JP2001020199A - コーティング剤 - Google Patents

コーティング剤

Info

Publication number
JP2001020199A
JP2001020199A JP18857599A JP18857599A JP2001020199A JP 2001020199 A JP2001020199 A JP 2001020199A JP 18857599 A JP18857599 A JP 18857599A JP 18857599 A JP18857599 A JP 18857599A JP 2001020199 A JP2001020199 A JP 2001020199A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating agent
mol
pva
vinyl
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18857599A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kusufuji
健 楠藤
Toshitaka Somemiya
利孝 染宮
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP18857599A priority Critical patent/JP2001020199A/ja
Publication of JP2001020199A publication Critical patent/JP2001020199A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に紙にコーティングした場合、100℃以
下の比較的低温で乾燥しても、とりわけ耐水強度に優れ
るコーティング剤、とくに顔料コーティング剤を得るこ
と。 【解決手段】 下記の化1または化2の構造単位を有
し、炭素数4以下のα−オレフィン単位を1〜15モル
%含有するビニルアルコール系重合体を含有することを
特徴とするコーティング剤。 【化1】 【化2】 {ここで、R1、R2、R3、R4およびR5は水素原
子または炭素数8以下の置換基を有していてもよい炭化
水素基を表し、R4は炭素数1〜40のアルコキシル基
またはアシロキシル基(ここでアルコキシル基、アシロ
キシル基は酸素を含有する置換基を有していてもよ
い)、R6は炭素数5以下のアルキレン基または連鎖炭
素原子が酸素もしくは窒素によって相互に結合された2
価の有機残基を表し、nは0〜4の整数を表し、p+m
は3以下で、は0〜2の整数、mは0〜3の整数を表
し、Xは1価の金属を表す。}

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーティング剤、
とくに顔料コーティング剤に関する。さらに詳しくは、
塗工後の乾燥温度によらず耐水強度に特に優れた顔料コ
ーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビニルアルコール系重合体(以下
「PVA」と略記する)は、特に紙の表面強度、平滑
性、光沢あるいはバリアー性の向上など表面特性を改善
するためのクリアーコーティング剤として、また顔料コ
ーティングにおけるバインダーとして広く使用されてい
る。PVAは、造膜性および強度において他の糊剤の追
随を許さぬ優れた性能を有することが広く知られてい
る。しかしながら、近年、印刷速度の高速化の流れの中
で、表面強度や耐水強度等、紙の表面特性を更に高くす
るPVAが要求されており、従来のPVAではこれらの
要求を十分満足させることはできないという欠点があっ
た。このような欠点に対する対策として、特公昭63−
550478おいて、分子中にケイ素を含有するPVA
を用いる方法が開示されているが、バリヤー性や表面強
度は改善しているものの、耐水強度についてはやや不足
していた。
【0003】また、耐水強度を改善する方法として、特
公平6−63199では、α−オレフィン単位を含有す
るPVAを用いる方法が開示されている。印刷適性は耐
水強度などはかなり改善されているが、なお十分ではな
く、上記の種々の要求を満たしうる新規なコーティング
剤の開発が強く要請されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術の欠点を解消するために創案されたものであ
り、塗工後の乾燥温度によらず耐水強度に優れるコーテ
ィング剤、とくに顔料コーティング剤を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の化3
または化4の構造単位を有し、炭素数4以下のα−オレ
フィン単位を1〜15モル%含有するコーティング剤、
とくに顔料コーティング剤を提供することによって達成
される。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】{ここで、R1、R2、R3、R4および
R5は水素原子または炭素数8以下の置換基を有してい
てもよい炭化水素基を表し、R4は炭素数1〜40のア
ルコキシル基またはアシロキシル基(ここでアルコキシ
ル基、アシロキシル基は酸素を含有する置換基を有して
いてもよい)、R6は炭素数5以下のアルキレン基また
は連鎖炭素原子が酸素もしくは窒素によって相互に結合
された2価の有機残基を表し、nは0〜4の整数を表
し、p+mは3以下で、pは0〜2の整数、mは0〜3
の整数を表し、Xは1価の金属を表す。}
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のコーティング剤、とくに
顔料コーティング剤に用いるPVAを構成する前記一般
式の化3または化4の構造単位は、前記一般式の化3ま
たは化4の構造単位に由来するオレフィン性不飽和単量
体とビニルエステルとの共重合体をけん化することによ
り導入される。本発明に用いるPVAは、その原料であ
る変性ビニルエステル系重合体の側鎖のアルコキシシラ
ン基がけん化反応時に加水分解されてシラノール基また
はその塩基に変換されていても一向に差し支えない。本
発明に用いるPVAは、前記一般式の化3または化4の
構造単位を有するものであれば特に制限はないが、通常
0.01〜5モル%、好ましくは0.05〜3モル%、
さらに好ましくは0.1〜2モル%である。0.01モ
ル%より小さい場合には、効果が発現せず、5モル%よ
り大きい場合には、水溶性が低下し好ましくない。
【0010】前記一般式の化3の構造単位に由来するオ
レフィン性不飽和単量体の具体例としては、例えばビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリス−(β−メトキシ
エトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、アリルトリアセトキシシラン、
ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキ
シシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメ
チルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラ
ン、ビニルジメチルアセトキシシラン、ビニルイソブチ
ルジメトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラ
ン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリヘキシロキ
シシラン、ビニルメトキシジヘキシロキシシラン、ビニ
ルジメトキシオクチロキシシラン、ビニルメトキシジオ
クチロキシシラン、ビニルトリオクチロキシシラン、ビ
ニルメトキシジラウリロキシシラン、ビニルジメトキシ
ラウリロキシシラン、ビニルメトキシジオレイロキシシ
ラン、ビニルジメトキシオレイロキシシランなどが挙げ
られる。
【0011】前記一般式の化4の構造単位に由来するオ
レフィン性不飽和単量体の具体例としては、例えば3−
(メタ)アクリルアミド−プロピルトリメトキシシラ
ン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリエトキ
シシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリ
(β−メトキシエトキシ)シラン、2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、2
−(メタ)アクリルアミド−2−メチルエチルトリメト
キシシラン、N−(2−(メタ)アクリルアミド−エチ
ル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(メ
タ)アクリルアミド−プロピルトリアセトキシシラン、
2−(メタ)アクリルアミド−エチルトリメトキシシラ
ン、1−(メタ)アクリルアミド−メチルトリメトキシ
シラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルメチル
ジメトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロ
ピルジメチルメトキシシラン、3−[N−メチル−(メ
タ)アクリルアミド]−プロピルトリメトキシシラン、
3−[(メタ)アクリルアミド−メトキシ]−3−ハイ
ドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−[(メタ)
アクリルアミド−メトキシ]−プロピルトリメトキシシ
ラン、ジメチル−3−(メタ)アクリルアミド−プロピ
ル−3−(トリメトキシシリル)−プロピルアンモニウ
ムクロライド、ジメチル−2−(メタ)アクリルアミド
−2−メチルプロピル−3−(トリメトキシシリル)−
プロピルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
【0012】また、本発明に用いるPVAのα−オレフ
ィン単位としては、エチレン、プロピレン、イソブテ
ン、1−ブテンなどが挙げられる。これらの中でもとり
わけエチレンが好ましい。α−オレフィン単位の含有量
は、1〜15モル%であり、好ましくは2〜10モル
%、さらに好ましくは4〜8モル%である。α−オレフ
ィンの含有量が1モル%未満の場合には、α−オレフィ
ンを変性した効果が現れず、α−オレフィンの含有量が
15モル%より大の場合には、疎水性が強すぎてPVA
系重合体自身の水溶性が乏しくなりPVAとしての特長
が損なわれる。
【0013】また、本発明に使用するPVAの粘度平均
重合度(以下重合度と略記する)に特に制限はないが、
重合度としては通常50〜10000、好ましくは10
0〜8000、より好ましくは200〜4000の範囲
から選ばれる。重合度が50未満の場合には、コーティ
ング後の紙の表面強度などの向上効果が得られない。ま
た、重合度が10000より大の場合には、溶液の粘度
が高くなりすぎて取扱いが困難になったり、溶液の固形
分を高くできないため、コーティング後の乾燥効率が低
下したり、コーティングする際に均一に塗工できない場
合がある。
【0014】本発明に用いるPVAのけん化度は70〜
99.99モル%であることが必要であり、80〜9
9.9モル%が好ましく、90〜99.5モル%がより
好ましい。けん化度が70モル%未満の場合には、水溶
性が低下したり、コーティング後の紙の耐水強度の向上
効果が得られない。また、けん化度が99.99モル%
より大の場合には、溶液の粘度が高くなりすぎて取り扱
いが困難になったり、水溶液を低温で長期間保存すると
ゲル化する場合があり得るので好ましくない。
【0015】また、本発明において使用される前記一般
式の化3または化4の構造単位を有し、炭素数4以下の
α−オレフィン単位を有するPVAを製造するにあたっ
ては、前記一般式の化3または化4の構造単位に由来す
るオレフィン性不飽和単量体および炭素数4以下のα−
オレフィン単位とビニルエステルとの共重合体をけん化
することにより得られ、該共重合を行うにあたっては、
塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法など
の公知の方法を採用することができる。その中でも、無
溶媒あるいはアルコールなどの溶媒中で重合する塊状重
合法や溶液重合法が通常採用され、高重合度のものを得
る場合には、乳化重合法が採用される。溶液重合時に溶
媒として使用されるアルコールとしては、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどの低
級アルコールが挙げられる。共重合に使用される開始剤
としては、例えば、α,α'−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、n−プロピ
ルパーオキシカーボネートなどのアゾ系開始剤または過
酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げられる。重合
温度については特に制限はないが、−30〜150℃の
範囲が適当である。
【0016】上述の方法で用いるビニルエステル系単量
体としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、一般に酢
酸ビニルが用いられる。
【0017】本発明に使用するPVAでは、上記化3ま
たは化4およびα−オレフィン単位を含有することが必
須であるが、カルボン酸およびラクトン環の合計含有量
が、ある特定の範囲内にある場合、特に性能が向上す
る。その含有量の範囲としては、0.02〜0.4モル
%であり、0.022〜0.37モル%が好ましく、
0.024モル%〜0.33モル%がより好ましく、
0.025〜0.3モル%が特に好ましい。カルボン酸
およびラクトン環の合計含有量が0.02モル%未満の
場合には、水溶液の低温での粘度安定性や高濃度水溶液
の粘度安定性が低下し、ゲル化する場合がある。また、
0.4モル%を越える場合には、コーティングした後の
耐水強度の向上効果が損なわれるため好ましくない。
【0018】さらに本発明に使用するPVAが下記の数
2を満足するカルボン酸およびラクトン環の合計含有量
である場合に、本発明の効果は著しく向上することを見
出した。
【0019】
【数2】
【0020】カルボン酸およびラクトン環を導入する方
法としては、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量
体とカルボン酸およびラクトン環を生成する能力を有す
る単量体とを共重合して得られたビニルエステル系重合
体をアルコールあるいはジメチルスルホキシド溶液中で
けん化する方法、メルカプト酢酸、3−メルカプトプ
ロピオン酸などのカルボン酸を含有するチオール化合物
の存在下で、ビニルエステル系単量体を重合した後それ
をけん化する方法、酢酸ビニルなどのビニルエステル
系単量体を重合する際に、ビニルエステル単量体および
ビニルエステル重合体のアルキル基への連鎖移動反応を
起こし、高分岐ビニルエステル系重合体を得た後にけん
化する方法、エポキシ基を有する単量体とビニルエス
テル系単量体との共重合体をカルボキシル基を有するチ
オール化合物と反応させた後けん化する方法、PVA
とカルボキシル基を有するアルデヒド類とのアセタール
化反応による方法などが挙げられる。
【0021】カルボン酸およびラクトン環を生成する能
力を有する単量体としては、フマール酸、マレイン酸、
イタコン酸、無水マレイン酸または無水マレイン酸等に
由来するカルボキシル基を有する単量体、(メタ)アク
リル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピ
ル、(メタ)アクリル酸i−プロピルなどの(メタ)ア
クリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド、N−メ
チル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アク
リルアミドなどの(メタ)アクリルアミド誘導体類など
が挙げられる。
【0022】PVA中のカルボン酸およびラクトン環の
含有量はプロトンNMRのピークから求めることができ
る。次にその測定方法を説明する。けん化度99.95
モル%以上に完全にけん化後、十分メタノール洗浄を行
い、次いで90℃減圧乾燥を2日間して分析用のPVA
を作成した。上記の場合、分析用PVAをDMSO−
d6に溶解し、500MHzのプロトンNMR(JEO
L GX−500)を用いて60℃で測定した。アクリ
ル酸、アクリル酸エステル類、アクリルアミドおよびア
クリルアミド誘導体類の単量体単位は、主鎖メチンに由
来するピーク(2.0ppm)を用いて、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミドおよび
メタクリルアミド誘導体の単量体単位は、主鎖に直結す
るメチル基に由来するピーク(0.6〜1.0ppm)
を用いて、常法により含有量を算出した。フマール酸、
マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸または無水イ
タコン酸等に由来するカルボキシル基を有する単量体単
位は、作成した分析用のPVAをDMSO−d6に溶解
後トリフルオロ酢酸を数滴加え、500MHzのプロト
ンNMR(JEOL GX−500)を用いて60℃で
測定した。定量は、4.6〜5.2ppmに帰属される
ラクトン環のメチンピークを用いて常法により含有量を
算出した。上記およびの場合、硫黄原子に結合する
メチレンに由来するピーク(2.8ppm)を用いて含
有量を算出した。の場合は、作成した分析用PVAを
メタノール−d4/DO=2/8に溶解し、500M
HzのプロトンNMR(JEOL GX−500)を用
いて80℃で測定した。末端カルボン酸もしくはそのア
ルカリ金属塩のメチレン由来ピーク(下記構造式1およ
び構造式2)は2.2Pppm(積分値A)および2.
3ppm(積分値B)に帰属し、末端ラクトン環のメチ
レン由来ピークは(下記の構造式3)は2.6ppm
(積分値C)、ビニルアルコール単位のメチン由来ピー
クは3.5〜4.14ppm(積分値D)に帰属し、下
記の式2でカルボン酸およびラクトン環の含有量を算出
する。ここでΔは化3または化4で表される単量体単位
およびα−オレフィンの単量体単位の合計の変性度(モ
ル%)を表す。
【0023】
【数3】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】の場合、作成した分析用PVAをDMS
O−d6に溶解し、500MHzのプロトンNMR(J
EOL GX−500)を用いて60℃で測定した。ア
セタール不分のメチンに由来するピーク4.8〜5.2
ppm(下記の化8)を用いて、常法により含有量を算
出した。
【0028】
【化8】
【0029】本発明のPVAは、本発明の効果を損なわ
ない範囲であれば、ビニルアルコール単位、ビニルエス
テル単位、上記化3または化4で示される単位、α−オ
レフィン単位、および上記したカルボン酸およびラクト
ン環単位以外の単位を含有していても良い。このような
単位としては、スルホン酸基を有する単位としてエチレ
ンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸等に由来する単量体単位;カチオン基を有する単位と
してビニロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ビニロキシブチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ビニロキシエチルジメチルアミン、ビニロキシメチ
ルジエチルアミン、N−アクリルアミドメチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチル
トリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミ
ドジメチルアミン、アリルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ジメチルアリルアミン、アリルエチルアミン等の単
量体単位;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニル
エーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、フツ化ビニル、フツ化ビニリデン等のハロゲ
ン化ビニル類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合
物や酢酸イソプロペニル等などが挙げられる。これらの
単位の含有量としては、10モル%以下が好ましく、5
モル%以下がさらに好ましく、3モル%以下がさらによ
り好ましい。
【0030】本発明に用いるPVAを水に溶解するにあ
たっては、通常PVAを水に分散後、場合によっては水
酸化ナトリウムなどのアルカリを添加し、撹拌しながら
加温することによって均一な水溶液をえることができ
る。
【0031】本発明では、本発明に用いるPVAが必須
成分であるが、それ以外の高分子化合物の併用について
限定するするものではなく、本発明の効果を損なわない
範囲であれば公知のものが全て使用可能である。その具
体例としては、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス等のセルロース誘導体、アラビヤゴム、ポリビニルア
ルコール、アクリル酸(またはメタクリル酸)エステル
共重合体のアルカリ塩、ポリビニルピロリドン、アクリ
ルアミド(またはメタクリルアミド)/アクリル酸(ま
たはメタクリル酸)エステル共重合体、スチレン/無水
マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水
マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ジイソブチレン/無
水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリアクリルアミ
ド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性
高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸
ビニル共重合体等のエマルジョン、スチレン/ブタジエ
ン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合
体等のラテックス等が挙げられる。
【0032】顔料としては、カオリン、クレー、タル
ク、炭酸カルシウム、焼成クレー、酸化チタン、ケイソ
ウ土、シリカ、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、
水酸化アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケ
イ酸マグネシウム、ポリスチレン微粒子、、ポリ酢酸ビ
ニル系微粒子、尿素−ホルマリン樹脂微粒子等の公知の
ものが挙げられる。これら顔料の分散剤としてピロリン
酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリアク
リル酸ナトリウム等を使用する場合がある。また必要に
応じて滑剤を併用する場合がある。滑剤の例としては、
高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の
公知のものを用いることができる。PVAの使用量は、
顔料100部に対して、通常1〜500部、好ましくは
3〜300部であり、塗工液の固形分濃度は10〜65
%の範囲から選択されるのが適当である。
【0033】塗工液は、エアナイフコーター、ブレード
コーター、ロールコーター、サイズプレスコーターなど
の公知の任意の方法が採用される。塗工量は目的により
広範囲となり特に制限はないが、固形分で0.1〜30
g/m程度が通常実施される。
【0034】本発明のコーティング剤、なかんずく顔料
コーティング剤は、とくに紙にコーティングした場合、
従来耐水強度が発現しにくい100℃以下、特に50℃
程度の比較的低温で乾燥しても、とりわけ耐水強度に優
れることから、インクジェット用紙、感熱記録紙の表面
保護層や一般のコート紙など広範囲に好適に用いること
ができる。本発明のコーティング剤は、前記した顔料コ
ーティング剤としてとくに有用であるが、その他のコー
ティング剤、たとえば、クリアーコーティング剤として
も使用できる。
【0035】
【実施例】さらに、本発明を実施例により説明する。な
お以下で、「部」および「%」は特にことわりのない限
り「重量部」及び「重量%」をそれぞれ意味する。また
以下の記述で粘度とは、特にことわりのない限り、東京
計器製のB型粘度計を用いて、20℃、ローター回転数
30rpmで測定した値である。
【0036】実施例1 エチレン単位6.5モル%、ビニルトリメトキシシラン
単位0.2モル%を含有するポリ酢酸ビニルを水酸化ナ
トリウム存在下、メタノール中40℃でけん化し、1時
間後に中和することにより、表1に示したビニルアルコ
ール系重合体(以下「PVA」と略記する)(PVA−
1)を得た。得られたPVAを65℃で1日乾燥した
後、13%水溶液を作成した。次に、ヘキサメタリン酸
ナトリウム0.1部を溶解した水溶液187部を激しく
撹拌しながらカリオンクレー20部を加えて均一に分散
させ、これに上記のPVA13%水溶液を307部を少
量づつ添加混合して、固形分濃度11.7%、20℃に
おける粘度600mPa・Sのコーティング剤を調製し
た。このコーティング剤を試験用フレキシブルブレード
コーターを用いて上質紙原紙(秤量60g/m)に固
形分塗工量が8g/mとなるように塗工した後、50
℃5分間乾燥し、線圧100kg/cm条件下カレンダ
ー仕上げを行った。得られた塗工紙を20℃、65%R
Hで72時間調湿した後その性能を評価した。結果を表
3に示した。
【0037】実施例2〜6 実施例1で用いたPVAの代わりに表1に示したPVA
−2〜PVA−6を使用した以外は実施例1と同様にし
て性能を評価した。結果を表3に示した。
【0038】実施例7 実施例1で用いたPVAの代わりに表1のPVA−7を
使用して、PVA13%水溶液を作成する際に、PVA
100部に対して水酸化ナトリウムを1部添加したこと
以外は実施例1と同様にして性能を評価した。結果を表
3に示す。 実施例8 実施例1で使用したPVAを使用して、カリオンクレー
をシリカに変更した以外は実施例1と同様にして性能を
評価した。結果を表3に示した。 実施例9 実施例1で使用したPVAを使用して、カリオンクレー
を水酸化アルミニウムに変更した以外は実施例1と同様
にして性能を評価した。結果を表3に示した。 実施例10 実施例1で使用したPVAを使用して、カリオンクレー
をコロイダルシリカに変更した以外は実施例1と同様に
して性能を評価した。結果を表3に示した。
【0039】比較例1〜4 実施例1で用いたPVAの代わりに表2に示したPVA
−a〜PVA−dを使用した以外は実施例1と同様にし
て性能を評価した。結果を表3に示した。 比較例5 実施例1で用いたPVAの代わりに表2に示したPVA
−eを使用して、実施例7と同様にして性能評価した。
結果を表3に示す。
【0040】評価方法 耐水強度(ウエットラブ法):塗工紙を20℃蒸留水に
24時間浸漬した後、塗工紙表面を指先にて摩擦し、塗
工剤の溶出状態を観察し判定した。判定基準は次の通り
である。 耐水性(優秀)5〜1(劣) 耐水強度(ウエットヒ゜ックアッフ゜法):RI試験機(明製作所
製)を用いて塗工面を水にて湿潤させた後に、印刷して
ピッキングの発生状態を観察し判定した。判定基準はウ
エットラブ法と同一である。 印刷適性:RI印刷適性試験機を用いて、スナップドラ
イインク(大日本インキ(株)製)を5μの膜厚に塗工
し、そのインク受理性、印刷光沢などを総合的に評価
し、優、良、可の3段階で判定した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】本発明のコーティング剤、顔料コーティ
ング剤は、特に紙にコーティングした場合、従来耐水強
度が発現しにくい100℃以下、特に50℃程度の比較
的低温で乾燥しても、とりわけ耐水強度に優れることか
ら、インクジェット用紙、感熱記録紙の表面保護層など
への応用や一般のコート紙など広範囲に好適に用いるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L055 AG18 AG27 AG59 AG60 AG61 AG64 AG71 AG73 AG94 AH02 AH37 AJ04 EA30 EA32 FA19 GA09 GA12 GA19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化1または化2の構造単位を有
    し、炭素数4以下のα−オレフィン単位を1〜15モル
    %含有するビニルアルコール系重合体を含有することを
    特徴とするコーティング剤。 【化1】 【化2】 {ここで、R1、R2、R3、R4およびR5は水素原
    子または炭素数8以下の置換基を有していてもよい炭化
    水素基を表し、R4は炭素数1〜40のアルコキシル基
    またはアシロキシル基(ここでアルコキシル基、アシロ
    キシル基は酸素を含有する置換基を有していてもよ
    い)、R6は炭素数5以下のアルキレン基または連鎖炭
    素原子が酸素もしくは窒素によって相互に結合された2
    価の有機残基を表し、nは0〜4の整数を表し、p+m
    は3以下で、pは0〜2の整数、mは0〜3の整数を表
    し、Xは1価の金属を表す。}
  2. 【請求項2】 α−オレフィンがエチレンである請求項
    1記載のコーティング剤。
  3. 【請求項3】 ビニルアルコール系重合体が、カルボン
    酸およびラクトン環を合計で0.02〜0.4モル%含
    有する請求項1記載のコーティング剤。
  4. 【請求項4】 ビニルアルコール系重合体が、下記の数
    1を満足するカルボン酸およびラクトン環を含有する請
    求項1記載のコーティング剤。 【数1】
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のコーテ
    ィング剤からなる顔料コーティング剤。
JP18857599A 1999-07-02 1999-07-02 コーティング剤 Pending JP2001020199A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18857599A JP2001020199A (ja) 1999-07-02 1999-07-02 コーティング剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18857599A JP2001020199A (ja) 1999-07-02 1999-07-02 コーティング剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001020199A true JP2001020199A (ja) 2001-01-23

Family

ID=16226092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18857599A Pending JP2001020199A (ja) 1999-07-02 1999-07-02 コーティング剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001020199A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007514075A (ja) * 2003-12-15 2007-05-31 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 紙コーティングでの使用のためのビニルアルコールとイタコン酸との共重合体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007514075A (ja) * 2003-12-15 2007-05-31 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 紙コーティングでの使用のためのビニルアルコールとイタコン酸との共重合体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0076490B1 (en) Paper coating agent
TWI226891B (en) Vinyl alcohol polymer and process for producing vinyl alcohol polymer
TWI247759B (en) Vinyl alcohol polymer and process for producing vinyl alcohol polymer
WO2011155546A1 (ja) アルキル変性ビニルアルコール系重合体、並びにこれを含む組成物、増粘剤、紙用塗工剤、塗工紙、接着剤及びフィルム
JP5946834B2 (ja) 組成物、コーティング剤、塗工物、塗工物の製造方法、感熱記録材、インクジェット記録材及び剥離紙原紙
JP2005042008A (ja) ビニルアルコール系重合体
JP2004091774A (ja) ビニルアルコール系重合体およびその製造方法
JPS6350478B2 (ja)
JP2013079374A (ja) ビニルアルコール系重合体を含有する組成物
JP2001020199A (ja) コーティング剤
JP3774450B2 (ja) ビニルアルコール系重合体およびその製造方法
JP4885054B2 (ja) 紙加工剤
JP4669210B2 (ja) 印刷用基材に用いられるコーティング剤組成物
JP2506350B2 (ja) 紙用コ−テイング組成物
JPH0532931A (ja) コーテイング組成物
JP3675931B2 (ja) 紙用コーティング剤
JP2957663B2 (ja) 紙用コーテイング剤
JP6753333B2 (ja) 架橋構造体の製造方法、及びインクジェット記録媒体
JP5931670B2 (ja) コーティング剤、並びにこのコーティング剤を塗工してなる塗工物及びその製造方法
JP3418441B2 (ja) ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造法及びそのポリマーよりなる紙の表面加工剤
JP5956888B2 (ja) 感熱記録材、その製造方法及びこの感熱記録材を用いた印刷物の製造方法
JPH11293589A (ja) 紙用コート剤
JP5956889B2 (ja) インクジェット記録材、その製造方法、及びそれを用いた印刷物の製造方法
JP2609468B2 (ja) 紙塗工液用分散剤及びそれを含んでなる紙塗工用組成物
JPH11302331A (ja) 耐水性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071127

A02 Decision of refusal

Effective date: 20080408

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02