JP2001028494A - 難燃性電磁波吸収体 - Google Patents

難燃性電磁波吸収体

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JP2001028494A
JP2001028494A JP11200881A JP20088199A JP2001028494A JP 2001028494 A JP2001028494 A JP 2001028494A JP 11200881 A JP11200881 A JP 11200881A JP 20088199 A JP20088199 A JP 20088199A JP 2001028494 A JP2001028494 A JP 2001028494A
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electromagnetic wave
fire
wave absorber
powder
soft magnetic
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JP11200881A
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English (en)
Inventor
Shinichiro Yahagi
慎一郎 矢萩
Hiroshi Endo
博司 遠藤
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波吸収体として備えるべき性能は確保
した上で、UL94難燃性基準でV0レベルの難燃性を
有し、かつ温度変化に対する寸法安定性がすぐれ、通常
の使用温度範囲内では温度の上昇によって吸収ピーク周
波数の実質的なシフトが起こらないような電磁波吸収体
を提供すること。 【解決手段】 塩素化ポリエチレンゴムをマトリクス
とし、これに軟磁性金属の粉末を混合物してなる電磁波
吸収体において、難燃剤として水酸化アルミニウムおよ
び水酸化マグネシウムの1種または2種を使用し、難燃
剤が混合物の25容積%以上を占め、軟磁性金属の粉末
と難燃剤との合計量が混合物の50〜75容積%の範囲
にあるようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、UL94難燃性基
準でV0レベルの難燃性を確保し、かつ温度の上昇に対
する寸法安定性がすぐれ、したがって特性の変化が少な
い電磁波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電子機器類に対する外部からの電
磁波の干渉を防ぎ、また外部への電磁波の漏洩を防ぐた
め、さまざまな電磁波吸収体が開発され、使用されてい
る。その多くは、軟磁性物質の粉末をゴムまたはプラス
チックからなるポリマーのマトリクス中に分散させた構
造を有する。代表例を挙げれば、Fe−7Cr−9Al
合金の粉末を、塩素化ポリエチレンゴムの中に、容積で
20〜60%を占めるように混合し、混合物をロール加
工して、厚さ0.2〜3mm程度のシート状にしたもの
である。
【0003】この種の電磁波吸収体は、使用条件にもよ
るが、一般に、難燃性を有することが望ましい。難燃性
は、マトリクスゴムとしての物性、加工性および価格の
点で、他のゴムたとえばシリコンゴムより有利な塩素化
ポリエチレンゴムを使用した場合、十分に高いとはいえ
ない。十分な難燃性、たとえばUL94難燃性基準でV
0レベルの難燃性を得るためには、さらに臭素化合物や
リン酸塩などの難燃剤を添加することになる。しかし、
これらの難燃剤は、燃焼時に腐食性のまたは有害な物質
を生成したり、埋立廃棄後に有害物質による土壌汚染の
危険を招いたりするので、使用はなるべく避けたい。
【0004】臭素化合物やリン酸塩とは異なる種類の難
燃剤として、アルミニウムやマグネシウムの水酸化物が
使用されている。水酸化物が脱水熱分解するときの吸熱
を利用して、難燃化の目的を達するものである。これ
は、燃焼に際して有害物質を生成しない点ですぐれてい
る。
【0005】別の問題として、塩素化ポリエチレンに軟
磁性金属の粉末を混合してシート状に成形して得た電磁
波吸収シートは、使用中に温度が上昇すると、吸収性能
が低下することが経験された。その原因を追求したとこ
ろ、シートの厚さが変化し、それに伴って電磁波吸収の
ピーク周波数がシフトするためであること、またシート
厚さの変化は、成形時の残留歪が熱により解消するため
起こることがわかった。マトリクスとして、シリコンゴ
ムのように成形後に加硫するものを使用したときは、分
子間の架橋が起こって成形後の変形が抑えられるが、線
状のポリマーからなる熱可塑性のマトリクスでは、成形
時に与えられた分子配向が、熱により不規則になる方向
へ変化する歪の解放が生じるので、シートの厚さが増大
する傾向が見られる。
【0006】発明者らは、この電磁波吸収シートの厚さ
の変化を抑える方策を求めて検討した結果、水酸化物難
燃剤のような無機質の固体粉末を多量に添加すること
が、寸法安定化に有効であることを知った。しかし、多
量の固体粉末をマトリクスポリマーに混合することには
困難があり、おのずから限界がある。軟磁性金属の粉末
もまた、所定量を混合しなければ、電磁波吸収体として
の所望の性能をもったものが得られない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、こう
した諸問題を調整し、電磁波吸収体として備えるべき性
能は確保した上で、UL94難燃性基準でV0レベルの
難燃性を有し、かつ温度変化に対する寸法安定性がすぐ
れ、通常の使用温度範囲内では温度の上昇によって吸収
ピーク周波数の実質的なシフトが起こらないような電磁
波吸収体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の難燃性電磁波吸収体は、難燃剤を含有する塩素化
ポリエチレンゴムと軟磁性金属の粉末との混合物からな
る電磁波吸収体において、難燃剤として水酸化アルミニ
ウムおよび水酸化マグネシウムの1種または2種を使用
し、難燃剤が混合物の25容積%以上を占めるが、軟磁
性金属の粉末と難燃剤との合計量は混合物の50〜75
容積%の範囲にあるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施形態】本発明の難燃性電磁波吸収体の代表
的な形態は、厚さ0.2〜3mmのシート状に成形され
たものであって、混合する軟磁性金属の種類、粉末の粒
径および粒度分布、マトリクスへの混合割合、シートの
厚さ等の因子により電磁波吸収特性とくに吸収のピーク
周波数を所望の帯域に設計したものであって、UL94
難燃性基準でV0レベルの難燃性を有するとともに、寸
法安定性に関しては、90℃×1時間加熱後の厚さの変
化が3%以内のものである。90℃は、この種の電磁波
吸収体が通常の条件で使用されたときに到達することの
ある、最も高い温度である。この温度に1時間置かれた
後、シートの厚さの変化(増大)が3%以内であれば、
電磁波吸収特性実質的な変化、とくに吸収ピークの周波
数領域のシフトは生じないことが、経験的に確認されて
いる。
【0010】軟磁性金属の粉末としては、任意のものが
使用でき、実現しようとする電磁波吸収特性に応じてそ
の種類や粒度を選択すればよい。代表的なものは、Fe
−7Cr−9Al合金の粉末である。
【0011】難燃剤として添加する水酸化物が混合物の
25容積%以上を占めることは、目標とするV0レベル
の難燃性を実現する上で必須の要件である。一方、軟磁
性金属の粉末の混合量は、所望の電磁波吸収性能を得よ
うとすれば、それに対応しておのずから決定され、多く
の場合、10〜50容積%の範囲にある。一方、寸法安
定性を確保するためには、シート中の総粉末量を50容
積%以上とすることが必要である。したがって、軟磁性
金属の粉末と難燃剤との合計量は、混合物の50〜75
容積%の範囲に来る。75容積%は、現在の技術でこれ
ら粉末を塩素化ポリエチレンゴムに混練することのでき
る上限である。
【0012】水酸化物難燃剤および軟磁性金属の粉末を
マトリクス材料に混合すること、および混合物をシート
に成形することは、この分野ですでに確立された技術に
従って実施できるであろう。
【0013】水酸化物難燃剤に対して、炭酸カルシウ
ム、シリカ、クレイ、タルクのような無機質の充填剤を
併用することも可能である。その場合、これら無機質の
充填剤の量を、水酸化物の一部を置き換えたものとし
て、上記の量的割合を取り扱うことができる。ただし、
これらの無機質物は寸法安定性には寄与するが、難燃化
効果は水酸化物に及ばないから、あまり大きな割合を置
きかえることは不適当で、水酸化物が25容積%未満に
ならないようにすべきである。
【0014】
【実施例および比較例】軟磁性金属の粉末としてFe−
7Cr−9Al合金の粉末(平均粒径15μmの水噴霧
粉)を用意し、無機難燃剤として水酸化アルミニウムを
使用して、表に示す混合割合で塩素化ポリエチレンゴム
に混合し、ロール成形によって厚さ1mmのシートに成
形した。
【0015】得られた電磁波吸収シートについて、UL
94標準にしたがって難燃性を試験した。また、10c
m角に切ったシートを90℃のオーブン中に1時間置い
たのち、厚さの変化を測定した。いずれもシートの厚さ
が、僅かにまたは顕著に増大したので、その増大の程度
を、加熱前の厚さに対するパーセンテージで表した。結
果を、表にまとめて示す。No.区 分 金属粉末(A) 難燃剤(B) A+B 難燃性 加熱変形量 1 比較例 10容積% 20容積% 30容積% 燃焼 45.6% 2 比較例 10 30 40 V0 7.9% 3 実施例 10 40* 50 V0 3.0% 4 実施例 10 40 50 V0 2.9% 5 実施例 10 50 60 V0 2.3% 6 実施例 10 60 70 V0 0.4% 7 比較例 20 20 40 燃焼 36.7% 8 実施例 20 30 50 V0 3.0% 9 実施例 20 40 60 V0 2.8% 10 実施例 20 50 70 V0 0.9% 11 比較例 30 10 40 燃焼 43.0% 12 比較例 30 20 50 燃焼 11.6% 13 実施例 30 30 60 V0 2.5% 14 実施例 30 40 70 V0 1.5% 15 比較例 40 10 50 燃焼 12.8% 16 比較例 40 20 60 V1 8.5% 17 実施例 40 30 70 V0 2.1% 18 比較例 50 10 60 燃焼 9.4% 19 比較例 50 20 70 V1 4.2% *10容積%を炭酸カルシウムで置き換えた。
【0016】表のデータは、難燃剤が混合物の25容積
%以上を占め、かつ軟磁性金属の粉末と難燃剤との合計
量が50容積%以上になれば、V0レベルの難燃性が得
られるとともに、加熱による変形(厚さの増大)が実用
上差し支えのない3%以内に止まる寸法安定性が得られ
ることを示している。
【0017】No.13(実施例)の混合物をシートに
成形し、リターンロスを測定することにより、電磁波吸
収性能を評価した。その結果を、図1に示す。この電磁
波吸収シートは、8.5GHz付近に吸収のピークをも
ち、7〜10GHzのリターンロスが10dB以上であ
ることがわかる。
【0018】
【発明の効果】本発明の電磁波吸収体は、電磁波吸収体
として必要な性能を備えた上で、UL94難燃性基準で
V0レベルという高い難燃性を有する。難燃剤は水酸化
アルミニウムまたは水酸化マグネシウムのような無機化
合物であって、臭素化合物やリン酸塩を使用したものほ
どは、燃焼時に発生する有害または腐食性の物質が多量
ではなく、埋立廃棄後の土壌汚染の危険性がない。この
電磁波吸収体は、通常の使用条件において到達する可能
性のある高い温度においても寸法の変化が小さく、寸法
の変化が電磁波吸収性能に与える影響を実質上免れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施データであって、本発明に従う
電磁波吸収シートのリターンロスの周波数特性を示すグ
ラフ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難燃剤を含有する塩素化ポリエチレンゴ
    ムと軟磁性金属の粉末との混合物からなる電磁波吸収体
    において、難燃剤として水酸化アルミニウムおよび水酸
    化マグネシウムの1種または2種を使用し、難燃剤が混
    合物の25容積%以上を占めるが、軟磁性金属の粉末と
    難燃剤との合計量は混合物の50〜75容積%の範囲に
    あるようにしたことを特徴とする難燃性電磁波吸収体。
  2. 【請求項2】 シート状に成形され、90℃×1時間加
    熱後の厚さの変化が?3%以内である請求項1の難燃性
    電磁波吸収体。
  3. 【請求項3】 軟磁性金属の粉末としてFe−7Cr−
    9Al合金の粉末を使用した請求項1または2の難燃性
    電磁波吸収体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030013831A (ko) * 2001-08-09 2003-02-15 주식회사 두람하이테크 전자파 차폐용 금속복합수지 조성물, 시트 및 이의제조방법
US10843445B2 (en) 2015-11-25 2020-11-24 Tomoegawa Co., Ltd. Matched-type electromagnetic wave absorber

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