JP2001029005A - 加工泥鰌(どじょう)の製造方法若しくは製造装置及び冷凍泥鰌の製造方法。 - Google Patents

加工泥鰌(どじょう)の製造方法若しくは製造装置及び冷凍泥鰌の製造方法。

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JP2001029005A
JP2001029005A JP11207093A JP20709399A JP2001029005A JP 2001029005 A JP2001029005 A JP 2001029005A JP 11207093 A JP11207093 A JP 11207093A JP 20709399 A JP20709399 A JP 20709399A JP 2001029005 A JP2001029005 A JP 2001029005A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 泥鰌は体内空気が多いため、調理に先立ち体
内空気を抜く必要がある。しかし、泥鰌は、細長い上に
全身が「ぬめり」で覆われているため、体内空気や内臓
を取り出す加工が難しい。 【解決手段】 圧力容器5の中にある湯10に体内空気
を排出させる前の泥鰌を投入して圧力容器5を密閉し、
さらに120℃〜140℃の温度に設定した加圧蒸気を
前記圧力容器5の中に吹き込み、もって泥鰌の体内空気
を爆発的に膨張させてその爆発圧力で腹面の一部に生じ
た裂け目から体内空気と一緒に内臓を流出させるように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工泥鰌(どじょ
う)の製造方法若しくは製造装置及び冷凍泥鰌の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】泥鰌は、ドジョウ科の淡水魚であり、食
材としても知られている。泥鰌は、流れの緩い泥底に生
息し、体内空気の多さと全身を包む「ぬめり」に特徴が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のように泥鰌は体
内空気が多いため、調理に先立ち、体内空気を抜く必要
がある。そうしなければ油で揚げる際、体内空気が爆発
して油が飛び散るおそれがある。ところが、泥鰌は、細
長い上に全身が「ぬめり」で覆われているため、体内空
気や内臓を取り出す加工が難しい。それ故、泥鰌は一般
家庭の食材として殆ど使われない。
【0004】また、現在、冷凍技術が進歩して殆どの魚
が冷凍保存され、冷凍魚として流通しているのに、未だ
冷凍泥鰌は製造されていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑みなさ
れたもので、体内空気を排出させる前の泥鰌に対して、
体内空気を爆発的に膨張させてその爆発圧力で腹面の一
部に裂け目を生じさせ、その裂け目から体内空気と一緒
に内臓を流出させるようにした加工泥鰌の製造方法を提
供する。
【0006】また、請求項2のように、圧力容器の中に
ある湯に体内空気を排出させる前の泥鰌を投入して圧力
容器を密閉し、さらに120℃〜140℃の温度に設定
した加圧蒸気を前記圧力容器の中に吹き込み、もって泥
鰌の体内空気を爆発的に膨張させてその爆発圧力で腹面
の一部に生じた裂け目から体内空気と一緒に内臓を流出
させるようにした加工泥鰌の製造方法を提供する。
【0007】また、請求項3のように、開閉自在な蓋を
有する圧力容器と、圧力容器に加圧蒸気を吹き込むボイ
ラー装置とを組み合わせ、前記圧力容器の中にある湯に
体内空気を排出させる前の泥鰌を投入して圧力容器を密
閉し、さらに120℃〜140℃の温度に設定した加圧
蒸気をボイラー装置から前記圧力容器の中に吹き込むよ
うにした加工泥鰌の製造装置を提供する。
【0008】泥鰌の体内空気を爆発的に膨脹させると、
その爆発圧力で腹面の首又は肛門に小さな裂け目が生
じ、その裂け目から体内空気と一緒に内臓が流出する。
従って、泥鰌の調理を困難にする体内空気を逆手に取り
その体内空気と一緒に内臓が抜き出せるから、加工泥鰌
の量産化が可能である。
【0009】また、請求項4のように、体内空気と内臓
を抜き取り且つ全身の「ぬめり」を除去してから冷凍す
るようにした冷凍泥鰌の製造方法を提供する。本出願人
が「ぬめり」の成分を分析したところ、「ぬめり」自体
には殆ど栄養がなく、これを除去しても泥鰌の食材とし
ての商品価値に影響を与えないことを発見した。従っ
て、冷凍する前に「ぬめり」を除去すれば、泥鰌の高い
栄養価を失うことなく魚体同士の付着が防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。なお、図1は加工泥鰌の製造装
置の概略断面図、図2は加工泥鰌を腹側から見た正面図
である。
【0011】図2に示した加工泥鰌1の製造装置2は、
容器本体3に開閉自在な蓋4を被せてなる圧力容器5
と、その圧力容器5に加圧蒸気を吹き込むボイラー装置
6との組み合わせである。圧力容器5の容器本体3は、
耐熱性、耐圧性を有する硝子で形成されており、外部か
ら中の様子が視認できる。圧力容器5には、蒸気供給パ
イプ8を介してボイラー装置6が接続され、また、減圧
弁9が取り付けられている。一方、ボイラー装置6は、
蒸気を作るボイラー6aと、その蒸気を加圧する加圧機
6bを組み合わせ、さらに、前記蒸気供給パイプ8の内
径を段階的に絞って蒸気の圧力を高めるようにした公知
のものである。
【0012】次に、前記製造装置2を使って加工泥鰌1
を製造する方法について説明する。先ず、圧力容器5の
容器本体3に約100℃の湯10を入れ、その湯10の
中に生きた泥鰌を投入する。なお、泥鰌は、予め流水で
泳がせて泥吐きさせてあり、体内空気(腸内空気)はそ
のまま保有している。
【0013】次に、圧力容器5の蓋4を閉じて密閉し、
その密閉した容器5内にボイラー装置6から加圧蒸気を
吹き込む。これによって圧力容器5の内部の温度と圧力
が上昇し、約30秒間で泥鰌の体内空気が爆発的に膨張
する。そうすると、その爆発圧力で腹面11の一部に平
均5〜6mm程度の裂け目12が出来る。腹面11の裂
け目12は、多くの場合、雄が首、雌が肛門にできる。
もちろんその逆もあり、また、首と肛門の双方が裂ける
場合もある。何れにしろ本発明の方法によって体内空気
と内臓を抜いた加工泥鰌1は、首又は肛門に出来た特徴
的な裂け目12によって一見して見分けることができ
る。前記加圧蒸気の設定温度は、約120℃〜140℃
がよく、それより低いと体内空気が爆発的に膨張せず、
また、それより高いと泥鰌の身がバラバラになる不具合
がある。
【0014】前記のように泥鰌の体内空気が爆発的に膨
張し、その爆発圧力で腹面11の一部に裂け目12が出
来ると、その裂け目12から体内空気と一緒に内臓が流
出する。
【0015】次に、圧力容器5の減圧弁9を開いて内部
を減圧した後、蓋4を開いて体内空気と内臓を抜いた加
工泥鰌1を容器本体3の湯10からすくい上げ、適宜乾
燥させる。この状態の加工泥鰌1は、焼き魚、煮物、天
ぷらなどの料理用食材として利用できる。もちろん、加
工泥鰌1の臭みが気になる場合は臭みを取る手段を別途
講ずればよい。
【0016】次に、冷凍泥鰌を製造するには、前記の方
法で体内空気と内臓を抜き取った後、加工泥鰌1の全身
の「ぬめり」を除去する。「ぬめり」を除去するには、
布巾で拭き取るか、或いは、洗濯機のごとく一定時間ご
とに水流を反転させ得る機能を備えた水槽に氷点以下の
真水と加工泥鰌1を入れて流水で洗うとよい。こうして
体内空気と内臓と「ぬめり」を取った加工泥鰌1を水切
りして真空パックし、−25℃以下の温度で冷凍する。
【0017】なお、冷凍泥鰌を製造するのに、体内空気
と内臓を抜き取る手段は上記に限定されるものではな
く、一匹づつ包丁で腹面11を切り裂くようにしてもよ
い。もっとも、上記した本発明の方法で泥鰌の体内空気
と内臓を抜き取るようにすれば、前記包丁を使う場合に
比べて生産効率に雲泥の差があることはもちろん、圧力
容器5内で一旦加熱しているため、解凍した後の調理時
間が短縮できる効果もある。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、従来、泥鰌の調理を困
難にしていた体内空気を逆手に取り、その体内空気を爆
発的に膨張させて内臓を抜き出すようにしたため、加工
泥鰌の量産化が可能であり、泥鰌を一般家庭の食材とし
て普及させ得る効果が期待できる。
【0019】また、請求項4のように、体内空気と内臓
の他に全身の「ぬめり」を除去して冷凍する手段を講じ
れば、泥鰌の高い栄養価を失わず且つ魚体同士を付着さ
せることなく冷凍泥鰌が製造できる、という優れた効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 加工泥鰌の製造装置の概略断面図である。
【図2】 加工泥鰌を腹側から見た正面図である。
【符号の説明】
1 …泥鰌 4 …蓋 5 …圧力容器 6 …ボイラー装置 10…湯 11…腹面 12…裂け目

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体内空気を排出させる前の泥鰌に対し
    て、体内空気を爆発的に膨張させてその爆発圧力で腹面
    の一部に裂け目を生じさせ、その裂け目から体内空気と
    一緒に内臓を流出させるようにした加工泥鰌の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 圧力容器の中にある湯に体内空気を排出
    させる前の泥鰌を投入して圧力容器を密閉し、さらに1
    20℃〜140℃の温度に設定した加圧蒸気を前記圧力
    容器の中に吹き込み、もって泥鰌の体内空気を爆発的に
    膨張させてその爆発圧力で腹面の一部に生じた裂け目か
    ら体内空気と一緒に内臓を流出させるようにした加工泥
    鰌の製造方法。
  3. 【請求項3】 開閉自在な蓋を有する圧力容器と、圧力
    容器に加圧蒸気を吹き込むボイラー装置とを組み合わ
    せ、 前記圧力容器の中にある湯に体内空気を排出させる前の
    泥鰌を投入して圧力容器を密閉し、さらに120℃〜1
    40℃の温度に設定した加圧蒸気をボイラー装置から前
    記圧力容器の中に吹き込むようにしたことを特徴とする
    加工泥鰌の製造装置。
  4. 【請求項4】 体内空気と内臓を抜き取り且つ全身の
    「ぬめり」を除去してから冷凍するようにしたことを特
    徴とする冷凍泥鰌の製造方法。
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