JP2003003009A - セルロースエステルの回収方法、再生セルロースエステル及びそれを用いたセルロースエステルフィルム - Google Patents

セルロースエステルの回収方法、再生セルロースエステル及びそれを用いたセルロースエステルフィルム

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JP2003003009A
JP2003003009A JP2001192692A JP2001192692A JP2003003009A JP 2003003009 A JP2003003009 A JP 2003003009A JP 2001192692 A JP2001192692 A JP 2001192692A JP 2001192692 A JP2001192692 A JP 2001192692A JP 2003003009 A JP2003003009 A JP 2003003009A
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cellulose ester
recovering
film
ester according
polarizing plate
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Shizuko Moriya
志津子 森谷
Masahiko Yamazaki
誠彦 山崎
Takao Uejima
孝夫 植嶋
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Konica Minolta Inc
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶画像表示装置用等のセルロースエステル
フィルムと偏光膜等からなる偏光板から特に保存安定性
の劣化が改善され実用上問題なく、かつ輝点異物が少な
いセルロースエステルを回収する方法を提供する。また
その回収したセルロースエステルを再利用した再生セル
ロースエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 偏光板を水系液中で処理するpHが7以
上であることを特徴とするセルロースエステルの回収方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセルロースエステル
フィルムと偏光膜等からなる偏光板から特に保存安定性
の劣化が改善され実用上問題なくセルロースエステルを
回収する方法、その回収された再生セルロースエステル
及びそれを用いた再生セルロースエステルフィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の廃プラスティックの処理方法とし
ての埋め立てや焼却等の処理が、近年の環境意識の高ま
りに伴い、埋め立て場所の確保や焼却処理場の増設が困
難になりつつある。更に石油資源の枯渇や二酸化炭素排
出量の削減が昨今の環境課題であり、資源保護、並びに
環境保全の立場から使用物品の再利用、再生等リサイク
ル化はもはや必須となっている。
【0003】セルロースエステルは、もともと天然資源
であるリンターや木材からのパルプを化学処理をして得
られるプラスティックであるが、森林保護の立場からそ
の再利用が課題となっている。リンターパルプは綿花の
リンター部分からとれるもので数量が少ないこと、天候
に生産量が左右され易いこと、またコストの面等から、
木材パルプに依存する傾向にある。
【0004】セルロースエステルのフィルムのセルロー
ストリアセテートフィルムは、透明で、機械的に強いな
どから写真フィルムや液晶画像表示装置用の偏光板等に
用いられている。
【0005】偏光板は、一軸延伸したポリビニルアルコ
ール系偏光膜の両面に、予めアルカリ液で表面を鹸化し
たセルローストリアセテートフィルムを貼り合わせたも
のである。更に偏光板は両面に、ポリエステルフィルム
の保護フィルム、接着層、防眩層、反射防止層、ハード
コート層、帯電防止層等が積層されて液晶画像表示装置
に組み込まれる。写真フィルムでは、生産の収率はかな
りよく、また生産したほとんどが撮影者のところに留ま
るのに対して、偏光板については、吸湿性の高い一軸延
伸した偏光膜の両面にセルローストリアセテートフィル
ムを張り合わせて偏光板とし、更にその両面に上記の各
構成層を積層してあるため、その回収作業が難しく、回
収収率が低下し易く、またゴミや欠陥を避けて大きな面
積部分を廃棄せざるをえないことなどから最終回収収率
はかなり低くなるのが現状であって、その都度これらの
各作業過程において廃フィルムが廃棄されていた。
【0006】従来、セルロースエステルフィルムの回収
の技術については、写真用セルローストリアセテートフ
ィルムの回収における技術がいくつか散見される程度で
あるが、偏光板についてはほとんどその記載は見あたら
ない。写真フィルムについての回収技術としては、例え
ば、特開平5−281686号公報に次亜塩素酸処理
後、水系液処理する方法が、米国特許第2,688,6
14号明細書には過マンガン酸カリを含有した酸性処理
が、英国特許第1,087,038号明細書には酸化剤
を含有したアルカリ性処理が、また、日本特許公報第2
640394号及び同第2817020号には、セルラ
ーゼ処理及び水溶性有機溶媒処理がそれぞれ記載されて
いる。しかしながらこれらの技術は、いずれも偏光板か
らのセルロースエステルの回収には適さないものばかり
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その第1の目的は、液晶画像
表示装置用等のセルロースエステルフィルムと偏光膜等
からなる偏光板から特に保存安定性の劣化が改善され実
用上問題なく、かつ輝点異物が少ないセルロースエステ
ルを回収する方法を提供することにあり、また第2の目
的はその回収したセルロースエステルを再利用した再生
セルロースエステルフィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。
【0009】1.偏光板を水系液中で処理するpHが7
以上であることを特徴とするセルロースエステルの回収
方法。
【0010】2.前記pHが8〜11であることを特徴
とする前記1記載のセルロースエステルの回収方法。
【0011】3.前記pHが8〜10であることを特徴
とする前記1記載のセルロースエステルの回収方法。
【0012】4.水系液が、アルカリ性化剤を含有する
水であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記
載のセルロースエステルの回収方法。
【0013】5.水系液が、アルカリ性化剤を含有す
る、少なくとも一つの水酸基を有し且つ炭素原子数1〜
6の水と相溶性を有する化合物と水の混合液、であるこ
とを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載のセルロ
ースエステルの回収方法。
【0014】6.水系液が、還元剤を含有していること
を特徴とする前記1〜5のいずれか1項記載のセルロー
スエステルの回収方法。
【0015】7.水系液が、ポリビニルアルコール分解
酵素を含有していることを特徴とする前記1〜6のいず
れか1項記載のセルロースエステルの回収方法。
【0016】8.アルカリ性化剤がアルカリ金属水酸化
物であることを特徴とする前記4〜7のいずれか1項記
載のセルロースエステルの回収方法。
【0017】9.アルカリ性化剤が炭酸塩、リン酸塩、
グリシンまたは2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−
1,3−プロパンジオールを含有する緩衝剤であること
を特徴とする前記4〜7のいずれか1項記載のセルロー
スエステルの回収方法。
【0018】10.少なくとも一つの水酸基を有し且つ
炭素原子数1〜6の水と相溶性を有する化合物がエタノ
ールであり、かつアルカリ性化剤が2−アミノ−2−ヒ
ドロキシメチル−1,3−プロパンジオールまたはグリ
シンを含有する緩衝剤であることを特徴とする前記5、
6、7または9記載のセルロースエステルの回収方法。
【0019】11.偏光板を無定型または四角に粉砕ま
たは断裁して処理することを特徴とする前記1〜10の
いずれか1項記載のセルロースエステルの回収方法。
【0020】12.前記1〜11のいずれか1項記載の
回収方法で回収したことを特徴とする再生セルロースエ
ステル。
【0021】13.前記12に記載の再生セルロースエ
ステルを使用し製膜したことを特徴とする再生セルロー
スエステルフィルム。
【0022】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、液晶画像表示装置用等のセルロースエステルフィル
ムと偏光膜等からなる偏光板からセルロースエステルフ
ィルムを回収する方法であって、偏光板からの再生時に
pH調整を行うこと、即ち、偏光板を水系液中でpH7
以上で処理することにより、保存安定性の劣化が実用上
問題なく、かつ輝点異物が少ないセルロースエステルフ
ィルムを、効率よく、収率よく回収する方法である。
【0023】本発明の回収対象は偏光板に用いられてい
るセルロースエステルである。本発明の回収に係るセル
ロースエステルは、セルロースの水酸基に、低級脂肪酸
をアシル化反応させて得られるもので、好ましくは、セ
ルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピ
オネート、セルロースアセテートブチレート及びセルロ
ースアセテートプロピオネートブチレートから選ばれる
少なくとも一つである。セルロースの水酸基に置換され
ているアシル基の置換度は、2.4〜3.0のものが好
ましく、重合度は300以上、更には400以上のもの
が好ましい。
【0024】本発明に係る偏光板に使用されているセル
ロースエステルフィルムは、セルロースエステルを溶
媒、例えばメチレンクロライドに溶解してドープとし、
通常のセルローストリアセテートフィルムのような溶液
流延製膜法により製膜したものであり、更に表面をアル
カリ液で鹸化し、偏光膜が接着し易くなるように処理し
たものである。本発明に係るセルロースエステルフィル
ムの鹸化処理条件の1例を示すと、40〜60℃の2m
ol/lのNaOH水溶液に、約30〜150秒浸漬
後、常温水で約30〜60秒水洗し、更に1〜5質量%
HClで約30〜60秒中和し、その後常温水で約30
〜60秒水洗して、約80℃で乾燥するという条件が好
ましいが、これらに限定されない。
【0025】本発明に係る偏光板に用いられる偏光膜
は、例えばポリビニルアルコール、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体等のポリビニルアルコール系ポリマー
の水溶液を製膜し、これを一軸延伸させてヨウ素や二色
性色素で染色したものを更に一軸延伸してから、ホウ素
化合物等の架橋剤で耐水性処理を行ったものである。
【0026】本発明に係る偏光板は、前述のように表面
を鹸化したセルロースエステルフィルムを上記偏光膜の
両面に張り合わせたものである。
【0027】本発明に係る偏光板を作製する際の偏光膜
へのセルロースエステルフィルムの張り合わせ方の1例
を示すと、2枚の鹸化処理したセルロースエステルフィ
ルムの各々の片面に接着剤液としてのポリビニルアルコ
ール水溶液を塗布して、その各々の片面の間に、上述の
ようにして作製した偏光膜をサンドウィッチして貼り合
わせる。接着剤液としては、ポリビニルアルコール水溶
液、ポリビニルブチラール溶液等のポリビニルアルコー
ル系の接着剤液やブチルアクリレート等のビニル重合系
ラテックス等を挙げることができるが、好ましくは完全
鹸化ポリビニルアルコール水溶液である。
【0028】本発明におけるセルロースエステル回収の
際の偏光板の形状としては、粉砕あるいは断裁によって
無定型または四角の小さなチップの状態の形状にして回
収処理をするのが好ましく、大きさとしてはチップの最
小〜最大長さが0.1〜20mm程度が回収処理に好適
で好ましく、0.5〜10mmがより好ましい。本発明
のセルロースエステル回収方法は、上記の大きさのチッ
プを水系液でpH7以上で処理することによってセルロ
ースエステルフィルムと偏光膜とを剥離分離するもので
ある。
【0029】本発明に係る水系液は、水だけでもよい
が、少なくとも一つの水酸基を有し且つ炭素原子数1〜
6の水と相溶性を有する化合物と水の混合液でもよい。
【0030】上記少なくとも一つの水酸基を有し且つ炭
素原子数1〜6の水と相溶性を有する化合物としては、
例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、is
o−プロパノール、ブタノール、iso−ブタノール、
sec−ブタノール、tert−ブタノール、エチレン
グリコール、1,3−トリメチレングリコール、1,4
−テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、
グリセリン、トリメタノールエタン、トリメタノールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、シクロヘキサノール、
グルコーズ、ペントーズ、キシリトーズ、キシリトール
等を挙げることができるが、これらに制限されない。水
系液中における上記化合物の含有率は、0.1〜99.
9質量%が好ましく、より好ましくは10〜90質量
%、特に好ましくは30〜80質量%である。但し、こ
れらの化合物の水に対する溶解性によってこれらの数値
が異なる場合がある。
【0031】本発明のセルロースエステルの回収方法に
おいては、偏光板を水系液中でpH7以上で処理する
が、pH8〜11で処理することが好ましく、pH8〜
10で処理することがより好ましい。pH7未満では保
存安定性が著しく低下することがあり、また上限はとく
に限定されないが、pH12以上では処理中にセルロー
スエステル中のエステル結合の解離が起きることがあ
る。
【0032】本発明において、pH7以上にするのに用
いられるアルカリ性化剤としては、炭酸塩(例えば、N
aHCO3、Na2CO3等)、リン酸塩(例えば、Na
2PO4、KH2PO4等)、グリシン、グリシンアルカ
リ金属塩または2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−
1,3−プロパンジオール(以下単に、Trisともい
う)等の緩衝剤、アルカリ金属水酸化物(例えば、Na
OH、KOH、Ca(OH)2等)等が挙げられる。
【0033】本発明の水系液処理での処理温度は、水と
上記化合物との種類、混合割合によって異なるが、20
〜100℃が好ましい。35〜80℃がより好ましく、
65〜80℃が特に好ましい。
【0034】本発明の水系液処理によるセルロースエス
テルフィルムから偏光膜が分離する状態は、ポリビニル
アルコール膜が溶解、膨潤あるいは非膨潤状態等様々で
ある。特に上記少なくとも一つの水酸基を有し、且つ炭
素原子数1〜6の水と相溶性を有する化合物を用いた場
合にはほとんど膨潤せずに分離するケースが多い。
【0035】偏光膜はヨウ素や二色性色素で染色するた
め、上記水系液で処理した際、セルロースエステルフィ
ルム側に着色が残る場合があり、その着色を脱色させる
ために、本発明において還元剤を使用するのが好まし
い。還元剤としては、脱色可能なものであれば制限なく
使用できるが、例えば、チオ硫酸ナトリウム、アスコル
ビン酸、塩化第1鉄等を挙げることができる。使用量は
水系液1kg中0.1〜100g、好ましくは1〜20
g、更に4〜10gが好ましい。
【0036】偏光膜は、メーカーによってポリビニルア
ルコール系ポリマーがホウ酸のような架橋剤で架橋され
たものであったり、またはポリビニルアルコールの鹸化
度が高いものであったりするが、これらは水系液に溶解
し難い場合がある。このような場合、本発明において
は、水系液にポリビニルアルコール系ポリマーを分解す
る能力のあるポリビニルアルコール分解酵素を添加する
のが好ましい。また、水系液処理で剥離したポリビニル
アルコール膜は水系液に溶解したり、膨潤した状態とな
り、そのまま排出すると河川を汚すおそれもあるので、
廃液処理においてもポリビニルアルコール系ポリマーを
分解し得る酵素を使用することが好ましい。ポリビニル
アルコールの分解酵素としては、土肥義治代表編集「生
分解性プラスティックハンドブック」生分解研究会編
((株)エヌ・ティー・エス発行)第7節 ポリビニル
アルコール分解酵素(466〜476頁)に記載されて
いる分解酵素を使用することができる。分解酵素による
ポリビニルアルコールの分解に適した条件は、分解酵素
によって異なるが、温度としては30〜65℃、pHは
6.5〜9.0である。分解されるポリビニルアルコー
ルとしては、高重合度から低重合度のものまで、また完
全鹸化のものから鹸化度の低いものまで、広範囲のポリ
ビニルアルコールを容易に分解することができる。
【0037】偏光板のセルロースエステルフィルムと偏
光膜との界面に水系液を迅速に浸透させるために界面活
性剤を使用してもよい。界面活性剤としては、アニオン
性、カチオン性、両性及びノニオン性のいずれでもよ
い。アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルカ
ルボン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼ
ンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸
塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル
類、N−アシル−N−アルキルタウリン類、スルホコハ
ク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキ
ルリン酸エステル類などを挙げることができ、カルボキ
シ基、スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、燐酸エス
テル基等を有する化合物が好ましい。カチオン性界面活
性剤としては、例えばアルキルアミン塩類、脂肪族ある
いは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジニウム、イ
ミダゾリウムなどの複素環第4アンモニウム塩類、およ
び脂肪族または複素環を含むホスホニウムまたはスルホ
ニウム塩類等が好ましい。両性界面活性剤としては、例
えばアミノ酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノ
アルキル硫酸または燐酸エステル類、アルキルベタイン
類、アミンオキシド類等が好ましい。ノニオン性界面活
性剤としては、例えばサポニン(ステロイド系)、アル
キレンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコー
ル縮合物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類
またはポリエチレングリコールアルキルアリールエーテ
ル類、ポリエチレングリコールエステル類、ポリエチレ
ングリコールソルビタンエステル類、ポリアルキレング
リコールアルキルアミンまたはアミド類、シリコーンの
ポリエチレンオキサイド付加物類)、グリシドール誘導
体(例えばアルケニルコハク酸ポリグリセリド、アルキ
ルフェノールポリグリセリド)、多価アルコール脂肪酸
エステル類等のアルキルエステル類等が好ましい。
【0038】偏光板を水系液中でpH7以上で処理する
ことにより回収されたセルロースエステルは、水系液に
より混合洗浄、またはすすぐこと等を行われることが好
ましい。高いpHで処理回収されたばあいには上記洗
浄、またはすすぎ処理を行うことが特に好ましい。
【0039】本発明において、偏光板からセルロースエ
ステルフィルムを剥離するのを早めるために、超音波処
理を与えるのが好ましい。超音波処理は、容器の大き
さ、あるいは処理量によるが、20〜50Hzの周波数
で、出力は30〜900Wのものが好ましい。
【0040】本発明において、回収されたセルロースエ
ステルの品質は、特に保存安定性の劣化が改善され実用
上問題なく、これを製膜したフィルムは製造当時のもの
と同様に写真用フィルム支持体や偏光板用フィルムに再
利用できる。
【0041】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるもので
はない。
【0042】実施例1 処理1).破砕処理 偏光膜基材フィルム層がポリビニルアルコールであり、
保護フィルムがトリアセチルセルロースである3層積層
構造を有した偏光板(住友化学(株)製)を約0.5〜
1.0cm角に破砕した。 処理2).水系液中加熱処理・洗浄処理 破砕処理した偏光板80gを表1に示したpH、水系液
(水または水溶液)2000ml中で、75℃にて1時
間、加温・攪拌処理した後、液を除去し、新たに同じ水
系液2000mlを添加して同様の処理を行った。これ
を計2回繰り返した。
【0043】さらに、この液を除去し、75℃の温水2
000mlを加え、30分、攪拌処理により洗浄した。
この温水を除去し、新たに温水を加えて同様の洗浄処理
を行い、これを3回繰り返した。 処理3).乾燥処理 以上の処理で回収したセルロースエステルフィルム片を
105℃の乾燥機中にて乾燥した。 処理4).製膜工程 以上により得られたセルロースエステルフィルム片を質
量で5倍量のメチレンクロライド:エタノール(9:
1)の溶液に溶解した。この溶液をフィルターでろ過
後、溶液流延製膜法にてセルロースエステルフィルムに
再加工し、その保存安定性および輝点異物を評価した。 《評価方法》 〈保存安定性(酢化度の劣化度)〉 1).試料2.0gを50ml容のガラス容器に入れ、
80℃、相対湿度90%条件下で24時間調湿後、容器
を密閉して80℃、相対湿度90%条件下で400時
間、温熱処理を行った。 2).後、得られた試料を50℃メタノール浴に30分
間浸漬し洗浄処理した。この洗浄処理を3回繰り返し
て、試料に含有するセルローストリアセテート以外の添
加剤成分を除去し、後、105℃2時間、乾燥した。 3).後、得られた試料を、JIS L1013化学繊
維フィラメント糸試験方法の酢化度定量方法(溶解法)
を用いて酢化度を定量した。劣化後の酢化度を劣化前の
酢化度と比較し、酢化度の劣化度(%)を下式より求
め、保存安定性を表す指標とした。
【0044】酢化度の劣化度(%)={(劣化前の酢化
度−劣化後の酢化度)/劣化前の酢化度}={(59
(※1)−劣化後の酢化度)/59}×100 ※1:偏光板(住友化学(株)製)の保護フィルムのト
リアセチルセルロースの劣化前の酢化度は59%であっ
た。 〈輝点異物〉偏向膜とセルロースエステルフィルムを重
ねて、顕微鏡下で輝点(10μm以上のサイズのもの)
を目視で点を数え、その個数を下記基準にて評価した。
【0045】 ○:40個以下/250mm2 △:41〜80個/250mm2 ×:81個以上/250mm2 結果を表1に示す。
【0046】また、偏光板80gを水系液(水溶液)2
000ml中で加熱する水系液加熱処理におけるpHを
表2記載のpHのように1モル/LのNaOHaq、1
モル/LのHClaqの滴下により調整するよう変えた
他は上記と同様にして実験を行い、評価を行った。
【0047】結果を表2に示す。
【0048】
【表1】
【0049】*1:加熱処理中pH=5となっていた。 *2:試料1−14は偏光板(住友化学(株)製)の保
護フィルムの新品のトリアセチルセルロース
【0050】
【表2】
【0051】表1、2から、アルカリ性化剤を含有する
水でpH7以上で処理する(本発明の少なくとも請求項
1〜4の発明の構成)により、新規セルロースエステル
と同等の保存安定性を有するセルロースエステルを回収
することができることがわかる。
【0052】実施例2 処理1).破砕処理 実施例1と同じに行った。 処理2).水系液(水溶性有機溶媒含)中加熱処理・洗
浄処理 実施例1と同様に破砕処理・処理1を行った偏光板80
gを、表3に示したpH、水系液(75%エタノール水
溶液)2000ml中で、60℃、2時間、攪拌処理
し、添加剤などを溶解し除去すると同時に偏向膜(ポリ
ビニルアルコール)を剥離した。
【0053】後、金網でろ過して液を除去し、ここに直
接75℃の温水を加え、偏向膜を溶解し、残留するセル
ロースエステルフィルム片を金網で回収した。
【0054】さらに、回収したセルロースエステルフィ
ルム片を75℃の温水中にて30分、攪拌して洗浄処理
した。この温水を除去し、新たに温水を加えて同様に洗
浄処理を行い、これを3回繰り返した。 処理3).乾燥処理 以上の処理で回収したセルロースエステルフィルム片を
105℃の乾燥機中にて乾燥した。 処理4).製膜工程 以上により得られたセルロースエステルフィルム片に、
質量%で10質量%のトリフェニルホスフェートを加
え、更に5倍質量のメチレンクロライド:エタノール
(9:1)の溶液を加えて溶解した。この溶液を溶液流
延製膜法にてセルロースエステルフィルムに再加工し、
その保存安定性および輝点異物を評価した。
【0055】実施例1と同様にして評価した結果を表3
に示す。
【0056】
【表3】
【0057】表3から、アルカリ性化剤を含有する、少
なくとも一つの水酸基を有し且つ炭素原子数1〜6の水
と相溶性を有する化合物と水の混合液でpH7以上での
処理(本発明の請求項1〜3、5の発明の構成)によ
り、特に保存安定性の劣化が改善され実用上問題なく保
存安定性が優れたセルロースエステルを回収できること
がわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F301 AA02 AB02 AB03 AD10 BF06 BF12 BF27 BF31 CA09 CA11 CA33 CA41 CA68 CA71

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光板を水系液中で処理するpHが7以
    上であることを特徴とするセルロースエステルの回収方
    法。
  2. 【請求項2】 前記pHが8〜11であることを特徴と
    する請求項1記載のセルロースエステルの回収方法。
  3. 【請求項3】 前記pHが8〜10であることを特徴と
    する請求項1記載のセルロースエステルの回収方法。
  4. 【請求項4】 水系液が、アルカリ性化剤を含有する水
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記
    載のセルロースエステルの回収方法。
  5. 【請求項5】 水系液が、アルカリ性化剤を含有する、
    少なくとも一つの水酸基を有し且つ炭素原子数1〜6の
    水と相溶性を有する化合物と水の混合液、であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のセルロー
    スエステルの回収方法。
  6. 【請求項6】 水系液が、還元剤を含有していることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のセルロー
    スエステルの回収方法。
  7. 【請求項7】 水系液が、ポリビニルアルコール分解酵
    素を含有していることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れか1項記載のセルロースエステルの回収方法。
  8. 【請求項8】 アルカリ性化剤がアルカリ金属水酸化物
    であることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項記
    載のセルロースエステルの回収方法。
  9. 【請求項9】 アルカリ性化剤が炭酸塩、リン酸塩、グ
    リシンまたは2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,
    3−プロパンジオールを含有する緩衝剤であることを特
    徴とする請求項4〜7のいずれか1項記載のセルロース
    エステルの回収方法。
  10. 【請求項10】 少なくとも一つの水酸基を有し且つ炭
    素原子数1〜6の水と相溶性を有する化合物がエタノー
    ルであり、かつアルカリ性化剤が2−アミノ−2−ヒド
    ロキシメチル−1,3−プロパンジオールまたはグリシ
    ンを含有する緩衝剤であることを特徴とする請求項5、
    6、7または9記載のセルロースエステルの回収方法。
  11. 【請求項11】 偏光板を無定型または四角に粉砕また
    は断裁して処理することを特徴とする請求項1〜10の
    いずれか1項記載のセルロースエステルの回収方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項記載の
    回収方法で回収したことを特徴とする再生セルロースエ
    ステル。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の再生セルロースエ
    ステルを使用し製膜したことを特徴とする再生セルロー
    スエステルフィルム。
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