JP2001023133A - 回転ヘッド装置 - Google Patents

回転ヘッド装置

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JP2001023133A
JP2001023133A JP11192251A JP19225199A JP2001023133A JP 2001023133 A JP2001023133 A JP 2001023133A JP 11192251 A JP11192251 A JP 11192251A JP 19225199 A JP19225199 A JP 19225199A JP 2001023133 A JP2001023133 A JP 2001023133A
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JP
Japan
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drum
motor
rotary head
lower drum
head device
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JP11192251A
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English (en)
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Takashi Ietoku
隆史 家徳
Takayuki Mogi
隆幸 茂木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定ドラムに対するモータ、または、モータ
コイルの固定が充分な強度をもって行えながら、装置構
成の小型化を可能とする。 【解決手段】 下ドラム1の下端側部分を、内周側にモ
ータ20のステータ基板22が挿入され得る円筒状とな
し、この円筒状の部分の内周部に全周に亘って円環状に
溝部26を形成する。ステータ基板22を下ドラム1の
下端側部分内に収納し、溝部26内に、弾性を有する材
料により1箇所に欠損を有する円環形状に形成され自然
状態において溝部26がなす円環よりも大径の円環をな
す押圧保持部材25を縮径させて嵌入することにより、
モータ20を下ドラム1に対して取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録テープに対し
ていわゆるヘリカルスキャンを行うことにより情報信号
の記録を行う回転ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転操作される円柱状の回転ドラ
ムとこの回転ドラム上に取付けられた記録ヘッドチップ
及び再生ヘッドチップとを有して構成され、該回転ドラ
ムに対して所定のラップ角に亘って巻回されて走行操作
される記録テープに対し、情報信号の記録及び再生を行
う回転ヘッド装置が提案されている。記録テープは、例
えば磁気テープであって、回転ドラムに対して、斜め
に、すわなち、螺旋(ヘリックス)形状に巻回されるこ
とによって、記録ヘッドチップによるいわゆるヘリカル
スキャンをなされて、記録トラックを形成される。ま
た、記録テープは、再生ヘッドチップによるいわゆるヘ
リカルスキャンをなされて、情報信号の読み出しをなさ
れる。
【0003】回転ドラムは、記録再生装置のシャーシ上
に固定して配設される固定ドラムに対して同軸状となさ
れ、中心軸上の回転軸回りに回転可能に支持されてい
る。そして、この回転ドラムの回転操作は、モータの駆
動力により、回転軸を介して行う。このモータは、固定
ドラムに取付けられている。
【0004】モータの固定ドラムに対する取付けは、ネ
ジ止めによって行っている。すなわち、固定ドラムは、
シャーシ側となる下端側部分が円筒状となされており、
この円筒内にモータを収納する。そして、モータの周縁
部分に設けられたネジ挿通孔に挿通させたネジを、固定
ドラムの外周縁部分に設けられたネジ穴に螺入させて締
め込むことにより、モータは、固定ドラムに対して固定
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な回転ヘッド装置においては、近年、より一層の小型化
が必要となってきている。このような回転ヘッド装置を
小型化するにあたって、モータを固定ドラムの下端側部
分にネジ止めによって取付けることは、小型化の阻害要
因となっている。
【0006】すなわち、固定ドラムに対してモータをネ
ジ止めにより取り付けるにあたっては、この固定ドラム
において、ネジ穴の容積が確保されていることのみなら
ず、このネジ穴の周囲における固定ドラムを構成する材
料の肉厚が充分に確保されていることが必要である。ネ
ジ穴の周囲における肉厚が不充分であると、ネジの締め
込みによって、固定ドラムが変形してしまう虞れがある
からである。また、ネジの締め込み力を弱くすることに
よって固定ドラムの変形を防止しようとしたのでは、充
分な強度をもってモータを固定することができない。
【0007】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提
案されるものであって、固定ドラムに対するモータの固
定が充分な強度をもって行えながら、装置構成の小型化
が可能となされた回転ヘッド装置を提供しようとするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明に係る回転ヘッド装置は、送り操作される記
録テープが所定のラッピング角に亘って巻回される固定
ドラムと、この固定ドラムに対して同軸状となされて中
心軸上の回転軸回りに回転可能に配設され該固定ドラム
とともに記録テープが所定のラッピング角に亘って巻回
される回転ドラムと、この回転ドラムを上記回転軸を介
して回転操作するモータと、回転ドラムに取付けられこ
の回転ドラムに巻回された記録テープに摺接されて該記
録テープに対する情報信号の読み出し、または、書き込
みを行うヘッドチップとを備えて構成される。
【0009】そして、下ドラムは、一端側部分が内周側
にモータ、または、モータコイルが挿入され得る円筒状
となされるとともに、この円筒状の部分の内周部に全周
に亘って円環状に溝部が形成されている。また、モー
タ、または、モータコイルは、下ドラムの一端側部分内
に収納されて位置決めされ、弾性を有する材料により1
箇所に欠損を有する円環形状に形成され自然状態におい
て該溝部がなす円環よりも大径の円環をなす押圧保持部
材が縮径されて溝部内に嵌入されることによって、下ド
ラムに対して取付けられていることを特徴とする。
【0010】したがって、この回転ヘッド装置において
は、固定ドラムの一端側部分の肉厚を薄くして固定ドラ
ムを小型化しても、固定ドラムを変形させることなく、
充分な強度をもってモータ、または、モータコイルを固
定することができる。また、固定ドラムの内径をモータ
の収納空間として有効に使用することができ、充分な特
性を有するモータ、または、モータコイルを使用するこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0012】本発明に係る回転ヘッド装置は、記録テー
プである磁気テープを記録媒体としてデジタル情報信号
の記録再生を行う記録再生装置において、該磁気テープ
に対し、いわゆるヘリカルスキャンを行って、デジタル
情報信号の書き込み及び読出しを行う装置である。
【0013】この回転ヘッド装置は、図1に示すよう
に、記録再生装置の図示しないシャーシ上に固定して配
設される略々円柱状の下ドラム1を有している。この下
ドラム1は、例えばアルミニウムの如き金属により形成
されている。この下ドラム1の外周面部には、記録再生
装置において走行操作される磁気テープをガイドするた
めのリードが形成されている。磁気テープは、このリー
ドに沿って走行されることにより、下ドラム1の外周面
上に、所定角度範囲に亘って、斜めに、すなわち、螺旋
(ヘリックス)形状に巻回された状態で走行される。な
お、この実施の形態においては、図2に示すように、磁
気テープは、下ドラム1の外周面上に、174°に亘っ
て巻回される。
【0014】下ドラム1の中心部分には、図1に示すよ
うに、中心部に回転軸2aを有する軸受け(ダイレクト
ベアリング)2が、いわゆる焼きばめによって、隙間な
く組み付けられている。すなわち、この軸受け2は、回
転軸2aを複数の鋼球2cを介して回転可能に支持して
いる外環部2bを、下ドラム1の中心部に形成された孔
1aに嵌入されて固定され、回転軸2aを下ドラム1に
対して回転可能としている。この回転軸2aは、下ドラ
ム1の上方側及び下方側に突出している。
【0015】軸受け2の回転軸2aには、下ドラム1の
上方側に突出した部分において、略々円盤形状のフラン
ジ部材3が取付けられている。このフランジ部材3は、
中心部分に孔を有し、この孔に回転軸2aを圧入させ、
さらに、この回転軸2aに接着されることにより、該回
転軸2aに取付けられている。
【0016】そして、このフランジ部材3上には、回転
ドラムとなる上ドラム4が取付けられている。この上ド
ラム4は、アルミニウムの如き金属材料により、下ドラ
ム1と同一径の円柱状に形成されている。この上ドラム
4は、下ドラム1に対して同軸状に支持され、フランジ
部材3及び回転軸2aとともに、中心軸回りに回転可能
となされている。
【0017】上ドラム4の下面部には、この上ドラム4
とフランジ部材3との間に位置して、複数の記録ヘッド
チップ5が、それぞれネジ6によって取付けられてい
る。この回転ヘッド装置においては、複数の記録ヘッド
チップ5は、図3に示すように、上ドラム4において、
できるだけ近接されて、すなわち、上ドラム4の回転軸
回りの90°以下の角度範囲に取付けられている。この
実施の形態においては、記録ヘッドチップ5の数は2個
としている。また、この実施の形態においては、記録ヘ
ッドチップ5のなす角度θは、50°程度となってい
る。
【0018】そして、上ドラム4の下面部には、複数の
再生ヘッドチップ7が、それぞれネジ8によって取付け
られている。これら再生ヘッドチップ7は、磁気抵抗型
薄膜ヘッド、いわゆるMRヘッドである。この実施の形
態においては、再生ヘッドチップ7の数は2個としてい
る。
【0019】さらに、上ドラム4の上面部、すなわち、
記録ヘッドチップ5及び再生ヘッドチップ7が取付けら
れた面の反対側の面には、図1に示すように、再生ヘッ
ド駆動用及び再生信号増幅用の電気回路9が取付けられ
ている。この電気回路9は、基板10と、この基板10
の下面部に取付けられた電子部品群11とから構成され
ている。すなわち、電子部品群11は、基板10と上ド
ラム4との間に位置している。この電気回路9は、再生
ヘッドチップ7が磁気抵抗型薄膜ヘッドであることによ
って必要となるものである。
【0020】そして、下ドラム1とフランジ部材3との
間には、該下ドラム1側と、記録ヘッドチップ5及び電
気回路9側との間での、電気信号及び電力の授受を行う
ためのロータリートランス12が設けられている。この
ロータリートランス12は、下ドラム1の上面部に固定
されたステータ(固定側)コイル板12aと、フランジ
部材3の下面部に接着されたロータ(回転側)コイル板
12bとから構成されている。これらステータコイル板
12a及びロータコイル板12bは、それぞれ円盤状に
形成され、複数の同心円状に形成されたコイル巻回溝を
有している。これらコイル巻回溝内には、それぞれステ
ータコイル及びロータコイルとなる巻線が設けられてい
る。これらステータコイル板12a及びロータコイル板
12bは、互いに微小な間隔を隔てて平行に対向され、
対応する巻線同士を対向させている。
【0021】電気回路9の駆動電源は、ロータリートラ
ンス12のステータコイル板12a及びロータコイル板
12bのそれぞれのうちの電源供給用巻線を介して、電
送されて供給される。また、記録ヘッドチップ5へ供給
される記録信号及び電気回路9より出力される再生信号
は、ロータリートランス12のステータコイル板12a
及びロータコイル板12bのそれぞれのうちの情報信号
用巻線を介して電送される。
【0022】上ドラム4及びフランジ部材3を含む回転
体においては、ロータリートランス12のロータコイル
板12bの巻線、各記録ヘッドチップ5、各再生ヘッド
チップ7及び電気回路9間は、図1及び図3に示すよう
に、端子部材13、中継基板(フレキシブル基板)1
4、基板10上の導体パターン、コネクタ付き端子部材
15、第1及び第2の中継ピン16、コネクタ17を介
して、図4に示すように、所定の接続をなされている。
端子部材13、コネクタ付き端子部材15及びコネクタ
17は、合成樹脂材料からなる略々リング状の端子部材
支持部材18とともにアウトサート成型されることによ
りこの端子部材支持部材18により支持されており、端
子部分、端子部分及びコネクタ部分、または、コネクタ
部分を外方側に臨ませている。端子部材支持部材18
は、端子部材13及びコネクタ付き端子部材15の端子
部分に対応する透孔を有している。すなわち、これら端
子部分は、端子部材支持部材18の上方側及び下方側の
両方に臨んでいる。この端子部材支持部材18は、フラ
ンジ部材3の上面部に貼り付けられ、このフランジ部材
3と上ドラム4との間に位置する。中継基板14は、フ
ランジ部材3の上面部に貼り付けられており、このフラ
ンジ部材3と端子部材支持部材18との間に位置してい
る。
【0023】各記録ヘッドチップ5は、図4に示すよう
に、それぞれ一対の端子部材13,13を介して、中継
基板14の所定の導体パターンに接続される。これら端
子部材13は、図3に示すように、それぞれ2本の端子
板を有しており、図5に示すように、上方側に屈曲され
た一方の端子板が記録ヘッドチップ5の電極部に圧接さ
れて接続され、下方側に屈曲された他方の端子板が中継
基板14の所定の導体パターンに接触される。この中継
基板14の導体パターンには、ロータコイル板12bの
所定の巻線のリード線が半田付けにより接続されてい
る。このような接続により、ロータコイル板12bの所
定の巻線のリード線から、各記録ヘッドチップ5に対し
て、磁気テープへの書き込みを行う情報信号の供給が行
われる。
【0024】この実施の形態においては、記録ヘッドチ
ップ5の数が2個なので、これら記録ヘッドチップ5,
5に対応するものとして、端子部材13を4枚使用す
る。
【0025】また、各再生ヘッドチップ7は、図1及び
図3に示すように、それぞれ一対のコネクタ付き端子部
材15,15及び対をなす第1及び第2の中継ピン1
6,16を介して、基板10上の所定の導体パターンに
接続され、図4に示すように、電気回路9に接続され
る。これらコネクタ付き端子部材15は、図6及び図7
に示すように、それぞれ1本の端子板とコネクタ部とを
有しており、上方側に屈曲された端子板が再生ヘッドチ
ップ7の電極部に圧接されて接続される。
【0026】中継ピン16は、図1に示すように、上ド
ラム4に取付けられており、上端側が基板10上の所定
の導体パターンに接続され、下端側がコネクタ付き端子
部材15のコネクタ部に圧接されて接続される。コネク
タ付き端子部材15のコネクタ部は、図8に示すよう
に、互いに対向された一対の挟持部15a,15bから
なり、中継ピン16の下端側が該各挟持部間に差し込ま
れると、図9に示すように、この下端側を両側より挟み
込み、該下端側の両側部に該各挟持部を圧接させる。こ
のような接続により、各再生ヘッドチップ7から、磁気
テープより読み出した情報信号の電気回路9への入力が
行われる。
【0027】この実施の形態においては、再生ヘッドチ
ップ7の数が2個なので、これら再生ヘッドチップ7,
7から電気回路9への入力のためには、コネクタ付き端
子部材15を4枚、中継ピン16を4本使用する。な
お、中継ピン16は、図10及び図11に示すように、
2本ずつが1個の合成樹脂製のホルダ16aに支持され
ている。
【0028】さらに、基板10上の所定の導体パターン
は、図1に示すように、中継ピン16及びコネクタ17
を介して、ロータコイル板12bの所定の巻線のリード
線に接続されている。すなわち、上端側が基板10上の
所定の導体パターンに接続された複数の中継ピン16の
下端側は、それぞれコネクタ17に圧接されて接続され
る。コネクタ17は、図12に示すように、互いに対向
された一対の挟持部を有し、中継ピン16の下端側が該
各挟持部間に差し込まれると、この下端側を両側より挟
み込み、該下端側の両側部に該各挟持部を圧接させる。
これらコネクタ17には、ロータコイル板12bの所定
の巻線のリード線が半田付けによりそれぞれ接続されて
いる。このような接続により、電気回路9において増幅
された情報信号の出力と、該電気回路9への電源供給が
行われる。
【0029】この実施の形態においては、再生ヘッドチ
ップ7の数が2個なので、電気回路9からの出力のため
には、中継ピン16を4本、コネクタ17を4個使用す
る。また、電気回路9への電源供給のためには、中継ピ
ン16を2本、コネクタ17を2個使用する。
【0030】この回転ヘッド装置においては、上ドラム
4をフランジ部材3から外したときには、各記録ヘッド
チップ5、各再生ヘッドチップ7及び各中継ピン16
が、該上ドラム4とともにフランジ部材3より離間され
る。このとき、各中継ピン16の下端側は、コネクタ付
き端子部材15のコネクタ部及びコネクタ17より抜き
取られる。そして、上ドラム4をフランジ部材3上に装
着したときには、各中継ピン16の下端側は、コネクタ
付き端子部材15のコネクタ部及びコネクタ17に差し
込まれる。このように、この回転ヘッド装置において
は、完成後の分解やメインテナンスが容易に行え、か
つ、各接続部について高い信頼性が実現されている。
【0031】そして、この回転ヘッド装置においては、
端子部材13及びコネクタ付き端子部材15は、それぞ
れ端子板を各ヘッドチップ5,7の端子部に圧接させて
いることによる反力に抗して、フランジ部材3により支
持される。また、コネクタ付き端子部材15及びコネク
タ17は、各中継ピン16から受ける押圧力に抗して、
フランジ部材3により支持される。したがって、この回
転ヘッド装置においては、完成後の分解やメインテナン
ス時において、ロータリートランス12を構成するロー
タコイル板12bのフランジ部材3からの剥離や脱落が
防止されている。
【0032】また、図1に示すように、上ドラム4の回
転中において、再生ヘッドチップ7が軸受け2内の潤滑
グリス等によってシャーシ及び下ドラム1に対して電気
的に浮いてしまう虞れがあるので、該再生ヘッドチップ
7を下ドラム1に接地させるために、軸アース部材19
が設けられている。この軸アース部材19は、基端側が
下ドラム1に接触されて接地されており、先端側を軸受
け2の回転軸2aの上端面に接触させている。
【0033】そして、上ドラム4を回転駆動するための
モータ20が、軸受け2の回転軸2aの下端側、すなわ
ち、上ドラム4の取付け部の反対側に取付けられてい
る。このモータ20は、回転軸2aに取付けられたロー
タ21と、下ドラム1に取付けられたステータコイル基
板22とから構成されている。ロータ21は、透磁性材
料により略々円盤状に形成され中心部の透孔に回転軸2
aを嵌入させて該回転軸2aに取付けられた基材部を有
している。このロータ21は、基材部に取付けられたマ
グネット23及びヨーク24を有している。このロータ
21において、基材部、マグネット23及びヨーク24
は、磁気回路を構成している。ステータコイル基板22
は、中央部分に透孔を有する円盤形状の基板にステータ
コイルが取付けられて構成されており、該ステータコイ
ルを、ロータ21の基材部、マグネット23及びヨーク
24が構成する磁気回路中に位置させて、下ドラム1に
取付けられている。
【0034】このモータ20においては、ステータコイ
ル基板22のステータコイルに所定の駆動電流が供給さ
れることにより、ロータ21が回転操作される。ロータ
21が回転操作されると、回転軸2a及び上ドラム4
が、該ロータ21とともに回転操作される。
【0035】このモータ20においては、ステータコイ
ル基板22は、図1及び図13に示すように、下ドラム
1に対して、押圧保持部材となるCリング25によって
取付けられている。このCリング25は、弾性を有する
金属材料により、1箇所に欠損を有する円環形状に形成
されている。下ドラム1の下端側は、内周側にステータ
コイル基板22が挿入され得る円筒状となされている。
この円筒状の部分の内周部には、図14に示すように、
ステータコイル基板22の外周縁部に当接して位置決め
する段差部と、Cリング25が嵌合される溝部26とが
全周に亘って円環状に形成されている。この溝部26
は、下側の縁部が、下ドラム1の下方側に向けて傾斜さ
れた傾斜面(円錐面)となされている。そして、Cリン
グ25は、外周側の下縁部が、溝部26の傾斜面に対応
した傾斜面(円錐面)となされている。このCリング2
5は、自然状態においては、溝部26がなす円環よりも
大径の円環をなしている。
【0036】下ドラム1にステータコイル基板22を取
付けるときには、まず、このステータコイル基板22を
下ドラム1の下端側の円筒状部分内に挿入し、外周縁部
を段差部に当接させる。このとき、ステータコイル基板
22の位相位置(回転位置)は、図15に示すように、
このステータコイル基板22の外周部に設けられた突片
部27を下ドラム1の下端側に設けられた切り欠き部2
8に合致させて嵌合させることにより、位置決めされ
る。なお、突片部27には、ステータコイル基板22上
に設けられたステータコイルに駆動電流を供給するため
のフレキシブル基板34が取付けられている。
【0037】なお、このような位相位置の位置決めにつ
いては、ステータコイル基板22側に切り欠き部を設
け、下ドラム1側にステータコイル基板22の切り欠き
部に対応する突起部を設けることとしてもよい。
【0038】そして、Cリング25は、外力により弾性
変形されて溝部26がなす円環よりも小径化された状態
で、下ドラム1の下端側の円筒状部分内に挿入され、該
外力から開放されることによって自然状態に復帰しよう
とする力で、該溝部26内に進入する。このとき、Cリ
ング25は、傾斜面を溝部26の傾斜面に当接させた状
態で外方側に拡径しようとするので、下ドラム1に対し
て上方側に移動しようとすることとなり、ステータコイ
ル基板22を下ドラム1内の段差部に押し付ける。この
ように、Cリング25がステータコイル基板22を上方
側に押し付けることにより、ネジ止めにより固定する場
合に比して下ドラム1の歪みや変形が少なく、また、下
ドラム1の内径を有効に使用してステータ基板22やマ
グネット23を充分な面積を有するものとすることがで
きる。すなわち、この回転ヘッド装置においては、装置
構成の小型化が可能でありながら、ステータコイル基板
22の正確な位置決めを行うことができる。
【0039】なお、下ドラム1のモータ20が収納され
る部分のみを外方側に張り出させることとすれば、モー
タ20のマグネット23を充分な面積を有するものとす
ることができるので、回転トルクなどのモータの特性を
一層充分なものとすることができる。
【0040】この回転ヘッド装置においては、記録再生
装置によって磁気テープが下ドラム1及び上ドラム4の
外周面を経て走行され、該上ドラム4が回転操作される
ことにより、各記録ヘッドチップ5は、図16に示すよ
うに、該磁気テープ上に、順次密接して隣接するヘリカ
ルトラックTr0、Tr1・・・を形成してデジタル信
号を記録する。
【0041】ところで、この回転ヘッド装置において
は、電気回路9上に取り付けてある回転バランス調整用
リング30とモータ20のロータ21の2箇所におい
て、回転バランスを調整し、上ドラム4の回転に伴う振
動の低減を図っている。また、上ドラム4においては、
各記録ヘッドチップ5の反対側となる位置に、バランス
ウェイト29が取付けられている。
【0042】回転バランス調整用リング30は、合成樹
脂の如き材料により、図1及び図17に示すように、複
数の孔31を有して形成されている。この回転バランス
調整用リング30においては、孔31に金属球32を圧
入することによって、半田や接着材を付着させることに
よってバランス調整を行っていた従来の回転ヘッド装置
におけるよりも容易に、回転バランスを適切な値に調整
することができる。例えば、金属球32としてφ1mm
の鋼球を使用した場合には、その重量wは1個あたり4
mgであり、それによる回転バランス調整感度eは、以
下の式で示される。
【0043】e=r・w/W ここで、rは金属球32が圧入された位置の半径、Wは
回転体全体の重量を示す。r=4.5mm、W=12g
のときの回転バランス調整感度eは、鋼球1個あたり、
3μmとなる。この調整感度は、半径rと重量wを選択
することによって、任意に設定することができる。ま
た、重量の異なる複数種類の球体が挿入できるようにす
れば、より高精度なバランス調整を行うことができる。
【0044】回転バランス調整用リング30の孔31
は、貫通孔であるが、電気回路9の基板10によって、
底部を閉蓋されている。すなわち、基板10は、孔31
に金属球32が圧入されたときのこの金属球32の受け
板を兼ねている。
【0045】この回転ヘッド装置においては、上述のよ
うな構成を有し、特に、複数の記録ヘッドチップ5が上
ドラム4においてできるだけ近接されて、すなわち、上
ドラム4の回転軸回りの90°以下の角度範囲に取付け
られているため、上ドラム4の偏芯の各記録ヘッドチッ
プ5に対する影響の違いが少ないため、磁気テープ上に
おける記録トラックピッチを4μm程度とし、最短記録
波長を0.28μm程度として、上ドラムの回転数が毎
分6000回転以上において記録周波数を23MHz程
度とすることが可能となっている。
【0046】なお、回転バランスの調整は、図18及び
図19に示すように、電気回路9上に複数の回転バラン
ス調整用端子33を円環状に配列させて配設しておき、
これら回転バランス調整用端子33の一部のものを切断
することによっても、行うことができる。この場合の調
整感度については、上述の金属球を使用する場合と同様
に、回転バランス調整用端子33の長さや太さを設定す
ることによって、任意に設定することができる。さら
に、回転バランス調整用端子33を切断する長さを変え
ることによって、より高精度なバランス調整が可能とな
る。この場合においては、電気回路9の基板10は、回
転バランス調整用端子33の支持板を兼ねている。
【0047】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る回転ヘッド
装置においては、下ドラムは、一端側部分が内周側にモ
ータ、または、モータコイルが挿入され得る円筒状とな
されるとともに、この円筒状の部分の内周部に全周に亘
って円環状に溝部が形成されている。そして、モータ、
または、モータコイルは、下ドラムの一端側部分内に収
納され、外周縁部を溝部に嵌入させるとともに、この溝
部内に、弾性を有する材料により1箇所に欠損を有する
円環形状に形成され自然状態において該溝部がなす円環
よりも大径の円環をなす押圧保持部材が縮径されて嵌入
されることによって、下ドラムに対して取付けられてい
る。
【0048】したがって、この回転ヘッド装置において
は、固定ドラムの一端側部分の肉厚を薄くして固定ドラ
ムを小型化しても、固定ドラムを変形させることなく、
充分な強度をもってモータを固定することができる。ま
た、固定ドラムの内径をモータ、または、モータコイル
の収納空間として有効に使用することができ、充分な特
性を有するモータ、または、モータコイルを使用するこ
とができる。
【0049】さらに、固定ドラムのモータが収納される
部分のみを外方側に張り出させることとすれば、モータ
のマグネットを充分な面積を有するものとすることがで
きるので、回転トルクなどのモータの特性も充分なもの
とすることができる。
【0050】すなわち、本発明は、固定ドラムに対する
モータの固定が充分な強度をもって行えながら、装置構
成の小型化が可能となされた回転ヘッド装置を提供する
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転ヘッド装置の構成を示す縦断
面図である。
【図2】上記回転ヘッド装置に記録テープが巻回された
状態を示す平面図である。
【図3】上記回転ヘッド装置の要部の構成を示す平面図
である。
【図4】上記回転ヘッド装置における電気的接続を示す
配線図である。
【図5】上記回転ヘッド装置における端子板の形状を示
す側面図である。
【図6】上記回転ヘッド装置におけるコネクタ付き端子
部材の形状を示す側面図である。
【図7】上記回転ヘッド装置におけるコネクタ付き端子
部材の形状を示す平面図である。
【図8】上記回転ヘッド装置におけるコネクタ付き端子
部材のコネクタ部の形状を示す斜視図である。
【図9】上記コネクタ部に中継ピンが挿入された状態を
示す斜視図である。
【図10】上記回転ヘッド装置における中継ピンの形状
を示す側面図である。
【図11】上記回転ヘッド装置における中継ピンの形状
を示す平面図である。
【図12】上記回転ヘッド装置におけるコネクタの形状
を示す平面図である。
【図13】上記回転ヘッド装置の構成を示す底面図であ
る。
【図14】上記回転ヘッド装置におけるモータのステー
タコイル基板の取付け部分の構成を示す拡大縦断面図で
ある。
【図15】上記回転ヘッド装置におけるモータのステー
タコイル基板の取付け部分の構成を示す拡大底面図であ
る。
【図16】上記回転ヘッド装置により記録テープ上に形
成される記録トラックの状態を示す平面図である。
【図17】上記回転ヘッド装置の構成を示す平面図であ
る。
【図18】上記回転ヘッド装置の構成の他の形態を示す
平面図である。
【図19】上記回転ヘッド装置の構成の他の形態を示す
縦断面図である。
【符号の説明】
1 下ドラム、2 軸受け、3 フランジ、4 上ドラ
ム、5 記録ヘッドチップ、7 再生ヘッドチップ、9
電気回路、10 基板、11 電子部品群、12 ロ
ータリーエンコーダ、13、端子板、14 中継基板、
15 コネクタ付き端子部材、16 中継ピン、17
コネクタ、18 端子部材支持部材、20 モータ、2
1 ロータ、22 ステータコイル基板、25 Cリン
グ、30回転バランス調整用リング、32 金属球、3
3 回転バランス調整用端子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送り操作される記録テープが所定のラッ
    ピング角に亘って巻回される固定ドラムと、 上記固定ドラムに対して同軸状となされて中心軸上の回
    転軸回りに回転可能に配設され、該固定ドラムとともに
    上記記録テープが所定のラッピング角に亘って巻回され
    る回転ドラムと、 上記回転ドラムを上記回転軸を介して回転操作するモー
    タと、 上記回転ドラムに取付けられ、該回転ドラムに巻回され
    た記録テープに摺接されて該記録テープに対する情報信
    号の読み出し、または、書き込みを行うヘッドチップと
    を備え、 上記下ドラムは、一端側部分が内周側にモータ、また
    は、モータコイルが挿入され得る円筒状となされるとと
    もに、この円筒状の部分の内周部に全周に亘って円環状
    に溝部が形成されており、 上記モータ、または、モータコイルは、上記下ドラムの
    一端側部分内に収納されて位置決めされ、弾性を有する
    材料により1箇所に欠損を有する円環形状に形成され自
    然状態において該溝部がなす円環よりも大径の円環をな
    す押圧保持部材が縮径されて上記溝部内に嵌入されるこ
    とによって、該下ドラムに対して取付けられていること
    を特徴とする回転ヘッド装置。
  2. 【請求項2】 溝部は、下ドラムの一端側の縁部が、該
    一端側に向けて傾斜された円錐面形状となされ、 押圧保持部材は、外周側の縁部が、上記溝部の円錐面に
    対応した円錐面形状となされていることを特徴とする請
    求項1記載の回転ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 下ドラムは、一端側部分における上記モ
    ータの外周縁部に対応する位置の少なくとも一箇所に、
    モータの位相位置決め用の切り欠き部、または、突起部
    を有し、 モータは、外周縁部に、上記下ドラムの切り欠き部、ま
    たは、突起部に対応した突起部、または、切り欠き部を
    有し、この突起部、または、切り欠き部を該下ドラムの
    切り欠き部、または、突起部に嵌合させることにより、
    位相位置決めを行うことを特徴とする請求項1記載の回
    転ヘッド装置。
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