JP2018154916A - アルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018154916A
JP2018154916A JP2017233889A JP2017233889A JP2018154916A JP 2018154916 A JP2018154916 A JP 2018154916A JP 2017233889 A JP2017233889 A JP 2017233889A JP 2017233889 A JP2017233889 A JP 2017233889A JP 2018154916 A JP2018154916 A JP 2018154916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
aluminum alloy
treatment step
solution
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017233889A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7039272B2 (ja
Inventor
辰規 篠田
Tatsunori Shinoda
辰規 篠田
直貴 金子
Naotaka Kaneko
直貴 金子
剛 吉岡
Takeshi Yoshioka
剛 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to PCT/JP2018/032978 priority Critical patent/WO2019111468A1/ja
Priority to EP18885536.5A priority patent/EP3708693B1/en
Priority to CN201880070133.2A priority patent/CN111279005A/zh
Priority to KR1020207011660A priority patent/KR102409809B1/ko
Priority to US16/770,311 priority patent/US11951533B2/en
Publication of JP2018154916A publication Critical patent/JP2018154916A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7039272B2 publication Critical patent/JP7039272B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

【課題】得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びを向上させることができるアルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法を提供すること。【手段】アルミニウム、添加元素及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金であって添加元素が少なくともSi及びMgを含有するアルミニウム合金で構成される荒引線を形成する荒引線形成工程と、荒引線に対し、処理ステップを行うことにより、アルミニウム合金線を得る荒引線処理工程とを含み、処理ステップが、少なくとも1回の伸線処理ステップと、少なくとも1回の伸線処理ステップのうち、最後の伸線処理ステップの直前に行われ、アルミニウム及び添加元素の固溶体を形成した後、焼き入れ処理して第1溶体化材を形成する第1溶体化処理ステップと、最後の伸線処理ステップの直後に行われ、アルミニウム及び添加元素の固溶体を形成した後、焼き入れ処理して第2溶体化材を形成する第2溶体化処理ステップと、第2溶体化処理ステップの後に行われる時効処理ステップとを含む、アルミニウム合金線の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法に関する。
近年、ワイヤハーネスなどの電線の素線として、軽量化、耐屈曲性及び耐衝撃性を同時に満足させる観点から、銅線の代わりにアルミニウム合金からなるアルミニウム合金線が用いられるようになってきている。
このようなアルミニウム合金線の製造方法として、例えば下記特許文献1には、Si及びMgを含有するアルミニウム合金で構成されるワイヤロッド(荒引線)に対して、伸線加工及び溶体化工程を順次行った後、時効硬化処理工程を行う製造方法が開示されている。
特開2010−265509号公報
しかし、上記特許文献1に記載のアルミニウム合金線の製造方法は、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びの向上の点で改善の余地を有していた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びを向上させることができるアルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、以下の発明によって上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、アルミニウム、添加元素及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金であって前記添加元素が少なくともSi及びMgを含有するアルミニウム合金で構成される荒引線を形成する荒引線形成工程と、前記荒引線に対し、処理ステップを行うことにより、アルミニウム合金線を得る荒引線処理工程とを含み、前記処理ステップが、少なくとも1回の伸線処理ステップと、前記少なくとも1回の伸線処理ステップのうち、最後の伸線処理ステップの直前に行われ、前記アルミニウム及び前記添加元素の固溶体を形成した後、焼き入れ処理して第1溶体化材を形成する第1溶体化処理ステップと、前記最後の伸線処理ステップの直後に行われ、前記アルミニウム及び前記添加元素の固溶体を形成した後、焼き入れ処理して第2溶体化材を形成する第2溶体化処理ステップと、前記第2溶体化処理ステップの後に行われる時効処理ステップとを含む、アルミニウム合金線の製造方法である。
本発明のアルミニウム合金線の製造方法によれば、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びを向上させることができる。
なお、本発明者らは、本発明のアルミニウム合金線の製造方法によって上記の効果が得られる理由については以下のように推察している。
すなわち、本発明のアルミニウム合金線の製造方法では、荒引線に対して行われる処理ステップにおいて、少なくとも1回の伸線処理ステップのうち最後の伸線処理ステップの直前に第1溶体化処理ステップを行い、最後の伸線処理ステップの直後で第2溶体化処理ステップを行うことで、微細な結晶粒を有する第2溶体化材が得られるのではないかと考えられる。その結果、第2溶体化材の伸びを向上させることができるのではないかと考えられる。そして、この第2溶体化材を時効処理することで、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びを向上させることができるのではないかと本発明者らは推察している。
上記製造方法においては、前記アルミニウム合金中のSiの含有率が0.35質量%以上0.75質量%以下であり、前記アルミニウム合金中のMgの含有率が0.3質量%以上0.7質量%以下であり、前記アルミニウム合金中のFeの含有率が0.6質量%以下であり、前記アルミニウム合金中のCuの含有率が0.4質量%以下であり、前記アルミニウム合金中のTi、V及びBの合計含有率が0.06質量%以下であることが好ましい。
この場合、優れた引張強度と伸びとを両立でき、導電性に優れるアルミニウム合金線を得ることができる。
上記製造方法においては、前記第2溶体化処理ステップにおいて、前記固溶体の形成を、500〜600℃の温度で且つ10分間以下の条件で行うことが好ましい。
この場合、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びをより顕著に向上させることができる。
上記製造方法においては、前記第2溶体化処理ステップにおいて、前記固溶体の形成を、10秒間より長い時間行うことが好ましい。
この場合、得られるアルミニウム合金線において、より高い引張強さ及び伸びが得られる。
また本発明は、上記アルミニウム合金線の製造方法によってアルミニウム合金線を準備するアルミニウム合金線準備工程と、前記アルミニウム合金線を被覆層で被覆して電線を製造する電線製造工程とを含む、電線の製造方法である。
この電線の製造方法によれば、アルミニウム合金線準備工程により、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びを向上させることができる。このため、このようなアルミニウム合金線を被覆層で被覆して得られる電線は、屈曲や振動が加えられる動的な箇所(例えば自動車のドア部、又は自動車のエンジンの近傍)に配置される電線として有用である。
さらに本発明は、上記電線の製造方法によって電線を準備する電線準備工程と、前記電線を複数本用いてワイヤハーネスを製造するワイヤハーネス製造工程とを含む、ワイヤハーネスの製造方法である。
このワイヤハーネスの製造方法によれば、電線準備工程に含まれるアルミニウム合金線準備工程により、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びを向上させることができる。このため、このようなアルミニウム合金線を被覆層で被覆して得られる電線を含むワイヤハーネスは、屈曲や振動が加えられる動的な箇所(例えば自動車のドア部、又は自動車のエンジンの近傍)に配置されるワイヤハーネスとして有用である。
本発明によれば、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びを向上させることができるアルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[アルミニウム合金線の製造方法]
本発明は、アルミニウム、添加元素及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金であって添加元素が少なくともSi及びMgを含有するアルミニウム合金で構成される荒引線を形成する荒引線形成工程と、荒引線に対し、処理ステップを行うことにより、アルミニウム合金線を得る荒引線処理工程とを含む、アルミニウム合金線の製造方法である。処理ステップは、少なくとも1回の伸線処理ステップと、少なくとも1回の伸線処理ステップのうち、最後の伸線処理ステップの直前に行われ、アルミニウム及び添加元素の固溶体を形成した後、焼き入れ処理して第1溶体化材を形成する第1溶体化処理ステップと、最後の伸線処理ステップの直後に行われ、アルミニウム及び添加元素の固溶体を形成した後、焼き入れ処理して第2溶体化材を形成する第2溶体化処理ステップと、第2溶体化処理ステップの後に行われる時効処理ステップとを含む。
上記アルミニウム合金線の製造方法によれば、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びを向上させることができる。
次に、上述した荒引線形成工程及び荒引線処理工程について詳細に説明する。
<荒引線形成工程>
荒引線形成工程は、アルミニウム合金で構成される荒引線を形成する工程である。
(アルミニウム合金)
荒引線を構成するアルミニウム合金は、少なくともSi及びMgを添加元素として含有していればよいが、アルミニウム合金中のSiの含有率は0.35質量%以上0.75質量%以下であることが好ましい。この場合、Siの含有率が0.35質量%未満である場合と比べて、アルミニウム合金線において、優れた引張強度と伸びとを両立でき、Siの含有率が0.75質量%より多い場合と比べて、アルミニウム合金線が導電性に優れる。Siの含有率は好ましくは0.45質量%以上0.65質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上0.6質量%以下である。
上記アルミニウム合金中のMgの含有率は0.3質量%以上0.7質量%以下であることが好ましい。この場合、Mgの含有率が0.3質量%未満である場合と比べて、アルミニウム合金線において、優れた引張強度と伸びとを両立でき、Mgの含有率が0.7質量%より多い場合と比べて、アルミニウム合金線が導電性に優れる。Mgの含有率は好ましくは0.4質量%以上0.6質量%以下であり、より好ましくは0.45質量%以上0.55質量%以下である。
上記アルミニウム合金中のCuの含有率は0.4質量%以下であることが好ましい。この場合、Cuの含有率が0.4質量%より多い場合と比べて、アルミニウム合金線が導電性に優れる。Cuの含有率は好ましくは0.3質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以下である。但し、アルミニウム合金中のCuの含有率は0.1質量%以上であることが好ましい。
上記アルミニウム合金中のFeの含有率は0.6質量%以下であることが好ましい。この場合、Feの含有率が0.6質量%より多い場合と比べて、アルミニウム合金線が導電性に優れる。Feの含有率は好ましくは0.4質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以下である。但し、アルミニウム合金中のFeの含有率は0.1質量%以上であることが好ましい。
上記アルミニウム合金中のTi及びVの合計含有率は0.05質量%以下であることが好ましい。この場合、アルミニウム合金線が導電性に優れる。Ti及びVの合計含有率は好ましくは0.03質量%以下である。Ti及びVの合計含有率は0.05質量%以下であればよく、0質量%であってもよい。すなわち、Ti及びVの含有率がいずれも0質量%であってもよい。またTi及びVのうちTiの含有率のみが0質量%であってもよく、Vの含有率のみが0質量%であってもよい。但し、Ti及びVの合計含有率は0.005質量%以上であることが好ましい。
あるいは、上記アルミニウム合金中のTi、V及びBの合計含有率は0.06質量%以下であることが好ましい。この場合、アルミニウム合金線が導電性に優れる。Ti、V及びBの合計含有率は0.06質量%以下であればよく、0質量%であってもよい。すなわち、Ti、V及びBの含有率がいずれも0質量%であってもよい。また、Ti、V及びBのうち1つ又は2つの元素の含有率のみが0質量%であってもよい。但し、Ti、V及びBの合計含有率は0.010質量%以上であることが好ましい。
なお、Si、Fe、Cu及びMgの含有率、並びに、Ti及びVの合計含有率は、荒引線の質量を基準(100質量%)としたものである。また、不可避的不純物は、添加元素とは異なるものである。
(荒引線)
荒引線は、例えば上述したアルミニウム合金からなる溶湯に対し、連続鋳造圧延やビレット鋳造後の熱間押出し等を行うことにより得ることができる。
<荒引線処理工程>
荒引線処理工程は、荒引線に対し、処理ステップを行い、アルミニウム合金線を得る工程である。
上記処理ステップは、上述したように少なくとも1回の伸線処理ステップと、少なくとも1回の伸線処理ステップのうち最後の伸線処理ステップの直前に行われ、アルミニウム及び添加元素の固溶体を形成した後、焼き入れ処理して第1溶体化材を形成する第1溶体化処理ステップと、最後の伸線処理ステップの直後に行われ、アルミニウム及び添加元素の固溶体を形成した後、焼き入れ処理して第2溶体化材を形成する第2溶体化処理ステップと、第2溶体化処理ステップの後に行われる時効処理ステップとを含む。
処理ステップの手順の具体的な態様としては、例えば以下のものが挙げられる。
(1)第1溶体化処理ステップ→伸線処理ステップ→第2溶体化処理ステップ→時効処理ステップ
(2)伸線処理ステップ→第1溶体化処理ステップ→最後の伸線処理ステップ→第2溶体化処理ステップ→時効処理ステップ
(3)伸線処理ステップ→通常熱処理ステップ→伸線処理ステップ→第1溶体化処理ステップ→最後の伸線処理ステップ→第2溶体化処理ステップ→時効処理ステップ
以下、伸線処理ステップ、第1溶体化処理ステップ、第2溶体化処理ステップ及び時効処理ステップについて詳細に説明する。
<伸線処理ステップ>
伸線処理ステップは、荒引線、荒引線を伸線して得られる伸線材、又は伸線材をさらに伸線して得られる伸線材(以下、「荒引線」、「荒引線を伸線して得られる伸線材」、又は「伸線材をさらに伸線して得られる伸線材」をまとめて「線材」と呼ぶ)などの径を低減させるステップである。伸線処理ステップは、熱間伸線であっても冷間伸線であってもよいが、通常は冷間伸線である。
伸線処理ステップは、複数回行われてもよいし、1回だけ行われてもよいが、伸線処理ステップは、複数回行われることが好ましい。伸線処理ステップのうち、最後の伸線処理ステップで得られる線材(以下、「最終線材」と呼ぶ)の線径は、特に限定されるものではないが、本発明の製造方法は、最終線径が0.5mm以下である場合でも有効である。但し、最終線材の線径は、0.1mm以上であることが好ましい。
<第1溶体化処理ステップ>
第1溶体化処理ステップは、最後の伸線処理ステップの直前に行われ、アルミニウム及び添加元素の固溶体を形成した後、焼き入れ処理して第1溶体化材を形成するステップである。ここで、固溶体の形成は、線材を高温に加熱して熱処理することにより、アルミニウム中に溶け込んでいない添加元素をアルミニウムに溶け込ませることで行われる。
焼き入れ処理は、固溶体を形成した後に線材に対して行われる急冷処理である。線材の急冷処理は、線材を自然冷却する場合と比べて、アルミニウム中に溶け込んだ添加元素が冷却中に析出することを抑制するために行われる。ここで、急冷とは、100K/min以上の冷却速度で冷却することを言う。
第1溶体化処理ステップにおいて、固溶体を形成する際の熱処理温度は、アルミニウム中に溶け込んでいない添加元素をアルミニウム中に溶け込ませることができる温度であれば特に制限されるものではないが、450℃以上であることが好ましい。この場合、熱処理温度が450℃未満である場合と比べて、添加元素をより十分にアルミニウム中に溶け込ませることができる。固溶体を形成する際の熱処理温度は500℃以上であることがより好ましい。但し、固溶体を形成する際の熱処理温度は600℃以下であることが好ましい。この場合、熱処理温度が600℃より高い場合と比べて、線材が部分的に溶解することをより十分に抑制できる。固溶体を形成する際の熱処理温度は、550℃以下であることがより好ましい。
固溶体を形成する際の熱処理時間は、特に制限されるものではないが、アルミニウム中に溶け込んでいない添加元素をアルミニウム中に十分に溶け込ませる観点からは、1時間以上であることが好ましい。但し、熱処理時間は、5時間超処理してもあまり効果が変わらないため、生産性を向上させるという理由からは、5時間以下であることが好ましい。
焼き入れ処理における線材の冷却速度は、急冷となる冷却速度であれば特に制限されるものではないが、200K/min以上であることが好ましい。この場合、得られるアルミニウム合金線において、より高い引張強さ及び伸びが得られる。
急冷は例えば液体を用いて行うことができる。このような液体としては、水又は液体窒素などを用いることができる。
<第2溶体化処理ステップ>
第2溶体化処理ステップは、処理ステップにおける最後の伸線処理ステップの直後に行われ、アルミニウム及び添加元素の固溶体を形成した後、焼き入れ処理して第2溶体化材を形成するステップである。ここで、固溶体の形成は、最終線材を高温に加熱して熱処理することにより、アルミニウム中に溶け込んでいない添加元素をアルミニウム中に溶け込ませることで行われる。
焼き入れ処理は、固溶体を形成した後に最終線材に対して行われる急冷処理である。最終線材の急冷処理は、最終線材を自然冷却する場合と比べて、アルミニウム中に溶け込んだ添加元素が冷却中に析出することを抑制するために行われる。ここで、急冷とは、100K/min以上の冷却速度で冷却することを言う。
第2溶体化処理ステップにおいて、固溶体を形成する際の熱処理温度は、アルミニウム中に溶け込んでいない添加元素をアルミニウム中に溶け込ませることができる温度であれば特に制限されるものではないが、450℃以上であることが好ましい。この場合、熱処理温度が450℃未満である場合と比べて、添加元素をアルミニウム中に溶け込ませることができる。固溶体を形成する際の熱処理温度は、500℃以上であることがより好ましい。但し、固溶体を形成する際の熱処理温度は650℃以下であることが好ましい。この場合、熱処理温度が650℃より高い場合と比べて、最終線材が部分的に溶解することをより十分に抑制できる。固溶体を形成する際の熱処理温度は、600℃以下であることがより好ましい。固溶体を形成する際の熱処理温度は、第1溶体化処理ステップにおける熱処理温度と同じ温度であってもよいし、異なる温度であってもよい。
また固溶体を形成する際の熱処理時間は、特に限定されるものではないが、3時間以下であることが好ましく、10分以下であることがより好ましい。この場合、固溶体を形成する際の熱処理時間が10分を超える場合と比べて、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びをより向上させることができる。但し、固溶体を形成する際の熱処理時間は、10秒より長い時間であることが好ましい。この場合、得られるアルミニウム合金線において、より高い引張強さ及び伸びが得られる。固溶体を形成する際の熱処理時間は、1分以上であることがより好ましい。
固溶体の形成は、500〜600℃の温度で且つ10分間以下の条件で行われることが好ましい。この場合、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びをより顕著に向上させることができる。但し、固溶体の形成は、500〜600℃の温度で且つ10秒より長い時間行われることがより好ましい。この場合、得られるアルミニウム合金線において、より高い引張強さ及び伸びが得られる。
焼き入れ処理における最終線材の冷却速度は、急冷となる冷却速度であれば特に限定されるものではないが、200K/min以上であることが好ましい。この場合、得られるアルミニウム合金線において、より高い引張強さ及び伸びが得られる。第2溶体化処理ステップにおける焼き入れ処理における冷却速度は、第1溶体化処理ステップの焼き入れ処理における冷却速度と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、第2溶体化処理ステップでは、最終線材に対して溶体化処理が行われるとともに、最後の伸線処理ステップで最終線材に生じたひずみを除去することが可能となる。
<時効処理ステップ>
時効処理ステップは、最終線材を構成するアルミニウム合金中に析出物を形成させることにより、最終線材の時効処理を行うステップである。析出物としては、例えば添加元素(例えばSi及びMg)を含む化合物などが挙げられる。具体的には析出物としては、MgSiが挙げられる。
時効処理ステップにおいては、最終線材を300℃以下で熱処理することが好ましい。この場合、熱処理温度が300℃を超える場合に比べて、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びをより向上させることができる。但し、時効処理ステップにおける最終線材の熱処理温度は、120℃以上であることが好ましい。この場合、熱処理温度が120℃未満である場合と比べて、最終線材を短時間で効率よく時効硬化させることができる。
時効処理ステップにおける熱処理時間は3時間以上であることが好ましい。この場合、最終線材の熱処理を3時間未満行う場合に比べて、得られるアルミニウム合金線において、伸び及び導電性がより向上する。但し、熱処理時間は18時間以下であることが好ましい。
<その他>
上記処理ステップは、第1溶体化処理ステップの前に、伸線処理ステップを行う場合には、その伸線処理ステップと第1溶体化処理ステップとの間に、線材を熱処理する通常熱処理ステップをさらに含むことが好ましい。この場合、通常熱処理ステップによって、伸線処理ステップで生じた歪みを除去することが可能となる。ここで、通常熱処理ステップとは、溶体化を行わない熱処理ステップ(非溶体化処理ステップ)のことを言い、具体的には、線材を熱処理した後、徐冷(例えば自然冷却)するステップを言う。徐冷とは、100K/min未満の冷却速度で冷却することを言う。
通常熱処理ステップにおける熱処理温度は特に制限されるものではないが、通常は100〜400℃であり、好ましくは200〜400℃である。
また、通常熱処理ステップにおける熱処理時間は、熱処理温度にも依存するので一概には言えないが、通常は1〜20時間である。
[電線の製造方法]
本発明の電線の製造方法は、上述したアルミニウム合金線の製造方法によってアルミニウム合金線を準備するアルミニウム合金線準備工程と、アルミニウム合金線を被覆層で被覆して電線を製造する電線製造工程とを含む電線の製造方法である。
本発明の電線の製造方法によれば、アルミニウム合金線準備工程により、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びを向上させることができる。このため、このようなアルミニウム合金線を被覆層で被覆して得られる電線は、屈曲や振動が加えられる動的な箇所(例えば自動車のドア部、又は自動車のエンジンの近傍)に配置される電線として有用である。
<アルミニウム合金線準備工程>
アルミニウム合金線準備工程は、上記アルミニウム合金線の製造方法によって、アルミニウム合金線を準備する工程である。
<電線製造工程>
電線製造工程は、上記アルミニウム合金線準備工程で準備したアルミニウム合金線を被覆層で被覆して電線を製造する工程である。
(被覆層)
被覆層は、特に限定されるものではないが、例えばポリ塩化ビニル樹脂や、ポリオレフィン樹脂に難燃剤等を添加してなる難燃性樹脂組成物などの絶縁材で構成される。
被覆層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば0.1〜1mmである。
被覆層をアルミニウム合金線に被覆する方法は、特に限定されるものではないが、例えばテープ状に成型した被覆層をアルミニウム合金線に巻き付ける方法、及び、アルミニウム合金線に押出被覆する方法が挙げられる。
[ワイヤハーネスの製造方法]
本発明のワイヤハーネスの製造方法は、上記電線の製造方法によって電線を準備する電線準備工程と、電線を複数本用いてワイヤハーネスを製造するワイヤハーネス製造工程とを含むワイヤハーネスの製造方法である。
本発明のワイヤハーネスの製造方法によれば、電線準備工程に含まれるアルミニウム合金線準備工程により、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びを向上させることができる。このため、このようなアルミニウム合金線を被覆層で被覆して得られる電線を含むワイヤハーネスは、屈曲や振動が加えられる動的な箇所(例えば自動車のドア部、又は自動車のエンジンの近傍)に配置されるワイヤハーネスとして有用である。
<ワイヤハーネス製造工程>
ワイヤハーネス製造工程は、電線準備工程で準備した電線を複数本用いてワイヤハーネスを製造する工程である。
ワイヤハーネス製造工程においては、すべての電線が異なる線径を有していてもよいし、同じ線径を有していてもよい。
また、ワイヤハーネス製造工程においては、すべての電線が異なる組成のアルミニウム合金で構成されていてもよいし、同じ組成のアルミニウム合金で構成されていてもよい。
また、ワイヤハーネス製造工程において用いる電線の本数は、2本以上であれば特に限定されるものではないが、200本以下であることが好ましい。
以下、本発明の内容を実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜26及び比較例1〜26)
Si、Fe、Mg、Cu、Ti、V及びBを表1及び表2に示す含有率(単位:質量%)となるようにアルミニウムとともに溶解し、直径25mmの鋳型に流し込むことで線径25mmのアルミニウム合金を鋳造した。こうして得られたアルミニウム合金について、スウェージングマシン(吉田記念社製)によって線径9.5mmとなるようにスウェージング加工を行った後、270℃、8時間で熱処理することで線径9.5mmの荒引線を得た。こうして得られた荒引線に対し、下記の処理ステップA1〜A9及びB1〜B9のうち表1及び表2に示す処理ステップを行うことにより、アルミニウム合金線を得た。
なお、表1及び表2においては、処理ステップの種類、最後の伸線処理ステップ直前の熱処理の種類及び条件、最後の伸線処理ステップ直後の溶体化処理の条件、並びに、時効処理の条件についても示した。
また、下記処理ステップA1〜A9の最後の伸線処理ステップの直前の第1溶体化処理ステップでは、アルミニウム及び添加元素の固溶体を形成した後、水冷による焼き入れ処理を行った。このときの焼き入れ処理の冷却速度は800K/minとした。また下記の処理ステップA1〜A9及びB1〜B9の最後の伸線処理ステップの直後の第2溶体化処理でも、アルミニウム及び添加元素の固溶体を形成した後、水冷による焼き入れ処理を行った。このときの焼き入れ処理の冷却速度は800K/minとした。また、下記の処理ステップA1〜A9及びB1〜B9における「通常熱処理」とは、溶体化処理ではない熱処理を言う。

(処理ステップA1)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→550℃×3時間で溶体化処理(第1溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×3時間で溶体化処理(第2溶体化処理ステップ)
→150℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップA2)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→550℃×3時間で溶体化処理(第1溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×1分間で溶体化処理(第2溶体化処理ステップ)
→150℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップA3)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.0mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→530℃×3時間で溶体化処理(第1溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×3時間で溶体化処理(第2溶体化処理ステップ)
→150℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップA4)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.0mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→530℃×3時間で溶体化処理(第1溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×1分間で溶体化処理(第2溶体化処理ステップ)
→150℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップA5)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→550℃×3時間で溶体化処理(第1溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×1分間で溶体化処理(第2溶体化処理ステップ)
→140℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップA6)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→550℃×3時間で溶体化処理(第1溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×1分間で溶体化処理(第2溶体化処理ステップ)
→120℃×24時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップA7)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→550℃×3時間で溶体化処理(第1溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×4秒間で溶体化処理(第2溶体化処理ステップ)
→140℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップA8)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→550℃×3時間で溶体化処理(第1溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×12秒間で溶体化処理(第2溶体化処理ステップ)
→140℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップA9)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→550℃×3時間で溶体化処理(第1溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×8分間で溶体化処理(第2溶体化処理ステップ)
→140℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップB1)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×3時間で溶体化処理
→150℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップB2)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×1分間で溶体化処理
→150℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップB3)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.0mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×3時間で溶体化処理
→150℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップB4)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.0mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×1分間で溶体化処理
→150℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップB5)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×1分間で溶体化処理
→140℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップB6)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×1分間で溶体化処理
→120℃×24時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップB7)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×4秒間で溶体化処理
→150℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップB8)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×12秒間で溶体化処理
→150℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
(処理ステップB9)
線径3.1mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径1.2mmまで伸線(伸線処理ステップ)
→270℃×8時間で通常熱処理(非溶体化処理ステップ)
→線径0.33mmまで伸線(最後の伸線処理ステップ)
→550℃×8分間で溶体化処理
→150℃×8時間で時効処理(時効処理ステップ)
[特性評価]
(引張強度及び伸び)
実施例1〜26及び比較例1〜26のアルミニウム合金線について、JIS C3002に準拠した引張試験による引張強度及び伸びを測定した。結果を表1及び表2に示す。

また、比較例1〜26の引張強さ及び伸びを100とし、比較例1〜26の引張強さ及び伸びに対する実施例1〜26の引張強さ及び伸びの相対値も併記した。ここで、実施例1〜26の引張強さ及び伸びの相対値はそれぞれ、表1及び表2において、実施例のすぐ下に配置されている比較例の引張強さ及び伸びを100としたときの相対値である。結果を表1及び表2に示す。

Figure 2018154916
Figure 2018154916
表1及び表2に示す結果より、本発明のアルミニウム合金線の製造方法によれば、得られるアルミニウム合金線の引張強度及び伸びを向上させることができることが確認された。

Claims (6)

  1. アルミニウム、添加元素及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金であって前記添加元素が少なくともSi及びMgを含有するアルミニウム合金で構成される荒引線を形成する荒引線形成工程と、
    前記荒引線に対し、処理ステップを行うことにより、アルミニウム合金線を得る荒引線処理工程とを含み、
    前記処理ステップが、
    少なくとも1回の伸線処理ステップと、
    前記少なくとも1回の伸線処理ステップのうち、最後の伸線処理ステップの直前に行われ、前記アルミニウム及び前記添加元素の固溶体を形成した後、焼き入れ処理して第1溶体化材を形成する第1溶体化処理ステップと、
    前記最後の伸線処理ステップの直後に行われ、前記アルミニウム及び前記添加元素の固溶体を形成した後、焼き入れ処理して第2溶体化材を形成する第2溶体化処理ステップと、
    前記第2溶体化処理ステップの後に行われる時効処理ステップとを含む、アルミニウム合金線の製造方法。
  2. 前記アルミニウム合金中のSiの含有率が0.35質量%以上0.75質量%以下であり、
    前記アルミニウム合金中のMgの含有率が0.3質量%以上0.7質量%以下であり、
    前記アルミニウム合金中のFeの含有率が0.6質量%以下であり、
    前記アルミニウム合金中のCuの含有率が0.4質量%以下であり、
    前記アルミニウム合金中のTi、V及びBの合計含有率が0.06質量%以下である、請求項1に記載のアルミニウム合金線の製造方法。
  3. 前記第2溶体化処理ステップにおいて、前記固溶体の形成を、500〜600℃の温度で且つ10分間以下の条件で行う、請求項1又は2に記載のアルミニウム合金線の製造方法。
  4. 前記第2溶体化処理ステップにおいて、前記固溶体の形成を、10秒間より長い時間行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルミニウム合金線の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルミニウム合金線の製造方法によってアルミニウム合金線を準備するアルミニウム合金線準備工程と、
    前記アルミニウム合金線を被覆層で被覆して電線を製造する電線製造工程とを含む、電線の製造方法。
  6. 請求項5に記載の電線の製造方法によって電線を準備する電線準備工程と、
    前記電線を複数本用いてワイヤハーネスを製造するワイヤハーネス製造工程とを含む、ワイヤハーネスの製造方法。
JP2017233889A 2017-03-15 2017-12-06 アルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法 Active JP7039272B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2018/032978 WO2019111468A1 (ja) 2017-12-06 2018-09-06 アルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法
EP18885536.5A EP3708693B1 (en) 2017-12-06 2018-09-06 Method for manufacturing aluminum alloy wire, method for manufacturing electrical wire using same, and method for manufacturing wire harness
CN201880070133.2A CN111279005A (zh) 2017-12-06 2018-09-06 铝合金线的制造方法、使用该铝合金线的电线的制造方法以及线束的制造方法
KR1020207011660A KR102409809B1 (ko) 2017-12-06 2018-09-06 알루미늄 합금선의 제조 방법, 이것을 사용한 전선의 제조 방법 및 와이어 하니스의 제조 방법
US16/770,311 US11951533B2 (en) 2017-12-06 2018-09-06 Method of manufacturing aluminum alloy wire, method of manufacturing electric wire and method of manufacturing wire harness using the same

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017049378 2017-03-15
JP2017049378 2017-03-15

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018154916A true JP2018154916A (ja) 2018-10-04
JP7039272B2 JP7039272B2 (ja) 2022-03-22

Family

ID=63717128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017233889A Active JP7039272B2 (ja) 2017-03-15 2017-12-06 アルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7039272B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020186449A (ja) * 2019-05-16 2020-11-19 株式会社フジクラ アルミニウム合金導電線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011052644A1 (ja) * 2009-10-30 2011-05-05 住友電気工業株式会社 アルミニウム合金線
JP2012229485A (ja) * 2011-04-11 2012-11-22 Sumitomo Electric Ind Ltd アルミニウム合金線
WO2016047617A1 (ja) * 2014-09-22 2016-03-31 古河電気工業株式会社 アルミニウム合金線材、アルミニウム合金撚線、被覆電線、ワイヤーハーネスおよびアルミニウム合金線材の製造方法
JP2017218645A (ja) * 2016-06-09 2017-12-14 矢崎総業株式会社 アルミニウム合金電線及びそれを用いた自動車用ワイヤーハーネス

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011052644A1 (ja) * 2009-10-30 2011-05-05 住友電気工業株式会社 アルミニウム合金線
JP2012229485A (ja) * 2011-04-11 2012-11-22 Sumitomo Electric Ind Ltd アルミニウム合金線
WO2016047617A1 (ja) * 2014-09-22 2016-03-31 古河電気工業株式会社 アルミニウム合金線材、アルミニウム合金撚線、被覆電線、ワイヤーハーネスおよびアルミニウム合金線材の製造方法
JP2017218645A (ja) * 2016-06-09 2017-12-14 矢崎総業株式会社 アルミニウム合金電線及びそれを用いた自動車用ワイヤーハーネス

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020186449A (ja) * 2019-05-16 2020-11-19 株式会社フジクラ アルミニウム合金導電線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7039272B2 (ja) 2022-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101813772B1 (ko) 알루미늄 합금 도체, 알루미늄 합금 연선, 피복 전선, 와이어하네스 및 알루미늄 합금 도체의 제조 방법
JP6534809B2 (ja) アルミニウム合金線材、アルミニウム合金撚線、被覆電線、ワイヤーハーネス、並びにアルミニウム合金線材およびアルミニウム合金撚線の製造方法
JP6240424B2 (ja) Al合金導電線の製造方法
JP4279203B2 (ja) 自動車の導電線用アルミニウム合金
KR20160100922A (ko) 구리 합금 선, 구리 합금 연선, 전선, 단자 부착 전선, 및 구리 합금 선의 제조 방법
WO2015129457A1 (ja) 銅合金撚線およびその製造方法、自動車用電線
JP6686293B2 (ja) 銅合金線、銅合金撚線、被覆電線およびワイヤーハーネス
JP6243875B2 (ja) アルミニウム合金線の製造方法及びアルミニウム合金線
JP5486870B2 (ja) アルミニウム合金電線の製造方法
KR102409809B1 (ko) 알루미늄 합금선의 제조 방법, 이것을 사용한 전선의 제조 방법 및 와이어 하니스의 제조 방법
WO2018168178A1 (ja) アルミニウム合金線、これを用いた電線及びワイヤハーネス
WO2011071097A1 (ja) 送電体及びその製造方法
JP7039272B2 (ja) アルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法
JP7058115B2 (ja) アルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法
JP6635732B2 (ja) アルミニウム合金導電線の製造方法、アルミニウム合金導電線、これを用いた電線及びワイヤハーネス
JP6643886B2 (ja) アルミニウム合金導電線、これを用いた電線、ワイヤハーネス及びアルミニウム合金導電線の製造方法
JP7080174B2 (ja) アルミニウム合金線、架空送電線、及びアルミニウム合金線の製造方法
JP6853872B2 (ja) アルミニウム合金導電線の製造方法、アルミニウム合金導電線、これを用いた電線及びワイヤハーネス
JP2020050901A (ja) アルミニウム合金電線の製造方法、アルミニウム合金電線及びワイヤーハーネス
JP6629016B2 (ja) アルミニウム合金導電線、これを用いた電線、ワイヤハーネス及びアルミニウム合金導電線の製造方法
JP2019104968A (ja) アルミニウム合金線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法
JPS6220274B2 (ja)
JP2001181811A (ja) クロム・ジルコニウム系銅合金線の製造方法
JP2020186450A (ja) アルミニウム合金撚線の製造方法、これを用いた電線の製造方法及びワイヤハーネスの製造方法
JP2008264823A (ja) 銅荒引線の製造方法及び銅線

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200615

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20200731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211013

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220309

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7039272

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151