JP2001017510A - 鼻腔洗浄器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】鼻腔内にノズルを挿入して鼻腔洗浄剤を噴射す
る鼻腔洗浄器に於いて、鼻腔洗浄剤を大気から遮断して
汚染を防止し、且つ容器の姿勢に関わらず噴射させると
共に操作の安定性をはかる。 【解決手段】可撓性を持った内部容器１と五黄性を持っ
た外部容器２からなり、内部容器１に0.1 ％〜1.5 ％の
塩化ナトリウムを含んだ液状の鼻腔洗浄剤を充填すると
共に、両容器１，２の間に形成された間隙３に液化石油
ガス等の噴射剤を充填する。内部容器１に取り付けた噴
射バルブ５のステム５ａに先端部分６ａが鼻腔に挿入し
得る形状に形成されたノズル６を取り付ける。前記先端
部分６ａを鼻腔内に挿入して噴射バルブ５を押し下げ操
作することで、内部容器１に充填された鼻腔洗浄剤を噴
射する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、容器を如何なる姿
勢に保持した場合であっても確実に鼻腔洗浄剤を噴射し
て鼻腔を洗浄することが出来る鼻腔洗浄器に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】大気中には自動車の排気成分や各種の
埃，花粉等の微細な粒子、及び雑菌等が存在する。また
家庭内にあっても所謂ハウスダストと呼ばれる黴等を含
む微細な粒子が存在する。これらは、生活する人の呼吸
に伴って鼻腔内に侵入し、呼吸器系に悪影響を及ぼした
り、アレルギー反応を引き起こすことがある。このた
め、最近では鼻腔内に侵入した粒子を洗浄して排出する
ことが行われている。

【０００３】現在提供されている鼻腔内を洗浄する器具
は、出先で簡単に使用し得るように小型の（例えばペン
タイプ）ものであり、内部に収容された鼻腔洗浄剤を噴
射する場合、容器に構成されたポンプを利用するもので
ある。

【０００４】このような洗浄器具の例について図４によ
り説明する。図に於いて、鼻腔洗浄剤が充填された容器
51の内部にはポンプ機構52が内蔵されており、該ポンプ
機構52の先端部分に人の鼻腔内に挿入されるノズル53が
取り付けられている。ポンプ機構52は、ハウジング52ａ
と、一端がハウジング52ａに挿入され且つ他端にノズル
53を取り付けたステム52ｂと、ボール52ｃとを有して構
成されており、更にハウジング52ａの先端には容器51の
低部に届くチューブ54が取り付けられている。

【０００５】上記の如く構成した洗浄器具では、ステム
52ｂの上下動作に伴ってハウジング52ａの内圧が上昇，
下降し、この圧力の変化に応じてチューブ54から容器51
の内部に充填された洗浄剤の吸い上げ，ノズル53からの
噴射が行われる。従って、ノズル53から噴射された洗浄
剤によって鼻腔内を洗浄することで出来る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記洗浄器具では容器
の内部に充填された洗浄剤は常に大気と接触しており、
大気に含まれた微細な粒子が洗浄剤に混入して汚染する
虞がある。またポンプ機構はハウジング内に吸い上げた
洗浄剤をノズルから噴射するものであるため、液滴が大
きくなると共に鼻腔の奥まで良好な状態で噴射すること
が出来ないという問題がある。

【０００７】更に、チューブが洗浄剤の液面よりも下に
ないと洗浄剤を吸い上げることが出来ないため、液が少
なくなってきたときや容器を水平にしたり或いは倒立し
た状態では洗浄剤を噴射することが出来ない。即ち、寝
た状態での洗浄が出来ないという問題がある。この問題
はエアゾール製品とすることで解決し得るが、この場
合、エアゾール製品を構成する液化石油ガスや窒素等の
噴射剤が洗浄剤と共に噴射されて鼻腔内に注入されてし
まうという問題が派生する。

【０００８】本発明の目的は、洗浄剤のみをミスト状の
液滴にして確実に鼻腔内に注入して洗浄することが出来
る鼻腔洗浄器を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る鼻腔洗浄器は、可撓性を有する内部容器
に鼻腔洗浄剤を充填すると共に該内部容器と外部容器と
の間に形成された空間に噴射剤を充填した二重構造の容
器と、前記内部容器に取り付けられた噴射バルブと、前
記噴射バルブに接続されて鼻腔内に鼻腔洗浄剤を噴射す
るノズルとを有して構成されるものである。

【００１０】上記鼻腔洗浄器では、洗浄剤が内部容器に
充填されると共に該内部容器と外部容器の間に噴射剤が
充填されるため、噴射バルブを操作したとき、内部容器
に充填された洗浄剤が噴射剤の作用によってノズルから
噴射される。

【００１１】上記構成に於いて、洗浄剤は常に大気から
遮断されるため該大気により汚染されることがなく、且
つ内部容器の周囲に噴射剤の圧力が作用するため、容器
を倒立させた状態であっても洗浄剤を噴射することが出
来る。また噴射剤の作用ニヨッテ噴射するため、噴射バルブ
或いはノズルの構造に応じてミスト状の液滴を形成して
鼻腔内に噴射することが出来る。

【００１２】上記鼻腔洗浄器に於いて、ノズルが、鼻腔
内に挿入し得る挿入ノズルと、前記挿入ノズルと噴射バ
ルブとを接続した可撓性を有するチューブと、によって
構成されることが好ましい。鼻腔洗浄器をこのように構
成することによって、ノズルを二重容器の本体から離隔
させて使用することが出来る。このため、家庭や事務所
等で使用する際に便利である。

【００１３】また上記鼻腔洗浄器に於いて、内部容器に
充填される鼻腔洗浄剤が0.1 ％乃至1.5 ％の塩化ナトリ
ウムを含むものであることが好ましい。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、上記鼻腔洗浄器の好ましい
実施形態について図を用いて説明する。図１は第１実施
例に係る鼻腔洗浄器の外観図である。図２は鼻腔洗浄器
の構成を説明する断面図である。図３は第２実施例に係
る鼻腔洗浄器の外観図である。

【００１５】先ず、図１，図２により第１実施例に係る
鼻腔洗浄器Ａの構成について説明する。

【００１６】鼻腔洗浄器Ａは、可撓性を有する内部容器
１を剛性を有する外部容器２に挿入してこれらの容器
１，２の間に形成された間隙３に噴射剤を充填すると共
に両容器１，２を互いに気密性を保持して口部４で固定
されている。内部容器１には洗浄剤が充填されると共に
噴射バルブ５が取り付けられ、該噴射バルブ５には先端
部分６ａが鼻腔内に挿入されるノズル６が取り付けられ
ている。また外部容器２の肩部２ａにはキャップ７が着
脱可能に取り付けられており、使用に際しては取り外
し、非使用時には装着し得るように構成されている。

【００１７】内部容器１は、可撓性と気密性を有するア
ルミニウムやポリエチレン，ナイロン，エバール（登録
商標）等の単体或いは混合した合成樹脂等で構成された
袋体或いは筒体として形成されており、外部容器２の内
部に組み込まれた後、内部に液体の鼻腔洗浄剤が充填さ
れ、更に、内部容器１と外部容器２とによって形成され
た間隙３に所定の圧力を持った噴射剤が充填される。こ
のとき、鼻腔洗浄剤の充填に伴って内部容器１は膨張
し、外周の作用する噴射剤の圧力と平衡している。従っ
て、噴射バルブ５を開放すると、噴射剤の圧力に応じて
鼻腔洗浄剤がノズル６から噴射される。

【００１８】外部容器２はアルミニウムやスチール或い
は合成樹脂やガラス等の材料を用いて筒状に形成されて
おり、噴射剤の圧力に充分に耐え得る強度と剛性を有し
ている。

【００１９】そして、上記の如く構成された内部容器１
を外部容器２の内部に挿入して互いの口部をガスケット
を用いてシールすると共にシーム成形等の手段によって
一体化することで二重容器として構成している。

【００２０】内部容器１と外部容器２の間に形成された
間隙３に充填される噴射剤としては、液化石油ガスや窒
素ガス或いは炭酸ガス等の一般のエアゾール製品に於い
て噴射剤として用いられているものを使用することが可
能である。本実施例では、間隙３に、内部容器１に充填
された鼻腔洗浄剤を略全量噴射し得るように設定された
圧力（１平方センチメートル当たり約３キログラム程
度）を持った窒素ガスを充填している。

【００２１】噴射バルブ５は内部容器１に充填された鼻
腔洗浄剤を噴射させる機能を有するものであり、エアゾ
ール容器に通常用いるバルブ機構を用いることが可能で
ある。噴射バルブ５を構成するステム５ａにはノズル６
が着脱可能に取り付けられており、該ノズル６を押し下
げ操作することでステム５ａを操作し、この操作に伴っ
て噴射バルブ５を開放して鼻腔洗浄剤を噴射し得るよう
に構成されている。

【００２２】ノズル６は、先端部分６ａが人の鼻腔内に
挿入されて該鼻腔内に鼻腔洗浄剤を噴射する機能を有す
るものである。このため、先端部分６ａは噴射バルブ５
のステム５ａに装着される本体部６ｂから斜め上方に突
起するように形成されており、この形状によって鼻腔洗
浄器Ａを顔の近くに接近させた場合であっても、外部容
器２が邪魔にならないように構成されている。

【００２３】上記の如く構成された鼻腔洗浄器Ａでは、
人が外部容器２を把持して顔に接近させ、ノズル６の先
端部分６ａを鼻腔に挿入して該ノズル６の本体部６ｂを
押し下げ操作すると、この操作に伴って噴射バルブ５の
ステム５ａが下降して噴射バルブ５が開放し、内部容器
１に充填された鼻腔洗浄剤が鼻腔内に噴射される。そし
てノズル６の押し下げ操作を停止すると、ステム５ａが
上昇して噴射バルブ５が閉鎖され、鼻腔洗浄剤の噴射が
停止する。

【００２４】上記の如くして鼻腔内に鼻腔洗浄剤を噴射
するに際し、噴射された鼻腔洗浄剤はミスト状であるこ
とが好ましい。このため、本実施例では、噴射バルブ５
をミストを噴射し得る構造としている。

【００２５】また鼻腔洗浄剤としては、鼻腔内を洗浄し
得るものであれば良いが、本実施例では、鼻腔洗浄剤と
して0.1 ％〜1.5 ％の塩化ナトリウムを含有させた水を
用いている。

【００２６】次に、図３により第２実施例に係る鼻腔洗
浄器Ｂについて説明する。図に示す鼻腔洗浄器Ｂは、鼻
腔内に挿入するノズル８を噴射バルブ５から充分に離隔
させ得るように構成することで、内部容器１と外部容器
２からなる二重容器を安定した位置に置いた状態で鼻腔
を洗浄し得るように構成したものである。

【００２７】即ち、噴射バルブ５の噴射口にはチューブ
９が接続されており、該チューブ９の先端にノズル８が
接続されている。従って、外部容器２を例えばテーブル
上に起立させておき、この状態でノズルを引き出して鼻
腔内に挿入すると共に噴射バルブを操作することで、内
部容器１に充填された鼻腔洗浄剤を噴射して鼻腔の洗浄
を行うことが可能である。

【００２８】上記の如く構成した鼻腔洗浄器Ｂでは、一
方の手でノズル８を保持し、他方の手で噴射バルブ５を
操作することになる。しかし、二重容器は安定した状態
で保持されるため、噴射バルブ５の押し操作によってノ
ズル８が動くことがなく、鼻腔洗浄剤を確実に鼻腔内に
噴射して洗浄することが可能である。

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
鼻腔洗浄器では、内部容器に鼻腔洗浄剤を充填し且つ内
部容器と外部容器の間に噴射剤を充填したので、鼻腔洗
浄剤が大気と接触することがないため、該鼻腔洗浄剤が
汚染されることがなく、且つ容器を水平にしたり倒立さ
せた場合であっても、内部容器に作用する噴射剤の圧力
によって噴射される。このため、常に清浄な鼻腔洗浄剤
を容器の姿勢に関わらず安定して且つ確実に噴射するこ
とが出来る。

【００２９】また噴射バルブとノズルとをチューブで接
続した場合には、ノズルのみを手で持って鼻腔に挿入
し、例えばテーブル等の安定した位置に置いた容器の噴
射バルブを一方の手で操作することで鼻腔洗浄剤を噴射
することが出来る。このため、噴射バルブの操作に関わ
らずノズルを確実に鼻腔内に挿入しておくことが出来
る。

【００３０】また鼻腔洗浄剤を0.1 ％〜1.5 ％の塩化ナ
トリウムを含んで形成することで、好ましい状態で洗浄
することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例に係る鼻腔洗浄器の外観図である。

【図２】鼻腔洗浄器の構成を説明する断面図である。

【図３】第２実施例に係る鼻腔洗浄器の外観図である。

【図４】従来のポンプ式の洗浄器具の構成を説明する図
である。

【符号の説明】

Ａ，Ｂ 鼻腔洗浄器 １ 内部容器 ２ 外部容器 ３ 間隙 ４ 口部 ５ 噴射バルブ ６，８ ノズル ６ａ 先端部分 ６ｂ 本体部 ７ キャップ ９ チューブ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性を有する内部容器に鼻腔洗浄剤を
   充填すると共に該内部容器と外部容器との間に形成され
   た空間に噴射剤を充填した二重構造の容器と、前記内部
   容器に取り付けられた噴射バルブと、前記噴射バルブに
   接続されて鼻腔内に鼻腔洗浄剤を噴射するノズルと、を
   有することを特徴とする鼻腔洗浄器。
2. 【請求項２】 前記ノズルが、鼻腔内に挿入し得る挿入
   ノズルと、前記挿入ノズルと噴射バルブとを接続した可
   撓性を有するチューブと、によって構成されたものであ
   ることを特徴とする請求項１に記載した鼻腔洗浄器。
3. 【請求項３】 前記内部容器に充填される鼻腔洗浄剤が
   0.1 ％乃至1.5 ％の塩化ナトリウムを含むことを特徴と
   する請求項１又は２に記載した鼻腔洗浄器。