JP2001020199A - コーティング剤 - Google Patents
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- JP2001020199A JP2001020199A JP18857599A JP18857599A JP2001020199A JP 2001020199 A JP2001020199 A JP 2001020199A JP 18857599 A JP18857599 A JP 18857599A JP 18857599 A JP18857599 A JP 18857599A JP 2001020199 A JP2001020199 A JP 2001020199A
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- pva
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 特に紙にコーティングした場合、100℃以
下の比較的低温で乾燥しても、とりわけ耐水強度に優れ
るコーティング剤、とくに顔料コーティング剤を得るこ
と。 【解決手段】 下記の化1または化2の構造単位を有
し、炭素数4以下のα−オレフィン単位を1〜15モル
%含有するビニルアルコール系重合体を含有することを
特徴とするコーティング剤。 【化1】 【化2】 {ここで、R1、R2、R3、R4およびR5は水素原
子または炭素数8以下の置換基を有していてもよい炭化
水素基を表し、R4は炭素数1〜40のアルコキシル基
またはアシロキシル基(ここでアルコキシル基、アシロ
キシル基は酸素を含有する置換基を有していてもよ
い)、R6は炭素数5以下のアルキレン基または連鎖炭
素原子が酸素もしくは窒素によって相互に結合された2
価の有機残基を表し、nは0〜4の整数を表し、p+m
は3以下で、は0〜2の整数、mは0〜3の整数を表
し、Xは1価の金属を表す。}
下の比較的低温で乾燥しても、とりわけ耐水強度に優れ
るコーティング剤、とくに顔料コーティング剤を得るこ
と。 【解決手段】 下記の化1または化2の構造単位を有
し、炭素数4以下のα−オレフィン単位を1〜15モル
%含有するビニルアルコール系重合体を含有することを
特徴とするコーティング剤。 【化1】 【化2】 {ここで、R1、R2、R3、R4およびR5は水素原
子または炭素数8以下の置換基を有していてもよい炭化
水素基を表し、R4は炭素数1〜40のアルコキシル基
またはアシロキシル基(ここでアルコキシル基、アシロ
キシル基は酸素を含有する置換基を有していてもよ
い)、R6は炭素数5以下のアルキレン基または連鎖炭
素原子が酸素もしくは窒素によって相互に結合された2
価の有機残基を表し、nは0〜4の整数を表し、p+m
は3以下で、は0〜2の整数、mは0〜3の整数を表
し、Xは1価の金属を表す。}
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーティング剤、
とくに顔料コーティング剤に関する。さらに詳しくは、
塗工後の乾燥温度によらず耐水強度に特に優れた顔料コ
ーティング剤に関する。
とくに顔料コーティング剤に関する。さらに詳しくは、
塗工後の乾燥温度によらず耐水強度に特に優れた顔料コ
ーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビニルアルコール系重合体(以下
「PVA」と略記する)は、特に紙の表面強度、平滑
性、光沢あるいはバリアー性の向上など表面特性を改善
するためのクリアーコーティング剤として、また顔料コ
ーティングにおけるバインダーとして広く使用されてい
る。PVAは、造膜性および強度において他の糊剤の追
随を許さぬ優れた性能を有することが広く知られてい
る。しかしながら、近年、印刷速度の高速化の流れの中
で、表面強度や耐水強度等、紙の表面特性を更に高くす
るPVAが要求されており、従来のPVAではこれらの
要求を十分満足させることはできないという欠点があっ
た。このような欠点に対する対策として、特公昭63−
550478おいて、分子中にケイ素を含有するPVA
を用いる方法が開示されているが、バリヤー性や表面強
度は改善しているものの、耐水強度についてはやや不足
していた。
「PVA」と略記する)は、特に紙の表面強度、平滑
性、光沢あるいはバリアー性の向上など表面特性を改善
するためのクリアーコーティング剤として、また顔料コ
ーティングにおけるバインダーとして広く使用されてい
る。PVAは、造膜性および強度において他の糊剤の追
随を許さぬ優れた性能を有することが広く知られてい
る。しかしながら、近年、印刷速度の高速化の流れの中
で、表面強度や耐水強度等、紙の表面特性を更に高くす
るPVAが要求されており、従来のPVAではこれらの
要求を十分満足させることはできないという欠点があっ
た。このような欠点に対する対策として、特公昭63−
550478おいて、分子中にケイ素を含有するPVA
を用いる方法が開示されているが、バリヤー性や表面強
度は改善しているものの、耐水強度についてはやや不足
していた。
【0003】また、耐水強度を改善する方法として、特
公平6−63199では、α−オレフィン単位を含有す
るPVAを用いる方法が開示されている。印刷適性は耐
水強度などはかなり改善されているが、なお十分ではな
く、上記の種々の要求を満たしうる新規なコーティング
剤の開発が強く要請されている。
公平6−63199では、α−オレフィン単位を含有す
るPVAを用いる方法が開示されている。印刷適性は耐
水強度などはかなり改善されているが、なお十分ではな
く、上記の種々の要求を満たしうる新規なコーティング
剤の開発が強く要請されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術の欠点を解消するために創案されたものであ
り、塗工後の乾燥温度によらず耐水強度に優れるコーテ
ィング剤、とくに顔料コーティング剤を提供することを
目的とする。
従来技術の欠点を解消するために創案されたものであ
り、塗工後の乾燥温度によらず耐水強度に優れるコーテ
ィング剤、とくに顔料コーティング剤を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の化3
または化4の構造単位を有し、炭素数4以下のα−オレ
フィン単位を1〜15モル%含有するコーティング剤、
とくに顔料コーティング剤を提供することによって達成
される。
または化4の構造単位を有し、炭素数4以下のα−オレ
フィン単位を1〜15モル%含有するコーティング剤、
とくに顔料コーティング剤を提供することによって達成
される。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】{ここで、R1、R2、R3、R4および
R5は水素原子または炭素数8以下の置換基を有してい
てもよい炭化水素基を表し、R4は炭素数1〜40のア
ルコキシル基またはアシロキシル基(ここでアルコキシ
ル基、アシロキシル基は酸素を含有する置換基を有して
いてもよい)、R6は炭素数5以下のアルキレン基また
は連鎖炭素原子が酸素もしくは窒素によって相互に結合
された2価の有機残基を表し、nは0〜4の整数を表
し、p+mは3以下で、pは0〜2の整数、mは0〜3
の整数を表し、Xは1価の金属を表す。}
R5は水素原子または炭素数8以下の置換基を有してい
てもよい炭化水素基を表し、R4は炭素数1〜40のア
ルコキシル基またはアシロキシル基(ここでアルコキシ
ル基、アシロキシル基は酸素を含有する置換基を有して
いてもよい)、R6は炭素数5以下のアルキレン基また
は連鎖炭素原子が酸素もしくは窒素によって相互に結合
された2価の有機残基を表し、nは0〜4の整数を表
し、p+mは3以下で、pは0〜2の整数、mは0〜3
の整数を表し、Xは1価の金属を表す。}
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のコーティング剤、とくに
顔料コーティング剤に用いるPVAを構成する前記一般
式の化3または化4の構造単位は、前記一般式の化3ま
たは化4の構造単位に由来するオレフィン性不飽和単量
体とビニルエステルとの共重合体をけん化することによ
り導入される。本発明に用いるPVAは、その原料であ
る変性ビニルエステル系重合体の側鎖のアルコキシシラ
ン基がけん化反応時に加水分解されてシラノール基また
はその塩基に変換されていても一向に差し支えない。本
発明に用いるPVAは、前記一般式の化3または化4の
構造単位を有するものであれば特に制限はないが、通常
0.01〜5モル%、好ましくは0.05〜3モル%、
さらに好ましくは0.1〜2モル%である。0.01モ
ル%より小さい場合には、効果が発現せず、5モル%よ
り大きい場合には、水溶性が低下し好ましくない。
顔料コーティング剤に用いるPVAを構成する前記一般
式の化3または化4の構造単位は、前記一般式の化3ま
たは化4の構造単位に由来するオレフィン性不飽和単量
体とビニルエステルとの共重合体をけん化することによ
り導入される。本発明に用いるPVAは、その原料であ
る変性ビニルエステル系重合体の側鎖のアルコキシシラ
ン基がけん化反応時に加水分解されてシラノール基また
はその塩基に変換されていても一向に差し支えない。本
発明に用いるPVAは、前記一般式の化3または化4の
構造単位を有するものであれば特に制限はないが、通常
0.01〜5モル%、好ましくは0.05〜3モル%、
さらに好ましくは0.1〜2モル%である。0.01モ
ル%より小さい場合には、効果が発現せず、5モル%よ
り大きい場合には、水溶性が低下し好ましくない。
【0010】前記一般式の化3の構造単位に由来するオ
レフィン性不飽和単量体の具体例としては、例えばビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリス−(β−メトキシ
エトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、アリルトリアセトキシシラン、
ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキ
シシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメ
チルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラ
ン、ビニルジメチルアセトキシシラン、ビニルイソブチ
ルジメトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラ
ン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリヘキシロキ
シシラン、ビニルメトキシジヘキシロキシシラン、ビニ
ルジメトキシオクチロキシシラン、ビニルメトキシジオ
クチロキシシラン、ビニルトリオクチロキシシラン、ビ
ニルメトキシジラウリロキシシラン、ビニルジメトキシ
ラウリロキシシラン、ビニルメトキシジオレイロキシシ
ラン、ビニルジメトキシオレイロキシシランなどが挙げ
られる。
レフィン性不飽和単量体の具体例としては、例えばビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリス−(β−メトキシ
エトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、アリルトリアセトキシシラン、
ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキ
シシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメ
チルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラ
ン、ビニルジメチルアセトキシシラン、ビニルイソブチ
ルジメトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラ
ン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリヘキシロキ
シシラン、ビニルメトキシジヘキシロキシシラン、ビニ
ルジメトキシオクチロキシシラン、ビニルメトキシジオ
クチロキシシラン、ビニルトリオクチロキシシラン、ビ
ニルメトキシジラウリロキシシラン、ビニルジメトキシ
ラウリロキシシラン、ビニルメトキシジオレイロキシシ
ラン、ビニルジメトキシオレイロキシシランなどが挙げ
られる。
【0011】前記一般式の化4の構造単位に由来するオ
レフィン性不飽和単量体の具体例としては、例えば3−
(メタ)アクリルアミド−プロピルトリメトキシシラ
ン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリエトキ
シシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリ
(β−メトキシエトキシ)シラン、2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、2
−(メタ)アクリルアミド−2−メチルエチルトリメト
キシシラン、N−(2−(メタ)アクリルアミド−エチ
ル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(メ
タ)アクリルアミド−プロピルトリアセトキシシラン、
2−(メタ)アクリルアミド−エチルトリメトキシシラ
ン、1−(メタ)アクリルアミド−メチルトリメトキシ
シラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルメチル
ジメトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロ
ピルジメチルメトキシシラン、3−[N−メチル−(メ
タ)アクリルアミド]−プロピルトリメトキシシラン、
3−[(メタ)アクリルアミド−メトキシ]−3−ハイ
ドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−[(メタ)
アクリルアミド−メトキシ]−プロピルトリメトキシシ
ラン、ジメチル−3−(メタ)アクリルアミド−プロピ
ル−3−(トリメトキシシリル)−プロピルアンモニウ
ムクロライド、ジメチル−2−(メタ)アクリルアミド
−2−メチルプロピル−3−(トリメトキシシリル)−
プロピルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
レフィン性不飽和単量体の具体例としては、例えば3−
(メタ)アクリルアミド−プロピルトリメトキシシラ
ン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリエトキ
シシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリ
(β−メトキシエトキシ)シラン、2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、2
−(メタ)アクリルアミド−2−メチルエチルトリメト
キシシラン、N−(2−(メタ)アクリルアミド−エチ
ル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(メ
タ)アクリルアミド−プロピルトリアセトキシシラン、
2−(メタ)アクリルアミド−エチルトリメトキシシラ
ン、1−(メタ)アクリルアミド−メチルトリメトキシ
シラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルメチル
ジメトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロ
ピルジメチルメトキシシラン、3−[N−メチル−(メ
タ)アクリルアミド]−プロピルトリメトキシシラン、
3−[(メタ)アクリルアミド−メトキシ]−3−ハイ
ドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−[(メタ)
アクリルアミド−メトキシ]−プロピルトリメトキシシ
ラン、ジメチル−3−(メタ)アクリルアミド−プロピ
ル−3−(トリメトキシシリル)−プロピルアンモニウ
ムクロライド、ジメチル−2−(メタ)アクリルアミド
−2−メチルプロピル−3−(トリメトキシシリル)−
プロピルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
【0012】また、本発明に用いるPVAのα−オレフ
ィン単位としては、エチレン、プロピレン、イソブテ
ン、1−ブテンなどが挙げられる。これらの中でもとり
わけエチレンが好ましい。α−オレフィン単位の含有量
は、1〜15モル%であり、好ましくは2〜10モル
%、さらに好ましくは4〜8モル%である。α−オレフ
ィンの含有量が1モル%未満の場合には、α−オレフィ
ンを変性した効果が現れず、α−オレフィンの含有量が
15モル%より大の場合には、疎水性が強すぎてPVA
系重合体自身の水溶性が乏しくなりPVAとしての特長
が損なわれる。
ィン単位としては、エチレン、プロピレン、イソブテ
ン、1−ブテンなどが挙げられる。これらの中でもとり
わけエチレンが好ましい。α−オレフィン単位の含有量
は、1〜15モル%であり、好ましくは2〜10モル
%、さらに好ましくは4〜8モル%である。α−オレフ
ィンの含有量が1モル%未満の場合には、α−オレフィ
ンを変性した効果が現れず、α−オレフィンの含有量が
15モル%より大の場合には、疎水性が強すぎてPVA
系重合体自身の水溶性が乏しくなりPVAとしての特長
が損なわれる。
【0013】また、本発明に使用するPVAの粘度平均
重合度(以下重合度と略記する)に特に制限はないが、
重合度としては通常50〜10000、好ましくは10
0〜8000、より好ましくは200〜4000の範囲
から選ばれる。重合度が50未満の場合には、コーティ
ング後の紙の表面強度などの向上効果が得られない。ま
た、重合度が10000より大の場合には、溶液の粘度
が高くなりすぎて取扱いが困難になったり、溶液の固形
分を高くできないため、コーティング後の乾燥効率が低
下したり、コーティングする際に均一に塗工できない場
合がある。
重合度(以下重合度と略記する)に特に制限はないが、
重合度としては通常50〜10000、好ましくは10
0〜8000、より好ましくは200〜4000の範囲
から選ばれる。重合度が50未満の場合には、コーティ
ング後の紙の表面強度などの向上効果が得られない。ま
た、重合度が10000より大の場合には、溶液の粘度
が高くなりすぎて取扱いが困難になったり、溶液の固形
分を高くできないため、コーティング後の乾燥効率が低
下したり、コーティングする際に均一に塗工できない場
合がある。
【0014】本発明に用いるPVAのけん化度は70〜
99.99モル%であることが必要であり、80〜9
9.9モル%が好ましく、90〜99.5モル%がより
好ましい。けん化度が70モル%未満の場合には、水溶
性が低下したり、コーティング後の紙の耐水強度の向上
効果が得られない。また、けん化度が99.99モル%
より大の場合には、溶液の粘度が高くなりすぎて取り扱
いが困難になったり、水溶液を低温で長期間保存すると
ゲル化する場合があり得るので好ましくない。
99.99モル%であることが必要であり、80〜9
9.9モル%が好ましく、90〜99.5モル%がより
好ましい。けん化度が70モル%未満の場合には、水溶
性が低下したり、コーティング後の紙の耐水強度の向上
効果が得られない。また、けん化度が99.99モル%
より大の場合には、溶液の粘度が高くなりすぎて取り扱
いが困難になったり、水溶液を低温で長期間保存すると
ゲル化する場合があり得るので好ましくない。
【0015】また、本発明において使用される前記一般
式の化3または化4の構造単位を有し、炭素数4以下の
α−オレフィン単位を有するPVAを製造するにあたっ
ては、前記一般式の化3または化4の構造単位に由来す
るオレフィン性不飽和単量体および炭素数4以下のα−
オレフィン単位とビニルエステルとの共重合体をけん化
することにより得られ、該共重合を行うにあたっては、
塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法など
の公知の方法を採用することができる。その中でも、無
溶媒あるいはアルコールなどの溶媒中で重合する塊状重
合法や溶液重合法が通常採用され、高重合度のものを得
る場合には、乳化重合法が採用される。溶液重合時に溶
媒として使用されるアルコールとしては、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどの低
級アルコールが挙げられる。共重合に使用される開始剤
としては、例えば、α,α'−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、n−プロピ
ルパーオキシカーボネートなどのアゾ系開始剤または過
酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げられる。重合
温度については特に制限はないが、−30〜150℃の
範囲が適当である。
式の化3または化4の構造単位を有し、炭素数4以下の
α−オレフィン単位を有するPVAを製造するにあたっ
ては、前記一般式の化3または化4の構造単位に由来す
るオレフィン性不飽和単量体および炭素数4以下のα−
オレフィン単位とビニルエステルとの共重合体をけん化
することにより得られ、該共重合を行うにあたっては、
塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法など
の公知の方法を採用することができる。その中でも、無
溶媒あるいはアルコールなどの溶媒中で重合する塊状重
合法や溶液重合法が通常採用され、高重合度のものを得
る場合には、乳化重合法が採用される。溶液重合時に溶
媒として使用されるアルコールとしては、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどの低
級アルコールが挙げられる。共重合に使用される開始剤
としては、例えば、α,α'−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、n−プロピ
ルパーオキシカーボネートなどのアゾ系開始剤または過
酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げられる。重合
温度については特に制限はないが、−30〜150℃の
範囲が適当である。
【0016】上述の方法で用いるビニルエステル系単量
体としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、一般に酢
酸ビニルが用いられる。
体としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、一般に酢
酸ビニルが用いられる。
【0017】本発明に使用するPVAでは、上記化3ま
たは化4およびα−オレフィン単位を含有することが必
須であるが、カルボン酸およびラクトン環の合計含有量
が、ある特定の範囲内にある場合、特に性能が向上す
る。その含有量の範囲としては、0.02〜0.4モル
%であり、0.022〜0.37モル%が好ましく、
0.024モル%〜0.33モル%がより好ましく、
0.025〜0.3モル%が特に好ましい。カルボン酸
およびラクトン環の合計含有量が0.02モル%未満の
場合には、水溶液の低温での粘度安定性や高濃度水溶液
の粘度安定性が低下し、ゲル化する場合がある。また、
0.4モル%を越える場合には、コーティングした後の
耐水強度の向上効果が損なわれるため好ましくない。
たは化4およびα−オレフィン単位を含有することが必
須であるが、カルボン酸およびラクトン環の合計含有量
が、ある特定の範囲内にある場合、特に性能が向上す
る。その含有量の範囲としては、0.02〜0.4モル
%であり、0.022〜0.37モル%が好ましく、
0.024モル%〜0.33モル%がより好ましく、
0.025〜0.3モル%が特に好ましい。カルボン酸
およびラクトン環の合計含有量が0.02モル%未満の
場合には、水溶液の低温での粘度安定性や高濃度水溶液
の粘度安定性が低下し、ゲル化する場合がある。また、
0.4モル%を越える場合には、コーティングした後の
耐水強度の向上効果が損なわれるため好ましくない。
【0018】さらに本発明に使用するPVAが下記の数
2を満足するカルボン酸およびラクトン環の合計含有量
である場合に、本発明の効果は著しく向上することを見
出した。
2を満足するカルボン酸およびラクトン環の合計含有量
である場合に、本発明の効果は著しく向上することを見
出した。
【0019】
【数2】
【0020】カルボン酸およびラクトン環を導入する方
法としては、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量
体とカルボン酸およびラクトン環を生成する能力を有す
る単量体とを共重合して得られたビニルエステル系重合
体をアルコールあるいはジメチルスルホキシド溶液中で
けん化する方法、メルカプト酢酸、3−メルカプトプ
ロピオン酸などのカルボン酸を含有するチオール化合物
の存在下で、ビニルエステル系単量体を重合した後それ
をけん化する方法、酢酸ビニルなどのビニルエステル
系単量体を重合する際に、ビニルエステル単量体および
ビニルエステル重合体のアルキル基への連鎖移動反応を
起こし、高分岐ビニルエステル系重合体を得た後にけん
化する方法、エポキシ基を有する単量体とビニルエス
テル系単量体との共重合体をカルボキシル基を有するチ
オール化合物と反応させた後けん化する方法、PVA
とカルボキシル基を有するアルデヒド類とのアセタール
化反応による方法などが挙げられる。
法としては、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量
体とカルボン酸およびラクトン環を生成する能力を有す
る単量体とを共重合して得られたビニルエステル系重合
体をアルコールあるいはジメチルスルホキシド溶液中で
けん化する方法、メルカプト酢酸、3−メルカプトプ
ロピオン酸などのカルボン酸を含有するチオール化合物
の存在下で、ビニルエステル系単量体を重合した後それ
をけん化する方法、酢酸ビニルなどのビニルエステル
系単量体を重合する際に、ビニルエステル単量体および
ビニルエステル重合体のアルキル基への連鎖移動反応を
起こし、高分岐ビニルエステル系重合体を得た後にけん
化する方法、エポキシ基を有する単量体とビニルエス
テル系単量体との共重合体をカルボキシル基を有するチ
オール化合物と反応させた後けん化する方法、PVA
とカルボキシル基を有するアルデヒド類とのアセタール
化反応による方法などが挙げられる。
【0021】カルボン酸およびラクトン環を生成する能
力を有する単量体としては、フマール酸、マレイン酸、
イタコン酸、無水マレイン酸または無水マレイン酸等に
由来するカルボキシル基を有する単量体、(メタ)アク
リル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピ
ル、(メタ)アクリル酸i−プロピルなどの(メタ)ア
クリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド、N−メ
チル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アク
リルアミドなどの(メタ)アクリルアミド誘導体類など
が挙げられる。
力を有する単量体としては、フマール酸、マレイン酸、
イタコン酸、無水マレイン酸または無水マレイン酸等に
由来するカルボキシル基を有する単量体、(メタ)アク
リル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピ
ル、(メタ)アクリル酸i−プロピルなどの(メタ)ア
クリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド、N−メ
チル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アク
リルアミドなどの(メタ)アクリルアミド誘導体類など
が挙げられる。
【0022】PVA中のカルボン酸およびラクトン環の
含有量はプロトンNMRのピークから求めることができ
る。次にその測定方法を説明する。けん化度99.95
モル%以上に完全にけん化後、十分メタノール洗浄を行
い、次いで90℃減圧乾燥を2日間して分析用のPVA
を作成した。上記の場合、分析用PVAをDMSO−
d6に溶解し、500MHzのプロトンNMR(JEO
L GX−500)を用いて60℃で測定した。アクリ
ル酸、アクリル酸エステル類、アクリルアミドおよびア
クリルアミド誘導体類の単量体単位は、主鎖メチンに由
来するピーク(2.0ppm)を用いて、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミドおよび
メタクリルアミド誘導体の単量体単位は、主鎖に直結す
るメチル基に由来するピーク(0.6〜1.0ppm)
を用いて、常法により含有量を算出した。フマール酸、
マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸または無水イ
タコン酸等に由来するカルボキシル基を有する単量体単
位は、作成した分析用のPVAをDMSO−d6に溶解
後トリフルオロ酢酸を数滴加え、500MHzのプロト
ンNMR(JEOL GX−500)を用いて60℃で
測定した。定量は、4.6〜5.2ppmに帰属される
ラクトン環のメチンピークを用いて常法により含有量を
算出した。上記およびの場合、硫黄原子に結合する
メチレンに由来するピーク(2.8ppm)を用いて含
有量を算出した。の場合は、作成した分析用PVAを
メタノール−d4/D2O=2/8に溶解し、500M
HzのプロトンNMR(JEOL GX−500)を用
いて80℃で測定した。末端カルボン酸もしくはそのア
ルカリ金属塩のメチレン由来ピーク(下記構造式1およ
び構造式2)は2.2Pppm(積分値A)および2.
3ppm(積分値B)に帰属し、末端ラクトン環のメチ
レン由来ピークは(下記の構造式3)は2.6ppm
(積分値C)、ビニルアルコール単位のメチン由来ピー
クは3.5〜4.14ppm(積分値D)に帰属し、下
記の式2でカルボン酸およびラクトン環の含有量を算出
する。ここでΔは化3または化4で表される単量体単位
およびα−オレフィンの単量体単位の合計の変性度(モ
ル%)を表す。
含有量はプロトンNMRのピークから求めることができ
る。次にその測定方法を説明する。けん化度99.95
モル%以上に完全にけん化後、十分メタノール洗浄を行
い、次いで90℃減圧乾燥を2日間して分析用のPVA
を作成した。上記の場合、分析用PVAをDMSO−
d6に溶解し、500MHzのプロトンNMR(JEO
L GX−500)を用いて60℃で測定した。アクリ
ル酸、アクリル酸エステル類、アクリルアミドおよびア
クリルアミド誘導体類の単量体単位は、主鎖メチンに由
来するピーク(2.0ppm)を用いて、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミドおよび
メタクリルアミド誘導体の単量体単位は、主鎖に直結す
るメチル基に由来するピーク(0.6〜1.0ppm)
を用いて、常法により含有量を算出した。フマール酸、
マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸または無水イ
タコン酸等に由来するカルボキシル基を有する単量体単
位は、作成した分析用のPVAをDMSO−d6に溶解
後トリフルオロ酢酸を数滴加え、500MHzのプロト
ンNMR(JEOL GX−500)を用いて60℃で
測定した。定量は、4.6〜5.2ppmに帰属される
ラクトン環のメチンピークを用いて常法により含有量を
算出した。上記およびの場合、硫黄原子に結合する
メチレンに由来するピーク(2.8ppm)を用いて含
有量を算出した。の場合は、作成した分析用PVAを
メタノール−d4/D2O=2/8に溶解し、500M
HzのプロトンNMR(JEOL GX−500)を用
いて80℃で測定した。末端カルボン酸もしくはそのア
ルカリ金属塩のメチレン由来ピーク(下記構造式1およ
び構造式2)は2.2Pppm(積分値A)および2.
3ppm(積分値B)に帰属し、末端ラクトン環のメチ
レン由来ピークは(下記の構造式3)は2.6ppm
(積分値C)、ビニルアルコール単位のメチン由来ピー
クは3.5〜4.14ppm(積分値D)に帰属し、下
記の式2でカルボン酸およびラクトン環の含有量を算出
する。ここでΔは化3または化4で表される単量体単位
およびα−オレフィンの単量体単位の合計の変性度(モ
ル%)を表す。
【0023】
【数3】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】の場合、作成した分析用PVAをDMS
O−d6に溶解し、500MHzのプロトンNMR(J
EOL GX−500)を用いて60℃で測定した。ア
セタール不分のメチンに由来するピーク4.8〜5.2
ppm(下記の化8)を用いて、常法により含有量を算
出した。
O−d6に溶解し、500MHzのプロトンNMR(J
EOL GX−500)を用いて60℃で測定した。ア
セタール不分のメチンに由来するピーク4.8〜5.2
ppm(下記の化8)を用いて、常法により含有量を算
出した。
【0028】
【化8】
【0029】本発明のPVAは、本発明の効果を損なわ
ない範囲であれば、ビニルアルコール単位、ビニルエス
テル単位、上記化3または化4で示される単位、α−オ
レフィン単位、および上記したカルボン酸およびラクト
ン環単位以外の単位を含有していても良い。このような
単位としては、スルホン酸基を有する単位としてエチレ
ンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸等に由来する単量体単位;カチオン基を有する単位と
してビニロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ビニロキシブチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ビニロキシエチルジメチルアミン、ビニロキシメチ
ルジエチルアミン、N−アクリルアミドメチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチル
トリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミ
ドジメチルアミン、アリルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ジメチルアリルアミン、アリルエチルアミン等の単
量体単位;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニル
エーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、フツ化ビニル、フツ化ビニリデン等のハロゲ
ン化ビニル類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合
物や酢酸イソプロペニル等などが挙げられる。これらの
単位の含有量としては、10モル%以下が好ましく、5
モル%以下がさらに好ましく、3モル%以下がさらによ
り好ましい。
ない範囲であれば、ビニルアルコール単位、ビニルエス
テル単位、上記化3または化4で示される単位、α−オ
レフィン単位、および上記したカルボン酸およびラクト
ン環単位以外の単位を含有していても良い。このような
単位としては、スルホン酸基を有する単位としてエチレ
ンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸等に由来する単量体単位;カチオン基を有する単位と
してビニロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ビニロキシブチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ビニロキシエチルジメチルアミン、ビニロキシメチ
ルジエチルアミン、N−アクリルアミドメチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチル
トリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミ
ドジメチルアミン、アリルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ジメチルアリルアミン、アリルエチルアミン等の単
量体単位;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニル
エーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、フツ化ビニル、フツ化ビニリデン等のハロゲ
ン化ビニル類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合
物や酢酸イソプロペニル等などが挙げられる。これらの
単位の含有量としては、10モル%以下が好ましく、5
モル%以下がさらに好ましく、3モル%以下がさらによ
り好ましい。
【0030】本発明に用いるPVAを水に溶解するにあ
たっては、通常PVAを水に分散後、場合によっては水
酸化ナトリウムなどのアルカリを添加し、撹拌しながら
加温することによって均一な水溶液をえることができ
る。
たっては、通常PVAを水に分散後、場合によっては水
酸化ナトリウムなどのアルカリを添加し、撹拌しながら
加温することによって均一な水溶液をえることができ
る。
【0031】本発明では、本発明に用いるPVAが必須
成分であるが、それ以外の高分子化合物の併用について
限定するするものではなく、本発明の効果を損なわない
範囲であれば公知のものが全て使用可能である。その具
体例としては、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス等のセルロース誘導体、アラビヤゴム、ポリビニルア
ルコール、アクリル酸(またはメタクリル酸)エステル
共重合体のアルカリ塩、ポリビニルピロリドン、アクリ
ルアミド(またはメタクリルアミド)/アクリル酸(ま
たはメタクリル酸)エステル共重合体、スチレン/無水
マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水
マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ジイソブチレン/無
水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリアクリルアミ
ド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性
高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸
ビニル共重合体等のエマルジョン、スチレン/ブタジエ
ン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合
体等のラテックス等が挙げられる。
成分であるが、それ以外の高分子化合物の併用について
限定するするものではなく、本発明の効果を損なわない
範囲であれば公知のものが全て使用可能である。その具
体例としては、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス等のセルロース誘導体、アラビヤゴム、ポリビニルア
ルコール、アクリル酸(またはメタクリル酸)エステル
共重合体のアルカリ塩、ポリビニルピロリドン、アクリ
ルアミド(またはメタクリルアミド)/アクリル酸(ま
たはメタクリル酸)エステル共重合体、スチレン/無水
マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水
マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ジイソブチレン/無
水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリアクリルアミ
ド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性
高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸
ビニル共重合体等のエマルジョン、スチレン/ブタジエ
ン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合
体等のラテックス等が挙げられる。
【0032】顔料としては、カオリン、クレー、タル
ク、炭酸カルシウム、焼成クレー、酸化チタン、ケイソ
ウ土、シリカ、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、
水酸化アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケ
イ酸マグネシウム、ポリスチレン微粒子、、ポリ酢酸ビ
ニル系微粒子、尿素−ホルマリン樹脂微粒子等の公知の
ものが挙げられる。これら顔料の分散剤としてピロリン
酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリアク
リル酸ナトリウム等を使用する場合がある。また必要に
応じて滑剤を併用する場合がある。滑剤の例としては、
高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の
公知のものを用いることができる。PVAの使用量は、
顔料100部に対して、通常1〜500部、好ましくは
3〜300部であり、塗工液の固形分濃度は10〜65
%の範囲から選択されるのが適当である。
ク、炭酸カルシウム、焼成クレー、酸化チタン、ケイソ
ウ土、シリカ、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、
水酸化アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケ
イ酸マグネシウム、ポリスチレン微粒子、、ポリ酢酸ビ
ニル系微粒子、尿素−ホルマリン樹脂微粒子等の公知の
ものが挙げられる。これら顔料の分散剤としてピロリン
酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリアク
リル酸ナトリウム等を使用する場合がある。また必要に
応じて滑剤を併用する場合がある。滑剤の例としては、
高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の
公知のものを用いることができる。PVAの使用量は、
顔料100部に対して、通常1〜500部、好ましくは
3〜300部であり、塗工液の固形分濃度は10〜65
%の範囲から選択されるのが適当である。
【0033】塗工液は、エアナイフコーター、ブレード
コーター、ロールコーター、サイズプレスコーターなど
の公知の任意の方法が採用される。塗工量は目的により
広範囲となり特に制限はないが、固形分で0.1〜30
g/m2程度が通常実施される。
コーター、ロールコーター、サイズプレスコーターなど
の公知の任意の方法が採用される。塗工量は目的により
広範囲となり特に制限はないが、固形分で0.1〜30
g/m2程度が通常実施される。
【0034】本発明のコーティング剤、なかんずく顔料
コーティング剤は、とくに紙にコーティングした場合、
従来耐水強度が発現しにくい100℃以下、特に50℃
程度の比較的低温で乾燥しても、とりわけ耐水強度に優
れることから、インクジェット用紙、感熱記録紙の表面
保護層や一般のコート紙など広範囲に好適に用いること
ができる。本発明のコーティング剤は、前記した顔料コ
ーティング剤としてとくに有用であるが、その他のコー
ティング剤、たとえば、クリアーコーティング剤として
も使用できる。
コーティング剤は、とくに紙にコーティングした場合、
従来耐水強度が発現しにくい100℃以下、特に50℃
程度の比較的低温で乾燥しても、とりわけ耐水強度に優
れることから、インクジェット用紙、感熱記録紙の表面
保護層や一般のコート紙など広範囲に好適に用いること
ができる。本発明のコーティング剤は、前記した顔料コ
ーティング剤としてとくに有用であるが、その他のコー
ティング剤、たとえば、クリアーコーティング剤として
も使用できる。
【0035】
【実施例】さらに、本発明を実施例により説明する。な
お以下で、「部」および「%」は特にことわりのない限
り「重量部」及び「重量%」をそれぞれ意味する。また
以下の記述で粘度とは、特にことわりのない限り、東京
計器製のB型粘度計を用いて、20℃、ローター回転数
30rpmで測定した値である。
お以下で、「部」および「%」は特にことわりのない限
り「重量部」及び「重量%」をそれぞれ意味する。また
以下の記述で粘度とは、特にことわりのない限り、東京
計器製のB型粘度計を用いて、20℃、ローター回転数
30rpmで測定した値である。
【0036】実施例1 エチレン単位6.5モル%、ビニルトリメトキシシラン
単位0.2モル%を含有するポリ酢酸ビニルを水酸化ナ
トリウム存在下、メタノール中40℃でけん化し、1時
間後に中和することにより、表1に示したビニルアルコ
ール系重合体(以下「PVA」と略記する)(PVA−
1)を得た。得られたPVAを65℃で1日乾燥した
後、13%水溶液を作成した。次に、ヘキサメタリン酸
ナトリウム0.1部を溶解した水溶液187部を激しく
撹拌しながらカリオンクレー20部を加えて均一に分散
させ、これに上記のPVA13%水溶液を307部を少
量づつ添加混合して、固形分濃度11.7%、20℃に
おける粘度600mPa・Sのコーティング剤を調製し
た。このコーティング剤を試験用フレキシブルブレード
コーターを用いて上質紙原紙(秤量60g/m2)に固
形分塗工量が8g/m2となるように塗工した後、50
℃5分間乾燥し、線圧100kg/cm条件下カレンダ
ー仕上げを行った。得られた塗工紙を20℃、65%R
Hで72時間調湿した後その性能を評価した。結果を表
3に示した。
単位0.2モル%を含有するポリ酢酸ビニルを水酸化ナ
トリウム存在下、メタノール中40℃でけん化し、1時
間後に中和することにより、表1に示したビニルアルコ
ール系重合体(以下「PVA」と略記する)(PVA−
1)を得た。得られたPVAを65℃で1日乾燥した
後、13%水溶液を作成した。次に、ヘキサメタリン酸
ナトリウム0.1部を溶解した水溶液187部を激しく
撹拌しながらカリオンクレー20部を加えて均一に分散
させ、これに上記のPVA13%水溶液を307部を少
量づつ添加混合して、固形分濃度11.7%、20℃に
おける粘度600mPa・Sのコーティング剤を調製し
た。このコーティング剤を試験用フレキシブルブレード
コーターを用いて上質紙原紙(秤量60g/m2)に固
形分塗工量が8g/m2となるように塗工した後、50
℃5分間乾燥し、線圧100kg/cm条件下カレンダ
ー仕上げを行った。得られた塗工紙を20℃、65%R
Hで72時間調湿した後その性能を評価した。結果を表
3に示した。
【0037】実施例2〜6 実施例1で用いたPVAの代わりに表1に示したPVA
−2〜PVA−6を使用した以外は実施例1と同様にし
て性能を評価した。結果を表3に示した。
−2〜PVA−6を使用した以外は実施例1と同様にし
て性能を評価した。結果を表3に示した。
【0038】実施例7 実施例1で用いたPVAの代わりに表1のPVA−7を
使用して、PVA13%水溶液を作成する際に、PVA
100部に対して水酸化ナトリウムを1部添加したこと
以外は実施例1と同様にして性能を評価した。結果を表
3に示す。 実施例8 実施例1で使用したPVAを使用して、カリオンクレー
をシリカに変更した以外は実施例1と同様にして性能を
評価した。結果を表3に示した。 実施例9 実施例1で使用したPVAを使用して、カリオンクレー
を水酸化アルミニウムに変更した以外は実施例1と同様
にして性能を評価した。結果を表3に示した。 実施例10 実施例1で使用したPVAを使用して、カリオンクレー
をコロイダルシリカに変更した以外は実施例1と同様に
して性能を評価した。結果を表3に示した。
使用して、PVA13%水溶液を作成する際に、PVA
100部に対して水酸化ナトリウムを1部添加したこと
以外は実施例1と同様にして性能を評価した。結果を表
3に示す。 実施例8 実施例1で使用したPVAを使用して、カリオンクレー
をシリカに変更した以外は実施例1と同様にして性能を
評価した。結果を表3に示した。 実施例9 実施例1で使用したPVAを使用して、カリオンクレー
を水酸化アルミニウムに変更した以外は実施例1と同様
にして性能を評価した。結果を表3に示した。 実施例10 実施例1で使用したPVAを使用して、カリオンクレー
をコロイダルシリカに変更した以外は実施例1と同様に
して性能を評価した。結果を表3に示した。
【0039】比較例1〜4 実施例1で用いたPVAの代わりに表2に示したPVA
−a〜PVA−dを使用した以外は実施例1と同様にし
て性能を評価した。結果を表3に示した。 比較例5 実施例1で用いたPVAの代わりに表2に示したPVA
−eを使用して、実施例7と同様にして性能評価した。
結果を表3に示す。
−a〜PVA−dを使用した以外は実施例1と同様にし
て性能を評価した。結果を表3に示した。 比較例5 実施例1で用いたPVAの代わりに表2に示したPVA
−eを使用して、実施例7と同様にして性能評価した。
結果を表3に示す。
【0040】評価方法 耐水強度(ウエットラブ法):塗工紙を20℃蒸留水に
24時間浸漬した後、塗工紙表面を指先にて摩擦し、塗
工剤の溶出状態を観察し判定した。判定基準は次の通り
である。 耐水性(優秀)5〜1(劣) 耐水強度(ウエットヒ゜ックアッフ゜法):RI試験機(明製作所
製)を用いて塗工面を水にて湿潤させた後に、印刷して
ピッキングの発生状態を観察し判定した。判定基準はウ
エットラブ法と同一である。 印刷適性:RI印刷適性試験機を用いて、スナップドラ
イインク(大日本インキ(株)製)を5μの膜厚に塗工
し、そのインク受理性、印刷光沢などを総合的に評価
し、優、良、可の3段階で判定した。
24時間浸漬した後、塗工紙表面を指先にて摩擦し、塗
工剤の溶出状態を観察し判定した。判定基準は次の通り
である。 耐水性(優秀)5〜1(劣) 耐水強度(ウエットヒ゜ックアッフ゜法):RI試験機(明製作所
製)を用いて塗工面を水にて湿潤させた後に、印刷して
ピッキングの発生状態を観察し判定した。判定基準はウ
エットラブ法と同一である。 印刷適性:RI印刷適性試験機を用いて、スナップドラ
イインク(大日本インキ(株)製)を5μの膜厚に塗工
し、そのインク受理性、印刷光沢などを総合的に評価
し、優、良、可の3段階で判定した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】本発明のコーティング剤、顔料コーティ
ング剤は、特に紙にコーティングした場合、従来耐水強
度が発現しにくい100℃以下、特に50℃程度の比較
的低温で乾燥しても、とりわけ耐水強度に優れることか
ら、インクジェット用紙、感熱記録紙の表面保護層など
への応用や一般のコート紙など広範囲に好適に用いるこ
とができる。
ング剤は、特に紙にコーティングした場合、従来耐水強
度が発現しにくい100℃以下、特に50℃程度の比較
的低温で乾燥しても、とりわけ耐水強度に優れることか
ら、インクジェット用紙、感熱記録紙の表面保護層など
への応用や一般のコート紙など広範囲に好適に用いるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L055 AG18 AG27 AG59 AG60 AG61 AG64 AG71 AG73 AG94 AH02 AH37 AJ04 EA30 EA32 FA19 GA09 GA12 GA19
Claims (5)
- 【請求項1】 下記の化1または化2の構造単位を有
し、炭素数4以下のα−オレフィン単位を1〜15モル
%含有するビニルアルコール系重合体を含有することを
特徴とするコーティング剤。 【化1】 【化2】 {ここで、R1、R2、R3、R4およびR5は水素原
子または炭素数8以下の置換基を有していてもよい炭化
水素基を表し、R4は炭素数1〜40のアルコキシル基
またはアシロキシル基(ここでアルコキシル基、アシロ
キシル基は酸素を含有する置換基を有していてもよ
い)、R6は炭素数5以下のアルキレン基または連鎖炭
素原子が酸素もしくは窒素によって相互に結合された2
価の有機残基を表し、nは0〜4の整数を表し、p+m
は3以下で、pは0〜2の整数、mは0〜3の整数を表
し、Xは1価の金属を表す。} - 【請求項2】 α−オレフィンがエチレンである請求項
1記載のコーティング剤。 - 【請求項3】 ビニルアルコール系重合体が、カルボン
酸およびラクトン環を合計で0.02〜0.4モル%含
有する請求項1記載のコーティング剤。 - 【請求項4】 ビニルアルコール系重合体が、下記の数
1を満足するカルボン酸およびラクトン環を含有する請
求項1記載のコーティング剤。 【数1】 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のコーテ
ィング剤からなる顔料コーティング剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18857599A JP2001020199A (ja) | 1999-07-02 | 1999-07-02 | コーティング剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18857599A JP2001020199A (ja) | 1999-07-02 | 1999-07-02 | コーティング剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001020199A true JP2001020199A (ja) | 2001-01-23 |
Family
ID=16226092
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18857599A Pending JP2001020199A (ja) | 1999-07-02 | 1999-07-02 | コーティング剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001020199A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007514075A (ja) * | 2003-12-15 | 2007-05-31 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 紙コーティングでの使用のためのビニルアルコールとイタコン酸との共重合体 |
-
1999
- 1999-07-02 JP JP18857599A patent/JP2001020199A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007514075A (ja) * | 2003-12-15 | 2007-05-31 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 紙コーティングでの使用のためのビニルアルコールとイタコン酸との共重合体 |
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