JP2001026483A - 耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法 - Google Patents
耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法Info
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Abstract
る、耐酸化性に優れ、持久力があり、且つ複雑な形状の
素材に対しても適用が可能な炭素繊維強化炭素複合材料
及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 炭素繊維強化炭素複合材料をSiB4 ある
いはSiB6 のホウ化ケイ素の粉末を有機分散媒中に分散
させてなる懸濁液中に浸して炭素繊維強化炭素複合材料
に前記ホウ化ケイ素を含浸させ、炭素繊維強化炭素複合
材料の表面をSiB4 あるいはSiB6 のホウ化ケイ素の含浸
被覆部を覆う。更にホットプレスにより前記ホウ化ケイ
素を炭素繊維強化炭素複合材料内部にドーピングさせ
る。
Description
素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法に関する。
強化炭素複合材料は、炭素のみで構成されており、複合
効果が原因して比強度が高いなどの機械的に優れた性質
を持っていることから、他の物質に替え難い材料として
いろいろな分野への応用の開発研究がすすめられ、コン
コルドの摺動材、スペースシャトルのノーズコーンやリ
ーディングエッジ、燃焼機関の構造材料、人工歯根、
骨、関節などの医用材料等様々の分野に用いられてい
る。
成物質がすべて炭素であるが故に500℃以上の酸化雰
囲気中で酸化されてしまい、超高温下においてその特性
を生かすことができなかった。
法)により炭素繊維強化炭素複合材料の表面にセラミッ
クスを被着させて耐酸化性を炭素繊維強化炭素複合材料
に付与することが行われている。
り、厚い膜を得ることはできるが、複雑な形状をした素
材に対してはこの方法の適用は困難である。
取り組みがなされる中、今後ますます耐酸化性の炭素繊
維強化炭素複合材料の需要が高まりつつある。
を解消した、500℃以上の高温環境下で酸化を防止で
きる、耐酸化性に優れ、持久力があり、且つ複雑な形状
の素材に対しても適用が可能な炭素繊維強化炭素複合材
料及びその製造方法を提供することを目的とする。
は、上記の材料に関する課題を解決するもので、「炭素
繊維強化炭素複合材料内部にホウ化ケイ素をドーピング
させてなる耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材料。」を要
旨とする。
に関する課題を解決するもので、「炭素繊維強化炭素複
合材料の表面にSiB4 あるいはSiB6 のホウ化ケイ素の含
浸被覆部を形成し、更にホットプレスにより前記ホウ化
ケイ素を炭素繊維強化炭素複合材料内部にドーピングさ
せることを特徴とする耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材
料の製造方法。」を要旨とする。
複合材料を模式的に示すものである。図1に示すように
炭素繊維強化炭素複合材料1の内部にホウ化ケイ素2が
ドーピングされている。
来の製品、即ち、平織り、朱子織り、綾織り等の二方向
織布、一方向配向材、三方向配向材、n方向配向材、フ
ェルト、トウ等の炭素繊維にフェノール樹脂、フラン樹
脂等の熱硬化性物質、カーボンブラック、タール、ピッ
チのような熱可塑性物質からなるバインダーを含浸、塗
布する等の方法によりプリプレグを形成し、加熱加圧し
て成形体とし、この成形体を熱処理によってバインダー
を完全に硬化させ、その後常法によって焼成し、さらに
必要に応じて黒鉛化してなる炭素繊維強化炭素複合材料
を用いることができる。
素繊維強化炭素複合材料をSiB4 あるいはSiB6 のホウ化
ケイ素の粉末を有機液体、例えば液状のポリエチレング
リコール中に分散させてなる懸濁液中に浸して炭素繊維
強化炭素複合材料に前記ホウ化ケイ素を含浸させ炭素繊
維強化炭素複合材料の表面をSiB4 あるいはSiB6 のホウ
化ケイ素の粉末で被覆し、その後炭素繊維強化炭素複合
材料表面に含まれるポリエチレングリコールが完全に蒸
発するように300℃で脱脂処理を行い、更にホットプ
レスにより前記ホウ化ケイ素を炭素繊維強化炭素複合材
料内部にドーピングさせることにより得ることができ
る。
グされたSiB4 あるいはSiB6 のホウ化ケイ素は酸素雰囲
気中で、B2O3 およびSi2からなる高温時にはホウケイ酸
ガラスの膜を形成する、耐酸化バリアを生成し、それに
よって炭素繊維強化炭素複合材料の耐酸化性は大幅に向
上せしめられ、耐酸化性に優れた炭素繊維強化炭素複合
材料が形成される。
説明する。粘性率6〜9Pa・s のポリエチレングリコー
ルに、粒径約1.0μm のSiB4 あるいはSiB6 のホウ化ケ
イ素粉末を分散させて懸濁液を作成し、この懸濁液中に
最高処理温度2,000℃で焼成した炭素繊維強化炭素
複合材料を浸して、炭素繊維強化炭素複合材料に前記ホ
ウ化ケイ素を含んだポリエチレングリコールを含浸さ
せ、前記ホウ化ケイ素を含んだポリエチレングリコール
を含浸させた炭素繊維強化炭素複合材料を真空デシケー
タ中に置いて真空含浸処理を行った。それによって炭素
繊維強化炭素複合材料の表面をSiB4 あるいはSiB6 のホ
ウ化ケイ素の粉末で被覆し、その後炭素繊維強化炭素複
合材料表面に付着したポリエチレングリコールが完全に
蒸発するように300℃で脱脂処理を行い全表面が均一
に前記ホウ化ケイ素で被覆された炭素繊維強化炭素複合
材料を得た。更にこの炭素繊維強化炭素複合材料に40
MPa の真空下で温度1,500℃でホットプレスを施し
前記ホウ化ケイ素を炭素繊維強化炭素複合材料内部にド
ーピングさせることにより前記ホウ化ケイ素を内部に含
んだ炭素繊維強化炭素複合材料を作成することができ
た。
繊維強化炭素複合材料の耐酸化能力の評価は、示差熱分
析器を用いての昇温酸化実験、および電気炉を用いての
定温酸化実験を行い、加熱温度、加熱時間と質量変化と
の関係から評価した。昇温酸化実験における昇温速度
は、500℃に至るまでは15℃/min、500℃以上の
温度では2℃/minとした。定温酸化実験における温度範
囲は700〜1500℃で行った。
測定)を用いた、室温から1000℃までの昇温酸化実
験では、質量損失20%時の温度は、未処理の炭素繊維
強化炭素複合材料の場合700℃付近であったのに対し
て、前記ドーピング処理を施した炭素繊維強化炭素複合
材料の場合800℃以上まで上昇した。また、定温酸化
実験では、質量損失20%までの所要時間は、前記ドー
ピング処理を施した炭素繊維強化炭素複合材料の場合は
未処理の炭素繊維強化炭素複合材料の場合に比べて、3
倍以上であり、その差は温度が高くなるにつれて増加し
た。これらより前記ドーピング処理は炭素繊維強化炭素
複合材料に良い耐酸化性を付与させているといえる。
よれば、500℃以上の高温環境下で酸化を防止でき
る、耐酸化性に優れた、持久力のある炭素繊維強化炭素
複合材料からなる製品を製造することができる。また、
気相化学蒸着法によることなく炭素繊維強化炭素複合材
料に耐酸化性を付与することができるので複雑な形状の
製品も提供することができる。更にまた、ホウ化ケイ素
はドーピングされ炭素繊維強化炭素複合材料内部と一体
化した炭素繊維強化炭素複合材料の耐酸化性被覆を形成
するので、被膜の割れ、剥離等の発生のない堅牢な製品
を提供することができる。
構成を示す模式図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 炭素繊維強化炭素複合材料内部にホウ化
ケイ素をドーピングさせてなる耐酸化性炭素繊維強化炭
素複合材料。 - 【請求項2】 炭素繊維強化炭素複合材料の表面にSiB
4 あるいはSiB6 のホウ化ケイ素の含浸被覆部を形成
し、更にホットプレスにより前記ホウ化ケイ素を炭素繊
維強化炭素複合材料内部にドーピングさせることを特徴
とする耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法。 - 【請求項3】 前記炭素繊維強化炭素複合材料の表面に
SiB4 あるいはSiB6 のホウ化ケイ素の含浸被覆部を形成
する過程が、炭素繊維強化炭素複合材料をSiB4 あるい
はSiB6 のホウ化ケイ素の粉末を有機分散媒中に分散さ
せてなる懸濁液中に浸して炭素繊維強化炭素複合材料に
前記ホウ化ケイ素を含浸させ、しかる後前記有機分散媒
を蒸発させる過程を含むことを特徴とする請求項2に記
載の耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法。
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