JP2010046008A - バイオマスを用いた発酵システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー利用効率がよいバイオマスを利用したアルコール回収法を提供する。
【解決手段】セルロースなどのバイオマスをセルラーゼ及び酵母によって消化、発酵し、エタノールを生成する固体培養槽10と、固体培養槽10で生成されたエタノールを含む水蒸気を凝結して得られた液体から、エタノール分離膜21を用いてエタノールを気体として分離する膜分離槽20と、前記固体培養槽10で生成されたエタノールを含む水蒸気を凝結するとともに前記膜分離槽20からエタノールを分取した残りの水を加熱するヒートポンプ30を備える。
【選択図】図1

Description

本発明はバイオマスを用いた発酵システム、より具体的に言うとバイオマスを原料とする発酵システムにおける効率的なエネルギー利用に関する。
近年、バイオマス、特にセルロースを利用したエタノール発酵技術が着目されている。このセルロースを利用したエタノール発酵技術は、多糖であるセルロースを微生物や酵素を利用してグルコースに変換した後、酵母などの発酵菌の作用によりエタノールに変換する技術である。
セルロースを利用する場合、セルロースに水とセルラーゼを加えてグルコースに糖化し、その後このグルコースを発酵菌によって発酵させることが行われる。このとき、セルロース濃度が10%程度である水溶液の状態で糖化、発酵が行われることが多い。
この方法では、セルロースが100%の効率でグルコースに糖化されたとしても、グルコース濃度が10%以上にはならず、また発酵が進みエタノール濃度が7〜10%程度以上になると発酵が停止するだけでなく、アルコール濃度の上昇につれて発酵菌が死んでしまう。このようにエタノールの濃度が薄いために、(1)取り出すために多くのエネルギーが必要となる、(2)廃液として生じた多量の水を処理する必要がある、(3)液中のセルラーゼの回収や再利用がしにくいので生産コストが高価になるなどと言った問題点があった。
セルラーゼの再利用を図る方法として、水溶液の状態でセルラーゼと酵母を同時に利用し、セルロースを追加する方法があるが、この場合でも、発酵が進みエタノール濃度が高くなると発酵が停止するので、発酵効率を上げることができない。
そこで、例えば特開2003−135090号公報や特開2003−135941号公報、特開2006−43576号公報、特開2007−63259号公報等において、分離膜を用いて発酵溶液からエタノールのみを分離する方法が開示されている。この方法は、エタノールに対して選択性を示す分離膜を介して、一方の側にエタノール含有混合物を供給し、他方の側を減圧にして分離膜を通過したエタノール蒸気を回収し、液化する方法である。
また、セルロースにセルラーゼと酵母等の発酵菌を添加し、固体状態で培養する固体培養が知られている。この固体培養は、固体状態で糖化及び発酵を同時に行い、固体中の水分を概ね30〜70%の範囲に保持して発酵を行わせる方法である。この方法によると、培養槽からエタノールと水を気体(蒸気)として取り出し、この気体を冷却・凝集することによって、約20%程度のアルコール溶液として回収できる。
特開2003−135090号公報 特開2003−135941号公報 特開2006−43576号公報 特開2007−63259号公報
しかしながら、溶液状態で発酵させたアルコール溶液から分離膜を用いてアルコールを取り出す方法では、発酵残渣のために分離膜の目詰まりを起こし、多量のアルコールを連続的に取り出すことが困難である。また、目詰まりを防止するために予め発酵させたアルコール溶液から固液分離をしておく必要もある。
一方、固体培養法ではアルコールを蒸気として取り出せるために、事前に固液分離をする必要がなく、しかも連続的にアルコールを回収できる。しかしながら、この方法では培養槽を発酵に適した温度に加温し、一定の湿度環境に保つ必要がある。このために、一定温度に加熱した蒸気を送り込まなければならない。従って、取り出した蒸気を冷却する一方で、水分を加熱するというエネルギーが必要であり、エネルギーの利用効率が悪かった。
このように液体培養によって得られた培養液を膜分離によりエタノールを回収する方法や固体培養によりエタノールを発酵する方法のいずれの方法も一長一短であり、エネルギーの利用効率がよいバイオマスからのアルコール回収法がないのが現状であった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、本発明の目的はエネルギー利用効率がよいバイオマスを利用したアルコール回収法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明はヒートポンプ機構を利用することによって効率的にエネルギーを利用したものである。すなわち、本発明の発酵システムは、バイオマスを原料とする発酵システムであって、微生物によってバイオマスを発酵させて目的生成物を生成する発酵手段と、前記発酵手段から得られる目的生成物を含む気体を冷却して得られた液体から、分離膜を用いて目的生成物を分取する膜分離手段と、前記目的生成物を含む気体の冷却により吸熱した熱エネルギーを、前記発酵手段に熱エネルギーを供給する媒体を加熱する熱エネルギーとして利用するヒートポンプ手段を備える。
本発明においてバイオマスとは、再生可能な、動植物由来の有機性エネルギーや資源(化石燃料は除く)であって、微生物の発酵によって目的生成物を生成できる資源(物資)を意味する。発酵手段はこうしたバイオマスの発酵により目的生成物を生成する。発酵手段は、発酵に適切な温度環境と湿度環境を保つ。発酵によって生じた目的生成物を含む気体が有する熱エネルギーをヒートポンプ手段の利用により有効に活用することが本発明の一つの目的である。従って、発酵手段は液体培養、固体培養のいずれであってもよいが、目的生成物を培養槽から気体として取り出すことが重要である。もっとも、得られた気体には目的生成物以外の副生物、例えば水やその他の生成物が含まれていても差し支えない。
本発明において、発酵とは微生物を用いた発酵のみならず、酵素を用いた発酵をも含む広義の意味で用いられる。高い熱エネルギーを有する気体を生じさせる観点から、本発明では微生物を用いた発酵手段又は微生物及び酵素の両者を用いた発酵手段が好ましく用いられる。
出発原料として用いられるバイオマスや目的生成物を生成させるために用いられる微生物や酵素は特に限定されるものではなく、目的生成物に応じて適切に選択される。例えば、目的生成物がエタノールであれば、微生物としていわゆる発酵菌と称される酵母が好適に用いられ、酵母が資化できるグルコースがバイオマスとして例示される。また、酵母が資化できるグルコースに変換できるセルロースを主成分とする資源がバイオマスとして例示される。この場合にはセルロースを資化してグルコースに変換する微生物、例えば麹菌を酵母と併せて用いることもできる。そして、セルロースをバイオマスとして利用する場合には、微生物の代替としてセルラーゼを用いてもよい。もっとも、麹菌のような微生物を利用する場合には、バイオマスとしてセルロースに限らず、わらや木材のくずなどのような天然物である1次資源を用いることもできる。しかしながら、発酵手段における発酵後の残渣処理を考慮したり、連続処理を可能にしたりする観点からは、このようなわらや木材のくずなどの1次資源ではなく、微生物を用いた処理や酵素を用いた工業的処理などの利用により1次資源を処理して得られた2次資源であるバイオマス、例えばわらや木材などを分解して得られたセルロースなど化学物質レベルにまで処理されたバイオマスを用いるのが好ましい。
膜分離手段は、上記発酵手段で生成された目的生成物を含む気体をヒートポンプ手段が冷却して得られた液体から、目的生成物が濃縮された気体を分離する分離膜を備える。この分離膜は、特に限定されるものではなく、目的生成物に応じて適宜選択される。例えばエタノールを含む液体を利用する場合には、シリカライト膜や上記特許文献1〜4に記載された分離膜が例示される。この膜分離手段は、目的生成物を濃縮する機能を果たし、分離膜を透過した気体は、透過前の液体に比べて目的生成物を高濃度に含む。このように、濃縮効率の観点から、分離膜の液体供給側は大気圧に保たれ、膜通過側が減圧に保たれた状態で膜分離し、目的生成物を気体として取り出す膜分離手段が好適である。こうして分取した気体を冷却することにより目的生成物を比較的高濃度に含む液体を得ることができる。また、この気体を冷却するに際し、当該気体の熱エネルギーをヒートポンプ手段において取り出すことにすれば、膜交換手段において発生した熱エネルギーのさらなる有効利用を図ることができる。
一方、膜分離手段において、分離膜を透過せずに残った液体はそのまま廃棄することもできるが、再度発酵手段に戻して当該液体を発酵手段において再利用させることが好ましい。本発明では、培養で得られた目的物を気体として取り出しているため、膜分離を行うと、分離後に残った液体は目的生成物や不純物をほとんど含まない液体、例えばグルコースを発酵させる培養では、ほぼ純粋な水として取り出される。従って、この液体を再び発酵手段において利用することができる。
ヒートポンプ手段は、前記発酵手段で生成された目的生成物を含む気体を冷却し、その冷却により吸熱した熱エネルギーを前記発酵手段に熱エネルギーを供給する媒体を加熱する熱エネルギーとして利用する。
ヒートポンプ手段は、外部と熱媒体との間で熱交換を行い、外部の熱を吸熱して熱媒体に熱エネルギーを付与する第1の熱交換器と、外部と熱媒体との間で熱交換を行い、熱媒体の熱を放熱し、外部に熱エネルギーを付与する第2の熱交換器と、第1の熱交換器で熱交換された熱媒体を圧縮する圧縮機と、第2の熱交換器で熱交換された熱媒体を急激に膨張させる膨張弁と、第1の熱交換器から圧縮機、第2の熱交換器、膨張弁、第1の熱交換器へと熱媒体が循環する循環流路を備える。
熱媒体は、圧縮機において圧縮されることにより熱を蓄積し、膨張弁の通過により膨張してそれ自身の温度が低下する熱媒体であれば特に制限されることがなく、例えば、アンモニア、フロン、二酸化炭素、液化窒素、アセトンなどが例示され、熱交換器における発熱・吸熱効率や圧縮係数・膨張係数のよい熱媒体が選択される。特に本発明の目的である発酵手段から取り出した目的生成物を含む気体を凝結して液体として取り出すのに適した5℃前後の冷却と、発酵手段に熱エネルギーを供給する媒体である水蒸気を発生させる80〜100℃の加熱を行う熱交換は、一般的な家庭用給湯システムと同様な温度範囲である。このような観点から、家庭用給湯システムでも実績があり、熱損失が少なく効率的である二酸化炭素が好適に利用される。
第1の熱交換器は、発酵手段で得られた目的生成物を含む気体が有する熱エネルギーを熱媒体との間で熱交換し、この気体を冷却、凝結して液体にする。固体培養を利用した場合、目的生成物は比較的高温である水蒸気と共に気体状態で得られるため、この気体を冷却する必要がある。第1の熱交換器がこの冷却を行う。
一方、発酵手段は、微生物や酵素による発酵を行うため、室温よりも高い概ね30〜50℃ないし60℃程度の温度に保たれる。このとき、発酵手段に外部から熱エネルギーを供給する必要があり、本発明の発酵システムでは、この熱エネルギーを上記ヒートポンプ手段が供給する。例えば、発酵手段に熱エネルギーを供給する方法として、発酵手段の発酵槽を周囲から加熱する方法や発酵槽の内部から加熱する方法が考えられる。発酵槽を周囲から加熱する方法として、ヒートポンプ手段が加熱した媒体が流れる配管を発酵槽の周囲に配置することが例示される。また、発酵槽の内部から加熱する方法として、液体培養であれば、培養に適した温度の培養液を発酵槽に加えることや、固体培養であれば、蒸気として発酵槽に供給することが例示される。本発明においては、いずれの方法でも適用でき、例えば上記のように固体培養であれば、発酵槽内を例えば温度40〜60℃、湿度100%RH程度に保つために、60℃程度の蒸気として供給すればよい。これに必要とされる熱エネルギーがヒートポンプ手段から提供される。
このとき、発酵槽に熱エネルギーを供給する媒体としては、適宜、供給方法に適切な媒体が用いられる。例えば、発酵槽の周囲から加熱する媒体としては、ヒートポンプ手段で用いられた熱媒体と同様な熱媒体が例示されるし、ヒートポンプ手段で用いられている熱媒体をそのまま用いることもできる。また、媒体として培養液を用いる場合や蒸気を用いられる場合であれば、外部から新しく調整した培養液や液体を用いることもできるし、膜分離手段で目的生成物が分取された後の液体を用いることにしてもよい。もっとも、膜分離手段で目的生成物が分取された後の液体に外部から供給された新たな液体を加えてもよい。
特に、膜分離手段で分取された後の液体を再利用できるならば、廃棄物の処理量が減るなど、より少ないエネルギー消費で目的生成物を生産することが可能になる。特に、固体培養によると、膜分離した後には、目的生成物の濃度が低くほとんど不純物を含まない水が得られるため、何の処理することなく発酵槽に水蒸気として供給したとしても、発酵能力の低下を引き起こすなどの悪影響は生じない。この結果、従来では廃棄物として処理されていた膜分離後の水を再利用できるとの観点からも優れた発酵システムが提供される。
第2の熱交換器は、このように、発酵手段に熱エネルギーを供給するための媒体と圧縮気で圧縮されて蓄熱された熱媒体との間で熱交換を行い、熱エネルギーを供給するための媒体である膜分離後の水を加熱する。
また、膜分離手段において、減圧分離する目的生成物の蒸散・気化を促進するために膜分離する液体を加温する場合もある。膜分離される液体は、第1の熱交換器で冷却されて気体から凝結した液体であるために冷たく、そのままでは膜分離手段における減圧濾過で目的生成物が気化しにくい。この気化を促す目的で加温することが望ましく、この場合に、第2の熱交換器で加熱された媒体の一部を膜分離手段に供給して、膜分離に必要とされる熱エネルギーを供給するようにしてもよい。そうすると、膜分離手段に外部から熱エネルギーを供給しなくて済む。
以上のように、本発明においては、発酵手段で生成されたエタノールなどの目的生成物を含む気体を冷却するとともに発酵手段に熱エネルギーとして供給する媒体を加熱するヒートポンプ手段を備えている。このヒートポンプ手段が、発酵手段において得られた目的生成物を含む気体が有する熱エネルギーを、発酵手段において必要とする熱エネルギーとして再利用可能にしており、バイオマスから効率よく目的生成物を生産することができる。
図1は本発明の一実施態様である発酵システムの概略構成図である。以下、図1を参照しながら本発明について詳細に説明する。もっとも、以下に示された実施形態は例示であって、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲及びこれと均等に含まれるすべての変更が本発明に含まれることが意図される。
図1に示す発酵システム1は、微生物によってバイオマスを発酵させて目的生成物を含む気体を生成する発酵槽10と、発酵槽10で生成された目的生成物を含む気体を冷却して得られた液体から、分離膜を用いて目的生成物が濃縮された気体を分取する膜分離槽20と、発酵槽10で生成された目的生成物を含む気体を冷却し、その冷却により吸収した熱エネルギーを発酵槽10に供給する液体を加熱する熱エネルギーとして利用するヒートポンプ30を備える。
この発酵システム1では、発酵槽10として固体培養槽10が用いられており、発酵槽10は目的生成物であるエタノールを含む水蒸気を発生する。エタノールを含むこの水蒸気は、配管11を通じてヒートポンプ30に組み込まれた冷却部33に供給される。なお、図面中、実線で示された配管13,22、38、39は液体が流れ、一点破線で示された配管11、12,23は気体が流れることを示している。
エタノールを目的生成物とする固体培養槽(発酵槽)10では、固定培地中つまり微生物の培地成分の一つとなりかつ基質となるセルロース(バイオマス)やその他必要に応じて用いられる培地成分(賦形剤)中の湿度が30〜70%程度、好ましくは50%、温度が30〜80℃、好ましくは60℃付近に保たれる。この環境を維持するために、配管12を通じて水蒸気が固体培養槽10に供給される。この水蒸気はヒートポンプ30内の加湿部35から供給される。この結果、固体培養槽10の湿度は100%RHに保たれる。
ヒートポンプ30は、第1の熱交換器34が熱媒体と熱交換することにより固体培養槽10から供給された目的生成物(エタノール)を含む気体を冷却する冷却部33と、第2の熱交換器36が熱媒体と熱交換することにより膜分離槽20から分離された水を加熱して、固体培養槽10に水蒸気を供給する加湿部35と、第1の熱交換器34において熱交換された熱媒体を圧縮する圧縮機31と、第2の熱交換器36において熱交換された熱媒体を膨張させる膨張弁32と、第1の熱交換器34→圧縮機31→第2の熱交換器36→膨張弁32→第1の熱交換器34との間で熱媒体を循環させる循環流路37を有する。
熱媒体は、上記で述べたように、圧縮機31において圧縮されることにより蓄熱し、膨張弁32の通過により膨張してそれ自身の温度が低下する熱媒体であれば特に制限されることがなく、例えば、アンモニア、フロン、二酸化炭素、液化窒素、アセトンなどが例示され、熱交換器における発熱・吸熱効率や圧縮係数・膨張係数のよい熱媒体が選択される。熱効率の観点から二酸化炭素が好適に用いられる。
第1の熱交換器34は、配管11を通じて発酵槽10から供給されたエタノールと水を含む気体から吸熱して、エタノールを含む水に凝縮させる。凝縮して得られたエタノールを含む水は配管38を通じて膜分離槽20に供給される。さらに、第1の熱交換器34は、配管23を通じて供給された膜分離槽20で分離された気体であるエタノールからも熱媒体に吸熱して、液体のエタノールに凝縮させる。
圧縮機31は、第1の熱交換器34において吸熱した熱媒体をさらに圧縮して、外部から供給されたエネルギーを熱エネルギーとして熱媒体に蓄熱する。
第2の熱交換器36は、熱媒体に蓄熱された熱を放熱して、配管22を通じて膜分離槽20から供給された水を加熱する。加熱された水は水蒸気として配管12を通じて固体培養槽10に供給される。
膨張弁32は、第2の熱交換器36において放熱した熱媒体を急激に膨張させ、さらに熱媒体の温度を低下させる。
加湿部35は、配管22を通じて供給された水を第2の熱交換器36により加熱して水蒸気として、配管12を通じて再び固体培養槽10に供給する。また、加湿部35には、必要に応じて系外から配管13を通じて水が供給されており、この水も第2の熱交換器36において加熱されて水蒸気として、配管12を通じて固体培養槽10に加えられる。
このようにヒートポンプ30は、循環流路37を循環する熱媒体を介して、固体培養槽10で生じたエタノールと水を含む気体を冷却すると共に、当該気体が有する熱を膜分離槽20で分離された水に付与して、固体培養槽10に水蒸気として供給する。
膜分離槽20は、第1の熱交換器34で凝結されたエタノールを含む水から、エタノールを選択的に分離する分離膜21を有する。この分離膜21としては、このような機能を有するものであれば特に制約されるものではなく、シリカライト膜や上述した特許文献1〜4に記載されたような分離膜21を用いることができる。これにより、固体培養槽10で得られた希薄なエタノール溶液からエタノールが選択的に分離される。図示する膜分離槽20においては、エタノールを含む水から、液体である水と、気体であるエタノールに分離する膜分離方法(エタノール選択的疎水性浸透気化膜分離方法)が用いられている。この方法では、発酵槽10が分離膜21によって2分割され、固体分離槽10からエタノールを含む水が供給される側が大気圧に保たれ、膜透過側が減圧に保たれている。この結果、膜透過側から高純度のエタノールが気体として取り出される。そして、エタノールを含む水が供給される側からは、エタノールが分離膜21により分離され、ほとんどエタノールを含まない水が取り出される。取り出された高純度のエタノールの気体は、配管23を通じて再び第1の熱交換器34に供給される。そして、第1の熱交換器34で冷却された後、高純度のエタノールの液体として配管39から取り出される。一方、ほとんどエタノールを含まない水は、配管22を通じて加湿部35に供給される。
上記構成を有する発酵システム1において、より具体的な例を挙げると、例えば、水分率50%、40〜60℃に調整された固体培養槽(発酵槽)10を用いてアルコール発酵を行わせる場合には、30気圧10℃の熱媒体を90気圧90℃に圧縮できる圧縮機31を用いればよく、この圧縮機31で圧縮された熱媒体が第2の熱交換器36によって90気圧20℃に冷却され、この冷却された熱媒体を30気圧5℃に急激に膨張させることができれば、上記システムによりエタノールを効率的に取り出すことが計算上可能である。すなわち、第1の熱交換器34は、発酵槽1で得られたエタノールを含む気体と30気圧5℃の熱媒体とで熱交換して熱媒体を30気圧10℃に加熱し、圧縮機31はこの加熱された熱媒体を90気圧90℃の熱媒体に圧縮する。そして、第2に熱交換器36は、この圧縮された熱媒体と膜分離槽20で得られたエタノールをほとんど含まない水とで熱交換し、熱媒体を90気圧20℃に冷却する。そして、膨張弁32は30気圧5℃に熱媒体を膨張させる。このようなヒートポンプ30を利用することにより、固体培養槽10からエタノールを連続的に回収できる。
このように、図示された発酵システム1によると、発酵槽で必要される熱エネルギーは、圧縮機31で必要とされるエネルギー分で済む。この結果、エタノールの生産に必要なエネルギーは、従来のエネルギーに比べて格段に少なくなる。
また、本発明の発酵システム1は固体培養と膜分離の両者を組み合わせたものであって、液体培養から得られるエタノール濃度に比べて極めて高いほぼ純粋と言えるエタノールを得ることが可能となる。そして、バイオマスとしてセルロースを用いることにより、排出される廃棄固形分も少なくできる。さらに、膜分離槽20には気体が冷却された液体が供給されるので、分離膜21の目詰まり頻度も少なくなり、システムの維持管理も非常に容易なものとなる。もちろん、固体培養を用いているので、セルラーゼや酵母の回収が不要で、これらの再利用を行える点においては従来の固体培養と変わるところがない。
本発明の一実施形態である発酵システムの概略構成図である。
符号の説明
10 発酵槽である固体培養槽
12 第2の熱交換器で加熱され、膜分離槽でエタノールが分取された後の水を水蒸気として固体培養槽に供給する配管
20 膜分離槽
21 分離膜
30 ヒートポンプ
33 冷却部
34 発酵槽で生成されたエタノールを含む気体を冷却部に供給する配管
35 加湿部

Claims (6)

  1. バイオマスを原料とする発酵システムであって、
    微生物によってバイオマスを発酵させて目的生成物を生成する発酵手段と、
    前記発酵手段から得られる目的生成物を含む気体を冷却して得られた液体から、分離膜を用いて目的生成物を分取する膜分離手段と、
    前記目的生成物を含む気体の冷却により吸熱した熱エネルギーを、前記発酵手段に熱エネルギーを供給する媒体を加熱する熱エネルギーとして利用するヒートポンプ手段を備えた発酵システム。
  2. 前記発酵手段に熱エネルギーを供給する媒体は、前記膜分離手段によって目的生成物が分取された後の液体であって、気体として前記発酵手段に熱エネルギーが供給される請求項1に記載の発酵システム。
  3. 前記ヒートポンプ手段は、さらに前記膜分離手段によって分取した目的生成物が濃縮された気体を冷却して液体とする請求項1又は2に記載の発酵システム。
  4. 前記発酵手段は固体培養であって、目的生成物を含む気体を生成する請求項1〜3の何れか1項に記載の発酵システム。
  5. 前記発酵生成物はエタノールである請求項1〜4のいずれか1項に記載の発酵システム。
  6. 前記バイオマスはセルロースを主成分とする請求項5に記載の発酵システム。
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