JP4545876B2 - 炭素繊維強化炭素複合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にコンコルドの摺動材、スペースシャトルのノーズコーンやリーディングエッジ、燃料機関の構造材料、人工歯根、骨、関節等の医用材料等の分野に適用可能な耐酸化性に優れた炭素繊維強化炭素複合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、炭素繊維強化炭素複合材料は、優れた高温強度を持つので、高温強度材料として期待されている。しかし、この材料は、構成物質が全て炭素であるため、500℃以上の酸化雰囲気中で酸化されてしまい、超高温下においてはその特性を生かすことができなかった。
【0003】
そこで、従来、耐酸化性、耐薬品性等を向上させるために、炭素繊維強化炭素複合材料へセラミックスを被覆することが行われていた。ところで、このセラミックスの被覆は、気相化学蒸着法(CVD:Chemical Vapour Deposition法)が最も主たる方法の一つである。しかし、このCVD法には一長一短があり、厚い膜を得ることができるが、複雑な形状をした素材に対して適用が困難である。
【0004】
近年、宇宙空間への進出に対する国際的な取り組みがなされる中、今後ますます耐酸化を有する炭素繊維強化炭素複合材料の需要が高まっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
第1の発明は、こうした事情を考慮してなされたもので、炭素繊維強化炭素複合材料の少なくとも表面に、高温酸化時にCaB4O7もしくはCaB2O4の少なくともいずれかからなる耐酸化膜を形成するホウ化カルシウムを形成させた構成とすることにより、耐酸化性及び持久力に優れた炭素繊維強化炭素複合体を提供することを目的とする。
【0006】
第2の発明は、炭素繊維強化炭素複合材料を、ホウ化カルシウム粉末を有機溶媒に分散させた液に浸漬させて含浸処理を行った後、脱脂処理を行い炭素繊維強化炭素複合材料の表面にホウ化カルシウムを形成させることにより、第1の発明と同様な効果が得られる炭素繊維強化炭素複合体を製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
第3の発明は、炭素繊維強化炭素複合材料を、ホウ化カルシウム粉末を有機溶媒に分散させた液を収容した容器内にセットした後、冷間静水圧成形法により前記複合材料の少なくとも表面にホウ化カルシウムを形成することにより、耐酸化性及び持久力に優れるとともに、複雑な形状な素材に対しても適用可能な炭素繊維強化炭素複合体を製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
第4の発明は、炭素繊維強化炭素複合材料を、ホウ化カルシウムにクロム化合物を加えたホウ化カルシウム複合試料粉末を有機溶媒に分散させた液に浸漬させて含浸処理を行った後、脱脂処理を行い炭素繊維強化炭素複合材料の表面にホウ化カルシウム複合試料を形成させることにより、第1の発明と同様な効果が得られる炭素繊維強化炭素複合体を製造する方法を提供することを目的とする。
【0010】
第5の発明は、炭素繊維強化炭素複合材料を、ホウ化カルシウムにクロム化合物を加えたホウ化カルシウム複合試料粉末を有機溶媒に分散させた液を収容した容器内にセットした後、冷間静水圧成形法により前記複合材料の少なくとも表面にホウ化カルシウム複合試料を形成することにより、第1の発明と同様な効果が得られる炭素繊維強化炭素複合体を製造する方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る炭素繊維強化炭素複合体は、炭素繊維強化炭素複合材料の少なくとも表面に、高温酸化時にCaB4O7もしくはCaB2O4の少なくともいずれかからなる耐酸化膜を形成するホウ化カルシウムを形成させた構成であることを特徴とする。
【0012】
第2の発明に係る炭素繊維強化炭素複合体の製造方法は、炭素繊維強化炭素複合材料を、ホウ化カルシウム粉末を有機溶媒に分散させた液に浸漬させて含浸処理を行った後、脱脂処理を行い炭素繊維強化炭素複合材料の表面にホウ化カルシウムを形成することを特徴とする。
【0013】
第3の発明に係る炭素繊維強化炭素複合体の製造方法は、炭素繊維強化炭素複合材料を、ホウ化カルシウム粉末を有機溶媒に分散させた液を収容した容器内にセットした後、冷間静水圧成形法により前記複合材料の少なくとも表面にホウ化カルシウムを形成することを特徴とする。
【0015】
第4の発明に係る炭素繊維強化炭素複合体の製造方法は、炭素繊維強化炭素複合材料を、ホウ化カルシウムにクロム化合物を加えたホウ化カルシウム複合試料粉末を有機溶媒に分散させた液に浸漬させて含浸処理を行った後、脱脂処理を行い炭素繊維強化炭素複合材料の表面にホウ化カルシウム複合試料を形成させることを特徴とする。
【0016】
第5の発明に係る炭素繊維強化炭素複合体の製造方法は、炭素繊維強化炭素複合材料を、ホウ化カルシウムにクロム化合物を加えたホウ化カルシウム複合試料粉末を有機溶媒に分散させた液を収容した容器内にセットした後、冷間静水圧成形法により前記複合試料粉末の少なくとも表面にホウ化カルシウム複合試料を形成することを特徴とする炭素繊維強化炭素複合体の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
【0018】
本発明において、炭素繊維強化炭素複合材料(以下、単に複合材料と呼ぶ)は、次のようにして作られる。まず、平織り、朱子織り、綾織り等の二方向織布、一方向配向材、三方向配向材、n方向配向材、フェルト、藤(トウ)等の炭素繊維に、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂、カーボンブラック、タール、ピッチのような熱可塑性樹脂からなるバインダーを含浸、塗布する等の方法によりプリプレグを形成する。つづいて、加熱加圧して成形体とし、この成形体を熱処理によってバインダーを完全に硬化させる。次に、常法により焼成、更に必要に応じて黒鉛化して複合材料を形成する。
【0019】
本発明において、炭素繊維強化炭素複合体(以下、単に複合体と呼ぶ)は、複合材料の少なくとも表面に、ホウ化カルシウムを形成させたことを特徴とする。ここで、ホウ化カルシウムは、高温酸化時にCaB4O7、あるいはCaB2O4、あるいはCaB4O7及びCaB2O4の両者からなる耐酸化膜を生成する性質を有している。本発明において、前記耐酸化膜は、複合材料の表面にのみに形成されている場合、あるいは複合材料の表面に含浸されて形成されている場合、あるいは複合材料の表面のみならず複合材料内にも含浸されて形成されている場合を含む。従って、上記形成とは、複合材料の表面に被覆あるいは含浸の少なくともいずれか一方を意味する。
【0020】
本発明(第1の発明)において、高温酸化時における「高温」とは、大体500℃〜1500℃の範囲の温度を意味するが、CaB2O4の場合、一般に1気圧で800℃までを示し、1気圧を超えた場合は800℃〜1000℃を意味する。また、Cr2O3の場合、「高温」とは1000℃〜1200℃の範囲の温度を意味する。従って、温度によってCaB2O4のみによる耐酸化膜が形成される場合、Cr2O3のみからなる耐酸化膜が形成される場合、あるいは両者からなる耐酸化膜が形成される場合がある。
【0021】
本発明において、有機溶媒としては、例えばポリエチレングリコールが挙げられる。また、脱脂処理の温度は有機溶媒の種類により異なるが、例えばポリエチレングリコールの場合で言えば、300〜800℃であり、好ましくは400〜600℃である。ここで、300℃未満では複合材料中に炭化物が残る可能性があり、800℃を超えると有機成分が急激に揮発して複合材料中に空孔ができる可能性がある。
【0022】
本発明によれば、構成物質が全て炭素であるが故に、500℃以上の酸化雰囲気中で酸化されてしまう複合材料に、ホウ化カルシウムを形成することで、超高温環境下で問題となる酸化を防止できる耐酸化性に優れた複合体を得ることができる。また、複合材料にホウ化カルシウム等を含浸させるのに、冷間静水圧成形(CIP:Cold Isostatic Press)法を用いれば、複合材料がたとえ複雑な形状をしていても、ホウ化カルシウムが複合材料に等方的に含浸するため、まんべんなくホウ化カルシウムによる層を形成することができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例について製造方法を併記して説明する。なお、以下の実施例で述べる各部材の材料、数値等は一例を示すもので、本発明の権利範囲を特定するものではない。
【0024】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係る炭素繊維強化炭素複合体(複合体)1を示す。この複合体1は、炭素繊維強化炭素複合材料(複合材料)2と、この複合材料2の表面に形成されたホウ化カルシウム3とから構成されている。ここで、ホウ化カルシウム3は、高温酸化時にCaB4O7、あるいはCaB2O4、あるいはCaB4O7及びCaB2O4の両者からなる耐酸化膜を形成する性質を有している。
【0025】
このように、上記実施例1に係る複合体は、複合材料と、複合材料2の表面に形成され、高温酸化時にCaB4O7、あるいはCaB2O4、あるいはCaB4O7及びCaB2O4の両者からなる耐酸化膜を形成するホウ化カルシウム3とから構成されている。従って、超高温環境下で問題となる酸化を防止できる耐酸化性に優れた複合体を得ることができる。
【0026】
次に、上記実施例1に係る複合体の製造方法について説明する。
【0027】
まず、予め複合材料2を用意する。この複合材料2は、例えば、平織りの二方向織布の炭素繊維に、フェノール樹脂、カーボンブラック、タール、ピッチからなるバインダーを含浸、塗布する等の方法によりプリプレグを形成し、加熱加圧して成形体とし、この成形体を熱処理によってバインダーを完全に硬化させた後、常法により焼成して製作する。
【0028】
次に、粘性率6〜9Pa・sのポリエチレングリコール(有機溶媒)に、粒径約10.0μmのホウ化カルシウム粉末を分散させて、分散液を得た。次に、この分散液中に最高処理温度2000℃で焼成された複合材料2を含浸させ、真空デシケータ中で真空含浸処理を行った。つづいて、ポリエチレングリコールが完全に蒸発するように300℃で脱脂処理をし、全表面に均一にホウ化カルシウム粉末3で被覆された複合体1を作製した。
【0029】
上記方法で作製された耐酸化性膜の被覆を持ち合わせた複合材料の耐酸化能力の評価は、示差熱分析器を用いての昇温酸化、および電気炉を用いての定温酸化実験を行い、加熱温度、加熱時間と質量変化との関係から評価した。昇温酸化実験における昇温速度は、図2に示すように、500℃に至るまでを15℃/min、以降の温度を2℃/minとした。定温酸化実験における温度範囲は700〜1500℃で行った。
【0030】
上記実施例1に係る炭素繊維強化炭素複合体1は、図1に示すように炭素繊維強化炭素複合材料2の表面に、高温酸化時にCaB4O7もしくはCaB2O4の耐酸化膜を生成するホウ化カルシウム3を被覆させた構成となっている。こうした構成の複合体においては、500℃以上の酸化雰囲気中で酸化されてしまう複合材料2を、ホウ化カルシウム粉末を有機溶媒に分散させた液に浸漬させ、含浸処理させた後その有機溶媒を完全に蒸発させることによってホウ化カルシウムを被覆させることができる。この被覆が酸化して生ずるCaB4O7もしくはCaB2O4(高温時)の耐酸化バリアによって、複合体の耐酸化性を大幅に向上させることが可能である。
【0031】
事実、実施例に係る炭素繊維強化炭素複合体(C/C複合体)及びホウ化カルシウムを含まない従来のC/C複合体について温度上昇に伴う重量の変化を調べたところ、図3に示す結果が得られた。図3において、曲線(イ)は本発明のC/C複合体の場合、曲線(ロ)は従来のC/C複合体の場合を示す。図3より、本発明のように複合材料の表面にホウ化カルシウムが形成されたものは、従来と比べ重量の減少が少ないことが明らかである。これにより、本発明によるC/C複合体は従来と比べ耐酸化性が向上していることが判明した。
【0032】
(実施例2)
図3は、本発明の実施例2に係る炭素繊維強化炭素複合体(複合体)11を示す。この複合体11は、炭素繊維強化炭素複合材料(複合材料)12と、この複合材料12の表面に形成されたホウ化カルシウム複合試料13とから構成されている。ここで、ホウ化カルシウム複合試料13は、ホウ化カルシウムにクロム化合物を加えたものである。
【0033】
このように、上記実施例2に係る複合体11は、複合材料12と、複合材料12の表面に形成され、ホウ化カルシウムにクロム化合物を加えた複合試料13とから構成されている。従って、超高温環境下で問題となる酸化を防止できる耐酸化性に優れた複合体を得ることができる。
【0034】
次に、上記実施例2に係る複合体の製造方法について説明する。
【0035】
まず、予め複合材料12を用意する。この複合材料12は、例えば、平織りの二方向織布の炭素繊維に、フェノール樹脂、カーボンブラック、タール、ピッチからなるバインダーを含浸、塗布する等の方法によりプリプレグを形成し、加熱加圧して成形体とし、この成形体を熱処理によってバインダーを完全に硬化させた後、常法により焼成して製作する。
【0036】
次に、粘性率6〜9Pa・sのポリエチレングリコール(有機溶媒)に、粒径約10.0μmのホウ化カルシウム粉末を分散させて、分散液を得た。次に、この分散液中に最高処理温度2000℃で焼成された複合材料2を含浸させ、真空デシケータ中で真空含浸処理を行った。つづいて、ポリエチレングリコールが完全に蒸発するように300℃で脱脂処理をし、全表面が均一にホウ化カルシウム粉末3で被覆された複合体1を作製した
【0037】
上記方法で作製された耐酸化性の被覆を持ち合わせた複合体11の耐酸化能力の評価は、示差熱分析器を用いての昇温酸化、および電気炉を用いての定温酸化実験を行い、加熱温度、加熱時間と質量変化との関係から評価した。昇温酸化実験における昇温速度は、500℃に至るまでを15℃/min、以降の温度を2℃/cmとした。定温酸化実験における温度範囲は700〜1500℃で行った。
【0038】
上記実施例2に係る炭素繊維強化炭素複合体11は、図4に示すように複合材料12の表面に、ホウ化カルシウムにクロム化合物を加えた複合試料13を形成した構成となっている。こうした構成の複合体11においては、500℃以上の酸化雰囲気中で酸化されてしまう複合材料12を、ホウ化カルシウム複合試料粉末を有機溶媒に分散させた液に浸漬させ、含浸処理させた後その有機溶媒を完全に蒸発させることによってホウ化カルシウム複合試料を被覆させることができる。この被覆が酸化して生ずるCaB4O7、CaB2O4、Cr2O3の耐酸化バリアによって、複合体11の耐酸化性を大幅に上昇させることが可能である。
【0039】
(実施例3)
図5を参照する。本実施例3は、CIP法により炭素繊維強化炭素複合材料の表面にホウ化カルシウムを形成する例を示す。
【0040】
まず、予め図示しない容器内の粘性率6〜9Pa・sのポリエチレングリコール(有機溶媒)に、例えば粒径約10.0μm、濃度3%のホウ化カルシウム(CaB6)を入れ、充分に混ぜる。次に、この混合溶液を炭素繊維強化炭素複合材料(複合材料)とともに、水21を収容した圧力容器22内のラテックスゴム製の袋23内に入れ、真空脱気の後、袋23の口を閉じる。つづいて、バルブ24を介装した配管25付きシリンダ26をバルブ24を閉じた状態で矢印Xの方向に移動し、袋23内の混合溶液に等方に圧を加え、複合体を製造した。ここで、加圧条件は、例えば圧力:1〜2ton/cm2、時間:1〜10分(好ましくは2〜5分)とした。
【0041】
このように、実施例3によれば、CIP法により炭素繊維強化炭素複合材料の表面にホウ化カルシウムを形成するため、例えば前記複合材料が複雑な形状をしていてもその表面にホウ化カルシウムがまんべんなく浸透し、複合材料の表面にホウ化カルシウムを形成することができる。
【0042】
なお、上記実施例3では、ラテックスの袋の中にホウ化カルシウム、ポリエチレングリコール及び複合材料を収容して複合体を製造する場合について述べたが、これに限らず、圧力容器内に直接ポリエチレングリコール及び複合材料を入れても、複合体の製造が実現可能である。
【0043】
(実施例4)
本実施例4は、ホウ化カルシウムの代りにホウ化カルシウムにクロム化合物を加えたホウ化カルシウム複合試料を用いた以外は、実施例3と同じようにして炭素繊維強化炭素複合材料の表面に前記複合試料を形成した。
【0044】
実施例4によれば、実施例3と同様、複雑な形状の複合材料表面に前記複合試料をまんべんなく形成することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、炭素繊維強化炭素複合材料の表面にホウ化カルシウムもしくはホウ化カルシウム複合試料を形成した構成とすることにより、耐酸化性及び持久力に優れた炭素繊維強化炭素複合体を提供できる。
【0046】
また、本発明によれば、CIP法により炭素繊維強化炭素複合材料の表面にホウ化カルシウムもしくはホウ化カルシウム複合試料を含浸させることにより、耐酸化性及び持久力に優れるとともに、複雑な形状の素材に対しても適用可能な炭素繊維強化炭素複合体を製造する方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に係る炭素繊維強化炭素複合体の断面図。
【図2】 本発明に係る複合体の耐酸化能力の評価試験における複合体の温度と時間との関係を示す特性図。
【図3】 図1の炭素繊維強化炭素複合体及び従来の複合体に係る温度による重量変化特性図。
【図4】 本発明の実施例2に係る炭素繊維強化炭素複合体の断面図。
【図5】 本発明の実施例3に係る炭素繊維強化炭素複合体の製造方法の説明図。
【符号の説明】
1、11…炭素繊維強化炭素複合体、2、12…炭素繊維強化炭素複合材料、3…ホウ化カルシウム、13…ホウ化カルシウム複合試料、22…圧力容器、24…バルブ、26…シリンダー。
Claims (6)
- 炭素繊維強化炭素複合材料の少なくとも表面に、高温酸化時にCaB4O7もしくはCaB2O4の少なくともいずれかからなる耐酸化膜を形成するホウ化カルシウムを形成させた構成であることを特徴とする炭素繊維強化炭素複合体。
- 炭素繊維強化炭素複合材料を、ホウ化カルシウム粉末を有機溶媒に分散させた液に浸漬させて含浸処理を行った後、脱脂処理を行い炭素繊維強化炭素複合材料の少なくとも表面にホウ化カルシウムを形成することを特徴とする炭素繊維強化炭素複合体の製造方法。
- 炭素繊維強化炭素複合材料を、ホウ化カルシウム粉末を有機溶媒に分散させた液を収容した容器内にセットした後、冷間静水圧成形法により前記複合材料の少なくとも表面にホウ化カルシウムを形成することを特徴とする炭素繊維強化炭素複合体の製造方法。
- 炭素繊維強化炭素複合材料を、ホウ化カルシウムにクロム化合物を加えたホウ化カルシウム複合試料粉末を有機溶媒に分散させた液に浸漬させて含浸処理を行った後、脱脂処理を行い炭素繊維強化炭素複合材料の少なくとも表面にホウ化カルシウム複合試料を形成することを特徴とする炭素繊維強化炭素複合体の製造方法。
- 炭素繊維強化炭素複合材料を、ホウ化カルシウムにクロム化合物を加えたホウ化カルシウム複合試料粉末を有機溶媒に分散させた液を収容した容器内にセットした後、冷間静水圧成形法により前記複合材料の少なくとも表面にホウ化カルシウム複合試料を形成することを特徴とする炭素繊維強化炭素複合体の製造方法。
- 前記有機溶媒はポリエチレングリコールであり、脱脂処理は300〜800℃で行うことを特徴とする請求項2または4記載の炭素繊維強化炭素複合体の製造方法。
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