JP2001018105A - ドリル加工装置の運転方法および運転装置 - Google Patents

ドリル加工装置の運転方法および運転装置

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JP2001018105A
JP2001018105A JP11194787A JP19478799A JP2001018105A JP 2001018105 A JP2001018105 A JP 2001018105A JP 11194787 A JP11194787 A JP 11194787A JP 19478799 A JP19478799 A JP 19478799A JP 2001018105 A JP2001018105 A JP 2001018105A
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drill
work
drilling
axis direction
spindle head
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JP11194787A
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Mitsuo Nagura
満雄 名倉
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Daido Machinery Ltd
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Daido Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定盤に位置決め載置したワークに孔あけ加工
する際に要する時間を短縮し、作業能率を向上する。 【解決手段】 ワーク12の第1番目の孔あけ予定位置
1へ到来させたドリル30を、退避位置Lから第1加
工開始位置M1まで早送りする。ドリル30を第1加工
開始位置M1からワーク12に向けて加工送り速度で送
って切削を行なう。ドリル30を回転するモータの負荷
電流を監視している監視手段から比較部に入力される実
際の負荷電流値が設定電流値を越えたと判定されると、
該比較部から演算部にワーク上面検出信号が出力され
る。演算部は、ワーク上面検出信号が出力された時点の
位置を第1ワーク上面位置W1として、ドリル30の加
工送り量を演算すると共に、第2番目孔あけ予定位置P
2における第2加工開始位置M2を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ドリル加工装置
の運転方法および運転装置に関し、更に詳細には、定盤
上に位置決め載置したワークの多数の孔あけ予定位置を
ドリルで順次孔あけ加工するに際し、ワークを実際に加
工していない無駄な時間を短かくし得るようにしたドリ
ル加工装置の運転方法および運転装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】定盤上に位置決め載置したワークに各種
の機械加工を施す装置として、主軸ヘッドを座標系のY
軸方向(左右)、X軸方向(前後)およびZ軸方向(上下)に
移動自在に配設し、該ヘッドに配設した回転主軸の先端
に各種の切削工具を着脱交換可能に装着したドリル加工
装置が知られている。例えば、図4および図5に示すド
リル加工装置10では、ワーク12の固定用定盤14を
挟む左右両側の床面に、一対のレール16,16がX軸
方向に沿って平行に敷設される。また各レール16には
台車18が走行自在に載架されると共に、両台車18,
18間にガーダ20がY軸方向に架設され、適宜の送り
機構により台車18,18を該レール16,16に沿って
走行させることにより、該ガーダ20がX軸方向に移動
するよう構成されている。このガーダ20の前面にはサ
ドル22が配設され、このサドル22は、例えばラック
とピニオンの組合わせからなる適宜の送り機構(図示せ
ず)によってY軸方向へ走行可能になっている。また前
記サドル22には主軸へッド24が昇降自在に配設さ
れ、該主軸ヘッド24は、ボールねじとナットとの組合
わせ等からなる適宜の送り機構(図示せず)により、Z軸
方向(ワーク12に対して近接・離間する方向)に昇降駆
動されるよう構成してある。この主軸ヘッド24は、モ
ータ26により駆動される回転主軸28を回転自在に備
え、該主軸28の一端にドリル30が着脱交換自在に装
着されている。
【0003】前記ドリル加工装置10での孔あけ加工
は、前記ドリル30の先端(下端)をワーク12と干渉し
ない退避位置Lに臨ませた状態で、前記主軸ヘッド24
をX軸方向およびY軸方向に移動して、ドリル30をワ
ーク12の孔あけ予定位置の上方へ到来させる。次い
で、主軸ヘッド24を下降(Z軸方向に移動)して、ドリ
ル30の先端が、図6に示すように、ワーク上面から所
定距離離間する加工開始位置Mに到るまで退避位置Lか
ら早送りする。ドリル30を加工回転数で回転させた状
態(加工運転状態)としたもとで、主軸ヘッド24を加工
送り速度で更に下降することにより、該ドリル30でワ
ーク12が切削されて孔あけ加工が行なわれる。そし
て、ドリル30の先端がワーク下面から所定長さだけ突
抜けた加工完了位置Nに到来した時点で、主軸ヘッド2
4を上昇して該ドリル30を退避位置Lに戻した後、主
軸ヘッド24をX軸方向およびY軸方向に移動して、ド
リル30をワーク12の次の孔あけ予定位置まで移動す
るシーケンスが反復されることで、ワーク12に多数の
孔があけられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】長尺なワーク12に孔
あけ加工を行なう場合は、これに対応して定盤14も長
尺となる。このような長尺な定盤14では、ワーク12
が位置決め載置される上面の水平度を確保することは困
難で、該上面レベルにバラツキ(凹凸)を生じており、従
って定盤14に位置決め載置されたワーク12の上面レ
ベルにもバラツキが生じることは避けられず、前記ドリ
ル加工装置10によるワーク12の切削不足あるいは切
削過多を生ずるおそれがある。なお、定盤14における
上面の水平度は、定盤自体の加工精度を向上すると共に
その据付け床面の基礎工事を充分に行なうことで確保可
能ではあるが、この場合には費用が極めて高騰する問題
がある。従って、一般には定盤14の上面レベルにバラ
ツキがあることを前提として、前記ドリル30の加工開
始位置Mおよび加工完了位置Nを、そのバラツキを見込
んで余裕をもって設定する対策が採用されている。
【0005】この場合において、前記ドリル30は加工
開始位置Mから加工完了位置Nまで送られる間は、前記
ワーク12を切削可能な加工運転状態となっているが、
実際にワーク12を切削している正味加工時間に対し、
加工開始位置Mからワーク上面までの間およびワーク下
面から加工完了位置Nまでの間は、実際にはワーク12
を切削していない無駄な時間(エアカット時間)であっ
た。しかるに、前述したように定盤14における上面レ
ベルのバラツキを見込んで加工開始位置Mおよび加工完
了位置Nを余裕をもって設定しているため、前記エアカ
ット時間が長くなって孔あけ加工に時間が掛かる問題が
あった。すなわち、ワーク12には多数の孔あけを行な
う必要から、前述した無駄なエアカット時間が積重なっ
て、作業能率が著しく低下する問題を招いていた。
【0006】そこで、ワーク12のクランプ装置を装備
するドリル加工装置10では、該クランプ装置に取付け
た位置検出器でワーク12における孔あけ予定位置の上
面位置を計測し、この計測値に基づいて加工開始位置M
および加工完了位置Nを設定することで、エアカット時
間を短縮する試みがなされている。しかし、孔あけ予定
位置には切屑や切粉が残留している場合が多く、該切屑
や切粉によって位置検出器でワーク12の上面位置を正
確に計測できず、ワーク12の切削不足あるいは切削過
多を生ずるおそれがあり、それ故に依然としてバラツキ
を見込んで加工開始位置Mおよび加工完了位置Nを設定
せざるを得ず、充分な効果が得られていないのが実状で
ある。
【0007】
【発明の目的】この発明は、前述した従来の技術に内在
している欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案さ
れたものであって、定盤に位置決め載置したワークに孔
あけ加工する際に要する時間を短縮し、作業能率を向上
し得るドリル加工装置の運転方法および運転装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決し、
所期の目的を好適に達成するため、本発明に係るドリル
加工装置の運転方法は、孔あけ加工されるべきワークが
載置される定盤と、この定盤の上方で座標系のX軸方
向、Y軸方向およびZ軸方向に移動自在な主軸ヘッド
と、該主軸ヘッドの回転主軸に装着したドリルとを備
え、前記主軸ヘッドをX軸方向およびY軸方向に移動さ
せて該ドリルをワークの孔あけ予定位置に到来させるよ
うにしたドリル加工装置において、前記主軸ヘッドをZ
軸方向に移動させて、孔あけ予定位置に対して設定され
た加工開始位置から加工送り速度で送られるドリルによ
りワークに孔あけを行なうに際し、該ドリルに加わる負
荷を監視し、その負荷が予め設定された設定値を越えた
時にワークの上面位置を検出し、この検出されたワーク
上面位置に基づいて、次の孔あけ予定位置における加工
開始位置を設定することを特徴とする。
【0009】また前述した課題を解決し、所期の目的を
好適に達成するため、本願の別の発明に係るドリル加工
装置の運転装置は、加工されるべきワークが載置される
定盤と、この定盤の上方で座標系のX軸方向、Y軸方向
およびZ軸方向に移動自在な主軸ヘッドと、該主軸ヘッ
ドの回転主軸に装着したドリルとを備え、、前記主軸ヘ
ッドをX軸方向およびY軸方向に移動させて該ドリルを
ワークの孔あけ予定位置に到来させ、該孔あけ予定位置
に対して設定された加工開始位置から加工送り速度でド
リルを送ってワークに孔あけを行なうよう主軸ヘッドが
Z軸方向に移動されるドリル加工装置において、孔あけ
運転に必要な各種制御データの入力記憶を行なう記憶部
と、前記ドリルに加わる負荷を監視する監視手段と、前
記監視手段からの負荷データを、前記記憶部に記憶され
ている設定負荷と比較する比較部と、前記負荷データが
設定負荷を越えたと比較部が判定した際に、前記ドリル
の加工送り量および次の孔あけ予定位置の加工開始位置
を演算する演算部と、前記演算部での演算データに基づ
いて前記主軸ヘッドを移動制御する制御手段とから構成
したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るドリル加工装
置の運転方法および運転装置につき、好適な実施例を挙
げて、添付図面を参照しながら以下説明する。好適例に
係る運転方法を実施するドリル加工装置は、図4および
図5に関して説明した構成を有しているので、その詳細
説明は省略する。また孔あけ加工がなされるワーク12
は、定盤14の上面に位置決め載置されて、多数の孔あ
け予定位置P1,P2,P3・・・を有している。
【0011】実施例に係るドリル加工装置の運転装置
は、図1に示す制御手段32を備え、該制御手段32
は、記憶部34、比較部36および演算部38を有して
いる。この制御手段32には、キーボード等からなるデ
ータ入力手段40が接続され、該手段40により孔あけ
運転に必要な各種の制御データの入力が行なわれる。こ
の制御データとしては、ワーク12の孔あけ予定位置P
1,P2,P3・・・、ワーク12の板厚D、主軸回転数、加工
送り速度、平均定盤レベルの他に、 第1番目(最初)の孔あけ予定位置P1に対する第1加
工開始位置M1、 ワーク12の下面に対するドリル30の突抜け量T、 各孔あけ予定位置P1,P2,P3・・・に対応するワーク上
面位置W1,W2,W3・・・を検出するためのワーク上面検出
係数α、 ワーク上面検出時の切込み量K、 第2番目以降の(次の)孔あけ予定位置P2,P3・・・に対
する加工開始位置M2,M 3・・・を設定するためのワーク表
面検出誤差を見込んだ補正値β、等の入力が行なわれ
る。そして、これらの入力値が前記記憶部34に記憶さ
れ、その記憶データに基づいてドリル加工装置10が運
転制御される。
【0012】ここで、前記突抜け量Tは、ドリル30で
ワーク12に完全な孔があけられた時点での、該ドリル
30の先端がワーク下面から突出する長さであって、ド
リル先端に形成されたテーパ部30aに連なる等径部3
0bがワーク下面から僅かに突抜けた位置で設定される
(図2(c)参照)。なお、このときのドリル30の先端位
置が加工完了位置Nとなる。またワーク上面検出係数α
は、ドリル30によるワーク12の孔あけに際してワー
ク上面位置W1,W2,W3・・・を検出するための設定電流値
(設定負荷)を設定するために用いられる係数である(無
負荷電流値×ワーク上面検出係数α=設定電流値)。更
に切込み量Kは、前記モータ26の負荷電流が設定電流
値となったときに、ドリル30が実際にワーク12を切
込んでいる量である(図2(b)参照)。なお、前記ワーク
上面検出係数αは、ワーク12の材質(硬さ)等に応じて
設定変更される。
【0013】前記制御手段32には、前記ドリル30に
加わる負荷、すなわちドリル30の回転時における前記
モータ26の負荷電流を監視する監視手段42が接続さ
れ、該監視手段42からの負荷電流値に関する負荷デー
タが、前記比較部36に常時入力されるようになってい
る。そして比較部36では、前記監視手段42から入力
される負荷電流値(負荷データ)が、ドリル30によりワ
ーク12を切削していない無負荷状態の無負荷電流値に
前記ワーク上面検出係数αを掛けた設定電流値を越えた
か否かを判定(あるいは一致したか否かを判定)し、越え
た時(一致した時)にワーク上面検出信号を前記演算部3
8に出力する。なお、ワーク上面検出信号が出力された
時点では、ドリル30は設定電流値に対応する量(例え
ば1.5〜2.2mm)だけワーク上面から切込んでお
り、実際のワーク上面位置は、〔ワーク上面検出信号が
出力された位置+切込み量K〕であるが、実施例ではワ
ーク上面検出信号が出力された位置を、ワーク上面位置
1,W2,W3・・・と仮定して制御するよう構成される。
【0014】前記演算部38では、前記設定電流値に対
応するドリル30のワーク上面からの切込み量Kと、ワ
ーク12の板厚Dおよび突抜け量Tから、ワーク上面検
出信号が出力された時点のドリル位置(ワーク上面位置
1,W2,W3・・・)からの加工送り量(板厚D+突抜け量T
−切込み量K)を演算する。そして、この演算部38で
演算された加工送り量データに基づき、前記制御手段3
2は主軸ヘッド24の送り機構に制御指令を与える。ま
た演算部38では、前記ワーク12のワーク上面位置W
1,W2,W3・・・と切込み量Kおよび前記補正値βとから、
次の孔あけ予定位置に対するドリル30の加工開始位置
2,M3・・・(ワーク上面位置W1(W2,W3・・・)+切込み量
K+補正値β)を演算し、このデータが記憶部34に記
憶されるようになっている。
【0015】なお実施例のように、前の孔あけ予定位置
1,P2,P3・・・のワーク上面位置W 1,W2,W3・・・に基づ
いて、次の孔あけ予定位置P2,P3・・・の加工開始位置M
2,M 3・・・を設定しても、ワーク30に支障なく孔あけを
行なうことができる。すなわち、定盤14における上面
レベルのバラツキに起因してワーク12の上面位置にバ
ラツキがあっても、隣接する孔あけ予定位置の離間間隔
が短かければ、そのバラツキは極めて僅かであるからで
ある。
【0016】
【実施例の作用】次に、前述した実施例に係るドリル加
工装置の運転装置の作用につき、運転方法との関係で説
明する。前記主軸ヘッド24をX軸方向およびY軸方向
に移動し、退避位置Lに保持している前記ドリル30を
ワーク12の第1番目の孔あけ予定位置P1へ到来させ
た後、該主軸ヘッド24をZ軸方向に下降してドリル3
0を第1加工開始位置M1まで早送りする(図2(a)参
照)。この第1加工開始位置M1は、前記定盤14におけ
る上面レベルのバラツキを見込んで、前記記憶部34に
記憶されている前記平均定盤レベルを基に余裕をもって
設定された位置である。
【0017】次いで、前記ドリル30を加工回転数で回
転したもとで、前記主軸ヘッド24を下降してドリル3
0を第1加工開始位置M1からワーク12に向けて加工
送り速度で送ることで、該ドリル30によるワーク12
の切削を行なう。ドリル30がワーク12に接触して実
際に切削を開始すると(図2(b)参照)、前記モータ26
の負荷電流は無負荷時に比べて上昇する。そして、モー
タ26の負荷電流を監視している前記監視手段42から
比較部36に入力される実際の負荷電流値が、無負荷電
流値にワーク上面検出係数αを掛けた設定電流値を越え
たと判定されると、該比較部36から前記演算部38に
ワーク上面検出信号が出力される。この演算部38で
は、ワーク上面検出信号が出力された時点の位置を、第
1ワーク上面位置W1として、前述したようにドリル3
0の加工送り量(板厚D+突抜け量T−切込み量K)を演
算し、その加工送り量データに基づいて主軸ヘッド24
の送り機構が制御される。また、第2番目(次の)孔あけ
予定位置P2における第2加工開始位置M2(第1ワーク
上面位置W1+切込み量K+補正値β)が演算され、この
データが記憶部38に記憶される。
【0018】前記演算により求められた加工送り量だけ
ドリル30が下降することで、ワーク12には完全に孔
があけられる(図2(c)参照)。このときの加工送り量
は、実際のワーク12の上面位置(第1ワーク上面位置
1)に基づいて設定されるものであるから、ドリル30
のワーク下面に対する突抜け量Tは必要最小となり、ド
リル30によりワーク12に完全な孔があけられた以後
に生ずるエアカット時間(ワーク下面から加工完了位置
Nまでに要する時間)を短縮し得る。
【0019】次に、前記主軸ヘッド24を上昇してドリ
ル30を退避位置Lまで後退した状態で、該主軸ヘッド
24をX軸方向およびY軸方向に移動してドリル30を
第2番目の(次の)孔あけ予定位置P2に到来させる。そ
して、この第2番目の孔あけ予定位置P2においては、
第1番目の(前の)孔あけ予定位置P1での孔あけに際し
て求められた第2加工開始位置M2までドリル30を早
送りした後、該ドリル30を加工回転数で回転したもと
で、ワーク12の孔あけ加工を行なう(図3参照)。前述
したように、定盤14における上面レベルのバラツキに
起因してワーク12の上面位置にバラツキがあっても、
隣接する孔あけ予定位置P1,P2の上面位置のバラツキ
は極めて僅かであるから、第1番目の孔あけ予定位置P
1のワーク上面位置W1に基づいて、第2番目の孔あけ予
定位置P2の加工開始位置M2を設定しても、ドリル30
の先端がワーク上面から大きく離間したりワーク30に
干渉することはない。そして、この第2番目の孔あけ予
定位置P2における孔あけ加工に際しても、前述したと
同様に実際の負荷電流値が設定電流値を越えた時に、加
工送り量および第3番目の(次の)孔あけ予定位置P3
おける第3加工開始位置M3(第2ワーク上面位置W2
切込み量K+補正値β)を求めて記憶し、このデータに
基づいて主軸ヘッド24が制御されて、ワーク12に孔
あけ加工を行なう。
【0020】すなわち実施例の運転装置では、ドリル3
0で実際にワーク12を切削した際の負荷電流の変化に
基づいてワーク上面位置W1,W2,W3・・・を求め、これに
よりドリル30の加工送り量を設定するので、定盤14
における上面レベルのバラツキに起因してワーク12の
上面位置にバラツキがあっても、切削不足を生ずること
はない。またワーク上面に存在する切屑や切粉に影響さ
れることなく、正確にワーク上面位置W1,W2,W3・・・を
検出することができる。更には、孔あけ加工に際して検
出した正確なワーク上面位置W1,W2,W3・・・に基づい
て、次の孔あけ予定位置P2,P3・・・における加工開始位
置M2,M3・・・を設定するので、最初(第1番目)の孔あけ
予定位置P1における第1加工開始位置M1については、
従来と同様のエアカット時間を要するが、以降の孔あけ
予定位置P2,P3・・・における加工開始位置M2,M3・・・
は、ワーク上面から僅かに離間する位置(補正値βだけ
離間する位置)に設定することが可能となる。従って、
孔あけ加工に際して無駄な時間であるエアカット時間を
極めて短縮し得るから、作業能率を向上することができ
る。
【0021】またドリル30の加工送り量を正確に設定
し得るから、従来のように定盤14の上面レベルのバラ
ツキを見込んで余裕をもった加工完了位置Nを設定する
必要はない。すなわち、ワーク12の板厚Dに対して必
要最小の突抜け量Tを設定すればよく、ドリル30のワ
ーク12下面からの突抜け後のエアカット時間を短縮す
ることができる。
【0022】
【変更例】実施例ではワーク上面位置を負荷電流の変化
により検出し、その検出されたワーク上面位置を基にド
リルの加工送り量を求めたが、ドリルの加工完了位置を
負荷電流の変化により検出してもよい。すなわち、ドリ
ルがワークを突抜けたときには負荷電流値が低下するか
ら、これを検出した時点を加工完了位置として判定し
て、主軸ヘッドを上昇させてドリルを退避位置に移動す
る制御を行なうようにしてもよい。
【0023】なお、実施例ではドリルを回転駆動するモ
ータの負荷電流を監視する場合で説明したが、ドリルま
たは回転主軸あるいは主軸ヘッドの送り機構に監視手段
を接続して負荷電流を監視するようにしてもよい。ま
た、実施例ではワーク上面検出信号が出力された位置
を、ワーク上面位置と仮定して制御するようにしたが、
ワーク上面検出信号が出力された位置に切込み量Kを加
算した位置をワーク上面位置として、次の孔あけ予定位
置における加工開始位置を設定することも可能である。
すなわち、この場合の加工開始位置は、〔前のワーク上
面位置+補正値〕となる。
【0024】更に実施例では、複数の孔あけ予定位置に
順次孔あけ加工を行なうに際し、前の孔あけ加工に際し
て求めたワーク上面位置に基づいて次の孔あけ予定位置
における加工開始位置を設定しているから、上面レベル
にバラツキがある定盤に載置されているワークの上面レ
ベルにバラツキがあっても、前述したように切削不足あ
るいは切削過多を生ずるこなくエアカット時間を短縮す
ることができる。しかし、前の孔あけ予定位置と次の孔
あけ予定位置とが大きく離れている場合は、前の孔あけ
予定位置のワーク上面位置(レベル)と次の孔あけ予定位
置のワーク上面位置(レベル)とが大きく異なる場合が考
えられる。従って、複数の孔あけ予定位置に順次孔あけ
加工を行なうに際し、前の孔あけ予定位置に対して次の
孔あけ予定位置が、予め設定された距離だけ離れている
場合には、該次の孔あけ予定位置の加工開始位置につい
ては、前の孔あけ予定位置のワーク上面位置に基づいて
設定するのではなく、ワーク上面レベルのバラツキを見
込んで前記平均定盤レベルを基に加工開始位置を設定す
る制御を行なうようにしたり、または補正値βを割り増
しして加工開始位置を設定する制御を行なうようにする
ことが推奨される。
【0025】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係るドリ
ル加工装置の運転方法および運転装置によれば、ドリル
に加わる負荷を監視することでワーク上面位置を検出
し、このワーク上面位置に基づいて次の孔あけ予定位置
の加工開始位置を設定することで、無駄な加工時間を削
減することができ、孔あけ加工に要する時間を短縮して
作業能率を向上し得る。また、高価な定盤や大掛かりな
基礎工事等を行なう必要もないので、製作費を低減し得
る利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係るドリル加工装置の
運転装置を示すブロック図である。
【図2】実施例の運転装置で制御されるドリル加工装置
のドリルにより第1番目の孔あけ予定位置に孔あけを行
なう工程を示す説明図である。
【図3】実施例の運転装置で制御されるドリル加工装置
のドリルにより複数の孔あけ予定位置に順次孔あけを行
なう工程を示す説明図である。
【図4】ガントリー式ドリル加工装置の概略斜視図であ
る。
【図5】図4に示すドリル加工装置の正面図である。
【図6】従来の運転方法によりワークに孔あけを行なう
工程を示す説明図である。
【符号の説明】
12 ワーク 14 定盤 24 主軸ヘッド 26 モータ 28 回転主軸 30 ドリル 32 制御手段 34 記憶部 36 比較部 38 演算部 42 監視手段 L 退避位置 M1,M2,M3・・・ 加工開始位置 W1,W2,W3・・・ ワーク上面位置 P1,P2,P3・・・ 孔あけ予定位置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔あけ加工されるべきワーク(12)が載置
    される定盤(14)と、この定盤(14)の上方で座標系のX軸
    方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動自在な主軸ヘッド
    (24)と、該主軸ヘッド(24)の回転主軸(28)に装着したド
    リル(30)とを備え、前記主軸ヘッド(24)をX軸方向およ
    びY軸方向に移動させて該ドリル(30)をワーク(12)の孔
    あけ予定位置(P1,P2,P3・・・)に到来させるようにしたド
    リル加工装置において、 前記主軸ヘッド(24)をZ軸方向に移動させて、孔あけ予
    定位置(P1,P2,P3・・・)に対して設定された加工開始位置
    (M1,M2,M3・・・)から加工送り速度で送られるドリル(30)
    によりワーク(12)に孔あけを行なうに際し、該ドリル(3
    0)に加わる負荷を監視し、その負荷が予め設定された設
    定値を越えた時にワークの上面位置(W1,W2,W3・・・)を検
    出し、 この検出されたワーク上面位置(W1,W2,W3・・・)に基づい
    て、次の孔あけ予定位置(P2,P3・・・)における加工開始位
    置(M2,M3・・・)を設定することを特徴とするドリル加工装
    置の運転方法。
  2. 【請求項2】 前記ワーク(12)に干渉しない退避位置
    (L)にドリル(30)を保持した状態で前記主軸ヘッド(24)
    をX軸方向およびY軸方向に移動させて該ドリル(30)を
    ワーク(12)の孔あけ予定位置(P1,P2,P3・・・)に到来さ
    せ、前記退避位置(L)から加工開始位置(M1,M2,M3・・・)ま
    でドリル(30)を早送りした後に、該ドリル(30)を加工開
    始位置(M1,M2,M3・・・)から加工送り速度で更に送ること
    でワーク(12)に孔あけを行なうよう主軸ヘッド(24)がZ
    軸方向に移動制御される請求項1記載のドリル加工装置
    の運転方法。
  3. 【請求項3】 前記検出されたワーク上面位置(W1,W2,W
    3・・・)と、予め入力記憶されているワーク(12)の板厚(D)
    とからドリル(30)の加工送り量を求め、この加工送り量
    だけ前記主軸ヘッド(24)をZ軸方向に移動制御するよう
    にした請求項1または2記載のドリル加工装置の運転方
    法。
  4. 【請求項4】 加工されるべきワーク(12)が載置される
    定盤(14)と、この定盤(14)の上方で座標系のX軸方向、
    Y軸方向およびZ軸方向に移動自在な主軸ヘッド(24)
    と、該主軸ヘッド(24)の回転主軸(28)に装着したドリル
    (30)とを備え、、前記主軸ヘッド(24)をX軸方向および
    Y軸方向に移動させて該ドリル(30)をワーク(12)の孔あ
    け予定位置(P1,P2,P3・・・)に到来させ、該孔あけ予定位
    置(P1,P2,P3・・・)に対して設定された加工開始位置(M1,M
    2,M3・・・)から加工送り速度でドリル(30)を送ってワーク
    (12)に孔あけを行なうよう主軸ヘッド(24)がZ軸方向に
    移動されるドリル加工装置において、 孔あけ運転に必要な各種制御データの入力記憶を行なう
    記憶部(34)と、 前記ドリル(30)に加わる負荷を監視する監視手段(42)
    と、 前記監視手段(42)からの負荷データを、前記記憶部(34)
    に記憶されている設定負荷と比較する比較部(36)と、 前記負荷データが設定負荷を越えたと比較部(36)が判定
    した際に、前記ドリル(30)の加工送り量および次の孔あ
    け予定位置(P2,P3・・・)の加工開始位置(M2,M3・・・)を演算
    する演算部(38)と、 前記演算部(38)での演算データに基づいて前記主軸ヘッ
    ド(24)を移動制御する制御手段(32)とから構成したこと
    を特徴とするドリル加工装置の運転装置。
  5. 【請求項5】 前記監視手段(32)は、ドリル(30)を回転
    駆動するモータ(26)の負荷電流を監視する請求項4記載
    のドリル加工装置の運転装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015217479A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 株式会社Ihi 切削加工装置及び切削加工方法
JP2016016458A (ja) * 2014-07-04 2016-02-01 ビアメカニクス株式会社 ドリル加工装置及びドリル加工方法
CN105345090A (zh) * 2015-12-15 2016-02-24 重庆市为根弧齿轮制造有限公司 一种具有缓启动电路的双工位钻孔工装
JP2019084619A (ja) * 2017-11-06 2019-06-06 大同マシナリー株式会社 ガントリー型穿孔装置、及びガントリー型穿孔装置を用いた穿孔方法

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