JP2001017012A - 鉄欠乏耐性イネの創製 - Google Patents
鉄欠乏耐性イネの創製Info
- Publication number
- JP2001017012A JP2001017012A JP11190318A JP19031899A JP2001017012A JP 2001017012 A JP2001017012 A JP 2001017012A JP 11190318 A JP11190318 A JP 11190318A JP 19031899 A JP19031899 A JP 19031899A JP 2001017012 A JP2001017012 A JP 2001017012A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- naat
- iron
- gene
- rice
- plant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01H—NEW PLANTS OR NON-TRANSGENIC PROCESSES FOR OBTAINING THEM; PLANT REPRODUCTION BY TISSUE CULTURE TECHNIQUES
- A01H5/00—Angiosperms, i.e. flowering plants, characterised by their plant parts; Angiosperms characterised otherwise than by their botanic taxonomy
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/63—Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
- C12N15/79—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
- C12N15/82—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
- C12N15/8241—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology
- C12N15/8261—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield
- C12N15/8271—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield for stress resistance, e.g. heavy metal resistance
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/63—Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
- C12N15/79—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
- C12N15/82—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
- C12N15/8241—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology
- C12N15/8242—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits
- C12N15/8243—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits involving biosynthetic or metabolic pathways, i.e. metabolic engineering, e.g. nicotine, caffeine
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/63—Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
- C12N15/79—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
- C12N15/82—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
- C12N15/8241—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology
- C12N15/8261—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/10—Transferases (2.)
- C12N9/1096—Transferases (2.) transferring nitrogenous groups (2.6)
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/10—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
- Y02A40/146—Genetically Modified [GMO] plants, e.g. transgenic plants
Abstract
乏耐性を有するイネ科植物を提供する。より詳細には、
本発明は、イネ科植物のムギネ酸類の生合成経路上の酵
素の遺伝子をイネ科植物に導入することにより、石灰質
アルカリ土壌などでも旺盛に生育する鉄欠乏耐性を有す
るイネ科植物を提供する。 【解決手段】 本発明は、イネ科植物にムギネ酸類生合
成経路中の酵素、好ましくはニコチアナミンアミノ基転
移酵素(NAAT)をコードする遺伝子を導入して、鉄
吸収性が改善されたイネ科植物を製造する方法に関す
る。また、本発明は前記した方法により製造され得るイ
ネ科植物、前記鉄吸収性が改善されたイネ科植物を育成
する方法及び当該育成により得られる作物に関する。即
ち、本発明は鉄欠乏耐性を有する新規なイネ科植物の創
製に関するものである。
Description
るイネ科植物を製造する方法、その方法により得られた
イネ科植物並びに当該イネ科植物を育成する方法及びそ
の方法で得られた作物に関する。より詳細には、本発明
は、イネ科植物にムギネ酸類生合成経路中の酵素をコー
ドする遺伝子、好ましくは当該酵素がニコチアナミン・
アミノ基転移酵素である遺伝子を導入して鉄欠乏耐性を
有するイネ科植物の創製に関する。
問題を抱える不良土壌であると言われている。不良土壌
では一般的に、植物の生育に必須な元素を質的または量
的に欠いているために植物の生育が阻害されたり、ある
いは重金属等を多く含む土壌による生育障害などが起こ
る。不良土壌の代表として、乾燥地塩類集積土壌があ
る。これは、人為的な過剰潅漑や、長年にわたる乾燥気
候により、土壌上層にNaClやNa2CO3が集積し
たものと、CaCO3やCaSO4が集積したものとが
ある。ナトリウムの集積した土壌では、塩類濃度障害を
引き起こし、石灰質の土壌では、鉄欠乏障害を引き起こ
す。
鉄欠乏地帯と言われている(Wallence et al. 1960)。半
乾燥地域の石灰質土壌では、毛管現象により母材から溶
出した石灰質成分が地表に集積する。このような土壌で
は、pHが上昇しアルカリ性を示すため土壌中の鉄がF
e(OH)3の形で存在し、溶解度が極めて低くなる。
このような土壌に生育した植物は、可溶性の鉄が少な
いことにより、鉄欠乏クロロシスとなり、生育が阻害さ
れるか、または枯死する。
I(Strategy-I)とストラテージ−II(Strategy-II)
という2つに区分される。ストラテージ−Iは、イネ科
を除く高等植物の鉄獲得機構である。土壌中の三価の不
溶態鉄を根の細胞表面に存在する三価鉄還元酵素により
還元し、二価鉄のトランスポーターで吸収する機構であ
る。この機構を有する植物の中には、根圏にプロトンを
放出し、根圏のpHを下げることで三価鉄還元酵素の活
性を増加させる機構を有しているものや、フェノール系
化合物を根圏に放出し、形成されたFe(III)-フェノー
ル系化合物キレートが細胞膜表面に存在する三価鉄還元
酵素にFe(III)を供給する機構を持っているものが存
在する。最近の研究で、シロイヌナズナの根に特異的に
発現する二価鉄のトランスポーターIRT1(Eide et a
l. 1996)や、シロイヌナズナの三価鉄還元酵素の遺伝子
が単離された(Robinson et al. 1997)。
ネ科植物にのみ見られる鉄獲得機構である。イネ科植物
は鉄欠乏条件下で、三価鉄キレート活性を有するムギネ
酸類を根圏に放出し、「Fe(III)-ムギネ酸」錯体とし
て根から鉄を吸収する(Takagi et al. 1984 )。ムギネ
酸類(MAs)は、ムギネ酸(MA)、2’−デオキシ
ムギネ酸(DMA)、3−ヒドロキシムギネ酸(HM
A)、3−エピヒドロキシムギネ酸(epiHMA)、
アベニン酸(AVA)、ディスティコン酸,エピヒドロ
キシデオキシムギネ酸(epiHDMA)の7つが知ら
れており、ムギネ酸類(MAs)は全て図1に示すよう
にメチオニンを前駆体として合成される(Shojima et a
l. 1990,Ma et al.1998)。ムギネ酸の分泌には概日リ
ズムが存在し(Takagi et al. 1984)、日の出後にその分
泌量が最大となり、夜には分泌されなくなる。また、鉄
欠乏のオオムギ根で分泌前に膨らんでいた顆粒が、分泌
後にしぼむ現象が観察され(Nishizawa et al. 1987)、
この顆粒内でムギネ酸が合成されていると考えられてい
る。これらのことから、イネ科植物の鉄欠乏応答は、ム
ギネ酸合成のみならず、鉄欠乏シグナルの伝達、根の形
態変化など複雑な制御系により成立していることが示唆
される。
コチアナミン合成酵素の遺伝子が単離され、鉄欠乏によ
り誘導されていることが報告された(Higuchi et al. 19
99)。また、ニコチアナミンアミノ基転移酵素(NAA
T)の遺伝子が単離され、鉄欠乏により誘導されていた
(Takahashi et al. 1997)。また、鉄欠乏オオムギ根、
コントロールのオオムギ根から抽出したmRNAを用い
たディファレンシャルスクリーニングにより、鉄欠乏条
件下で特異的に誘導される遺伝子Ids1、Ids2、
Ids3が単離された。Ids1は、メタロチオネイン
様タンパク質をコードする遺伝子である(Okumura et a
l. 1991)。Ids2は、その遺伝子配列から予測される
アミノ酸配列が、水酸化酵素に相同性をもつ遺伝子であ
り(Okumura et al. 1994)、Ids3もまた、その遺伝
子配列から予測されるアミノ酸配列が、水酸化酵素に相
同性をもつ遺伝子であった(Nakanishi et al. 1993)。
エピヒドロキシムギネ酸合成経路には、水酸化反応が2
カ所存在し、この遺伝子がこの反応を触媒する酵素をコ
ードしているものと考えられている。
導されるタンパク質として、IDS3タンパク質、アデ
ニンリボースリン酸転移酵素(板井, 1999)、ギ酸脱水素
酵素(Suzuki et al. 1998)、そして36kDaタンパク
質(入船, 1991)などが挙げられる。イネ科植物は、鉄欠
乏条件で、ムギネ酸を生合成するが、このとき根に含ま
れるメチオニンが減少するためにメチオニンサイクルで
メチオニンを合成すると共に、生じたアデニンをAMP
に変換するためにアデニンリボースリン酸転移酵素が誘
導されていると考えられている(板井, 1999)。ギ酸脱水
素酵素は、メチオニンサイクルで生じたギ酸を分解す
る。また鉄欠乏のイネの根では、ミトコンドリアの形態
変化と電子伝達系のエネルギーチャージの減少(Mori et
al. 1991)が報告されており、ギ酸脱水素酵素は、鉄欠
乏により生じた嫌気条件により誘導され、エネルギー源
としてのNADHの供給をしているものと考えられてい
る。
後の人類の生存の条件として大きな問題となってきてい
る。イネは人類の古来からの重要な食糧のひとつである
が、鉄欠乏地帯でのイネの生育は難しいのが現状であ
る。鉄欠乏地帯でイネの生育が可能となれば食糧の増産
も可能となり、食糧増産の問題の解決策のひとつとして
注目されている。
での生育が可能な鉄欠乏耐性を有するイネ科植物を提供
することを目的としている。より詳細には、本発明は、
イネ科植物のムギネ酸類の生合成経路上の酵素の遺伝子
をイネ科植物に導入することにより、石灰質アルカリ土
壌などでも旺盛に生育する鉄欠乏耐性を有するイネ科植
物を提供することを目的としている。
ムギネ酸類生合成経路中の酵素をコードする遺伝子を導
入して、鉄吸収性が改善されたイネ科植物を製造する方
法、より詳細には、当該酵素がニコチアナミンアミノ基
転移酵素(NAAT)であり、それをコードする遺伝子
naatを導入する鉄吸収性が改善されたイネ科植物を製造
する方法に関する。
れ得るイネ科植物に関する。より詳細には本発明は、イ
ネ科植物にムギネ酸類生合成経路中の酵素をコードする
遺伝子を導入してなる鉄吸収性が改善されたイネ科植
物、さらに詳細には、当該酵素がニコチアナミンアミノ
基転移酵素(NAAT)であり、それをコードする遺伝
子naatが導入されてなる鉄吸収性が改善されたイネ科植
物に関する。さらに、本発明は、前記鉄吸収性が改善さ
れたイネ科植物を育成する方法及び当該育成により得ら
れる作物に関する。
る鉄獲得機構である前記したストラテージ−IIは、ムギ
ネ酸類を生合成し、これを放出することにより鉄を獲得
する方法であることから、ムギネ酸類の生合成経路(図
1参照)における酵素の強化方法について検討した。本
発明者らは、ムギネ酸合成経路上の酵素としてニコチア
ナミンアミノ基転移酵素(NAAT)にまず着目し、そ
の遺伝子naatを導入してみたところ、驚くべきことに、
遺伝子が導入されたイネは石灰質アルカリ土壌でも旺盛
に生育することを見出した。
T)の遺伝子naat−AのcDNAを、pIG121
HmにXbaI及びSacI部位を使って組み込んで、
図2に示すバイナリーベクターを作成した。得られたベ
クターをアグロバクテリウムに導入し形質転換に用い
た。イネの形質転換はヒエイら(Hieiら(1994))の方
法に従い、材料に「つきのひかり」を用い、胚盤から誘
導したカルスを前記した形質転換したアグロバクテリウ
ム懸濁液に浸し感染させて、再生体(T1植物)を得、
この種子から最終的に34系統の形質転換イネを得た。
ダイゼーション法により行った。結果を図3に示す。図
3のWTは野生種のイネの場合を示し、control
はベクターのみを導入した対照のイネの場合を示し、1
−5、1−6、1−7、8−1及び15−2は35Sプ
ロモーターを有する形質転換体を示す。図3に示される
ように形質転換体はいずれもnaat−Aを過剰発現し
ていることがわかる。また、35S形質転換イネのう
ち、8−1、15−2には少なくともそれぞれ5コピ
ー、2コピーのnaatが導入されたことが分かった。
遺伝子naatを導入することにより、野生種やベクタ
ーのみを導入したものに比べてニコチアナミンアミノ基
転移酵素(NAAT)が過剰に発現され、その結果とし
てムギネ酸合成経路が活性化され、鉄の取り込みに必要
とされるムギネ酸類が多量に産生されていることが推察
される。
検討した。発芽後3週間の幼植物(T2)を鉄存在(+
Fe)及び鉄欠乏(−Fe)の水耕液でそれぞれ2週間
栽培し、それぞれの根におけるNAATの活性を測定し
た結果を図4に示す。図4の白抜き部分は+Feの場合
を示し、斜線部分は−Feの場合を示す。WTは野生種
のものを示し、1−5、1−6及び1−7は形質転換体
のものを示す。この結果、+Fe、−Feのいずれにお
いても形質転換していない野生種(WT)よりも形質転
換したもののほうが比活性が高く、−Feの時さらに比
活性が高くなることがわかった。このことは遺伝子の導
入により、NAATの活性が高くなることを示している
のみならず、形質転換体は鉄欠乏状態又は鉄の不溶態化
した状態においてNAAT活性が非常に亢進されること
を示している。即ち、鉄欠乏状態又は鉄の不溶態化した
状態において強い耐性を有する種となっていることが推
察された。
することによりNAAT活性が亢進されることがわかっ
たが、これらの形質転換体が実際の鉄欠乏土壌で生育で
きるかどうかを検討した。35S−naat−A形質転
換イネを鉄の不溶態化したアルカリ土壌に移植すると、
移植後2週間目までは葉が黄化してくるが、その後の4
〜5週間目に新葉が濃い緑になり回復し始めた。図5の
アルカリ土壌に移植後8週目の生育状況の写真を挙げ
る。図5のコントロール(control)は、ベクターのみ
を移植した対照のイネを示し、その右側のイネは形質転
換したものである。コントロールのものに比べて形質転
換体のものの発育が格段に優れていることがわかる。ま
た、アルカリ土壌移植後の草丈の変化を図6に示す。図
6のグラフの縦軸は草丈(cm)であり、横軸はアルカ
リ土壌移植後の日数(日)を示す。黒丸印は形質転換体
15−2を示し、黒四角印は形質転換体8−1を示し、
白丸印はcontrolとして用いたベクターのみを移
植した対照のイネを示す。
1には少なくとも5コピーのnaat遺伝子が、また、
35S形質転換イネ15−2には少なくとも2コピーの
naat遺伝子が導入されており、図6の草丈からみれ
ば遺伝子のコピー数には余り関係無く、遺伝子が導入さ
れていればイネに鉄欠乏耐性が付与できることが示され
たことになる。このように、イネのムギネ酸合成経路の
なかの酵素の活性を、その遺伝子の導入により高めるこ
とができ、さらにそれにより鉄欠乏耐性が与えられるこ
とがわかった。
酵素としては、図1に示すムギネ酸類の生合成経路の中
の酵素であって、当該酵素をコードする遺伝子を導入す
ることによりその活性が高められるものであればよい
が、前記したようにその中のニコチアナミンアミノ基転
移酵素(NAAT)やニコチアナミン合成酵素が好まし
い。本発明のイネのムギネ酸合成経路のなかの酵素をコ
ードする遺伝子としては、cDNAであってもゲノム由
来のものであってもよい。後述するようにゲノムの使用
も本発明の好ましい例である。したがって、本発明のイ
ネ科植物としては、ストラテージIIの機構により鉄を吸
収することが可能な植物であればよく、学術上のイネ科
植物に限定されるものではない。本発明の好ましいイネ
科植物の例としては、イネ、トウモロコシ、ソルガム、
小麦,大麦、エンバクなどが挙げられる。これらのイネ
科植物はその品種に関係なく、広く本発明の方法を適用
することができ、目的とする遺伝子が導入されたイネ科
植物を製造することができる。
素を発現させることができるものであれば特に制限はな
く、35Sプロモーター、より具体的にはCaMV35
Sプロモーターなどを用いることができる。本発明のベ
クターとしては、形質転換において好適に使用すること
ができるものであれば、特に制限はない。本発明の形質
転換法としては、前記したアグロバクテリウムを用いる
方法に限定されるものではなく、ファージなどを用いた
各種の形質転換法を採用することもできる。また、形質
転換されるイネ科植物の細胞としては、前記したカルス
からの細胞に限定されるものではなく、各種の細胞を使
用することもできるが、通常はカルス由来のものが好ま
しい。本発明の鉄欠乏とは、鉄分が欠乏している状態で
あってもよいが、好ましくは植物が吸収することができ
る状態の鉄分が欠乏している状態であり、植物の種類に
応じて鉄欠乏状態であるか否かを決めることもできる。
したがって、本発明における鉄欠乏耐性とは、目的とす
る植物がその土壌においては鉄分を吸収するのが困難な
状態に対する耐性であるということもできる。
代えてオオムギのゲノムnaatの導入を試みた。ゲノ
ムnaatは、オオムギ(Horudeum vulgare L. var. Ig
ri)より抽出したゲノムDNAを用いて作成されたライ
ブラリー(SRTRATAGENE社製)を用いた。このライブラ
リーは、制限酵素Sau3AIで部分的に切断され、λ
FIXIIベクターのXhoIサイトに導入されたもの
である。プローブとしては、先に単離したnaat−A
cDNAの全長を用いた。ホストとしては、大腸菌XL
1-Blue MRA(E. coli XL1-Blue MRA (P2))を使用し
た。
得られ、これらについてそれぞれファージDNAの単離
を行い、それぞれについて制限酵素地図を作製したとこ
ろ、すべて同じ断片を含むことが解った。すなわち、得
られた5つのファージは同じゲノムの部分から由来する
ものであることが解った。また、これらはプローブに使
用したnaatを含むことが予想された。そこで、図7
に示すこのうちの1つについて塩基配列の決定を行っ
た。
以上の断片を挿入でき、かつアグロバクテリウムを用い
たイネの形質転換を行うことのできるプラスミドベクタ
ーpBIGRZ1のNotIサイトに挿入した(図8参
照)。さらに、図7に示した断片について11.0kb
までを、A〜Dまでの4つに分け、これらをプラスミド
ベクターpBluescript SK(−)のEco
RIサイト(B、C)、またはNotI、EcoRIサ
イト(A、D)に導入した。A〜Dの各断片についてプ
ラスミド上の配列を元にしたプライマー(M13フォワ
ードプライマー,M13リバースプライマー)にて断片
の両端から塩基配列を決定した。塩基配列の決定には島
津製作所社製DNAシーケンサDSQ−2000Lを使
用した。配列決定の詳細は後述する実施例に記載されて
いる。
列表の配列番号1示す。また、全配列を図9〜図12
(塩基番号なし)に示した。得られた塩基配列から、こ
の10,966bpの遺伝子は、これまで得られていた
naat−Aとnaat−Bをコードするオオムギゲノ
ムの断片であることがわかった。順序はnaat−B、
naat−Aの順であった。図13〜図19にcDNA
と比較して決定したnaat−Aとnaat−Bの5’
上流、エキソン、イントロン、3’下流を示した。図1
3〜図19において大文字がcDNAに転写されていた
エキソン部分を示し、小文字がそれ以外の部分を示して
いる。エキソン部分の塩基番号はそれぞれ以下のように
なる。
部分を斜線で塗った部分で示してある。両遺伝子ともに
6つのイントロン、7つのエキソンで形成されている。
また、イントロンの挿入位置は、各遺伝子ともに相同の
位置であった。cDNAのどの位置にどの大きさのイン
トロンが挿入されているかを図21に示した。このゲノ
ムから予想されるnaat−A及びnaat−Bのアミ
ノ酸配列を図22及び図23にそれぞれ示した。
したイネの形質転換法は、前述した35Sの形質転換イ
ネの形質転換法に準じて行った。次に得られたゲノムn
aatを導入したイネの鉄欠乏耐性の検定を行った。得
られた再生体(T1)のうち39個体とベクターのみを
導入したコントロール(control)15個体を用いて3
5Sの形質転換植物と同様に検定を行った。移植後5週
目から、1週間または2週間ごとに草丈の測定を行っ
た。4−5週間ごとに2回土壌サイズを増やしたポット
に移し変えた。
アルカリ土壌に移植後2週間目までに葉が黄化し4〜5
週間目に新葉が濃い緑になり回復し始め、俄然旺盛な生
育を示すようになった。これに対してベクターのみを入
れた対照区は永く黄化葉が続き、8週目あたりから新葉
の緑化が始まった。図24は、アルカリ土壌に移植後1
0週間目の生育の状況を移した写真である。図24のc
ontrolは、ベクターのみを移植した対照のイネを
示す。右側のイネはゲノムnaatで形質転換したもの
である。アルカリ土壌移植後の草丈の変化を図25に示
す。図25のグラフの縦軸は草丈(cm)であり、横軸
はアルカリ土壌移植後の日数(日)を示す。図25の左
側はゲノムnaatで形質転換したイネであり、右側は
ベクターのみを移植した対照のイネである。これによ
り、ゲノムnaatの導入によりイネに鉄欠乏耐性が付
与できたことがわかった。
明するが、本発明はこれらの具体例に限定されるもので
はない。
naatを過剰発現するイネの形質転換法) 図2に示すバイナリーベクターを、遺伝子naatのc
DNAをpIG121HmにXbaI及びSacI部位
を使って組み込んで作成した。これをアグロバクテリウ
ムに導入し形質転換に用いた。イネの形質転換はヒエイ
ら(Hiei, et al., (1994))の方法に従い、材料に
は「つきのひかり」を用いた。まず、籾を取り除いた種
子を滅菌して、N6無機塩 N6ビタミン 30g/
L、スクロース(sucrose) 2mg/L、2,4−D
2g/Lゲルライト(gelrite)からなるカルス誘導
培地(pH 5.8)に播種し、60μmol/m2s
で、16時間明期/8時間暗期の条件で25℃、3週間
培養して胚盤からカルスを誘導した。新しい培地に移
し、25℃明所で3日間培養した後、アグロバクテリウ
ム懸濁培地(pH5.8)(AA無機塩 アミノ酸 B
5ビタミン 20g/L、スクロース(sucrose) 2
mg/L、2,4−D 0.2mg/L、キネチン(ki
netin) 10mg/Lアセトシリンゴン(acetosyring
one))でアグロバクテリウム懸濁液に浸し、ペーパー
タオルで水を切った後、共存培養培地(pH5.2)
(N6無機塩 N6ビタミン 30g/L、スクロース
(sucrose) 10g/L、グルコース(glucose) 2
mg/L、2,4−D 10mg/L アセトシリンゴ
ン(acetosyringone) 2g/Lゲルライト(gelrit
e))で28℃暗黒下で3日間感染させた。
入れた滅菌水洗浄液でカルスを洗ってアグロバクテリウ
ムを除去し、50mg/Lのハイグロマイシンを含む選
抜培地(pH5.8)(N6無機塩 N6ビタミン 3
0g/L、スクロース(sucrose) 2mg/L、2,
4−D 2g/L、ゲルライト(gelrite) 500m
g/L、クラフォラン 50mg/L、ハイグロマイシ
ン(hygromycin))上に置床して25℃明所で3週間培
養した。培養後、再分化培地(pH5.8)(MS無機
塩 MSビタミン 30g/L、スクロース(sucros
e) 30g/L、ソルビトール(sorbitol) 2g/
L、カサミノ酸類(casamino acids) 1mg/L、N
AA 2mg/L、BAP500mg/L、クラフォラ
ン 50mg/L、ハイグロマイシン(hygromycin)
4g/L、ゲルライト(gelrite))に移し3〜5週間
で再分化してきた再生体(T1植物)を検定培地に移し
た。検定培地(pH5.8)は、MS無機塩 MSビタ
ミン 30g/L、スクロース(sucrose) 50mg
/L、ハイグロマイシン(hygromycin) 8g/L、寒
天(agar)からなっている。
5日間馴化させた後、合成培土(ボンソル1号、住友化
学)とバーミキュライトを1:1にまぜた土に移植して
種子をとった。最終的に34系統の形質転換イネを得
た。
ブリダイゼーション法による検出) 実施例1で得られたT1植物の葉を磨砕し、C−TAB
法の改変によりゲノムを抽出した。抽出したゲノムをH
in dIIIで処理し、0.8%アガロースゲルを用
いた電気泳動で分離した。これをナイロンメンブレンに
ブロッティングした。プローブにnaatの内部配列で
作成したプライマーを用いてPCRによって32Pでラ
ベルしたものを用いてハイブリダイゼーションを行った
後、BAS2000(フジフィルム)によってバンドを
検出した。このサザンハイブリダイゼーションの結果を
図3に示す。図3のWTは野生型のイネの場合を示し、
controlはべくたーのみを導入した対照のイネの
場合を示し、1−5、1−6、1−7、8−1及び15
−2は35Sプロモーターでnaat−Aを過剰発現す
るイネの場合を示す。図3に示す結果より、35S形質
転換イネのうち、8−1、15−2には少なくともそれ
ぞれ5コピー、2コピーのnaatが導入されたことが
分かった。
性の検定) 供試土壌として、次の構成成分からなる貝化石土壌を用
いた。 この土壌の可溶性の鉄濃度は22ppmであり、pHは
8.78であり、電気抵抗は0.03mΩであった。
得られた形質転換植物の再生体(T1)の種子を50m
g/Lのハイグロマイシンを含むMS固形培地上に播種
して選抜、馴化後、20〜25cmになった幼植物(T
2)を用いた。34系統のうちの16系統27種につい
て耐性の検定を行った。検定法はプラスチックの黒ポッ
ト(0.5L)の底にペーパータオルとろ紙を円形に切
ってしき、アルカリ土壌を入れたものに植物を移植し、
水耕液(春日井氏液;7×10 −4M K2PO4,1
×10−4M KCl,1×10−4M KH2P
O4,2×10−3M Ca(NO3)2,5×10
−4M MgSO4,1×10 −5M H3BO3,5
×10−7M MnSO4,5×10−7M ZnSO
4,2×10−4M CuSO4,1×10−8M
(NH4)3MoO24,1.5×10−4M Fe−
EDTA)をポットの底から2〜3cm浸し、昼30
℃、夜25℃の温室で栽培した。アルカリ土壌は3〜4
週間後にポットのサイズを1Lにし、8〜9週間後に2
Lと一回りづつ大きくして植え替えた。移植後2週目か
ら、1週間または2週間ごとに草丈の測定を行った。
水耕液で育てた形質転換イネ(35Snaat イネ)
のNAAT比活性の測定を次のようにして行った。発芽
後3週間の幼植物(T2)を+Fe、−Feの水耕液で
2週間栽培しそれぞれの根におけるNAAT活性を測定
した。その結果を図4に示す。図4の白抜き部分は+F
eの場合を示し、斜線部分は−Feの場合を示す。WT
は野生種のものを示し、1−5、1−6及び1−7は形
質転換体のものを示す。+Fe、−Feのいずれにおい
ても形質転換していない野生種(WT)よりも形質転換
したもののほうが比活性が高く、−Feの時さらに比活
性が上乗せされた(図4参照)。
の検定) 35S−naat−A形質転換イネをアルカリ土壌に移
植して、その生育を観察した。35S−naat−A形
質転換イネは、移植後2週間目までに葉が黄化し4〜5
週間目に新葉が濃い緑になり回復し始め、naatの導
入によりイネに鉄欠乏耐性が付与できたことがわかっ
た。移植後8週目の生育状況の写真を図5に示す。図5
のcontrolは、ベクターのみを移植した対照のイ
ネを示す。右側のイネは形質転換したものである。アル
カリ土壌移植後の草丈の変化を図6に示す。図6のグラ
フの縦軸は草丈(cm)であり、横軸はアルカリ土壌移
植後の日数(日)を示す。黒丸印は形質転換体15−2
を示し、黒四角印は形質転換体8−1を示し、白丸印は
controlとして用いたベクターのみを移植した対
照のイネを示す。遺伝子naatの導入によりイネに鉄
欠乏耐性が付与できたことがわかった(図5、図6)。
クローンの単離) スクリーニングの手順は主に「クローニングとシーケン
ス」(農村文化社)によった。ライブラリーとして、ス
トラタジーン(SRTRATAGENE)社より購入したλFIX
IIライブラリーを用いた。これはオオムギ(Horudeum
vulgare L. var. Igri)より抽出したゲノムDNAを
用いて作成されたものである。ゲノムDNAは、制限酵
素Sau3AIで部分的に切断され、λFIXIIベク
ターのXhoIサイトに導入されたものである。ライブ
ラリーのインサートサイズは9〜23kbである。
10g、NaCl 5g、カサミノ酸 1g、バクト
イースト抽出物(Bacto-yeast extract) 5g、Mg
SO4・7H2O 2g、及び、1N NaOH 約6
mLを蒸留水で1Lにし(pH7.5)オートクレーブ
で殺菌したもの。)で一晩培養した大腸菌(E. co
li XL1−Blue MRA (P2))を遠心し
た後、10mM MgSO4溶液20mLに懸濁した。 (2) この大腸菌懸濁液100mLとファージ希釈液
(スクリーニング用プレート(9cmx13cm)に2
5,000プラークを形成する量)100mLとを混
ぜ、37℃20分静置後、8mLの50℃ 0.7%ト
ップアガー(100mLあたり0.7gのアガロースを
加えたもの)と混ぜ、スクリーニング用プレート(9c
mx13cm)にまいた。プレートは37℃に静置し、
プラークのサイズが0.5mmになるまで培養した。
−N(Amersham社)をプレートのサイズに切り
取り、トップアガロースの上に30秒間おいた。これを
変性液(0.5M NaOH、1.5M NaCl)を
含ませた濾紙の上にプラークと接触した面を上にして置
いた。2枚目のメンブレンをトップアガロース上に置
き、1分間放置した。同様に変性液をしみこませた濾紙
上においた。5分間放置した後、2枚のメンブレンを中
和液(0.5M Tris−HCl pH 8.0、
1.5M NaCl)をしみこませた濾紙上に移した。
5分間放置後、2xSSPE(0.02M NaH2P
O4 pH7.4、0.3M NaCl、2mM ED
TA)液で2回よく洗い、乾燥させた。
NA全長をプローブとして使用するために、プラスミド
ベクターpYH23のHindIII及びNotIサイ
トに入っているものを同サイトで切り出し、精製した。
これをランダムプライマーDNAラベリングキット第2
版(Random Primer DNA Labeling Kit Ver.2(宝酒
造))を用いて[α−32P]dATPでラベル化し
た。一方、メンブレンを予め65℃に加温しておいた3
0mLのハイブリダイゼーションバッファー(6xSS
PE、5xデンハルト溶液、0.1% SDS、100
mg/mL変性サケ精巣DNA)でプレハイブリダイゼ
ーションを65℃で1時間行い、ハイブリダイゼーショ
ンバッファーを交換した(25mL)。
65℃で12時間ハイブリダイゼーションを行った。メ
ンブレンの洗浄は予め65℃に加温しておいた洗浄液
(5xSSPE)で65℃で10分間を2回、ハイスト
リージェント(high stringent)洗浄液(2xSSP
E、0.1% SDS)65℃で1回を行った。メンブ
レンをサランラップで包み、イメージングプレート(フ
ジフィルム)に一晩感光させ、イメージングアナライザ
ー(フジフィルム)で結果を得た。試薬は、20xSS
PE(0.2M NaH2PO4 pH7.4、3M
NaCl、20mM EDTA)、50xデンハルト溶
液、5g フィコール400、5g ポリビニルピロリ
ドン(MW 360,000)、5g 仔ウシ血清アル
ブミンを500mLの蒸留水に溶解し、0.45mmの
フィルターで濾過したものを使用した。
たものをポジティブとして、この場所に対応するプラー
クを元のシャーレから打ち抜いた。打ち抜いたものはS
M液(50mM Tris−HCl pH7.5、0.
1M NaCl、7mM MgSO4、0.01% ゼ
ラチン)にとり、4℃で保存した。その後、このファー
ジ液を使って同様に2次、3次スクリーニングを行っ
た。最終的に5つのファージが得られた。
れぞれファージDNAの単離を行った。それぞれについ
て制限酵素地図を作製したところ、すべて同じ断片を含
むことが解った。すなわち、得られた5つのファージは
同じゲノムの部分から由来するものであることが解っ
た。また、これらはプローブに使用したnaatを含む
ことが予想された。そこで、このうちの1つ(図7参
照)について塩基配列の決定を行うこととした。図7中
のEはEcoRIを、HはHindIIIを、BはBam
HIを、NはNotIをそれぞれ示す。両端のNotI
サイトはλFIXIIのアームにあるNotIである。
決定) (1) 図7に示したファージDNAを、10kb以上
の断片を挿入でき、かつアグロバクテリウムを用いたイ
ネの形質転換を行うことのできるプラスミドベクターp
BIGRZ1に挿入した。図7で示したファージDNA
のはじめのNotIサイトから11.0 kbにあるN
otIサイトまでの断片11.0kbpを切り出し、p
BIGRZ1のNotIサイトに挿入した(図8参
照)。図8のNPTIIはカナマイシン耐性遺伝子を、H
PTはハイグロマイシン耐性遺伝子を、GUSはイント
ロン入りβグルクロニダーゼ遺伝子を、LacZはβガ
ラクトシダーゼ遺伝子を、35Pは35Sプロモーター
を、NPはNOSプロモーターを、NTはNOSターミ
ネーターを、MCSはマルチクローニングサイトを、R
ioriはRiプラスミド複製起点をそれぞれ示してい
る。すなわち、塩基配列の決定を行ったのは、この1
1.0kbについてである。後のイネの形質転換にはこ
の作成したコンストラクトを使用した。
oli XL1−blue)内で安定に保持される。こ
のコンストラクトを持った大腸菌を培養し、ここからプ
ラスミドをプラスミド調整器PI−50α(倉敷紡績株
式会社)により抽出した。 (3) 図7に示した断片について11.0kbまで
を、A〜Dまでの4つに分け、これらをプラスミドベク
ターpBluescript SK(−)のEcoRI
サイト(B、C)、またはNotI、EcoRIサイト
(A、D)に導入した。 (4) A〜Dの各断片についてプラスミド上の配列を
元にしたプライマー(M13フォワードプライマー,M
13リバースプライマー)にて断片の両端から塩基配列
を決定した。塩基配列の決定には島津製作所社製DNA
シーケンサDSQ−2000Lを使用した。
れた部分からさらに先を読むためのプライマーとそこま
で読めた配列を逆方向から確認するためのプライマーを
作成し、順次塩基配列を決定した。最終的には全ての断
片について、5’方向からと3’方向から両方向につい
て配列決定を行った。各断片の塩基配列を決定するのに
使用したプライマーの配列を以下に示す。これらのプラ
イマーは、DSQ−2000Lでの使用のため5’末端
にフルオレセインイソチオシアネート(fluorescein iso
thiocyanate, FITC)でラベルした。
ggt gta g 名称:配列 F-A1R: FITC-5'-gga gta cta cta gac tac
acc agg a 名称:配列 F-A2F: FITC-5'-aca tgc gca tgc atg aat
tgc cg 名称:配列 F-A2R: FITC-5'-caa ttc atg cat gcg cat
gtg cc
ttg gaa c 名称:配列 F-B1R: FITC-5'-gtt cca aca tac tgc ata
ctt gac c 名称:配列 F-B2F: FITC-5'-cta gaa gcc tat gga tgt
ttc ttt tgg 名称:配列 F-B2R: FITC-5'-cca aaa gaa aca tcc ata
ggc ttc tag 名称:配列 F-B3F: FITC-5'-agt tct tat caa ttt ccg
aga tga c 名称:配列 F-B3R: FITC-5'-ata gtc atc tcg gaa att
gat aag a 名称:配列 F-B4F: FITC-5'-agt ggt cac cat gcg gac
caa cac c 名称:配列 F-B4R: FITC-5'-ggt gtt ggt ccg cat ggt
gac cac t
cta cgc 名称:配列 F-C1R: FITC-5'-gcg tag cag ttg aac tgg
ccg gtg 名称:配列 F-C2F: FITC-5'-ttt gga gga gat cca tga
cga cat a 名称:配列 F-C2R: FITC-5'-tat gtc gtc atg gat ctc
ctc caa a 名称:配列 F-C3F: FITC-5'-tct tct cat atg cta ctg
tgg gga t 名称:配列 F-C3R: FITC-5'-tga cat gca aca cag gga
cat gag c
ggt cat a 名称:配列 F-D1R: FITC-5'-ccc agg ata tga cct tag
tgg ttg g
た部分について新たに下に示すプライマーを合成し、パ
ーキンエルマージャパン社製自動DNAシーケンサABI
PRISMTM 310 genetic Analyzerを使用して、完全に塩基
配列を決定した。 断片B用のプライマー 名称:配列 B5F: 5'-gaa tgg caa act ggg tcc gca tta
c 名称:配列 B5R: 5'-gta atg cgg acc cag ttt gcc att
c 名称:配列 B6F: 5'-ctg gtt gtt gtg gcc tgg acg aaa
c 名称:配列 B6R: 5'-gtt tcg tcc agg cca caa caa cca
g 名称:配列 B7F: 5'-agc aca aac cct acc tat gtt agg
c 名称:配列 B7R: 5'-gcc taa cat agg tag ggt ttg tgc
t
cc
つなぎ目部分を確定するために以下のプライマーを作成
して、(1)で作成したコンストラクトをパーキンエル
マージャパン社製自動DNAシーケンサABI PRISMTM 31
0 genetic Analyzerを使用して、塩基配列を決定した。 断片Aと断片Bの境目 名称:配列 A-eF: 5'-cac atc ctt tgc ctt gct gaa t
at gg 名称:配列 B-tR: 5'-cag tag tac taa tta atc acc t
ta gta gc 断片Bと断片Cの境目 名称:配列 B-eF: 5'-cac gat caa cca aag aat gtc c
tc c 名称:配列 C-tR: 5'-tac ttg tat atg cag ctc cag c
ac (7) 決定した10,966bpの塩基配列を配列表
の配列番号1示す。また、全配列を図9〜図12(塩基
番号なし)に示した。
bpの遺伝子は、これまで得られていたnaat−Aと
naat−Bをコードするオオムギゲノムの断片である
ことがわかった。順序はnaat−B、naat−Aの
順であった。図13〜図19にcDNAと比較して決定
したnaat−Aとnaat−Bの5’上流、エキソ
ン、イントロン、3’下流を示した。図13〜図19に
おいて大文字がcDNAに転写されていたエキソン部分
を示し、小文字がそれ以外の部分を示している。エキソ
ン部分の塩基番号はそれぞれ以下のようになる。
299 (開始コドン 6518) 第2エキソン 1483−1825 第3エキソン 1922−2140 第4エキソン 2244−2303 第5エキソン 2761−2916 第6エキソン 3263−3356 第7エキソン 3735−4033(終始コドン 38
68)
6897(開始コドン 6518) 第2エキソン 7029−7371 第3エキソン 7479−7697 第4エキソン 7784−7843 第5エキソン 8285−8440 第6エキソン 8738−8831 第7エキソン 9414−9732(終始コドン 95
47)
部分を斜線で塗った部分で示してある。両遺伝子ともに
6つのイントロン、7つのエキソンで形成されている。
また、イントロンの挿入位置は、各遺伝子ともに相同の
位置であった。cDNAのどの位置にどの大きさのイン
トロンが挿入されているかを図21に示した。このゲノ
ムから予想されるnaat−A及びnaat−Bのアミ
ノ酸配列を図22及び図23にそれぞれ示した。
たイネの形質転換法) 前記した実施例6で得られたオオムギのゲノムnaat
を導入したイネの形質転換法は、以下に示す(1)〜
(3)の点を除いては35Sの形質転換イネのときと同
様に形質転換を行った。 (1)カルス誘導を28℃暗所で行い、カルス誘導培地
を、N6無機塩 N6ビタミン 0.3g/L、カサミ
ノ酸(casamino acid) 30g/L、スクロース(suc
rose) 2mg/L、2,4−D 2.8g/L、プロ
リン 4g/L、ゲルライト(gelrite)(pH5.
8)とした。 (2)アグロバクテリウムによる感染を25℃で行い、
共存培養培地を、N6無機塩 N6ビタミン 30g/
L、スクロース(sucrose) 10g/L、グルコース
(glucose) 1g/L、カサミノ酸(casamino acid)
2mg/L、2,4−D 20mg/L、アセトシリ
ンゴン(acetosyringone) 2g/L、ゲルライト(ge
lrite)(pH5.2)とし、ろ紙を敷いて行った。
/L、次の1週間を30μg/L、最後の2週間を50
mg/Lのハイグロマイシンを含む選抜培地を使い、暗
所28℃で培養した。選抜培地として、N6無機塩 N
6ビタミン 1g/L、カサミノ酸(casamino aci
d)、30g/L スクロース(sucrose)、2mg/L
2,4−D、250mg/L クラフォラン、10−
50mg/L ハイグロマイシン(hygromycin)、2g
/L ゲルライト(gelrite)(pH5.8)を用い、
再分化培地として、MS無機塩 MSビタミン 30g
/L スクロース(sucrose)、30g/L ソルビト
ール(sorbitol)、2g/L カサミノ酸(casamino a
cid)、1.1g/L MES、2mg/L NAA、
1mg/L キネチン(kinetin)、250mg/L
クラフォラン、50mg/L ハイグロマイシン(hygr
omycin)、4g/L ゲルライト(gelrite)(pH
5.8)を用い、28℃で培養を行った。
の鉄欠乏耐性の検定) ゲノムnaatを導入したイネの鉄欠乏耐性の検定は、
得られた再生体(T1)のうち39個体とベクターのみ
を導入したコントロール(control)15個体を用いて
35Sの形質転換植物と同様に検定を行った。移植後5
週目から、1週間または2週間ごとに草丈の測定を行っ
た。4−5週間ごとに2回土壌サイズを増やしたポット
に移し変えた。
アルカリ土壌に移植後2週間目までに葉が黄化し4〜5
週間目に新葉が濃い緑になり回復し始め、俄然旺盛な生
育を示すようになった。これに対してベクターのみを入
れた対照区は永く黄化葉が続き、8週目あたりから新葉
の緑化が始まった。これによりnaatの導入によりイ
ネに鉄欠乏耐性が付与できたことがわかった(図24及
び図25参照)。図24は、アルカリ土壌に移植後10
週間目の生育の状況を移した写真である。図24のco
ntrolは、ベクターのみを移植した対照のイネを示
す。右側のイネはゲノムnaatで形質転換したもので
ある。アルカリ土壌移植後の草丈の変化を図25に示
す。図25のグラフの縦軸は草丈(cm)であり、横軸
はアルカリ土壌移植後の日数(日)を示す。図25の左
側はゲノムnaatで形質転換したイネであり、右側は
ベクターのみを移植した対照のイネである。これによ
り、ゲノムnaatの導入によりイネに鉄欠乏耐性が付
与できたことがわかった。
ネ科植物を提供するものであり、鉄欠乏耕地においても
生育可能な新規なイネ科植物を提供するものである。ま
た、本発明は、イネ科植物に、ムギネ酸類生合成経路中
の酵素をコードする遺伝子を導入することにより、鉄吸
収性が改善されたイネ科植物をえることができるという
新規な知見を提供するものである。
経路と根圏環境を図示したものである。
ネ科形質転換用のバイナリーベクターpIG121Hm
の遺伝子の配列を示したものである。
ブリダイゼーション法により行った結果を示す図面に代
わる写真である。図3のWTは野生種のイネの場合を示
し、コントロールはベクターのみを導入した対照のイネ
の場合を示し、1−5、1−6、1−7、8−1及び1
5−2は35Sプロモーターを有する形質転換体を示
す。
e)の水耕液で栽培した根におけるNAATの活性を測
定した結果を示すものである。図4の白抜き部分は+F
eの場合を示し、斜線部分は−Feの場合を示す。WT
は野生種のものを示し、1−5、1−6及び1−7は形
質転換体のものを示す。
の生育状況を示す図面に代わる写真である。図5のコン
トロール(control)は、ベクターのみを移植した対照
のイネを示し、その右側のイネは形質転換したものであ
る。
変化をグラフにして示したものである。黒丸印は形質転
換体15−2を示し、黒四角印は形質転換体8−1を示
し、白丸印はコントロールとして用いたベクターのみを
移植した対照のイネを示す。
ージDNAのひとつの制限酵素地図を示すものである。
図7中のEはEcoRIを、HはHindIIIを、Bは
BamHIを、NはNotIをそれぞれ示す。両端のN
otIサイトはλFIXIIのアームにあるNotIで
ある。
形質転換用のバイナリーベクターpBIGRZ1の遺伝
子の配列を示したものである。図8のNPTIIはカナマ
イシン耐性遺伝子を、HPTはハイグロマイシン耐性遺
伝子を、GUSはイントロン入りβグルクロニダーゼ遺
伝子を、LacZはβガラクトシダーゼ遺伝子を、35
Pは35Sプロモーターを、NPはNOSプロモーター
を、NTはNOSターミネーターを、MCSはマルチク
ローニングサイトを、RioriはRiプラスミド複製
起点をそれぞれ示している。
示した4枚のうちの1枚目の図である。
列を示した4枚のうちの2枚目の図である。
列を示した4枚のうちの3枚目の図である。
列を示した4枚のうちの4枚目の図である。
列とcDNAと比較して決定したnaat−Aとnaa
t−Bの5’上流、エキソン、イントロン、3’下流を
示した7枚のうちの1枚目の図である。図13において
大文字がcDNAに転写されていたエキソン部分を示
し、小文字がそれ以外の部分を示している。
列とcDNAと比較して決定したnaat−Aとnaa
t−Bの5’上流、エキソン、イントロン、3’下流を
示した7枚のうちの2枚目の図である。図14において
大文字がcDNAに転写されていたエキソン部分を示
し、小文字がそれ以外の部分を示している。
列とcDNAと比較して決定したnaat−Aとnaa
t−Bの5’上流、エキソン、イントロン、3’下流を
示した7枚のうちの3枚目の図である。図15において
大文字がcDNAに転写されていたエキソン部分を示
し、小文字がそれ以外の部分を示している。
列とcDNAと比較して決定したnaat−Aとnaa
t−Bの5’上流、エキソン、イントロン、3’下流を
示した7枚のうちの4枚目の図である。図16において
大文字がcDNAに転写されていたエキソン部分を示
し、小文字がそれ以外の部分を示している。
列とcDNAと比較して決定したnaat−Aとnaa
t−Bの5’上流、エキソン、イントロン、3’下流を
示した7枚のうちの5枚目の図である。図17において
大文字がcDNAに転写されていたエキソン部分を示
し、小文字がそれ以外の部分を示している。
列とcDNAと比較して決定したnaat−Aとnaa
t−Bの5’上流、エキソン、イントロン、3’下流を
示した7枚のうちの6枚目の図である。図18において
大文字がcDNAに転写されていたエキソン部分を示
し、小文字がそれ以外の部分を示している。
列とcDNAと比較して決定したnaat−Aとnaa
t−Bの5’上流、エキソン、イントロン、3’下流を
示した7枚のうちの7枚目の図である。
す。図20中のEはEcoRIを、HはHindIII
を、BはBamHIを示す。
cDNAにおけるイントロンの挿入位置とイントロンの
サイズをしめしたものである。
Aのアミノ酸配列をアミノ酸の1文字表記で示したもの
である。
Bのアミノ酸配列をアミノ酸の1文字表記で示したもの
である。
アルカリ土壌に移植後10週間目の生育の状況を示した
図面に代わる写真である。図24のコントロールは、ベ
クターのみを移植した対照のイネを示す。右側のイネは
ゲノムnaatで形質転換したものである。
アルカリ土壌移植後の草丈の変化をグラフにして示した
ものである。図25の左側はゲノムnaatで形質転換
したイネであり、右側はベクターのみを移植した対照の
イネである。
Claims (11)
- 【請求項1】 イネ科植物にムギネ酸類生合成経路中の
酵素をコードする遺伝子を導入して、鉄吸収性が改善さ
れたイネ科植物を製造する方法。 - 【請求項2】 酵素がニコチアナミンアミノ基転移酵素
(NAAT)であり、それをコードする遺伝子がnaatで
ある請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 プロモーターがCaMV35Sである請
求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 導入される遺伝子がゲノム遺伝子である
請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】 ゲノムがオオムギのゲノムnaatである請
求項4に記載の方法。 - 【請求項6】 遺伝子の塩基配列が、配列表の配列番号
1で示される塩基配列、若しくは当該塩基配列にストリ
ージェントな条件でハイブリダイズ可能でかつニコチア
ナミンアミノ基転移酵素(NAAT)活性を有する蛋白
質を発現し得る塩基配列、又はそれらに相補的な塩基配
列である請求項5に記載の方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの方法で製造さ
れ得る鉄欠乏耐性を有するイネ科植物。 - 【請求項8】 請求項7に記載のイネ科植物の種子。
- 【請求項9】 請求項7に記載のイネ科植物の細胞。
- 【請求項10】 請求項7に記載のイネ科植物を鉄欠乏
耕地で育成する方法。 - 【請求項11】 請求項10に記載の方法により得られ
たイネ科植物の作物。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19031899A JP4084502B2 (ja) | 1999-07-05 | 1999-07-05 | 鉄欠乏耐性イネの創製 |
CNB008100047A CN1298853C (zh) | 1999-07-05 | 2000-07-04 | 耐缺铁性稻类的构建 |
US10/019,783 US7259292B1 (en) | 1999-07-05 | 2000-07-04 | Methods of producing transgenic gramineae plants having resistance to iron deficiency |
KR10-2001-7013876A KR100454083B1 (ko) | 1999-07-05 | 2000-07-04 | 철 결핍내성의 벼 창제 |
EP00940934.3A EP1197139B1 (en) | 1999-07-05 | 2000-07-04 | Construction of rice tolerant to iron deficiency |
PCT/JP2000/004425 WO2001001762A1 (fr) | 1999-07-05 | 2000-07-04 | Production de riz resistant aux carences en fer |
AU55728/00A AU772529B2 (en) | 1999-07-05 | 2000-07-04 | Construction of rice tolerant to iron deficiency |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19031899A JP4084502B2 (ja) | 1999-07-05 | 1999-07-05 | 鉄欠乏耐性イネの創製 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001017012A true JP2001017012A (ja) | 2001-01-23 |
JP4084502B2 JP4084502B2 (ja) | 2008-04-30 |
Family
ID=16256186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19031899A Expired - Fee Related JP4084502B2 (ja) | 1999-07-05 | 1999-07-05 | 鉄欠乏耐性イネの創製 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7259292B1 (ja) |
EP (1) | EP1197139B1 (ja) |
JP (1) | JP4084502B2 (ja) |
KR (1) | KR100454083B1 (ja) |
CN (1) | CN1298853C (ja) |
AU (1) | AU772529B2 (ja) |
WO (1) | WO2001001762A1 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2002077240A1 (ja) * | 2001-03-23 | 2004-07-15 | 科学技術振興事業団 | デオキシムギネ酸合成酵素及びその遺伝子 |
JP2004016153A (ja) * | 2002-06-19 | 2004-01-22 | Japan Science & Technology Corp | 組織特異的・環境ストレス特異的プロモーター |
CN100358844C (zh) * | 2003-06-20 | 2008-01-02 | 北京盛丰特科技发展有限公司 | 一种中低产田专用肥 |
SI1794306T1 (sl) * | 2004-09-24 | 2010-04-30 | Bayer Bioscience Nv | Rastline, odporne na stres |
CN100547072C (zh) * | 2005-02-06 | 2009-10-07 | 中国科学院遗传与发育生物学研究所 | 一种培育耐低重金属元素植物的方法 |
JPWO2006126294A1 (ja) * | 2005-05-24 | 2008-12-25 | サントリー株式会社 | ムギネ酸鉄錯体選択的トランスポーター遺伝子 |
KR101255336B1 (ko) | 2009-12-10 | 2013-04-16 | 포항공과대학교 산학협력단 | 미량 원소 함량이 증가된 벼 품종 및 이를 이용한 기능성 식품 |
CN101892243B (zh) * | 2010-01-29 | 2012-06-13 | 首都师范大学 | 与植物缺铁相关的cDNA序列及其编码蛋白和应用 |
CN103074366B (zh) * | 2013-01-05 | 2014-03-12 | 中国科学院植物研究所 | 应用OsRMC蛋白培育铁吸收能力增加的转基因植物的方法 |
CN104059912B (zh) * | 2014-06-06 | 2016-01-27 | 浙江省农业科学院 | 水稻缺铁诱导启动子及其应用 |
WO2019035856A1 (en) | 2017-12-15 | 2019-02-21 | Tankbots, Inc. | METHODS OF DRIVING TASKS IN A RESERVOIR CONTAINING HAZARDOUS SUBSTANCES |
CA3136306C (en) | 2019-02-20 | 2023-10-03 | Tankbots, Inc. | Methods for performing tasks inherently safely in a tank containing hazardous substances |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69334225D1 (de) * | 1992-07-07 | 2008-07-31 | Japan Tobacco Inc | Verfahren zur transformation einer monokotyledon pflanze |
EP0860499B1 (en) * | 1997-02-21 | 2004-08-11 | Sumitomo Chemical Company Limited | Nicotianamine aminotransferase and gene therefor |
-
1999
- 1999-07-05 JP JP19031899A patent/JP4084502B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2000
- 2000-07-04 CN CNB008100047A patent/CN1298853C/zh not_active Expired - Fee Related
- 2000-07-04 US US10/019,783 patent/US7259292B1/en not_active Expired - Fee Related
- 2000-07-04 EP EP00940934.3A patent/EP1197139B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2000-07-04 WO PCT/JP2000/004425 patent/WO2001001762A1/ja active Application Filing
- 2000-07-04 KR KR10-2001-7013876A patent/KR100454083B1/ko not_active IP Right Cessation
- 2000-07-04 AU AU55728/00A patent/AU772529B2/en not_active Ceased
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1197139B1 (en) | 2014-06-04 |
CN1360466A (zh) | 2002-07-24 |
EP1197139A1 (en) | 2002-04-17 |
JP4084502B2 (ja) | 2008-04-30 |
EP1197139A4 (en) | 2003-05-14 |
AU5572800A (en) | 2001-01-22 |
US7259292B1 (en) | 2007-08-21 |
KR20020009604A (ko) | 2002-02-01 |
AU772529C (en) | 2001-01-22 |
AU772529B2 (en) | 2004-04-29 |
KR100454083B1 (ko) | 2004-10-26 |
WO2001001762A1 (fr) | 2001-01-11 |
CN1298853C (zh) | 2007-02-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6563022B2 (en) | Cotton plants with improved cotton fiber characteristics and method for producing cotton fibers from these cotton plants | |
US6166292A (en) | Raffinose synthetase gene, method of producing raffinose and transgenic plant | |
ES2256856T3 (es) | Proceso de seccion de celulas transgenicas. | |
KR20030067693A (ko) | 아세토젖산신타제유전자를 코딩하는 유전자 | |
US20210102218A1 (en) | Expression of transcription regulators that provide heat tolerance | |
JP2001017012A (ja) | 鉄欠乏耐性イネの創製 | |
US6303847B1 (en) | DNA encoding a transcription factor controlling phenylpropanoid biosynthesis pathway | |
JPH07501683A (ja) | 植物プロモーター | |
AU4365200A (en) | Plant transformation process | |
US20030041351A1 (en) | Cotton plants with improved cotton fiber characteristics and method for producing cotton fibers from these cotton plants | |
CN104093840A (zh) | 调控植物生长基因的克隆及其在提高作物产量中的应用 | |
RU2169196C2 (ru) | Дезоксирибонуклеиновая кислота, кодирующая белок глутатион-s-трансферазу iiic и белок с соответствующей аминокислотной последовательностью | |
CN111206040B (zh) | 水稻白叶枯病抗性相关基因OsDuf6及其应用 | |
CA2176867A1 (en) | Transgenic plants | |
EP1169463B1 (en) | Method for conveying bnyvv resistance to sugar beet plants | |
US7053203B1 (en) | Gene controlling ethylene synthesis | |
AU2012361915A1 (en) | Use of auxin synthase for improving crop yield | |
CN117486988A (zh) | 一种与植物抗逆性相关的蛋白OsNPR3.1及其编码基因与应用 | |
JP2003088377A (ja) | 植物への病害抵抗性付与方法 | |
WO2006100573A1 (en) | Method for producing plants with increased biomass | |
JP2002272292A (ja) | ワサビγチオニン遺伝子を導入した病害抵抗性植物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20031031 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20040129 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040901 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070220 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070423 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070424 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070529 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070730 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070905 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070906 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070906 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20071017 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071113 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080107 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080205 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080215 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees | ||
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |