JP2001026831A - 押出チューブ - Google Patents
押出チューブInfo
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Abstract
ろう付熱処理後においても必要な耐圧強度を確保するこ
とができる自動車用空気調和機の熱交換器用押出チュー
ブを提供する。 【解決手段】 重量%で、Fe:0.25〜0.70
%、Cu:0.03〜0.15%、Mn:0.05〜
0.45%、さらに、Ti:0.05〜0.25%およ
びZR:0.05〜0.25%の1種または2種を含有
し、残部Alおよび不可避的不純物からなる押出チュー
ブ。
Description
機の熱交換器に用いられる押出チューブに関するもので
ある。
べて押出成形性が優れるため、種々の用途に押出材とし
て使用されている。また、AlまたはAl合金は、熱伝
導性が優れるとともに、比重が軽く軽量性に優れること
から、自動車用空気調和機の熱交換器に用いられてい
る。より具体的には、熱交換器において冷媒が通過する
チューブに押出材として使用されている。
ような純Al材(純度99.5%以上の純Al)やAl−M
n系合金、あるいは前記純Al材にCuを0.4〜0.6%含
有させた改良型合金が主として用いられている。
熱交換器は、押出チューブを蛇行状に曲げ、その間にフ
ィンを入れた後、あるいはフィンとチューブを積層した
後に加熱炉に入れてろう付することによりチューブとフ
ィンを接合している。
チューブを構成するAl合金の結晶粒が粗大化し強度低
下を引き起こしていた。つまり、押出チューブは、押出
後、一旦コイル状に巻き取るコイリングの工程の後、通
常はロールを用いて高さ、幅を所定の寸法にするための
加工(リサイズ)を施すが、このコイリングに基づく曲
げおよび引張、リサイズに基づく圧縮および引張による
ひずみが材料中に生じ、このひずみを起点としてろう付
熱処理時に再結晶により結晶粒が異常成長するのであ
る。そして、ろう付熱処理後の強度低下は、熱交換器と
しての耐圧強度低下となるため実用上問題となる。
て、前述のようにCuを添加して必要な強度を確保する
試みがなされている。しかし、Cuを0.4〜0.6%
と強度確保に十分耐える量だけ添加すると、チューブの
耐食性を低下させることが判明した。つまり、Cuが添
加されたチューブの冷媒に対する腐食は、孔食、粒界腐
食となるとともにその腐食速度が増加するのである。強
度低下に対して有効な元素としてCuの他に、前述のよ
うにMnの添加も検討されている。しかし、Mn量の増
加は押出性の低下を招くことが判明した。
下させることなく、ろう付熱処理後においても必要な耐
圧強度を確保することができる押出チューブの提供を課
題とする。
に検討を行ったところ、Fe、さらにTiおよびZrの
1種または2種を適量添加することで、チューブの強度
向上を図ることができるとともに、ろう付熱処理時の再
結晶による結晶粒の粗大化を抑制できることを知見し
た。また、Cuを適量添加することで、耐食性の低下を
抑制しつつチューブの強度を向上できること、さらに、
Mnを適量添加することで押出性を確保しつつチューブ
の強度向上ができることを知見した。本発明によれば、
重量%で、Fe:0.25〜0.70%、Cu:0.0
3〜0.15%、Mn:0.05〜0.45%、残部A
lおよび不可避的不純物からなる押出チューブである。
また本発明は、上記組成にTi:0.05〜0.25%
およびZr:0.05〜0.25%の1種または2種を
含有する押出チューブが提供される。本発明によれば、
ろう付熱処理後の平均結晶粒径が150μm以下、より
望ましくは100μm以下の微細な結晶組織を得ること
ができる。
する。 <Fe:0.25〜0.70%>Feは、Al−Fe系
金属間化合物として合金中に晶出、または析出しろう付
後の強度を向上させる。また、このAl−Fe系金属間
化合物はろう付熱処理時の結晶粒粗大化を抑制する働き
をする。0.25%未満では以上の効果を十分に得るこ
とができないため、下限値を0.25%とした。また、
Al−Fe系金属間化合物が多量に存在すると押出性を
低下させることから、上限を0.70%とする。望まし
いFeの含有量は、0.4〜0.6%である。
金基地中に固溶することによりろう付後の強度向上に寄
与する元素である。この効果を得るために本発明では
0.03%以上添加する。しかし、前述のように多量に
添加するとチューブの耐食性を低下させるため、本発明
では上限を0.15%とする。望ましいCu含有量は
0.07〜0.12%である。
Al−Mn系金属間化合物として合金中に晶出または析
出しろう付後の強度を向上させる作用を有する。しか
し、0.05%未満ではこの効果を十分に得ることがで
きず、一方0.45%を越えて含有すると押出性の低下
を招く。そこで本発明は、Mn量を0.05〜0.45
%とする。望ましいMnの含有量は、0.2〜0.35
%である。なお、Al−Mn系金属間化合物は、前述の
Al−Fe系金属間化合物、後述するAl−Ti,Al
−Zr系金属間化合物に比べて粗大なため、これら金属
間化合物に比べて結晶粒粗大化を抑制する働きは小さ
い。
i、Zrは、Al−Ti,Al−Zr系金属間化合物と
して合金中に晶出、または析出しろう付後の強度を向上
させる。また、このAl−Ti,Al−Zr系金属間化
合物はろう付熱処理時の結晶粒粗大化を抑制する働きを
する。しかし、0.05%未満ではこの効果が不十分で
あり、また、0.25%を越えても含有コストに見合う
だけの効果を得ることができない。したがって、本発明
では0.05〜0.25%とする。望ましいTi、Zr
の含有量は0.1〜0.2%である。
においては、以上の元素以外に不純物元素が含まれる
が、以下の範囲であれば本発明の目的を阻害しない。 Si:0.10%以下 Mg:0.02%以下 Zn:0.02%以下 V:0.01%以下 B:0.002%以下
公知の製造方法を適用すればよい。例えば、DC鋳造法
により鋳塊を得た後、押出に供するためのビレットを作
成する。このビレットには、450〜650℃の温度範
囲において均質化熱処理を施す。この均質化熱処理によ
りFeの一部が固溶するとともに、Al−Fe系金属間
化合物、Al−Mn系金属間化合物、Al−Ti,Al
−Zr系金属間化合物が均一微細に析出する。しかる
後、所定形状を有するダイにより押出を行う。
する。表1に示す合金組成(wt.%)および均質化処理条
件でビレットを作成し、通常の条件で押出チューブを作
成した。この際の押出力、押出速度およびチューブの形
状精度を総合的に押出性として評価した。その後、実際
の製品と同様にコイリング、リサイズ加工した後に、ろ
う付を想定した600℃で5分間保持の熱処理を施した
(以下、ろう付と称する)。このろう付前後に引張試験
を行い引張強さを測定した。また、耐食性を確認するた
めASTMに準じたSWAAT試験(試験期間20日
間)を行い、最大腐食深さを測定した。以上の評価、測
定結果を表2に示す。
出チューブは、ろう付後強度が優れるとともに、耐食性
にも優れる。また、押出性も問題のないレベルである。
本発明のNo.1,2,3はFeおよびMn含有量が同
等であるがCu含有量が1〜3の順に増加する。このN
o.1〜3の引張強さを比較すれば、Cu含有量が増加
するにつれ引張強さが向上することがわかる。しかし、
Cu含有量が増加すれば、最大腐食深さが大きくなり耐
食性を劣化させることがわかる。No.13(比較例)
のようにCu含有量が0.20%まで増加すると最大腐
食深さが350μmを越え、本発明の目的を達成するこ
とができない。
量が同等であるがMn含有量がNo.4,1,5の順に
増加する。そして、Mn含有量の増加にともない引張強
さが向上していることが表2からわかる。ただし、Mn
含有量の増加にともない押出性が劣る傾向にあり、本発
明であるNo.5のように含有量が0.42%の場合に
は許容できる押出性を示すが、No.14(比較例)の
ように0.5%を越える含有量となると押出性が劣化し
てしまう。
量が同等であるがFe含有量がNo.1,6,7の順に
増加する。そして、Fe含有量の増加にともない引張強
さが向上していることが表2からわかる。ただし、Fe
含有量の増加にともない押出性が劣る傾向にあり、本発
明であるNo.7のように含有量が0.65%の場合に
は許容できる押出性を示すが、No.12(比較例)の
ように0.8%を越える含有量となると押出性が劣化し
てしまう。
または2種を含有した例であるが、この場合にも、押出
性、引張強さおよび耐食性ともに優れた押出チューブが
得られることがわかる。
本発明による押出チューブはいずれも60μm以下と微
細な結晶組織を示している。これに対してNo.15は
平均結晶粒径が500μm程度にまで達しており、ろう
付熱処理により再結晶の粗大化が生じていることが確認
された。
量%で、Fe:0.25〜0.70%、Cu:0.03
〜0.15%、Mn:0.05〜0.45%、残部Al
および不可避的不純物からなる組成としたので、押出
性、引張強さおよび耐食性を兼備した押出チューブをえ
ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、Fe:0.25〜0.70
%、Cu:0.03〜0.15%、Mn:0.05〜
0.45%、残部Alおよび不可避的不純物からなるこ
とを特徴とする押出チューブ。 - 【請求項2】 Ti:0.05〜0.25%およびZ
r:0.05〜0.25%の1種または2種を含有する
請求項1に記載の押出チューブ。 - 【請求項3】 ろう付熱処理後の平均結晶粒径が150
μm以下である請求項1または2に記載の押出チュー
ブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19823799A JP3892179B2 (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 押出チューブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19823799A JP3892179B2 (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 押出チューブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001026831A true JP2001026831A (ja) | 2001-01-30 |
JP3892179B2 JP3892179B2 (ja) | 2007-03-14 |
Family
ID=16387794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19823799A Expired - Fee Related JP3892179B2 (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 押出チューブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3892179B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7211160B2 (en) | 2002-10-02 | 2007-05-01 | Denso Corporation | Aluminum alloy piping material for automotive tubes having excellent corrosion resistance and formability, and method of manufacturing same |
US7317554B2 (en) | 2001-12-17 | 2008-01-08 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Patch forming device |
JP2008088468A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-17 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 熱交換器用押出合金の製造方法および熱交換器用扁平多穴管 |
-
1999
- 1999-07-12 JP JP19823799A patent/JP3892179B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7211160B2 (en) | 2002-10-02 | 2007-05-01 | Denso Corporation | Aluminum alloy piping material for automotive tubes having excellent corrosion resistance and formability, and method of manufacturing same |
JP2008088468A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-17 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 熱交換器用押出合金の製造方法および熱交換器用扁平多穴管 |
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JP3892179B2 (ja) | 2007-03-14 |
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