JP2001032948A - 回転流体機械 - Google Patents
回転流体機械Info
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- JP2001032948A JP2001032948A JP11205746A JP20574699A JP2001032948A JP 2001032948 A JP2001032948 A JP 2001032948A JP 11205746 A JP11205746 A JP 11205746A JP 20574699 A JP20574699 A JP 20574699A JP 2001032948 A JP2001032948 A JP 2001032948A
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- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
- Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
Abstract
供する。 【解決手段】作動流体により回転される回転部と、該回
転部と対向する静止部に所定の間隔で設けられ、前記回
転部に向かって延伸すように形成された複数の突起部と
を有し、所定の間隔で設けられた前記突起部間と対向す
る回転部の外周側先端面に、前記回転部の回転により回
転部と突起部の隙間を漏れてくる流れをかく乱する構造
物を形成する。
Description
体や液体を用いる回転流体機械に係り、特に回転部と静
止部との隙間から流れが漏れることを防止する回転流体
機械に関する。
では、作動流体を一定の空間内に閉じこめておく必要が
ある。特に、作動流体を利用して回転力として動力を取
り出すことを目的とした蒸気タービンまたはガスタービ
ン等といった流体機械では、回転部と静止部の間に隙間
ができ、その部分から流体が漏れないように流体の密封
機能を持つラビリンスシールと呼ばれる非接触型のシー
ル装置を設けている。この非接触型のシール装置は、複
数の突起部と、突起部間に形成される膨張室から構成さ
れている。
直通型と食い違い型とがある。直通型ラビリンスシール
とは上流側から下流側までが通して見えるような構造を
持つシール装置であり、食い違い型ラビリンスシールと
は突起部が重なり合うことで上流側から下流側までが通
して見えないような構造を持つシール装置のことであ
る。食い違い型は直通型に較べ吹き抜けを小さくできる
という利点がある。吹き抜けとは、一つの突起部を通り
抜けた流体が完全に熱エネルギーに散逸せずに膨張室を
通り過ぎて次の膨張室に流れ込む流体の運動エネルギ
ー、すなわち次段への運動エネルギーの持ち越し現象の
ことをいう。この吹き抜けの増加はシール性能を悪化さ
せてしまう。
を持つ食い違い型ラビリンスシールであるが、蒸気ター
ビンのように非運転時と定常運転時の間に大きな温度差
がある場合には、静止部の熱膨張量と、回転部の熱膨張
量との差が発生するために、突起部が流れ方向に重なっ
ている部分が接触してしまう可能性があった。このため
従来では、流体機械の安全性のために、吹き抜け量の大
きい直通型ラビリンスシールを使用していた。
て吹き抜け量を減少させる構造として、例えば米国特許
4,534,701 号にあるように、動翼先端部シュラウドカバ
ーに貫通した穴をあけ、翼間を流れる流れを動翼先端に
設けられたシール構造内に導入するものが提案されてい
る。
ビン動翼の先端漏れ流れの量を低減するものとして、タ
ービン動翼の先端に一体形成されたシュラウドの外周側
先端面の周方向に複数の凹部を設けた構成のものが開示
されている。
た米国特許4,534,701 号においては、本来動力を得るた
めに使われる作動流体の一部をシール部に流しているた
めに、有効流量の減少につながっていた。また、貫通穴
の翼側の静圧は翼形状に依存し、必ずしも翼間流路側か
らシール側に流れが流れるとは限らず、場合によっては
シール側から翼間流路側に流れが漏れることもある。こ
の場合、動翼先端部シュラウドカバーに貫通した穴をあ
けたことにより漏れ量は増えてしまい、さらにその漏れ
流れによって翼間流れは乱され、回転流体機械の性能が
低下してしまう。
のは、実質上フィンとシュラウドとの間隔が広がってし
まうため、吹き抜け量はかえって増加してしまう可能性
があった。
においては、吹き抜け量を減少させることができなかっ
たため、有効で実現性のある構造ではなかった。
であって、その目的とするところは、シール性能を向上
させた回転流体機械を提供することにある。
に、本発明の回転流体機械は、作動流体により回転され
る回転部と、該回転部と対向する静止部に所定の間隔で
設けられ、前記回転部に向かって延伸するように形成さ
れた複数の突起部とを有し、所定の間隔で設けられた前
記突起部間と対向する回転部の外周側先端面に、前記回
転部の回転により回転部と突起部の隙間を漏れてくる流
れをかく乱する構造物を形成したものである。
より回転される回転部と、該回転部に所定の間隔で設け
られ、前記回転部と対向する静止部に向かって延伸する
ように形成された複数の突起部とを有し、所定の間隔で
設けられた前記突起部間と対向する回転部の外周側先端
面に、前記回転部の回転により回転部と突起部の隙間を
漏れてくる流れをかく乱する構造物を形成したものであ
る。
より駆動される回転部と、該回転部と対向する静止部に
所定の間隔で設けられ、前記回転部に向かって延伸する
ように形成された複数の突起部とを有し、所定の間隔で
設けられた前記突起部間と対向する前記回転部の位置に
は半径方向外向きに突出するステップが形成され、該ス
テップの回転軸に直行する面、または前記静止部と対向
するステップの外周側先端面に、前記回転部の回転によ
り回転部と突起部の隙間を漏れてくる流れをかく乱する
構造物を形成したものである。
部に形成されるものである。
方向側端面の一端が回転面に対し垂直に形成された切り
欠き部と、前記切り欠き部から回転方向側に向かうに従
って切り欠きが浅くなるように形成されたスロープとを
有するものである。
転部の外周側先端面にそれぞれの軸方向の位置をずらし
て周方向に複数設置されたものである。
のタービン動翼は、タービンロータのディスク外周部に
備えられるタービン動翼において、該タービン動翼の外
周側と対向する静止部には、所定の間隔で前記回転部に
向かって延伸するように形成された複数の突起部が形成
されたものであって、所定の間隔で設けられた前記突起
部間と対向するタービン動翼の外周側先端面に、前記タ
ービン動翼と突起部の隙間を漏れてくる流れをかく乱す
る構造物を形成したものである。
部を示した図である。回転部は、図示しないロータに動
翼16が固定され、先端部に隣合う動翼と連結するため
の構造,シュラウド15を備えている。また、ロータに
固定された動翼16は回転軸18を中心に回転される。
一方、静止部であるケーシング14からは、内周側に延
伸する4枚のフィン10,11,12,13が形成さ
れ、ケーシング14とシュラウド15の間を流れ17が
漏れることを抑制している。またシュラウド15は流れ
に対し最も上流側のフィン10と、最も下流側のフィン
13の間で隆起部15aを設けてある。このように、回
転流体機械におけるシール構造としてはケーシング1
4,4枚のフィン10,11,12,13,隆起部15
aが形成されたシュラウド15を備えており、回転軸に
対して対象に構成されている。
ン10,フィン11とその間の膨張室10bからなる単
位シール構造,フィン12,フィン13とその間の膨張
室12bからなる単位シール構造に分解してみると、隆
起部15aが形成されているために、上流側から下流側
までフィンとシュラウドの間隙10a,11a,12
a,13aが貫通して見えない構成となっている。この
ようなシール構造を、一般に食い違い型ラビリンスシー
ルと呼んでいる。一方、フィン11,フィン12とその
間の膨張室11bからなる単位シール構造は、上流側か
ら下流側までフィンとケーシングの間隙が貫通して見え
る構成となっており、この様なシール構造を一般に直通
型ラビリンスシールと呼んでいる。
ン10とシュラウド15との間隙10aを通り抜けた流
れが、フィン11とシュラウド15の隆起部15aとの
間隙11aを通り抜けるためには、シュラウド15の隆
起部15aの存在のため、流れは途中で複数回方向を変
える必要がある。これに対して直通型ラビリンスシール
構造は、一つのフィンにより形成される隙間を通り抜け
た流体の運動エネルギーが、膨張室で完全に熱エネルギ
ーに回復せずに膨張室を通り過ぎて、次のフィンにより
形成される隙間を通り抜ける流体の運動エネルギーのこ
とである吹き抜けが大きい。このため、食い違い型ラビ
リンスシール構造は直通型ラビリンスシール構造に較べ
て吹き抜け量を少なくすることができる。
においては、蒸気タービンのように非運転時と定常運転
時の間に大きな温度差がある場合には、静止部の熱膨張
量と、回転部の熱膨張量との差のために、突起部が流れ
方向に重なっている部分が接触する虞があった。例え
ば、同じ温度変化に対し、回転部である動翼16の方が
静止部であるケーシング14に較べて熱膨張率が大きい
とする。熱膨張による伸びが静止部,回転部共に右方
向、すなわち流れ方向17に伸びるものとすると、図示
しないロータに設置される動翼16に固定されているシ
ュラウド15に形成された隆起部15aと、ケーシング
14に固定されているフィン13は、静止部と回転部の
熱膨張による伸び差が非運転時の隆起部15aの下流側
の端面とフィン13との距離よりも大きくなったときに
接触してしまう。これに対して、直通型ラビリンス構造
は熱伸び差による接触の可能性はない。そのため、静止
側と回転側の熱伸び差が大きい場合には、流体機械の安
全性のため直通型ラビリンス構造を用いている。したが
って、直通型ラビリンス構造においてはシール性能向上
のためには吹き抜け量を低減する技術が重要である。ま
た、食い違い型ラビリンスシールも吹き抜けはゼロでは
なく、吹き抜け量を低減する技術が重要である。図2
は、直通型ラビリンス構造内の流線の模式図を示す。流
れ方向17に流入する流れ31は、静圧P1の膨張室2
6から静圧P2の膨張室22に向かい、フィン3と回転
部1との間の隙間3aを通って漏れる。その流速はほぼ
静圧比P1/P2で決まる。流れ31は近寄り流れの慣
性のためにフィンの下流でいったん縮まりその下流でほ
ぼ一定の拡がり角θで拡がる。この拡がりによって流れ
の一部は下流側のフィン4に当たり、さらにその一部が
膨張室内で渦30を形成し、その渦により運動エネルギ
ーは熱エネルギーに変えられる。このように全温度一定
の条件のもとで、フィン前後の圧力差で等エントロピー
膨張し、膨張室内でその速度エネルギーが熱エネルギー
に変換される等圧静温回復する過程が、ラビリンスシー
ル内で起こる現象であり、等エントロピー膨張によって
生じた運動エネルギーがすべて熱エネルギーに散逸され
る場合に漏れ流量が最も少なくなることが理論的にわか
っている。これを理想ラビリンスシールと呼ぶ。
って生じた運動エネルギーの一部は、膨張室22内で完
全には熱エネルギーに散逸されず、下流側のフィン4と
回転部1との間の隙間4aを通り次の膨張室27へ流れ
込む。この次段への運動エネルギーの持ち越し現象を吹
き抜けおよび、吹き抜けの増加はシール性能悪化につな
がる。また、フィンと回転部の隙間から漏れた流れ31
の拡がり角θは一般に小さく、6度程度であるといわれ
ている。そのため、フィン間隔Lが小さいときには、フ
ィンと回転部の間の隙間から漏れた流れ31は、下流側
のフィン4にあまり当たらず、その運動エネルギーの大
部分が吹き抜けとなる。すなわち、吹き抜けの観点から
はフィン間隔Lは大きい方がよい。
前後の静圧比は、シール構造全体の入口・出口の圧力比
が一定であるとすると、フィン枚数が多いほど小さくな
る。シール構造全体の全長が決まっているとすると、フ
ィン枚数を増加させるとフィン間隔Lは減少する。この
ようにフィン枚数,フィン間隔は各フィン前後の静圧比
と吹き抜け効果のトレードオフで決まる。しかし、ここ
でフィン間隔Lを変えずに吹き抜けを小さくできること
ができる、すなわち膨張室内で運動エネルギーをより多
く熱エネルギーに散逸できることができれば、フィン枚
数と吹き抜けのトレードオフはより漏れ流量を小さくで
きるため、シール性能をより向上させることができる。
本発明はそのような膨張室内での運動エネルギーの散逸
を促進し、吹き抜けを減少させることによりシール性能
を向上させることを狙ったものである。
て詳細に説明する。
機械の構成図を示す。静止部2にはフィン3,4が回転
部1との間に一定の隙間を持つように設置されている。
一方、回転部1には、対向する静止側2に設けられたフ
ィン3,4の間に相当する部分に、回転部1の図示しな
い回転軸に対して凹部5を周方向に離散的に形成してい
る。なお、回転部1の周方向に設置する凹部5の個数
は、最低1個で十分であるが、最適な個数は漏れ速度と
フィン間隔、および回転部1の回転数から決まる。ここ
で重要なことは、凹部5は周方向に連続的に設置するの
ではなく、離散的に設置する点である。凹部5は吹き抜
け流れをかく乱する速度成分、例えば回転軸に対し半径
方向外向きの速度成分を誘起する構造であれば良い。な
お、図中の17は流れ方向、7は回転部1の回転方向を
示す。
本実施例において凹部5は、回転部1の回転方向7側に
スロープ5aを形成し、回転方向7に対向する側に回転
方向に向かい合う切り欠き5bを形成した構成となって
いる。
1が回転することにより、回転部1と静止部2の間にあ
る流体がスロープ5aにより凹部5の中に流れ43とな
って誘導され、切り欠き5bに沿って回転部1と静止部
2の間の空間に流れ44となって戻される。また、切り
欠き5bに沿う流れ44は、回転軸に対し外向き半径方
向成分が形成される。この切り欠き5bに沿う流れ44
の外向き半径方向成分が、回転部1,静止部2,フィン
3,4から構成されるシール構造の吹き抜け速度を減少
させて、その結果、シール性能を向上させるという効果
を奏することができる。
4は、その下流側に流れ方向17からの漏れ流れにほぼ
平行な回転軸を持つ渦45を誘起する。この渦45は、
回転部1の回転に伴い回転部1に対し相対的に移動する
ことで、回転部1に形成された凹部5の逆回転方向側で
は、凹部5とほぼ同等の外向き半径方向成分が誘起され
るため、フィン3,4と回転部1の隙間を通ってきた流
れはかく乱される。このため、回転部1上の凹部5は周
方向に連続して設置する必要はなく、離散的に設置する
ことで本発明の効果を得ることができる。
線の模式図である。なお、図示のものは直通型ラビリン
ス構造に図4に示す構造を適用したものである。前述し
たように、回転部1に図4に示す凹部5を形成すること
により、回転軸に対し外向き半径方向成分が形成され、
半径方向外向き速度35が誘起される。半径方向外向き
速度35はフィン3前後の静圧比P1/P2により生じ
た漏れ流れ34を半径方向外向きに転向させる。これに
より、漏れ流れ34は図3の漏れ流れ31に較べて、よ
り多くの流量が下流側のフィン4に衝突し、より多くの
流量が静止部2,フィン3とフィン4により形成される
膨張室22内に留まり、渦33を形成し、流れの運動エ
ネルギーを熱エネルギーに散逸することができる。
散的に設置しているため、凹部5により誘起される半径
方向外向き速度35が膨張室22内の流れに及ぼす影響
も、周方向に分布させることができる。このため膨張室
22内に生じる渦33も周方向に分布を持つ、すなわ
ち、三次元的、かつ非定常的な構造を持つ渦となる。一
方、図2に示す凹部5がない膨張室22内に存在する渦
30は軸対称トーラス状、すなわち二次元的でかつ定常
的である。三次元的、かつ非定常的な渦33は、渦33
自身が誘起する速度のために、よりスケールの小さい多
数の渦に崩壊することで、二次元的、かつ定常的な渦3
0に較べ、はるかに大きな運動エネルギー散逸効果を持
つ。
34を半径方向外向きに転向させて、膨張室22内に大
きな運動エネルギー散逸効果を持つ三次元的、かつ非定
常的な渦33を発生させることにより、吹き抜け量を大
きく低減することができ、シール性能を向上させること
ができる。さらに、前述した凹部5を回転部1に形成す
ることにより、回転部1の重量を低下させることができ
るため、重量に比例する遠心力が作用する回転部1の信
頼性を向上させることができる。また、本実施例によれ
ばフィン間隔Lを変えずに吹き抜けを小さくできるた
め、シール性能をより向上させることができる。
体機械の構成図を示す。なお、以下の説明において第1
の実施例と同一の符号については説明を省略する。
られたフィン3,4の間の位置の対向する回転部1に凹
部46が形成されている。また、回転方向7と流れ方向
17の間の方向に沿ってスロープ46aが形成され、回
転方向7に対向する側に回転方向に向かい合う切り欠き
46bが形成された構成となっている。
部1の回転によって流れ47として凹部46に誘導さ
れ、切り欠き46bに沿って回転部1と静止部2の間の
空間に流れ48となって戻される。なお、凹部46に入
り込む流れ47は回転方向7と流れ方向17の間の方向
を向いている。この流れ47が凹部46から流出する流
れ48は、半径方向外向き速度成分を有する点では第1
の実施例と同等の効果を持つが、流れ48により誘起さ
れる渦49は、回転方向7と漏れ流れ方向17の間の方
向に軸を持つ渦49となる。さらに、渦49は回転方向
7に軸を持つ成分と流れ方向17に軸を持つ成分とに分
けられ、回転方向7に軸を持つ渦成分の速度は、流れ方
向17に対し逆向きの速度を誘起する。そのため、図5
に示す漏れ流れ34は渦49による流れのせき止め効果
も加わって、より効果的に半径方向外向きに転向させる
ことができる。したがって、本実施例によれば吹き抜け
量を減少させることができ、シール性能を向上させるこ
とができる。
体機械の構造図を示す。本実施例では、図示しない静止
部2に設けられたフィン3,4の間に相当する部分に対
向する回転部1の面に凸部6を周方向に離散的に設けた
構成となっている。凸部6は、回転部1の回転方向7に
スロープ6aが形成され、回転方向7に対応する側には
回転方向7に向かい合う切り欠き6bが形成された構成
となっている。なお、本実施例における凸部の形状は、
フィン間の膨張室内に周方向にかく乱を誘起できる突起
状の形状であれば良く、円柱,角柱,角錐,半円球とい
った形状の突起物を使用することが可能である。
回転部1と静止部2の間にある流体がスロープ6aによ
り回転軸に対し外向き半径方向の速度成分が加えられ
る。また、回転方向7に対して凸部6の反対側には、凸
部6により渦52が誘起され、渦52により膨張室22
内は3次元的、かつ非定常的な渦33にブレークダウン
させられる。以上のように、本実施例によれば漏れ流れ
34を半径方向外向きに転向させるため、膨張室22内
に大きな運動エネルギー散逸効果を持つ三次元的、かつ
非定常的な渦33を発生することができる。さらに、本
実施例によれば吹き抜け量を大きく低減することができ
るため、シール性能を向上させることができる。
体機械の構成図を示す。本実施例では、前述したシール
装置を食い違い型ラビリンスシールに適用したものであ
る。図8に示す通り、回転部1には半径方向に隆起した
ステップ1aが形成されており、ステップ1aの上流側
端面1bに凹部60を周方向に離散的に設置されてい
る。この凹部60は、回転部1の回転方向7にスロープ
60aを持つように形成され、回転方向7に対応する側
に回転方向に向かい合う切り欠き60bを持つように形
成されている。
り、回転部1と静止部2の間にある流体がスロープ60
aにより凹部60の中に誘導され、その後切り欠き60
bに沿って、回転部1と静止部2の間の空間に戻され
る。切り欠き60bに沿う流れ63は、フィン3と回転
部1との間の隙間を漏れてくる流れ62と対向する速度
成分を有する。漏れ流れと対向する速度成分が、漏れ流
れと衝突し、多くの三次元的で非定常な乱流渦64が発
生される。これら乱流渦64は、漏れ流れが持つ運動エ
ネルギーの大部分を熱エネルギーに変えるため、吹き抜
け量は大きく低減され、シール性能を向上させることが
できる。
体機械の構成図を示す。本実施例では、図8に示すステ
ップ1aの上流側端面1bに凹部60を設置した構成に
加えて、回転部1の外周面である円筒面1c,回転部1
に形成された半径方向に隆起したステップ1aの外周面
である円筒面の両方、もしくはどちらか一方に凹部7
0,凹部71を設けた構成となっている。これら凹部6
0,70,71の設置する周方向位置は、膨張室内に生
じる渦の三次元化の観点から、それぞれ回転部1の周方
向にずらして配置することが好ましい。凹部60,70
は回転部1が回転することにより、凹部60に沿った流
れ63及び凹部70に沿った流れ65が生じ、漏れ流れ
62と複雑に干渉することにより、多くの3次元的で非
定常な乱流渦66が発生され、半径方向外向き速度が誘
起される。同様に凹部71では凹部71に沿った流れ6
8が生じ、3次元的で非定常な乱流渦67が発生され、
半径方向外向き速度が誘起される。凹部60,70,7
1によって生じる乱流渦66,67は、漏れ流れが持つ
運動エネルギーの大部分を熱エネルギーに変えるととも
に、吹き抜け量を大きく低減できるため、さらにシール
性能を向上させることができる。
流体機械の構成図である。本実施例では回転部1にフィ
ン90,91が設置されたシール構造に適用した例であ
る。本図に示すように、凹部5はフィン90及びフィン
91の間に周方向に離散的に設けた構成となっている。
前述したように、回転部1に凹部5を形成したことによ
り半径方向外向き速度が誘起され、フィン90とフィン
91との間の膨張室内に渦を形成させるため、運動エネ
ルギー散逸効果を持つ三次元的、かつ非定常的な渦33
を発生することができる。したがって、本実施例によれ
ば運動エネルギーの大部分を熱エネルギーに変えるた
め、吹き抜け量を大きく低減させ、シール性能を向上さ
せることができる。
する回転部に、回転部の回転により、突起部によって形
成される隙間を漏れてくる流れ、もしくは突起部間の膨
張室内に形成される渦のどちらか一方もしくはその両方
をかく乱する速度成分を誘起する構造物を複数,周方向
に離散的に設ける場合には、周方向に軸対称位置に配置
した方が、回転体の不安定な振動を誘起しにくいために
望ましい。
する回転部に、回転部の回転により、突起部によって形
成される隙間を漏れてくる流れ、もしくは突起部間の膨
張室内に形成される渦のどちらか一方もしくはその両方
をかく乱する速度成分を誘起する構造物を、複数,周方
向に離散的に設ける場合には、構造物のすべて、もしく
は、一部に異なる形状のものを用いることで、膨張室内
の渦をより多くの三次元的で、より非定常な乱流渦に崩
壊させることが可能となる。三次元的で非定常な乱流渦
は漏れ流れが持つ運動エネルギーの大部分を熱エネルギ
ーに変えるため、吹き抜け量は大きく低減され、シール
性能は向上する。
する回転部に、回転部の回転により、突起部によって形
成される隙間を漏れてくる流れ、もしくは突起部間の膨
張室内に形成される渦のどちらか一方もしくはその両方
をかく乱する速度成分を誘起する構造物を、複数,周方
向に離散的に設ける場合には、構造物のすべて、もしく
は、一部の設置軸方向位置、すなわちフィンとの相対位
置を他の構造物に対しずらすことで、膨張室内の渦をよ
り多くの三次元的で、より非定常な乱流渦に崩壊させる
ことが可能となる。三次元的で非定常な乱流渦は、漏れ
流れが持つ運動エネルギーの大部分を熱エネルギーに変
えるため、吹き抜け量は大きく低減され、シール性能は
向上する。
部と突起部の隙間を漏れてくる流れを半径方向外向きに
転向させることができ、また膨張室内に大きな運動エネ
ルギー散逸効果を持つ三次元的、かつ非定常的な渦を生
じさせているので吹き抜け量を低減することでき、シー
ル性能を向上させた回転流体機械を提供できるという効
果を奏する。
図。
図。
図。
図。
図。
成図。
静止部、3,4,8,9,10,11,12,13,9
0,91…フィン、3a,4a,10a,11a,12
a,13a…間隙、5,60…凹部、5a,6a…スロ
ープ、5b,6b,60b…切り欠き、6…凸部、7…
回転方向、10b,11b,12b,19,20,2
1,22,23,24,25,26,27…膨張室、1
4…ケーシング、15…シュラウド、15a…隆起部、
16…動翼、17…流れ方向、18…回転軸、28,2
9,30,32,33,45,52…渦、31,34…
漏れ流れ、35…半径方向外向き速度、43,44,6
3…流れ、60a…スロープ、64…乱流渦。
Claims (7)
- 【請求項1】作動流体により回転される回転部と、該回
転部と対向する静止部に所定の間隔で設けられ、前記回
転部に向かって延伸するように形成された複数の突起部
とを有し、所定の間隔で設けられた前記突起部間と対向
する回転部の外周側先端面に、前記回転部の回転により
回転部と突起部の隙間を漏れてくる流れをかく乱する構
造物を形成したことを特徴とする回転流体機械。 - 【請求項2】作動流体により回転される回転部と、該回
転部に所定の間隔で設けられ、前記回転部と対向する静
止部に向かって延伸するように形成された複数の突起部
とを有し、所定の間隔で設けられた前記突起部間と対向
する回転部の外周側先端面に、前記回転部の回転により
回転部と突起部の隙間を漏れてくる流れをかく乱する構
造物を形成したことを特徴とする回転流体機械。 - 【請求項3】作動流体により駆動される回転部と、該回
転部と対向する静止部に所定の間隔で設けられ、前記回
転部に向かって延伸するように形成された複数の突起部
とを有し、所定の間隔で設けられた前記突起部間と対向
する前記回転部の位置には半径方向外向きに突出するス
テップが形成され、該ステップの回転軸に直行する面、
または前記静止部と対向するステップの外周側先端面
に、前記回転部の回転により回転部と突起部の隙間を漏
れてくる流れをかく乱する構造物を形成したことを特徴
とする回転流体機械。 - 【請求項4】前記構造物は、凹部または凸部であること
を特徴とする請求項1,2または3に記載の回転流体機
械。 - 【請求項5】前記構造物は、その周方向側端面の一端が
回転面に対し垂直に形成された切り欠き部と、前記切り
欠き部から回転方向側に向かうに従って切り欠きが浅く
なるように形成されたスロープとを有することを特徴と
する請求項1,2または3に記載の回転流体機械。 - 【請求項6】前記構造物は、前記回転部の外周側先端面
にそれぞれの軸方向の位置をずらして周方向に複数設置
されたことを特徴とする請求項1,2または3に記載の
回転流体機械。 - 【請求項7】タービンロータのディスク外周部に備えら
れるタービン動翼において、該タービン動翼の外周側と
対向する静止部には、所定の間隔で前記回転部に向かっ
て延伸するように形成された複数の突起部が形成された
ものであって、所定の間隔で設けられた前記突起部間と
対向するタービン動翼の外周側先端面に、前記タービン
動翼と突起部の隙間を漏れてくる流れをかく乱する構造
物を形成したことを特徴とするタービン動翼。
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-
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