JP2001016969A - 唐箕ファン - Google Patents

唐箕ファン

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JP2001016969A
JP2001016969A JP11187630A JP18763099A JP2001016969A JP 2001016969 A JP2001016969 A JP 2001016969A JP 11187630 A JP11187630 A JP 11187630A JP 18763099 A JP18763099 A JP 18763099A JP 2001016969 A JP2001016969 A JP 2001016969A
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Muneyuki Kawase
宗之 河瀬
Junichiro Fukutomi
純一郎 福富
Noriyuki Nakase
敬之 中瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 穀粒選別部に対してこれの横幅方向での速度
分布が極力均一になる状態で選別風を供給する唐箕ファ
ンを提供する。 【解決手段】 ケーシング10の風道部15の内部に風
道部15の横幅方向に並ぶ2枚の案内板19,19を設
けてある。2枚の案内板19,19それぞの基端部19
aが、羽根車20の回転軸22から延出して羽根21を
支持する支持アーム23に対して羽根車回転軸芯に直交
する方向に並んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穀粒選別部に選別
風を供給する羽根車を備えるとともに、ケーシングの羽
根車回転軸芯方向での両横側に吸入口を設けてある唐箕
ファンに関する。
【0002】
【従来の技術】上記唐箕ファンは、回転する羽根車がケ
ーシングの両横側の吸入口から吸気し、風道部の吐出口
から穀粒選別部に選別風を供給するものである。この種
の唐箕ファンにおいて、従来、吐出口の横幅方向での両
端部における風速度が中央部におけるそれよりも速くな
っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、穀粒選別部に対
してこれの横幅方向での速度分布がかなり不均一な状態
で選別風が供給され、処理物量の割りには選別風による
選別作用が弱くて穀粒に塵埃が混入しやすいとか、処理
物量の割りには選別風による選別作用が強くて穀粒が塵
埃と共に飛散しやすい部分が穀粒選別部にできやすくな
っていた。本発明の目的は、穀粒選別部に極力均一な速
度分布で選別風供給できる唐箕ファンを提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構
成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】〔構成〕穀粒選別部に選別風を供給する羽
根車を備えるとともに、ケーシングの羽根車回転軸芯方
向での両横側に吸入口を設けてある唐箕ファンにおい
て、前記ケーシングの風道部に、羽根車からの選別風に
案内作用する案内板を設けるとともに、前記羽根車の回
転軸から延出して羽根を支持する支持アームと、前記案
内板の基端部とが羽根車の回転軸芯に直交する方向に並
んでいる。
【0006】〔作用〕この種の唐箕ファンにあっては、
羽根車の回転軸から延出する支持アームの両横側近くで
はその他の部分よりも風圧が低くなる。すると、この低
圧部分にその付近から風が流れ込みやすくなるが、案内
板が低圧部分への風の流れ込みを抑制する。この結果、
低圧部分に周囲から風が流れ込んで風速の低くなる範囲
が拡大することを抑制され、支持アームが存在する割り
には、吐出口の横幅方向での風速分布が均一化する。
【0007】〔効果〕唐箕ファンが吐出口の横幅方向で
の風速分布が極力均一な状態で選別風を供給し、穀粒選
別部での横幅方向での風速分布が極力均一な状態になっ
て、選別むらや穀粒飛散などを回避しやすい精度のよい
選別を行わせられる。
【0008】請求項2による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0009】〔構成〕請求項1による発明の構成におい
て、前記案内板の複数枚を、前記風道部の横幅方向に並
ぶとともに案内板どうしの間隔が吐出口側ほど広くなる
状態に配置してある。
【0010】〔作用〕冒頭に記した唐箕ファンにあって
は、ケーシングの両横側から吸気するなどに起因し、吐
出口の中央部では両端部よりも風速が遅くなる特性を有
するが、案内板が前記配置構成により、羽根車からの選
別風に対してこれの吐出口での速度分布が均一化するよ
うに案内作用するものである。
【0011】〔効果〕羽根車の支持アームに起因する速
度分布の不均一化を改善する他に、両側吸入口に起因す
る速度分布の不均一をも改善し、穀粒選別部に対してこ
れの横幅方向での風速分布がより均一化する状態で選別
風を供給し、選別むらや穀粒飛散などがより一層少ない
精度のよい選別を行わせられる。
【0012】請求項3による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0013】〔構成〕請求項1又は2による発明の構成
において、前記羽根車の備える羽根が、羽根車の外周側
に至るほど羽根車回転方向下手側に位置する前向き羽根
である。
【0014】〔作用〕羽根車が前向き羽根を備え、吐出
口の横幅方向での中央部と両端部と風速差が前向き角を
有しない直線羽根で送風する場合のそれよりも少ない状
態で送風するものである。
【0015】〔効果〕案内板による風速調整作用の他
に、羽根の前向き角による作用の面からも吐出口の中央
部と両端部とでの風速差が一層少なくなって穀粒選別部
に供給される選別風の速度分布がより一層均一化し、よ
り選別むらが発生しにくいように精度よく選別を行わせ
られる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1に示すように、脱穀フィード
チェーン1によって刈取り穀稈の穂先側を扱室2に供給
して回動する扱胴3によって脱穀処理し、脱穀排ワラを
脱穀フィードチェーン1によって扱室2から搬出するよ
うに脱穀部Aを構成してある。扱室2から受網4を通っ
て落下する脱穀処理物、扱室2の排出口5から排出され
る脱穀処理物を受け入れて機体後方側に搬送しながら選
別処理する駆動揺動自在な揺動選別装置6と、この揺動
選別装置6の前方に位置する唐箕ファンFによって供給
される選別風とによって脱穀処理物を穀粒と塵埃とに選
別処理し、塵埃を選別風と共に吸引ファン7によって吸
引して機体外に排出するように穀粒選別部Cを構成して
ある。揺動選別装置6の前端側から落下した1番処理物
を機体横外側に搬出する1番スクリューコンベア8a、
揺動選別装置6の後端側から落下した2番処理物を機体
横外側に搬出する2番スクリューコンベア8bを穀粒選
別部Cの底部に設けるとともに、2番スクリューコンベ
ア8bからの2番処理物を揚送装置9によって脱穀部A
の底部の横側に揚送して機体内に送り込み、受網4と機
体横側壁との間から揺動選別装置6の始端側に落下させ
て再度選別処理するように構成し、もって、コンバイン
用の脱穀機を構成してある。
【0017】図2、図3などに示すように、前記唐箕フ
ァンFは、脱穀機における穀粒選別部Cの左横側壁を形
成している部材の一部で左側壁部11aを、穀粒選別部
Cの右横側壁を形成している部材の一部で右側壁部11
bをそれぞれ形成してあるケーシング10と、このケー
シング10の内部に位置する複数枚の送風用の羽根21
を有する羽根車20とによって構成してある。
【0018】ケーシング10は、前記左右一対の側壁部
11a,11bと、左側壁部11aの内面側と右側壁部
11bの内面側とにわたって連結している屈曲板で成る
ファンガイド12とによって構成してある。そして、前
記左側壁部11aに正方形の吸入口13aを設け、前記
右側壁部11bに円形の吸入口13bを設けてある。前
記ファンガイド12を形成している板体の一端側の平板
部分と、他端側の平板部分と、両平板部分を挟んでいる
左右の側壁部11a,11bそれぞれの一部分とによ
り、穀粒選別部Cの揺動選別装置6の前端側の下方に開
口する吐出口14と、この吐出口14をファンガイド1
2の内部に連通させる風道部15とを形成してある。
【0019】羽根車20は、ケーシング10の前記左側
壁部11aの外面側に連結ボルト16によって固定して
ある左ブラケット17aが支持するベアリング18と、
ケーシング10の前記右側壁部11bの外面側に連結ボ
ルト16によって固定してある右ブラケット17bが支
持するベアリング18とによって回転自在に支持されて
いる回転軸22と、この回転軸22のケーシング10の
内部に位置する部分の両端側から各別に一体回転自在に
延出する左右一対の支持アーム23,23にわたって取
り付けてある前記複数枚の羽根21とによって構成して
ある。複数枚の羽根21のそれぞれは、前記支持アーム
23に連結する基端側の取付け部分と先端側部分21a
との間に位置するとともに回転軸22に平行な折り曲げ
線21bで折り曲げ加工した板体によって作成してあ
り、先端側部分21aにおいて羽根車20の外周側に至
るほど羽根車回転方向下手側に位置する前向き羽根に成
っている。
【0020】ケーシング10の前記風道部15の内部
に、風道部15の横幅方向に並ぶ2枚の案内板19を固
定してある。2枚の案内板19,19は、図2に示す如
く配置してある。すなわち、左側に位置する案内板19
の基端部19aと前記左側の支持アーム23とが羽根車
20の回転軸芯に直交する方向に並び、右側の位置する
案内板19の基端部19aと前記右側の支持アーム23
とが羽根車20の回転軸芯に直交する方向に並ぶように
して、かつ、案内板19どうしの間隔が約8度の広がり
角度θで吐出口14側ほど広くなるようにして配置して
ある。これにより、案内板19は、吐出口横幅方向にお
ける両端部での風に対しては中央部での風に対してより
も強い抵抗を与えるように案内作用し、吐出口20にお
ける選別風の吐出口横幅方向での速度分布の均一化を図
る。
【0021】図2に示すように、羽根車20の回転軸2
2のケーシング10から右外側に突出する軸端部に入力
ベルトプーリ24を取り付け、この入力ベルトプーリ2
4により、コンバインの走行機体に搭載されているエン
ジンからの回動力を回転軸22に導入して羽根車20を
駆動するように構成してある。前記入力ベルトプーリ2
4に、このベルトプーリ24の回動力を扱胴3に伝達す
る出力ベルトプーリ25を一体回転自在に備えさせ、羽
根車20の回転軸22のケーシング10が左外側に突出
する軸端部に、回転軸22の回動力を脱穀フィードチェ
ーン1、スクリューコンベア8a,8b、揺動選別装置
6、吸引ファン7のそれぞれに伝達する2個の出力ベル
トプーリ26,26を一体回転自在に備えさせてある。
【0022】図3に示すように、前記左右のブラケット
17a,17bそれぞれのベアリングホルダー17cよ
りも前側に位置する部分と、後側に位置する部分との2
箇所に、ケーシング10の前記吸入口13a,13bか
らの吸気を容易にするための通気孔17dを設けてあ
る。
【0023】羽根車20の羽根21を前向き角がついて
いる前記前向き羽根にするとともに前記案内板19を設
けていない唐箕ファンFと、羽根21を図4に示す如く
前向き角がついていない直線羽根に構成するとともに案
内板19を設けていない唐箕ファンFとについて、唐箕
ファンFが供給する選別風の風道部15の羽根出口での
速度分布を得る実験を行ったところ、図6及び図7に示
す結果が得られた。風道部15での速度分布と、吐出口
14での速度分布とは同様になり、風道部15での速度
分布は、吐出口14での速度分布と見なすことができ
る。
【0024】すなわち、図6と図7いずれにおいても、
縦軸は、測定位置Y/Bを示す。図10に示すように、
風道部15及び吐出口14の横幅、すなわち左端14L
から右端14Rまでの距離をBとし、風道部15での左
端14Lから測定位置までの距離をYとし、この横幅B
と、距離Yとによって示している。横軸は、風速を示
す。この風速は、実風速の設計風速に対する比率で示す
とともに、0.5を基準として示している。図6に示す
ように、直線羽根の場合、風道部横幅方向での速度分布
が、測定位置Y/B=0.3〜0.7で低く、両端部で
高くなっている。これは、羽根21が相当の横幅を持っ
ているため、吸込口13a,13bから吸い込まれた空
気が羽根車中央部まで流れ込まず、すぐさま吐き出し口
から流れ出るためであると考えられる。図7に示すよう
に、前向き羽根の場合、風道部横幅方向での中央での速
度が大きくなり、壁面近くとの差がかなり小さくなって
いる。測定位置Y/B=0.3〜0.8までの範囲で速
度がほぼ一様となった。これは、前向き羽根のケーシン
グ吐き出し流路内の再循環に伴うディフューザーの効果
により、羽根車出口の圧力が下がり、空気を中央部にま
で吸い込みやすくなった為である。この前向き羽根の場
合、風道部15の中央部と両端部とでの風速度差が直線
羽根の場合のそれよりも小になっており、風道部横幅方
向での速度分布が直線羽根の場合よりも均一化してい
る。
【0025】羽根車20の羽根21を前進角がついてい
る前記前向き羽根にするとともに前記案内板19を2枚
設けた前記唐箕ファンFについて、唐箕ファンFが供給
する選別風の風道部15の羽根出口での速度分布を得る
実験を行ったところ、図8に示す結果が得られた。
【0026】図8において、縦軸は、測定位置Y/Bを
示す。図10に示すように、風道部15及び吐出口14
の横幅、すなわち左端14Lから右端14Rまでの距離
をBとし、風道部15での左端14Lから測定位置まで
の距離をYとし、この横幅Bと、距離Yとによって測定
位置を示している。横軸は、風速を示す。この風速は、
実風速の設計風速に対する比率で示すとともに、0.5
を基準として示している。図8に示すように、速度分布
が測定値Y/B=0.2〜0.8で低く、両端部で高く
なっている。そして、案内板19が無い場合(図7)と
比べると、中央部の速度が増しており、測定位置Y/B
=0.2〜0.8で、かなり一様な流れになっている。
風道部横幅方向での速度分布が案内板19のない場合よ
りも均一化している。結局、羽根21の前向き角が大き
くなるにつれて圧力、動力は増え続けるが、効率は50
度ぐらいで頭打ちとなる。直線羽根と前向き羽根のファ
ン内部の流れで、前向き羽根の方が支持アーム23の付
近での再循環領域が大きい。前向き羽根では、大きな再
循環領域のために、スクロール巻き終わりから吐き出し
口にかけて、吐き出し流れは短い区間で急拡大され、圧
力回復される。このため、この部分がディフューザーの
役割を果たしている。
【0027】つまり、唐箕ファンFは、入力ベルトプー
リ24に回動力が伝達されると、この動力によって回動
する羽根車20により、ケーシング10の羽根車回転軸
芯方向での両端側に位置する吸入口13a,13bから
吸気し、選別風を風道部15に送り込んで吐出口14か
ら穀粒選別部Cに供給する。このとき、羽根車20の羽
根21が前向き羽根であって、直線羽根の場合よりも吐
出口14での風速度分布が均一化することと、2枚の案
内板19,19が支持アーム23に対する前記位置関
係、及び、案内板19どうしの前記配置関係のために羽
根車20からの選別風に案内作用して吐出口14での風
速度分布を極力均一化するように調整することとによ
り、穀粒選別部Cにおける横幅方向での風速分布が極力
均一になるようにして選別風を供給する。
【0028】〔別実施形態〕図9は、別の実施形態を備
える唐箕ファンFを示し、この唐箕ファンFの風道部1
5に設けた2枚の案内板19,19のそれぞれは、各案
内板19が基端部19aから先端部までの全長にわたっ
て前記支持アーム23と羽根車回転軸芯に直交する方向
に並び、2枚の案内板19,19が平行に並ぶ状態に配
置してある。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱穀機の概略図
【図2】唐箕ファンの断面図
【図3】唐箕ファンのケーシングの斜視図
【図4】直進羽根の断面図
【図5】前向き羽根の断面図
【図6】直進羽根(案内板なし)の実験結果の説明図
【図7】前向き羽根(案内板なし)の実験結果の説明図
【図8】前向き羽根(案内板付き)の実験結果の説明図
【図9】別実施の案内板を備える唐箕ファンの断面図
【図10】測定位置を示す説明図
【符号の説明】
10 ケーシング 13a,13b 吸入口 15 風道部 19 案内板 19a 案内板の基端部 20 羽根車 21 羽根 22 回転軸 23 支持アーム C 穀粒選別部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B095 AA01 AA07 AA12 BA03 BA11 BA21 BA25 BA30 CA02 CB04 CB14 EA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穀粒選別部に選別風を供給する羽根車を
    備えるとともに、ケーシングの羽根車回転軸芯方向での
    両横側に吸入口を設けてある唐箕ファンであって、 前記ケーシングの風道部に、羽根車からの選別風に案内
    作用する案内板を設けるとともに、前記羽根車の回転軸
    から延出して羽根を支持する支持アームと、前記案内板
    の基端部とが羽根車の回転軸芯に直交する方向に並んで
    いる唐箕ファン。
  2. 【請求項2】 前記案内板の複数枚を、前記風道部の横
    幅方向に並ぶとともに案内板どうしの間隔が吐出口側ほ
    ど広くなる状態に配置してある請求項1記載の唐箕ファ
    ン。
  3. 【請求項3】 前記羽根車の備える羽根が、羽根車の外
    周側に至るほど羽根車回転方向下手側に位置する前向き
    羽根である請求項1又は2記載の唐箕ファン。
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