JP3892179B2 - 押出チューブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用空気調和機の熱交換器に用いられる押出チューブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
AlまたはAl合金は他の金属材料に比べて押出成形性が優れるため、種々の用途に押出材として使用されている。また、AlまたはAl合金は、熱伝導性が優れるとともに、比重が軽く軽量性に優れることから、自動車用空気調和機の熱交換器に用いられている。より具体的には、熱交換器において冷媒が通過するチューブに押出材として使用されている。
【0003】
この押出チューブには、JIS1050のような純Al材(純度99.5%以上の純Al)やAl−Mn系合金、あるいは前記純Al材にCuを0.4〜0.6%含有させた改良型合金が主として用いられている。
【0004】
ところで、押出チューブを用いたタイプの熱交換器は、押出チューブを蛇行状に曲げ、その間にフィンを入れた後、あるいはフィンとチューブを積層した後に加熱炉に入れてろう付することによりチューブとフィンを接合している。
【0005】
ところが、このろう付熱処理を施すと押出チューブを構成するAl合金の結晶粒が粗大化し強度低下を引き起こしていた。つまり、押出チューブは、押出後、一旦コイル状に巻き取るコイリングの工程の後、通常はロールを用いて高さ、幅を所定の寸法にするための加工(リサイズ)を施すが、このコイリングに基づく曲げおよび引張、リサイズに基づく圧縮および引張によるひずみが材料中に生じ、このひずみを起点としてろう付熱処理時に再結晶により結晶粒が異常成長するのである。そして、ろう付熱処理後の強度低下は、熱交換器としての耐圧強度低下となるため実用上問題となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の強度低下に対して、前述のようにCuを添加して必要な強度を確保する試みがなされている。しかし、Cuを0.4〜0.6%と強度確保に十分耐える量だけ添加すると、チューブの耐食性を低下させることが判明した。つまり、Cuが添加されたチューブの冷媒に対する腐食は、孔食、粒界腐食となるとともにその腐食速度が増加するのである。
強度低下に対して有効な元素としてCuの他に、前述のようにMnの添加も検討されている。しかし、Mn量の増加は押出性の低下を招くことが判明した。
【0007】
従って本発明は、押出性および耐食性を低下させることなく、ろう付熱処理後においても必要な耐圧強度を確保することができる押出チューブの提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために検討を行ったところ、Fe、さらにTiおよびZrの1種または2種を適量添加することで、チューブの強度向上を図ることができるとともに、ろう付熱処理時の再結晶による結晶粒の粗大化を抑制できることを知見した。また、Cuを適量添加することで、耐食性の低下を抑制しつつチューブの強度を向上できること、さらに、Mnを適量添加することで押出性を確保しつつチューブの強度向上ができることを知見した
【0009】
本発明は以上の知見に基づくものであり、重量%で、Fe:0.25〜0.70%、Cu:0.03〜0.15%、Mn:0.12〜0.42%、残部Alおよび不可避的不純物からなることを特徴とする押出性と引張強さと耐食性に優れ、ろう付け後の再結晶粒粗大化抑制に優れた押出チューブである。
本発明は、以上の知見に基づくものであり、重量%で、Fe:0.3〜0.65%、Cu:0.06〜0.13%、Mn:0.12〜0.42%、残部Alおよび不可避的不純物からなることを特徴とする押出性と引張強さと耐食性に優れ、ろう付け後の再結晶粒粗大化抑制に優れた押出チューブである。
また本発明は、上記組成にTi:0.05〜0.25%およびZr:0.05〜0.25%の1種または2種を含有する押出チューブが提供される。本発明によれば、ろう付熱処理後の平均結晶粒径が60μm以下の微細な結晶組織を得ることができる。
【0010】
以下本発明の成分、その他限定理由を説明する。
<Fe:0.25〜0.70%>
Feは、Al−Fe系金属間化合物として合金中に晶出、または析出しろう付後の強度を向上させる。また、このAl−Fe系金属間化合物はろう付熱処理時の結晶粒粗大化を抑制する働きをする。0.25%未満では以上の効果を十分に得ることができないため、下限値を0.25%とした。また、Al−Fe系金属間化合物が多量に存在すると押出性を低下させることから、上限を0.70%とする。望ましいFeの含有量は、0.4〜0.6%である。
【0011】
<Cu:0.03〜0.15%>
Cuは合金基地中に固溶することによりろう付後の強度向上に寄与する元素である。この効果を得るために本発明では0.03%以上添加する。しかし、前述のように多量に添加するとチューブの耐食性を低下させるため、本発明では上限を0.15%とする。望ましいCu含有量は0.07〜0.12%である。
【0012】
<Mn:0.05〜0.45%>
Mnは、Al−Mn系金属間化合物として合金中に晶出または析出しろう付後の強度を向上させる作用を有する。しかし、0.05%未満ではこの効果を十分に得ることができず、一方0.45%を越えて含有すると押出性の低下を招く。そこで本発明は、Mn量を0.05〜0.45%とする。望ましいMnの含有量は、0.2〜0.35%である。
なお、Al−Mn系金属間化合物は、前述のAl−Fe系金属間化合物、後述するAl−Ti,Al−Zr系金属間化合物に比べて粗大なため、これら金属間化合物に比べて結晶粒粗大化を抑制する働きは小さい。
【0013】
<Ti、Zr:0.05〜0.25%>
Ti、Zrは、Al−Ti,Al−Zr系金属間化合物として合金中に晶出、または析出しろう付後の強度を向上させる。また、このAl−Ti,Al−Zr系金属間化合物はろう付熱処理時の結晶粒粗大化を抑制する働きをする。しかし、0.05%未満ではこの効果が不十分であり、また、0.25%を越えても含有コストに見合うだけの効果を得ることができない。したがって、本発明では0.05〜0.25%とする。望ましいTi、Zrの含有量は0.1〜0.2%である。
【0014】
<その他不純物元素>
本発明押出チューブにおいては、以上の元素以外に不純物元素が含まれるが、以下の範囲であれば本発明の目的を阻害しない。
Si:0.10%以下 Mg:0.02%以下 Zn:0.02%以下
V:0.01%以下 B:0.002%以下
【0015】
本発明押出チューブを得るためには、従来公知の製造方法を適用すればよい。例えば、DC鋳造法により鋳塊を得た後、押出に供するためのビレットを作成する。このビレットには、450〜650℃の温度範囲において均質化熱処理を施す。この均質化熱処理によりFeの一部が固溶するとともに、Al−Fe系金属間化合物、Al−Mn系金属間化合物、Al−Ti,Al−Zr系金属間化合物が均一微細に析出する。しかる後、所定形状を有するダイにより押出を行う。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施例に基づき説明する。
表1に示す合金組成(wt.%)および均質化処理条件でビレットを作成し、通常の条件で押出チューブを作成した。この際の押出力、押出速度およびチューブの形状精度を総合的に押出性として評価した。その後、実際の製品と同様にコイリング、リサイズ加工した後に、ろう付を想定した600℃で5分間保持の熱処理を施した(以下、ろう付と称する)。このろう付前後に引張試験を行い引張強さを測定した。また、耐食性を確認するためASTMに準じたSWAAT試験(試験期間20日間)を行い、最大腐食深さを測定した。以上の評価、測定結果を表2に示す。
【0017】
【表1】
Figure 0003892179
【0018】
【表2】
Figure 0003892179
【0019】
表2から明らかなように、本発明に係る押出チューブは、ろう付後強度が優れるとともに、耐食性にも優れる。また、押出性も問題のないレベルである。
本発明のNo.1,2,3はFeおよびMn含有量が同等であるがCu含有量が1〜3の順に増加する。このNo.1〜3の引張強さを比較すれば、Cu含有量が増加するにつれ引張強さが向上することがわかる。しかし、Cu含有量が増加すれば、最大腐食深さが大きくなり耐食性を劣化させることがわかる。No.13(比較例)のようにCu含有量が0.20%まで増加すると最大腐食深さが350μmを越え、本発明の目的を達成することができない。
【0020】
No.4,1,5は、FeおよびCu含有量が同等であるがMn含有量がNo.4,1,5の順に増加する。そして、Mn含有量の増加にともない引張強さが向上していることが表2からわかる。ただし、Mn含有量の増加にともない押出性が劣る傾向にあり、本発明であるNo.5のように含有量が0.42%の場合には許容できる押出性を示すが、No.14(比較例)のように0.5%を越える含有量となると押出性が劣化してしまう。
【0021】
No.1,6,7は、CuおよびMn含有量が同等であるがFe含有量がNo.1,6,7の順に増加する。そして、Fe含有量の増加にともない引張強さが向上していることが表2からわかる。ただし、Fe含有量の増加にともない押出性が劣る傾向にあり、本発明であるNo.7のように含有量が0.65%の場合には許容できる押出性を示すが、No.12(比較例)のように0.8%を越える含有量となると押出性が劣化してしまう。
【0022】
No.9〜11は、TiおよびZrの1種または2種を含有した例であるが、この場合にも、押出性、引張強さおよび耐食性ともに優れた押出チューブが得られることがわかる。
【0023】
表2にろう付後の平均結晶粒径を示すが、本発明による押出チューブはいずれも60μm以下と微細な結晶組織を示している。これに対してNo.15は平均結晶粒径が500μm程度にまで達しており、ろう付熱処理により再結晶の粗大化が生じていることが確認された。
【0024】
【発明の効果】
以上説明のように、本発明によれば、重量%で、Fe:0.25〜0.70%、Cu:0.03〜0.15%、Mn:0.12〜0.42%、残部Alおよび不可避的不純物からなる組成としたので、押出性、引張強さおよび耐食性を兼備した上に、ろう付け後の再結晶粒粗大化抑制に優れた押出チューブを得ることができる。
また、本発明によれば、重量%で、Fe:0.3〜0.65%、Cu:0.06〜0.13%、Mn:0.12〜0.42%、残部Alおよび不可避的不純物からなることを特徴とする押出性と引張強さと耐食性に優れ、ろう付け後の再結晶粒粗大化抑制に優れた押出チューブを得ることができる。
本発明の押出チューブにおいて、TiとZrを規定量含有させたものにおいても、押出性と引張強さと耐食性に優れ、ろう付け後の再結晶粒粗大化抑制に優れた押出チューブを得ることができる。
本発明の押出チューブは、ろう付熱処理後の平均結晶粒径を60μm以下にすることができる。

Claims (4)

  1. 重量%で、Fe:0.25〜0.70%、Cu:0.03〜0.15%、Mn:0.12〜0.42%、残部Alおよび不可避的不純物からなることを特徴とする押出性と引張強さと耐食性に優れ、ろう付け後の再結晶粒粗大化抑制に優れた押出チューブ。
  2. 重量%で、Fe:0.3〜0.65%、Cu:0.06〜0.13%、Mn:0.12〜0.42%、残部Alおよび不可避的不純物からなることを特徴とする押出性と引張強さと耐食性に優れ、ろう付け後の再結晶粒粗大化抑制に優れた押出チューブ。
  3. Ti:0.05〜0.25%およびZr:0.05〜0.25%の1種または2種を含有する請求項1または2に記載の押出チューブ。
  4. ろう付熱処理後の平均結晶粒径が60μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の押出チューブ。
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