JP2001019793A - セルロースプラスチックの不純物除去方法 - Google Patents

セルロースプラスチックの不純物除去方法

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JP2001019793A
JP2001019793A JP19749799A JP19749799A JP2001019793A JP 2001019793 A JP2001019793 A JP 2001019793A JP 19749799 A JP19749799 A JP 19749799A JP 19749799 A JP19749799 A JP 19749799A JP 2001019793 A JP2001019793 A JP 2001019793A
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aqueous solution
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cellulose plastic
impurities
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Yoshiharu Yabuki
嘉治 矢吹
Keisuke Shiba
惠輔 柴
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Fujifilm Holdings Corp
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Panac Industries Inc
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドープしたときの着色異物や不溶解物(ゲル
発生異物を含む)を短い処理時間で除去し、低コストで
高品質のセルロースプラスチックを回収する方法を提供
すること。 【解決手段】 セルロースの低級脂肪酸エステルを基材
として不純物を含むセルロースプラスチックを、過酸化
物および遷移金属化合物を含む水溶液、または酸化ハロ
ゲン化合物と臭素アニオンおよび/または沃素アニオン
とを含む水溶液で処理する工程を含むセルロースプラス
チックの不純物除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースプラス
チックに含まれているドープ溶剤に不溶性の異物、処理
中に発生する変性物、表面層の異物等の不純物を除去す
る方法に関する。特に、セルロースの低級脂肪酸エステ
ルを基材とするセルロースプラスチックから、ニトロセ
ルロース、アクリル系や酢酸ビニル系などのポリマーま
たは脂肪族系ワックスなどの不純物を漂白ともに除去
し、そのまま再利用できる程度に高品質のセルロースプ
ラスチックを低コストで回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日では、セルロースの低級脂肪酸エス
テルを基材とするセルロースプラスチックからなる成形
品が、様々な分野で利用されている。例えば、セルロー
スプラスチックの上に下塗り層やゼラチンからなる感光
層等を設けた写真フィルムや映画フィルムとして広範に
使用されている。これらのセルロースプラスチックより
なる成形品は、不要になった後に回収してセルロースプ
ラスチックの再利用を図ることが望まれる。特に環境問
題や資源の有効利用が社会的にクローズアップされてい
る現代において、セルロースプラスチックからなる成形
品の再利用は重要な課題である。このような課題に取り
組んだ技術として、特開平04−350856号公報に
は、過酸化水素水を用いてセルロースプラスチックフィ
ルムを回収する方法が開示されている。また、特開平0
5−271461号公報には、過マンガン酸塩と酸化ハ
ロゲン化物を含む水溶液を用いてセルロースプラスチッ
クを回収する方法が開示されている。
【0003】これらの技術は、セルロースプラスチック
に含まれる不純物の除去に一定の効果があるが、決して
十分なものではなかった。例えば、写真フィルムには、
セルロースプラスチックの支持体上に下塗り層としてニ
トロセルロース、ポリアクリレート系ポリマー、高級脂
肪酸系エステル等のポリマーを含む層が設けられている
が、このような下塗り層の異物の除去は必ずしも満足の
行くものではなかった。また、染料が付着している場合
には、染料の脱色が不十分で再利用価値を十分に高める
ことができなかった。また、不純物の除去に伴いセルロ
ースプラスチック自体に粘度低下などの劣化が現れるこ
ともあり、高品質なセルロースプラスチックを回収する
ことができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題を解決することを課題とした。すなわち本発
明は、セルロースの低級脂肪酸エステルを基材とするセ
ルロースプラスチックに含まれる異種ポリマー、染料及
び着色物質などの不純物を短時間の処理で分解除去し、
高品質のセルロースプラスチックを回収できる方法を提
供することを解決すべき課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意検討を進めた結果、セルロースの低級
脂肪酸エステルを基材とし不純物を含むセルロースプラ
スチックを、過酸化物を含む水溶液に遷移金属化合物を
含有させて処理するか、酸化ハロゲン化合物を含む水溶
液に臭素アニオンおよび/または沃素アニオンを含有さ
せて処理することにより、従来は困難であった不純物の
除去を短時間の処理で効果的に行うことができ、高品質
のセルロースプラスチックを得ることができることを見
出し、本発明を提供するに至った。すなわち本発明は、
セルロースの低級脂肪酸エステルを基材とし不純物を含
むセルロースプラスチックを、過酸化物および遷移金属
化合物を含む水溶液で処理する工程を含むことを特徴と
するセルロースプラスチックの不純物除去方法を提供す
るものである。遷移金属化合物は、タングステン、モリ
ブデン、チタンまたはバナジウムを含む金属化合物であ
ることが好ましい。
【0006】本発明はまた、セルロースの低級脂肪酸エ
ステルを基材とし不純物を含むセルロースプラスチック
を、酸化ハロゲン化合物と臭素アニオンおよび/または
沃素アニオンとを含む水溶液で処理する工程を含むこと
を特徴とするセルロースプラスチックの不純物除去方法
も提供する。該方法は、上記の過酸化物および遷移金属
化合物を含む水溶液で処理する方法と組み合わせて行う
ことが好ましい。本発明の不純物除去方法は、表面層を
有するセルロースプラスチックに対して適用することも
できる。また、不純物として有機染料を含むセルロース
プラスチックに対して適用することもできる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のセルロー
スプラスチックの不純物除去方法について詳細に説明す
る。本発明の処理対象物であるセルロースプラスチック
は、セルロースの低級脂肪酸エステルを基材とするプラ
スチックである。セルロースプラスチックの中には、セ
ルロースの低級脂肪酸エステルと低級アルキルエーテル
(50重量%未満)とが複合したプラスチックも含まれ
る。本明細書において「低級脂肪酸」とは炭素原子数が
6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、好ましくは
4以下である。セルロースの低級脂肪酸エステルの具体
例としては、セルロースアセテートおよびセルロースブ
チレートを挙げることができる。セルロースアセテート
はモノ、ジ及びトリアセテートを含む。例えば写真フィ
ルムにおいては、この中ではセルローストリアセテート
が広く使用されている。
【0008】上記低級アルキルエーテルの「低級アルキ
ル」とは、炭素原子数が4以下のアルキル基を意味す
る。本発明の方法は、製膜用ドープに用いる有機溶剤
(例えばメチレンクロライド:メタノール(9:1)の
混合溶剤)に完全に溶解しうるようなセルロースプラス
チックの複合体(低級脂肪酸エステルと低級アルキルエ
ーテルの複合体)に対しても有効である。本発明の処理
対象物であるセルロースプラスチックは、通常は成形品
である。ここでいう成形品は、完成品だけではなく半製
品も含まれる。例えば、写真フィルムの製造工程におけ
る半製品である。いわゆるフィルムベース(支持体上に
下塗り層が設けられているもの)も本発明の処理対象物
である成形品に含まれる。また、セルロースの低級脂肪
酸エステルを基材とするプラスチック上に表面層が設け
られているものも成形品に含まれる。本発明の方法は、
表面層がポリマー、特にニトロセルロースやポリアクリ
レート系ポリマーを含む場合に顕著な効果がある。前述
したように、写真フィルムでは、通常、支持体上にニト
ロセルロースやポリアクリレート系ポリマー、ワックス
(高級脂肪酸系エステル)などのポリマーを含む下塗り
層(表面層)が設けられている。回収する写真フィルム
には、種々の写真フィルムが混合されている場合が多い
が、これらのセルロースプラスチックよりなる成形品は
すべて本発明の処理対象物とすることができる。
【0009】使用済写真フィルム、特に映画用フィルム
は、長期間使用または保存されたものが多い。また、近
年では、高温迅速処理のために処理薬品を水洗不足の状
態で使用するため、着色汚染された使用済写真フィルム
が多い。合成ポリマーを含む下塗層を有するフィルムで
は、下塗層を通してフィルムベースの内部にまで汚染が
浸透しているものが多い。本発明の方法は、これらのよ
うな著しく汚染されたフィルムにも有効である。特に有
機染料などの着色物質で着色されたセルロースプラスチ
ックを脱色するときにも有効である。このように、本発
明の不純物除去方法は、少なくともセルロースプラスチ
ックの回収と脱色の両方を含むものである。本発明の方
法を実施する場合、セルロースプラスチックの成形品
は、1mm乃至10cm角、好ましくは5mm乃至3c
m角のチップに裁断し、そのチップについて回収処理を
実施することが好ましい。
【0010】次に、過酸化物または酸化ハロゲン化合物
を含む水溶液を用いた酸化分解処理工程について説明す
る。本発明で用いる過酸化物には、−O−O−結合を有
する酸化物および多価原子価を有する金属の酸化物が含
まれる。−O−O−結合を有する酸化物の例としては、
過酸化水素およびその塩、オゾン、過硫酸およびその
塩、および過ホウ酸塩を挙げることができる。とくに過
酸化水素およびその塩が好ましい。過酸化物は、着色異
物を漂白または除去されやすいように酸化分解するため
にも有効である。過酸化物は濃度が0.05〜1モル重
量%、好ましくは0.1〜0.5モル重量%の水溶液と
して用いることが好ましい。
【0011】本発明では、過酸化物の水溶液に触媒とし
て遷移金属化合物を添加する。ここで用いる遷移金属化
合物については、「新実験科学講座15、酸化と還元I
−2丸善出版(1976)」などに記載されている。例
えば、鉄、銅、コバルト、オスミウム、タングステン、
モリブデン、バナジウム、チタン、クロム、セレン、水
銀など遷移金属の化合物を挙げることができる。これら
の遷移金属の中では、タングステン、モリブデン、チタ
ンまたはバナジウムからなる遷移金属の化合物を使用す
ることが好ましい。その中でも、環境上の理由から、タ
ングステン、モリブデン、チタン、バナジウム、鉄、も
しくは銅からなる遷移金属化合物が好まし、中でもタン
グステン、モリブデン、チタンからなる遷移金属化合物
が特に好ましく、タングステンが最も好ましい。
【0012】これらの遷移金属化合物は、遷移金属の水
酸化物、酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、カルボン酸
塩、リン酸塩、硫酸塩およびそれらの複塩などとして用
いる。好ましい遷移金属化合物の具体例としては、酸化
タングステン、塩化タングステン、タングステン酸及び
その塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩など)、リ
ンタングステン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウ
ム塩、アンモニウム塩など)、けいタングステン酸、酸
化モリブデン、塩化モリブデン、モリブデン酸およびそ
の塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモ
ニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩など)、リン
モリブデン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩など)、けいモリブデン酸、五酸化
バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、四塩化チタン、
硫酸銅、硫酸鉄などを挙げる事ができる。中でも好まし
いものは、タングステン酸塩(ナトリウム、カリウム、
アンモニウム)、モリブデン酸塩(ナトリウム、カリウ
ム、アンモニウム)を挙げることができる。
【0013】過酸化物水溶液中における遷移金属化合物
の濃度は、酸化分解のための反応速度に対応して決める
ことが好ましい。好ましくは、当該処理液に対し0.0
001〜0.02モル重量%を用いる。例えば過酸化水
素0.10モル重量%処理液に対し0.003〜0.0
001モル重量%を併用するのが好ましい。また当該過
酸化物に対し0.1〜3モル%を用いるのが好ましい。
【0014】本発明のもう1つの酸化分解処理工程は、
酸化ハロゲン化合物を含む水溶液を用いて行う。ここで
用いる酸化ハロゲン化合物は、ハロゲンと酸素からなる
酸化性の酸の塩である。例えば、次亜塩素酸とその塩、
亜塩素酸とその塩、過塩素酸とその塩、次亜臭素酸とそ
の塩などを挙げることができる。とくに次亜塩素酸ナト
リウムが好ましい。酸化ハロゲン化合物は、セルロース
プラスチック表面に変性して形成された着色異物を漂白
または除去されやすいよう酸化分解するために有用であ
る。酸化ハロゲン化合物は、活性ハロゲン濃度として
0.01〜0.1モル重量%の水溶液で用いることが好
ましい。水溶液のpHは8以上が好ましく、9〜11の
アルカリ水溶液として用いることが好ましい。
【0015】本発明では、酸化ハロゲン化合物の水溶液
に、臭素アニオンおよび/または沃素アニオンを併存さ
せて用いる。ここで用いる臭素アニオンや沃素アニオン
は、酸化ハロゲン化合物の水溶液に塩の形で添加するこ
とができる。好ましい塩としては、アルカリ金属塩(リ
チウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ
土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム
塩など)、アンモニウム塩、有機塩基の塩(ピリジニウ
ム塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリエチルアミン
塩など)を挙げる事ができる。好ましい具体例として、
沃化ナトリウム、沃化カリウム、沃化リチウム、沃化ア
ンモニウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アン
モニウムを挙げる事ができる。臭素塩および/または沃
素塩は、好ましくは当該処理液に対し0.0005〜
0.01モル重量%で用いる。例えば次亜塩素酸ナトリ
ウム0.02モル重量%処理液に対し0.0005〜
0.002モル重量%を併用することが好ましい。
【0016】酸化分解処理工程は、遷移金属化合物を含
む過酸化物含有水溶液や、臭素アニオンおよび/または
沃素アニオンを含有する酸化ハロゲン化合物含有水溶液
による酸化分解を行うことができる範囲内で適宜条件設
定をして実施することができる。酸化分解処理時の好ま
しい液温は60〜95℃の範囲内であり、より好ましく
は80〜90℃である。また、上記の過酸化物および遷
移金属化合物を含む水溶液による処理と、酸化ハロゲン
化合物と臭素アニオンおよび/または沃素アニオンとを
含む水溶液による処理とは、組み合わせて実施すること
が好ましい。例えば、前者を実施した後に後者を実施す
ることができる。2つの処理を組み合わせて実施するこ
とによって、一方のみを実施したときよりも優れた不純
物除去効果を享受することができる。
【0017】本発明のセルロース・プラスチックの不純
物除去方法は、成形品の構成に応じて膨潤処理、ゼラチ
ン含有層(感光層)除去処理、酸化分解処理、必要によ
り有機溶剤処理や安定化処理、乾燥など複数の処理工程
と組み合わせて実施することができる。これらの工程と
の組み合わせ例として、膨潤処理、ゼラチン含有層除去
処理、本発明による酸化分解処理、必要により有機溶剤
処理、安定化処理さらに乾燥処理を順に行う場合を挙げ
ることができる。これらの各処理工程後には、それぞれ
水洗を実施することが好ましい。各処理液には界面活性
剤を添加してもよい。界面活性剤としてはノニオン性界
面活性剤が特に好ましい。ノニオン性界面活性剤の例と
しては、ポリエチレングリコールエーテル系の界面活性
剤、具体的には高級アルコールのポリエチレングリコー
ルエーテル、アルキルフェノールのポリエチレングリコ
ールエーテルを挙げることができる。界面活性剤は0.
001〜5重量%の範囲で処理液に添加することができ
る。
【0018】成形品の「膨潤処理」は、成形品の膨潤ま
たは軟化を目的としてアルカリまたは酸処理を行うこと
により実施することができる。アルカリまたは酸処理
は、成形品をアルカリ性水溶液(pH7〜13)または
酸性水溶液(pH12〜7)に浸漬して実施する。pH
2〜4等の比較的低いpH、あるいはpH8〜13など
の比較的高いpHで短時間処理し、セルロースプラスチ
ックの表面で酸またはアルカリを作用させることが好ま
しい。アルカリ性水溶液を用いることが特に好ましい。
【0019】膨潤処理は、室温〜70℃、特に30〜6
0℃の温度で10〜100分間、攪拌しながら実施する
ことが好ましい。この処理により、成形品に設けられた
表面層、例えば写真フィルムの感光層、中間層、下塗り
層およびバック層が膨潤または軟化する。アルカリ性水
溶液に用いるアルカリの例としては、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム
および水酸化ナトリウムを挙げることができる。アルカ
リ性水溶液のpHは、8〜13であることが好ましく、
8〜12であることが特に好ましい。
【0020】「ゼラチン含有層除去処理」は、成形品に
写真フィルムにおける感光層のようなゼラチン含有層が
設けられている場合に、成形品をプロテアーゼで処理す
ることにより行うことができる。ここで用いるプロテア
ーゼには特に制限はない。プロテアーゼは、通常は0.
001〜20重量%の水溶液として使用する。水溶液の
pHはプロテアーゼの至適pHに調整することが好まし
い。ゼラチン層除去処理は、室温〜70℃、特に30〜
60℃の温度で10〜200分間、攪拌しながら実施す
ることが好ましい。なお、成形品の表面が油脂で汚れて
いる場合は同様にリパーゼで処理することが好ましい。
【0021】「セルラーゼ処理」は、セルラーゼの水溶
液中にセルロースプラスチックの成形品を浸漬すること
により実施することが好ましい。水溶液中のセルロース
の濃度は0.01〜10g/100mlであることが好
ましい。また水溶液のpHは2〜8に調整することが好
ましい。処理温度は、一般に、20〜70℃であること
が好ましく、30〜60℃であることがさらに好まし
い。浸漬後攪拌することが好ましい。好ましい処理時間
は、10分以上であり、さらに好ましくは10〜90分
であり、特に好ましくは10〜60分である。セルラー
ゼは、他の分解酵素(プロテアーゼ、アミラーゼおよび
リパーゼなど)、特にプロテアーゼと併用することがで
きる。プロテアーゼの使用条件は、前述したゼラチン層
除去処理において使用する場合とほぼ同様である。
【0022】「安定化処理」は、回収されるセルロース
プラスチックの保存性を維持するために、必要により低
脂肪酸のアルカリ金属塩で処理することにより行うこと
ができる。具体的には、低脂肪酸のアルカリ金属塩の水
溶液に成形品を浸漬することにより行うことができる。
低級脂肪酸のアルカリ金属塩の例としては、臭酸カリウ
ム、臭酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよびギ酸カリウ
ムを挙げることができる。「乾燥処理」は、50〜15
0℃、好ましくは80〜125℃の温度で、通常の方法
により実施できる。
【0023】本発明の方法は、写真フィルム、偏光フィ
ルムなどの光学材料用フィルムの様々な分野に使用され
ているセルロースプラスチックの成形品に広く適用する
ことができる。回収したセルロースプラスチック、例え
ばセルロースアセテートの再生チップの品質評価は、チ
ップを製膜用ドープに用いる有機溶剤(例えばメチレン
クロライド・メタノール(9:1)の混合溶剤)に完全
に溶解してドープを調製し、そのドープの分光透過率や
白濁またはゲル状物の存在を検査することにより行うこ
とができる。本発明によれば、このような評価方法で不
溶解物が認められない良質のチップを回収することがで
きる。さらに、本発明に従い再び製膜したセルロースプ
ラスチックフィルムは、高温高湿の条件下で保存しても
安定である。従って、本発明により回収されたセルロー
ス誘導体は、新しい原料と同様に、写真用フィルムなど
のセルロースプラスチックよりなる成形品の製造に用い
ることができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、割合、操作等
は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更すること
ができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体
例に制限されるものではない。
【0025】<実施例1> (膨潤並びにゼラチン層除去処理)暴光済のカラー・ネ
ガフィルム(有機染料で着色されたセルローストリアセ
テートを基材としたベースフィルムの上にメタアクリレ
ート系ポリマーを含む下塗層が設けられ、さらにその上
にゼラチンを含む画像形成層が設けられており、またベ
ースフィルムの裏面に耐電防止層が設けられている)を
0.5〜2cm角に相当するチップに裁断した。このフ
ィルムチップ180gに温水0.5リットルを加え、炭
酸ナトリウム1.5gと高級アルコールのポリエチレン
グリコールエーテル(エマルゲン106、花王製)0.
08gを加えて、50℃で約10分間膨潤させた。次い
で耐アルカリ性プロテアーゼの水溶液0.2gを添加し
て、55℃で20分間攪拌した。チップを処理液から取
り出して水切りした後、水洗した。こうしてゼラチンを
含む画像形成層を除去したチップは、灰青色に汚染され
ている状態にあった。
【0026】(酸化分解処理) [A工程] 上で得られたゼラチン層を除去したチップ
に熱水0.5リットルを加え、タングステン酸ナトリウ
ム2水塩0.25gと炭酸ナトリウム0.5gとを加え
た。その後、高級アルコールのポリエチレングリコール
0.05gを加え、さらに過酸化水素水(約35重量
%)50gを加え、pHを約8.2に調整して85℃で
30分間攪拌した。水切り後、水洗した。 [B工程] A工程で得られたチップに熱水0.5リッ
トルを加え、炭酸ナトリウム0.7gと次亜塩素酸ナト
リウムのアルカリ溶液(有効塩素量約10%)50gを
加え、pHを約10.5に調整した。さらに高級アルコ
ールのポリエチレン・グリコール0.05gを加えて、
85℃で40分攪拌した。水切り後、水洗した。 [C工程] B工程で得られたチップに熱水0.5リッ
トルを加え、タングステン酸ナトリウム0.12gと過
酸化水素水(約35重量%)40gを加え、さらに高級
アルコールのポリエチレングリコール0.05gを加え
て、85℃で30分間攪拌した。水切り後、水洗した。 上記A〜C工程の材料使用量および条件を表1に示すよ
うに変更して、試料2〜7および比較試料A、Bそれぞ
れの酸化分解処理を行って試料1の酸化分解処理を完了
した。
【0027】(乾燥処理)酸化分解処理を施した各チッ
プを105℃の乾燥器中に約40分間放置して乾燥し
た。 (ドープの着色度とゲル物質発生状況の評価)乾燥した
各チップ10gを採取し、ドープ用有機溶剤(メチレン
クロライド;メタノール9:1)に溶解してドープを得
た。着色度は、無色品を1級として目視により比較判定
した。また、ドープ中のゲル物質発生の程度を調べた。
結果を以下の表に示す。
【0028】
【表1】
【0029】上記ドープ用有機溶剤を用いて得た各試料
の15重量%溶液を得た。常温、落球法により粘度を測
定した結果、試料1〜7の粘度は23〜24秒であり、
比較AおよびBの粘度は18〜20秒であった。以上よ
り、遷移金属化合物と過酸化物を含む水溶液で処理する
ことにより、着色異物や不溶解物を効果的に除去するこ
とができることが明らかになった。また、本発明による
回収試料(試料1〜7)の粘度が相対的に高く、処理工
程で本発明の試料の劣化が極めて少ないことが明らかに
なった。
【0030】<実施例2>実施例1とほぼ同様の膨潤処
理およびゼラチン含有層除去処理を行い、酸化分解処理
の条件を次のように変更して乾燥することにより、試料
8〜10を得た。実施例1のB工程において、さらに沃
化カリウム0.5gを次亜塩素酸ナトリウムのアルカリ
溶液50gと併用した。他は表2のとおりに化合物を使
用して、試料1と同様に処理して試料8を得た。A工程
およびC工程においてタングステン酸ナトリウムを併用
せず、B工程にて臭化カリウム0.5gと次亜塩素酸ナ
トリウムのアルカリ溶液50gとを併用した。他は実施
例1の試料1と同様に処理して試料9を得た。沃化カリ
ウムに替えても、臭化カリウムを用いても略同様な結果
を得た。
【0031】A工程を省略し、B工程を40分に延長
し、C工程を30分に延長した点を変更して、試料8と
同じ処理を行って試料10を得た。実施例1と同じ評価
を行った。結果を表2に示す。表2の結果は、遷移金属
化合物と過酸化物を含む水溶液による処理と、酸化ハロ
ゲン化合物と臭素アニオンおよび/または沃素アニオン
とを含む水溶液による処理を組み合わせて行えば、より
効果的に本発明の所期の効果を得ることができることを
示している。
【0032】<実施例3>映写使用済のカラーポジフィ
ルム(セルローストリアセテートを基材としたベースフ
ィルム上にニトロセルロースを含む下塗り層が設けら
れ、その上にゼラチンを含む画像形成層が設けられてい
る)を0.3〜2cm角に相当するチップに裁断した。
使用したカラー・ポジフィルムはフィルムベースが汚染
されている。実施例1と略同様の膨潤処理およびゼラチ
ン層除去処理を行ったが、膨潤は50℃で約10分間実
施し、またゼラチン層除去処理は炭酸ナトリウムでpH
を約9〜10に調整して55℃で40分間実施した。
【0033】得られたチップに熱水0.5リットルを加
え実施例1の酸化分解処理A工程の処理を行った(試料
11、12、比較試料C、D)。このとき比較試料Cお
よびDではタングステン酸ナトリウムを使用しなかっ
た。また、表2に示すように85℃で60分間または9
0分間攪拌した。処理したチップを、水洗後、B工程と
C工程は行わずに乾燥した。実施例1と同じ評価を行っ
た。各試料の酸化分解処理の条件及び評価結果を表2に
示す。表2の結果は、本実施例のカラーポジフィルムに
対しては、A工程の処理を行えば十分であるが、A工程
において遷移金属化合物を用いなければ所期の効果は得
られないことを示している。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明にしたがって、過酸化物含有水溶
液に少量の遷移金属化合物を添加して酸化分解処理を行
うことによって、遷移金属化合物無添加の過酸化物含有
水溶液による処理ではできなかった下塗り層の異物の除
去や染料の漂白が可能になった。また本発明にしたがっ
て、酸化ハロゲン化合物含有水溶液に臭素アニオンおよ
び/または沃素アニオンを添加して酸化分解処理を行う
ことによって、アクリルポリマーなどの下塗り層の異物
を短時間で除去し、セルロースプラスチックの劣化(粘
度低下など)を防止することができる。これら二つの酸
化分解処理を組合せることによって、相乗作用により短
時間で劣化が少いより高品質のセルロースプラスチック
を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴 惠輔 神奈川県南足柄市広町392番地 パナック 工業株式会社内 Fターム(参考) 4F301 AA02 AB01 AB02 CA04 CA12 CA13 CA53 CA68

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースの低級脂肪酸エステルを基材
    とし不純物を含むセルロースプラスチックを、過酸化物
    および遷移金属化合物を含む水溶液で処理する工程を含
    むことを特徴とするセルロースプラスチックの不純物除
    去方法。
  2. 【請求項2】 前記遷移金属化合物が、タングステン、
    モリブデン、チタンまたはバナジウムを含む金属化合物
    であることを特徴とする請求項1のセルロースプラスチ
    ックの不純物除去方法。
  3. 【請求項3】 セルロースの低級脂肪酸エステルを基材
    とし不純物を含むセルロースプラスチックを、酸化ハロ
    ゲン化合物と臭素アニオンおよび/または沃素アニオン
    とを含む水溶液で処理する工程を含むことを特徴とする
    セルロースプラスチックの不純物除去方法。
  4. 【請求項4】 請求項1の不純物除去方法と組み合わせ
    て行うことを特徴とする請求項3のセルロースプラスチ
    ックの不純物除去方法。
  5. 【請求項5】 前記不純物を含むセルロースプラスチッ
    クが表面層を有することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかのセルロースプラスチックの不純物除去方法。
  6. 【請求項6】 前記不純物が有機染料であることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかのセルロースプラスチッ
    クの不純物除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011052114A (ja) * 2009-09-02 2011-03-17 Fujifilm Corp セルロースエステルの回収方法

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