JP2001025814A - 冷間圧造用黄銅線の製造方法 - Google Patents

冷間圧造用黄銅線の製造方法

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JP2001025814A
JP2001025814A JP11197797A JP19779799A JP2001025814A JP 2001025814 A JP2001025814 A JP 2001025814A JP 11197797 A JP11197797 A JP 11197797A JP 19779799 A JP19779799 A JP 19779799A JP 2001025814 A JP2001025814 A JP 2001025814A
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annealing
coil
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brass
wire
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Iwao Sato
巌 佐藤
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Sumitomo Metal Mining Copper Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Sumitomo Metal Mining Copper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品コイルの長手方向における冷間圧造性に
ばらつきがなく、かつ割れが生じ難い冷間圧造用黄銅線
の製造方法を提供する。 【解決手段】 62重量%以上で67重量%以下の銅を
含有する黄銅鋳塊を用いて冷間圧造用の黄銅線を製造す
るに当たり、前記黄銅鋳塊を熱間押出ししてコイルを作
製し、ついで該コイルに仕上げ伸線までの間に冷間伸線
と焼鈍を少なくとも2回繰り返し実施するとともに、最
初と2回目の焼鈍の間に行う冷間伸線においては該コイ
ルの断面減少率を30%以上とすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱間押出、冷間伸
線、焼鈍、仕上げ伸線を経て製造される冷間圧造用黄銅
線の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の冷間圧造用黄銅線は、黄銅鋳塊を
熱間押出しによってコイル状に作製し、ついで該コイル
を冷間伸線し、その後焼鈍し、これら冷間伸線と焼鈍と
を繰り返した後、仕上げ伸線を実施して製品コイルとし
て製造するものであって、前記冷間伸線は製品の線径に
近付くように該コイルを少しずつ伸線するため、焼鈍は
素材を軟化させ内部応力を除去するため、そして仕上げ
伸線は製品としての線径に仕上げるとともに、必要とさ
れる機械的強度および必要な加工性を備えるようにする
ために実施する。ところで近年製造コストを低減させる
目的で、熱間押出しを、より製品の線径に近い寸法で実
施して、ついで実施される冷間伸線および焼鈍の繰り返
し回数を減らすことが計られてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら冷間圧造
用黄銅線の製造工程において、製造コストの低減のため
に冷間伸線および焼鈍の繰り返し回数を減少し、もしく
は繰返さずに仕上げ伸線までの間に冷間伸線と焼鈍を1
回ずつ実施した場合には、この黄銅線を冷間圧造する際
に、特に据え込み加工時に製品コイルの長手方向におい
て冷間圧造性にばらつきが生じ、かつ熱間押出し時に先
端部側であった側で割れが生じ易いという問題が発生し
た。
【0004】本発明はこの問題点を解決し、製品コイル
の長手方向における冷間圧造性にばらつきがなく、かつ
熱間押出し時に先端部側であった側にも割れが生じ難い
冷間圧造用黄銅線の製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、熱間押出し
後のコイルの組織中に見られるβ相の量が、コイルの長
手方向において差があり熱間押出し時の先端部側に多
く、一方後端部側に少ないという経験的知見に着目し、
β相が焼鈍により完全に消滅せずに製品としての黄銅線
に残存している時に黄銅線の冷間圧造性にばらつきが生
じるのではないか、という考えに至った。
【0006】したがって本発明者は、β相が1回の焼鈍
だけでは完全に消滅せず、製品としての黄銅線にも僅か
に残存し、その量は熱間押出し後のコイルと同様に先端
部側に多く、また後端部側に向かうにしたがって少くな
っていること、さらにこのようなβ相が残存している黄
銅線の冷間圧造性試験を行ったところ、その後端部側で
は割れが発生しないが、先端部側では割れが発生するこ
とがあり、冷間圧造性にばらつきがあるということを見
出した。さらにこの研究を重ねたところ、焼鈍回数を2
回以上とし、最初の焼鈍と2回目の焼鈍の間に施される
冷間伸線時のコイルの断面減少率を30%以上とする
と、2回目の焼鈍後にはコイルの組織中のβ相は完全に
消滅して製品としての黄銅線にはβ相が残留せず、また
この黄銅線の冷間圧造性試験を行ったところ、冷間圧造
性は優れており、その長手方向における冷間圧造性にば
らつきがないことが分かり、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち上記目的を達成するため本発明
は、62重量%以上で67重量%以下の銅を含有する黄
銅鋳塊を用いて冷間圧造用の黄銅線を製造するに当た
り、前記黄銅鋳塊を熱間押出ししてコイルを作製し、つ
いで該コイル仕上げ伸線までの間に冷間伸線と焼鈍を少
なくとも2回繰り返し実施するするとともに、最初と2
回目の焼鈍の間に行う冷間伸線において該コイルの断面
減少率を30%以上とする冷間圧造用黄銅線の製造方法
を特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】銅を62重量%以上で67重量%
以下含有する黄銅鋳塊を、熱間押出しすると、得られた
コイルの組織はCu−Ζn平衡状態図上で、α+βの2
相となる。さてこの冷間圧造用黄銅線の製造工程におい
て、冷間伸線を1回行った後に焼鈍を1回のみ実施した
場合、素材を軟化させるという目的で行われる通常の温
度および時間による焼鈍、例えば460℃で1時間で行
う焼鈍ではコイルの組織中のβ相は消滅しない。そこで
1回の焼鈍においてコイルの組織中のβ相を消滅させる
ためには、焼鈍温度を高くし、かつ時間を長くすること
が必要である。しかしながら焼鈍温度を高温にすると結
晶粒径が大きくなってしまい、冷間圧造時に製品表面に
肌荒れを起こしてしまうことから、焼鈍温度を高くする
ことは好ましくない。また焼鈍時間を長くすることは生
産性の低下に繋がることから、焼鈍時間を長くすること
も好ましくない。
【0009】そこで本発明者は、この冷間圧造用黄銅線
の製造工程において、熱間押出して作製されたコイルに
対してその後実施される冷間伸線および焼鈍工程につい
て検討した。その結果、仕上げ伸線までの間に冷間伸線
および焼鈍工程を少なくとも2回繰り返し、かつ最初の
焼鈍と2回目の焼鈍の間に行う冷間伸線時にコイルの断
面減少率を30%以上、好ましくは40%以上とした場
合、各焼鈍工程を通常の温度および時間としても、コイ
ルの組織中のβ相を十分に消滅させることが可能である
ことが分かった。
【0010】なお最初の焼鈍と2回目の焼鈍の間に行う
2回目の冷間伸線時のコイルの断面減少率を30%以上
とした理由は、30%未満では最初の焼鈍後にコイルの
組織中に残存したβ相の冷間伸線による分散が十分起こ
らず、2回目の焼鈍後においてもβ相を完全に消滅させ
ることができないからである。これは最初の焼鈍後に僅
かに残存したコイルの組織中のβ相が、2回目の冷間伸
線により微細に分散され、また2回目の焼鈍で完全に消
滅するためと考えられるからであり、この最初の焼鈍と
2回目の焼鈍の間に行う冷間伸線の際のコイルの断面減
少率は、大きくするに連れて2回目の焼鈍でβ相を消滅
させる効果が大きくなっていくが、断面減少率をあまり
大きくすると冷間伸線時の加工硬化により伸線中に断線
が生じてしまうためコイルの断面減少率の上限は90%
程度である。
【0011】なお熱間押出し後の1回目の冷間伸線時の
断面減少率を特に規定しなかったのは、1回目の冷間伸
線および焼鈍では冷間伸線時のコイルの断面減少率をい
くら大きくしても焼鈍後にコイルの組織中にβ相が残存
してしまうからである。また冷間伸線と焼鈍とは製造コ
ストの低減などを勘案しなければ3回以上繰り返すこと
もできる。しかし2回目の焼鈍後の3回目以降の冷間伸
線時の断面減少率は特に限定する必要はない。その理由
は、最初の焼鈍後に行う断面減少率を30%以上とする
冷間伸線と2回目の焼鈍とによってコイルの組織中のβ
相は完全に消滅し、3回目以降の冷間伸線時の断面減少
率がβ相の減少に何ら影響を与えないからである。この
ようにして冷間伸線と焼鈍とを2回以上繰り返して最後
の焼鈍後に、仕上げ伸線を経ることによって冷間圧造用
黄銅線を製造するができる。
【0012】
【実施例】本発明を以下の実施例および比較例において
説明する。銅を64.5重量%含む黄銅鋳塊からつぎの
製造工程により黄銅線を作製し、限界据え込み率を求め
る冷間圧造性試験により冷間圧造性を確認した。まず直
径195mmの黄銅鋳塊を、加熱温度850℃、直径8
mmの2穴のダイスを用いた熱間押出し法により押出し
てコイルを作製した。 [実施例]このように作製されたコイルの両端部側につ
いて、光学顕微鏡による組織観察および画像解析によっ
てβ相の面積率を測定したところ、先端部側では約10
%、後端部側では約1%の面積率であった。その後冷間
伸線および焼鈍を2回繰り返し、2回目の冷間伸線時の
断面減少率を40%と60%とし、仕上げ伸線を経る方
法によって直径2.6mmの黄銅線からなる試料コイル
1、2を調製した。なお焼鈍条件につては何れの場合も
460℃で1時間保持したものであった。
【0013】[比較例]比較例として2回目の冷間伸線
時のコイルの断面減少率のみ20%とした以外は実施例
と同様の手順で製造した黄銅線からなる試料3と、仕上
げ伸線までの間に冷間伸線および焼鈍を繰返さず1回の
みとした試料4を調製した。このように調製された各々
の直径2.6mmの黄銅線の試料コイル1〜4の両端部
側について、光学顕微鏡による組織観察によりβ相の確
認を行い、さらにヘッダー加工機を用い、単純据え込み
加工により、割れの発生頻度から限界据え込み率を求め
る冷間圧造性試験を実施した。なお限界据え込み率が高
いほど、冷間圧造性が優れて、その結果を下記する表1
に示す。
【0014】
【表1】 断面減少率:2回目の冷間伸線時の断面減少率。 β相の有無:2.6mm線材の横断面を塩化第二鉄を含
有する塩酸水溶液によりエッチング後、光学顕微鏡によ
り倍率400倍にて観察。
【0015】表1から分る通り、本発明の実施例で得ら
れた黄銅線の組織中にβ相は認められず、限界据え込み
率も大きな値であるのに対し、比較例で得られた黄銅線
の先端部側の組織中にはβ相が認められ、限界据え込み
率もより小さな値となっており、本発明による製造方法
によって冷間圧造性のばらつきがなく、また優れた黄銅
線が得られることが分った。
【0016】
【発明の効果】以上述べた通り本発明によれば、冷間圧
造性に優れ、かつ製品コイルの長手方向において冷間圧
造性にばらつきがない冷間圧造用黄銅線を得ることが可
能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 62重量%以上で67重量%以下の銅を
    含有する黄銅鋳塊を用いて冷間圧造用の黄銅線を製造す
    るに当たり、前記黄銅鋳塊を熱間押出ししてコイルを作
    製し、ついで該コイルを仕上げ伸線までの間に冷間伸線
    と焼鈍を少なくとも2回繰り返し実施するとともに、最
    初と2回目の焼鈍の間に行う冷間伸線において該コイル
    の断面減少率を30%以上とすることを特徴とする冷間
    圧造用黄銅線の製造方法。
JP11197797A 1999-07-12 1999-07-12 冷間圧造用黄銅線の製造方法 Pending JP2001025814A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030061581A (ko) * 2002-01-15 2003-07-22 (주)아이엠아이인더스트리 냉간인발을 통한 다각형의 황동봉 제조공정

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030061581A (ko) * 2002-01-15 2003-07-22 (주)아이엠아이인더스트리 냉간인발을 통한 다각형의 황동봉 제조공정

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