WO2011059095A1 - プラスチック処理装置 - Google Patents

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Abstract

 セルロースエステルを主成分とするプラスチック廃材における炭素以外の成分についても適切に回収、処理して有用物質とし、各種用途に有効活用可能とするプラスチック処理装置を提供する。プラスチックをなすセルロースエステルを加水分解部10で加水分解し、さらに分解された各成分を分離部11で分離して、セルロースを含む固形物、及び、セルロースとエステル結合していた成分の酸の溶液を得て、それぞれ再利用や他物質の生成等に使用可能となることから、セルロースを含む固形物は活性炭や燃料、充填剤等他の製品に変換して利用できる他、セルロースとエステル結合していた成分の酸の溶液はプラスチックや他の製品の原料として直接再利用できることとなり、プラスチック廃材に含まれる有用成分を無駄にすることなく活用が図れ、廃棄物の量を減らして環境への影響も抑えられる。

Description

プラスチック処理装置
 本発明は、プラスチック廃材を処理して活性炭等の物質に変換するプラスチック処理装置に関する。
 写真用や映画撮影用のフイルムの基材、また、液晶ディスプレイパネルで使用されるフイルム等の材質として知られるトリアセチルセルロース(セルローストリアセテート)は、その優れた物理的、光学的特性から前記用途の標準品として大量に製造されている。こうしたフィルム等の製造工程では、最終の製品形状に合わせてフィルムを切揃える処理が欠かせないことから、原材料として供給されたフィルム材のうち一定の割合が切断屑等として廃棄されることとなる。
 こうして廃棄されるトリアセチルセルロース廃材は、近年のフィルム利用の拡大に伴って年々増加しているが、他の廃材、例えば紙屑やPETのようなリサイクル・リユースのシステムが構築されておらず、その処理が問題となっていた。ただし、トリアセチルセルロースは、他の合成樹脂と異なり、フィルム廃材から再び純粋なトリアセチルセルロースを取出したり、熱を加えて再成形することが困難な性質を有するため、再利用が難しいという問題も有していた。
 これに対し、焼却や埋立て等の処分が環境に与える影響を考慮し、廃材を有効に活用して処分される廃材の減量を図るため、フィルム廃材を炭化、賦活して活性炭を作り、利用に供する手法が近年提案されており、このような従来の活性炭製造方法の一例として、特開2008-201664号公報や特開2009-132559号公報に記載されるものがある。
 なお、本発明におけるセルロースは、植物により生成されたものや微生物により生成されたもの(所謂バクテリアセルロース)も含まれる。
特開2008-201664号公報 特開2009-132559号公報
 従来の活性炭製造方法は、前記特許文献に示されるように、トリアセチルセルロースをはじめとするセルロースアシレートの廃材を炭化して炭化物を生成し、さらにこの炭化物を賦活することにより活性炭を製造するものとなっていたが、トリアセチルセルロース等の廃材のうち、活性炭を構成する炭素以外の成分については、特に再利用のために回収されることもなく、廃材の有効利用の面で未だ課題を有していた。
 本発明は前記課題を解消するためになされたもので、セルロースエステルを主成分とするプラスチック廃材における炭素以外の成分についても適切に回収、処理して有用物質とし、各種用途に有効活用可能とするプラスチック処理装置を提供することを目的とする。
 本発明に係るプラスチック処理装置は、セルロースエステルを主成分とするプラスチックと水とを高温高圧の環境下に所定時間おいてセルロースエステルを加水分解する加水分解部と、当該加水分解部で分解された各種成分の混合物を、セルロースを含む固形物、及び、セルロースとエステル結合していた成分の酸の溶液に分ける分離部とを備えるものである。
 このように本発明によれば、プラスチックをなすセルロースエステルを加水分解部で加水分解し、さらに分解された各成分を分離部で分離して、セルロースを含む固形物、及び、セルロースとエステル結合していた成分の酸の溶液を得て、それぞれ再利用や他物質の生成等に使用可能となることにより、セルロースを含む固形物は活性炭や燃料、充填剤等他の製品に変換して利用できる他、セルロースとエステル結合していた成分の酸の溶液はプラスチックや他の製品の原料として直接再利用できることとなり、プラスチック廃材に含まれる有用成分を無駄にすることなく活用が図れ、廃棄物の量を減らして環境への影響も抑えられる。
 また、本発明に係るプラスチック処理装置は必要に応じて、前記セルロースを含む固形物の一部又は全部を炭化し、さらに炭化物を賦活して活性炭とする活性炭製造部とを備えるものである。
 このように本発明によれば、活性炭製造部でセルロースを含む固形物を炭化し、さらに得られた炭化物を賦活し、活性炭を製造して使用に供することにより、その性質上、分解や再成形が困難なセルロースを含む固形物を活性炭として有効に活用でき、プラスチックにおけるセルロース成分の廃棄量を大きく減らせると共に、セルロースの材料特性から、得られる活性炭を有効な表面積の大きい良質なものとすることができ、活性炭として優れた特性を有するものとして様々な用途で利用できる。
 また、本発明に係るプラスチック処理装置は必要に応じて、前記セルロースを含む固形物を投入され、セルロースを糖化して、糖溶液と残渣の固形物とを生じさせる糖化部を備えるものである。
 このように本発明によれば、糖化部でセルロースを含む固形物を糖化して、糖溶液と残渣の固形物とを取得し、それぞれ使用に供することにより、分解や再成形が困難なセルロースを化学的に利用しやすい糖に変換して有効に活用できると共に、セルロースが糖に変る分、最終的に残渣として残る固形物の量を大幅に減らすことができ、プラスチックにおけるセルロース成分の廃棄量を大きく削減でき、また廃棄物としての取扱いも容易となる。
 また、本発明に係るプラスチック処理装置は必要に応じて、前記セルロースを含む固形物を投入され、セルロースを糖化して、糖溶液と残渣の固形物とを生じさせる糖化部を備え、当該糖化部から取出した固形物のみを前記活性炭製造部で活性炭とするものである。
 このように本発明によれば、糖化部でセルロースを含む固形物を糖化して、糖溶液と残渣の固形物とを取得し、続いて活性炭製造部で残渣の固形物を炭化し、さらに得られた炭化物を賦活し、活性炭を製造して使用に供することにより、分解や再成形が困難なセルロースを化学的に利用しやすい糖に変換して有効に活用できることに加え、セルロースを糖化して残った、直接の再利用が困難な固形物についても活性炭として有効に活用でき、プラスチックにおける利用不可の廃棄物をほとんど生じない状態とすることができる。
 また、本発明に係るプラスチック処理装置は必要に応じて、前記糖化部から取出された糖溶液を微生物により発酵させてエタノールを得るエタノール発生部を備えるものである。
 このように本発明によれば、エタノール発生部でセルロース由来の糖溶液をアルコール発酵させてエタノールを生じさせ、得られたエタノールを使用に供することにより、化学的な物質合成用の材料としてだけではなく、燃料としても利用できるエタノールを様々な用途に有効に活用でき、廃材由来の物質の利用範囲を広げて漏れなく使用に供することができ、プラスチック廃材の処理をサイクルとしてスムーズに機能させられる。
 また、本発明に係るプラスチック処理装置は必要に応じて、前記セルロースエステルが、セルロースの酢酸エステルであり、前記加水分解部における加水分解を経て、前記セルロースを含む固形物と酢酸水溶液が生じるものである。
 このように本発明によれば、プラスチックをなすセルロースの酢酸エステルを加水分解部で加水分解して、セルロースを含む固形物、及び、酢酸の溶液を得て、それぞれ再利用や他物質の生成等に使用可能となることにより、得られた酢酸の溶液をプラスチックや他の製品の原料や化学合成用の添加剤等、様々な用途に直接再利用できることとなり、プラスチック廃材に含まれる極めて有用な酢酸の成分を無駄にすることなく有効活用が図れる。
 また、本発明に係るプラスチック処理装置は、セルロースエステルを主成分とするプラスチックを加熱して炭化し、さらに炭化物を賦活して活性炭とすると共に、炭化の際の乾留で生じた酢液を抽出するものである。
 このように本発明によれば、セルロースエステルを含むプラスチックを炭化し、さらに得られた炭化物を賦活し、活性炭を製造して使用に供すると共に、炭化の際の乾留で生じた酢液も抽出して使用に供することにより、その性質上、分解や再成形が困難なセルロースを含む廃材を活性炭として有効に活用できる上、セルロースの材料特性から、得られる活性炭を有効な表面積の大きい良質なものとすることができ、活性炭として優れた特性を有するものとして様々な用途で利用できる。また、乾留で生じた酢液についても、再利用や他物質の生成等に使用可能となることにより、特にセルロースとエステル結合していた成分の酸を取り出して、プラスチックや他の製品の原料として直接再利用できることとなり、プラスチック廃材に含まれる有用成分を無駄にすることなく活用が図れ、廃棄物の量を減らして環境への影響も抑えられる。
 また、本発明に係るプラスチック処理装置は必要に応じて、前記セルロースエステルが、セルロースの酢酸エステルであり、前記抽出された酢液から水に不溶の成分を分離する処理を経て酢酸水溶液を取出すものである。
 このように本発明によれば、セルロースの酢酸エステルを含むプラスチックを炭化する際に抽出された酢液に対し、さらに水に不溶の成分を分離する処理を施して、含まれていた酢酸を溶液として取り出し、再利用や他物質の生成等に使用可能とすることにより、得られた酢酸の溶液をプラスチックや他の製品の原料や化学合成用の添加剤等、様々な用途に直接再利用できることとなり、プラスチック廃材に含まれる極めて有用な酢酸の成分を無駄にすることなく有効活用が図れる。なお、本発明に係るプラスチック処理装置は、竹、木材(例えば木の廃材)、草(例えば葦)等からのセルロースを由来とするバイオエステルを使用することもできる。
本発明の第1の実施形態に係るプラスチック処理装置の概略構成図である。 本発明の第2の実施形態に係るプラスチック処理装置の概略構成図である。 本発明の第3の実施形態に係るプラスチック処理装置の概略構成図である。
(本発明の第1の実施形態)
 以下、本発明の第1の実施形態を前記図1に基づいて説明する。本実施形態では、プラスチック廃材としてセルロース酢酸エステルを主成分とするものを対象とするプラスチック処理装置の例について説明する。
 前記図1において本実施形態に係るプラスチック処理装置1は、セルロース酢酸エステルを主成分とするプラスチックの廃材と水とを高温高圧の環境下に所定時間おいてセルロース酢酸エステルを加水分解する加水分解部10と、この加水分解部10で分解された各種成分の混合物を、セルロースを含む固形物、及び、酢酸の溶液に分ける分離部11と、前記セルロースを含む固形物を投入され、セルロースを糖化して、糖溶液と残渣の固形物とを生じさせる糖化部12と、残渣の固形物を炭化し、さらに炭化物を賦活して活性炭とする活性炭製造部13と、前記糖化部から取出された糖溶液を微生物により発酵させてエタノールを得るエタノール発生部14と、水を加熱して高温高圧の水蒸気を発生させ、前記加水分解部10、糖化部12、及びエタノール発生部14に水蒸気を供給するボイラ15とを備える構成である。
 前記加水分解部10は、セルロース酢酸エステル、特にトリアセチルセルロースを主成分とするプラスチック廃材と水を所定量収容する密閉容器を有してなり、ボイラ15から高温高圧の水蒸気を供給されて密閉容器を加熱され、密閉容器内を高温高圧状態とされることでセルロース酢酸エステルを加水分解し、セルロースを含む固形物と、セルロースとエステル結合していた成分の酸としての酢酸の溶液とを生じさせるものである。
 この加水分解部10と共に、加水分解部10の密閉容器内で生じた気体の酢酸を凝縮させる酢酸用凝縮器10aと、液状の酢酸を貯留する酢酸用タンク10bとが配設される。
 前記分離部11は、加水分解部10で生じたセルロースを含む固形物と、酢酸の溶液とを、遠心分離等の手法により分離するものであり、分離された酢酸は前記酢酸用タンク10bに集められることとなる。一方、セルロースを含む固形物は糖化部12に送られる。
 前記糖化部12は、セルロースを含む固形物と水を所定量収容する密閉容器を有してなり、ボイラ15から高温高圧の水蒸気を供給されて密閉容器を加熱され、容器内にセルロースを含む固形物と水、微生物を投入され、ボイラからの水蒸気により糖化に適した温度条件とされた容器内で、微生物の働きによりセルロースを糖化、すなわちセルロースをグルコースに変化させる反応を所定時間にわたり行わせて、糖溶液と残渣の固形物とを生じさせるものである。なお、この糖化部12では、活性炭製造のための残渣固形物を得る量に合せて、セルロースの糖化の進行度合を変化させるようにすることもでき、例えば、糖化されて糖となるセルロース分を減らして、活性炭とする未糖化セルロースを含む残渣固形物を増やすことができる。
 前記活性炭製造部13は、糖化部12から取出した残渣の固形物を所定量収容可能で且つ密閉状態にできる炉内空間と電気ヒータ等の加熱源を有してなり、密閉状態とされた炉内空間で前記残渣の固形物を約300~400℃に加熱して炭化し、さらに、得られた炭化物を二酸化炭素雰囲気中で約700~950℃に加熱して賦活し、活性炭とするものである。この活性炭製造部では、公知の活性炭製造装置と同様、固形物を加熱する炉内空間において、窒素等の不活性ガス雰囲気中で炭化を行うことで、固形物の炭化を促すことができる。
 前記エタノール発生部14は、糖化部12で生成され取出された糖(グルコース)溶液と水を所定量収容する密閉容器を有してなり、ボイラ15から高温高圧の水蒸気を供給されて密閉容器を加熱され、容器内に糖溶液と、水、微生物を投入され、ボイラ15からの水蒸気により発酵に適した温度条件とされた容器内で、微生物の働きにより発酵を進行させてグルコースからエタノールを得るものである。
 このエタノール発生部14と共に、ボイラ15からの水蒸気によりエタノール発生部14の内容液を加熱してエタノールを気化し、他の物質と分離させる加熱部14aと、気化されたエタノールを凝縮させるエタノール用凝縮器14bと、凝縮された液体のエタノールを貯留するエタノール用タンク14cとが配設される。
 前記ボイラ15は、水を加熱して高温高圧の水蒸気を発生させ、前記加水分解部10、糖化部12、及びエタノール発生部14に水蒸気を供給してこれらの内部空間を反応に適した所定温度に上昇させるものである。使用されて温度低下して液化した水は、ポンプ15aを介してボイラ15に還流され、新たな水蒸気の発生に用いられることとなる。
 前記酢酸用凝縮器10aは、加水分解部10と連通し、気相の酢酸を流入させる一方、低温熱源としての所定の作動流体も流通しており、これら酢酸と作動流体とを熱交換させ、酢酸を凝縮させる公知の熱交換器であり、詳細な説明を省略する。この酢酸用凝縮器10aの後段側に、凝縮された液相の酢酸を貯留する酢酸用タンク10bが配設される。
 また、前記エタノール用凝縮器14bは、エタノール発生部14と連通し、気相のエタノールを流入させる一方、低温熱源としての前記作動流体も流通しており、これらエタノールと作動流体とを熱交換させ、エタノールを凝縮させる公知の熱交換器であり、詳細な説明を省略する。エタノール用凝縮器14bの後段側に、凝縮された液相のエタノールを貯留するエタノール用タンク14cが配設される。
 一方、これら各凝縮器で熱交換に用いられ、温度を上昇させた作動流体を外気等と熱交換させて熱を放出させ、低温に戻す冷却器16も配設されており、作動流体はポンプ16aを経て冷却器16に導入され、あらかじめ所定温度まで低下した状態で、各凝縮器に送られ、酢酸やエタノールと熱交換してこれらを凝縮させる各過程を繰返すこととなる。
 次に、本実施形態に係るプラスチック処理装置の廃材処理工程について説明する。前提として、ボイラ15で高温高圧の水蒸気が生成され、この水蒸気が、加水分解部10、糖化部12、及びエタノール発生部14に熱源として十分な流量で導入されているものとする。
 加水分解部10では、プラスチックの廃材と水とを密閉容器内に所定量投入した状態で、ボイラ15から供給される高温高圧の水蒸気により密閉容器を加熱することで、密閉容器内が温度150℃以上、圧力約0.5MPaの高温高圧状態とされ、この状態を所定時間(1~2日)継続させることで、セルロース酢酸エステルが加水分解し、セルロースを含む固形物と、酢酸の溶液とが生じる。密閉容器内で生じた酢酸の一部は蒸発して気体となるが、この気体の酢酸は容器内から取出されて酢酸用凝縮器10aに達し、この凝縮器10aで低温の作動流体と熱交換して凝縮され、液体となった酢酸は酢酸用タンク10bに流入する。
 加熱分解部10で生じたセルロースを含む固形物と酢酸の溶液は、混合物となっているため、加水分解部10での一回の処理が終了する前記所定時間経過後に、密閉容器から取出されて分離部11に投入され、分離部11でセルロースを含む固形物と、酢酸の溶液とに分けられる。ここで分離された酢酸は酢酸用タンク10bに向う一方、セルロースを含む固形物は糖化部12に送られる。
 糖化部12では、セルロースを含む固形物と水、微生物を容器内に所定量投入した状態で、ボイラ15から供給される水蒸気により容器を加熱され、糖化に適した所定温度範囲に所定時間維持されることで、微生物の作用によりセルロースを糖化して、糖溶液を生じさせる。この時、糖化しきれずに残渣として残った固形物は、容器から取出されて活性炭製造部13に供給される。一方、糖溶液はエタノール発生部14に投入される。
 活性炭製造部13では、炉内空間に糖化部12から取出した残渣の固形物を投入し、密閉状態としてから、窒素等の不活性ガス雰囲気中で固形物を所定時間(約1時間程度)にわたり約300~400℃に加熱して炭化し、炭化物を得た後、さらに、得られた炭化物を二酸化炭素雰囲気中で所定時間(約3時間程度)にわたり約700~950℃に加熱することで賦活し、活性炭とする。こうして生じた活性炭の比表面積は約2400m2/gと優れた値が得られることとなる。
 また、エタノール発生部14では、糖溶液と水、微生物(酵母)を容器内に所定量投入した状態で、ボイラ15から供給される水蒸気により容器を加熱され、発酵に適した所定温度範囲に所定時間維持されることで、微生物の作用により糖溶液をアルコール発酵させてエタノールを発生させる。このエタノール発生部14で得られたエタノールは水等と混じり合った状態のため、エタノール発生部14の内容液を加熱部14aで加熱することによりエタノールはいったん気体化され、水など他の物質と分離された後、エタノール用凝縮器14bで低温の作動流体と熱交換して凝縮され、再度液体に戻された上で、エタノール用タンク14cに達して貯留される。
 各凝縮器10a、14bで熱交換に用いられ、温度を上昇させた作動流体は、冷却器16で外気等と熱交換されて熱を放出し、低温に戻された後、再度各凝縮器10a、14bに導入され、酢酸やエタノールと熱交換してこれらを凝縮させることとなる。
 この他、ボイラ15から加水分解部10、糖化部12、エタノール発生部14及び加熱部14aに供給され、使用されて温度低下した水蒸気及び/又は温度低下で液化した水は、ボイラ15に還流され、ボイラ15で再加熱されて新たな高温高圧の水蒸気として装置各部に向うこととなる。
 このように、本実施形態に係るプラスチック処理装置においては、プラスチックをなすセルロースの酢酸エステルを加水分解部10で加水分解し、さらに分解された各成分を分離部11で分離して、セルロースを含む固形物、及び、酢酸の溶液を得ることに加え、糖化部12でセルロースを含む固形物を糖化して、糖溶液と残渣の固形物とを取得し、またエタノール発生部14で糖溶液をアルコール発酵させてエタノールを生じさせる一方、活性炭製造部13では残渣の固形物を炭化し、得られた炭化物を賦活して活性炭を製造し、こうした酢酸やエタノール、活性炭をそれぞれ再利用や他物質の生成等に使用可能となることから、分解や再成形が困難なセルロースを糖、さらにエタノールに変換して有効に活用できると共に、セルロースを糖化して残った、直接の再利用が困難な固形物についても活性炭として有効に活用でき、プラスチックにおける利用不可の廃棄物をほとんど生じない状態とすることができる。また、得られた酢酸の溶液をプラスチックや他の製品の原料や化学合成用の添加剤等、様々な用途に直接再利用できることとなり、プラスチック廃材に含まれる極めて有用な酢酸の成分を無駄にすることなく有効活用が図れ、廃棄物の量を減らして環境への影響も抑えられる。
 なお、前記実施形態に係るプラスチック処理装置においては、セルロースを含む固形物を糖化し、残渣の固形物を炭化、賦活して活性炭を得ると共に、糖の溶液を発酵させてエタノールを得る構成としているが、これに限らず、エタノールの生成を行わず、糖化で固形物がより多く残る反応条件として、固形物を炭化、賦活して活性炭を得る量を最大限に増加させる構成とすることもできる。一方、活性炭の製造を行わず、糖化で固形物がほとんど残らない反応条件として、糖溶液の発酵でエタノールを得る量を最大限増加させ、わずかな残渣の固定物は廃棄する構成とすることもできる。
 また、前記実施形態に係るプラスチック処理装置においては、プラスチック廃材をなすセルロースエステルとして、セルロースの酢酸エステルの処理を実行する構成としているが、これに限らず、他のセルロースエステル、例えば、プロピオン酸エステルや酪酸エステル等の処理を行うものとすることもでき、前記同様、加水分解部での加水分解を経て、前記セルロースを含む固形物と、セルロースとエステル結合していた成分の酸の溶液(例えば、プロピオン酸や酪酸)とを生じさせることができる。また、前記実施形態に係るプラスチック処理装置においては、竹、木材(例えば木の廃材)、草(例えば葦)等からのセルロースを由来とするバイオエステルを使用することもできる。
 また、前記実施形態に係るプラスチック処理装置においては、糖化部12を用いて微生物の作用によりセルロースの糖化を図る構成としているが、これに限らず、加水分解部における加水分解と並行して、密閉容器内での高温高圧水との接触により、セルロースの糖化を進行させる構成としたり、加水分解部の密閉容器に微生物を投入し、加水分解で生じたセルロースに対し微生物の作用による糖化を順次行うようにする構成としたりすることもでき、糖化部を用いない簡略なシステムで糖化を行えることとなる。この場合、加水分解で生じた酢酸を容器外に順次取出して除去するのがより好ましい。さらに、糖化部でも微生物によらず、セルロースを高温高圧水や強酸と接触させることによりセルロースの糖化を図る構成とすることもでき、酢酸の影響を受けることなく糖化を進行させることができる。
 また、前記実施形態に係るプラスチック処理装置においては、ボイラ15から加水分解部10、糖化部12、エタノール発生部14及び加熱部14aに高温高圧の水蒸気が供給されて、各部の加熱に用いられる構成としているが、これに限らず、他の工業プラントの廃熱を利用して高温高圧の水蒸気を得て、各部に供給したり、所定温度の廃熱を保有する作動流体を直接各部に循環導入して、各部の加熱を行ったりする構成としてもかまわない。
 さらに、前記実施形態に係るプラスチック処理装置においては、加水分解部10で加水分解した各成分を分離部11で分離して、セルロースを含む固形物、及び、酢酸の溶液を得てから、糖化部12でセルロースを含む固形物を糖化して、糖溶液と残渣の固形物とを取得し、またエタノール発生部14で糖溶液をアルコール発酵させてエタノールを生じさせる一方、活性炭製造部13では残渣の固形物を炭化し、得られた炭化物を賦活して活性炭を製造するというように、各部での処理を順次実行する構成としているが、これに限らず、加水分解部10での加水分解と並行して、あらかじめ蓄積していた所定量のセルロースを含む固形物を糖化部12で糖化したり、糖化部12での糖化と並行して、あらかじめ蓄積していた所定量の糖溶液をエタノール発生部14でアルコール発酵させ、且つあらかじめ蓄積していた所定量の残渣固形物を活性炭製造部13で炭化、賦活したりするなど、各部の処理を同時並行して進行させる構成とすることもでき、装置各部の作業待ち時間を減らして有効に動作させられ、複数回での処理を要する量の廃材の処理に係る装置全体での処理にかかる時間を短縮できると共に、ボイラ15からの水蒸気を確実に稼働中の装置各部に供給して加熱に使用でき、供給熱量の無駄な消費をなくせる。
(本発明の第2の実施形態)
 本発明の第2の実施形態を前記図2に基づいて説明する。本実施形態においても、プラスチック廃材としてセルロース酢酸エステルを主成分とするものを対象とするプラスチック処理装置の例について説明する。
 前記図2において本実施形態に係るプラスチック処理装置2は、前記第1の実施形態同様、加水分解部20と、分離部21と、活性炭製造部22と、ボイラ23とを備える一方、異なる点として、セルロースを含む固形物の糖化並びにエタノールの生成を行わず、セルロースを含む固形物をそのまま活性炭製造部22に導入して活性炭を製造する構成を有するものである。
 前記加水分解部20は、前記第1の実施形態同様、セルロース酢酸エステル、特にトリアセチルセルロースを主成分とするプラスチック廃材と水を収容する密閉容器を有してなり、ボイラ23から高温高圧の水蒸気を供給されて密閉容器を加熱され、密閉容器内を高温高圧状態とされることでセルロース酢酸エステルを加水分解し、セルロースを含む固形物と、セルロースとエステル結合していた成分の酸としての酢酸の溶液とを生じさせるものである。
 この加水分解部20と共に、加水分解部20の密閉容器内で生じた気体の酢酸を凝縮させる酢酸用凝縮器20aと、液状の酢酸を貯留する酢酸用タンク20bとが配設される。酢酸用凝縮器20aは、前記第1の実施形態同様、気相の酢酸を流入させる一方、低温熱源としての所定の作動流体も流通しており、これら酢酸と作動流体とを熱交換させ、酢酸を凝縮させる公知の熱交換器であり、詳細な説明を省略する。この酢酸用凝縮器20aで熱交換に用いられた作動流体を外気等と熱交換させて熱を放出させる冷却器24も前記第1の実施形態同様のものであり、説明を省略する。
 前記分離部21は、加水分解部20で生じたセルロースを含む固形物と酢酸の溶液とを分離するものであり、分離された酢酸は酢酸用タンク20bに集められる一方、セルロースを含む固形物はそのまま活性炭製造部22に送られることとなる。
 前記活性炭製造部22は、分離部21で分離されたセルロースを含む固形物を所定量収容可能で且つ密閉状態にできる炉内空間と電気ヒータ等の加熱源を有してなり、密閉状態とされた炉内空間で前記セルロースを含む固形物を約300~400℃に加熱して炭化し、さらに、得られた炭化物を二酸化炭素雰囲気中で約700~950℃に加熱して賦活し、活性炭とするものである。この活性炭製造部では、公知の活性炭製造装置と同様、固形物を加熱する炉内空間において、窒素等の不活性ガス雰囲気中で炭化を行うことで、固形物の炭化を促すことができる。
 前記ボイラ23は、水を加熱して高温高圧の水蒸気を発生させ、前記加水分解部20に水蒸気を供給してこれらの内部空間を反応に適した所定温度に上昇させるものである。使用されて温度低下して液化した水は、ポンプ23aを介してボイラ23に還流され、新たな水蒸気の発生に用いられることとなる。
 次に、本実施形態に係るプラスチック処理装置の廃材処理工程について説明する。前提として、ボイラ23で高温高圧の水蒸気が生成され、この水蒸気が、加水分解部20に熱源として十分な流量で導入されているものとする。
 加水分解部20では、プラスチックの廃材と水とを密閉容器内に所定量投入した状態で、ボイラ23から供給される高温高圧の水蒸気により密閉容器を加熱することで、密閉容器内が温度150℃以上、圧力約0.5MPaの高温高圧状態とされ、この状態を所定時間(1~2日)継続させることで、セルロース酢酸エステルが加水分解し、セルロースを含む固形物と、酢酸の溶液とが生じる。密閉容器内で生じた酢酸の一部は蒸発して気体となるが、この気体の酢酸は容器内から出て酢酸用凝縮器20aに達し、酢酸用凝縮器20aで低温の作動流体と熱交換して凝縮され、液体となった酢酸は酢酸用タンク20bに流入する。
 酢酸用凝縮器20aで熱交換に用いられ、温度を上昇させた作動流体は、ポンプ24aを経た後、冷却器24で外気等と熱交換されて熱を放出し、低温に戻された後、再度酢酸用凝縮器20aに導入され、酢酸と熱交換してこれを凝縮させることとなる。
 加熱分解部20で生じたセルロースを含む固形物と酢酸の溶液は、混合物となっているため、加水分解部20での一回の処理が終了する前記所定時間経過後に、密閉容器から取出されて分離部21に投入され、分離部21でセルロースを含む固形物、及び、酢酸の溶液に分けられる。ここで分離された酢酸は酢酸用タンク20bに向う一方、セルロースを含む固形物は活性炭製造部22に送られる。
 活性炭製造部22では、炉内空間に分離部21から取出したセルロースを含む固形物を投入し、密閉状態としてから、窒素等の不活性ガス雰囲気中で固形物を所定時間(約1時間程度)にわたり約300~400℃に加熱して炭化し、炭化物を得た後、さらに、得られた炭化物を二酸化炭素雰囲気中で所定時間(約3時間程度)にわたり約700~950℃に加熱することで賦活し、活性炭とする。こうして生じた活性炭の比表面積は約2400m2/gと優れた値が得られることとなる。
 この他、ボイラ23から加水分解部20に供給され、使用されて温度低下した水蒸気及び/又は温度低下で液化した水は、ボイラ23に還流され、ボイラ23で再加熱されて新たな高温高圧の水蒸気として装置各部に向うこととなる。
 このように、本実施形態に係るプラスチック処理装置においては、プラスチックをなすセルロース酢酸エステルを加水分解部20で加水分解し、さらに分解された各成分を分離部21で分離して、セルロースを含む固形物、及び、酢酸の溶液を得ることに加え、活性炭製造部22でセルロースを含む固形物を炭化し、さらに得られた炭化物を賦活し、活性炭を製造して、得られた酢酸や活性炭をそれぞれ再利用や他物質の生成等に使用可能となることから、特に、その性質上、分解や再成形が困難なセルロースを含む固形物を活性炭として有効に活用でき、プラスチックにおけるセルロース成分の廃棄量を大きく減らせると共に、セルロースの材料特性から、得られる活性炭を有効な表面積の大きい良質なものとすることができ、活性炭として優れた特性を有するものとして様々な用途で利用できる。
(本発明の第3の実施形態)
 本発明の第3の実施形態を前記図3に基づいて説明する。本実施形態においても、プラスチック廃材としてセルロース酢酸エステルを主成分とするものを対象とするプラスチック処理装置の例について説明する。
 前記図3において本実施形態に係るプラスチック処理装置3は、セルロース酢酸エステルを主成分とするプラスチックの廃材を炭化し、さらに炭化物を賦活して活性炭とする活性炭製造部30と、活性炭製造部30における炭化の際に生じて外部に抽出される酢液を処理して酢酸の溶液を得る酢液処理部31とを備える構成である。
 前記活性炭製造部30は、セルロースの酢酸エステルを主成分とするプラスチック廃材を所定量収容可能で且つ密閉状態にできる炉内空間と電気ヒータ等の加熱源を有してなり、密閉状態とされた炉内空間で前記残渣の固形物を約300~400℃に加熱して炭化し、さらに、得られた炭化物を二酸化炭素雰囲気中で約700~950℃に加熱して賦活し、活性炭とするものである。なお、炭化の際には、乾留で生じた酢液成分を炉内空間から外部に抽出できる仕組みである。この活性炭製造部では、公知の活性炭製造装置と同様、固形物を加熱する炉内空間において、窒素等の不活性ガス雰囲気中で炭化を行うことで、固形物の炭化を促すことができる。
 前記酢液処理部31は、抽出された酢液からタール分などの水に不溶の成分を分離する処理を経て酢酸水溶液を取出すものである。不溶成分の分離には、一又は複数回の蒸留による酢酸の分留や、活性炭で不溶成分を吸着濾過する方法等を利用できる。
 次に、本実施形態に係るプラスチック処理装置の廃材処理工程について説明する。まず、活性炭製造部30では、炉内空間にセルロース酢酸エステルを主成分とするプラスチック廃材を所定量を投入し、密閉状態としてから、窒素等の不活性ガス雰囲気中で固形物を所定時間(約1時間程度)にわたり約300~400℃に加熱して炭化し、炭化物を得る。この時、炭化に伴う乾留で生じた酢液分(炭素以外の物質)が気体となって炉外に抽出されるため、これを液化して炭化物と別途に処理可能な状態とする。
 さらに、得られた炭化物を二酸化炭素雰囲気中で所定時間(約3時間程度)にわたり約700~950℃に加熱することで賦活し、活性炭とする。生じた活性炭の比表面積は約2400m2/gと優れた値が得られることとなる。
 一方、酢液は、酢液処理部31に導入され、水に不溶の成分を除去されて酢酸の溶液として取出される。
 このように、本実施形態に係るプラスチック処理装置においては、セルロースの酢酸エステルを含むプラスチックを炭化し、さらに得られた炭化物を賦活し、活性炭を製造して使用に供すると共に、炭化の際の乾留で生じた酢液も抽出し、この抽出された酢液に対し、さらに水に不溶の成分を分離する処理を施して、含まれていた酢酸を溶液として取り出し、再利用や他物質の生成等に使用可能とすることから、その性質上、分解や再成形が困難なセルロースを含む廃材を活性炭として有効に活用できる上、セルロースの材料特性から、得られる活性炭を有効な表面積の大きい良質なものとすることができ、活性炭として優れた特性を有するものとして様々な用途で利用できる。また、乾留で生じた酢液から得られた酢酸の溶液をプラスチックや他の製品の原料や化学合成用の添加剤等、様々な用途に直接再利用できることとなり、プラスチック廃材に含まれる極めて有用な酢酸の成分を無駄にすることなく有効活用が図れ、廃棄物の量を減らして環境への影響も抑えられる。
 1、2、3    プラスチック処理装置
 10、20    加水分解部
 10a、20a  酢酸用凝縮器
 10b、20b  酢酸用タンク
 11、21    分離部
 12       糖化部
 13、22、30 活性炭製造部
 14       エタノール発生部
 14a      加熱部
 14b      エタノール用凝縮器
 14c      エタノール用タンク
 15、23    ボイラ
 16、24    冷却器
 31       酢液処理部

Claims (8)

  1.  セルロースエステルを主成分とするプラスチックと水とを高温高圧の環境下に所定時間おいてセルロースエステルを加水分解する加水分解部と、
     当該加水分解部で分解された各種成分の混合物を、セルロースを含む固形物、及び、セルロースとエステル結合していた成分の酸の溶液に分ける分離部とを備えることを
     特徴とするプラスチック処理装置。
  2.  前記請求項1に記載のプラスチック処理装置において、
     前記セルロースを含む固形物の一部又は全部を炭化し、さらに炭化物を賦活して活性炭とする活性炭製造部とを備えることを
     特徴とするプラスチック処理装置。
  3.  前記請求項1に記載のプラスチック処理装置において、
     前記セルロースを含む固形物を投入され、セルロースを糖化して、糖溶液と残渣の固形物とを生じさせる糖化部を備えることを
     特徴とするプラスチック処理装置。
  4.  前記請求項2に記載のプラスチック処理装置において、
     前記セルロースを含む固形物を投入され、セルロースを糖化して、糖溶液と残渣の固形物とを生じさせる糖化部を備え、
     当該糖化部から取出した固形物のみを前記活性炭製造部で活性炭とすることを
     特徴とするプラスチック処理装置。
  5.  前記請求項3又は4に記載のプラスチック処理装置において、
     前記糖化部から取出された糖溶液を微生物により発酵させてエタノールを得るエタノール発生部を備えることを
     特徴とするプラスチック処理装置。
  6.  前記請求項1ないし5のいずれかに記載のプラスチック処理装置において、
     前記セルロースエステルが、セルロースの酢酸エステルであり、前記加水分解部における加水分解を経て、前記セルロースを含む固形物と酢酸水溶液が生じることを
     特徴とするプラスチック処理装置。
  7.  セルロースエステルを主成分とするプラスチックを加熱して炭化し、さらに炭化物を賦活して活性炭とすると共に、炭化の際の乾留で生じた酢液を抽出することを
     特徴とするプラスチック処理装置。
  8.  前記請求項7に記載のプラスチック処理装置において、
     前記セルロースエステルが、セルロースの酢酸エステルであり、前記抽出された酢液から水に不溶の成分を分離する処理を経て酢酸水溶液を取出すことを
     特徴とするプラスチック処理装置。
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