JP2001019755A - ポリエステル、それからなる中空成形体、シ−ト状物及び延伸フイルム - Google Patents

ポリエステル、それからなる中空成形体、シ−ト状物及び延伸フイルム

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JP2001019755A JP11193269A JP19326999A JP2001019755A JP 2001019755 A JP2001019755 A JP 2001019755A JP 11193269 A JP11193269 A JP 11193269A JP 19326999 A JP19326999 A JP 19326999A JP 2001019755 A JP2001019755 A JP 2001019755A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透明性、耐熱性、機械的特性を持ち、
成形時に金型汚れが発生しにくく、かつ残留異味、異臭
が少なく保香性に優れた中空成形体、シ−ト状物や延伸
フイルムおよびこれらからの容器や包装材料を与えるポ
リエステルを提供する 【解決手段】 290℃の温度で60分間溶融した時の
環状3量体の増加量が0.30重量%以下であるポリエ
ステル樹脂において、該ポリエステル樹脂中のカルシウ
ム元素の含有量をC(ppm)、マグネシウム元素の含
有量をM(ppm)、ケイ素元素の含有量をS(pp
m)とした場合、下記(1)〜(3)式の少なくともい
ずれか1つの式を満足すること特徴とするポリエステル
樹脂。 (1)0.001≦C≦5 (2)0.001≦M≦5 (3)0.001≦S≦5

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料用ボトルをは
じめとする中空成形容器、フィルム、シ−トなどの成形
体の素材として好適に用いられるポリエステルおよびそ
れからなる成形体に関するものである。特に本発明のポ
リエステルから得られた成形品は結晶化コントロ−ル性
に優れており、また得られた成形品に残留異味、異臭が
発生しにくく、透明性及び耐熱寸法安定性に優れた小型
中空成形体や透明性、滑り性および成形後の寸法安定性
に優れたシ−ト状物および延伸フイルムを与える。ま
た、本発明は,小型中空成形体を成形する際に熱処理金
型からの離型性が良好で、長時間連続成形性に優れたポ
リエステルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレ−トなどのポリ
エステルは、機械的性質及び化学的性質が共に優れてい
るため、工業的価値が高く、繊維、フイルム、シ−ト、
ボトルなどとして広く使用されている。
【0003】調味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの容
器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用目
的に応じて種々の樹脂が採用されている。
【0004】これらのうちでポリエステルは機械的強
度、耐熱性、透明性およびガスバリヤー性に優れている
ので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充
填用容器の素材として最適である。
【0005】このようなポリエステルは射出成形機など
の成形機に供給して中空成形体用プリフォームを成形
し、このプリフォームを所定形状の金型に挿入し延伸ブ
ロー成形した後ボトルの胴部を熱処理(ヒートセット)
して中空成形容器に成形され、さらには必要に応じてボ
トルの口栓部を熱処理(口栓部結晶化)させるのが一般
的である。
【0006】ところが、従来のポリエステルには、環状
三量体などのオリゴマー類が含まれており、このオリゴ
マー類が金型内面や金型のガスの排気口、排気管に付着
することによる金型汚れが発生しやすかった。
【0007】このような金型汚れは、得られるボトルの
表面肌荒れや白化の原因となる。もしボトルが白化して
しまうと、そのボトルは廃棄しなければならない。この
ため金型汚れを頻繁に除去しなければならず、ボトルの
生産性が低下してしまうという問題点があった。
【0008】これらの解決方法として、特開平3−17
4441号公報にはポリエステルを水処理する方法が開
示されている。
【0009】しかし、この方法を工業的に実施する場合
には、処理用の水として蒸留水を用いるとコストの面か
ら不利であるため、河川からの水や地下水、排水等を簡
易処理した工業用水を用いることが一般的である。しか
しながら、工業用水を用いて水処理をした場合、しばし
ば成型時での結晶化が早過ぎ、透明性の悪いボトルにな
ってしまうという問題があった。また口栓部結晶化によ
る口栓部の収縮が規格内に納まらずにキャッピング不良
となる問題もあった。
【0010】本発明者らの検討によると、これは水処理
の段階において、工業用水に含まれているナトリウムや
マグネシウム、カルシウム、二酸化珪素等の金属含有物
質の含有量が一定値より多い場合、これらの金属の酸化
物や水酸化物等の金属含有物質が処理水中に浮遊、沈
殿、さらには処理槽壁や配管壁に付着したりし、これが
ポリエステルチップに付着、浸透して、成形時での結晶
化が促進され、透明性の悪いボトルとなることがわかっ
た。さらには金属含有物質が配管を詰まらせたり、処理
槽や配管の洗浄を困難にさせる等の問題が生じていた。
【0011】従来の水処理による触媒失活されていない
ボトル用樹脂でも、ストランドをチップ化する場合に硬
度の高い水を使用する場合があったが大幅な透明性の低
下は認められなかった。しかし、上記の異物による透明
性の低下は水処理等により触媒の失活されたボトルにお
いて特に著しいものであった。これは定かではないが、
触媒の失活により触媒として樹脂に含有されているゲル
マニウム化合物が水と反応して樹脂に不溶な粒子とな
り、これが結晶核になり結晶化を促進する作用との相乗
効果ではないかと考えられる。
【0012】また、水処理の段階において、ポリエステ
ルチップに付着しているファイン(樹脂微粉末)が処理
水に浮遊、沈殿し処理槽壁や配管壁に付着して、配管を
詰まらせたり、処理槽や配管の洗浄を困難にさせる等の
問題が生じていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を解決することにあり、成形時での金型汚れを発
生させにくく、またボトルの透明性や口栓部結晶化が良
好となるポリエステルを提供することを目的としてい
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のポリエステルは、290℃の温度で60分
間溶融した時の環状3量体の増加量が0.30重量%以
下であるポリエステル樹脂において、該ポリエステル樹
脂中のカルシウム元素の含有量をC(ppm)、マグネ
シウム元素の含有量をM(ppm)、ケイ素元素の含有
量をS(ppm)とした場合、下記(1)〜(3)式の
いずれかを満足すること特徴とするポリエステル樹脂で
ある。 (1)0.001≦C≦5(ppm) (2)0.001≦M≦5(ppm) (3)0.001≦S≦5(ppm)
【0015】上記の特性を持つポリエステルは、成形時
に金型汚れが発生しにくく、口栓部の結晶化コントロ−
ル性に優れ、かつ優れた透明性、耐熱性、機械的特性、
残留異味、異臭が少なく保香性の優れた中空成形体、シ
−ト状物や延伸フイルムおよび包装材料を与える。
【0016】本発明のポリエステルは、主としてテレフ
タル酸またはエステル形成性誘導体もしくはナフタレン
ジカルボン酸またはエステル形成性誘導体とエチレング
リコ−ルを原料として、Ge化合物または/およびTi
化合物を触媒に用いて得られたポリエステルを水処理し
たものであることを特徴とするポリエステルであること
ができる。
【0017】この場合において、ポリエステルが、その
主たる繰り返し単位であるエチレンテレフタレートを9
5モル%以上含む線状ポリエステルであることができ
る。
【0018】この場合において、ポリエステルが、その
主たる繰り返し単位であるエチレン−2、6−ナフタレ
ートを90モル%以上含む線状ポリエステルであること
ができる。
【0019】この場合において、ポリエステルが、重縮
合後チップ状に形成したものを、処理槽中において下記
(a)および(b)の条件を満たす処理水で処理された
ものであることができる。 (a)温度40〜120℃ (b)処理槽からの排水を含む処理水
【0020】この場合において、ポリエステルが、重縮
合後チップ状に形成したものを、処理槽中において下記
(c)の条件を満たす処理水で処理されたものであるこ
とができる。 (c)ポリエステルの微粉の含有量が1000ppm以
下の処理水
【0021】この場合において、ポリエステルが、重縮
合後チップ状に形成したものを、処理槽中においてカル
シウム含有量およびマグネシウム含有量がそれぞれ0.
001〜0.5ppm、珪素含有量が0.01〜2pp
mの処理水で処理されたものであることができる。
【0022】上記の水処理によって得られたポリエステ
ルは、成形時に金型汚れが発生しにくく、口栓部の結晶
化コントロ−ル性に優れ、かつ優れた透明性、耐熱性、
機械的特性、残留異味、異臭が少なく保香性の優れた中
空成形体や透明性、滑り性および成形後の寸法安定性に
優れたシ−ト状物を与える。
【0023】この場合において、前記ポリエステルから
なる中空成形体、シ−ト状物および少なくとも1方向に
延伸された延伸フイルムであることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステルは、主とし
て芳香族ジカルボン酸成分とグリコ−ル成分とから得ら
れる結晶性ポリエステルであり、好ましくは芳香族ジカ
ルボン酸単位が酸成分の85モル%以上含むポリエステ
ルであり、さらに好ましくは芳香族ジカルボン酸単位が
酸成分の90モル%以上含むポリエステルである。
【0025】本発明のポリエステルを構成する芳香族ジ
カルボン酸成分としては、テレフタル酸、2、6−ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニ−ル−4,4'−ジカル
ボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジ
カルボン酸及びその機能的誘導体等が挙げられる。
【0026】また本発明のポリエステルを構成するグリ
コ−ル成分としては、エチレングリコ−ル、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール等の脂肪族グ
リコ−ル、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリ
コール等が挙げられる。
【0027】前記ポリエステル中に共重合して使用され
る酸成分としては、テレフタル酸、2、6−ナフタレン
ジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニ−ル−4,4'
−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、オキシカプ
ロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン
酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマ−酸等
の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその
機能的誘導体などが挙げられる。
【0028】前記ポリエステル中に共重合して使用され
るグリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族
グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのア
ルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリ
エチレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−ル等のポリ
アルキレングリコ−ルなどが挙げられる。
【0029】更にポリエステルが実質的に線状である範
囲内で多官能化合物、例えばトリメリット酸、トリメシ
ン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール、トリメチロ−ルプロパン等
を共重合してもよく、また単官能化合物、例えば安息香
酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
【0030】本発明のポリエステルの好ましい一例は、
主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成
されるポリエステルであり、さらに好ましくはエチレン
テレフタレート単位を85モル%以上含む線状ポリエス
テルであり、特に好ましくはエチレンテレフタレート単
位を95モル%以上含む線状ポリエステル、即ち、ポリ
エチレンテレフタレ−ト(以下、PETと略称)であ
る。
【0031】また本発明のポリエステルの好ましい他の
一例は、主たる繰り返し単位がエチレン−2、6−ナフ
タレートから構成されるポリエステルであり、さらに好
ましくはエチレン−2、6−ナフタレート単位を85モ
ル%以上含む線状ポリエステルであり、特に好ましいの
は、エチレン−2、6−ナフタレート単位を90モル%
以上含む線状ポリエステル、即ち、ポリエチレンナフタ
レ−トホモポリマ−またはエチレンテレフタレ−ト単位
を含むポリエチレンナフタレ−トコポリマ−(以下、P
ENと略称)である。
【0032】本発明のポリエステル、特に、主たる繰り
返し単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリ
エステルの極限粘度は、好ましくは0.50〜1.30
デシリットル/グラム、より好ましくは0.55〜1.
20デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.60
〜0.90デシリットル/グラムの範囲である。極限粘
度が0.50デシリットル/グラム未満では、得られた
成形体等の機械的特性が悪い。また1.30デシリット
ル/グラムを越える場合は、成型機等による溶融時に樹
脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に影響
を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形体が
黄色に着色する等の問題が起こる。
【0033】また本発明のポリエステル、特に、主たる
繰り返し単位がエチレン−2、6−フタレートから構成
されるポリエステルの極限粘度は、好ましくは0.40
〜1.00デシリットル/グラム、より好ましくは0.
42〜0.95デシリットル/グラム、さらに好ましく
は0.45〜0.90デシリットル/グラムの範囲であ
る。極限粘度が0.40デシリットル/グラム未満で
は、得られた成形体等の機械的特性が悪い。また1.0
0デシリットル/グラムを越える場合は、成型機等によ
る溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、
保香性に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加した
り、成形体が黄色に着色する等の問題が起こる。
【0034】ポリエステルチップの形状は、シリンダー
型、角型、または扁平な板状等の何れでもよく、その大
きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.5〜4mmの
範囲である。例えばシリンダー型の場合は、長さは1.
5〜4mm、径は1.5〜4mm程度であるのが実用的
である。また、チップの重量は15〜30mg/個の範
囲が実用的である。
【0035】本発明のポリエステルは、主として芳香族
ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とグリコ
−ルまたはそのエステル形成性誘導体を原料として得ら
れるものであり、ポリエステル樹脂中のカルシウム元素
の含有量をC(ppm)、マグネシウム元素の含有量を
M(ppm)、ケイ素元素の含有量をS(ppm)とし
た場合、下記(1)〜(3)式のいずれかを満足するこ
と特徴とするポリエステル樹脂である。 (1)0.001≦C≦5(ppm) (2)0.001≦M≦5(ppm) (3)0.001≦S≦5(ppm) C、M、Sは、好ましくはそれぞれ0.005〜1pp
m、より好ましくはそれぞれ0.01〜0.5ppm、
さらに好ましくは0.01〜0.3ppmである。であ
る。
【0036】さらに本発明のポリエステルは、主として
芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と
グリコ−ルまたはそのエステル形成性誘導体を原料とし
てGe化合物または/およびTi化合物を触媒に用いて
得られるものであって、極限粘度が好ましくは0.68
dl/g〜0.90dl/g、より好ましくは0.69
dl/g〜0.88dl/g、さらに好ましくは0.7
0dl/g〜0.86dl/gであり、密度が1.37
g/cm3 以上、好ましくは1.38g/cm 3以上、
更に好ましくは1.39g/cm3以上である、重縮合
後チップ状で水処理したことを特徴とするポリエステル
である。
【0037】C、M、Sの値のいずれもが0.001p
pm未満の場合は、結晶化速度が非常におそくなり、中
空成形容器の口栓部の結晶化が不十分となり、このため
口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないためキャ
ッピング不良現象が発生したり、また容器成形後の寸法
安定性が悪いシ−ト状物を与える。さらには、C、M、
Sの値を0.001ppm未満にしようとすると、水処
理に蒸留水や逆浸透膜で処理した水、高度にイオン交換
処理を行った水、などのカルシウム、マグネシウム、珪
素含有量が非常に少ない水を使う必要があり、経済的に
好ましくない。またC、M、Sの値が5ppmを超える
場合は、結晶化速度が早くなり、中空成形容器の口栓部
の結晶化が過大となり、このため口栓部の収縮量が規定
値範囲内におさまらないため口栓部のキャッピング不良
となり内容物の漏れが生じたり、また中空成形用予備成
形体が白化し、このため正常な延伸が不可能となる。な
お、C、M、Sの値はいずれもが5ppm以下であるこ
とが好ましい。
【0038】なお、前記のカルシウムやマグネシウムや
珪素は主に処理水から由来するものなので、これらの金
属はポリエステルチップの表面やチップ表面から約0.
5mm以内の厚みの表面層に存在する。
【0039】また、本発明のポリエステルのアセトアル
デヒド含量は好ましくは8ppm以下、より好ましくは
6ppm以下、更に好ましくは4ppm以下、ホルムア
ルデヒド含量は好ましくは6ppm以下、より好ましく
は5ppm以下、更に好ましくは4ppm以下である。
アセトアルデヒド含量が8ppm以上、およびホルムア
ルデヒド含量が6ppm以上の場合は、このポリエステ
ルから成形された容器等の内容物の風味や臭い等が悪く
なる。
【0040】また本発明のポリエステル中に共重合され
たジエチレングリコール量は該ポリエステルを構成する
グリコール成分の好ましくは1.0〜5.0モル%、よ
り好ましくは1.3〜4.5モル%、更に好ましくは
1.5〜4.0モル%である。ジエチレングリコール量
が5.0モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、
成型時に分子量低下が大きくなったり、またアセトアル
デヒド含量やホルムアルデヒド含量の増加量が大となり
好ましくない。。またジエチレングリコ−ル含量が1.
0モル%未満の場合は、得られた成形体の透明性が悪く
なる。
【0041】また本発明のポリエステルの環状3量体の
含有量は好ましくは0.50重量%以下、より好ましく
は0.45重量%以下、さらに好ましくは0.40重量
%以下である。本発明のポリエステルから耐熱性の中空
成形体等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行う
が、環状3量体の含有量が0.50重量%以上含有する
場合には、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増
加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化す
る。
【0042】また、本発明のポリエステルを290℃の
温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.
30重量%以下であることが必要である。環状3量体の
増加量は好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは
0.1重量%以下であることが好ましい。290℃の温
度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.3
0重量%を越えると、成形の樹脂溶融時に環状3量体量
が増加し、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増
加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化す
る。
【0043】前記の本発明のポリエステルは、例えば下
記のようにして製造することができる。すなわち、本発
明のポリエステルは、下記のポリエステルチップを処理
槽中においてカルシウム含有量、マグネシウム含有量が
それぞれ0.001〜0.5ppm、好ましくは0.0
05〜0.5ppm、より好ましくは0.01ppm〜
0.5ppm珪素含有量が0.01〜2ppm、好まし
くは0.01〜1.0ppm、より好ましくは0.02
〜0.5ppmの処理水で接触処理することにより製造
することが出来る。接触処理の方法としては、水中に浸
ける方法が挙げられる。水との接触処理を行う時間とし
ては5分〜2日間、好ましくは10分〜1日間、さらに
好ましくは30分〜10時間であり、水の温度としては
20〜180℃、好ましくは40〜150℃、さらに好
ましくは50〜120℃である。
【0044】ポリエステルチップを工業的に水処理する
場合、処理に用いる水が大量であることから天然水(工
業用水)や排水を再利用して使用することが多い。通常
この天然水は、河川水、地下水などから採取したもの
で、水(液体)の形状を変えないまま、殺菌、異物除去
等の処理をしたものを言う。また、一般的に工業用に用
いられる天然水には、自然界由来の、ケイ酸塩、アルミ
ノケイ酸塩等の粘土鉱物を代表とする無機化合物や細
菌、バクテリア等や、腐敗した植物、動物に起源を有す
る有機化合物等を多く含有している。これらの天然水を
用いて水処理を行うと、Na、マグネシウム、カルシウ
ムや二酸化珪素等の金属含有物質がポリエステルチップ
に付着、浸透して結晶核となり、このようなポリエステ
ルチップを用いた中空成形容器の透明性が非常に悪くな
ることが判った。
【0045】水処理方法が連続式、又はバッチ式のいず
れの場合であっても、処理槽から排出した処理水のすべ
て、あるいは殆どを工業排水としてしまうと、新しい水
が多量に入用であるばかりでなく、排水量増大による環
境への影響が懸念される。即ち、処理槽から排出した少
なくとも一部の処理水を、水処理槽へ戻して再利用する
ことにより、必要な水量を低減し、また排水量増大よる
環境への影響を低減することが出来、さらには水処理槽
へ返される排水がある程度温度を保持していれば、処理
水の加熱量も小さく出来る。
【0046】経済的な観点および環境上の観点より、バ
ッチ方式の水処理の場合は処理水を繰り返し使用し、ま
た連続式水処理の場合は水処理槽から排出した処理水を
再度処理槽へ戻して再利用するが、いずれの場合も処理
水中のナトリウム、マグネシウム、カルシウムおよび二
酸化珪素等の金属含有物質やポリエステルチップに由来
するファイン等が水処理装置の処理槽や配管等に付着
し、水処理装置の汚れの原因となる。
【0047】以下に処理槽内の処理水のマグネシウム含
量、カルシウム含量、二酸化珪素含量等を低減させる方
法を例示するが、本発明は、これに限定するものではな
い。
【0048】処理槽内の処理水のマグネシウム含量、カ
ルシウム含量、二酸化珪素含量等を低減させるために、
処理槽に供給するために工業用水が処理槽に送られるま
での工程で少なくとも1ヶ所以上にマグネシウム、カル
シウム、二酸化珪素等を除去する装置を設置する。ま
た、更に処理槽から排出した処理水が再び処理槽に返さ
れるまでの工程にも少なくとも1ヶ所以上にマグネシウ
ム、カルシウム、二酸化珪素等を除去する装置を設置し
てもよい。マグネシウム、カルシウム、二酸化珪素等を
除去する装置としては、イオン交換装置、薬剤沈殿装
置、電解脱ケイ法装置などが挙げられる。
【0049】系外から導入する処理水のマグネシウム含
量、カルシウム含量をそれぞれ0.001ppm未満に
するためには、水を蒸留したり、逆浸透膜による濾過を
繰り返す必要があり、これでは水のコストが高くなり、
経済的に好ましくない。
【0050】以下に水処理を工業的に行なう方法を例示
するが、これに限定するものではない。また処理方法は
連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない
が、工業的に行なうためには連続方式の方が好ましい。
【0051】ポリエステルチップをバッチ方式で水処理
をする場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。す
なわち、バッチ方式でポリエステルチップをサイロへ受
け入れ水処理を行なう。あるいは回転筒型の処理槽にポ
リエステルチップを受け入れ、回転させながら水処理を
行ない水との接触をさらに効率的にすることもできる。
この場合、ポリエステルチップは処理槽内に投入、充填
すると共に、カルシウム含有量およびマグネシウム含有
量がそれぞれ0.001〜0.5ppm、珪素含有量が
0.01〜2ppmの処理水を満たし、処理水は必要に
より継続的又は断続的(総称して連続的ということがあ
る)に循環し、また、継続的又は断続的に一部の処理水
を排出してカルシウム含有量およびマグネシウム含有量
がそれぞれ0.001〜0.5ppm、珪素含有量が
0.01〜2ppmの新しい処理水を追加供給する。そ
して、水処理の終了時点での水中のカルシウム含有量お
よびマグネシウム含有量がそれぞれ0.001〜0.5
ppm、珪素含有量が0.01〜2ppmに維持して下
記の特性を持つポリエステルチップを処理することによ
り本発明のポリエステルを得ることが出来る。
【0052】またポリエステルチップを連続的に水処理
する場合は、塔型の処理槽に継続、あるいは断続的にポ
リエステルチップを上部より受け入れ、並流又は向流で
水を連続供給して水処理させることができる。
【0053】また耐熱寸法安定性の優れた成形体や成形
後の寸法安定性に優れたシ−ト状物を得るためには、水
処理したポリエステルのファイン含量を0.1〜500
ppmにすることが必要である。ファイン含量が0.1
ppm未満の場合は、結晶化速度が非常におそくなり、
中空成形容器の口栓部の結晶化が不十分となり、このた
め口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないためキ
ャッピング不良現象が発生したり、また容器成形後の寸
法安定性が悪いシ−ト状物を与える。また500ppm
を超える場合は、結晶化速度が早くなり、中空成形容器
の口栓部の結晶化が過大となり、このため口栓部の収縮
量が規定値範囲内におさまらないため口栓部のキャッピ
ング不良となり内容物の漏れが生じたり、また中空成形
用予備成形体が白化し、このため正常な延伸が不可能と
なる。
【0054】ここでは、主として水処理工程を含むポリ
エステル製造工程において発生するチップよりかなり小
さな粒状体や粉等をファインと称する。該ファインの共
重合成分、および該共重合成分含量が、ポリエステルチ
ップと同一であり、その極限粘度は通常、チップの極限
粘度と同一か、またはチップの極限粘度より0.03
(dl/g)高い極限粘度の範囲であることが好まし
い。
【0055】前記のファイン含量が0.1〜500pp
mのポリエステルは、処理水中の微粉量をコントロ−ル
することによって容易に製造することができる。微粉量
が0ppmの水を処理水として用いると、ポリエステル
のファイン含量は0.1ppmを下回ることがあり、ま
た微粉量が1000ppmを越える水を用いるとポリエ
ステル中のファイン量が500ppmを越えることがあ
る。ここで、水処理槽内のファインを微粉と称し、処理
水中のその含量、すなわち微粉量は下記の測定法によっ
て測定することができる。
【0056】水処理槽から排出される処理水には、処理
槽にポリエステルチップを受け入れる段階で既にポリエ
ステルのチップに付着しているファインや、水処理時に
ポリエステルのチップ同士あるいは処理槽壁との摩擦で
発生するポリエステルのファインが含まれている。従っ
て、処理槽から排出した処理水を再度処理槽へ戻して再
利用すると、処理槽内の処理水に含まれる微粉量は次第
に増えていく。そのため、処理水中に含まれている微粉
が処理槽壁や配管壁に付着して、配管を詰まらせること
がある。また処理水中に含まれている微粉が再びポリエ
ステルのチップに付着し、この後、水分を乾燥除去する
段階でポリエステルのチップにファインが静電効果によ
り付着するため、乾燥後にファイン除去を行なっても除
去が困難となる。
【0057】水処理したポリエステルチップは振動篩
機、シモンカーターなどの水切り装置で水切りし、乾燥
工程へ移送する。当然のことながら水切り装置でポリエ
ステルチップと分離された水はフィルタ−式濾過装置、
遠心分離器等のファイン除去の装置へ送られ、再度水処
理に用いることができる。
【0058】ポリエステルチップの乾燥は通常用いられ
るポリエステルチップの乾燥処理を用いることができ
る。連続的に乾燥する方法としては上部よりポリエステ
ルチップを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパ
ー型の通気乾燥機が通常使用される。乾燥ガス量を減ら
し、効率的に乾燥する方法としては回転ディスク型加熱
方式の連続乾燥機が選ばれ、少量の乾燥ガスを通気しな
がら、回転ディスクや外部ジャケットに加熱蒸気、加熱
媒体などを供給した粒状ポリエステルチップを間接的に
乾燥することができる。
【0059】バッチ方式で乾燥する乾燥機としてはダブ
ルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。
【0060】乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えな
いが、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子
量低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好まし
い。前記の水処理に供せられるポリエステルは、従来公
知の製造方法によって製造することが出来る。即ち、P
ETの場合には、テレフタール酸とエチレングリコール
及び必要により他の共重合成分を直接反応させて水を留
去しエステル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エス
テル化法、または、テレフタル酸ジメチルとエチレング
リコール及び必要により他の共重合成分を反応させてメ
チルアルコールを留去しエステル交換させた後、減圧下
に重縮合を行うエステル交換法により製造される。更に
極限粘度を増大させ、アセトアルデヒド含量等を低下さ
せる為に固相重合を行ってもよい。
【0061】前記溶融重縮合反応は、回分式反応装置で
行っても良いしまた連続式反応装置で行っても良い。こ
れらいずれの方式においても、溶融重縮合反応は1段階
で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。
固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や
連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合
は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
【0062】直接エステル化法による場合は、重縮合触
媒としてGe、Sb、Tiの化合物が用いられるが、特
にGe化合物および/またはTi化合物の使用が好都合
である。
【0063】Ge化合物としては、無定形二酸化ゲルマ
ニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム粉末またはエチレン
グリコールのスラリー、結晶性二酸化ゲルマニウムを水
に加熱溶解した溶液またはこれにエチレングリコールを
添加加熱処理した溶液等が使用されるが、特に本発明で
用いるポリエステルを得るには二酸化ゲルマニウムを水
に加熱溶解した溶液、コロイド状にした溶液、またはこ
れらにエチレングリコールを添加加熱した溶液、二酸化
ゲルマニウムのエチレングリコール溶液を使用するのが
好ましい。これらの重縮合触媒はエステル化工程中に添
加することができる。Ge化合物を使用する場合、その
使用量はポリエステル樹脂中のGe残存量として5〜1
50ppm、好ましくは10〜100ppm、更に好ま
しくは1=5〜70ppmである。
【0064】Ti化合物としては、テトラエチルチタネ
−ト、テトライソプロピルチタネ−ト、テトラ−n−プ
ロピルチタネ−ト、テトラ−n−ブチルチタネ−ト等の
テトラアルキルチタネ−トおよびそれらの部分加水分解
物、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チ
タニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニ
ルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の蓚酸チ
タニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩
化チタン等が挙げられる。Ti化合物は、生成ポリマ−
中のTi残存量として0.1〜10ppmの範囲になる
ように添加する。
【0065】また、安定剤として、燐酸、ポリ燐酸やト
リメチルフォスフェート等の燐酸エステル類等を使用す
るのが好ましい。これらの安定剤はテレフタル酸とエチ
レングリコールのスラリー調合槽からエステル化反応工
程中に添加することができる。P化合物は、生成ポリマ
−中のP残存量として5〜100ppmの範囲になるよ
うに添加する。
【0066】また、ポリエステル中に共重合したDEG
含量を制御するためにエステル化工程に塩基性化合物、
たとえば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン
等の第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム等
の第4級アンモニウム塩等を加えることが出来る。
【0067】水処理に用いられるポリエステルのアセト
アルデヒド含量は10ppm以下、ホルムアルデヒド含
量は8ppm以下、ジエチレングリコール量はグリコー
ル成分の1.0〜5.0モル%、環状3量体の含有量は
0.50重量%以下であることが好ましい。
【0068】また、水処理に用いられるポリエステルチ
ップの密度は、約1.335(g/cm3)から約1.
415(g/cm3)の範囲であることが好ましい。
【0069】本発明のポリエステルに飽和脂肪酸モノア
ミド、不飽和脂肪酸モノアミド、飽和脂肪酸ビスアミ
ド、不飽和脂肪酸ビスアミド等を同時に併用することも
可能である。
【0070】飽和脂肪酸モノアミドの例としては、ラウ
リン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミ
ド、ベヘン酸アミド等が挙げられる。不飽和脂肪酸モノ
アミドの例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミ
ドリシノ−ル酸アミド等が挙げられる。飽和脂肪酸ビス
アミドの例としては、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウ
リン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチ
レンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリ
ン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド等が挙
げられる。また、不飽和脂肪酸ビスアミドの例として
は、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビ
スオレイン酸アミド等が挙げられる。好ましいアミド系
化合物は、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスア
ミド等である。このようなアミド化合物の配合量は、1
0ppb〜1×105ppmの範囲である。
【0071】また炭素数8〜33の脂肪族モノカルボン
酸の金属塩化合物、例えばナフテン酸、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、メリシン酸、
オレイン酸、リノ−ル酸等の飽和及び不飽和脂肪酸のリ
チュウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム
塩、カルシウム塩、及びコバルト塩等を同時に併用する
ことも可能である。これらの化合物の配合量は、10p
pb〜300ppmの範囲である。
【0072】本発明のポリエステルは、中空成形容器、
トレ−、2軸延伸フイルム等の包装材、金属缶被覆用フ
イルム等として好ましく用いることが出来る。また、本
発明のポリエステルは、多層成形体や多層フイルム等の
1構成層としても用いることが出来る。
【0073】本発明のポリエステルには、必要に応じて
公知の紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、核剤、安定剤、帯
電防止剤、顔料などの各種の添加剤を配合してもよい。
なお、本発明における、主な特性値の測定法を以下に説
明する。
【0074】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定させるものではな
い。なお、本明細書中における主な特性値の測定法を以
下に説明する。
【0075】(1)ポリエステルの極限粘度(IV) 1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノ−ル
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
【0076】(2)ポリエステルのジエチレングリコ−
ル含量(以下[DEG含量」という) メタノ−ルにより分解し、ガスクロマトグラフィ−によ
りDEG量を定量し、全グリコ−ル成分に対する割合
(モル%)で表した。
【0077】(3)密度 四塩化炭素/n−ヘプタン混合溶媒の密度勾配管で25
℃で測定した。
【0078】(4)ポリエステルの環状3量体の含量
(以下「CT含量」という) 試料300mgをヘキサフルオロイソプロパノ−ル/ク
ロロフォルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解
し、さらにクロロフォルム30mlを加えて希釈する。
これにメタノ−ル15mlを加えてポリマ−を沈殿させ
た後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルム
アミド10mlで定容とし、高速液体クロマトグラフ法
により環状3量体を定量した。
【0079】(5)ポリエステルのアセトアルデヒド含
有量(以下「AA含量」という) 試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラス
アンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出
処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感
度ガスクロマトグラフィ−で測定し、濃度をppmで表
示した。
【0080】(6)ポリエステルのナトリウム含量、カ
ルシウム含量、マグネシウム含量 試料約5〜10gを白金るつぼに入れて約550℃で灰
化し、次いで6N塩酸に溶解後蒸発乾固し、残差を1N
塩酸に溶解する。この溶液を原子吸光分析法により測定
した。
【0081】(7)ポリエステルの珪素含有量 試料約5〜10gを白金るつぼに入れて約550℃で灰
化し、次いで炭酸ナトリウムを加えて加熱溶解し、1N
塩酸に溶解する。この溶液を島津製作所製誘導結合プラ
ズマ発光分析装置で測定した。
【0082】(8)ファインの含量測定 樹脂約0.5kgをJIS−Z8801による呼び寸法
1.7mmの金網をはった篩い(直径30cm)の上に
乗せ、上から0.1%のカチオン系界面活性剤(アルキ
ルトリメチルアンモニウムクロライド)水溶液水を2リ
ットル/分の流量でシャワー状にかけながら、全振幅幅
約7cm、60往復/1分で1分間篩った。この操作を
繰り返し、樹脂を合計10〜30kg篩った。ふるい落
とされたファインは界面活性剤水溶液と共に岩城硝子社
製1G1ガラスフィルターで濾過して集め、イオン交換
水で洗った。これをガラスフィルターごと乾燥器内で1
00℃で2時間乾燥後、冷却して秤量した。再度、イオ
ン交換水で洗浄、乾燥の同一操作を繰り返し、恒量にな
ったことを確認し、この重量からガラスフィルターの重
量を引き、ファイン重量を求めた。ファイン含量は、フ
ァイン量/篩いにかけた全樹脂重量、である。
【0083】(9)金型汚れの評価 ポリエステルを窒素を用いた乾燥機で乾燥し、名機製作
所製M−100射出成型機により樹脂温度290℃でプ
リフォームを成形した。このプリフォームの口栓部を自
家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた後、コ−ポ
プラスト社製LB−01延伸ブロー成型機を用いて二軸
延伸ブロー成形し、引き続き約155℃に設定した金型
内で10秒間熱固定し、500ccの中空成形容器を得
た。同様の条件で連続的に延伸ブロー成形し、目視で判
断して容器の透明性が損なわれるまでの成形回数で金型
汚れを評価した。また、ヘイズ測定用試料としては、5
000回連続成形後の容器の胴部を供した。
【0084】(10)ヘイズ(霞度%) 上記(9)の中空成形容器の胴部(肉厚約4mm)より
試料を切り取り、東洋製作所製ヘイズメ−タ−で測定し
た。
【0085】(11)ボトル口栓部の加熱による密度上
昇 ボトル口栓部を自家製の赤外線ヒ−タ−によって60秒
間熱処理し、天面から試料を採取し密度を測定した。
【0086】(12)処理槽の処理水中の微粉量(pp
m) 処理槽の処理水中の排出口からJIS規格20メッシュ
のフィルターを通過した処理水を1000cc採取し、
岩城硝子社製1G1ガラスフィルターで濾過後、100
℃で2時間乾燥し室温下で冷却後、重量を測定して算出
する。
【0087】(13)処理水中のナトリウム含量、カル
シウム含量、マグネシウム含量および珪素含量 処理槽の処理水の排出口から処理水を採取し、岩城硝子
社製1G1ガラスフィルターで濾過後、濾液を島津製作
所製誘導結合プラズマ発光分析装置で測定した。
【0088】(実施例1)イオン交換装置(9)を設置
し、この装置(9)を経由したイオン交換水の導入口
(8)、処理槽上部の原料チップ供給口(1)、処理槽
の処理水上限レベルに位置するオーバーフロー排出口
(2)、処理槽下部のポリエステルチップと処理水の混
合物の排出口(3)、オーバーフロー排出口から排出さ
れた処理水と、処理槽下部の排出口から排出されたポリ
エステルチップの水切り装置(4)を経由した処理水
が、濾材が紙製の30μmのベルト式フィルターである
濾過装置(5)を経由して再び水処理槽へ送る配管
(6)、これらのファイン除去済み処理水の導入口
(7)およびファイン除去済み処理水中のアセトアルデ
ヒド等を吸着処理させる吸着塔(10)を備えた内容量
320リットルの塔型の、図1に示す処理槽を使用して
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称)チ
ップを水処理した。
【0089】極限粘度が0.75デシリットル/グラ
ム、密度が1.399g/cm3、環状3量体含量が
0.32重量%であるPETチップを、イオン交換装置
によりカルシウム含量を約0.2ppm、マグネシウム
含量を約0.1ppm、珪素含量を約0.5ppmに
し、温度が95℃にコントロールされた処理水を入れた
水処理槽へ50kg/時間の速度で処理槽の上部(1)
から連続投入を開始した。投入開始から5時間経過後
に、PETチップの水処理槽への投入を続けたまま水処
理槽の下部の排出口(3)からPETチップを50kg
/時間の速度で処理水ごと抜出しを開始すると共に、水
切り装置(4)を経由した処理水を濾過装置(5)を経
由して再び水処理槽に戻して繰り返し使用し、その後連
続運転した。
【0090】72時間の連続運転後の排出口よりチップ
と共に排出される処理水のカルシウム含量は約0.1p
pm、マグネシウム含量は約0.07ppm、珪素含量
は約0.5ppmであり、同時に得られたPETチップ
のカルシウム含量は0.3ppm、マグネシウム含量は
0.05ppm、珪素含量は0.8ppmであった。△
CTは0.08重量%であった。アセトアルデヒド量は
2.5ppm、ファイン量は63ppmであった。この
PETを用いて上記の(8)で得られた中空容器口栓部
の赤外線ヒ−タによる加熱後の天面の密度は1.379
g/cm3のと問題なく、胴部ヘイズは0.9%と透明
性に優れ、また金型汚れまでの成形回数は15000回
と問題なかった。
【0091】(実施例2)処理水中の微粉含量を約10
0ppm、カルシウム含量を約0.05ppm、そして
マグネシウム含量を約0.03ppm、珪素含量を0.
2ppmにコントロ−ルする以外は実施例1と同様の方
法で実施例1のPETチップを水処理した。得られたP
ETチップのカルシウム含量は0.2ppm、マグネシ
ウム含量は0.03ppm、珪素含量は0.5ppm、
そしてΔCTは0.10重量%であった。アセトアルデ
ヒド量は2.7ppm、ファイン含量は約30ppmで
あった。このPETを用いて上記の(8)で得られた中
空容器口栓部の赤外線ヒ−タによる加熱後の天面の密度
は1.380g/cm3のと問題なく、胴部ヘイズは
1.2%と透明性に優れ、また金型汚れまでの成形回数
は13000回と問題なかった。
【0092】(実施例3)重縮合触媒として二酸化ゲル
マニウムおよびテトライソプロピルチタネ−トを使用し
て得た、極限粘度が0.75デシリットル/グラム、密
度が1.399g/cm3、環状3量体含量が0.31
重量%、高周波プラズマ発光分析により測定したTi残
存量が0.9ppm、原子吸光分析により測定したGe
残存量およびP残存量がそれぞれ16ppm及び21p
pmであるPETチップを実施例1と同様の方法で水処
理した。得られたPETチップのカルシウム含量は0.
4ppm、マグネシウム含量は0.06ppm、珪素含
量は0.7ppm、そしてΔCTは0.08重量%であ
った。アセトアルデヒド量は2.5ppm、ファイン含
量は約40ppmであった。このPETを用いて上記の
(8)で得られた中空容器口栓部の赤外線ヒ−タによる
加熱後の天面の密度は1.381g/cm3と問題な
く、胴部ヘイズは1.0%と透明性に優れ、また金型汚
れまでの成形回数は13000回と問題なかった。 (比較例1)実施例1で使用したイオン交換装置(9)
を使用せずに、カルシウム含量が約7.3ppm、マグ
ネシウム含量が約2.5ppm、珪素含量が6.9pp
mの処理水を水処理槽へ供給する以外は実施例1と同様
の方法で実施例1のPETチップを水処理した。得られ
たPETチップのカルシウム含量は7.8ppm、マグ
ネシウム含量は5.5ppm、珪素含量は21ppm、
ΔCTは0.重量%であった。また、ファイン量は40
ppmであった。このPETを用いて上記の(8)で得
られた中空容器胴部ヘイズは8.9%と非常に高かっ
た。
【0093】
【発明の効果】本発明のポリエステルを使用することに
よって、成形時での金型汚れが発生しにくく、口栓部の
結晶化コントロ−ル性に優れ、かつ優れた透明性、耐熱
性、機械的特性、残留異味、異臭が少なく保香性の優れ
た中空成形体、シ−ト状物や延伸フイルムおよび包装材
料を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステルの水処理を行う装置の一
例の略図である。
【符号の説明】
1 原料チップ供給口 2 オーバーフロー排出口 3 ポリエステルチップと処理水との排出口 4 水切り装置 5 ファイン除去装置 6 配管 7 処理水導入口 8 イオン交換水導入口 9 イオン交換装置 10 吸着塔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月19日(2000.6.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のポリエステルは、290℃の温度で60分
間溶融した時の環状3量体の増加量が0.30重量%以
下であり、かつファインを0.1〜500ppm含有す
ポリエステル樹脂であって、該ポリエステル樹脂中の
カルシウム元素の含有量をC(ppm)、マグネシウム
元素の含有量をM(ppm)、ケイ素元素の含有量をS
(ppm)とした場合、下記(1)〜(3)式のいずれ
かを満足すること特徴とするポリエステル樹脂である。 (1)0.001≦C≦(ppm) (2)0.001≦M≦(ppm) (3)0.01≦S≦5(ppm)
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】本発明のポリエステルは、主として芳香族
ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とグリコ
−ルまたはそのエステル形成性誘導体を原料として得ら
れるものであり、ポリエステル樹脂中のカルシウム元素
の含有量をC(ppm)、マグネシウム元素の含有量を
M(ppm)、ケイ素元素の含有量をS(ppm)とし
た場合、下記(1)〜(3)式のいずれかを満足するこ
と特徴とするポリエステル樹脂である。 (1)0.001≦C≦(ppm) (2)0.001≦M≦(ppm) (3)0.01≦S≦(ppm) C、Mは、好ましくはそれぞれ0.005〜1ppm、
より好ましくはそれぞれ0.01〜0.5ppm、さら
に好ましくは0.01〜0.3ppmである。また、
は、好ましくは0.01〜1ppm、より好ましくはそ
れぞれ0.01〜0.5ppm、さらに好ましくは0.
01〜0.3ppmである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】C、Mの値のいずれもが0.001ppm
未満、Sの値が0.01ppm未満の場合は、結晶化速
度が非常におそくなり、中空成形容器の口栓部の結晶化
が不十分となり、このため口栓部の収縮量が規定値範囲
内におさまらないためキャッピング不良現象が発生した
り、また容器成形後の寸法安定性が悪いシ−ト状物を与
える。さらには、C、Mの値を0.001ppm未満、
Sの値を0.01ppm未満にしようとすると、水処理
に蒸留水や逆浸透膜で処理した水、高度にイオン交換処
理を行った水、などのカルシウム、マグネシウム、珪素
含有量が非常に少ない水を使う必要があり、経済的に好
ましくない。またC、Mの値が1ppm、Sの値が5p
pmを超える場合は、結晶化速度が早くなり、中空成形
容器の口栓部の結晶化が過大となり、このため口栓部の
収縮量が規定値範囲内におさまらないため口栓部のキャ
ッピング不良となり内容物の漏れが生じたり、また中空
成形用予備成形体が白化し、このため正常な延伸が不可
能となる。なお、C、Mの値はいずれもが1ppm以下
であり、かつSの値が1ppm以下であることが好まし
い。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】また、本発明の耐熱寸法安定性の優れた成
形体や成形後の寸法安定性に優れたシ−ト状物を得るた
めには、水処理したポリエステルのファイン含量を0.
1〜500ppmにすることが必須要件である。ファイ
ン含量が0.1ppm未満の場合は、結晶化速度が非常
におそくなり、中空成形容器の口栓部の結晶化が不十分
となり、このため口栓部の収縮量が規定値範囲内におさ
まらないためキャッピング不良現象が発生したり、また
容器成形後の寸法安定性が悪いシ−ト状物を与える。ま
た500ppmを超える場合は、結晶化速度が早くな
り、中空成形容器の口栓部の結晶化が過大となり、この
ため口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないため
口栓部のキャッピング不良となり内容物の漏れが生じた
り、また中空成形用予備成形体が白化し、このため正常
な延伸が不可能となる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月27日(2000.7.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のポリエステルは、290℃の温度で60分
間溶融した時の環状3量体の増加量が0.30重量%以
下であり、かつファインを0.1〜500ppm含有す
るポリエステル樹脂であって、該ポリエステル樹脂中の
カルシウム元素の含有量をC(ppm)、マグネシウム
元素の含有量をM(ppm)、ケイ素元素の含有量をS
(ppm)とした場合、下記(1)〜(3)式のいずれ
かを満足すること特徴とするポリエステル樹脂である。 (1)0.001≦C≦(ppm) (2)0.001≦M≦(ppm) (3)0.001≦S≦5(ppm)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】この場合において、ポリエステルが、重合
後チップ状に形成したものを、処理槽中において下記
(c)の条件を満たす処理水で処理されたものであるこ
とができる。 (c)ポリエステルのファインの含有量が1000pp
m以下の処理水なお、以下処理水中のファインを樹脂に付着したファイ
ンと区別するため微粉と表すことがある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】本発明のポリエステルは、主として芳香族
ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とグリコ
−ルまたはそのエステル形成性誘導体を原料として得ら
れるものであり、ポリエステル樹脂中のカルシウム元素
の含有量をC(ppm)、マグネシウム元素の含有量を
M(ppm)、ケイ素元素の含有量をS(ppm)とし
た場合、下記(1)〜(3)式のいずれかを満足するこ
と特徴とするポリエステル樹脂である。 (1)0.001≦C≦(ppm) (2)0.001≦M≦(ppm) (3)0.001≦S≦5(ppm)C、M、Sは、好ましくはそれぞれ0.005〜1pp
m、より好ましくはそれぞれ0.01〜0.5ppm、
さらに好ましくは0.01〜0.3ppmである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】C、M、Sの値のいずれもが0.001p
pm未満の場合は、結晶化速度が非常におそくなり、中
空成形容器の口栓部の結晶化が不十分となり、このため
口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないためキャ
ッピング不良現象が発生したり、また容器成形後の寸法
安定性が悪いシ−ト状物を与える。さらには、C、M、
Sの値を0.001ppm未満にしようとすると、水処
理に蒸留水や逆浸透膜で処理した水、高度にイオン交換
処理を行った水、などのカルシウム、マグネシウム、珪
素含有量が非常に少ない水を使う必要があり、経済的に
好ましくない。またC、M、Sの値が5ppmを超える
場合は、結晶化速度が早くなり、中空成形容器の口栓部
の結晶化が過大となり、このため口栓部の収縮量が規定
値範囲内におさまらないため口栓部のキャッピング不良
となり内容物の漏れが生じたり、また中空成形用予備成
形体が白化し、このため正常な延伸が不可能となる。な
お、C、M、Sの値はいずれもが5ppm以下であるこ
とが好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 22:00 C08L 67:02 (72)発明者 木村 修武 滋賀県大津市赤尾町26番21号 Fターム(参考) 4F071 AA46 AG33 AG34 AH04 AH05 BB06 BB07 BB08 BC01 BC04 4F207 AA24 AA26 AB16 AC01 AC04 AG01 AR06 KA01 KA17 KE06 4F208 AA24 AA26 AB16 AC01 AC04 AG07 AR06 LB01 LG01 4J029 AA01 AA03 AB01 AB04 AD10 AE01 AE03 BA02 BA03 BD03A CA02 CA04 CA05 CA06 CB05A CB06A CB10A CC05A CC06A CD03 CF15 EA02 EB05A FC33 GA12 GA22 JC712 JF132 JF142

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 290℃の温度で60分間溶融した時の
    環状3量体の増加量が0.30重量%以下であるポリエ
    ステル樹脂において、該ポリエステル樹脂中のカルシウ
    ム元素の含有量をC(ppm)、マグネシウム元素の含
    有量をM(ppm)、珪素元素の含有量をS(ppm)
    とした場合、下記(1)〜(3)式の少なくともいずれ
    か1つの式を満足すること特徴とするポリエステル樹
    脂。 (1)0.001≦C≦5(ppm) (2)0.001≦M≦5(ppm) (3)0.001≦S≦5(ppm)
  2. 【請求項2】 主としてテレフタル酸またはエステル形
    成性誘導体もしくはナフタレンジカルボン酸またはエス
    テル形成性誘導体とエチレングリコ−ルを原料として、
    Ge化合物または/およびTi化合物を触媒に用いて得
    られたポリエステルを水処理したものであることを特徴
    とする請求項1に記載のポリエステル。
  3. 【請求項3】 ポリエステルが、その主たる繰り返し単
    位であるエチレンテレフタレートを95モル%以上含む
    線状ポリエステルであることを特徴とする請求項1、2
    に記載のポリエステル。
  4. 【請求項4】 ポリエステルが、その主たる繰り返し単
    位であるエチレン−2、6−ナフタレートを90モル%
    以上含む線状ポリエステルであることを特徴とする請求
    項1、2に記載のポリエステル。
  5. 【請求項5】 ポリエステルが、重縮合後チップ状に形
    成したものを、処理槽中において下記(a)および
    (b)の条件を満たす処理水で処理されたものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3に記載のポリエステル。 (a)温度40〜120℃ (b)処理槽からの排水を含む処理水
  6. 【請求項6】 ポリエステルが、重縮合後チップ状に形
    成したものを、処理槽中において下記(c)の条件を満
    たす処理水で処理されたものであることを特徴とする請
    求項1〜5に記載のポリエステル。 (c)ポリエステルの微粉の含有量が1000ppm以
    下の処理水
  7. 【請求項7】 ポリエステルが、重縮合後チップ状に形
    成したものを、処理槽中においてカルシウム含有量およ
    びマグネシウム含有量がそれぞれ0.001〜0.5p
    pm、珪素含有量が0.01〜2ppmの処理水で処理
    されたものであることを特徴とする請求項1〜6に記載
    のポリエステル。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7に記載のポリエステルから
    なることを特徴とする中空成形体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8に記載のポリエステルを押
    出成形してなることを特徴とするシ−ト状物。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のシ−ト状物を少なくと
    も1方向に延伸してなることを特徴とする延伸フイル
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005080480A1 (ja) * 2004-02-24 2005-09-01 Mitsui Chemicals, Inc. ポリエステル樹脂からなる中空成形体
JP2013139548A (ja) * 2011-12-09 2013-07-18 Nippon Ester Co Ltd ポリエステル樹脂組成物及びそれからなるダイレクトブロー成形品

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JPWO2005080480A1 (ja) * 2004-02-24 2007-10-25 三井化学株式会社 ポリエステル樹脂からなる中空成形体
JP4884966B2 (ja) * 2004-02-24 2012-02-29 三井化学株式会社 ポリエステル樹脂からなる中空成形体
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