JP2001023692A - シート状電池用ゲル状ポリマー電解質 - Google Patents

シート状電池用ゲル状ポリマー電解質

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Abstract

(57)【要約】 【課題】放電容量のサイクル特性を向上させ、かつ電解
液の漏洩を確実に防止しつつイオン伝導度を向上する。 【解決手段】シート状電池10の正極シート12及び負
極シート14の間に介在するゲル状ポリマー電解質13
であって、ゲル状ポリマーマトリックスに閉じ込められ
独立した多数の孔22がマトリックスの全体にわたって
略均一に形成され、その孔22の内部に気体23又は気
体23と電解液21が満たされる。孔22の径が5〜2
0μmであり、その孔22がゲル状ポリマーマトリック
スに0.1〜30体積%の割合で分布する。孔22に電
解液21が0〜30体積%と気体23が70〜100体
積%満たされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極シート及び負
極シートを積層してなるシート状電池のその正極及び負
極の間に介在するシート状電池用ゲル状ポリマー電解質
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のビデオカメラやノート型パソコン
等のポータブル機器の普及により薄型の電池に対する需
要が高まっている。この薄型の電池として、活物質を含
む正極シート及び負極シートを両シートの間に電解質を
挟んで積層したものが知られている。このように積層さ
れた積層体をパッケージシートで密閉することによりシ
ート状の電池が形成され、このシート状電池ではパーケ
ージシートから引出されかつ正極シート又は負極シート
に電気的に接続する正極及び負極端子を介して所望の電
気が得られるようになっている。このようなシート状電
池に使用される電解質として、イオン伝導性高分子を用
いて電解液の漏洩を防ぐようにした高分子固体電解質が
知られている。この高分子固体電解質は、通常は高分子
中に電解質が均一固溶した形態をとり、加工柔軟性を有
するなどのシート状電池の電解質として好ましい性質を
有する。しかし、高分子固体電解質のイオン伝導度は電
解液に比較して著しく低く、これを用いて構成した電池
は充電電流密度が限定され、電池抵抗が高い問題点があ
った。この点を解消するために、表及び裏に連通する孔
を膜状の電解質に形成し、その孔に比較的イオン伝導度
の高い電解液を含浸させた非水系電池用隔壁が提案され
ている(特開平10−321210)。この非水系電池
用隔壁では孔に含浸された電解液によりイオン伝導度が
向上し、高い電流密度において高い電池性能を示すよう
になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した非水
系電池用隔壁は表面又は裏面に孔が開口するため、この
非水系電池用隔壁が正極シート及び負極シートに対して
十分に密着しないと、その孔に含浸された電解液が漏洩
するおそれがある。また、電極のイオン吸蔵放出による
体積変化により、その非水系電池用隔壁と正極又は負極
シートとの間に隙間が生じて電解液が漏洩するおそれも
ある。特に、シート状電池は時として物品の形状に沿っ
て湾曲させる場合もあり、シート状電池を湾曲させる
と、発生する応力を緩和しきれずにその非水系電池用隔
壁と正極又は負極シートとの間に隙間が生じ、その隙間
から電解液が漏洩する不具合がある。更に、シート状電
池の充放電に伴って電池内部で発生するガスが孔の正極
又は負極の界面上に溜ると、そのガスがイオンの移動を
妨げるため、電極と電解質界面の有効表面積を減少さ
せ、内部抵抗が増大して放電容量のサイクル特性が悪化
する問題点もある。本発明の目的は、電解液の漏洩を確
実に防止し、放電容量のサイクル特性を向上し、かつイ
オン伝導度を向上させ得るシート状電池用ゲル状ポリマ
ー電解質を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、シート状電池10の正極シート12
及び負極シート14の間に介在するゲル状ポリマー電解
質13であって、ゲル状ポリマーマトリックスに閉じ込
められ独立した多数の孔22がマトリックスの全体にわ
たって略均一に形成され、その孔22の内部に気体23
又は気体23と電解液21が満たされたことを特徴とす
る。この請求項1に係る発明では、孔22に満たされた
気体23は、電極のイオンの充放電に伴う体積変化に伴
う内圧変化や、シート電池を湾曲させたとき等の外部か
ら圧力を受けたときに発生する応力を緩和させ、ポリマ
ー電解質と正極又は負極シートの剥離を防ぐので、従来
の高分子固体電解質に比較して、充放電サイクル特性を
向上することができる。
【0005】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、孔22の径が5〜20μmであり、その孔
22がゲル状ポリマーマトリックスに0.1〜30体積
%の割合で分布するシート状電池用ゲル状ポリマー電解
質である。この請求項2に係る発明では、孔22の特性
を上記のようにすることにより、充放電サイクル特性を
向上させることができる。孔22の孔径が5μm未満で
あって、孔22が0.1体積%未満であると、ゲル状ポ
リマー電解質の体積変化率に限界を生じさせてシート状
電池の内部に生じる内圧を十分に緩和でいない不具合が
ある。また、孔22の孔径が20μmを越え、かつ孔2
2が30体積%を越えるゲル状ポリマー電解質の強度が
不十分となり、短絡等を生じさせる不具合がある。
【0006】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明であって、孔22に電解液21が0〜30体積
%と気体23が70〜100体積%満たされたシート状
電池用ゲル状ポリマー電解質である。この請求項3に係
る発明では、孔22に気体23とともに満たされた電解
液21は、その孔22から漏れ出すことなくイオンを伝
導させるので、従来の固体高分子固体電解質に比較して
イオン伝導度が向上し、内部抵抗を減ずることができ
る。電解液21が孔22に含まれなくても電池としての
機能は十分である。また、電解液21が孔22の体積に
対して30体積%を越えると電池が高温下にさらされた
ときに、ゲル状ポリマー電解質が溶解し、短絡などが生
じやすくなる不具合がある。なお、電解液21の孔22
に対する好ましい割合は0.1〜30体積%であり、更
に好ましい値は3〜30体積%である。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて詳しく説明する。図1に示すように、シート状
電池10は、Al箔12aに活物質12bを塗布した正
極シート12と、ゲル状ポリマー電解質13と、Cu箔
14aに活物質14bを塗布した負極シート14とをこ
の順序で積層し、このように積層したものをパッケージ
シート18で密封することにより作られる。正極シート
12の活物質12bには例えばLiCoO2が使用さ
れ、負極シート14の活物質14bにはグラファイト系
の活物質が使用される。正極シート12及び負極シート
14は、活物質12b,14bと導電用のカーボンを含
むスラリーをAl箔12a及びCu箔14aの上にそれ
ぞれ厚さが約100μmになるように塗布し、80〜1
20℃で乾燥させることによりそれぞれ作られる。
【0008】正極及び負極シート12,14のいずれか
一方又は双方には、後にシート状であってゲル状のポリ
マー電解質13になる電解液が混合された所定の電解質
スラリーが全面にわたって所定の厚さで塗布され、60
〜100℃でその電解質スラリーを乾燥させることによ
り、正極及び負極シート12,14の間にゲル状ポリマ
ー電解質13が形成される。その後、この正極及び負極
シート12,14は、電解質13の膜厚が20〜200
μmになるように電解質13を介して90〜120℃で
熱圧着され、正極シート12と、ゲル状ポリマー電解質
13と、負極シート14とがこの順で積層された積層体
が形成される。この積層体はパッケージシート18で密
封されるが、この実施の形態におけるパッケージシート
18はポリプロピレン18aがラミネートされたアルミ
ニウム箔18bが使用される。パッケージシート18で
の密封は、一対のパッケージシート18でその積層体を
挟み、真空雰囲気中でパッケージシート18の周囲を熱
圧着することにより行われる。このようにしてシート状
電池10は作られる。
【0009】本発明のシート状電池用ゲル状ポリマー電
解質は上述した電解質13であって、その特徴ある点
は、ゲル状ポリマーマトリックスに閉じ込められ独立し
た多数の孔22がマトリックスの全体にわたって略均一
に形成され、その孔22の内部に気体23又は気体23
と電解液21が満たされたところにある。適切な粘度を
有する電解質スラリーを活物質12,14bの表面に塗
布すると、活物質12,14b中の気体が電解質スラリ
ー中に移行し、そのスラリー中に気泡となって滞留す
る。この時のスラリー粘度が高すぎると、気泡は活物質
と電解質スラリーの界面に留まり、スラリー粘度が低す
ぎると気泡は電解質スラリー層を通って大気中に放出さ
れる。スラリー中に気泡が形成されると、スラリー中の
電解液21はその気泡内に集合し、この電解質スラリー
を乾燥すると、その電解液21が集合して気体とともに
閉じ込められた多数の孔22が全体にわたって略均一に
形成されたゲル状ポリマー電解質13が得られる。
【0010】ポリマー電解質13の全体に閉じ込められ
独立した孔を形成し、かつその孔22に閉じ込められる
電解液21及び空気23の割合を調整するには、電解質
スラリーの粘度及び塗布時若しくはスラリーの乾燥時の
温度を適切に設定する必要がある。このための電解質ス
ラリーの粘度は10〜300cPであり、乾燥時の温度
は25〜100℃である。これらの条件を適切に設定す
ると、孔22の孔径は10〜20μmになり、その孔2
2がゲル状ポリマーマトリックスに0.1〜30体積%
の割合で分布するようになる。また、孔22には0〜3
0体積%の電解液21と70〜100体積%の空気から
なる気体23とにより満たされる。
【0011】このように構成されたシート状電池用ゲル
状ポリマー電解質13では、孔22に封入された空気か
らなる気体23は、自らが膨張又は収縮することにより
ゲル状ポリマー電解質13の体積変化を許容させ、電極
のイオン吸蔵放出による電極シートの体積変化にそのゲ
ル状ポリマー電解質13を追従させて、シート状電池の
内部に生じる内圧を緩和させる。孔22に気体23とと
もに満たされた電解液21は、その孔22から漏れ出す
ことなくイオンを伝導させるので、従来の固体高分子固
体電解質に比較してイオン伝導度が向上し、内部抵抗は
減ぜられる。電解液21が孔22に含まれなくても電池
としての機能は十分であるが、電解液21が孔22の体
積に対して0.1%未満であると電解液21の割合が減
少して孔22とポリマー電解質18との界面が乾燥して
そのポリマー電解質18に亀裂が生じるおそれがあるた
め、電解液21は0.1%以上であることが好ましい。
また、電解液21が孔22の体積に対して3%以上であ
ればイオン伝導度が向上し、電池の内部抵抗を減じる効
果を得ることができる。一方、電解液21が孔22の体
積に対して30体積%を越えると電池が高温下にさらさ
れたときに、ゲル状ポリマー電解質が溶解し、短絡など
が生じやすくなる不具合がある。特に孔22の孔径が1
0〜20μmであって、孔22がゲル状ポリマーマトリ
ックスに0.1〜30体積%の割合で分布することによ
り、その効果を有効に発揮することができる。
【0012】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。先ず正極シ
ートを作製した。即ち、LiCoO2粉末70gと黒鉛
粉末(商品名;ケッチェンブラック)4gを、ポリフッ
化ビニリデンのN−メチルピロリドン溶液に分散混合し
てスラリーを作製した。なお、スラリー中の固形分重量
組成はLiCoO2が89%、黒鉛粉末が5%、ポリフ
ッ化ビニリデンが6%とした。このスラリーをAl箔の
上面にドクターブレード法により塗布及び乾燥した後、
ロール圧延して活物質膜厚80μmの正極シートを作製
した。
【0013】次に負極シートを作製した。即ち、燐片状
天然黒鉛粉末50gを、ポリフッ化ビニリデンのN−メ
チルピロリドン溶液に分散混合してスラリーを作製し
た。なお、スラリー中の固形分重量組成は黒鉛粉末が9
0%、ポリフッ化ビニリデンが10%とした。このスラ
リーをCu箔の上面にドクターブレード法により塗布及
び乾燥した後、ロール圧延して活物質膜厚50μmの負
極シートを作製した。更に、電解質スラリーを調製し
た。即ち、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体(エルフアトケム製、Kynar2810;
ヘキサフルオロプロピレン12wt%含有品)40gを
ジメチルカーボネート200gに60℃で溶解した後、
電解液80gを撹拌混合して粘度が約250cPの電解
質スラリーを得た。ここで、電解液には、エチレンカー
ボネートとジエチルカーボネートの等容積の混合溶媒に
六フッ化リン酸リチウムを1mol/リットルとなるよ
うに溶解したものを使用した。
【0014】<実施例1>上述のように調製した電解質
スラリーを60℃で剥離紙上にドクターブレード法によ
り塗布し、80℃で3分間乾燥させ、電解液がそれぞれ
封入された多数の孔が全体にわたって略均一に形成され
たゲル状ポリマー電解質を作製した。このように得られ
たゲル状ポリマー電解質をその後剥離紙から剥離して正
極シート及び負極シートにより挟んでシート状電池を得
た。このゲル状ポリマー電解質を挟んだシート状電池を
実施例1とした。 <実施例2>上述のように調製した電解質スラリーを5
0℃で上述した負極シート上にドクターブレード法によ
り塗布し、80℃で3分間乾燥させ、電解液がそれぞれ
封入された多数の孔が全体にわたって略均一に形成され
たゲル状ポリマー電解質を作製した。このように得られ
たゲル状ポリマー電解質にその後正極シートを積層する
ことにより、ゲル状ポリマー電解質が正極シート及び負
極シートで挟まれたシート状電池を得た。このゲル状ポ
リマー電解質を挟んだシート状電池を実施例2とした。
【0015】<実施例3>上述のように調製した電解質
スラリーを50℃で上述した正極シート上にドクターブ
レード法により塗布し、80℃で3分間乾燥させ、電解
液がそれぞれ封入された多数の孔が全体にわたって略均
一に形成されたゲル状ポリマー電解質を作製した。この
ように得られたゲル状ポリマー電解質にその後負極シー
トを積層することにより、ゲル状ポリマー電解質が正極
シート及び負極シートで挟まれたシート状電池を得た。
このゲル状ポリマー電解質を挟んだシート状電池を実施
例3とした。 <比較例1>上述のように調製した電解質スラリーを8
0℃で剥離紙上にドクターブレード法により塗布し、6
0℃で3分間乾燥させ、孔を有しないゲル状ポリマー電
解質を作製した。このように得られたゲル状ポリマー電
解質をその後剥離紙から剥離して正極シート及び負極シ
ートにより挟んでシート状電池を得た。このゲル状ポリ
マー電解質を挟んだシート状電池を比較例1とした。
【0016】<比較例2>上述のように調成した電解質
スラリーを40℃で剥離紙上にドクターブレード法によ
り塗布し、90℃で3分間乾燥させ、電解液がそれぞれ
封入されシート表面に開口する開気孔が全体にわたって
略均一に形成されたゲル状ポリマー電解質を作製した。
このように得られたゲル状ポリマー電解質をその後剥離
紙から剥離して正極シート及び負極シートにより挟んで
シート状電池を得た。このゲル状ポリマー電解質を挟ん
だシート状電池を比較例2とした。 <比較試験>実施例1〜3及び比較例1及び2のシート
状電池の25℃及び70℃の双方における放電容量のサ
イクル特性を充放電試験機により測定した。この25℃
における結果を図2に、70℃における結果を図3に示
す。
【0017】<評価>実施例1、比較例1及び2の孔の
径を顕微鏡で観察した結果、実施例1では平均径15μ
mの孔が形成され、比較例1では孔が形成されず、比較
例2では平均径30μmのシート表面に開口する孔が形
成されたことから、電解質スラリーの乾燥時の温度及び
乾燥時間を調整することにより、乾燥後形成される孔の
孔径を調整することができることが判る。また、図2の
結果から明らかなように、実施例1〜3におけるシート
状電池のサイクル特性における勾配は、比較例1及び2
における勾配に比較して緩やかであり、本発明では放電
容量のサイクル特性を向上させることが判る。更に、図
3の結果から明らかなように、実施例1〜3におけるシ
ート状電池は、比較例1で見られたポリマー電解質と電
極間の剥離による容量劣化や比較例2で見られる電解質
ポリマーの溶解に起因する短絡が起きていないため、高
温下でのサイクル特性が良好であることがわかる。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ゲ
ル状ポリマーマトリックスに閉じ込められ独立した多数
の孔がマトリックスの全体にわたって略均一に形成さ
れ、その孔の内部に気体又は気体と電解液を満たしたの
で、孔に満たされた気体は、電極のイオンの充放電に伴
う体積変化に伴う内圧変化や、シート電池を湾曲させた
とき等の外部から圧力を受けたときに発生する応力を緩
和させ、ポリマー電解質と正極又は負極シートの剥離を
防ぐので、従来の高分子固体電解質に比較して、充放電
サイクル特性を向上することができる。また、径が5〜
20μmの孔をゲル状ポリマーマトリックスに0.1〜
30体積%の割合で分布させれば、充放電サイクル特性
を向上させることができ、孔に0〜30体積%の電解液
21と70〜100体積%の気体で満たせば、その電解
液は、その孔から漏れ出すことなくイオンを伝導させる
ので、従来の固体高分子固体電解質に比較してイオン伝
導度が向上し、内部抵抗を減ずることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解質を用いたシート状電池の縦断面
図。
【図2】実施例におけるシート状電池の25℃における
放電容量のサイクル特性を示す図。
【図3】実施例におけるシート状電池の70℃における
放電容量のサイクル特性を示す図。
【符号の説明】
10 シート状電池 12 正極シート 13 ゲル状ポリマー電解質 14 負極シート 21 電解液 22 孔 23 気体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 正 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 樋上 晃裕 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 竹内 さわ子 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ05 AJ06 AJ12 AJ15 AK03 AL07 AM00 AM03 AM05 AM07 AM16 BJ04 BJ12 DJ13 HJ05 HJ09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状電池(10)の正極シート(12)及び
    負極シート(14)の間に介在するゲル状ポリマー電解質(1
    3)であって、 ゲル状ポリマーマトリックスに閉じ込められ独立した多
    数の孔(22)が前記マトリックスの全体にわたって略均一
    に形成され前記孔(22)の内部に気体(23)又は気体(23)と
    電解液(21)が満たされたことを特徴とするシート状電池
    用ゲル状ポリマー電解質。
  2. 【請求項2】 孔(22)の径が5〜20μmであり、前記
    孔(22)がゲル状ポリマーマトリックスに0.1〜30体
    積%の割合で分布する請求項1記載のシート状電池用ゲ
    ル状ポリマー電解質。
  3. 【請求項3】 孔(22)に電解液(21)が0〜30体積%と
    気体(23)が70〜100体積%満たされた請求項1又は
    2記載のシート状電池用ゲル状ポリマー電解質。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20010103648A (ko) * 2000-05-08 2001-11-23 모리시타 요이찌 리튬폴리머 2차전지
JP2012190567A (ja) * 2011-03-08 2012-10-04 Sekisui Chem Co Ltd 多層の膜電極接合体の製造方法及び積層型電池

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