JP5486870B2 - アルミニウム合金電線の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム合金を芯線とし、この芯線を絶縁被覆した構造のアルミニウム合金電線の製造方法に関する。
アルミニウム合金は、銅や銅合金よりも密度が小さく、単位長さ当たりの重量が小さい。従って、アルミニウム合金を電線の芯線として用いることにより、車両用ワイヤハーネス等の配線を軽量化することができる。このような要求に対応するため、特許文献1及び2には、アルミニウム合金を用いて導線を製造する方法が記載されている。この導線の製造方法は、MgやMn、その他の金属を含有したアルミニウム合金を溶解し、溶解した溶湯から荒引き線を作成し、この荒引き線を伸線加工するものである。かかる方法は、特定の配合比のアルミニウム合金を用いて裸の導線(芯線)を製造するものであり、被覆電線への製造の手順や条件は、従来より公知の方法が用いられている。
芯線が絶縁体に被覆された被覆電線をアルミニウム合金により製造する従来の工程は、以下のようにして行われている。
まず、アルミニウム合金を鋳造及び熱間圧延した後、伸線加工によって荒引き線を形成する。次に、荒引き線を伸線加工して細径の素線を形成し、この素線を焼鈍処理した後、撚り線加工して撚り線とする。この撚り線を押出型から押し出されている絶縁体によって被覆して被覆電線を形成する。この場合、荒引き加工の後、伸線加工の前においては、必要に応じて中間熱処理が行われる。中間熱処理は、荒引き加工後における長時間放置によって低下した耐力を補強するための処理である。
このような製造は、図2に示すように、鋳造→熱間圧延加工→荒引き線加工(伸線加工)→(必要に応じた中間熱処理)→素線への伸線加工→焼鈍処理→撚り線加工→絶縁体被覆の手順で行われる。
上記手順に対し、素線を形成した後、撚り線加工を施し、この撚り線を焼鈍処理した後、絶縁体によって被覆する工程によっても行われる。この場合の製造は、図3に示すように、鋳造→熱間圧延加工→荒引き線加工(伸線加工)→(必要に応じた中間熱処理)→素線への伸線加工→撚り線加工→焼鈍処理→絶縁体被覆の手順で行われるものである。この場合においても、荒引き加工の後、伸線加工の前においては、耐力補強ための中間熱処理が必要に応じて行われる。
以上の手順における焼鈍処理は、素線や撚り線の伸びを確保して配線や曲げ等の後工程での作業性を向上させるために行う。焼鈍処理は、以下の条件で行われる。
一般的な焼鈍として、圧延及び伸線工程での加工組織を回復させ、伸び及び導電率を向上させる。酸化を防止するため、水蒸気などの非酸化雰囲気で行い、アルミの場合、300℃程で行われる。
特開2006−176832号公報 特開2006−176833号公報
アルミニウム合金を用いた従来の電線の製造方法においては、焼鈍工程が必須となっている。焼鈍工程を備える分、製造工程が複雑となって簡素化ができず、コストアップとなっている。焼鈍においては、ジュール熱による連続焼鈍を行うことも可能であるが、アルミニウム合金の表面の自然酸化膜が電気抵抗となるため、安定した焼鈍が難しい問題がある。
そこで、本発明は、製造工程を簡素化することが可能なアルミニウム合金電線の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、所定の配合率の組成からなるアルミニウム合金から荒引き線を形成する工程と、前記荒引き線を伸線加工する工程と、この伸線加工された素線を撚り合わせて撚り線に加工する工程と、前記撚り線に対して所定の温度の熱エネルギーを付与しながら前記撚り線を絶縁体で被覆する工程とを備えており、前記アルミニウム合金は、Mgを0.5〜10.0重量%含有し、残部が主成分であるAlと不可避不純物で構成されており、前記熱エネルギーの温度は、80℃〜300℃であり、前記荒引き線径は8〜15mmであり、前記伸線加工された素線を撚り合わせて撚り線に加工する工程は、撚り線の導体断面積を0.03〜10Sqにする工程であり、前記撚り線を絶縁体で被覆する工程では、絶縁体が撚り線に接触することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、所定の配合率の組成からなるアルミニウム合金から荒引き線を形成する工程と、前記荒引き線を伸線加工する工程と、この伸線加工された素線を撚り合わせて撚り線に加工する工程と、前記撚り線に対して所定の温度の熱エネルギーを付与しながら前記撚り線を絶縁体で被覆する工程とを備えており、前記アルミニウム合金は、Mgを0.5〜10.0重量%、Mnを0〜1.5重量%、Crを0〜0.35重量%含有し、残部が主成分であるAlと不可避不純物で構成されており、前記熱エネルギーの温度は、80℃〜300℃であり、前記荒引き線径は8〜15mmであり、前記伸線加工された素線を撚り合わせて撚り線に加工する工程は、撚り線の導体断面積を0.03〜10Sqにする工程であり、前記撚り線を絶縁体で被覆する工程では、絶縁体が撚り線に接触することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、所定の配合率の組成からなるアルミニウム合金から荒引き線を形成する工程と、前記荒引き線を伸線加工する工程と、この伸線加工された素線を撚り合わせて撚り線に加工する工程と、前記撚り線に対して所定の温度の熱エネルギーを付与しながら前記撚り線を絶縁体で被覆する工程とを備えており、前記アルミニウム合金は、Mgを0.5〜6.0重量%含有し、残部が主成分であるAlと、Si、Fe、Cu、Mn、Cr、Zn、Tiの少なくとも1種以上の元素と、不可避不純物で構成されており、
前記熱エネルギーの温度は、80℃〜300℃であり、前記荒引き線径は8〜15mmであり、前記伸線加工された素線を撚り合わせて撚り線に加工する工程は、撚り線の導体断面積を0.03〜10Sqにする工程であり、前記撚り線を絶縁体で被覆する工程では、絶縁体が撚り線に接触する
請求項4記載の発明は、請求項3に記載のアルミニウム合金電線の製造方法であって、前記少なくとも1種以上の元素の配合率は、前記Siを0〜0.45重量%、前記Feを0〜0.7重量%、前記Cuを0〜0.25重量%、前記Mnを0〜1.5重量%、前記Crを0〜0.35重量%、前記Znを0〜0.25重量%、前記Tiを0〜0.2重量%含有することを特徴とする。
本発明におけるアルミニウム合金電線の製造方法によれば、アルミニウム合金からなる撚り線に対して、絶縁体を被覆する際に所定の温度の熱エネルギーを付与しながら行うので、熱エネルギーが撚り線に作用して200MPaの引張強さを有したものとなる。このため、配線等の際に要求される曲げや伸びに対しても十分対応することができ、純アルミニウムからなる電線と比較して強度が大きく、屈曲性に優れたものとなる。また、強度が大きいため、細い径の電線することができる。このような本発明では、焼鈍工程が不要となるため、工程を簡素化することができる。
本発明の一実施形態の製造工程のフローチャートである。 従来の製造工程のフローチャートである。 従来の別の製造工程のフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を具体的に説明する。本発明の一実施形態におけるアルミニウム合金電線の製造方法は、所定の配合率の組成からなるアルミニウム合金から荒引き線を形成する工程と、荒引き線を所定の太さに伸線加工する工程と、伸線加工された素線を撚り合わせて撚り線に加工する工程と、撚り線に対して所定の温度の熱エネルギーを付与しながら撚り線を絶縁体で被覆する工程とを備えている。
また、アルミニウム合金(1)は、Mgを0.5〜10.0重量%含有し、残部が主成分であるAlと不可避不純物で構成される。
また、アルミニウム合金(2)は、Mgを0.5〜10.0重量%、Mnを0〜1.5重量%、Crを0〜0.35重量%含有し、残部が主成分であるAlと不可避不純物で構成される。
本発明においては、アルミニウム合金を鋳造・熱間圧延して荒引き線加工を行い、所定の径の荒引き線を形成する。荒引き線の径は、特に限定されることなく、例えば、φ3mm、φ9mmなどの任意の径とすることができる。
荒引き線を形成した後、ダイスを用いた冷間加工によって伸線加工して素線を形成する。素線の径は、φ0.1〜1.0mmの範囲で適宜調整することができる。伸線加工は、アルミニウム合金の強度、得られる加工硬化度、ダイスの形状、用いる伸線油の潤滑性によってその条件が決定される。
冷間加工によって荒引き線から素線を形成する際には、適宜、中間熱処理を行うことができる。Mg、MnやCrを多く含有する合金は、伸線性が悪く、断線することがあり、伸線時の断線を防止するために中間熱処理を行うものである。中間熱処理は、ダイスリダクションが20〜30%、鉱物油を伸線油として使用する場合、300〜450℃の加熱を1〜5時間行うことによりなされる。中間熱処理の回数は、伸線性との関係によって設定することができ、1〜3回程度の範囲で選択できる。中間熱処理の後、さらに伸線加工を行って素線とする。なお、断線がない場合には、中間熱処理が不要であり、中間熱処理の省略によって工程を簡素化できる。
伸線を冷間加工によって行うことにより、素線が加工硬化される。そして、伸線加工によって得られた素線に対しては、撚り装置を用いて撚り線加工を行い、撚り線を形成する。撚り線加工に際しては、適宜本数の素線を束ねた状態でこれらに撚り力を作用させる。撚り加工においては、前工程の伸線加工の際に、伸線に加工硬度が付与されているため、伸線の強度が大きくなっており、径の細い素線であっても作業性が向上する。
撚り線加工の後、撚り線に対して絶縁体を被覆する。絶縁体としては、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ナイロン(商品名)等のアミド樹脂などの絶縁性を有した熱可塑性樹脂が選択される。これらの樹脂は、熱溶融された軟化状態で押出型から押し出され、この押出しの際に素線の外周を覆う。これにより、アルミニウム合金を芯線とした被覆電線を形成することができる。
絶縁体の被覆に際しては、加熱状態の絶縁体が撚り線に接触する。加熱状態の絶縁体への接触によって、撚り線に対して熱エネルギーが付与される。この熱エネルギーの付与により、引張強さの大きな撚り線(素線)とすることができ、安定化する。すなわち、絶縁体を被覆する際には、安定化処理が同時に行われ、引張強さが大きくなるものである。
安定化処理は、撚り線または素線に対して200MPa以上の引張強さが付与されるように行われる。引張強さが200MPa以上となることにより、曲げや伸びに対して撚り線や素線が十分に対抗することができ、曲げや伸びに際しての断線をなくすことができる。安定化処理の温度は、撚り線の径、用いる絶縁体の軟化温度やアルミニウム合金の配合比、接触時間等によって適宜、調整される。この安定化処理としては、300℃以下が良好であり、80〜300℃の範囲がさらに良好であり、130〜170℃の範囲が最も良好である。
図1は、上記製造方法のフローチャートを示し、鋳造→熱間圧延→荒引き線への伸線加工→素線への伸線加工→撚り線加工→絶縁体被覆によって工程が終了する絶縁体被覆の際には、絶縁体からの熱エネルギーにより安定化処理が行われる。荒引き線への伸線加工及び素線への伸線加工の間には、必要に応じて上述した中間熱処理を挿入することができる。
以上の本実施形態においては、絶縁体の被覆に伴う安定化処理により、200MPa以上の引張強さが付与されるため、従来のような焼鈍処理が不要となる。また、この実施形態のアルミニウム合金においては、25%IACS以上の導電率を有しているため、純アルミニウムからなる電線と同様な導電率を有した電線とすることができる。このように、焼鈍処理が不要となることから、製造工程を簡素化することができる。
また、大きな引張強さを有し、かつ高強度であるため、径の細い電線とすることができる。このため、0.03〜10.0sqの断面積の細い素線まで伸線加工するとができる。このため、軽量な細径電線を製造することが可能となり、配線の軽量化が可能となる。
次に、本発明の製造方法に用いるアルミニウム合金の組成について説明する。
本実施例のアルミニウム合金(1)は、Mgを0.5〜10.0重量%含有し、残部が主成分であるAlと不可避不純物で構成される。
また、アルミニウム合金(2)は、Mgを0.5〜10.0重量%、Mnを0〜1.3重量%、Crを0〜0.15重量%含有し、残部が主成分であるAlと不可避不純物で構成される。
さらに、アルミニウム合金(3)は、Mgを0.5〜6.0重量%含有し、残部が主成分であるAlと、Si、Fe、Cu、Mn、Cr、Zn、Tiの少なくとも1種以上の元素と、不可避不純物で構成され、少なくとも1種以上の元素の配合率は、Siを0〜0.4重量%、Feを0〜0.5重量%、Cuを0〜0.25重量%、Mnを0〜1.5重量%、Crを0〜0.35重量%、Znを0〜0.25重量%、Tiを0〜0.2重量%含有する。
上記の配合率(2)のアルミニウム合金において、上述したように、素線への伸線加工の際の冷間加工においては、アルミニウム合金が加工硬化されるが、室温で放置されることによりアルミニウム合金は時効軟化する。時効軟化は、過密となった転位の緩和過程やすべり線上へのβ相の析出により起こるものであり、Mg量が多いと時効軟化しやすい傾向となる。Mgは導電率に関与する金属であり、0.5〜10.0重量%の範囲の配合率で配合される。Mgが0.5重量%未満では、安定化処理の効果がほとんど付与されない。一方、Mgが10.0重量%を超えるとアルミニウム合金の導電率が25%IACSを下回るため、電線として使用することができなくなる。また、伸線性が悪くなる。
このアルミニウム合金において、Mn及びCrは、引張強さに関与し、Mnは0〜1.5重量%の範囲の配合率、Crは0〜0.35重量%の範囲の配合率で配合される。上述のように、絶縁体の被覆に伴う安定化処理によって引張強さが200MPa以上となる場合には、Mn及びCrの双方またはいずれか一方を配合しなくてもよい。
上記の配合率(3)のアルミニウム合金は、Mgを0.5〜6.0重量%含有し、残部が主成分であるAlと、Si、Fe、Cu、Mn、Cr、Zn、Tiの少なくとも1種以上の元素と、不可避不純物で構成され、少なくとも1種以上の元素の配合率は、Siを0〜0.4重量%、Feを0〜0.5重量%、Cuを0〜0.25重量%、Mnを0〜1.5重量%、Crを0〜0.35重量%、Znを0〜0.25重量%、Tiを0〜0.2重量%含有する。
配合率(3)の組成において、Mgは、導電率に関与しており、25%IACS以上の導電率となるように0.5〜6.0重量%の範囲で配合される。Mn及びCrは、引張強さに関与する金属であり、Mnは0〜1.5重量%、より好ましくは0〜1.0重量%の範囲で配合され、Crは0〜0.5重量%、より好ましくは0〜0.35重量%の範囲で配合される。
Siは、0〜0.4重量%の範囲で配合されることにより、アルミニウム合金の耐熱性を向上させることができる。Feは、0〜0.5重量%の範囲で配合されることにより、引張強さを向上させることができる。この場合、Si及びFeを合わせて0〜0.45重量%の配合率としても良い。
Cuは、導電率及び引張強さに関与する金属であり、0〜0.25重量%の範囲で配合され、Znは導電率の関係から0〜0.25重量%の範囲で配合される。Tiは、0〜0.2重量%の範囲で配合される。
表1は、配合率(3)のアルミニウム合金として用いることができるJIS3000系及び5000系合金の一覧を示す。表1に記載されているアルミニウム合金は、電線としての導電率、引張強さ、耐力及び伸びを備えている。これらの合金に対して、図1のフローチャートで示す処理を行うことにより、電線として用いることができる。
Figure 0005486870
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。表2は、実施例1〜21及び比較例1〜3における配合率、絶縁体被覆に伴う安定化処理の温度、引張強さ及び導電率を示す。表2において、実施例1〜21は、配合率(2)の組成に対応したアルミニウム合金である。
Figure 0005486870
表2におけるアルミニウム合金は、いずれも以下の工程及び条件により製造されている。
まず、表2の配合率からなるアルミニウム合金を鋳造し、鋳造後に熱間圧延する。鋳造は、以下の条件で行い、熱感圧延は以下の条件で行った。
アルミ合金及び連続鋳造圧延法により荒引線を製造する。条件としては、プロパル法で行い、回転する水冷銅鋳型ホイールとスケールボルトの間の隙間に溶湯を流し込み、ホイールが約3/4回転する間に凝固したアルミ合金バーを連続的に取り出し、圧延する。
鋳造温度700℃〜900℃、熱間圧延の条件は、温度100℃以下になるまで断面減少率80%以上まで圧延する。
次に、圧延材料を用いて荒引き線への伸線加工を行う。この伸線加工では、温度は常温(0〜30℃)、荒引線径は8〜15mm
荒引き線への伸線加工の後、実施例及び比較例1〜3については、下記条件で中間熱処理を行った。
430〜630℃の温度で、0.5〜10Hr溶体化処理する。
次に、荒引き線に対して伸線加工を行って素線を作製する。
温度:常温(0〜30℃)
断面減少率70%以上(好ましくは80%以上)の冷間加工
得られた素線径は、例えば0.32mm
次に、素線を複数本束ねた後、撚り線加工する。この撚り線加工においては、素線への伸線加工の際に、素線が加工硬化されているため、強度が大きく、撚り作業を円滑に行うことができる。
加工例 0.32mmのアルミ合金線を7本撚りし(撚りピッチ20mm)
導体断面積0.03〜10Sqを作製する。
次に、撚り線に対して絶縁体を被覆する。絶縁体の被覆は、以下の条件で行った。
Figure 0005486870
絶縁体の被覆によって、被覆電線を作成することができる。この絶縁体の被覆の際には、撚り線が高温の絶縁体と接触するため、絶縁体の熱エネルギーが撚り線に作用し、撚り線に対する安定化処理が同時に進行する。表2における「温度」欄は、絶縁体が撚り線に接触することにより行われた安定化処理の温度である。実施例においては、80℃〜300℃の範囲で安定化処理が行われている。
以上の工程によって得られた電線に対して、以下のようにして引張強さ及び導電率を測定した。引張強さ測定に際しては、絶縁体を剥がした後、撚り線から1本の素線を取り出し、取り出した素線に対して測定した。従って、引張強さは、1本の素線における測定値である。また、素線に対しては、引張試験を行った。引張試験は、撚り線から取り出した1本の素線を引張って、その伸びを検査するものであり、5%以上伸びたものを合格とした。実施例1〜21の全てが5%以上の伸びであり、合格であった。
なお、引張強さの測定は、JISZ−2241に基づき測定した。
導電率の測定は、JISH−0505に基づき測定した。
測定結果を表2における「引張強さ」欄及び「導電率」欄に記載してある。比較例1〜3においては、250MPa以上の引張強さ及び25%IACS以上の導電率のいずれかを満足しないが、全ての実施例1〜21は250MPa以上の引張強さ及び25%IACS以上の導電率を満足している。

Claims (4)

  1. 所定の配合率の組成からなるアルミニウム合金から荒引き線を形成する工程と、前記荒引き線を伸線加工する工程と、この伸線加工された素線を撚り合わせて撚り線に加工する工程と、前記撚り線に対して所定の温度の熱エネルギーを付与しながら前記撚り線を絶縁体で被覆する工程とを備えており、
    前記アルミニウム合金は、Mgを0.5〜10.0重量%含有し、残部が主成分であるAlと不可避不純物で構成されており、
    前記熱エネルギーの温度は、80℃〜300℃であり、
    前記荒引き線径は8〜15mmであり、
    前記伸線加工された素線を撚り合わせて撚り線に加工する工程は、撚り線の導体断面積を0.03〜10Sqにする工程であり、
    前記撚り線を絶縁体で被覆する工程では、絶縁体が撚り線に接触することを特徴とするアルミニウム合金電線の製造方法。
  2. 所定の配合率の組成からなるアルミニウム合金から荒引き線を形成する工程と、前記荒引き線を伸線加工する工程と、この伸線加工された素線を撚り合わせて撚り線に加工する工程と、前記撚り線に対して所定の温度の熱エネルギーを付与しながら前記撚り線を絶縁体で被覆する工程とを備えており、
    前記アルミニウム合金は、Mgを0.5〜10.0重量%、Mnを0〜1.5重量%、Crを0〜0.35重量%含有し、残部が主成分であるAlと不可避不純物で構成されており、
    前記熱エネルギーの温度は、80℃〜300℃であり、
    前記荒引き線径は8〜15mmであり、
    前記伸線加工された素線を撚り合わせて撚り線に加工する工程は、撚り線の導体断面積を0.03〜10Sqにする工程であり、
    前記撚り線を絶縁体で被覆する工程では、絶縁体が撚り線に接触することを特徴とするアルミニウム合金電線の製造方法。
  3. 所定の配合率の組成からなるアルミニウム合金から荒引き線を形成する工程と、前記荒引き線を伸線加工する工程と、この伸線加工された素線を撚り合わせて撚り線に加工する工程と、前記撚り線に対して所定の温度の熱エネルギーを付与しながら前記撚り線を絶縁体で被覆する工程とを備えており、
    前記アルミニウム合金は、Mgを0.5〜6.0重量%含有し、残部が主成分であるAlと、Si、Fe、Cu、Mn、Cr、Zn、Tiの少なくとも1種以上の元素と、不可避不純物で構成されており、
    前記熱エネルギーの温度は、80℃〜300℃であり、
    前記荒引き線径は8〜15mmであり、
    前記伸線加工された素線を撚り合わせて撚り線に加工する工程は、撚り線の導体断面積を0.03〜10Sqにする工程であり、
    前記撚り線を絶縁体で被覆する工程では、絶縁体が撚り線に接触することを特徴とするアルミニウム合金電線の製造方法。
  4. 請求項3に記載のアルミニウム合金電線の製造方法であって、
    前記少なくとも1種以上の元素の配合率は、前記Siを0〜0.45重量%、前記Feを0〜0.7重量%、前記Cuを0〜0.25重量%、前記Mnを0〜1.5重量%、前記Crを0〜0.35重量%、前記Znを0〜0.25重量%、前記Tiを0〜0.2重量%含有することを特徴とするアルミニウム合金電線の製造方法。
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