JP2001029885A - 電子電気機器用アルミニウム塗装板 - Google Patents
電子電気機器用アルミニウム塗装板Info
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Abstract
耐疵付性、プレス成形性、耐指紋性、外観、低コストを
同時に満足する電子電気機器用アルミニウム塗装板を得
る。 【解決手段】 粗度がRaで0.1〜0.5μmの範囲
にあり、かつ250μmの長さに対して高さ0.3μm
〜3.5μmの山の数が3個以上25個以下であるアル
ミニウム合金板に有機樹脂にNiフィラーとワックスを
混合させた塗料を乾燥塗膜厚として0.1μm〜4.0
μm塗装する。
Description
の筐体等に使用されるアルミニウム塗装板に関するもの
である。
亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板が使用されていた。次
に、耐食性を向上させる為にZnメッキの上にクロメー
ト処理を施して使用された。しかし、これでも耐食性が
まだ不十分の為苛酷な環境では使用に耐えない。耐食性
向上の為にはさらに塗装を施し腐食を防止する方法があ
る。しかし、電子電気機器に使用する場合には、通常の
塗装ではアースなど導電性に関係する性能が全く機能し
なくなってしまう。従って、樹脂中に導電物質(カーボ
ンブラック、グラファイト、半導体酸化物、金属粉末)
のフィラーを含有させる事により樹脂皮膜の電気抵抗性
を低下させ、導電性を改善した鋼板が使用されつつあ
る。
携帯性の為に電子機器の小型化、軽量化の傾向が現れて
いる。軽量化の為に鋼板からアルミニウム材料に置き換
わろうとしているが次のような問題点がある。アルミニ
ウム材料の場合、素材自体で耐食性は良いし導電性も良
いので、これらの点からは裸材で用いるのが良いが、表
面に疵が付きやすいので疵付防止の為には樹脂皮膜が必
要である。しかし、前述のように樹脂皮膜のみでは導電
性が無くなる。そこで金属フィラー等を樹脂に含有させ
導電性を確保する事になるが、基材がアルミニウム材料
の場合、殆どの金属が貴なので接触腐食を発生しアルミ
ニウム材料が腐食し易くなる。また樹脂にフィラーを含
有させる場合、多すぎると導電性は良好になるが塗膜密
着性が劣り、少ない含有量であると塗膜密着性は向上す
るが、導電性は劣るようになる。更には導電性と耐食性
は相反する特性である。つまり導電性が良好と言う事は
電解質がそこに存在する時、電池を形成し、電気が流れ
やすくなる事でありそれは腐食しやすいと言う事を意味
する。また、例えば金、銀の場合は、コストが高く、ま
たアルミニウム粉末は接触腐食に対しては良いが酸化し
易い為に導電性が低下するというようにフィラーの種類
の選定にも問題があった。そして、樹脂の中にフィラー
を含有させ、特に導電性向上のために表面に露出させよ
うとすると外観を均一に仕上げる事は非常に難しい。こ
の様に導電性と塗膜密着性、あるいは耐食性は、相反す
る特性で、アルミニウム材料を用いる場合には電位の点
から問題がいっそう難しくなる。また、これらの用途で
は、上記した導電性、耐食性、耐疵付性の他に、プレス
成形性、耐指紋性、外観、低コストが求められこれらを
同時に満足することは難しい。
解決する為に鋭意検討した結果、アルミニウム板の粗
度、樹脂に含有させるフィラーの種類、大きさ及び量、
樹脂に含有させる潤滑剤、量、塗膜付着量を特定の範囲
に制御する事により導電性、耐食性、耐疵付性、プレス
成形性、耐指紋性、外観、低コスト等に関わる性能を向
上させる事を見出し本発明に至った。すなわち、粗度が
Raで0.1〜0.5μmの範囲にあり、かつ250μ
mの長さに対して高さ0.3μm〜3.5μmの山の数
が3個以上25個以下であるアルミニウム合金板に有機
樹脂にNiフィラーとワックスを混合させた塗料を乾燥
塗膜厚として0.1μm〜4.0μm塗装することを特
徴とする電子電気機器用アルミニウム塗装板である。
アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、ポリエス
テル樹脂から選ばれた1種又は2種以上の混合物を用い
ることが好ましい。また、Niフィラーが、個々の大き
さが厚さ0.1〜2μm、幅15〜20μm、長さ1〜
100μmであり、端子間距離40mmで測定した集合
体の電気抵抗が室温で50Ω以下であり、有機樹脂固形
分に対する重量比で10〜70%混合させることが好ま
しい。
油ワックス、合成ワックスの1種又は2種以上の混合物
を有機樹脂固形分に対する重量比で0.2〜15%添加
することが好ましい。
たり50〜900個であることが好ましい。
がRaで0.2〜0.35μmの範囲にあり、かつ25
0μmの長さに対して高さ0.3μm〜3.5μmの山
の数が3個以上25個以下であるアルミニウム合金板
に、エポキシ樹脂に、個々の大きさが厚さ0.1〜2μ
m、幅15〜20μm、長さ1〜100μmであって端
子間距離40mmで測定した集合体の電気抵抗が室温で
50Ω以下であるNiフィラーを有機樹脂固形分に対す
る重量比で20%〜40%混合し、かつマイクロクリス
タリンワックスを有機樹脂固形分に対する重量比で1〜
5%混合した塗料を、乾燥塗膜厚として0.5〜2.0
μm塗装し、塗膜表面のNiフィラーの数が1mm2当
たり100〜550個であることを特徴とする電子電気
機器用アルミニウム塗装板 である。
0.1〜0.5μm、かつ250μmの長さに対して高
さ0.3μm〜3.5μmの山の数が3個以上25個以
下ある事が必要とされる。材料の粗度は重要でこの粗度
とNiフィラーの大きさとNiフィラー自体の抵抗値と
の兼ね合いで導電性と塗膜の密着性と耐食性とを良好な
範囲にする。なお、フィラーに関しては、何種類かのも
のを予備検討しNiフィラーに決定したが、その経緯の
説明は本明細書では略す。導電性を良好にするにはNi
フィラーを塗膜表面に露出させることが必要で、そのた
めにはNiフィラーの大きさと材料の粗度、特に一定以
上の高さの山の数が重要である。すなわち、高さ0.3
μm〜3.5μmの山の数を250μmの距離に対して
3個以上25個以下にする。3個未満であると凹凸の数
が少なすぎてNiフィラーが山の上に乗る事が少なくな
り、また25個を超えると山と山の間隔が短すぎて山の
密度が多すぎNiフィラーの凹凸ができにくくなる。ま
た、山の高さも材料の凹凸をつける上で重要である。
0.3μm未満の山は上記目的には作用しないし、3.
5μmを超える山では山と谷の間を埋めるため塗料が多
量に必要になる。材料の粗度は一般に塗膜の密着性にも
影響するが、Niフィラーが混在している為に特に密着
性を向上する上で重要となる。Raで0.1μm未満の
時にはアンカー効果が期待できない為に密着性が劣り、
0.5μmを超えるとそれ以上の密着性は向上しない。
密着性が向上すれば耐食性も向上する。0.3μm〜
3.5μmの山の数もRaと同様にアンカー効果で密着
性を向上させ、耐食性を向上させることに寄与する。す
なわち、高さ0.3μm〜3.5μmの山の数が250
μmの距離に対して3個未満の時にはアンカー効果が期
待できず、25個を超えるとそれ以上の密着性は向上し
ない。
山の高さが高い時は厚めにするのが好ましい。但しこの
時に塗膜厚さ自体がまた重要で、塗膜が乾燥塗膜厚とし
て4.0μmを超えると粗度の山以上になりフィラーが
樹脂の中に隠れる事が多くなり、導電性が劣る事にな
る。また、乾燥塗膜厚として0.1μm未満だと導電性
は良好になるが、他の性能、耐食性や耐疵付性が劣るよ
うになる。従って、乾燥塗膜厚として0.1μm〜4.
0μm塗装する。
に分散できれば特に問題はないが、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル
樹脂の1種又は2種以上を混合して用いるのが好まし
い。エポキシ樹脂は塗装した時に表面硬さが硬いので疵
がつきにく、また耐食性も優れているので本発明への適
用に好ましい。エポキシ系樹脂としてはビスフェノール
A系、ノボラック系、等の任意のグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、ウレタン変性エ
ポキシ樹脂等が使用できる。有機樹脂としてエポキシ系
樹脂を用いる場合有機樹脂の種々の性能例えば加工性、
可撓性、耐候性等を改善する目的でエポキシ系以外の他
の樹脂をエポキシ系樹脂に配合しても良い。例えばアク
リル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂等を配合
すると耐候性が改善され、ブチラール樹脂を添加すると
加工性が改善される。また、エポキシ系樹脂の架橋密度
を向上させる為に必要と有ればフェノール樹脂等の架橋
剤を添加しても良い。アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ア
ルキド樹脂、ポリエステル樹脂等も同様である。これら
の樹脂でも塗膜を硬くするため、焼き付け条件を仕様範
囲内で焼き付け温度を高めに時間を長くする事が好まし
い。
発明ではNiフィラーを用いる。何種類かNiフィラー
をテストしその結果、個々の大きさが厚さ0.1〜2μ
m、幅15〜20μm、長さ1〜100μmであり、端
子間距離40mmで測定した集合体の電気抵抗が室温で
50Ω以下であるNiフィラーを、有機樹脂固形分に対
する重量比で10〜70%混合させることが好ましいこ
とを見いだした。導電性を良好にするにはNiフィラー
自体の電気抵抗が小さい事が必要で元々の抵抗が高いと
樹脂に混合した時に樹脂がNiフィラーを被覆するので
導電性は更に悪い方向になる。Niフィラー自体の電気
抵抗は下記の条件で端子間距離40mmで測定したとき
50Ω以下にすれば良い。すなわち、Niフィラーの抵
抗の測定は絶縁物例えばプラスチックを削り厚さ2mm
×幅10mm×長さ50mmの凹中にNiフィラーを十
分に充填しその充填したNiをテスター(HIOKI製
Hi TESTER MODEL3000)で端子間距
離40mmで測定する。また導電性にはNiフィラーの
含有量が当然影響し、有機樹脂固形分に対する重量比で
10〜70%が好ましい。10%未満であると樹脂分が
多くなり密着性、耐食性が向上するが導電性が劣る。7
0%を超えると導電性は良好になるが樹脂分が少ない為
にバインダーの役目を果せなくなり、密着性が劣りその
為に耐食性が劣るようになる。より、好ましくは20〜
40%の範囲である。
たり50〜900個存在させる事が好ましい。Niフィ
ラー数が50個未満である時は導電性が不十分である。
900個を超えると導電性は十分であるが、フィラーが
多すぎて成膜できにくくなり、塗膜密着性が劣り、耐食
性が劣るようになる。より好ましくは100〜550個
である。このNiフィラー数は光学顕微鏡で塗装板の任
意場所を50倍にして観察し測定する。樹脂にNiフィ
ラーを含有させると外観を均一にする事が難しい。これ
はNiフィラーの長さが影響し100μmを超えた長さ
のものが多く存在すると、絡み合って凝集しそれが不均
一さを発生して外観斑を発生させる。これは外観だけで
なく導電性が部分的に非常に良好になので耐食性劣るよ
うになる。従って、Niフィラーの長さを1〜100μ
mの範囲に限定したNiフィラーを使用しなければなら
ない。なお、Niフィラーの厚さと幅は入手した範囲で
検討した厚さ0.1〜2μm、幅15〜20μmの全範
囲で問題なかった。
天然ワックス、石油ワックス、合成ワックスの1種又は
2種以上の混合物を用いる。天然ワックスとしてはミツ
ロウ、モンタンロウ、カルナウバロウ等が挙げられる。
石油ワックスとしてはパラフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックス、ペトロラクタムが挙げられる。パ
ラフィンワックスは炭素数20〜36の直鎖飽和炭化水
素を主成分とし分子数300〜500で融点90〜15
0°Fである。これに対しマイクロクリスタリンワック
スは主鎖に側鎖を持ち炭素数31〜60の範囲に有り分
子数450〜700であり融点140〜200°Fであ
る。合成ワックスはポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン等のオレフィン系炭化水素の重合体からなるポ
リオレフィンワックス、が挙げられる。ワックスはプレ
ス成形性を向上させる。また、Al材料の場合樹脂に含
有させるNiフィラーはアルミニウム板と接触腐食を起
こし易いので耐食性を向上させる必要がある。この時に
ワックスは重要で樹脂にNiフィラーと共にワックスを
添加した時に耐食性が著しく向上する。Niフィラーと
アルミニウムに電解質が存在した時にワックスは親油性
である為に電解質をはじきNiフィラーとアルミニウム
板の電解質を介した接触を阻止する為に耐食性が向上す
る。この様に成形性だけではなく、耐食性向上のために
もワックスが必要であるが、含有するワックス量が0.
2%未満であると成形性、耐食性が劣化し、15%以上
であるとそれ以上の効果が期待できず、コストアップに
つながる。よって、ワックスの配合量は有機樹脂固形分
に対する重量比で0.2〜15%が好ましく、更に好ま
しくは0.5〜10%である。
樹脂表面にNiフィラーを露出させており表面に凹凸を
持たしている。この事によって指で触った時に接触面積
が少なくなる。この事が指紋をつきにくくし耐指紋性を
向上させているが、それだけでなく添加されたワックス
も親油性なので指の油となじむ為に指紋をつきにくくし
ている。
フィラーの含有量、ワックスの種類、含有量、乾燥塗膜
厚さ塗装面のNiフィラー数で最も良い条件の組み合わ
せは、請求項6の、粗度がRaで0.2〜0.35μm
の範囲にあり、かつ250μmの長さに対して高さ0.
3μm〜3.5μmの山の数が3個以上25個以下であ
るアルミニウム合金板に、エポキシ樹脂に、個々の大き
さが厚さ0.1〜2μm、幅15〜20μm、長さ1〜
100μmであって端子間距離40mmで測定した集合
体の電気抵抗が室温で50Ω以下であるNiフィラーを
有機樹脂固形分に対する重量比で20%〜40%混合
し、かつマイクロクリスタリンワックスを有機樹脂固形
分に対する重量比で1〜5%混合した塗料を乾燥塗膜厚
として0.5〜2.0μm塗装し、塗膜表面のNiフィ
ラーの数が1mm2当たり100〜550個であること
を特徴とする電子電気機器用アルミニウム塗装板であ
る。
理を行うことが好ましい。脱脂処理は酸性である硫酸、
硝酸、リン酸等の酸処理及びアルカリ性であるカセイソ
ーダ、リン酸ソーダ、ケイ酸ソーダ等のアルカリ処理が
用いられるが、表面の汚れが除去できるものなら何でも
良い。化成処理はリン酸クロメート、クロム酸クロメー
ト、ジルコニウム酸処理、チタン酸処理等密着性が向上
する化成処理であればなんでも良い。
成できるものであれば何でも良い。アルミニウム板は用
途によって選定し合金の種類は1100、3003、5
052、5182等塗装可能な材料ならなんでも良い。
明する。 (発明例1〜9)表1に記載の粗度と合金テンパー(5
052−H34あるいは3004−H24)の板厚0.
8mmのアルミニウム板材のコイルを巻き戻しながら、
表面をリン酸ソーダ系脱脂剤で脱脂した後、クロメート
処理(リン酸クロメート:クロム付着量30mg/
m2)を施し 表1 の条件で塗装・焼付けた後にコイ
ルに巻いた。
Raを0.05μmと小さくしたもの。 (比較例2)他の条件は発明例3と同じであるが250
μmの長さに対する0.3〜3.5μmの高さの山の数
を1と少なくしたもの。 (比較例3)他の条件は発明例3と同じであるがフィラ
ーの長さを120μmと長くしたもの。 (比較例4)他の条件は発明例3と同じであるがフィラ
ーの含有量を5%と少なくしたもの。 (比較例5)他の条件は発明例3と同じであるが塗膜厚
さを0.05μmと薄くしたもの。 (比較例6)他の条件は発明例3と同じであるが塗膜厚
さを5.0μmと厚くしたもの。 (比較例7)他の条件は発明例3と同じであるがフィラ
ーの含有量を80%と多くしたもの。 (比較例8)他の条件は発明例3と同じであるが塗膜か
らフィラーを除いたもの。 (比較例9)発明例3と同じ材料であるが塗装しないも
の。
いて、導電性、プレス成形性、耐食性、耐疵付き性、耐
指紋性、外観の評価を 表2 に記入した。それぞれの
性能の評価基準は次の通りである。
膜表面に手で強く押しつけ50回測定した時に10KΩ
以下が40回以上。 ○:室温下でテスターの端子を端子間距離40mmで塗
膜表面に手で強く押しつけ50回測定した時に10KΩ
以下が30回以上40回未満。 △:室温下でテスターの端子を端子間距離40mmで塗
膜表面に手で強く押しつけ50回測定した時に10KΩ
以下が10回以上30回未満。 ×:室温下でテスターの端子を端子間距離40mmで塗
膜表面に手で強く押しつけ50回測定した時に10KΩ
以下が10回未満。
かじり無し。 ○:50Φのカップを成形した時に400個以上500
個未満で壁にかじり発生。 △:50Φのカップを成形した時に100個以上400
個未満で壁にかじり発生。 ×:50Φのカップを成形した時に100個未満で壁に
かじり発生。
満。 ○:塩水噴霧試験500時間で腐食面積率が0.1%以
上2%未満。 △:塩水噴霧試験500時間で腐食面積率が2%以上5
%未満。 ×:塩水噴霧試験500時間で腐食面積率が5%以上。
粗度Raが0.05μmと小さい為、塗膜密着性が得ら
れず耐食性が劣る。比較例2は粗度Raが0.25μm
と適正範囲内に有るが250μmの長さに対する0.3
〜3.5μmの高さの山の数が1と少ない為に導電性が
劣り、密着性も劣る為に耐食性も劣る。比較例3は塗膜
に含有させたNiフィラーの長さが120μmと長いの
でフィラー同士が絡み合いフィラーの分散が不均一にな
り塗装外観は斑模様が発生して劣り、又その為導電性が
局所的に非常に良くなるので耐食性も劣る。比較例4は
塗膜中のNiフィラーの含有量が5%と少ないので導電
性が劣る。比較例5は塗膜量が0.05μmと少ないの
で耐食性、耐疵付き性が劣る。比較例6は塗膜厚が5μ
mと厚いので抵抗が大きくなり導電性が劣る。比較例7
は塗膜中のNiフィラーの含有量が80%と多いので耐
食性が劣る。比較例8は塗膜中にNiフィラーがないの
で導電性だけが非常に劣る。比較例9は塗膜がないので
導電性は良好であるが他の性能は非常に劣る。
μm、塗膜中のNiフィラー含有量が10%、ワックス
含有量が0.2%、塗膜厚さが0.1μmと下限条件な
ので導電性、プレス成形性、耐食性、耐疵付き性、耐指
紋性がやや劣るが実用レベルである。また発明例2は2
50μmの長さ中の高さが0.3〜3.5μmの山の数
が3と下限条件なので導電性がやや劣り、また密着性も
やや劣る為に耐食性もやや劣るが実用レベルである。ま
た発明例4、5は塗膜の樹脂の種類がエポキシ樹脂にア
クリル樹脂、或いはポリエステル樹脂を混合しているの
で塗膜の硬さがやや劣る為に耐疵付き性がやや劣るが実
用レベルである。発明例6はNiフィラーの含有量が1
0%と下限条件である為に塗装面のNiフィラー量が下
限に近い為に導電性がやや劣るが実用レベルである。ま
た樹脂の種類がアルキド樹脂であるので塗膜の硬さがや
や劣る為に耐疵付き性がやや劣るが実用レベルである。
発明例7は樹脂の種類がポリエステル樹脂にアクリル樹
脂を混合しているので塗膜の硬さがやや劣る為に耐疵付
き性がやや劣るが実用レベルである。発明例8は樹脂の
種類がポリエステル樹脂であるので塗膜の硬さがやや劣
る為に耐疵付き性がやや劣るが実用レベルである。発明
例9は樹脂の種類がアクリル樹脂であるので塗膜の硬さ
がやや劣る為に耐疵付き性がやや劣るが実用レベルであ
る。また塗膜厚さが4.0μmと上限条件なので導電性
がやや劣るが実用レベルである。発明例3は全て良い条
件で実施した為に評価した全項目が良好である。
は、アルミニウム板の粗度、樹脂に含有させるフィラー
の種類、大きさ及び量、樹脂に含有させる潤滑剤、量、
塗膜付着量を特定の範囲に制御する事により導電性、耐
食性、耐疵付性、プレス成形性、耐指紋性、外観、低コ
スト等に関わる性能を同時に満足させることを可能にし
た。その結果、軽量化要求の強い、電子機器、家電製品
の筐体等へのアルミニウム塗装板の適用範囲を大きく拡
大できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 粗度がRaで0.1〜0.5μmの範囲
にあり、かつ250μmの長さに対して高さ0.3μm
〜3.5μmの山の数が3個以上25個以下であるアル
ミニウム合金板に有機樹脂にNiフィラーとワックスを
混合させた塗料を乾燥塗膜厚として0.1μm〜4.0
μm塗装することを特徴とする電子電気機器用アルミニ
ウム塗装板。 - 【請求項2】 有機樹脂が、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂か
ら選ばれた1種又は2種以上の混合物であることを特徴
とする特許請求範囲第1項記載の電子電気機器用アルミ
ニウム塗装板。 - 【請求項3】 Niフィラーが、個々の大きさが厚さ
0.1〜2μm、幅15〜20μm、長さ1〜100μ
mであり、端子間距離40mmで測定した集合体の電気
抵抗が室温で50Ω以下であり、有機樹脂固形分に対す
る重量比で10〜70%混合させることを特徴とする特
許請求範囲第1項記載の電子電気機器用アルミニウム塗
装板。 - 【請求項4】 ワックスとして、天然ワックス、石油ワ
ックス、合成ワックスの1種又は2種以上の混合物を有
機樹脂固形分に対する重量比で0.2〜15%添加する
ことを特徴とする特許請求範囲第1項記載の電子電気機
器用アルミニウム塗装板。 - 【請求項5】 塗膜表面のNiフィラーの数が1mm2
当たり50〜900個であることを特徴とする特許請求
範囲第1項記載の電子電気機器用アルミニウム塗装板。 - 【請求項6】 粗度がRaで0.2〜0.35μmの範
囲にあり、かつ250μmの長さに対して高さ0.3μ
m〜3.5μmの山の数が3個以上25個以下であるア
ルミニウム合金板に、エポキシ樹脂に、個々の大きさが
厚さ0.1〜2μm、幅15〜20μm、長さ1〜10
0μmであって端子間距離40mmで測定した集合体の
電気抵抗が室温で50Ω以下であるNiフィラーを有機
樹脂固形分に対する重量比で20%〜40%混合し、か
つマイクロクリスタリンワックスを有機樹脂固形分に対
する重量比で1〜5%混合した塗料を乾燥塗膜厚として
0.5〜2.0μm塗装し、塗膜表面のNiフィラーの
数が1mm2当たり100〜550個であることを特徴
とする電子電気機器用アルミニウム塗装板。
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JP21142099A JP3872234B2 (ja) | 1999-07-27 | 1999-07-27 | 電子電気機器用アルミニウム塗装板 |
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JP3872234B2 JP3872234B2 (ja) | 2007-01-24 |
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JP21142099A Expired - Fee Related JP3872234B2 (ja) | 1999-07-27 | 1999-07-27 | 電子電気機器用アルミニウム塗装板 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3872234B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6849302B2 (en) | 1999-10-26 | 2005-02-01 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Resin-coated metal sheet for parts of electronic machinery and tools and production method thereof |
US8119222B2 (en) | 2005-11-22 | 2012-02-21 | Furukawa-Sky Aluminum Corp. | Pre-coated metal sheet for slot-in drive cases |
-
1999
- 1999-07-27 JP JP21142099A patent/JP3872234B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP3872234B2 (ja) | 2007-01-24 |
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