層との接着を改善する等のために、図3に示すような、
平面、又は、平面、斜面、円弧及び楕円、双曲線若しく
は放物線の一部からなる曲線の群から選ばれる少なくと
も1種以上の形状の組み合わせであるのが好ましい。
単位」とは、キューブコーナー型再帰反射素子が最密充
填状に配置されたプリズム集合面及び該プリズム集合面
を囲周する周壁からなる一区画単位を意味するものであ
り、後述するように、平滑な板状材料を直接切削するこ
とにより形成された凸形状の一次プリズム集合母型であ
ってもよく、また、この一次プリズム集合母型を単独
で、又は同一の一次プリズム集合母型同士、もしくは2
種以上の相異なる一次プリズム集合母型を2つ以上組み
合わせ、例えば電鋳加工などの公知の方法により、これ
ら母型の形状が反転した凹状形状の一次電鋳体を作製
し、次いでこの一次電鋳体をさらに電鋳加工などによっ
て反転させて形成される凸状の二次電鋳体の、プリズム
集合面及び周壁からなるそれぞれの区画単位であっても
よい。また「プリズム集合単位」なる用語は、このよう
な一次プリズム集合母型又は、一次もしくは二次電鋳体
に基づいて作製される、本発明のキューブコーナー金型
を用いて成形されるキューブコーナー型再帰反射シート
の一区画単位について用いられることもある。
成単位」とは、上記のように、「金型構成単位」が、凸
状形状の「プリズム集合単位」を、例えば電鋳加工など
の公知の方法によってその形状を反転させて形成された
凹状形状のものであって、キューブコーナー金型を構成
する区画単位であることを意味するものである。ただし
「金型構成単位」は、必ずしも「プリズム集合単位」に
基づいて、直接形成されるもののみに限定されるもので
はなく、例えば周壁を有しない異種のプリズム集合体
(凸状形状)を2種以上適宜組み合わせて電鋳加工を行
い、得られる凹状形状の一次電鋳体に、所定の形状及び
大きさの区画単位となるように、反転によって周壁とな
るべき溝を刻切することにより形成することもできる。
角錐型キューブコーナー金型を構成するためのプリズム
集合単位、又は三角錐型キューブコーナー再帰反射シー
トの密封封入単位内の、プリズム集合面(2)の拡大平
面図であり、図5は、図4における一組の三角錐型キュ
ーブコーナー再帰反射素子対のさらなる拡大平面図であ
り、図6は、図5における再帰反射素子対を切断線A−
Aに沿って切断した三角錐型キューブコーナー再帰反射
素子対(1)の断面図である。
ために、仮にy方向という)のV字状の溝と右下がり方
向(以下便宜のために、仮にz方向という)のV字状の
溝は、何れも同一のピッチで形成されており、三角錐型
キューブコーナー再帰反射素子集合体は、これらy方向
のV字状の溝の底部中心線と、z方向のV字状の溝の底
部中心線が交差する点を、縦方向(以下便宜のために、
仮にx方向という)のV字状の溝の底部中心線が通るよ
うに、すなわち、x、y及びz三方向の平行V字状の溝
群のそれぞれの底部中心線が一点で交差するように形成
されており、且つこれら三方向のV字状の溝群は同じ深
さで形成されている。言い換えれば、これらV字状の溝
群のそれぞれのV字状の溝底部中心線は同一のV字状の
溝底部平面上にある。
なくとも二方向の平行V字状の溝群のピッチが同一であ
るような三方向の平行V字状の溝群が、それぞれ同一平
面上の一点で交差することによって三角錐型キューブコ
ーナー再帰反射素子の集合体が形成されているような態
様を「同一平面態様」といい、このような平行V字状の
溝群の底部中心線を含む平面を、「共通平面(Ss)」
という。
状態にある三角錐型キューブコーナー再帰反射素子
(1)の底面は、実質的に正三角形又は二等辺三角形を
なしており、該再帰反射素子(1)は底辺を共有する他
の再帰反射素子(1)とそれぞれ素子対を形成してい
る。前記のとおり、一般的にはこれら再帰反射素子
(1)は実質的に全て同一の形状を有しており、この場
合には共通の底辺の中点を中心として180度回転した
回転対称の形状である。各三角錐型キューブコーナー再
帰反射素子は、3つの略直角三角形をなす側面により形
成され、その内少なくとも1つは略直角二等辺三角形で
あってもよい。
子における3面のうちの2面がなすそれぞれの交差角
(プリズム頂角)は、通常は上記のとおりほぼ90度で
あるが、このプリズム頂角に90度から極僅かだけ偏差
を与えることにより、反射する光の束を僅かな角度だけ
発散させることができ、これにより観測角特性を向上さ
せることが可能となる。頂角偏差の値としては、例えば
±0.001度〜±0.2度、好ましくは±0.002
度〜±0.15度、特に好ましくは±0.003度〜±
0.1度の範囲が例示できる。
素子群の一つの底辺を共有する一対の再帰反射素子をさ
らに拡大した平面図及び断面図である。図5に示されて
いる再帰反射素子対において、一つの底辺を共有して向
い合う2つの再帰反射素子(1)の、互いに向い合う側
面(c1,c2)は、実質的に同一形状の三角形であ
る。また再帰反射素子(1)の他の側面(a1,
b1),(a2,b2)はいずれも実質的に同一形状の
三角形であるが、底面三角形が正三角形の場合にはこれ
らの側面三角形も二等辺三角形となる。
は、その共通平面上の1つの底辺(x方向のV字状の溝
底部中心線が形成する底辺)を共有し、それぞれ他の2
つの底辺(y、z方向のV字状の溝底部中心線が形成す
る底辺)が相等しくなるように配置されており、該再帰
反射素子の光学軸と該底面との交点(Q)から該素子対
が共有する底辺までの距離を(q)とし、該再帰反射素
子の頂部(H)から底面に下された垂線と該底面との交
点(P)から該素子対が共有する底辺までの距離を
(p)とするとき、該再帰反射素子の光学軸が該垂線に
対して傾斜していない場合には点Pと点Qは一致し、光
学軸が傾斜している場合には、これらの点は相異なる点
として存在する。従って光学軸が傾斜していない場合に
はこれらの距離の差(q−p)は0となり、光学軸が傾
斜している場合には(q−p)の値がプラス又はマイナ
スとなる。図4〜6に示される態様においては、光学軸
は(q−p)の値がプラスとなる方向に該垂線に対して
θだけ傾斜している。本発明においてこの傾斜角度は、
0.5〜12度の範囲、好ましくは0.6〜7.5度の
範囲である。
一のプリズム集合単位又は密封封入単位においてプリズ
ム集合体を形成している、x、y及びz三方向の平行V
字状の溝群のそれぞれの底部中心線は、何れも共通平面
(Ss)上にある。言い換えれば、x、y及びz三方向
の平行V字状の溝群のそれぞれの底部中心線が存在する
それぞれのV字状の溝底部平面(Sx,Sy,Sz)
は、同一の共通平面(Ss)である。そして前記のとお
り、プリズム集合単位又は密封封入単位におけるキュー
ブコーナー型再帰反射素子の共通平面(Ss)からの高
さ(h)は、50〜400μm、好ましくは60〜20
0μmの範囲であるのがよい。
いては、同一のプリズム集合単位又は密封封入単位にお
ける、x、y及びz三方向の平行V字状の溝群のそれぞ
れの底部中心線は、何れも共通平面(Ss)上にある
が、必ずしもそれに限るものではなく、1つのプリズム
集合単位又は密封封入単位内における三角錐プリズム型
再帰反射素子を形成する三方向のV字状の溝のうち少な
くとも一方向のV字状の溝が、他の方向のV字状の溝と
は異なる深さで形成されていてもよい。V字状の溝の深
さは、x、y及びz三方向について全て異なっていても
よく、或いは何れか一方向だけそれ以外の二方向よりも
深く又は浅く形成されていてもよい。それらのうち、隣
接する2つの三角錐プリズム型再帰反射素子が、その底
面上の1つの底辺(例えば、x方向のV字状の溝の底部
中心線が形成する底辺)を共有し、それぞれ他の2つの
底辺(y及びz方向のV字状の溝の底部中心線が形成す
る底辺)が相等しくなるように配置されている再帰反射
素子対において、該共有する底辺を形成するV字状の溝
底部中心線がその他の2つの底辺を形成するV字状の溝
底部中心線よりも深く又は浅くなるようにそれぞれのV
字状の溝が形成されていることが好ましい。
型キューブコーナー金型を構成するためのプリズム集合
単位、又は三角錐キューブコーナー型再帰反射シートの
密封封入単位内の、プリズム集合面(2)の拡大平面図
であり、図8は、図7における一組の三角錐型キューブ
コーナー再帰反射素子対のさらなる拡大平面図であり、
図9は、図8における再帰反射素子対を切断線B−Bに
沿って切断した三角錐型キューブコーナー再帰反射素子
対(1)の断面図である。
4におけると同様に、方向の相異なるx、y、z三組の
平行V字状の溝群が一点で交差することによって形成さ
れ、最密充填状に配置されており、y及びz方向のV字
状の溝群のピッチは全て相等しい間隔で設けられてい
る。また光学軸は(q−p)の値がプラスとなる方向に
該垂線に対してθだけ傾斜している。但し、図7におけ
る再帰反射素子集合体は前記図4におけるものとは異な
り、x方向のV字状の溝群の深さがy及びz方向のV字
状の溝群の深さより深くなるように設けられているた
め、x方向のV字状の溝群の底部中心線とy及びz方向
のV字状の溝群の底部中心線は、同一平面上には存在し
ない。
角形について論じる場合には、各V字状の溝の底部中心
線で破線状となっているものについては、これら底部中
心線を延長して相互に結び合わせて直線とみなし(以下
延長底部中心線という)、さらに同一平面上にないこれ
ら底部中心線又は延長底部中心線は、最も深いV字状の
溝群の底部中心線が存在しているものと想定される平面
へ投影して投影直線(以下単に投影直線という)として
扱うものとする。
z方向のV字状の溝群のピッチは全て相等しいので、x
方向のV字状の溝群の底部中心線とy及びz方向のV字
状の溝群の延長底部中心線の投影直線により形成される
再帰反射素子の底面三角形は、図4におけるものと同様
にy及びz方向のV字状の溝群延長底部中心線による底
辺が相等しい二等辺三角形をなしている。
子対をさらに拡大して示したものである。図8に示され
ている再帰反射素子対において、共通の底辺(x方向の
V字状の溝底部中心線が形成する底辺)を境にして互い
に向い合う2つの再帰反射素子(1)の、互いに向い合
う側面(c1,c2)は、上部が直角の五角形状で実質
的に同一形状であり、該共通の底辺を含み底面に垂直な
平面を仮想するとき、これら再帰反射素子(1)は、該
垂直な平面に対して略鏡面対称の関係を有する。また再
帰反射素子(1)の他の側面(a1,b1),(a2,
b2)はいずれも上部が直角の四辺形状で実質的に同一
形状である。さらに、x方向のV字状の溝がy及びz方
向のV字状の溝より深くなるように形成されることに伴
って、側面(a1)と(b1)及び(a2)と(b2)
とが交差して形成されている稜線の末端部分が、隣接す
るx方向のV字状の溝により削り取られた形態の、再帰
反射性をほとんど有しない極小さい四辺形の平面
(d1)及び(d2)が形成されている。
9の再帰反射素子は、前記のように図4〜6におけるも
のとは異なり、x方向のV字状の溝の深さがy及びz方
向のV字状の溝の深さより深く形成されており、再帰反
射素子底面の各辺を構成するx方向のV字状の溝底部中
心線は平面(Sx)上にあり、y及びz方向のV字状の
溝底部中心線はそれぞれ平面(Sy,Sz)上にあっ
て、平面(Sy)及び平面(Sz)は同一の平面であり
共通平面(Ss)を構成するが、平面(Sx)は該共通
平面(Ss)よりも下方にある(図6について)異なる
平面である。
同様に、プリズム集合単位又は密封封入単位におけるキ
ューブコーナー型再帰反射素子の共通平面(Ss)から
の高さ(h)は、50〜400μm、好ましくは60〜
200μmの範囲であるのがよい。
と、そのままでは再帰反射素子対の相対向するプリズム
側面(c1;c2)の面積は他のプリズム側面(a1,
b1;a2,b2)の面積よりも相対的に小さくなる
が、図7〜9に示すようにx方向のV字状の溝をy及び
z方向のV字状の溝より深くすることによって該プリズ
ム側面(c1;c2)の面積を拡大して、その面積をプ
リズム側面(a1,b1;a2,b2)の面積に近づ
け、これによって光学軸を傾けることにより生じるプリ
ズム側面(a1,b1,c1;a2,b2,c2)の大
きさのアンバランスを解消して、3つの反射側面で反射
する確率、すなわち、再帰反射輝度の低下を抑制するこ
とが可能となる。
と、そのままでは再帰反射素子対の相対向するプリズム
側面(c1;c2)の面積は他のプリズム側面(a1,
b1;a 2,b2)の面積よりも相対的に大きくなる
が、図7〜9に示すものとは反対に、x方向のV字状の
溝をy及びz方向のV字状の溝より浅くすることによっ
て該プリズム側面(c1;c2)の面積を縮小して、そ
の面積をプリズム側面(a1,b1;a2,b2)の面
積に近づけ、これによって光学軸を傾けることにより生
じるプリズム側面(a1,b1,c1;a2,b2,c
2)の大きさのアンバランスを解消して、再帰反射輝度
の低下を抑制することが可能となる。
反射素子からなるプリズム集合単位を有する金型構成単
位もしくは密封封入単位、光学軸が傾斜していない再帰
反射素子からなるプリズム集合単位を有する金型構成単
位もしくは密封封入単位、僅かな頂角偏差を有する再帰
反射素子からなるプリズム集合単位を有する金型構成単
位、もしくは密封封入単位、又は、三方向のV字状の溝
のうち少なくとも一方向のV字状の溝が、他の方向のV
字状の溝とは異なる深さで形成されている再帰反射素子
からなるプリズム集合単位を有する金型構成単位もしく
は密封封入単位、或いは、これらの要素が2つ以上組み
合わされた再帰反射素子からなるプリズム集合単位を有
する金型構成単位もしくは密封封入単位などの何れのも
のが組み合わされていてもよいが、光学軸が傾斜した再
帰反射素子及び/又は頂角偏差を有する再帰反射素子か
らなるプリズム集合単位を有する金型構成単位又は密封
封入単位を必須構成要素として含んでいることが必要で
ある。さもなければ、得られるキューブコーナー型再帰
反射シートは、本発明の特徴である広角性の改善効果が
発揮されないので好ましくない。
傾斜した再帰反射素子の傾斜角度は、前記のとおり、該
再帰反射素子の頂部(H)から底面に下された垂線に対
して、好ましくは0.5度〜12度、より好ましくは
0.6度〜7.5度の範囲である。傾斜角度が該下限値
以上であれば、得られる再帰反射シートの入射角特性が
優れているので好ましく、該上限値以下であれば、該再
帰反射シートの正面の反射輝度が低くなり過ぎることが
ないので好ましい。
て模式的に説明するための断面図(a)及び拡大平面図
(b)である。
の尖った形状をなしているものとして説明されるが、実
際には図10(a)のV字状の溝(10)の断面のよう
に、その底部(12)は、ここに示すように略平面状又
は緩やかな曲面状となっているのが普通である。これ
は、再帰反射シートを成形するための母型の成形過程で
のダイヤモンドカッターの先端形状などに起因し、また
再帰反射シート成形の繰り返しに伴う金型の摩滅などに
起因し、特には再帰反射シート成形ジの金型からの型離
れをよくするための工夫などに起因するものである。本
発明においては、そのため「V字状の溝底部の中心
線」、「V字状の溝の底部中心線」、「V字状の溝底部
中心線」などの用語を用いるが、これはV字状の溝の底
部(12)の平面又は曲面と、V字状の溝角を二等分す
る平面〔図10(a)では縦方向の波線で示されてい
る〕とが交差することによって形成される直線(11)
をもって表すものとする。
る方法は、公知の各種の方法を用いることができる。
が三角錐プリズム型再帰反射素子又はテントプリズム型
再帰反射素子の場合には、平滑な板状の材料の表面を、
ダイアモンドツール等を用いてフライカッテイング法な
どの加工方法によりV字状の溝を切削加工することによ
り得られる。テントプリズム型再帰反射素子の場合に
は、90度のV字状の溝を等間隔で且つ平行に一方向切
削することにより得られる。この時、V字状の溝の中心
線を傾けるようにして切削することにより、光学軸を傾
斜させることができる。
射素子の場合には、交差角60度で二方向から対称型の
V字状の溝(すなわち、中心線の傾いていないV字状の
溝)を、それぞれ等間隔で且つ平行に切削したのち、こ
の交差角の鈍角側を二等分するようにもう一方向の対称
型のV字状の溝を等間隔で且つ平行に切削する。この時
のV字状の溝の角度は約70.5度である。このように
対称型のV字状の溝により作成された三角錐プリズム型
再帰反射素子は全て同一の形状であり、V字状の溝の交
差角が60度の場合には光学軸は傾斜していない。
射素子を形成するためには、上記のV字状の溝切削にお
いて、y方向およびz方向のV字状の溝の交差角を60
度より大きくし、又は小さく切削すればよい。該V字状
の溝の交差角を60度より大きくすれば、マイナス傾斜
の三角錐プリズム型再帰反射素子を形成することがで
き、小さくすればプラス傾斜の三角錐プリズム型再帰反
射素子を形成することができる。V字状の溝の交差角の
値及び、三角錐型プリズムの頂部の交差角を90度にす
るためのV字状の溝の角度は、光学軸の傾斜方向及び傾
斜角度の値から、予め計算により求めることができる。
おいては、通常三方向のV字状の溝の谷底は同一平面上
にあるが、必要に応じて、例えば、プラス傾斜の三角錐
プリズム型再帰反射素子の場合には、三番目のV字状の
溝の深さを他の二方向のV字状の溝の深さよりも深くし
(特許国際公開WO98/03743号参照)、マイナ
ス傾斜の三角錐プリズム型再帰反射素子の場合には、三
番目のV字状の溝の深さを他の二方向のV字状の溝の深
さよりも浅くする(特開平11−149006)ことに
よって、さらに優れた入射角特性を付与することができ
る。
の交差角に90度から僅かな偏差を与える方法として
は、前記のV字状の溝切削において、前記特開昭63−
143502号公報(米国特許第4,775,219号
明細書)に記載されているように、V字状の溝の中心線
を少し傾斜させ(すなわち、非対称型のV字状の溝を形
成し)、及び/又は切削角を90度から僅かに変異させ
てV字状の溝を切削する方法を挙げることができる。非
対称型のV字状の溝により切削すれば、複数種の三角錐
プリズム型再帰反射素子が形成される。特開昭63−1
43502号公報記載の方法によれば、同一方向を複数
種のV字状の溝でそれぞれ切削することにより、多数種
の三角錐プリズム型再帰反射素子を形成することも可能
である。
成する方法としては、例えば、米国特許第1,591,
572号明細書、米国特許第3,922,065号明細
書及び米国特許第2,029,375号明細書に記載さ
れているように、金属のピンの先端にプリズムを形成
し、それらを何本も束ねてプリズム集合面を形成する方
法を挙げることができる(ピン結束法)。また、米国特
許第1,591,572号明細書、米国特許第3,06
9,721号明細書、米国特許第4,073,568号
明細書、特許国際公開WO97/04940号及び特許
国際公開WO97/04939号に記載されているよう
に、互いに平行な二平面を持つ薄い板状材料を重ね、該
板状材料に対して直角な方向に等しいピッチでV字状の
溝を切削して、頂角が約90度の連続する屋根型の突起
群を形成し、次いで各々の板状材料の上に形成された屋
根型突起群の屋根の頂部を、隣接する板状材料の上に形
成されたV字状の溝の底部に一致させるように移動させ
ることにより得られる。V字状の溝切削に際して非対称
なV字状の溝を切削し、また板状材料の厚さを変えるこ
とにより、光学軸を傾斜させることができる。また前記
三角錐プリズム型再帰反射素子の場合と同様に、切削角
を90度から僅かに変異させてV字状の溝を切削するこ
とにより、プリズム頂角を90度から僅かに偏異させる
こともできる(プレート法)。
テントプリズム型再帰反射素子の作成用いられる平滑な
板状材料、並びにフルキューブプリズム型再帰反射素子
の作成用いられる薄い板状材料としては、例えばビッカ
ース硬さ(JIS Z−2244)が350以上、特に
380以上の金属材料の使用が好ましく、具体的には、
例えば、アモルファス銅、電析ニッケル等を挙げること
ができ、合金系材料としては、例えば、銅−亜鉛合金、
銅−錫−亜鉛合金、ニッケル−コバルト合金、ニッケル
−亜鉛合金等を挙げることができる。
ラス転移点が150℃以上、特に200℃以上で且つロ
ックウェル硬さ(JIS Z−2245)が70以上、
特に75以上の合成樹脂材料も好適に使用することがで
き、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート
系樹脂、ポリブチレンフタレート系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリイ
ミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルサル
フォン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂及びセルロー
ストリアセテート系樹脂等を挙げることができる。
は、通常の樹脂成形法、例えば、押出成形法、カレンダ
ー成形法、溶液キャスト法等により行うことができ、必
要に応じてさらに加熱処理、延伸処理等の処理を行うこ
とができる。
法によって製造されるプリズム集合単位から電鋳金型を
作成する際の導電処理及び/又は電鋳加工を容易にする
ため、予備導電処理を施すことができる。
ミニウム、亜鉛、クロム、ニッケル、セレン等の金属を
蒸着する真空蒸着法、これらの金属を用いる陰極スパッ
タリング法、銅やニッケルを用いる無電解メッキ法等が
挙げられる。また、合成樹脂にカーボンブラック等の導
電性微粉末や有機金属塩等を配合し、平板それ自体に導
電性をもたせるようにしてもよい。
うにして作成されたプリズム集合単位に基づいて形成さ
れる少なくとも2種類以上の相異なる金型構成単位を、
多数組み合わせて構成されるキューブコーナー金型であ
って、該キューブコーナー金型が、キューブコーナー型
再帰反射素子の光学軸が該再帰反射素子の底面への垂線
に対して傾斜している再帰反射素子及び/又は該再帰反
射素子を構成する3面のうちの2面がなすそれぞれの交
差角の少なくとも1つが90度から僅かな偏差を有する
再帰反射素子からなるプリズム集合単位に基づいて形成
される金型構成単位を含むことを特徴とするキューブコ
ーナー金型である。
しも同じタイプのキューブコーナー型再帰反射素子から
なるプリズム集合単位同士に限らず、必要に応じて、他
のタイプのキューブコーナー型再帰反射素子からなるプ
リズム集合単位を組み合わせることもできる。
型再帰反射素子とは、例えば光学軸の傾斜の有無、プリ
ズム頂部の交差角の偏差の有無を問わずに、三角錐型キ
ューブコーナー再帰反射素子、フルキューブコーナー型
再帰反射素子及びテントプリズム型再帰反射素子をそれ
ぞれ1つのタイプとして類別するものである。
ずしも金型構成単位を隙間なく組み合わせて形成される
物のみに限定されるものではなく、得られる再帰反射シ
ートに、例えば紫外線発光、蛍光発光、電光表示などの
再帰反射以外の情報伝達機能を付与するために、必要に
応じて、再帰反射素子の存在しない単位を組み合わせる
こともできる。
は、例えば、三角錐型キューブコーナー再帰反射素子か
らなるプリズム集合単位のみを用いる場合、予め同じ形
状に成形した板状材料に前記の方法により、別々に2種
以上の異なる種類の三角錐型キューブコーナー再帰反射
素子が形成された凸形状(雄型)のプリズム集合単位と
した後、これらを組み合わせて金型の基礎となる最小の
繰り返し単位母型を形成し、これを電鋳等の方法によっ
て凹形状(雌型)金型構成単位の組合せからなる最小繰
り返し単位を作成し、これをさらに組み合わせて、例え
ばエンドレスベルト状などの三角錐型キューブコーナー
金型とすることができる。またプリズム集合単位をそれ
ぞれ別々に電鋳加工を施し、必要に応じて、例えばフラ
イカッティング方などの手段により、適宜の形状、再帰
反射素子の向き及び大きさに即して切断し、別々の金型
構成単位を形成してこれらを組み合わせることもでき
る。
る周壁は、三角錐型キューブコーナー再帰反射素子を形
成するときに同時に刻設することもできるが、凸形状の
プリズム集合単位の組み合わせからなる最小の繰り返し
単位母型としてから電鋳加工を施す場合には、得られる
最小繰り返し単位母型の電鋳体のそれぞれのプリズム集
合面に沿って、例えばフライカッティング法などの手段
により周壁を刻設し、これを電鋳加工することにより凸
形状の第三世代最小繰り返し単位母型とすることができ
る。また、プリズム集合単位をそれぞれ別々に電鋳加工
する場合には、得られるプリズム集合単位の電鋳体を、
上記のように、適宜の形状、再帰反射素子の向き及び大
きさに即して切断した後、それぞれのプリズム集合面の
外周に沿って周壁を刻設し、これらを組み合わせて最小
繰り返し単位を形成することもできる。
子からなるプリズム集合単位のみを用いる場合には、先
ず形成されるプリズム集合面に電鋳加工を施して、凹形
状のプリズム集合単位電鋳体を形成し、これを組み合わ
せて最小繰り返し単位を形成し、次いでそのそれぞれの
プリズム集合面に沿って周壁を刻設する方法が採用でき
る。また凹形状のプリズム集合単位電鋳体を形成した
後、上記同様、必要に応じて適宜の形状、再帰反射素子
の向き及び大きさに即して切断した後、それぞれのプリ
ズム集合面の外周に沿って周壁を刻設し、これらを組み
合わせて最小繰り返し単位を形成することもできる。
番号第WO97/15435号に詳細に記載されてお
り、ここではその記載をもって本発明における電鋳加工
に関する説明に代える。
位から作成した凹形状の金型構成単位は、精密に切断さ
れた後、前記のように、同様にして作成された再帰反射
素子の種類の異なる他の金型構成単位と組み合わせて、
本発明のキューブコーナー金型を構成する凹形状の第二
世代最小繰り返し単位とすることができる。また凸形状
の最小繰り返し単位母型からは、直接凹形状の第二世代
最小繰り返し単位を作成することができる。
に第三世代の最小繰り返し単位を作成するのに用いる電
鋳マスターとして、繰り返し用いることができる。従っ
て、一つの最小繰り返し単位から幾つもの最小繰り返し
単位を作成することが可能であり、このように作成され
た複数個の最小繰り返し単位は、精密に切断された後
に、合成樹脂によるキューブコーナー型再帰反射シート
の成形を行うための最終的な金型の大きさまで組み合せ
接合して、本発明のキューブコーナー金型とすることが
できる。
突き合わせる方法や組み合わせた接合部分を、例えば電
子ビーム溶接、YAGレーザー溶接、炭酸ガスレーザー
溶接などの方法で溶接する方法などが採用可能である。
は、合成樹脂成形用金型として合成樹脂の成形に用いら
れる。この合成樹脂成形の方法としては圧縮成形や射出
成形を採用することができる。
ッケル電鋳金型、所定の厚さの合成樹脂シート及びクッ
ション材として厚さ5mm程度のシリコーンゴム製シー
トを、所定の温度に加熱された圧縮成形プレスに挿入し
た後、成形圧の10〜20%の圧力下で30秒予熱を行
なった後、180〜250℃、10〜30kg/cm2
程度の条件下で約2分間加熱加圧することにより行うこ
とができる。しかるのち、加圧状態のままで室温まで冷
却して圧力を開放することにより、プリズム成形品を得
ることが可能である。
約0.5mmの薄肉電鋳金型を、前記溶接法により接合
してエンドレスベルト金型を作成し、このベルト金型を
加熱ロールと冷却ロールとからなる1対のロール上に設
置して回転させ、加熱ロール上にあるベルト金型に、溶
融した合成樹脂をシート状の形状で供給し、1個以上の
シリコーン製ロールで加圧成形を行なった後、冷却ロー
ル上でガラス転移点温度以下に冷却して、ベルト金型か
ら引き剥がすことにより連続したシート状の製品を得る
ことが可能である。
よって成形されるキューブコーナー型再帰反射シート
は、それぞれ、キューブコーナー型再帰反射素子のプリ
ズム方位角の異なるプリズム集合面をもつ、少なくとも
2種以上のプリズム集合単位に基づいて形成される金型
構成単位、又は、少なくとも2種以上の密封封入単位の
組み合わせを含んで構成されることができる。このよう
に構成することにより、回転角特性の特に優れたキュー
ブコーナー型再帰反射シートを得ることができる。
るためには、予めプリズム方位角の異なるキューブコー
ナー型再帰反射素子を刻設した別々のプリズム集合単位
を組み合わせてもよいが、全て同一プリズム方位角の再
帰反射素子を刻設して、これを回転させて組み合わせる
こともできる。
れによって成形されるキューブコーナー型再帰反射シー
トは、それぞれ、キューブコーナー型再帰反射素子の大
きさの異なるプリズム集合面をもつ、少なくとも2種以
上のプリズム集合単位に基づいて形成される金型構成単
位、又は、少なくとも2種以上の密封封入単位の組み合
わせを含んで構成されることができる。このように構成
することにより、正面輝度と観測角特性とのバランスに
優れたキューブコーナー型再帰反射シートを得ることが
できる。
素子の、最大のものと最小のものとの比は、プリズムの
成形加工に際しての充填性のよさなどの理由から、該再
帰反射素子の高さの比としてhmin/hmax=0.
25〜1.0、特には0.5〜1.0の範囲であるのが
好ましい。
トは、該再帰反射シートを近くから見た場合にも、プリ
ズム集合面の区画がその表面からはっきり見えてしまっ
てそのシート外観の意匠性を損なうことのないように、
該再帰反射シートを構成する複数種の密封封入単位にお
ける各プリズム集合面の単位再帰反射率係数Rの、最大
値Rmaxと最小値Rminの比率Rmin/Rmax
が0.5以上、好ましくは、0.6以上となるように調
整して作成するのとが好ましい。
う密封封入単位又は密封封入単位のブロックの間の単位
再帰反射率係数Rの比率RL/RH(但しRL≦RH)
が0.6以上となるように調整して作成するのとが好ま
しい。ここで「密封封入単位のブロック」とは、同一形
状のキューブコーナー型再帰反射素子からなる密封封入
単位が2〜40個集合したものが例示できる。本発明の
キューブコーナー型再帰反射シートにおいては、隣り合
う密封封入単位のブロックが相互に相異なる密封封入単
位により構成されるのが好ましい。従ってこのような再
帰反射シートを成形するための本発明のキューブコーナ
ー金型は、同様に、隣り合う金型構成単位のブロックが
相互に相異なるプリズム集合単位に基づいて形成される
金型構成単位により構成されるのが好ましい。
射率係数Rは、後記の実施例に記載の方法により測定さ
れる。
帰反射シート又はキューブコーナー金型の最小繰り返し
単位における、密封封入単位又は金型構成単位の配列を
示す概念図であり、図12は、4個ずつの密封封入単位
のブロック又は金型構成単位のブロックを形成している
場合の、本発明のキューブコーナー型再帰反射シート又
はキューブコーナー金型の最小繰り返し単位における、
密封封入単位又は金型構成単位の配列を示す概念図であ
る。
……は、それぞれ相異なるキューブコーナー型再帰反射
素子からなる密封封入単位、又は金型構成単位を表すも
のである。
詳細に説明する。
に、先端角度が70.529度のダイアモンドバイトを
用いて、x方向、y方向及びz方向の繰り返しピッチが
ともに169.706μm、これら三方向の交差角度が
ともに60.000度となるように、断面形状が対称形
のV字型の溝を繰り返しのパターンでフライカッティン
グ法によって約80μmの深さで切削し、真鍮板上に反
射素子の高さが80.000μmのキューブコーナー型
再帰反射素子群を有する凸形状のプリズム集合単位を形
成した。得られた凸形状のプリズム集合単位における再
帰反射素子の光学軸傾斜角は0度であり、プリズム頂角
は何れも90.000度であった。
鋳法により、材質がニッケルで厚さ5mmの凹形状のプ
リズム集合体を作成した。
フライカット法により縦及び横の外形寸法が5mm角に
切断した。この際にプリズムを形成するx方向のV字状
の溝が金型構成単位外形を形成する横の辺と直角に交わ
るように再帰反射素子のプリズム方位角が定められた。
その後に、プリズム集合体の切断片の外周四辺を、ダイ
アモンドバイトを用いて幅0.15mm、深さ0.1m
m(反射素子の高さの1.25倍)の矩形形状にフライ
カッティング法によって切削して金型構成単位(A0)
を作成した。得られた金型構成単位の諸因子を表1にま
とめる。
フライカット法により縦及び横の外形寸法が5mm角に
切断するに際して、プリズムを形成するx方向のV字状
の溝が金型構成単位外形を形成する横の辺と直角に交わ
るように再帰反射素子のプリズム方位角を定めて切断す
る代わりに、この参考例1の位置から時計方向に45度
回転させて、この横の辺と45度の角度で交わるように
再帰反射素子のプリズム方位角を定めて切断した。以下
参考例1と同様にして金型構成単位(A1)を作成し
た。得られた金型構成単位の諸因子を表1にまとめる。
を、フライカット法により縦及び横の外形寸法が5mm
角に切断するに際して、プリズムを形成する第3方向の
V字状の溝が金型構成単位外形を形成する横の辺と直角
に交わるように再帰反射素子のプリズム方位角を定めて
切断する代わりに、この参考例1の位置から時計方向に
90度回転させて、この横の辺に平行となるように再帰
反射素子のプリズム方位角を定めて切断した。以下参考
例1と同様にして金型構成単位(A2)を作成した。得
られた金型構成単位の諸因子を表1にまとめる。
を、フライカット法により縦及び横の外形寸法が5mm
角に切断するに際して、プリズムを形成するx方向のV
字状の溝が金型構成単位外形を形成する横の辺と直角に
交わるように再帰反射素子のプリズム方位角を定めて切
断する代わりに、この参考例1の位置から時計方向に1
35度させて、この横の辺と45度の角度で交わるよう
再帰反射素子のプリズム方位角を定めて切断した。以下
参考例1と同様にして金型構成単位(A3)を作成し
た。得られた金型構成単位の諸因子を表1にまとめる。
x方向が56.529度の先端角度を有するダイアモン
ドバイトを用いて、y方向とz方向のV字状の溝の繰り
返しピッチが164.181μmで、x方向のV字状の
溝の繰り返しピッチが191.809μm、またy方向
とz方向のV字状の溝の交差角度が50.679度で、
y方向とx方向のV字状の溝の交差角が64.661度
となるように切削する以外は参考例1と同様にして、真
鍮板上に反射素子の高さが80.000μmのキューブ
コーナー型再帰反射素子群を有する凸形状のプリズム集
合単位を形成した。
る再帰反射素子の光学軸傾斜角は+7.000度であ
り、プリズム頂角は90.000度であった。
い、以下参考例1と同様にして金型構成単位(B0)を
作成した。得られた金型構成単位の諸因子を表1にまと
める。
用い、以下参考例1と同様にして作成した凹形状のプリ
ズム集合体を、フライカット法により縦及び横の外形寸
法が5mm角に切断するに際して、プリズムを形成する
第3方向のV字状の溝が金型構成単位外形を形成する横
の辺と直角に交わるように再帰反射素子のプリズム方位
角を定めて切断する代わりに、この参考例5の位置から
時計方向に45度回転させて、この横の辺と45度の角
度で交わるように再帰反射素子のプリズム方位角を定め
て切断した。以下参考例1と同様にして金型構成単位
(B1)を作成した。得られた金型構成単位の諸因子を
表1にまとめる。
用い、以下参考例1と同様にして作成した凹形状のプリ
ズム集合体を、フライカット法により縦及び横の外形寸
法が5mm角に切断するに際して、プリズムを形成する
x方向のV字状の溝が金型構成単位外形を形成する横の
辺と直角に交わるように再帰反射素子のプリズム方位角
を定めて切断する代わりに、この参考例5の位置から時
計方向に90度回転させて、この横の辺に平行となるよ
うに再帰反射素子のプリズム方位角を定めて切断した。
以下参考例1と同様にして金型構成単位(B2)を作成
した。得られた金型構成単位の諸因子を表1にまとめ
る。
用い、以下参考例1と同様にして作成した凹形状のプリ
ズム集合体を、フライカット法により縦及び横の外形寸
法が5mm角に切断するに際して、プリズムを形成する
x方向のV字状の溝が金型構成単位外形を形成する横の
辺と直角に交わるように再帰反射素子のプリズム方位角
を定めて切断する代わりに、この参考例5の位置から時
計方向に135度させて、この横の辺と45度の角度で
交わるように再帰反射素子のプリズム方位角を定めて切
断した。以下参考例1と同様にして金型構成単位
(B3)を作成した。得られた金型構成単位の諸因子を
表1にまとめる。
返しピッチが179.402μmで、x方向のV字状の
溝の繰り返しピッチが160.732μm、またy方向
とz方向のV字状の溝の交差角度が67.846度で、
y方向とx方向のV字状の溝の交差角が56.077度
となるように切削する以外は参考例4と同様にして、真
鍮板上に反射素子の高さが80.000μmのキューブ
コーナー型再帰反射素子群を有する凸形状のプリズム集
合単位を形成した。
る再帰反射素子の光学軸傾斜角は−7.000度であ
り、プリズム頂角は90.000度であった。
い、以下参考例1と同様にして金型構成単位(C0)を
作成した。得られた金型構成単位の諸因子を表1にまと
める。
を、フライカット法により縦及び横の外形寸法が5mm
角に切断するに際して、プリズムを形成するx方向のV
字状の溝が金型構成単位外形を形成する横の辺と直角に
交わるように再帰反射素子のプリズム方位角を定めて切
断する代わりに、この参考例9の位置から時計方向に4
5度回転させて、この横の辺と45度の角度で交わるよ
うに再帰反射素子のプリズム方位角を定めて切断した。
以下参考例1と同様にして金型構成単位(C1)を作成
した。得られた金型構成単位の諸因子を表1にまとめ
る。
用い、以下参考例1と同様にして作成した凹形状のプリ
ズム集合体を、フライカット法により縦および横の外形
寸法が5mm角に切断するに際して、プリズムを形成す
るx方向のV字状の溝が金型構成単位外形を形成する横
の辺と直角に交わるように再帰反射素子のプリズム方位
角を定めて切断する代わりに、この参考例9の位置から
時計方向に90度回転させて、この横の辺に平行となる
ように再帰反射素子のプリズム方位角を定めて切断し
た。以下参考例1と同様にして金型構成単位(C2)を
作成した。得られた金型構成単位の諸因子を表1にまと
める。
を、フライカット法により縦及び横の外形寸法が5mm
角に切断するに際して、プリズムを形成するx方向のV
字状の溝が金型構成単位外形を形成する横の辺と直角に
交わるように再帰反射素子のプリズム方位角を定めて切
断する代わりに、この参考例9の位置から時計方向に1
35度回転させて、この横の辺と45度の角度で交わる
ように再帰反射素子のプリズム方位角を定めて切断し
た。以下参考例1と同様にして金型構成単位(C3)を
作成した。得られた金型構成単位の諸因子を表1にまと
める。
モンドバイトを用いる代わりに、先端角度が70.59
9度のダイアモンドバイトを用いてV字状の溝を切削す
る以外は参考例1と同様にして、真鍮板上に反射素子の
高さが79.895μmのキューブコーナー型再帰反射
素子群を有する凸形状のプリズム集合単位を形成した。
る再帰反射素子の光学軸傾斜角は0度であり、プリズム
頂角はそれぞれ90.000度から+3.00分(+
0.0500度)だけの偏差を有していた。
い、以下参考例1と同様にして金型構成単位(D0)を
作成した。得られた金型構成単位の諸因子を表1にまと
める。
を用い、以下参考例1と同様にして作成した凹形状のプ
リズム集合体を、フライカット法により縦及び横の外形
寸法が5mm角に切断するに際して、プリズムを形成す
るx方向のV字状の溝が金型構成単位外形を形成する横
の辺と直角に交わるように再帰反射素子のプリズム方位
角を定めて切断する代わりに、この参考例13の位置か
ら時計方向に45度回転させて、この横の辺と45度の
角度で交わるように再帰反射素子のプリズム方位角を定
めて切断した。以下参考例1と同様にして金型構成単位
(D1)を作成した。得られた金型構成単位の諸因子を
表1にまとめる。
を用い、以下参考例1と同様にして作成した凹形状のプ
リズム集合体を、フライカット法により縦及び横の外形
寸法が5mm角に切断するに際して、プリズムを形成す
るx方向のV字状の溝が金型構成単位外形を形成する横
の辺と直角に交わるように再帰反射素子のプリズム方位
角を定めて切断する代わりに、この参考例13の位置か
ら時計方向に90度回転させて、この横の辺に平行とな
るように再帰反射素子のプリズム方位角を定めて切断し
た。以下参考例1と同様にして金型構成単位(D2)を
作成した。得られた金型構成単位の諸因子を表1にまと
める。
を用い、以下参考例1と同様にして作成した凹形状のプ
リズム集合体を、フライカット法により縦及び横の外形
寸法が5mm角に切断するに際して、プリズムを形成す
るx方向のV字状の溝が金型構成単位外形を形成する横
の辺と直角に交わるように再帰反射素子のプリズム方位
角を定めて切断する代わりに、この参考例13の位置か
ら時計方向に135度回転させて、この横の辺と45度
の角度で交わるように再帰反射素子のプリズム方位角を
定めて切断した。以下参考例1と同様にして金型構成単
位(D3)を作成した。得られた金型構成単位の諸因子
を表1にまとめる。
x方向が56.600度の先端角度を有するダイアモン
ドバイトを用いて切削する以外は参考例4と同様にし
て、真鍮板上に反射素子の高さが79.904μmのキ
ューブコーナー型再帰反射素子群を有する凸形状のプリ
ズム集合単位を形成した。
る再帰反射素子の光学軸傾斜角は+7.000度であ
り、プリズム頂角はそれぞれ90.000度から+3.
000分(+0.050度)だけの偏差を有していた。
様にして金型構成単位(E0)を作成した。得られた金
型構成単位の諸因子を表1にまとめる。
x方向が84.599度の先端角度を有するダイアモン
ドバイトを用いる以外は参考例9と同様にして、真鍮板
上に反射素子の高さが79.885μmのキューブコー
ナー型再帰反射素子群を有する凸形状のプリズム集合単
位を形成した。
る再帰反射素子の光学軸傾斜角は−7.000度であ
り、プリズム頂角はそれぞれ90.000度から+3.
000分(+0.050度)だけの偏差を有していた。
様にして金型構成単位(F0)を作成した。得られた金
型構成単位の諸因子を表1にまとめる。
返しピッチが82.091μmでx方向のV字状の溝の
繰り返しピッチが95.905μmとなるように、約4
0μmの深さで切削する以外は参考例5と同様にして、
真鍮板上に反射素子の高さが40.000μmのキュー
ブコーナー型再帰反射素子群を有する凸形状のプリズム
集合単位を形成した。
参考例1とほぼ同様にして金型構成単位(G0)を作成
した。ただし、ニッケル電鋳製の凹形状プリズム集合体
切断片の外周四辺を、ダイアモンドバイトを用いてフラ
イカッティング法によって切削するに際して、深さ0.
1mmとなるように切削する代わりに、深さ0.060
mmとなるように切削した。得られた金型構成単位の諸
因子を表1にまとめる。
返しピッチが205.23μmでx方向のV字状の溝の
繰り返しピッチが239.76μmとなるように、約1
00μmの深さで切削する以外は参考例5と同様にし
て、真鍮板上に反射素子の高さが100.000μmの
キューブコーナー型再帰反射素子群を有する凸形状のプ
リズム集合単位を形成した。
参考例1とほぼ同様にして金型構成単位(H0)を作成
した。ただし、ニッケル電鋳製の凹形状プリズム集合体
切断片の外周四辺を、ダイアモンドバイトを用いてフラ
イカッティング法によって切削するに際して、深さ0.
1mmとなるように切削する代わりに、深さ0.12m
mとなるように切削した。得られた金型構成単位の諸因
子を表1にまとめる。
x方向が71.519度の先端角度を有するダイアモン
ドバイトを用いて、y方向とz方向のV字状の溝の繰り
返しピッチが171.932μmで、x方向のV字状の
溝の繰り返しピッチが168.700μm、またy方向
とz方向のV字状の溝の交差角度が58.760度で、
y方向とx方向のV字状の溝の交差角が60.620度
となるように切削する以外は参考例1と同様にして、真
鍮板上に反射素子の高さが80.000μmのキューブ
コーナー型再帰反射素子群を有する凸形状のプリズム集
合単位を形成した。
る再帰反射素子の光学軸傾斜角は+1.000度であ
り、プリズム頂角は90.000度であった。
い、以下参考例1と同様にして金型構成単位(J0)を
作成した。得られた金型構成単位の諸因子を表1にまと
める。
を用い、以下参考例1と同様にして作成した凹形状のプ
リズム集合体を、フライカット法により縦及び横の外形
寸法が5mm角に切断するに際して、プリズムを形成す
るx方向のV字状の溝が金型構成単位外形を形成する横
の辺と直角に交わるように再帰反射素子のプリズム方位
角を定めて切断する代わりに、この参考例21の位置か
ら時計方向に45度回転させて、この横の辺と45度の
角度で交わるように再帰反射素子のプリズム方位角を定
めて切断した。以下参考例1と同様にして金型構成単位
(J1)を作成した。得られた金型構成単位の諸因子を
表1にまとめる。
を用い、以下参考例1と同様にして作成した凹形状のプ
リズム集合体を、フライカット法により縦及び横の外形
寸法が5mm角に切断するに際して、プリズムを形成す
るx方向のV字状の溝が金型構成単位外形を形成する横
の辺と直角に交わるように再帰反射素子のプリズム方位
角を定めて切断する代わりに、この参考例21の位置か
ら時計方向に90度回転させて、この横の辺に平行とな
るように再帰反射素子のプリズム方位角を定めて切断し
た。以下参考例1と同様にして金型構成単位(J2)を
作成した。得られた金型構成単位の諸因子を表1にまと
める。
用い、以下参考例1と同様にして作成した凹形状のプリ
ズム集合体を、フライカット法により縦及び横の外形寸
法が5mm角に切断するに際して、プリズムを形成する
x方向のV字状の溝が金型構成単位外形を形成する横の
辺と直角に交わるように再帰反射素子のプリズム方位角
を定めて切断する代わりに、この参考例21の位置から
時計方向に135度させて、この横の辺と45度の角度
で交わるように再帰反射素子のプリズム方位角を定めて
切断した。以下参考例1と同様にして金型構成単位(J
3)を作成した。得られた金型構成単位の諸因子を表1
にまとめる。
金型M1及び再帰反射シートS1) 前記参考例1の方法で作成した、10mm*10mmの
プリズム集合単位A0を縦横10個ずつ合計100個用
いて外形100mm角の組合せ体を作成し、これを母型
として電鋳法を2回繰り返して単位再帰反射率係数R測
定用キューブコーナー金型M1を作成した。
mのポリカーボネート系樹脂シート〔商品名「ユーピロ
ンE3000」;三菱エンジニアリングプラスティック
ス(株)製〕を成形温度200℃、成形圧力50kg/
cm2の条件で圧縮成形し、次いで加圧下で30℃まで
冷却した後に樹脂シートを取り出して、表面にキューブ
コーナープリズム層の厚さが200μmのキューブコー
ナー再帰反射素子が最密状に配置れたポリカーボネート
樹脂製の単位再帰反射率係数R測定用のキューブコーナ
ー再帰反射シートS1を作成した。得られた再帰反射シ
ートS1を用い後記する単位再帰反射率係数Rの測定法
に従って、プリズムのx方向(対をなす素子が共有する
底辺の定める溝の方向)と測定器の垂直方向とがなす角
度(プリズム方位角ω)0度、45度、90度及び13
5度における再帰反射率係数を測定し、金型構成単位A
0に基づく密封封入単位のそれぞれのプリズム方位角に
おける単位再帰反射率係数Rとした。得られた単位再帰
反射率係数Rの値を表2に示す。
金型M2及び再帰反射シートS2) 参考例25において、参考例1の方法で作成したプリズ
ム集合単位A0を用いる代わりに、参考例5の方法で作
成したプリズム集合単位B0を用いる以外は参考例25
と同様にして単位再帰反射率係数R測定用の金型M2及
び再帰反射シートS2を作成し、以下参考例25と同様
にして再帰反射シートS2のプリズム方位角0度、45
度、90度及び135度における再帰反射率係数を測定
し、金型構成単位B0に基づく密封封入単位のそれぞれ
のプリズム方位角における単位再帰反射率係数Rとし
た。得られた単位再帰反射率係数Rの値を表2に示す。
金型M3及び再帰反射シートS3) 参考例25において、参考例1の方法で作成したプリズ
ム集合単位A0を用いる代わりに、参考例9の方法で作
成したプリズム集合単位C0を用いる以外は参考例25
と同様にして単位再帰反射率係数R測定用の金型M3及
び再帰反射シートS3を作成し、以下参考例25と同様
にして再帰反射シートS3のプリズム方位角0度、45
度、90度及び135度における再帰反射率係数を測定
し、金型構成単位C0に基づく密封封入単位のそれぞれ
のプリズム方位角における単位再帰反射率係数Rとし
た。得られた単位再帰反射率係数Rの値を表2に示す。
金型M4及び再帰反射シートS4) 参考例25において、参考例1の方法で作成したプリズ
ム集合単位A0を用いる代わりに、参考例13の方法で
作成したプリズム集合単位D0を用いる以外は参考例2
5と同様にして単位再帰反射率係数R測定用の金型M4
及び再帰反射シートS4を作成し、以下参考例25と同
様にして再帰反射シートS4のプリズム方位角0度、4
5度、90度及び135度における再帰反射率係数を測
定し、金型構成単位D0に基づく密封封入単位のそれぞ
れのプリズム方位角における単位再帰反射率係数Rとし
た。得られた単位再帰反射率係数Rの値を表2に示す。
金型M5及び再帰反射シートS5) 参考例25において、参考例1の方法で作成したプリズ
ム集合単位A0を用いる代わりに、参考例17の方法で
作成したプリズム集合単位E0を用いる以外は参考例2
5と同様にして単位再帰反射率係数R測定用の金型M5
及び再帰反射シートS5を作成し、以下参考例25と同
様にして再帰反射シートS5のプリズム方位角0度にお
ける再帰反射率係数を測定し、金型構成単位E0に基づ
く密封封入単位の単位再帰反射率係数Rとした。得られ
た単位再帰反射率係数Rの値を表2に示す。
金型M6及び再帰反射シートS6) 参考例25において、参考例1の方法で作成したプリズ
ム集合単位A0を用いる代わりに、参考例18の方法で
作成したプリズム集合単位F0を用いる以外は参考例2
5と同様にして単位再帰反射率係数R測定用の金型M6
及び再帰反射シートS6を作成し、以下参考例25と同
様にして再帰反射シートS6のプリズム方位角0度にお
ける再帰反射率係数を測定し、金型構成単位F0に基づ
く密封封入単位の単位再帰反射率係数Rとした。得られ
た単位再帰反射率係数Rの値を表2に示す。
金型M7及び再帰反射シートS7) 参考例25において、参考例1の方法で作成したプリズ
ム集合単位A0を用いる代わりに、参考例19の方法で
作成したプリズム集合単位G0を用いる以外は参考例2
5と同様にして単位再帰反射率係数R測定用の金型M7
及び再帰反射シートS7を作成し、以下参考例25と同
様にして再帰反射シートS7のプリズム方位角0度にお
ける再帰反射率係数を測定し、金型構成単位G0に基づ
く密封封入単位の単位再帰反射率係数Rとした。得られ
た単位再帰反射率係数Rの値を表2に示す。
金型M8及び再帰反射シートS8) 参考例25において、参考例1の方法で作成したプリズ
ム集合単位A0を用いる代わりに、参考例20の方法で
作成したプリズム集合単位H0を用いる以外は参考例2
5と同様にして単位再帰反射率係数R測定用の金型M8
及び再帰反射シートS8を作成し、以下参考例25と同
様にして再帰反射シートS8のプリズム方位角0度にお
ける再帰反射率係数を測定し、金型構成単位H0に基づ
く密封封入単位の単位再帰反射率係数Rとした。得られ
た単位再帰反射率係数Rの値を表2に示す。
金型M9及び再帰反射シートS9) 参考例25において、参考例1の方法で作成したプリズ
ム集合単位A0を用いる代わりに、参考例21の方法で
作成したプリズム集合単位J0を用いる以外は参考例2
5と同様にして単位再帰反射率係数R測定用の金型M9
及び再帰反射シートS9を作成し、以下参考例25と同
様にして再帰反射シートS9のプリズム方位角0度にお
ける再帰反射率係数を測定し、金型構成単位J0に基づ
く密封封入単位の単位再帰反射率係数Rとした。得られ
た単位再帰反射率係数Rの値を表2に示す。
成した10mm*10mmのプリズム集合プリズム集合
単位を縦横10個ずつ合計100個用いて外形100m
m角の組合せ体を作成する代わりに、前記の参考例1及
び参考例13で作成された5mm*5mmの金型構成単
位A0及びD0を交互に2つずつ組み合わせて、金型構
成単位4個からなる、図13に示すような外形10mm
角の最小繰り返し単位を形成し、この最小繰り返し単位
をさらに縦、横10単位ずつ合計100単位組み合わせ
て外形100mm角の組合せ体を作成する以外は参考例
21と同様にしてキューブコーナー金型を形成した。こ
の金型を用い以下参考例21と同様にして表面にキュー
ブコーナープリズム層の厚さが200μmのキューブコ
ーナー型再帰反射素子が最密状に配置されたポリカーボ
ネート樹脂製のキューブコーナー型再帰反射シートを作
成した。得られた再帰反射シートの集合再帰反射率係数
の測定及び外観の評価を後記する方法に従って行った。
測定結果を表3に示す。
成単位B0及びC0を組み合わせて金型構成単位4個か
らなる図14に示すような外形10mm角の最小繰り返
し単位を形成する以外は実施例1と同様にしてキューブ
コーナー金型を形成した。
ーブコーナープリズム層の厚さが200μmのキューブ
コーナー型再帰反射素子が最密状に配置されたポリカー
ボネー樹脂製のキューブコーナー型再帰反射シートを作
成した。得られた再帰反射シートの集合再帰反射率係数
の測定及び外観の評価を後記する方法に従って行った。
測定結果を表3に示す。
れた金型構成単位A0、B0及びC0を組み合わせて、
金型構成単位9個からなる図15に示すような外形15
mm角の最小繰り返し単位を形成し、この最小繰り返し
単位をさらに縦、横8単位ずつ合計64単位組み合わせ
て外形120mm角の組合せ体を作成する以外は実施例
1と同様にしてキューブコーナー金型を形成した。
ーブコーナープリズム層の厚さが200μmのキューブ
コーナー型再帰反射素子が最密状に配置されたポリカー
ボネー樹脂製のキューブコーナー型再帰反射シートを作
成した。得られた再帰反射シートの集合再帰反射率係数
の測定及び外観の評価を後記する方法に従って行った。
測定結果を表3に示す。
された金型構成単位A0、A1、A2、A3、D0、D
1、D2及びD3を組み合わせて、金型構成単位64個
からなる図16に示すような外形40mm角の最小繰り
返し単位を形成し、この最小繰り返し単位をさらに縦、
横3単位ずつ合計25単位組み合わせて外形120mm
角の組合せ体を作成する以外は実施例1と同様にしてキ
ューブコーナー金型を形成した。
ーブコーナープリズム層の厚さが200μmのキューブ
コーナー型再帰反射素子が最密状に配置されたポリカー
ボネー樹脂製のキューブコーナー型再帰反射シートを作
成した。得られた再帰反射シートの集合再帰反射率係数
の測定及び外観の評価を後記する方法に従って行った。
測定結果を表3に示す。
B0、B1、B2、B3、C0、C1、C2及びC3を
組み合わせて、金型構成単位64個からなる図17に示
すような外形40mm角の最小繰り返し単位を形成し、
この最小繰り返し単位をさらに縦、横3単位ずつ合計2
5単位組み合わせて外形120mm角の組合せ体を作成
する以外は実施例1と同様にしてキューブコーナー金型
を形成した。
ーブコーナープリズム層の厚さが200μmのキューブ
コーナー型再帰反射素子が最密状に配置されたポリカー
ボネー樹脂製のキューブコーナー型再帰反射シートを作
成した。得られた再帰反射シートの集合再帰反射率係数
の測定及び外観の評価を後記する方法に従って行った。
測定結果を表3に示す。
型構成単位G0及びH0を組み合わせて、金型構成単位
4個からなる図18に示すような外形10mm角の最小
繰り返し単位を形成する以外は実施例1と同様にしてキ
ューブコーナー金型を形成した。
ーブコーナープリズム層の厚さが200μmのキューブ
コーナー型再帰反射素子が最密状に配置されたポリカー
ボネー樹脂製のキューブコーナー型再帰反射シートを作
成した。得られた再帰反射シートの集合再帰反射率係数
の測定及び外観の評価を後記する方法に従って行った。
測定結果を表3に示す。
例18で作成された金型構成単位B0、C0、E0及び
F0を組み合わせて、金型構成単位16個からなる図1
9に示すような外形20mm角の最小繰り返し単位を形
成し、この最小繰り返し単位をさらに縦、横5単位ずつ
合計25単位組み合わせて外形100mm角の組合せ体
を作成する以外は実施例1と同様にしてキューブコーナ
ー金型を形成した。
ーブコーナープリズム層の厚さが200μmのキューブ
コーナー型再帰反射素子が最密状に配置されたポリカー
ボネー樹脂製のキューブコーナー型再帰反射シートを作
成した。得られた再帰反射シートの集合再帰反射率係数
の測定及び外観の評価を後記する方法に従って行った。
測定結果を表3に示す。
構成単位A0及びJ0を組み合わせて、金型構成単位4
個からなる図20に示すような外形10mm角の最小繰
り返し単位を形成する以外は実施例1と同様にしてキュ
ーブコーナー金型を形成した。
ーブコーナープリズム層の厚さが200μmのキューブ
コーナー型再帰反射素子が最密状に配置されたポリカー
ボネー樹脂製のキューブコーナー型再帰反射シートを作
成した。得られた再帰反射シートの集合再帰反射率係数
の測定及び外観の評価を後記する方法に従って行った。
測定結果を表3に示す。
成単位A0及びA2を組み合わせて、金型構成単位4個
からなる図21に示すような外形10mm角の最小繰り
返し単位を形成する以外は実施例1と同様にしてキュー
ブコーナー金型を形成した。
ーブコーナープリズム層の厚さが200μmのキューブ
コーナー型再帰反射素子が最密状に配置されたポリカー
ボネー樹脂製のキューブコーナー型再帰反射シートを作
成した。得られた再帰反射シートの集合再帰反射率係数
の測定及び外観の評価を後記する方法に従って行った。
測定結果を表3に示す。
反射率係数の測定並びに外観の評価は、以下の方法によ
り行った。
クノロジー社(Advanced Retro Tec
hnology,INC)製「モデル(MODEL)9
20」を用い、JIS z−9117に準じて、前記参
考例21〜28の方法で作成した、それぞれ全て同一の
密封封入単位からなる再帰反射シートS1〜S8につい
て、これら参考例のそれぞれに記載したプリズム方位角
の入射角5度、観測角0.20度における再帰反射光量
(cd/Lx・cm2)を測定し、それぞれの密封封入
単位のそれぞれのプリズム方位角における単位再帰反射
率係数Rとした。
において、組み合わされる金型構成単位に基づいた密封
封入単位の単位再帰反射率係数Rのうち、最大の値をR
maxとし最小の値をRminとしてRmin/R
maxの値を求め、また、相隣り合う密封封入単位又は
密封封入単位のブロックの単位再帰反射率係数Rの比R
L/RH(但しRL≦RH)のうち最小の値を求める。
帰反射性能測定器を用い、実施例1〜8及び比較例1で
得られた100mm*100mmの再帰反射シートの再
帰反射光量をJIS Z−9117に準じて、プリズム
方位角0度及び45度の入射角5度及び30度、観測角
0.20度及び1.0度における再帰反射光量(cd/
L x・cm2)を測定し、これら実施例又は比較例の
集合再帰反射率係数とした。
0mmの再帰反射シートについて、目視により外観の観
察を行い、次の基準に従って評価した。 ◎……金型構成単位間の輝度の差は全く目立たない。 ○……金型構成単位間の輝度の差はほとんど目立たな
い。 △……金型構成単位間の輝度の差が僅かに見分けられ
る。 ×……金型構成単位間の輝度の差がはっきりと見える。
再帰反射素子が最密充填状に配置されたプリズム集合面
と、該プリズム集合面を囲周する周壁とからなるプリズ
ム集合単位を有する金型構成単位であって、該金型構成
単位が、キューブコーナー型再帰反射素子の光学軸が傾
斜している再帰反射素子、及び該再帰反射素子の少なく
とも1つのプリズム頂角が90度から僅かな偏差を有す
る再帰反射素子から選ばれるプリズム集合単位を有する
金型構成単位を含む少なくとも2種類以上の相異なる特
定の金型構成単位が組み合わされているキューブコーナ
ー金型、並びに、この金型を用いて成形することのでき
るキューブコーナー型再帰反射シートにより、3つの広
角性、すなわち、入射角特性、観測角特性及び回転角特
性を共に満足するとともに、再帰反射シートの重要な商
品価値の一つであるシート外観の意匠性の問題点、すな
わちシートを近くから見たときにもプリズム集合面の区
画が再帰反射シートの表面からかなりはっきりと見えて
しまうなどの問題点を改善することができた。
れるプリズム集合単位の代表的な態様である、三角錐型
プリズム集合単位を模式的に表す拡大斜視図である。
構成する密封封入単位の代表的な態様である、三角錐型
プリズム集合面を有する密封封入単位の断面図である。
単位又はキューブコーナー型再帰反射シートの密封封入
単位における周壁の頂部の形状を示す模式図である。
ブコーナー金型を構成するためのプリズム集合単位又は
三角錐型キューブコーナー再帰反射シートの密封封入単
位内の、プリズム集合面の拡大平面図である。
再帰反射素子対のさらなる拡大平面図である。
錐型キューブコーナー再帰反射素子対の断面図である。
ーナー金型を構成するためのプリズム集合単位、又は三
角錐キューブコーナー型再帰反射シートの密封封入単位
内の、プリズム集合面の拡大平面図である。
再帰反射素子対のさらなる拡大平面図である。
沿って切断した三角錐型キューブコーナー再帰反射素子
対の断面図である。
明するための断面図(a)及び拡大平面図(b)であ
る。
又はキューブコーナー金型の最小繰り返し単位におけ
る、密封封入単位又は金型構成単位の配列を示す概念図
である。
又はキューブコーナー金型の最小繰り返し単位におい
て、密封封入単位のブロック又は金型構成単位4個ずつ
のブロックを形成している場合の密封封入単位又は金型
構成単位の配列を示す概念図である。
る金型構成単位4個からなる最小繰り返し単位を表す概
念図である。
ける金型構成単位4個からなる最小繰り返し単位を表す
概念図である。
ける金型構成単位9個からなる最小繰り返し単位を表す
概念図である。
ける金型構成単位64個からなる最小繰り返し単位を表
す概念図である。
ける金型構成単位64個からなる最小繰り返し単位を表
す概念図である。
ける金型構成単位4個からなる最小繰り返し単位を表す
概念図である。
ける金型構成単位16個からなる最小繰り返し単位を表
す概念図である。
ける金型構成単位4個からなる最小繰り返し単位を表す
概念図である。
る金型構成単位4個からなる最小繰り返し単位を表す概
念図である。
V字状の溝角を二等分する平面 とが交差する
ことによって形成される直線 14……V字状の溝の底部(12) c1,c2…共通の底辺を境にして互いに向い合う2つ
の再帰反射素子の、互いに向い合う側面 a1,a2,b1,b2…再帰反射素子の(c1,
c2)以外の側面 H……再帰反射素子の頂部 P……再帰反射素子の頂部から底面に下された垂線と該
底面との交点 Q……再帰反射素子の光学軸と該底面との交点 p……交点(P)から再帰反射素子対が共有する底辺ま
での距離 q……交点(Q)から再帰反射素子対が共有する底辺ま
での距離 L,M,N,…それぞれ相異なるキューブコーナー型再
帰反射素子からなる密封封入単位、又はプリズム集合単
位に基づく金型構成単位を表す。
Claims (13)
- 【請求項1】光線透過性のプリズム層が、光入射側の表
面が実質的に平滑で光線透過性の保持体層、該保持体層
の裏面にキューブコーナー型再帰反射素子が最密充填状
に配置されたプリズム集合面と、該再帰反射素子の頂部
を超えて突出して該プリズム集合面を囲周する該再帰反
射素子と共に形成された周壁とからなり、該プリズム層
から空気層を隔てて配置された結合剤層からなり、該プ
リズム層の周壁の頂部と該結合剤層とが連結され、その
結果、周壁、プリズム集合面及び結合剤層によって囲ま
れる空気層を包含する密封封入単位の集合体からなるキ
ューブコーナー型再帰反射シートであって、少なくとも
2種類以上の相異なる密封封入単位が組み合わされてい
るキューブコーナー型再帰反射シートにおいて、上記キ
ューブコーナー型再帰反射シートは、該反射素子の光学
軸が該光入射側の表面の垂線に対して傾斜している再帰
反射素子からなるプリズム層、及び/又は、該再帰反射
素子を構成する3面のうちの2面がなすそれぞれの交差
角(プリズム頂角)の少なくとも1つが90度から僅か
な偏差を有する再帰反射素子からなるプリズム層を含む
ことを特徴とするキューブコーナー型再帰反射シート。 - 【請求項2】キューブコーナー型再帰反射素子が三角錐
型キューブコーナー再帰反射素子である請求項1に記載
のキューブコーナー型再帰反射シート。 - 【請求項3】キューブコーナー再帰反射素子のプリズム
頂角の偏差が、±0.001度〜±0.2度の範囲であ
る請求項1または2に記載のキューブコーナー型再帰反
射シート。 - 【請求項4】上記三角錐型キューブコーナー再帰反射素
子が1つの底辺を共有する再帰反射素子対であり、該再
帰反射素子の光学軸と該底面との交点(Q)から該素子
対が共有する共通の底辺を含み該底面と垂直な面までの
距離をqとし、該再帰反射素子の頂部(H)から底面に
下された垂線と該底面との交点(P)から該素子対が共
有する共通の底辺を含み該底面と垂直な面までの距離を
pとするとき、該再帰反射素子の光学軸が、これらの距
離の差(q−p)がプラス又はマイナスとなるような方
向に該垂線に対して0.5度〜12度の範囲で傾斜して
いる請求項2または3に記載のキューブコーナー型再帰
反射シート。 - 【請求項5】三角錐型キューブコーナー再帰反射素子を
形成する三方向のV字状の溝のうち少なくとも一方向の
V字状の溝が、他の方向のV字状の溝とは異なる深さで
形成されている素子を包含してなる密封封入単位を含ん
でなる請求項2〜4のいずれかに記載のキューブコーナ
ー型再帰反射シート。 - 【請求項6】キューブコーナー型再帰反射シートが、キ
ューブコーナー型再帰反射素子のプリズム方位角の異な
るプリズム集合面をもつ少なくとも2種以上の密封封入
単位の組み合わせを含む請求項1〜5のいずれかに記載
のキューブコーナー型再帰反射シート。 - 【請求項7】キューブコーナー型再帰反射シートを構成
する複数種の密封封入単位における各プリズム集合面の
単位再帰反射率係数Rの、最大値Rmaxと最小値R
minの比率Rmin/Rmaxが0.5以上である請
求項1〜6のいずれかに記載のキューブコーナー型再帰
反射シート。 - 【請求項8】一つの基盤の一方の側に突出するキューブ
コーナー型再帰反射素子が最密充填状に配置されたプリ
ズム集合面と、該基盤より該再帰反射素子の頂部を超え
て突出して該プリズム集合面を囲周する周壁とからなる
金型構成単位を、多数組み合わせて構成されているキュ
ーブコーナー金型であって、少なくとも2種類以上の相
異なる金型構成単位が組み合わされているキューブコー
ナー金型において、上記キューブコーナー金型は、キュ
ーブコーナー型再帰反射素子の光学軸が該再帰反射素子
の基盤への垂線に対して傾斜している再帰反射素子を有
する金型構成単位、及び/又は、該再帰反射素子を構成
する3面のうちの2面がなすそれぞれのプリズム頂角の
少なくとも1つが90度から僅かな偏差を有する再帰反
射素子からなるプリズム集合単位を有する金型構成単位
を含むことを特徴とするキューブコーナー金型。 - 【請求項9】キューブコーナー型再帰反射素子が、三角
錐型キューブコーナー再帰反射素子である請求項8に記
載のキューブコーナー金型。 - 【請求項10】キューブコーナー再帰反射素子のプリズ
ム頂角の偏差が、±0.001度〜±0.2度の範囲で
ある請求項8または9に記載のキューブコーナー金型。 - 【請求項11】上記三角錐型キューブコーナー再帰反射
素子が一つの底辺を共有する再帰反射素子対であり、該
再帰反射素子の光学軸と該底面との交点(Q)から該素
子対が共通の底辺を含み該底面と垂直な面までの距離を
qとし、該再帰反射素子の頂部(H)から底面に下され
た垂線と該底面との交点(P)から該素子対が共有する
底辺を含み該底面と垂直な面までの距離をpとすると
き、該再帰反射素子の光学軸が、これらの距離の差(q
−p)がプラス又はマイナスとなるような方向に該垂線
に対して0.5度〜12度の範囲で傾斜している請求項
9または10に記載のキューブコーナー金型。 - 【請求項12】三角錐型キューブコーナー再帰反射素子
を形成する三方向のV字状の溝のうち少なくとも一方向
のV字状の溝が、他の方向のV字状の溝とは異なる深さ
で形成されている素子を包含してなる金型構成単位を含
んでなる請求項9〜11のいずれかに記載のキューブコ
ーナー金型。 - 【請求項13】キューブコーナー金型が、キューブコー
ナー型再帰反射素子のプリズム方位角の異なるプリズム
集合面をもつ、少なくとも2種以上の金型構成単位の組
合せを含む請求項8〜12いずれかに記載のキューブコ
ーナー金型。
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