JP2001024334A - 多層プリント回路基板 - Google Patents

多層プリント回路基板

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JP2001024334A JP11197635A JP19763599A JP2001024334A JP 2001024334 A JP2001024334 A JP 2001024334A JP 11197635 A JP11197635 A JP 11197635A JP 19763599 A JP19763599 A JP 19763599A JP 2001024334 A JP2001024334 A JP 2001024334A
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正昭 尾崎
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又平 小谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層プリント回路基板の電源層およびグラン
ド層に回り込む集積回路素子の高周波電源電流が原因と
なる放射ノイズの発生を大幅に低減する。 【解決手段】 電源層とグランド層と信号層とがそれぞ
れ絶縁層を介して積層され、その表面層に各種集積回路
素子が実装された多層プリント回路基板であって、電源
層とグランド層との間に挿入されるバイパスコンデンサ
30を、電源層とグランド層とが互いに対向する領域を
同一形状かつ同一面積で均等に分割した均等分割領域の
それぞれに配置するとともに、均等分割領域の形状を正
方形とし、バイパスコンデンサ30をその均等分割領域
内のほぼ中心に配置し、かつ、バイパスコンデンサ30
の静電容量値を、電源層とグランド層とが対向する領域
で形成される基板容量値より大きい値に設定し、バイパ
スコンデンサ30の合成インダクタンスの値を全て同一
に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC、LSIなど
の集積回路素子が搭載された多層プリント回路基板に係
り、より詳細には、不要な放射ノイズを抑えるようにバ
イパスコンデンサを配置した多層プリント回路基板に関
する。
【0002】
【従来の技術】ICやLSIなどの集積回路素子が搭載
されたプリント回路基板を有する電子機器では、従来よ
り、搭載されている集積回路素子の高速スイッチング動
作に伴って流れる高周波電流が、集積回路素子、この集
積回路素子を搭載したプリント回路基板、このプリント
回路基板を搭載した筐体(金属フレーム)と伝搬し、そ
れぞれに伝搬する途中で放射ノイズとして漏洩すること
が原因で、その電子機器自体もしくは他の電子機器の誤
動作を引き起こす問題、すなわちEMI(Electromagne
tic Interference)の問題があることが知られている。
【0003】プリント回路基板からの放射ノイズの輻射
経路は、大きく2つに分類すると、信号ライン系からの
輻射とグランドを含めた電源ライン系からの輻射に分け
られる。特に、高周波電流の発生源である集積回路素子
においては、電源ライン系の高周波電源電流への対策と
して、この集積回路素子が搭載されたプリント回路基板
の電源供給ラインに接続された集積回路素子の電源端子
およびプリント回路基板のグランドラインに接続された
集積回路素子のグランド端子の近傍に、バイパスコンデ
ンサを並列に配置する方法がとられている。これによっ
て、電源端子とグランド端子との間の電圧変動を抑える
とともに、高周波電源電流をバイパスするルートを作っ
てその広がりを抑えている。
【0004】また、電源ラインおよびグランドラインを
有するプリント回路基板の代わりに、全面が導電膜の層
で形成された電源層およびグランド層を有する多層プリ
ント回路基板を用いることで、電源端子とグランド端子
との間の低インピーダンス化を図り、より効果的に放射
ノイズを抑制する方法も取られている。
【0005】しかしながら、近年の集積回路素子の動作
周波数の高速化に伴い、多層プリント回路基板を用いて
集積回路素子の電源端子およびグランド端子の近傍にバ
イパスコンデンサを配置しても、以下の理由により放射
ノイズを十分に減少させることができない場合があると
いった問題があった。
【0006】すなわち、多層プリント回路基板の電源層
およびグランド層の間のインピーダンス特性とバイパス
コンデンサのインピーダンス特性とを高周波領域で比較
した場合、バイパスコンデンサ自体の持つ寄生インダク
タンスの影響で、バイパスコンデンサのインピーダンス
が多層プリント回路基板の電源層とグランド層との間の
インピーダンスよりも逆に大きくなってしまう。また、
バイパスコンデンサで十分にバイパスできなかった高周
波電源電流の一部が多層プリント回路基板全体に広が
り、電源層とグランド層との層パターンがアンテナとな
って、特定の周波数で放射ノイズを増加させてしまう。
また、接続パターンを含めたバイパスコンデンサの静電
容量および寄生インダクタンスと、多層プリント回路基
板の電源層およびグランド層との間の静電容量および寄
生インダクタンスと、集積回路素子の電源端子とグラン
ド端子との間の内部容量および電源端子とグランド端子
との間の寄生インダクタンスからなるLC回路が形成さ
れ、その回路の共振周波数でも放射ノイズを増加させて
しまう。
【0007】図11は、従来の多層プリント回路基板を
示す一部拡大平面図、図12はその断面図である。この
従来例の多層プリント回路基板100は4層構造であ
り、上から信号層101、グランド層102、電源層1
03、信号層104の順に、それぞれ絶縁層105を介
して積層されている。集積回路素子としては水晶クロッ
ク発振器210を用い、多層プリント回路基板100の
基板コーナ部に配置している。
【0008】図12に示すように、水晶クロック発振器
210はその電源端子213とグランド端子212とが
それぞれ内層の電源層103とグランド層102とに接
続されている。ただし、信号出力端子211は信号パタ
ーンには接続されていない。また、バイパスコンデンサ
300としては、チップ型セラミックコンデンサを用
い、水晶クロック発振器210の近傍に配置している。
そして、その両端を、それぞれ配線パターン301,3
02とスルーホール303,304とを介して、内装の
電源層103とグランド層102とにそれぞれ接続して
いる。
【0009】ここで、従来例の多層プリント回路基板1
00に電源供給を行って動作させた場合、水晶クロック
発振器210は図示しない金属シールドされたパッケー
ジングが施されているので、水晶クロック発振器210
のデバイス内部からの輻射は少ない。また、信号出力端
子211が配線パターンに接続されていないので、信号
ライン系からの輻射も少ない。よって、多層プリント回
路基板100を動作させた場合の放射ノイズの発生源と
しては水晶クロック発振器210のスイッチング動作時
に発生する電源ライン系の高周波電源電流、すなわち貫
通電流が支配的になる。
【0010】そこで、従来は水晶クロック発振器210
の近傍に高周波電源電流をバイパスするルートを作りそ
の広がりを抑えるために、バイパスコンデンサ300が
水晶クロック発振器210の電源端子213とグランド
端子212の近傍に配置されていた。
【0011】図13は、このような多層プリント回路基
板100において、水晶クロック発振器210を20M
Hzで発振させた場合の電波暗室での遠方電界強度の測定
結果を示している。また、図14は、バイパスコンデン
サ300を実装しない場合の電波暗室での遠方電界強度
の測定結果を示している。ここで使用したバイパスコン
デンサ300は、容量0.1μFのチップ型セラミック
コンデンサである。
【0012】図13および図14を、遠方電界強度のピ
ーク値について比較すると、周波数480MHz付近での
遠方電界強度のピーク値がバイパスコンデンサ300を
挿入することで5dB低減されている。また、周波数80
MHz付近での遠方電界強度のピーク値が、バイパスコン
デンサ300を挿入することで、周波数が120MHz付
近に移動して5dB高い値を示している。
【0013】ここで、周波数480MHz付近のピーク周
波数は、多層プリント回路基板100のベタ電源層とベ
タグランド層とで挟まれた平行平板にバイパスコンデン
サ300が散在して配置された空洞共振器に関わる共振
周波数(以下、第1共振ピーク周波数という)であり、
特にバイパスコンデンサ300が挿入されない場合は、
基板長辺の長さと基板誘電率とで決まる半波長共振周波
数と一致する。
【0014】また、周波数80MHz付近および周波数1
20MHz付近のピーク周波数は、集積回路素子である水
晶クロック発振器210の電源端子およびグランド端子
間の寄生インダクタンスおよび端子間内部等価容量と、
多層プリント回路基板100の電源層およびグランド層
間の分布静電容量および分布インダクタンスと、接続パ
ターンを含めたバイパスコンデンサ300の寄生インダ
クタンスおよび静電容量とからなるLC回路の共振周波
数(以下、第2共振ピーク周波数という)と一致する。
【0015】図15は、図11と同様の多層プリント回
路基板において、2個のバイパスコンデンサ300を水
晶クロック発振器210の近傍に配置した構造を示して
おり、この場合の電波暗室での遠方電界強度の測定結果
を図16に示している。図16において、第1共振ピー
ク周波数は520MHzに、第2共振ピーク周波数は14
0MHzに現れている。
【0016】図17は、図11と同様の多層プリント回
路基板において、4個のバイパスコンデンサ300を水
晶クロック発振器210の近傍に配置した構造を示して
おり、この場合の電波暗室での遠方電界強度の測定結果
を図18に示している。図18において、第1共振ピー
ク周波数は520MHzに、第2共振ピーク周波数は16
0MHzに現れている。
【0017】図19は、図11と同様の多層プリント回
路基板において、8個のバイパスコンデンサ300を水
晶クロック発振器210の近傍に配置した構造を示して
おり、この場合の電波暗室での遠方電界強度の測定結果
を図20に示している。図20において、第1共振ピー
ク周波数は540MHzに、第2共振ピーク周波数は20
0MHzに現れている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このように、バイパス
コンデンサを集積回路素子の近傍に配置する従来手法を
多層プリント回路基板に用いた場合、放射ノイズの強い
ピーク周波数が高域側に多少シフトするだけで、放射ノ
イズが十分低減されていない。また、放射ノイズのピー
ク周波数をより高域にシフトするために集積回路素子の
近傍に配置するバイパスコンデンサ300の個数を増や
しすぎると、集積回路素子の信号端子に接続する配線パ
ターンを形成するスペースが少なくなり、全ての信号端
子への配線パターンの接続が困難になる。また、バイパ
スコンデンサ部品の増加により製造コストが上昇すると
いった問題があった。
【0019】本発明はこのような問題点を解決すべく創
案されたものであって、その目的は、多層プリント回路
基板の電源層およびグランド層に接続されるバイパスコ
ンデンサの配置個数と配置位置と接続方法とで電源系に
構成されるLC等価回路の共振周波数をコントロールす
ることで、電源系およびグランド系の放射ノイズのピー
ク周波数がEMI測定対象周波数の領域内に有しないよ
うにコントロールし、多層プリント回路基板の電源層お
よびグランド層に回り込む集積回路素子の高周波電源電
流が原因となる放射ノイズの発生を大幅に低減できる多
層プリント回路基板を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の多層プリント回路基板は、電源層とグラン
ド層と信号層とがそれぞれ絶縁層を介して積層され、表
面層に各種集積回路素子が実装された多層プリント回路
基板において、電源層とグランド層との間に挿入される
バイパスコンデンサが、電源層とグランド層とが互いに
対向する領域を同一形状かつ同一面積で均等に分割した
均等分割領域のそれぞれに配置されていることを特徴と
する。
【0021】また、本発明の多層プリント回路基板は、
均等分割領域の形状を正方形とし、バイパスコンデンサ
を均等分割領域内のほぼ中心に配置し、バイパスコンデ
ンサの静電容量値を、電源層とグランド層とが対向する
領域で形成される基板容量値より大きい値に設定し、か
つ、バイパスコンデンサ自体に寄生するインダクタンス
と、このバイパスコンデンサの両端を電源層およびグラ
ンド層のそれぞれに接続するスルーホールおよびヴィア
ホールを含めた接続パターンが形成するインダクタンス
とを合わせた合成インダクタンスの値を全て同一に設定
したことを特徴とする。これにより、設計者はバイパス
コンデンサの個数で共振による電源系の放射ノイズのピ
ーク周波数を容易にコントロールすることができる。
【0022】また、本発明の多層プリント回路基板は、
バイパスコンデンサの両端の接続パターンを、合成イン
ダクタンスの値として小さなインダクタンス値が得られ
る形状に形成するとともに、バイパスコンデンサとして
寄生インダクタンス成分の少ないチップ型バイパスコン
デンサを用いることを特徴とする。
【0023】また、本発明の多層プリント回路基板は、
電源層とグランド層とが対向する領域で形成される基板
容量をC0 とし、バイパスコンデンサ自体に寄生するイ
ンダクタンスとバイパスコンデンサの両端を電源層とグ
ランド層とに接続するスルーホールおよびヴィアホール
を含めた接続パターンが形成するインダクタンスとを合
わせた合成インダクタンスをLb とするとき、均等分割
領域の分割数Nが次式(3) √N>2×π×√(Lb ×C0 )×109 ・・・(3) を満足することを特徴とする。
【0024】また、本発明の多層プリント回路基板は、
電源層とグランド層とが対向する領域で形成される基板
容量をC0 とし、バイパスコンデンサ自体に寄生するイ
ンダクタンスとバイパスコンデンサの両端を電源層およ
びグランド層のそれぞれに接続するスルーホールおよび
ヴィアホールを含めた接続パターンが形成するインダク
タンスとを合わせた合成インダクタンスをLb とし、か
つ各種集積回路素子のなかで最も高速のクロック周波数
で動作する集積回路素子の電源端子とグランド端子との
間に流れる貫通電流の通電時間をtW とするとき、均等
分割領域の分割数Nが次式(4) √N>4×√(Lb ×C0 )/tW ・・・(4) を満足することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0026】図1は、本発明の多層プリント回路基板の
要部の一実施の形態を示す底面図(バイパスコンデンサ
を実装する面側を見た図)、図2は同平面図(集積回路
素子を実装する面側を見た図)、図3は同断面図であ
る。
【0027】本実施の形態の多層プリント回路基板(以
下、多層基板と略記する)10も、図11に示す従来例
の多層プリント回路基板100と同様に4層構造であっ
て、上から信号層11、グランド層12、電源層13、
信号層14の順に、それぞれ絶縁層15を介して積層さ
れている。
【0028】また、多層基板10に実装されるICやL
SI等の集積回路素子20は、同一パッケージ内に複数
のグランド端子22と電源端子23とを有し、それぞれ
直下のグランド層12と電源層13とに、それぞれスル
ーホール24,24を介して接続されている。
【0029】また、バイパスコンデンサ30はチップ型
セラミックコンデンサを用いており、その両端が、配線
パターン31,32およびスルーホール33,34をそ
れぞれ介して、グランド層12と電源層13とに接続さ
れている。このバイパスコンデンサ30は、多層基板1
0の電源層13とグランド層12とが対向する領域を均
等分割した各分割領域のほぼ中心にそれぞれ配置されて
いる。
【0030】次に、均等分割数の決定手順について説明
する。多層基板10の長辺方向の長さをXa 、短辺方向
の長さをXb 、電源層13とグランド層12との間の絶
縁層15の厚みをd、誘電率をεとすると、基板容量C
0 は次式(5)で表される値になる。
【0031】 C0 =ε×Xa ×Xb /d ・・・(5) また、均等分割数、つまりバイパスコンデンサ30の挿
入個数をN個とし、個々のバイパスコンデンサ30の静
電容量をCb とし、バイパスコンデンサ30自体が有す
る寄生インダクタンスと配線パターン31,32が有す
るインダクタンスとスルーホール33,34が有するイ
ンダクタンスを全て直列接続した場合の合成インダクタ
ンスをLb とし、かつ、N個全てのバイパスコンデンサ
30に対してLb の値を同一にすると、このときのLC
等価回路は図4に示すようになる。
【0032】ここで、基板容量C0 は、実際には分布定
数回路であり、多層基板10の電源層13とグランド層
12とが対向する領域を正方形で均等分割したとき、そ
れぞれのバイパスコンデンサ30に対して、均等分割基
板容量C0 /Nが割り当てられるので、このときのLC
等価回路は図5に示すようになる。
【0033】図5に示すLC等価回路における並列共振
周波数fr は、Cb がC0 に比べて十分大きいとき、次
式(6)で表される。
【0034】 fr =1/(2×π×√(Lb ×C0 /N) ・・・(6) この並列共振周波数fr は、電源系およびグランド系の
放射ノイズのピーク周波数と一致するので、多層基板1
0の寸法、誘電率等の物理定数が決まると必然的に基板
容量C0 が決まり、合成インダクタンス値Lb と均等分
割配置されたバイパスコンデンサ30の総数Nとで、多
層基板10の電源系およびグランド系から発生する放射
ノイズのピーク周波数をコントロールすることが可能と
なる。
【0035】この点について、図8および図9を用いて
説明する。図8は、バイパスコンデンサ30を配置した
多層基板の底面図(バイパスコンデンサを実装する面側
を見た図)である。多層基板10の基板外径寸法は、長
辺方向の長さXa が144mm、短辺方向の長さXb が
108mm、全体の厚みが1.6mmの4層構造であ
る。また、断面構造は図3と同様であって、電源層13
とグランド層12との間の絶縁層15の厚みdは0.8
mmで、比誘電率4.7の絶縁材料を用いている。ま
た、集積回路素子20として、20MHzの水晶クロック
発振器を用い、図8に示すように、基板コーナ部に配置
している。
【0036】また、多層基板10は、一辺が36mmの
正方形に均等に12分割され、それぞれの中心に1個ず
つバイパスコンデンサ30が配置されている。個々のバ
イパスコンデンサ30の挿入方法は図3と同様である。
また、バイパスコンデンサ30はチップ型のセラミック
コンデンサで、その容量は0.1μFのものを使用し、
電源層およびグランド層への接続パターンは個々のバイ
パスコンデンサ30について全て同形状としている。ま
た、上記の合成インダクタンスの値Lb は、測定により
2.7×10-9(H)であった。
【0037】基板容量の値C0 は、上記の式(5)を用
いて800×10-12 (F)と算出される。
【0038】図9は、このような構成の多層基板10に
おける電波暗室での遠方電界強度の測定結果を示してい
る。同図より、バイパスコンデンサ30を12個均等に
配置した場合は、クロック周波数20MHzの逓倍波のス
ペクトラムのうち380MHz付近に放射ノイズのピーク
が現れている。これは、N=12、Lb =2.7×10
-9(H)、C0 =800×10-12 (F)を式(6)に
代入して得られるfr=375MHzに良く一致してい
る。
【0039】EMIの規制対象周波数領域が30MHz〜
1GHzであるから、上記の共振周波数fr を1GHz以上
に設定すれば、均等分割配置されたバイパスコンデンサ
30の総数Nは次式(7)を満足するものを選定すれば
よい。
【0040】 √N>2×π×√(Lb ×C0 )×109 ・・・(7) ここで、上記(7)式を満足するバイパスコンデンサ3
0の総数Nを極力少なくするには、合成インダクタンス
の値Lb を小さくすることが好ましく、図3における配
線パターン31,32の線長をできるだけ短く、かつ線
幅をできるだけ広くする配線パターンとし、バイパスコ
ンデンサ30としては寄生インダクタンス成分の少ない
チップ型バイパスコンデンサを用いている。また、チッ
プ型バイパスコンデンサ30の電源層13およびグラン
ド層12への接続方法としては、図10に示すインナー
ヴィアホール(IVH)35,36を用いても良い。
【0041】次に、波源である集積回路素子のなかで、
最も高速に動作する集積回路素子のスイッチング動作時
に、電源端子からグランド端子に貫通して流れる貫通電
流の高周波成分の周波数特性は、貫通電流の流れる時間
幅をtw としたとき、2/(π・tw )なる周波数にお
いては、減衰率が−20dB/decから−40dB/decに変化
する点で十分に高周波成分が減衰しているので、上記の
共振周波数fr を2/(π・tw )なる周波数以上に設
定すれば、均等分割配置されたバイパスコンデンサ30
の総数Nは次式(8)を満足するものを選定してもよ
い。
【0042】 √N>4×√(Lb ×C0 )/tW ・・・(8) これにより、少なくともEMI規制対象周波数領域であ
る30MHz〜1GHzの範囲内で、集積回路素子の高周波
電源電流が多層基板10の電源層13およびグランド層
12に回り込んでも、共振による放射ノイズのピークが
発生せず、多層基板10からの電源系およびグランド系
に関する放射ノイズを十分に低減できる。
【0043】なお、上記実施の形態では、多層基板10
を4層構造としているが、層の数や層の構成はこの4層
構造に限定されるものではない。
【0044】図6は、本発明の多層プリント回路基板の
要部の他の実施の形態を示す底面図(バイパスコンデン
サを実装する面側を見た図)である。
【0045】本実施の形態の多層基板10の基板外径寸
法は、長辺方向の長さXa が144mm、短辺方向の長
さXb が108mm、全体の厚みが1.6mmの4層構
造である。また、断面構造は図3と同様であって、電源
層13とグランド層12との間の絶縁層15の厚みdは
0.8mmで、比誘電率4.7の絶縁材料を用いてい
る。また、集積回路素子20として、20MHzの水晶ク
ロック発振器を用い、図6に示すように、基板コーナ部
に配置している。
【0046】また、多層基板10は、一辺が18mmの
正方形に均等に48分割され、それぞれの中心に1個ず
つバイパスコンデンサ30が配置されている。個々のバ
イパスコンデンサ30の挿入方法は図3と同様である。
また、バイパスコンデンサ30はチップ型のセラミック
コンデンサで、その容量は0.1μFのものを使用し、
電源層およびグランド層への接続パターンは個々のバイ
パスコンデンサ30について全て同形状としている。ま
た、上記の合成インダクタンスの値Lb は、測定により
2.7×10-9(H)であった。
【0047】基板容量の値C0 は、上記の式(5)を用
いて800×10-12 (F)と算出される。また、水晶
クロック発振器(集積回路素子)20の貫通電流の流れ
る時間幅tw は、測定値より0.9nsecであった。
【0048】以上の数値を上記の式(8)に代入する
と、N>42.7が得られる。図7は、このような構成
の多層基板10における電波暗室での遠方電界強度の測
定結果を示している。同図より、バイパスコンデンサ3
0を48個均等に配置した場合は、EMIの規制対象周
波数領域である30MHz〜1GHzの全域にわたって放射
ノイズのピークを持たず、十分に抑制されている。
【0049】
【発明の効果】本発明の多層プリント回路基板によれ
ば、多層プリント回路基板の電源層およびグランド層に
接続されるバイパスコンデンサを均等配置することによ
り、共振による電源系の放射ノイズのピーク周波数を少
ない個数でより高域にシフトさせることができる。ま
た、本発明の多層プリント回路基板によれば、均等分割
の形状を正方形とし、その中心にバイパスコンデンサを
配置し、バイパスコンデンサの容量値を基板容量より十
分大きく設定し、バイパスコンデンサの電源層およびグ
ランド層への接続パターンを同一にすることで、設計者
はバイパスコンデンサの個数で共振による電源系の放射
ノイズのピーク周波数を容易にコントロールすることが
できる。
【0050】また、本発明の多層プリント回路基板によ
れば、EMI規制対象の上限周波数もしくは高周波電源
電流源である集積回路素子の貫通電流の周波数特性を考
慮したカットオフ周波数を選定し、その周波数以上に電
源系の放射ノイズのピーク周波数をシフトさせること
が、最小限のバイパスコンデンサの個数で可能となり、
EMI規制対象の周波数領域内でピーク値を持たず、放
射ノイズの発生を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層プリント回路基板の要部の一実施
の形態を示す底面図である。
【図2】本発明の多層プリント回路基板の要部の一実施
の形態を示す平面図である。
【図3】本発明の多層プリント回路基板の要部の一実施
の形態を示す断面図である。
【図4】本発明の多層プリント回路基板の一実施の形態
のLC等価回路である。
【図5】本発明の多層プリント回路基板の一実施の形態
のLC等価回路である。
【図6】本発明の多層プリント回路基板の要部の他の実
施の形態を示す底面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の多層プリント回路基
板の電波暗室での遠方電界強度の測定結果を示すグラフ
である。
【図8】本発明の原理を説明する多層プリント回路基板
の平面図である。
【図9】本発明の原理を説明する多層プリント回路基板
の電波暗室での遠方電界強度の測定結果を示すグラフで
ある。
【図10】本発明の多層プリント回路基板の要部の他の
実施の形態を示す断面図である。
【図11】従来の多層プリント回路基板を示す一部拡大
平面図である。
【図12】従来の多層プリント回路基板を示す一部拡大
断面図である。
【図13】従来の多層プリント回路基板の電波暗室での
遠方電界強度の測定結果を示すグラフである。
【図14】従来の多層プリント回路基板の電波暗室での
遠方電界強度の測定結果を示すグラフである。
【図15】従来の多層プリント回路基板の一部拡大平面
図である。
【図16】図15に示す多層プリント回路基板の電波暗
室での遠方電界強度の測定結果を示すグラフである。
【図17】従来の多層プリント回路基板の一部拡大平面
図である。
【図18】図17に示す多層プリント回路基板の電波暗
室での遠方電界強度の測定結果を示すグラフである。
【図19】従来の多層プリント回路基板の一部拡大平面
図である。
【図20】図19に示す多層プリント回路基板の電波暗
室での遠方電界強度の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 多層基板(多層プリント回路基板) 11,14 信号層 12 グランド層 13 電源層 15 絶縁層 20 集積回路素子(水晶クロック発振器) 22 グランド端子 23 電源端子 30 バイパスコンデンサ 31,32 配線パターン 24,33,34 スルーホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 政道 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5E336 AA04 AA14 BB03 BC15 BC31 BC34 CC01 CC31 CC53 CC58 EE03 GG11 GG30 5E338 AA03 BB75 CC01 CC04 CC06 CD02 EE13 5E346 AA42 AA43 BB03 BB04 CC21 FF45 HH01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源層とグランド層と信号層とがそれぞ
    れ絶縁層を介して積層され、表面層に各種集積回路素子
    が実装された多層プリント回路基板において、前記電源
    層と前記グランド層との間に挿入されるバイパスコンデ
    ンサが、前記電源層と前記グランド層とが互いに対向す
    る領域を同一形状かつ同一面積で均等に分割した均等分
    割領域のそれぞれに配置されていることを特徴とする多
    層プリント回路基板。
  2. 【請求項2】 前記均等分割領域の形状が正方形である
    ことを特徴とする請求項1に記載の多層プリント回路基
    板。
  3. 【請求項3】 前記バイパスコンデンサが前記均等分割
    領域内のほぼ中心に配置されていることを特徴とする請
    求項1または2に記載の多層プリント回路基板。
  4. 【請求項4】 前記バイパスコンデンサの静電容量値
    が、前記電源層と前記グランド層とが対向する領域で形
    成される基板容量値より大きい値に設定されていること
    を特徴とする請求項1、2または3に記載の多層プリン
    ト回路基板。
  5. 【請求項5】 前記バイパスコンデンサ自体に寄生する
    インダクタンスと、このバイパスコンデンサの両端を前
    記電源層および前記グランド層のそれぞれに接続するス
    ルーホールおよびヴィアホールを含めた接続パターンが
    形成するインダクタンスとを合わせた合成インダクタン
    スの値が全て同一に設定されていることを特徴とする請
    求項1、2、3または4に記載の多層プリント回路基
    板。
  6. 【請求項6】 前記バイパスコンデンサの両端の接続パ
    ターンを、前記合成インダクタンスの値として小さなイ
    ンダクタンス値が得られる形状に形成するとともに、前
    記バイパスコンデンサとして寄生インダクタンス成分の
    少ないチップ型バイパスコンデンサを用いることを特徴
    とする請求項5に記載の多層プリント回路基板。
  7. 【請求項7】 前記電源層と前記グランド層とが対向す
    る領域で形成される基板容量をC0 とし、バイパスコン
    デンサ自体に寄生するインダクタンスとバイパスコンデ
    ンサの両端を前記電源層および前記グランド層のそれぞ
    れに接続するスルーホールおよびヴィアホールを含めた
    接続パターンが形成するインダクタンスとを合わせた合
    成インダクタンスをLb とするとき、前記均等分割領域
    の分割数Nが次式(1) √N>2×π×√(Lb ×C0 )×109 ・・・(1) を満足することを特徴とする請求項1、2、3、4、5
    または6に記載の多層プリント回路基板。
  8. 【請求項8】 前記電源層と前記グランド層とが対向す
    る領域で形成される基板容量をC0 とし、バイパスコン
    デンサ自体に寄生するインダクタンスとバイパスコンデ
    ンサの両端を前記電源層および前記グランド層のそれぞ
    れに接続するスルーホールおよびヴィアホールを含めた
    接続パターンが形成するインダクタンスとを合わせた合
    成インダクタンスをLb とし、かつ前記各種集積回路素
    子のなかで最も高速のクロック周波数で動作する集積回
    路素子の電源とグランド端子との間に流れる貫通電流の
    通電時間をtW とするとき、前記均等分割領域の分割数
    Nが次式(2) √N>4×√(Lb ×C0 )/tW ・・・(2) を満足することを特徴とする請求項1、2、3、4、5
    または6に記載の多層プリント回路基板。
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