JP2001247659A - ポリエステル、それからなる中空成形体、シ−ト状物及び延伸フイルム - Google Patents
ポリエステル、それからなる中空成形体、シ−ト状物及び延伸フイルムInfo
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- Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 透明性および耐熱寸法安定性に優れ、また残
留異味、異臭が少ない中空成形体、特に小型中空成形
体、シ−ト状物や延伸フイルムおよびこれからの容器や
包装材料を与えるポリエステルおよびそれからなる成形
体を提供すること。 【解決手段】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レ−トであるポリエステルであって、該ポリエステル中
のGe原子の含有量が30ppm以下、環状3量体含有
量が0.35重量%以下であり、且つ290℃の温度で
60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.30重
量%以下あることを特徴とするポリエステル。
留異味、異臭が少ない中空成形体、特に小型中空成形
体、シ−ト状物や延伸フイルムおよびこれからの容器や
包装材料を与えるポリエステルおよびそれからなる成形
体を提供すること。 【解決手段】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レ−トであるポリエステルであって、該ポリエステル中
のGe原子の含有量が30ppm以下、環状3量体含有
量が0.35重量%以下であり、且つ290℃の温度で
60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.30重
量%以下あることを特徴とするポリエステル。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料用ボトルをは
じめとする中空成形容器、フィルム、シ−トなどの成形
体の素材として好適に用いられるポリエステルおよびそ
れからなる成形体に関するものであり、特に成形品に残
留異味、異臭が発生しにくく、透明性及び耐熱寸法安定
性に優れた小型中空成形体や透明性、滑り性および成形
後の寸法安定性に優れたシ−ト状物を与える。また、本
発明は、中空成形体を成形する際に金型汚れが発生しに
くく、熱処理金型からの離型性が良好で、長時間連続成
形性に優れたポリエステルに関するものである。
じめとする中空成形容器、フィルム、シ−トなどの成形
体の素材として好適に用いられるポリエステルおよびそ
れからなる成形体に関するものであり、特に成形品に残
留異味、異臭が発生しにくく、透明性及び耐熱寸法安定
性に優れた小型中空成形体や透明性、滑り性および成形
後の寸法安定性に優れたシ−ト状物を与える。また、本
発明は、中空成形体を成形する際に金型汚れが発生しに
くく、熱処理金型からの離型性が良好で、長時間連続成
形性に優れたポリエステルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレ−トなどのポリ
エステルは、機械的性質及び化学的性質が共に優れてい
るため、工業的価値が高く、繊維、フイルム、シ−ト、
ボトルなどとして広く使用されている。
エステルは、機械的性質及び化学的性質が共に優れてい
るため、工業的価値が高く、繊維、フイルム、シ−ト、
ボトルなどとして広く使用されている。
【0003】調味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの容
器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用目
的に応じて種々の樹脂が採用されている。
器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用目
的に応じて種々の樹脂が採用されている。
【0004】これらのうちでポリエステルは機械的強
度、耐熱性、透明性およびガスバリヤー性に優れている
ので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充
填用容器の素材として最適である。
度、耐熱性、透明性およびガスバリヤー性に優れている
ので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充
填用容器の素材として最適である。
【0005】このようなポリエステルは射出成形機など
の成形機に供給して中空成形体用プリフォームを成形
し、このプリフォームを所定形状の金型に挿入し延伸ブ
ロー成形した後ボトルの胴部を熱処理(ヒートセット)
して中空成形容器に成形され、さらには必要に応じてボ
トルの口栓部を熱処理(口栓部結晶化)させるのが一般
的である。
の成形機に供給して中空成形体用プリフォームを成形
し、このプリフォームを所定形状の金型に挿入し延伸ブ
ロー成形した後ボトルの胴部を熱処理(ヒートセット)
して中空成形容器に成形され、さらには必要に応じてボ
トルの口栓部を熱処理(口栓部結晶化)させるのが一般
的である。
【0006】ところが、従来のポリエステルには、環状
三量体などのオリゴマー類が含まれており、このオリゴ
マー類が金型内面や金型のガスの排気口、排気管に付着
することによる金型汚れが発生しやすかった。
三量体などのオリゴマー類が含まれており、このオリゴ
マー類が金型内面や金型のガスの排気口、排気管に付着
することによる金型汚れが発生しやすかった。
【0007】また、ポリエステルは、副生物であるアセ
トアルデヒドを含有する。ポリエステル中のアセトアル
デヒド含有量が多い場合には、これから成形された容器
やその他包装等の材質中のアセトアルデヒド含有量も多
くなり、該容器等に充填された飲料等の風味や臭いに影
響を及ぼす。したがって、従来よりポリエステル中のア
セトアルデヒド含有量を低減させるために種々の方策が
採られてきた。
トアルデヒドを含有する。ポリエステル中のアセトアル
デヒド含有量が多い場合には、これから成形された容器
やその他包装等の材質中のアセトアルデヒド含有量も多
くなり、該容器等に充填された飲料等の風味や臭いに影
響を及ぼす。したがって、従来よりポリエステル中のア
セトアルデヒド含有量を低減させるために種々の方策が
採られてきた。
【0008】近年、ポリエチレンテレフタレ−トを中心
とするポリエステル製容器は、ミネラルウオ−タやウ−
ロン茶等の低フレ−バ−飲料用の容器として使用される
ようになってきた。このような飲料の場合は、一般にこ
れらの飲料を熱充填したりまたは充填後加熱して殺菌さ
れるが、飲料容器のアセトアルデヒド含有量の低減だけ
ではこれらの内容物の風味や臭いが改善されないことが
わかってきた。
とするポリエステル製容器は、ミネラルウオ−タやウ−
ロン茶等の低フレ−バ−飲料用の容器として使用される
ようになってきた。このような飲料の場合は、一般にこ
れらの飲料を熱充填したりまたは充填後加熱して殺菌さ
れるが、飲料容器のアセトアルデヒド含有量の低減だけ
ではこれらの内容物の風味や臭いが改善されないことが
わかってきた。
【0009】また、飲料用金属缶については、工程簡略
化、衛生性、公害防止等の目的から、その内面にエチレ
ンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とするポリエス
テルフイルムを被覆した金属板を利用して製缶する方法
が採られるようになってきた。この場合にも、内容物を
充填後高温で加熱殺菌されるが、この際アセトアルデヒ
ド含有量の低いフイルムを使用しても内容物の風味や臭
いが改善されないことが分かってきた。
化、衛生性、公害防止等の目的から、その内面にエチレ
ンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とするポリエス
テルフイルムを被覆した金属板を利用して製缶する方法
が採られるようになってきた。この場合にも、内容物を
充填後高温で加熱殺菌されるが、この際アセトアルデヒ
ド含有量の低いフイルムを使用しても内容物の風味や臭
いが改善されないことが分かってきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような問題点を解
決するために種々の提案がなされている。例えば、特開
平6−9763号には、Ge原子の含有量が10〜20
0ppm、アルカリ金属原子の含有量がGe原子に対し
て0.5〜2.5倍モルで、極限粘度が0.45〜0.
80デシリットル/グラムのプレポリマ−を固相重合す
ることにより、金型汚れの少ないポリエチレンテレフタ
レ−トを得る製造方法が提案されている。しかし、アル
カリ金属にはポリエチレンテレフタレ−トの結晶化を促
進する効果があり、得られた中空容器の透明性が悪くな
るという問題がある。
決するために種々の提案がなされている。例えば、特開
平6−9763号には、Ge原子の含有量が10〜20
0ppm、アルカリ金属原子の含有量がGe原子に対し
て0.5〜2.5倍モルで、極限粘度が0.45〜0.
80デシリットル/グラムのプレポリマ−を固相重合す
ることにより、金型汚れの少ないポリエチレンテレフタ
レ−トを得る製造方法が提案されている。しかし、アル
カリ金属にはポリエチレンテレフタレ−トの結晶化を促
進する効果があり、得られた中空容器の透明性が悪くな
るという問題がある。
【0011】また、特開平3−174441号公報には
ポリエステルを水処理し、触媒を失活させて金型汚れを
防止する方法が開示されている。しかし、従来からの重
縮合設備を使用して着色のないポリエチレンテレフタレ
−トを得るにはGe化合物をポリマ−中残存量として4
0ppm以上とかなり多量に用いなければならない。こ
のようにして得られたポリエチレンテレフタレ−トを水
処理して、触媒の失活効果を十分に発揮さすためには5
時間以上の長時間の水処理が必要であり、大型の水処理
設備が必要である。
ポリエステルを水処理し、触媒を失活させて金型汚れを
防止する方法が開示されている。しかし、従来からの重
縮合設備を使用して着色のないポリエチレンテレフタレ
−トを得るにはGe化合物をポリマ−中残存量として4
0ppm以上とかなり多量に用いなければならない。こ
のようにして得られたポリエチレンテレフタレ−トを水
処理して、触媒の失活効果を十分に発揮さすためには5
時間以上の長時間の水処理が必要であり、大型の水処理
設備が必要である。
【0012】本発明は、前記の従来技術の問題点を解決
することにあり、水処理をしない状態でも、あるいは短
時間の水処理のみで金型汚れが改良されたポリエステル
を提供し、さらにポリエステルチップから成形品を製造
した際にも残留異味、異臭が少ないポリエステルを提供
することを目的としている。
することにあり、水処理をしない状態でも、あるいは短
時間の水処理のみで金型汚れが改良されたポリエステル
を提供し、さらにポリエステルチップから成形品を製造
した際にも残留異味、異臭が少ないポリエステルを提供
することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のポリエステルは、主たる繰り返し単位がエ
チレンテレフタレ−トであるポリエステルであって、該
ポリエステル中のGe原子の含有量が30ppm以下、
環状3量体含有量が0.35重量%以下であり、且つ2
90℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加
量が0.30重量%以下であることを特徴とする。
め、本発明のポリエステルは、主たる繰り返し単位がエ
チレンテレフタレ−トであるポリエステルであって、該
ポリエステル中のGe原子の含有量が30ppm以下、
環状3量体含有量が0.35重量%以下であり、且つ2
90℃の温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加
量が0.30重量%以下であることを特徴とする。
【0014】また、この場合、本発明のポリエステル
は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ−トであ
るポリエステルであって、該ポリエステルの低重合体又
は初期縮合体を薄い膜状または細い繊維状で溶融重縮合
して得た極限粘度が0.30〜0.80デシリットル/
グラム、Ge原子の含有量が30ppm以下のポリエス
テルプレポリマ−を固相重合することにより製造するこ
とを特徴とする。
は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ−トであ
るポリエステルであって、該ポリエステルの低重合体又
は初期縮合体を薄い膜状または細い繊維状で溶融重縮合
して得た極限粘度が0.30〜0.80デシリットル/
グラム、Ge原子の含有量が30ppm以下のポリエス
テルプレポリマ−を固相重合することにより製造するこ
とを特徴とする。
【0015】上記の特性を持つポリエステルは、成形時
に金型汚れが発生しにくく、かつ優れた透明性、耐熱
性、機械的特性、残留異味、異臭が少なく保香性の優れ
た中空成形体、シ−ト状物や延伸フイルムおよびこれら
からの容器や包装材料を与える。
に金型汚れが発生しにくく、かつ優れた透明性、耐熱
性、機械的特性、残留異味、異臭が少なく保香性の優れ
た中空成形体、シ−ト状物や延伸フイルムおよびこれら
からの容器や包装材料を与える。
【0016】この場合において、共重合されたジエチレ
ングリコ−ル含有量が該ポリエステルを構成するグリコ
−ル成分の1.5〜5.0モル%であることができる。
ングリコ−ル含有量が該ポリエステルを構成するグリコ
−ル成分の1.5〜5.0モル%であることができる。
【0017】この場合において、アセトアルデヒド含有
量が10ppm以下であることができる。
量が10ppm以下であることができる。
【0018】この場合において、ポリエステルが、重縮
合後チップ状に形成したものを、処理槽中において下記
(a)および(b)の条件を満たす処理水で処理された
ものであることができる。 (a)温度40〜120℃ (b)処理槽からの排水を含む処理水
合後チップ状に形成したものを、処理槽中において下記
(a)および(b)の条件を満たす処理水で処理された
ものであることができる。 (a)温度40〜120℃ (b)処理槽からの排水を含む処理水
【0019】この場合において、ポリエステルが、重縮
合後チップ状に形成したものを、処理槽中において下記
(c)の条件を満たす処理水で処理されたものであるこ
とができる。 (c)ポリエステルの微粉の含有量が1000ppm以
下の処理水
合後チップ状に形成したものを、処理槽中において下記
(c)の条件を満たす処理水で処理されたものであるこ
とができる。 (c)ポリエステルの微粉の含有量が1000ppm以
下の処理水
【0020】上記の水処理によって得られたポリエステ
ルは、成形時に金型汚れが発生しにくく、また成形品に
残留異味、異臭が少なく、保香性に優れ、かつ透明性及
び耐熱寸法安定性に優れた中空成形体や透明性、滑り性
および成形後の寸法安定性に優れたシ−ト状物を与え
る。
ルは、成形時に金型汚れが発生しにくく、また成形品に
残留異味、異臭が少なく、保香性に優れ、かつ透明性及
び耐熱寸法安定性に優れた中空成形体や透明性、滑り性
および成形後の寸法安定性に優れたシ−ト状物を与え
る。
【0021】この場合において、前記ポリエステルから
なる中空成形体、シ−ト状物および少なくとも1方向に
延伸された延伸フイルムであることができる。
なる中空成形体、シ−ト状物および少なくとも1方向に
延伸された延伸フイルムであることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリエステルの実
施の形態を具体的に説明する。本発明の主たる繰り返し
単位がエチレンテレフタレ−トであるポリエステルは、
エチレンテレフタレ−ト単位を85モル%以上含む線状
ポリエステルであり、好ましくは90モル%以上、さら
に好ましくは95.0%以上含む線状ポリエステルであ
る。
施の形態を具体的に説明する。本発明の主たる繰り返し
単位がエチレンテレフタレ−トであるポリエステルは、
エチレンテレフタレ−ト単位を85モル%以上含む線状
ポリエステルであり、好ましくは90モル%以上、さら
に好ましくは95.0%以上含む線状ポリエステルであ
る。
【0023】前記ポリエステルの共重合に使用されるジ
カルボン酸としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフェニ−ル−4,4’−ジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オ
キシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、ア
ジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸等の脂肪
族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、シクロヘキサン
ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘
導体などが挙げられる。
カルボン酸としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフェニ−ル−4,4’−ジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オ
キシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、ア
ジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸等の脂肪
族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、シクロヘキサン
ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘
導体などが挙げられる。
【0024】前記ポリエステルの共重合に使用されるグ
リコ−ルとしては、ジエチレングリコ−ル、トリメチレ
ングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ネオペンチ
ルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジ
メタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、ビスフェノ−ルA、
ビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド付加物等の芳
香族グリコ−ルなどが挙げられる。
リコ−ルとしては、ジエチレングリコ−ル、トリメチレ
ングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ネオペンチ
ルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジ
メタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、ビスフェノ−ルA、
ビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド付加物等の芳
香族グリコ−ルなどが挙げられる。
【0025】さらに、前記ポリエステル中の多官能化合
物からなるその他の共重合成分としては、酸成分とし
て、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることが
でき、グリコ−ル成分としてグリセリン、ペンタエリス
リト−ルを挙げることができる。以上の共重合成分の使
用量は、ポリエステルが実質的に線状を維持する程度で
なければならない。
物からなるその他の共重合成分としては、酸成分とし
て、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることが
でき、グリコ−ル成分としてグリセリン、ペンタエリス
リト−ルを挙げることができる。以上の共重合成分の使
用量は、ポリエステルが実質的に線状を維持する程度で
なければならない。
【0026】本発明のポリエステルのGe原子の含有量
は30ppm以下、好ましくは3〜25ppm、さらに
好ましくは5〜20ppmである。Ge原子の含有量が
30ppmを超える場合は、ポリエステルを水処理しな
い場合には、成形の溶融時に環状3量体の増加が激しく
なり、加熱金型表面へのオリゴマ−付着が急激に増加
し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
また、水処理の効果を十分に発揮さすためには、80℃
以上の熱水による処理の場合においても5時間以上の長
時間の処理が必要となり、これには大型の処理設備が必
要であり、設備費が高くつき、コストアップにつなが
る。
は30ppm以下、好ましくは3〜25ppm、さらに
好ましくは5〜20ppmである。Ge原子の含有量が
30ppmを超える場合は、ポリエステルを水処理しな
い場合には、成形の溶融時に環状3量体の増加が激しく
なり、加熱金型表面へのオリゴマ−付着が急激に増加
し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
また、水処理の効果を十分に発揮さすためには、80℃
以上の熱水による処理の場合においても5時間以上の長
時間の処理が必要となり、これには大型の処理設備が必
要であり、設備費が高くつき、コストアップにつなが
る。
【0027】また本発明のポリエステルの環状3量体の
含有量は好ましくは0.35重量%以下、より好ましく
は0.32重量%以下、さらに好ましくは0.30重量
%以下である。本発明のポリエステルから耐熱性の中空
成形体等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行う
が、環状3量体の含有量が0.35重量%以上含有する
場合には、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増
加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化す
る。
含有量は好ましくは0.35重量%以下、より好ましく
は0.32重量%以下、さらに好ましくは0.30重量
%以下である。本発明のポリエステルから耐熱性の中空
成形体等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行う
が、環状3量体の含有量が0.35重量%以上含有する
場合には、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増
加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化す
る。
【0028】また、本発明のポリエステルを290℃の
温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.
30重量%以下であることが必要である。環状3量体の
増加量は好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは
0.1重量%以下であることが好ましい。290℃の温
度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.3
0重量%を越えると、成形の樹脂溶融時に環状3量体量
が増加し、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増
加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化す
る。
温度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.
30重量%以下であることが必要である。環状3量体の
増加量は好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは
0.1重量%以下であることが好ましい。290℃の温
度で60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.3
0重量%を越えると、成形の樹脂溶融時に環状3量体量
が増加し、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増
加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化す
る。
【0029】なお、本発明においては、290℃の温度
で60分間溶融した時の環状3量体の増加量は次のよう
にして確認する。すなわち、ポリエステルチップを乾燥
し、290℃で60分間、窒素雰囲気下で加熱溶融し、
次式により求める。 溶融時の環状3量体増加量(重量%)=溶融後の環状3
量体含有量(重量%)−溶融前の環状3量体含有量(重
量%) 前記の増加量が0.30重量%以下であれば、成形時の
金型汚れが解消されると同時に、成形品の異味、異臭の
改善も顕著となる。
で60分間溶融した時の環状3量体の増加量は次のよう
にして確認する。すなわち、ポリエステルチップを乾燥
し、290℃で60分間、窒素雰囲気下で加熱溶融し、
次式により求める。 溶融時の環状3量体増加量(重量%)=溶融後の環状3
量体含有量(重量%)−溶融前の環状3量体含有量(重
量%) 前記の増加量が0.30重量%以下であれば、成形時の
金型汚れが解消されると同時に、成形品の異味、異臭の
改善も顕著となる。
【0030】また本発明のポリエステル中に共重合され
たジエチレングリコール量は該ポリエステルを構成する
グリコール成分の好ましくは1.0〜5.0モル%、よ
り好ましくは1.3〜4.5モル%、さらに好ましくは
1.5〜4.0モル%である。ジエチレングリコール量
が5.0モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、
成型時に分子量低下が大きくなったり、またアセトアル
デヒド含有量やホルムアルデヒド含有量の増加量が大と
なり好ましくない。。またジエチレングリコ−ル含有量
が1.0モル%未満の場合は、得られた成形体の透明性
が悪くなる。
たジエチレングリコール量は該ポリエステルを構成する
グリコール成分の好ましくは1.0〜5.0モル%、よ
り好ましくは1.3〜4.5モル%、さらに好ましくは
1.5〜4.0モル%である。ジエチレングリコール量
が5.0モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、
成型時に分子量低下が大きくなったり、またアセトアル
デヒド含有量やホルムアルデヒド含有量の増加量が大と
なり好ましくない。。またジエチレングリコ−ル含有量
が1.0モル%未満の場合は、得られた成形体の透明性
が悪くなる。
【0031】また、本発明のポリエステルのアセトアル
デヒド含有量は10ppm以下、好ましくは8ppm以
下、より好ましくは6ppm以下、さらにに好ましくは
4ppm以下である。アセトアルデヒド含有量が10p
pmを越える場合は、このポリエステルから成形された
容器等の内容物の風味や臭い等が悪くなる。
デヒド含有量は10ppm以下、好ましくは8ppm以
下、より好ましくは6ppm以下、さらにに好ましくは
4ppm以下である。アセトアルデヒド含有量が10p
pmを越える場合は、このポリエステルから成形された
容器等の内容物の風味や臭い等が悪くなる。
【0032】前記の本発明のポリエステルは、例えば下
記のようにして製造することができる。すなわち、本発
明のポリエステルは、該ポリエステルの低重合体又は初
期縮合体を薄い膜状または細い繊維状で溶融重縮合して
得た極限粘度が0.30〜0.80デシリットル/グラ
ム、Ge原子の含有量が30ppm以下のポリエステル
プレポリマ−を固相重合することにより製造することが
出来る。
記のようにして製造することができる。すなわち、本発
明のポリエステルは、該ポリエステルの低重合体又は初
期縮合体を薄い膜状または細い繊維状で溶融重縮合して
得た極限粘度が0.30〜0.80デシリットル/グラ
ム、Ge原子の含有量が30ppm以下のポリエステル
プレポリマ−を固相重合することにより製造することが
出来る。
【0033】前記のポリエステル低重合体又は初期縮合
体は、テレフタ−ル酸とエチレングリコ−ルおよび必要
により前記の共重合成分を直接反応させて水を留去しエ
ステル化したあと重縮合触媒としてGe化合物を用いて
主として減圧下に重縮合を行うか、またはテレフタル酸
ジメチルとエチレングリコ−ルおよび必要により上記共
重合成分をエステル交換触媒の存在下で反応させてメチ
ルアルコ−ルを留去しエステル交換させたあと重縮合触
媒としてGe化合物を用いて主として減圧下に重縮合を
行う溶融重縮合により製造される。
体は、テレフタ−ル酸とエチレングリコ−ルおよび必要
により前記の共重合成分を直接反応させて水を留去しエ
ステル化したあと重縮合触媒としてGe化合物を用いて
主として減圧下に重縮合を行うか、またはテレフタル酸
ジメチルとエチレングリコ−ルおよび必要により上記共
重合成分をエステル交換触媒の存在下で反応させてメチ
ルアルコ−ルを留去しエステル交換させたあと重縮合触
媒としてGe化合物を用いて主として減圧下に重縮合を
行う溶融重縮合により製造される。
【0034】ついで、例えば不活性ガスが流通され、加
熱された反応容器を用いて、前記のポリエステル低重合
体又は初期縮合体の溶融体を、該反応容器内に設けられ
たスリット状の口金から実質的に垂直に垂らした板状支
持体にそって流すか、あるいは該反応容器中に垂らされ
集束された複数のワイヤ−に沿って流す等の方法によ
り、薄い膜状または細い繊維状で溶融重縮合し、次いで
チップ化する。
熱された反応容器を用いて、前記のポリエステル低重合
体又は初期縮合体の溶融体を、該反応容器内に設けられ
たスリット状の口金から実質的に垂直に垂らした板状支
持体にそって流すか、あるいは該反応容器中に垂らされ
集束された複数のワイヤ−に沿って流す等の方法によ
り、薄い膜状または細い繊維状で溶融重縮合し、次いで
チップ化する。
【0035】前記の不活性ガス気流中での重縮合時に
は、薄い膜状のポリエステル低重合体あるいは初期縮合
体の溶融体が不活性ガスによって処理されるので、金型
汚れに関係する環状3量体や飲料の風味等に関係するア
セトアルデヒド等の低分子化合物がポリエステルよりか
なり除去され、これらの低分子化合物の含有量の少ない
ポリエステルを得ることができる。
は、薄い膜状のポリエステル低重合体あるいは初期縮合
体の溶融体が不活性ガスによって処理されるので、金型
汚れに関係する環状3量体や飲料の風味等に関係するア
セトアルデヒド等の低分子化合物がポリエステルよりか
なり除去され、これらの低分子化合物の含有量の少ない
ポリエステルを得ることができる。
【0036】前記の減圧下の溶融重縮合工程および不活
性ガス気流下の溶融重縮合工程の各段階での極限粘度は
特に制限がなく、不活性ガス気流下の溶融重縮合反応器
から得られるポリエステルプレポリマ−の極限粘度は、
0.30〜0.80デシリットル/グラムである。
性ガス気流下の溶融重縮合工程の各段階での極限粘度は
特に制限がなく、不活性ガス気流下の溶融重縮合反応器
から得られるポリエステルプレポリマ−の極限粘度は、
0.30〜0.80デシリットル/グラムである。
【0037】つぎに、前記のプレポリマ−を従来公知の
方法によって固相重合する。まず固相重合に供される前
記のプレポリマ−は、不活性ガス下または減圧下あるい
は水蒸気または水蒸気含有不活性ガス雰囲気下におい
て、100〜210℃の温度で1〜5時間加熱して予備
結晶化される。次いで不活性ガス雰囲気下または減圧下
に190〜230℃の温度で1〜30時間の固相重合を
行う。
方法によって固相重合する。まず固相重合に供される前
記のプレポリマ−は、不活性ガス下または減圧下あるい
は水蒸気または水蒸気含有不活性ガス雰囲気下におい
て、100〜210℃の温度で1〜5時間加熱して予備
結晶化される。次いで不活性ガス雰囲気下または減圧下
に190〜230℃の温度で1〜30時間の固相重合を
行う。
【0038】このようにして得られた本発明の、主たる
繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成される
ポリエステルの極限粘度は、好ましくは0.55〜1.
30デシリットル/グラム、より好ましくは0.57〜
1.20デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.
60〜0.90デシリットル/グラムの範囲である。極
限粘度が0.55デシリットル/グラム未満では、得ら
れた成形体等の機械的特性が悪い。また1.30デシリ
ットル/グラムを越える場合は、成型機等による溶融時
に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に
影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形
体が黄色に着色する等の問題が起こる。
繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成される
ポリエステルの極限粘度は、好ましくは0.55〜1.
30デシリットル/グラム、より好ましくは0.57〜
1.20デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.
60〜0.90デシリットル/グラムの範囲である。極
限粘度が0.55デシリットル/グラム未満では、得ら
れた成形体等の機械的特性が悪い。また1.30デシリ
ットル/グラムを越える場合は、成型機等による溶融時
に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に
影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形
体が黄色に着色する等の問題が起こる。
【0039】また、ポリエステルチップの形状は、シリ
ンダー型、角型、または扁平な板状等の何れでもよく、
その大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.5〜4
mmの範囲である。例えばシリンダー型の場合は、長さ
は1.5〜4mm、径は1.5〜4mm程度であるのが
実用的である。また、チップの重量は15〜30mg/
個の範囲が実用的である。
ンダー型、角型、または扁平な板状等の何れでもよく、
その大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通常1.5〜4
mmの範囲である。例えばシリンダー型の場合は、長さ
は1.5〜4mm、径は1.5〜4mm程度であるのが
実用的である。また、チップの重量は15〜30mg/
個の範囲が実用的である。
【0040】重縮合触媒として使用されるGe化合物と
しては、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲル
マニウム粉末またはエチレングリコールのスラリー、結
晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液または
これにエチレングリコールを添加加熱処理した溶液等が
使用されるが、特に本発明で用いるポリエステルを得る
には二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液、コロ
イド状にした溶液、またはこれらにエチレングリコール
を添加加熱した溶液、二酸化ゲルマニウムのエチレング
リコール溶液を使用するのが好ましい。これらの重縮合
触媒はエステル化反応時または同反応後に添加すること
ができる。Ge化合物は、ポリエステルプレポリマ−ま
たは本発明のポリエステル中のGe原子の含有量が30
ppm以下になるような量で使用する。
しては、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲル
マニウム粉末またはエチレングリコールのスラリー、結
晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液または
これにエチレングリコールを添加加熱処理した溶液等が
使用されるが、特に本発明で用いるポリエステルを得る
には二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液、コロ
イド状にした溶液、またはこれらにエチレングリコール
を添加加熱した溶液、二酸化ゲルマニウムのエチレング
リコール溶液を使用するのが好ましい。これらの重縮合
触媒はエステル化反応時または同反応後に添加すること
ができる。Ge化合物は、ポリエステルプレポリマ−ま
たは本発明のポリエステル中のGe原子の含有量が30
ppm以下になるような量で使用する。
【0041】また、安定剤として、燐酸、ポリ燐酸やト
リメチルフォスフェート等の燐酸エステル類等を使用す
るのが好ましい。これらの安定剤はテレフタル酸とエチ
レングリコールのスラリー調合槽からエステル化反応工
程中に添加することができる。P化合物は、生成ポリマ
−中のP残存量として5〜100ppmの範囲になるよ
うに添加する。
リメチルフォスフェート等の燐酸エステル類等を使用す
るのが好ましい。これらの安定剤はテレフタル酸とエチ
レングリコールのスラリー調合槽からエステル化反応工
程中に添加することができる。P化合物は、生成ポリマ
−中のP残存量として5〜100ppmの範囲になるよ
うに添加する。
【0042】また、ポリエステル中に共重合したDEG
含有量を制御するためにエステル化工程に塩基性化合
物、たとえば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルア
ミン等の第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウ
ム等の第4級アンモニウム塩等を加えることが出来る。
含有量を制御するためにエステル化工程に塩基性化合
物、たとえば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルア
ミン等の第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウ
ム等の第4級アンモニウム塩等を加えることが出来る。
【0043】また、本発明のポリエステルは、前記の工
程で得られた溶融重縮合チップや固相重合チップを水処
理や水蒸気処理することによっても製造することができ
る。
程で得られた溶融重縮合チップや固相重合チップを水処
理や水蒸気処理することによっても製造することができ
る。
【0044】熱水処理方法としては、水中に浸ける方法
やシャワーでチップ上に水をかける方法等が挙げられ
る。処理時間としては5分〜2日間、好ましくは10分
〜1日間、さらに好ましくは30分〜10時間で、水の
温度としては20〜180℃、好ましくは40〜150
℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
やシャワーでチップ上に水をかける方法等が挙げられ
る。処理時間としては5分〜2日間、好ましくは10分
〜1日間、さらに好ましくは30分〜10時間で、水の
温度としては20〜180℃、好ましくは40〜150
℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
【0045】ポリエステルチップを工業的に水処理する
場合、処理に用いる水が大量であることから天然水(工
業用水)や排水を再利用して使用することが多い。通常
この天然水は、河川水、地下水などから採取したもの
で、水(液体)の形状を変えないまま、殺菌、異物除去
等の処理をしたものを言う。また、一般的に工業用に用
いられる天然水には、自然界由来の、ケイ酸塩、アルミ
ノケイ酸塩等の粘土鉱物を代表とする無機粒子や細菌、
バクテリア等や、腐敗した植物、動物に起源を有する有
機粒子や有機化合物等を多く含有している。これらの無
機粒子は、ナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪
素等の金属含有物質から構成されている。
場合、処理に用いる水が大量であることから天然水(工
業用水)や排水を再利用して使用することが多い。通常
この天然水は、河川水、地下水などから採取したもの
で、水(液体)の形状を変えないまま、殺菌、異物除去
等の処理をしたものを言う。また、一般的に工業用に用
いられる天然水には、自然界由来の、ケイ酸塩、アルミ
ノケイ酸塩等の粘土鉱物を代表とする無機粒子や細菌、
バクテリア等や、腐敗した植物、動物に起源を有する有
機粒子や有機化合物等を多く含有している。これらの無
機粒子は、ナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪
素等の金属含有物質から構成されている。
【0046】水処理の方法が連続的か、又はバッチ的か
いずれの場合であっても、処理槽から排出した処理水の
すべて、あるいは殆どを工業排水としてしまうと、新し
い水が多量に入用であるばかりでなく、排水量増大によ
る環境への影響が懸念される。即ち、処理槽から排出し
た少なくとも一部の処理水を、水処理槽へ戻して再利用
することにより、必要な水量を低減し、また排水量増大
による環境への影響を低減することが出来、さらには水
処理槽へ返される排水がある程度温度を保持していれ
ば、処理水の加熱量も小さく出来るため、処理層から排
出された処理水は水処理層へ戻して再利用されることが
好ましい。また、水を再利用させることで処理層中の処
理水の流量を上げることができ、結果としてポリエステ
ルチップに付着したファインを洗い流すことができるた
め、ファイン除去効果も生まれる。
いずれの場合であっても、処理槽から排出した処理水の
すべて、あるいは殆どを工業排水としてしまうと、新し
い水が多量に入用であるばかりでなく、排水量増大によ
る環境への影響が懸念される。即ち、処理槽から排出し
た少なくとも一部の処理水を、水処理槽へ戻して再利用
することにより、必要な水量を低減し、また排水量増大
による環境への影響を低減することが出来、さらには水
処理槽へ返される排水がある程度温度を保持していれ
ば、処理水の加熱量も小さく出来るため、処理層から排
出された処理水は水処理層へ戻して再利用されることが
好ましい。また、水を再利用させることで処理層中の処
理水の流量を上げることができ、結果としてポリエステ
ルチップに付着したファインを洗い流すことができるた
め、ファイン除去効果も生まれる。
【0047】ポリエステルのチップを連続的に水処理す
る場合は、塔型の処理槽に継続、あるいは断続的にポリ
エステルのチップを上部より受け入れ、並流又は向流で
水を連続供給して水処理させることができる。処理され
たポリエステルチップは処理層の下部から継続、あるい
は断続的に抜き出す。
る場合は、塔型の処理槽に継続、あるいは断続的にポリ
エステルのチップを上部より受け入れ、並流又は向流で
水を連続供給して水処理させることができる。処理され
たポリエステルチップは処理層の下部から継続、あるい
は断続的に抜き出す。
【0048】ポリエステルチップをバッチ方式で水処理
をする場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。す
なわち、バッチ方式でポリエステルのチップをサイロへ
受け入れ水処理を行なう。あるいは回転筒型の処理槽に
ポリエステルのチップを受け入れ、回転させながら水処
理を行ない水との接触をさらに効率的にすることもでき
る。
をする場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。す
なわち、バッチ方式でポリエステルのチップをサイロへ
受け入れ水処理を行なう。あるいは回転筒型の処理槽に
ポリエステルのチップを受け入れ、回転させながら水処
理を行ない水との接触をさらに効率的にすることもでき
る。
【0049】この場合、ポリエステルチップは全量を処
理槽内に投入、充填すると共に処理水を満たし、処理水
は必要により継続的又は断続的(総称して連続的という
ことがある)に循環し、また、継続的又は断続的に一部
の処理水を排出して新しい処理水を追加供給する。水処
理後はポリエステルチップの全量を処理層から抜き出
す。
理槽内に投入、充填すると共に処理水を満たし、処理水
は必要により継続的又は断続的(総称して連続的という
ことがある)に循環し、また、継続的又は断続的に一部
の処理水を排出して新しい処理水を追加供給する。水処
理後はポリエステルチップの全量を処理層から抜き出
す。
【0050】そして、水処理方法が連続方式の場合であ
ってもバッチ方式の場合であっても、系外から導入する
水の中に存在する粒径が1〜25μmの粒子の個数を
X、ナトリウムの含有量をN、マグネシウムの含有量を
M、カルシウムの含有量Cを、珪素の含有量をSとした
場合、下記(1)〜(5)の少なくとも一つを満足させ
て水処理を行う。 1≦ X ≦ 50000 (個/10ml) (1) 0.001 ≦ N ≦ 1.0 (ppm) (2) 0.001 ≦ M ≦ 0.5 (ppm) (3) 0.001 ≦ C ≦ 0.5 (ppm) (4) 0.01 ≦ S ≦ 2.0 (ppm) (5)
ってもバッチ方式の場合であっても、系外から導入する
水の中に存在する粒径が1〜25μmの粒子の個数を
X、ナトリウムの含有量をN、マグネシウムの含有量を
M、カルシウムの含有量Cを、珪素の含有量をSとした
場合、下記(1)〜(5)の少なくとも一つを満足させ
て水処理を行う。 1≦ X ≦ 50000 (個/10ml) (1) 0.001 ≦ N ≦ 1.0 (ppm) (2) 0.001 ≦ M ≦ 0.5 (ppm) (3) 0.001 ≦ C ≦ 0.5 (ppm) (4) 0.01 ≦ S ≦ 2.0 (ppm) (5)
【0051】水処理槽に導入する水中の粒子個数、ナト
リウム、マグネシウム、カルシウム、珪素の含有量のい
ずれかを上記範囲に設定することにより、スケールと呼
ばれる酸化物や水酸化物等の金属含有物質が処理水中に
浮遊、沈殿、さらには処理槽壁や配管壁に付着したり
し、これがポリエステルチップに付着、浸透して、成形
時での結晶化が促進され、透明性の悪いボトルとなるこ
とを防ぐことができる。
リウム、マグネシウム、カルシウム、珪素の含有量のい
ずれかを上記範囲に設定することにより、スケールと呼
ばれる酸化物や水酸化物等の金属含有物質が処理水中に
浮遊、沈殿、さらには処理槽壁や配管壁に付着したり
し、これがポリエステルチップに付着、浸透して、成形
時での結晶化が促進され、透明性の悪いボトルとなるこ
とを防ぐことができる。
【0052】以下に水処理に用いる、粒径1〜25μm
の粒子を1〜50000個/10ml含む水を得る方法
を例示する。水中の粒子数を50000個/10ml以
下にする方法としては、工業用水等の自然水を処理槽に
供給するまでの工程の少なくとも1ヶ所以上に粒子を除
去する装置を設置する。好ましくは自然界の水の採取口
から、前記した処理槽、処理槽から排水した水を再度処
理槽に戻す配管、ファイン除去装置等、水処理に必要な
付帯設備を含めた処理装置に至るまでの間に粒子を除去
する装置を設置し、処理装置に供給する水中の、粒径1
〜25μmの粒子の含有量を1〜50000個/10m
lにすることが好ましい。粒子を除去する装置としては
フィルター濾過装置、膜濾過装置、沈殿槽、遠心分離
器、泡沫同伴処理機等が挙げられる。例えばフィルター
濾過装置であれば、方式としてベルトフィルター方式、
バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、遠
心濾過方式等の濾過装置が挙げられる。中でも連続的に
行うにはベルトフィルター方式、遠心濾過方式、バグフ
ィルター方式の濾過装置が適している。またベルトフィ
ルター方式の濾過装置であれば濾材としては、紙、金
属、布等が挙げられる。また粒子の除去と処理水の流れ
を効率良く行なうため、フィルターの目のサイズは5〜
100μm、好ましくは10〜70μm、さらに好まし
くは15〜40μmがよい。
の粒子を1〜50000個/10ml含む水を得る方法
を例示する。水中の粒子数を50000個/10ml以
下にする方法としては、工業用水等の自然水を処理槽に
供給するまでの工程の少なくとも1ヶ所以上に粒子を除
去する装置を設置する。好ましくは自然界の水の採取口
から、前記した処理槽、処理槽から排水した水を再度処
理槽に戻す配管、ファイン除去装置等、水処理に必要な
付帯設備を含めた処理装置に至るまでの間に粒子を除去
する装置を設置し、処理装置に供給する水中の、粒径1
〜25μmの粒子の含有量を1〜50000個/10m
lにすることが好ましい。粒子を除去する装置としては
フィルター濾過装置、膜濾過装置、沈殿槽、遠心分離
器、泡沫同伴処理機等が挙げられる。例えばフィルター
濾過装置であれば、方式としてベルトフィルター方式、
バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、遠
心濾過方式等の濾過装置が挙げられる。中でも連続的に
行うにはベルトフィルター方式、遠心濾過方式、バグフ
ィルター方式の濾過装置が適している。またベルトフィ
ルター方式の濾過装置であれば濾材としては、紙、金
属、布等が挙げられる。また粒子の除去と処理水の流れ
を効率良く行なうため、フィルターの目のサイズは5〜
100μm、好ましくは10〜70μm、さらに好まし
くは15〜40μmがよい。
【0053】また系外からの水中のナトリウムやマグネ
シウム、カルシウム、珪素を低減させるために、処理槽
に工業用水が送られるまでの工程で少なくとも1ヶ所以
上にナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を除
去する装置を設置する。また、粒子状になった二酸化珪
素やアルミノ珪酸塩等の粘土鉱物を除去するためにはフ
ィルターを設置する。ナトリウムやマグネシウム、カル
シウム、珪素を除去する装置としては、イオン交換装
置、限外濾過装置などが挙げられる。
シウム、カルシウム、珪素を低減させるために、処理槽
に工業用水が送られるまでの工程で少なくとも1ヶ所以
上にナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を除
去する装置を設置する。また、粒子状になった二酸化珪
素やアルミノ珪酸塩等の粘土鉱物を除去するためにはフ
ィルターを設置する。ナトリウムやマグネシウム、カル
シウム、珪素を除去する装置としては、イオン交換装
置、限外濾過装置などが挙げられる。
【0054】水処理において処理槽から排出される処理
水には、処理槽にポリエステルチップを受け入れる段階
で既にポリエステルチップに付着しているファインや、
水処理時にポリエステルチップ同士あるいは処理槽壁と
の摩擦で発生するポリエステルのファインが含まれてい
る。従って、処理槽から排出した処理水を再度処理槽へ
戻して再利用すると、処理槽内の処理水に含まれるファ
イン量は次第に増えていく。そのため、処理水中に含ま
れているファインが処理槽壁や配管壁に付着して、配管
を詰まらせることがある。また処理水中に含まれている
ファインが再びポリエステルチップに付着し、この後、
水分を乾燥除去する段階でポリエステルチップにファイ
ンが静電効果により付着するため、ポリエステルのファ
イン含有量が非常に多くなる。
水には、処理槽にポリエステルチップを受け入れる段階
で既にポリエステルチップに付着しているファインや、
水処理時にポリエステルチップ同士あるいは処理槽壁と
の摩擦で発生するポリエステルのファインが含まれてい
る。従って、処理槽から排出した処理水を再度処理槽へ
戻して再利用すると、処理槽内の処理水に含まれるファ
イン量は次第に増えていく。そのため、処理水中に含ま
れているファインが処理槽壁や配管壁に付着して、配管
を詰まらせることがある。また処理水中に含まれている
ファインが再びポリエステルチップに付着し、この後、
水分を乾燥除去する段階でポリエステルチップにファイ
ンが静電効果により付着するため、ポリエステルのファ
イン含有量が非常に多くなる。
【0055】ポリエステル製造工程において発生するフ
ァインには結晶化促進効果があるが、水処理工程を経た
ポリエステルチップから前記のような工程で発生したフ
ァインの結晶化促進効果は非常に高いことが判明した。
このようなファインによりポリエステルの結晶性が促進
されて、得られたボトルの透明性は悪くなり、またボト
ル口栓部結晶化時の結晶化度が過大となって口栓部の寸
法が規格に入らなくなり、そのため口栓部のキャッピン
グ不良、したがって内容物の漏れの原因になる。
ァインには結晶化促進効果があるが、水処理工程を経た
ポリエステルチップから前記のような工程で発生したフ
ァインの結晶化促進効果は非常に高いことが判明した。
このようなファインによりポリエステルの結晶性が促進
されて、得られたボトルの透明性は悪くなり、またボト
ル口栓部結晶化時の結晶化度が過大となって口栓部の寸
法が規格に入らなくなり、そのため口栓部のキャッピン
グ不良、したがって内容物の漏れの原因になる。
【0056】また本発明において、ポリエステルチップ
の連続式水処理法の場合は処理槽からポリエステルチッ
プと共に排水する処理水の微粉量を1000ppm以
下、好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは3
00ppm以下に維持しながら処理槽から排出される処
理水の一部を処理槽に戻して繰り返し使用するのが望ま
しい。またバッチ式水処理法の場合は、水処理の終了時
点での水中の微粉量は1000ppm以下、好ましくは
500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下
にするように処理槽から排出された処理水の少なくとも
一部を処理槽に戻して繰り返し使用する。ここで、微粉
量は下記の測定法によって求めたものである。
の連続式水処理法の場合は処理槽からポリエステルチッ
プと共に排水する処理水の微粉量を1000ppm以
下、好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは3
00ppm以下に維持しながら処理槽から排出される処
理水の一部を処理槽に戻して繰り返し使用するのが望ま
しい。またバッチ式水処理法の場合は、水処理の終了時
点での水中の微粉量は1000ppm以下、好ましくは
500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下
にするように処理槽から排出された処理水の少なくとも
一部を処理槽に戻して繰り返し使用する。ここで、微粉
量は下記の測定法によって求めたものである。
【0057】処理槽内の処理水の微粉量の増加を抑える
ために、処理槽から排出した処理水が再び処理槽に返さ
れるまでの工程で少なくとも1ヶ所以上にファインを除
去する装置を設置する。ファインを除去する装置として
はフィルター濾過装置、膜濾過装置、沈殿槽、遠心分離
器、泡沫同伴処理機等が挙げられる。例えばフィルター
濾過装置であれば、方式としてベルトフィルター方式、
バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、遠
心濾過方式等の濾過装置が挙げられる。中でも連続的に
行うにはベルトフィルター方式、遠心濾過方式、バグフ
ィルター方式の濾過装置が適している。またベルトフィ
ルター方式の濾過装置であれば濾材としては、紙、金
属、布等が挙げられる。またファインの除去と処理水の
流れを効率良く行なうため、フィルターの目のサイズは
5〜100μm、好ましくは10〜70μm、さらに好
ましくは15〜40μmがよい。
ために、処理槽から排出した処理水が再び処理槽に返さ
れるまでの工程で少なくとも1ヶ所以上にファインを除
去する装置を設置する。ファインを除去する装置として
はフィルター濾過装置、膜濾過装置、沈殿槽、遠心分離
器、泡沫同伴処理機等が挙げられる。例えばフィルター
濾過装置であれば、方式としてベルトフィルター方式、
バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、遠
心濾過方式等の濾過装置が挙げられる。中でも連続的に
行うにはベルトフィルター方式、遠心濾過方式、バグフ
ィルター方式の濾過装置が適している。またベルトフィ
ルター方式の濾過装置であれば濾材としては、紙、金
属、布等が挙げられる。またファインの除去と処理水の
流れを効率良く行なうため、フィルターの目のサイズは
5〜100μm、好ましくは10〜70μm、さらに好
ましくは15〜40μmがよい。
【0058】また、ポリエステルのチップと水蒸気また
は水蒸気含有ガスとを接触させて処理する場合は、50
〜150℃、好ましくは50〜110℃の温度の水蒸気
または水蒸気含有ガスあるいは水蒸気含有空気を好まし
くは粒状ポリエチレンテレフタレート1kg当り、水蒸気
として0.5g以上の量で供給させるか、または存在さ
せて粒状ポリエチレンテレフタレートと水蒸気とを接触
させる。
は水蒸気含有ガスとを接触させて処理する場合は、50
〜150℃、好ましくは50〜110℃の温度の水蒸気
または水蒸気含有ガスあるいは水蒸気含有空気を好まし
くは粒状ポリエチレンテレフタレート1kg当り、水蒸気
として0.5g以上の量で供給させるか、または存在さ
せて粒状ポリエチレンテレフタレートと水蒸気とを接触
させる。
【0059】この、ポリエステルのチップと水蒸気との
接触は、通常10分間〜2日間、好ましくは20分間〜
10時間行われる。
接触は、通常10分間〜2日間、好ましくは20分間〜
10時間行われる。
【0060】以下に粒状ポリエチレンテレフタレートと
水蒸気または水蒸気含有ガスとの接触処理を工業的に行
なう方法を例示するが、これに限定されるものではな
い。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれであ
っても差し支えない。
水蒸気または水蒸気含有ガスとの接触処理を工業的に行
なう方法を例示するが、これに限定されるものではな
い。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれであ
っても差し支えない。
【0061】ポリエステルのチップをバッチ方式で水蒸
気と接触処理をする場合は、サイロタイプの処理装置が
挙げられる。すなわちポリエステルのチップをサイロへ
受け入れ、バッチ方式で、水蒸気または水蒸気含有ガス
を供給し接触処理を行なう。あるいは回転筒型の接触処
理装置に粒状ポリエチレンテレフタレートを受け入れ、
回転させながら接触処理を行ない接触をさらに効率的に
することもできる。
気と接触処理をする場合は、サイロタイプの処理装置が
挙げられる。すなわちポリエステルのチップをサイロへ
受け入れ、バッチ方式で、水蒸気または水蒸気含有ガス
を供給し接触処理を行なう。あるいは回転筒型の接触処
理装置に粒状ポリエチレンテレフタレートを受け入れ、
回転させながら接触処理を行ない接触をさらに効率的に
することもできる。
【0062】水または水蒸気と接触処理したポリエステ
ルチップは振動篩機、シモンカーターなどの水切り装置
で水切りし、乾燥工程へ移送する。当然のことながら水
切り装置でポリエステルチップと分離された水は前記の
ファイン除去の装置へ送られ、再度水処理に用いること
ができる。
ルチップは振動篩機、シモンカーターなどの水切り装置
で水切りし、乾燥工程へ移送する。当然のことながら水
切り装置でポリエステルチップと分離された水は前記の
ファイン除去の装置へ送られ、再度水処理に用いること
ができる。
【0063】ポリエステルチップの乾燥は通常用いられ
るポリエステルチップの乾燥処理を用いることができ
る。連続的に乾燥する方法としては上部よりポリエステ
ルチップを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパ
ー型の通気乾燥機が通常使用される。乾燥ガス量を減ら
し、効率的に乾燥する方法としては回転ディスク型加熱
方式の連続乾燥機が選ばれ、少量の乾燥ガスを通気しな
がら、回転ディスクや外部ジャケットに加熱蒸気、加熱
媒体などを供給した粒状ポリエステルチップを間接的に
乾燥することができる。
るポリエステルチップの乾燥処理を用いることができ
る。連続的に乾燥する方法としては上部よりポリエステ
ルチップを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパ
ー型の通気乾燥機が通常使用される。乾燥ガス量を減ら
し、効率的に乾燥する方法としては回転ディスク型加熱
方式の連続乾燥機が選ばれ、少量の乾燥ガスを通気しな
がら、回転ディスクや外部ジャケットに加熱蒸気、加熱
媒体などを供給した粒状ポリエステルチップを間接的に
乾燥することができる。
【0064】バッチ方式で乾燥する乾燥機としてはダブ
ルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えない
が、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子量
低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好まし
い。
ルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えない
が、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子量
低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好まし
い。
【0065】本発明のポリエステルに飽和脂肪酸モノア
ミド、不飽和脂肪酸モノアミド、飽和脂肪酸ビスアミ
ド、不飽和脂肪酸ビスアミド等を同時に併用することも
可能である。
ミド、不飽和脂肪酸モノアミド、飽和脂肪酸ビスアミ
ド、不飽和脂肪酸ビスアミド等を同時に併用することも
可能である。
【0066】飽和脂肪酸モノアミドの例としては、ラウ
リン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミ
ド、ベヘン酸アミド等が挙げられる。不飽和脂肪酸モノ
アミドの例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミ
ドリシノ−ル酸アミド等が挙げられる。飽和脂肪酸ビス
アミドの例としては、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウ
リン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチ
レンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリ
ン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド等が挙
げられる。また、不飽和脂肪酸ビスアミドの例として
は、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビ
スオレイン酸アミド等が挙げられる。好ましいアミド系
化合物は、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスア
ミド等である。このようなアミド化合物の配合量は、1
0ppb〜1×105ppmの範囲である。
リン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミ
ド、ベヘン酸アミド等が挙げられる。不飽和脂肪酸モノ
アミドの例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミ
ドリシノ−ル酸アミド等が挙げられる。飽和脂肪酸ビス
アミドの例としては、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウ
リン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチ
レンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリ
ン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド等が挙
げられる。また、不飽和脂肪酸ビスアミドの例として
は、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビ
スオレイン酸アミド等が挙げられる。好ましいアミド系
化合物は、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスア
ミド等である。このようなアミド化合物の配合量は、1
0ppb〜1×105ppmの範囲である。
【0067】また炭素数8〜33の脂肪族モノカルボン
酸の金属塩化合物、例えばナフテン酸、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、メリシン酸、
オレイン酸、リノ−ル酸等の飽和及び不飽和脂肪酸のリ
チュウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム
塩、カルシウム塩、及びコバルト塩等を同時に併用する
ことも可能である。これらの化合物の配合量は、10p
pb〜300ppmの範囲である。
酸の金属塩化合物、例えばナフテン酸、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、メリシン酸、
オレイン酸、リノ−ル酸等の飽和及び不飽和脂肪酸のリ
チュウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム
塩、カルシウム塩、及びコバルト塩等を同時に併用する
ことも可能である。これらの化合物の配合量は、10p
pb〜300ppmの範囲である。
【0068】本発明のポリエステルは、中空成形容器、
トレ−、2軸延伸フイルム等の包装材、金属缶被覆用フ
イルム等として好ましく用いることが出来る。また、本
発明のポリエステルは、多層成形体や多層フイルム等の
1構成層としても用いることが出来る。
トレ−、2軸延伸フイルム等の包装材、金属缶被覆用フ
イルム等として好ましく用いることが出来る。また、本
発明のポリエステルは、多層成形体や多層フイルム等の
1構成層としても用いることが出来る。
【0069】本発明のポリエステルには、必要に応じて
公知の紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、核剤、安定剤、帯
電防止剤、顔料などの各種の添加剤を配合してもよい。
公知の紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、核剤、安定剤、帯
電防止剤、顔料などの各種の添加剤を配合してもよい。
【0070】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定させるものではな
い。なお、本 明細書中における主な特性値の測定法を
以下に説明する。
が、本発明はこれらの実施例に限定させるものではな
い。なお、本 明細書中における主な特性値の測定法を
以下に説明する。
【0071】(1)ポリエステルの極限粘度(IV) 1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノ−ル
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
【0072】(2)ポリエステルのジエチレングリコ−
ル含有量(以下[DEG含有量」という) メタノ−ルにより分解し、ガスクロマトグラフィ−によ
りDEG量を定量し、全グリコ−ル成分に対する割合
(モル%)で表した。
ル含有量(以下[DEG含有量」という) メタノ−ルにより分解し、ガスクロマトグラフィ−によ
りDEG量を定量し、全グリコ−ル成分に対する割合
(モル%)で表した。
【0073】(3)密度 硝酸カルシュウム/水混合溶液の密度勾配管で30℃で
測定した。
測定した。
【0074】(4)ポリエステルの環状3量体の含有量
(以下「CT含有量」という) 試料300mgをヘキサフルオロイソプロパノ−ル/ク
ロロフォルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解
し、さらにクロロフォルム30mlを加えて希釈する。
これにメタノ−ル15mlを加えてポリマ−を沈殿させ
た後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルム
アミド10mlで定容とし、高速液体クロマトグラフ法
により環状3量体を定量した。
(以下「CT含有量」という) 試料300mgをヘキサフルオロイソプロパノ−ル/ク
ロロフォルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解
し、さらにクロロフォルム30mlを加えて希釈する。
これにメタノ−ル15mlを加えてポリマ−を沈殿させ
た後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルム
アミド10mlで定容とし、高速液体クロマトグラフ法
により環状3量体を定量した。
【0075】(5)ポリエステルのアセトアルデヒド含
有量(以下「AA含有量」という) 試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラス
アンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出
処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感
度ガスクロマトグラフィ−で測定し、濃度をppmで表
示した。
有量(以下「AA含有量」という) 試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラス
アンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出
処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感
度ガスクロマトグラフィ−で測定し、濃度をppmで表
示した。
【0076】(6)ファインの含有量測定 樹脂約0.5kgをJIS−Z−8801による呼び寸
法1.7mmの金網を張った篩(直径30cm)の上に
乗せ、上から0.1%のカチオン系界面活性剤(アルキ
ルトリメチルアンモニウムクロライド)水溶液を2L/
分の流量でシャワ−状にかけながら、全振幅幅約7c
m、60往復/1分で1分間篩った。この操作を繰り返
し、樹脂を合計10〜30kg篩った。篩い落とされた
ファインは界面活性剤水溶液と共に岩城硝子社製1G1
ガラスフィルタ−(細孔100〜120μm)で濾過し
て集め、イオン交換水で洗った。これをガラスフィルタ
−ごと乾燥器内で100℃で2時間乾燥後、冷却して秤
量した。再度、イオン交換水で洗浄、乾燥の同一操作を
繰り返し、恒量になったことを確認し、この重量からガ
ラスフィルタ−の重量を引き、ファイン重量を求めた。
ファイン含有量は、ファイン量/篩にかけた全樹脂量重
量、である。
法1.7mmの金網を張った篩(直径30cm)の上に
乗せ、上から0.1%のカチオン系界面活性剤(アルキ
ルトリメチルアンモニウムクロライド)水溶液を2L/
分の流量でシャワ−状にかけながら、全振幅幅約7c
m、60往復/1分で1分間篩った。この操作を繰り返
し、樹脂を合計10〜30kg篩った。篩い落とされた
ファインは界面活性剤水溶液と共に岩城硝子社製1G1
ガラスフィルタ−(細孔100〜120μm)で濾過し
て集め、イオン交換水で洗った。これをガラスフィルタ
−ごと乾燥器内で100℃で2時間乾燥後、冷却して秤
量した。再度、イオン交換水で洗浄、乾燥の同一操作を
繰り返し、恒量になったことを確認し、この重量からガ
ラスフィルタ−の重量を引き、ファイン重量を求めた。
ファイン含有量は、ファイン量/篩にかけた全樹脂量重
量、である。
【0077】(7)金型汚れの評価 ポリエステルを窒素を用いた乾燥機で乾燥し、名機製作
所製M−150C(DM)射出成型機により樹脂温度2
90℃でプリフォームを成形した。このプリフォームの
口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた
後、コ−ポプラスト社製LB−01延伸ブロー成型機を
用いて二軸延伸ブロー成形し、引き続き約155℃に設
定した金型内で10秒間熱固定し、500ccの中空成
形容器を得た。同様の条件で連続的に延伸ブロー成形
し、目視で判断して容器の透明性が損なわれるまでの成
形回数で金型汚れを評価した。また、ヘイズ測定用試料
としては、5000回連続成形後の容器の胴部を供し
た。
所製M−150C(DM)射出成型機により樹脂温度2
90℃でプリフォームを成形した。このプリフォームの
口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた
後、コ−ポプラスト社製LB−01延伸ブロー成型機を
用いて二軸延伸ブロー成形し、引き続き約155℃に設
定した金型内で10秒間熱固定し、500ccの中空成
形容器を得た。同様の条件で連続的に延伸ブロー成形
し、目視で判断して容器の透明性が損なわれるまでの成
形回数で金型汚れを評価した。また、ヘイズ測定用試料
としては、5000回連続成形後の容器の胴部を供し
た。
【0078】(8)ヘイズ(霞度%) 上記(7)の中空成形容器の胴部(肉厚約0.4mm)
より試料を切り取り、東洋製作所製ヘイズメ−タ−で測
定。
より試料を切り取り、東洋製作所製ヘイズメ−タ−で測
定。
【0079】(9)官能試験 上記(7)で得た中空容器に90℃の蒸留水を入れ密栓
後30分保持し、室温へ冷却し室温で1ヶ月間放置し、
開栓後風味、臭い等の試験を行った。比較用のブランク
として、蒸留水を使用。官能試験は10人のパネラーに
より次の基準により実施し、平均値で比較した。 (評価基準) 0:異味、臭いを感じない 1:ブランクとの差をわずかに感じる 2:ブランクとの差を感じる 3:ブランクとのかなりの差を感じる 4:ブランクとの非常に大きな差を感じる
後30分保持し、室温へ冷却し室温で1ヶ月間放置し、
開栓後風味、臭い等の試験を行った。比較用のブランク
として、蒸留水を使用。官能試験は10人のパネラーに
より次の基準により実施し、平均値で比較した。 (評価基準) 0:異味、臭いを感じない 1:ブランクとの差をわずかに感じる 2:ブランクとの差を感じる 3:ブランクとのかなりの差を感じる 4:ブランクとの非常に大きな差を感じる
【0080】(10)処理槽の処理水中の微粉量(pp
m) 処理槽の処理水中の排出口からJIS規格20メッシュ
のフィルターを通過した処理水を1000cc採取し、
岩城硝子社製1G1ガラスフィルターで濾過後、100
℃で2時間乾燥し室温下で冷却後、重量を測定して算出
する。
m) 処理槽の処理水中の排出口からJIS規格20メッシュ
のフィルターを通過した処理水を1000cc採取し、
岩城硝子社製1G1ガラスフィルターで濾過後、100
℃で2時間乾燥し室温下で冷却後、重量を測定して算出
する。
【0081】(11)処理水中のNa含有量、Ca含有
量、Mg含有量およびSi含有量 処理槽の処理水の排出口から処理水を採取し、岩城硝子
社製1G1ガラスフィルターで濾過後、濾液を島津製作
所製誘導結合プラズマ発光分析装置で測定。
量、Mg含有量およびSi含有量 処理槽の処理水の排出口から処理水を採取し、岩城硝子
社製1G1ガラスフィルターで濾過後、濾液を島津製作
所製誘導結合プラズマ発光分析装置で測定。
【0082】(実施例1)予め反応物を含有している第
1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグ
リコ−ルとのスラリ−を連続的に供給し、撹拌下、約2
50℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反
応を行った。この反応物を第2エステル化反応器に送付
し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2Gで所
定の反応度まで反応を行った。また、結晶性二酸化ゲル
マニウムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコ−ル
を添加加熱処理した触媒溶液および燐酸のエチレングリ
コ−ル溶液を別々にこの第2エステル化反応器に連続的
に供給した。このエステル化反応生成物を連続的に第1
重縮合反応器に供給し、撹拌下、約265℃、25to
rrで1時間重縮合させ、次いで、得られた初期縮合体
の溶融体を不活性ガスが流通され、加熱された反応容器
に連続的に供給し、該反応容器内に設けられたスリット
状の口金から実質的に垂直に垂らした板状支持体に沿っ
て流しながら重縮合した。チップ化したプレポリマ−の
極限粘度は0.55デシリットル/グラムであった。ひ
きつづき、このチップを窒素雰囲気下、約155℃で結
晶化し、さらに窒素雰囲気下で約200℃に予熱後、連
続固相重合反応器に送り窒素雰囲気下で約207℃で固
相重合した。固相重合後篩分工程およびファイン除去工
程で連続的に処理しファインを除去した。得られたPE
Tの極限粘度は0.74デシリットル/グラム、環状3
量体の含有量は0.28重量%、密度は1.412g/
cm3であった。
1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグ
リコ−ルとのスラリ−を連続的に供給し、撹拌下、約2
50℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反
応を行った。この反応物を第2エステル化反応器に送付
し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2Gで所
定の反応度まで反応を行った。また、結晶性二酸化ゲル
マニウムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコ−ル
を添加加熱処理した触媒溶液および燐酸のエチレングリ
コ−ル溶液を別々にこの第2エステル化反応器に連続的
に供給した。このエステル化反応生成物を連続的に第1
重縮合反応器に供給し、撹拌下、約265℃、25to
rrで1時間重縮合させ、次いで、得られた初期縮合体
の溶融体を不活性ガスが流通され、加熱された反応容器
に連続的に供給し、該反応容器内に設けられたスリット
状の口金から実質的に垂直に垂らした板状支持体に沿っ
て流しながら重縮合した。チップ化したプレポリマ−の
極限粘度は0.55デシリットル/グラムであった。ひ
きつづき、このチップを窒素雰囲気下、約155℃で結
晶化し、さらに窒素雰囲気下で約200℃に予熱後、連
続固相重合反応器に送り窒素雰囲気下で約207℃で固
相重合した。固相重合後篩分工程およびファイン除去工
程で連続的に処理しファインを除去した。得られたPE
Tの極限粘度は0.74デシリットル/グラム、環状3
量体の含有量は0.28重量%、密度は1.412g/
cm3であった。
【0083】ISP社製のGAFフィルターバッグPE
−1P2S(ポリエステルフェルト、濾過精度1μm)
である水中の粒子除去装置(9)を設置し、この装置
(9)を経由したイオン交換水の導入口(8)、処理槽
上部の原料チップ供給口(1)、処理槽の処理水上限レ
ベルに位置するオーバーフロー排出口(2)、処理槽下
部のポリエステルチップと処理水の混合物の排出口
(3)、オーバーフロー排出口から排出された処理水
と、処理槽下部の排出口から排出されたポリエステルチ
ップの水切り装置である(連続式遠心分離機)(4)を
経由した処理水が、濾材が紙製の30μmのベルト式フ
ィルターである濾過装置(5)を経由して再び水処理槽
へ送る配管(6)、これらのファイン除去済み処理水の
導入口(7)およびファイン除去済み処理水中のアセト
アルデヒドやグリコ−ル等を吸着処理させる吸着塔(1
0)を備えた内容量500リットルの塔型の、図1に示
す処理槽を使用して上記のPETチップを水処理した。
PETチップを処理水温度95℃にコントロールされた
水処理槽へ50kg/時間の速度で処理槽の上部(1)
から連続投入を開始した。投入開始から1.5時間経過
後に、PETチップの水処理槽への投入を続けたまま水
処理槽の下部(3)からPETチップを50kg/時間
の速度で処理水ごと抜出しを開始すると共に、風力を利
用した連続式遠心脱水装置(4)を経由した処理水を濾
過装置(5)を経由して再び水処理槽に戻して繰り返し
使用を開始した。なお、処理槽より排出する処理水中の
微粉量は約30ppmであった。100時間連続運転
後、平均処理時間1.5時間の水処理したPETの極限
粘度は0.74デシリットル/グラム、DEG含有量は
2.8モル%、AA含有量は2.5ppm、環状3量体
の含有量は0.28重量%、環状3量体の増加量は0.
05重量%、ファイン含有量は約5ppmであった。ま
た、原子吸光分析により測定したGe原子の含有量は1
5ppm、P含有量は10ppmであった。このPET
を用いて(7)の方法で得られた容器のヘイズは0.5
%で優れた透明性を示す。また、金型汚れまでの成形回
数は15000回と問題がなかった。ボトルのAA含有
量は15.4ppmと問題のない値であった。官能試験
の結果は0.6と良好で、本発明のポリエステルを用い
ると、透明性に優れ、内容物の味覚に影響を与えない中
空成形容器、フィルム、シート等を製造可能であること
が分かる。
−1P2S(ポリエステルフェルト、濾過精度1μm)
である水中の粒子除去装置(9)を設置し、この装置
(9)を経由したイオン交換水の導入口(8)、処理槽
上部の原料チップ供給口(1)、処理槽の処理水上限レ
ベルに位置するオーバーフロー排出口(2)、処理槽下
部のポリエステルチップと処理水の混合物の排出口
(3)、オーバーフロー排出口から排出された処理水
と、処理槽下部の排出口から排出されたポリエステルチ
ップの水切り装置である(連続式遠心分離機)(4)を
経由した処理水が、濾材が紙製の30μmのベルト式フ
ィルターである濾過装置(5)を経由して再び水処理槽
へ送る配管(6)、これらのファイン除去済み処理水の
導入口(7)およびファイン除去済み処理水中のアセト
アルデヒドやグリコ−ル等を吸着処理させる吸着塔(1
0)を備えた内容量500リットルの塔型の、図1に示
す処理槽を使用して上記のPETチップを水処理した。
PETチップを処理水温度95℃にコントロールされた
水処理槽へ50kg/時間の速度で処理槽の上部(1)
から連続投入を開始した。投入開始から1.5時間経過
後に、PETチップの水処理槽への投入を続けたまま水
処理槽の下部(3)からPETチップを50kg/時間
の速度で処理水ごと抜出しを開始すると共に、風力を利
用した連続式遠心脱水装置(4)を経由した処理水を濾
過装置(5)を経由して再び水処理槽に戻して繰り返し
使用を開始した。なお、処理槽より排出する処理水中の
微粉量は約30ppmであった。100時間連続運転
後、平均処理時間1.5時間の水処理したPETの極限
粘度は0.74デシリットル/グラム、DEG含有量は
2.8モル%、AA含有量は2.5ppm、環状3量体
の含有量は0.28重量%、環状3量体の増加量は0.
05重量%、ファイン含有量は約5ppmであった。ま
た、原子吸光分析により測定したGe原子の含有量は1
5ppm、P含有量は10ppmであった。このPET
を用いて(7)の方法で得られた容器のヘイズは0.5
%で優れた透明性を示す。また、金型汚れまでの成形回
数は15000回と問題がなかった。ボトルのAA含有
量は15.4ppmと問題のない値であった。官能試験
の結果は0.6と良好で、本発明のポリエステルを用い
ると、透明性に優れ、内容物の味覚に影響を与えない中
空成形容器、フィルム、シート等を製造可能であること
が分かる。
【0084】(比較例1)実施例1の第2エステル化反
応器への二酸化ゲルマニウムおよび燐酸の添加量を増や
して、固相重合後のPET中のGe原子の含有量を63
ppm、P原子の含有量を35ppmとする以外は実施
例1と同様にしてPETを製造した。PETの極限粘度
は0.74デシリットル/グラム、DEG含有量は2.
8モル%、AA含有量は3.8ppm、環状3量体の含
有量は0.30重量%、環状3量体の増加量は0.40
重量%、ファイン含有量は約5ppmであった。また、
(7)の方法で得られた容器のヘイズは6.6%と悪く
また、金型汚れまでの成形回数は4000回と低かっ
た。また、実施例1と同様にして二軸延伸ブロー成形し
て得た中空成形容器の官能試験結果は、3.5と非常に
悪かった。
応器への二酸化ゲルマニウムおよび燐酸の添加量を増や
して、固相重合後のPET中のGe原子の含有量を63
ppm、P原子の含有量を35ppmとする以外は実施
例1と同様にしてPETを製造した。PETの極限粘度
は0.74デシリットル/グラム、DEG含有量は2.
8モル%、AA含有量は3.8ppm、環状3量体の含
有量は0.30重量%、環状3量体の増加量は0.40
重量%、ファイン含有量は約5ppmであった。また、
(7)の方法で得られた容器のヘイズは6.6%と悪く
また、金型汚れまでの成形回数は4000回と低かっ
た。また、実施例1と同様にして二軸延伸ブロー成形し
て得た中空成形容器の官能試験結果は、3.5と非常に
悪かった。
【0085】
【発明の効果】本発明のポリエステルによれば、射出成
形の溶融時における環状3量体の増加をさらに抑えるこ
とによって成形金型の汚れを発生させにくく、透明性の
よい、耐熱寸法安定性が優れ、また残留異味、異臭が少
ない中空成形体を得ることができる。
形の溶融時における環状3量体の増加をさらに抑えるこ
とによって成形金型の汚れを発生させにくく、透明性の
よい、耐熱寸法安定性が優れ、また残留異味、異臭が少
ない中空成形体を得ることができる。
【図1】 本発明のポリエステルの製造方法に用いる装
置の概略図。
置の概略図。
1 原料チップ供給口 2 オーバーフロー排出口 3 ポリエステルチップと処理水との排出口 4 水切り装置 5 ファイン除去装置 6 配管 7 処理水導入口 8 イオン交換水導入口 9 粒子除去装置 10 吸着塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/00 C08J 5/18 5/18 C08L 67:02 // C08L 67:02 B65D 1/00 A (72)発明者 衛藤 嘉孝 滋賀県滋賀郡志賀町高城248番の20 Fターム(参考) 3E033 BA17 BB04 CA07 CA18 CA20 FA03 4F070 AA47 AB21 AC12 AC88 AD10 BA07 BB08 4F071 AA46 AA88 AB06 AH05 BA01 BB08 BC01 BC04 4J029 AA03 AB01 AB07 AC02 AE01 AE03 BA03 BB13A BD03A BF08 BF09 BF17 BF26 CB05A CB06A CB10A CB12A CB12B CC05A CC06A HA01 HB01 JF361 KE03 KE12 KF09 KH08
Claims (9)
- 【請求項1】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レ−トであるポリエステルであって、該ポリエステル中
のGe原子の含有量が30ppm以下、環状3量体含有
量が0.35重量%以下であり、且つ290℃の温度で
60分間溶融した時の環状3量体の増加量が0.30重
量%以下あることを特徴とするポリエステル。 - 【請求項2】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レ−トであるポリエステルであって、該ポリエステルの
低重合体又は初期縮合体を薄い膜状または細い繊維状で
溶融重縮合して得た極限粘度が0.30〜0.80デシ
リットル/グラム、Ge原子の含有量が30ppm以下
のポリエステルプレポリマ−を固相重合することにより
製造することを特徴とする請求項1に記載のポリエステ
ル。 - 【請求項3】 共重合されたジエチレングリコ−ル含有
量が、該ポリエステルを構成するグリコ−ル成分の1.
0〜5.0モル%であることを特徴とする請求項1ない
し2に記載のポリエステル。 - 【請求項4】 アセトアルデヒド含有量が、10ppm
以下であることを特徴とする請求項1〜3に記載のポリ
エステル。 - 【請求項5】 ポリエステルが、重縮合後チップ状に形
成したものを、処理槽中において下記(a)および
(b)の条件を満たす処理水で処理されたものであるこ
とを特徴とする請求項1〜4に記載のポリエステル。 (a)温度40〜120℃ (b)処理槽からの排水を含む処理水 - 【請求項6】 ポリエステルが、重縮合後チップ状に形
成したものを、処理槽中において下記(c)の条件を満
たす処理水で処理されたものであることを特徴とする請
求項1〜5に記載のポリエステル。 (c)ポリエステルの微粉の含有量が1000ppm以
下の処理水 - 【請求項7】 請求項1〜6に記載のポリエステルから
なることを特徴とする中空成形体。 - 【請求項8】 請求項1〜6に記載のポリエステルを押
出成形してなることを特徴とするシ−ト状物。 - 【請求項9】 請求項8記載のシ−ト状物を少なくとも
1方向に延伸してなることを特徴とする延伸フイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000057363A JP2001247659A (ja) | 2000-03-02 | 2000-03-02 | ポリエステル、それからなる中空成形体、シ−ト状物及び延伸フイルム |
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JP2000057363A JP2001247659A (ja) | 2000-03-02 | 2000-03-02 | ポリエステル、それからなる中空成形体、シ−ト状物及び延伸フイルム |
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JP2001247659A true JP2001247659A (ja) | 2001-09-11 |
Family
ID=18578171
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000057363A Pending JP2001247659A (ja) | 2000-03-02 | 2000-03-02 | ポリエステル、それからなる中空成形体、シ−ト状物及び延伸フイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001247659A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006150957A (ja) * | 2004-11-05 | 2006-06-15 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル予備成形体の製造方法およびポリエステル延伸成形体の製造方法 |
-
2000
- 2000-03-02 JP JP2000057363A patent/JP2001247659A/ja active Pending
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JP2006150957A (ja) * | 2004-11-05 | 2006-06-15 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル予備成形体の製造方法およびポリエステル延伸成形体の製造方法 |
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