JP2001013320A - 光学多層干渉膜および黄色電球 - Google Patents

光学多層干渉膜および黄色電球

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JP2001013320A
JP2001013320A JP18245599A JP18245599A JP2001013320A JP 2001013320 A JP2001013320 A JP 2001013320A JP 18245599 A JP18245599 A JP 18245599A JP 18245599 A JP18245599 A JP 18245599A JP 2001013320 A JP2001013320 A JP 2001013320A
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refractive
material film
optical multilayer
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JP18245599A
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Takahiro Ai
孝博 阿井
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AGC Techno Glass Co Ltd
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Asahi Techno Glass Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い発光効率を有する光学多層干渉膜及びそ
れを用いた黄色電球を提供することを目的とする。 【解決手段】 高屈折率物質膜と低屈折率物質膜を交互
に積層した光学多層干渉膜を表面にコートした電球であ
って、1次の反射帯が赤外線を反射し、高次の反射帯が
青色を反射するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】自動車用又は照明用などに用
いられる白熱電球の表面に光学多層干渉膜をコートした
電球に関する。
【0002】
【従来技術】従来、自動車などに使用される白熱電球か
ら黄色光を発するようにするためには、白熱電球の外表
面に青色を反射する光学多層干渉膜を被覆することによ
り、フィラメントから発生する可視光線のうち青色の補
色である黄色を透過して照射させることが行われてい
た。また、白熱電球の発光効率を向上させるためには、
外表面に赤外線反射の光学多層干渉膜を被覆することが
行われていた。
【0003】そして、白熱電球の発光効率を上げ、かつ
黄色光を照射できるようにするには、赤外線を反射する
特性の光学多層干渉膜と黄色光を透過する特性の光学多
層干渉膜とを重層していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2つの
特性を持つ光学多層干渉膜を重層したものでは以下に示
す欠点を生じてしまう。 2種類の光学多層干渉膜を重層することにより、可視
光の平坦度が低下して、被覆した膜が着色して見えてし
まう。 コート層数が多くなることにより、コート時間が掛か
るなど製造が困難となる。 コート膜厚が厚くなることにより、膜表面が粗くなり
透過率が低下し、かつ散乱により白曇りを生じてしま
う。
【0005】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、少ないコート層数で高い発光効率を有する光学多層
干渉膜及びそれを用いた黄色電球を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、高屈折率物質膜と低屈
折率物質膜を交互に積層した光学多層干渉膜であって、
1次の反射帯が赤外線域を反射し、高次の反射帯が青色
域を反射するものとした。
【0007】請求項2に対応する発明は、請求項1に対
応する発明において、青色域を反射する高次の反射帯が
2次又は3次の反射帯であるようにしたものである。
【0008】このように、1次の反射帯で赤外線域を反
射し、2次又は3次の反射帯で青色域を反射することに
よって、反射特性の異なる光学多層干渉膜を重層しなく
てもよくなる。また、光干渉作用により青色域を反射し
ているので、制御波長を調節することにより透過光を容
易に制御することができる。
【0009】請求項3に対応する発明は、請求項1又は
2に対応する発明において、高屈折率物質膜の屈折率を
nH、低屈折率物質膜の屈折率をnLとしたとき、1.
20≦nH/nLの関係を満足するようにした。nH/
nL<1.20の場合は、反射帯幅が狭くなりすぎるの
で、良好な赤外線域反射機能と青色域反射機能を持たせ
るためには、光学多層干渉膜の積層数が多くなり、透過
率が低下したり白曇りが発生して従来技術に対する利点
が得られない。好ましくは1.40≦nH/nLであ
る。nH/nLの値が大きくなれば反射帯幅が広くな
り、積層数が低減され、より好ましいものとなるので、
上限域は限定しなかった。
【0010】請求項4に対応する発明は、高屈折率物質
膜と低屈折率物質膜を交互に積層した光学多層干渉膜を
表面にコートした黄色電球であって、1次の反射帯が赤
外線域を反射し、高次の反射帯が青色域を反射するよう
にしたものである。
【0011】請求項5に対応する発明は、請求項4に対
応する発明において、青色域を反射する高次の反射帯が
2次又は3次の反射帯であるようにしたものである。
【0012】このように、光干渉作用により、1次の反
射帯で赤外線域を反射し、2次又は3次の反射帯で青色
域を反射するので、様々な黄色の黄色電球を提供するこ
とができる。
【0013】請求項6に対応する発明は、請求項4又は
5に対応する発明において、高屈折率物質膜の屈折率を
nH、低屈折率物質膜の屈折率をnLとしたときに、
1.20≦nH/nLの関係を満足するようにした。n
H/nL<1.20の場合は、反射帯幅が狭くなりすぎ
るので、良好な赤外線反射機能と青色反射機能をもたせ
るためには、光学多層干渉膜の積層数が多くなるので、
電球使用時の熱線による膜はがれの原因となってしま
う。
【0014】請求項7に対応する発明は、高屈折率物質
膜と低屈折率物質膜を交互に積層した光学多層干渉膜で
あって、高屈折率物質膜又は低屈折率物質膜のいずれか
一方を光学膜厚で1/2λ被覆し、他方を1/4λ被覆
し、赤外線域及び青色域に反射帯を形成させ黄色光を透
過するものである。
【0015】請求項8に対応する発明は、請求項1に対
応する発明において、高屈折率物質膜及び低屈折率物質
膜のそれぞれの最外層の膜厚を光学膜厚で1/4λとし
たものである。
【0016】このような膜構成とすることにより、1次
の反射帯により赤外線域を反射し、2次の反射帯により
青色域を反射し黄色光を透過させることができるので、
従来のように反射特性の異なる光学多層干渉膜を重層し
なくてよくなる。特に、請求項8に対応する発明のよう
に最外層の膜厚を光学膜厚で1/4λとした場合、可視
域の反射帯の形成を防ぐことができ、可視域を平坦な分
光透過率とすることができる。また、光干渉作用により
赤外線域及び青色域を反射しているので、制御波長を調
節することにより透過光を容易に制御することができ
る。
【0017】請求項9に対応する発明は、高屈折率物質
膜と低屈折率物質膜を光学膜厚で1/4λずつ交互に積
層した光学多層干渉膜であって、高屈折率物質膜及び低
屈折率物質膜のそれぞれの最外層の少なくとも一方の制
御波長を最外層以外の制御波長と異ならせ、赤外線域及
び青色域に反射帯を形成させ黄色光を透過するものであ
る。
【0018】この膜構成により、1次の反射帯で赤外線
域を反射することができ、3次の反射帯で青色域を反射
することができ、さらに、可視域が平坦な分光透過率と
することができる。
【0019】請求項10に対応する発明は、高屈折率物
質膜と低屈折率物質膜を光学膜厚で1/4λずつ交互に
積層した光学多層干渉膜において、高屈折率物質膜及び
低屈折率物質膜のいずれか一方の制御波長を他方の整数
倍とし、赤外線域及び青色域に反射帯を形成させ黄色光
を透過するものである。
【0020】請求項11に対応する発明は、請求項4に
対応する発明において、高屈折率物質膜及び低屈折率物
質膜のそれぞれの最外層の少なくとも一方の制御波長を
最外層以外の制御波長と異ならせたものである。
【0021】この膜構成により、1次の反射帯で赤外線
域を反射することができ、2次、3次・・・(高次)の
反射帯で青色域を反射することができるようになる。特
に、請求項11に対応する発明のように最外層の制御波
長を最外層以外の制御波長と異ならせ調整することによ
り、可視域への反射帯の形成を防ぎ、可視域の平坦な分
光透過率を得ることができる。
【0022】請求項12に対応する発明は、高屈折率物
質膜と低屈折率物質膜を交互に積層した光学多層干渉膜
であって、高屈折率物質膜又は低屈折率物質膜のいずれ
か一方の光学膜厚を1/2λ、他方を1/4λとし交互
に複数層積層した多層膜と、高屈折率物質膜と低屈折率
物質膜を光学膜厚で1/4λずつ交互に積層した多層膜
の高屈折率物質膜及び低屈折率物質膜のそれぞれの最外
層の少なくとも一方の制御波長を最外層以外の制御波長
と異ならせた多層膜とを重層させ、赤外線域及び青色域
に反射帯を形成させ黄色光を透過するものである。
【0023】このように赤外線域及び青色域を反射する
光学多層干渉膜を重層することにより、赤外線域の反射
帯幅が広がり、より多くの赤外線を反射することができ
る。したがって、この光学多層干渉膜を電球に被覆した
場合、フィラメントにより多くの赤外線が帰還するの
で、発光効率の優れた電球を提供することが可能とな
る。
【0024】請求項13に対応する発明は、請求項7な
いし12にいずれかに記載の光学多層干渉膜において、
高屈折率物質の屈折率をnH、低屈折率物質の屈折率を
nLとしたとき、以下の関係を満足するものである。n
H/nL<1.20の場合は、反射帯幅が狭くなりすぎ
るので、良好な赤外線域反射機能と青色域反射機能を持
たせるためには、光学多層干渉膜の積層数が多くなり、
透過率が低下したり白曇りが発生して従来技術に対する
利点が得られない。好ましくは1.40≦nH/nLで
ある。nH/nLの値が大きくなれば反射帯幅が広くな
り、積層数が低減され、より好ましいものとなるので上
限域は限定しなかった。
【0025】請求項14に対応する発明は、黄色電球で
あって、請求項7ないし13のいずれかに記載した光学
多層干渉膜を被覆したものである。
【0026】上記したように光学多層干渉膜は光の干渉
作用により、赤外線域及び青色域を反射し黄色光を透過
できるようになっているので、青色域の反射を調整する
ことにより、様々な黄色を発光する黄色電球を提供する
ことができる。また、赤外線も反射するので、フィラメ
ントに赤外線が帰還するので、発光効率の優れた電球と
することができる。
【0027】本発明での1次、2次、3次・・・高次の
反射帯とは、制御波長λの1/4を被覆したものによる
反射帯を1次の反射帯とし、制御波長λの2/4を被覆
したものによる反射帯を2次の反射帯とし、制御波長λ
の3/4を被覆したものによる反射帯を3次の反射帯と
している。なお、高次の反射帯とは、一般的な光学多層
干渉膜において、長波長側に発生する1番目の反射帯の
短波長側に表れる反射帯のことである。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面を参
照して詳細に説明する。図1は本発明の黄色電球であ
り、ハロゲン電球の表面に赤外線を反射し青色を反射す
る光学多層干渉膜が被覆されている。この光学多層干渉
膜の具体例を以下に示す。なお、光学多層干渉膜の分光
透過率は以下に示す具体例及び比較例の膜をハロゲン電
球にコートした後、電球を切断してその中心部分を測定
したものである。
【0029】 (具体例1) コート真空度 :3.0×10-3Pa 蒸着剤 :二酸化チタン(高屈折率物質n=2.35) :二酸化ケイ素(低屈折率物質n=1.46) nH/nL :1.61 制御波長 :600nm 膜構成 :表1に示す
【0030】
【表1】
【0031】この具体例1はTiO2層の光学膜厚を1
/2λとし、SiO2層の光学膜厚を1/4λとしたも
のである。
【0032】上記表1の光学多層干渉膜の透過率特性を
図2に示す。この図2から800〜1100nmまでの
範囲の赤外線を50%以上反射しているのは、表1に示
した膜構成での1次の反射帯によるものである。また、
500nm以下の範囲の青色及び紫外線を50%以上反
射しているのは、表1に示した膜構成での2次の反射帯
及び高屈折率物質として使用したTiO2の吸収による
ものである。なお、TiO2層の制御波長を1200n
mとし、光学膜厚を1/4λとしても図2に示した透過
率特性を得ることができる。
【0033】ここで、一般的には光学膜厚を1/2λと
した場合には、反射帯は生じないのであるが、本発明に
おいては、TiO2層のみを1/2λとし光学多層干渉
膜を変則的なものとしたことにより、2次の反射帯で青
色を反射できる。
【0034】(具体例2)この具体例2は具体例1の蒸
着条件の膜構成を表2に示すものとした。
【0035】
【表2】
【0036】この具体例2は上記具体例1のTiO2
とSiO2層の光学膜厚を逆にしたものである。すなわ
ち、TiO2層の光学膜厚を1/4λとし、SiO2層の
光学膜厚を1/2λとしたものである。ただし、第10
層目のSiO2層は可視域の透過率特性を平坦にするた
めに、光学膜厚を1/4λとした。
【0037】上記表2の光学多層干渉膜の透過率特性を
図3に示す。この図3から800〜1100nmまでの
範囲の赤外線を50%以上反射しているのは、表2に示
した膜構成での1次の反射帯によるものである。また、
500nm以下の範囲の青色及び紫外線を50%以上反
射しているのは、表2に示した膜構成での2次の反射帯
及び高屈折率物質として使用したTiO2の吸収による
ものである。なお、第2層から第8層までのSiO2
の制御波長を1200nmとし、光学膜厚を1/4λと
しても図3に示した透過率特性を得ることができる。
【0038】(具体例3)この具体例3は具体例1の蒸
着条件の膜構成を表3に示すものとした。
【0039】
【表3】
【0040】この具体例3は第1層から第8層目までの
制御波長を1392nmとし、第9層目の制御波長を1
336nm、第10層目の制御波長を772nmとし、
各層の光学膜厚を1/4λとしたものである。ここで、
第9層目のTiO2層と第10層目のSiO2層は、可視
域の透過率特性を平坦とするために、第1層から第8層
目までの制御波長と異ならせた。
【0041】上記表3の光学多層干渉膜の透過率特性を
図4に示す。この図3から1150〜1750nmまで
の範囲の赤外線を50%以上反射しているのは、表3に
示した膜構成での1次の反射帯によるものである。ま
た、500nm以下の範囲の青色及び紫外線を50%以
上反射しているのは、表3に示した膜構成での3次の反
射帯及び高屈折率物質として使用したTiO2の吸収に
よるものである。
【0042】なお、この具体例3では光学膜厚を1/4
λとしたので、1次、3次、5次・・・の位置に反射帯
が生じるため、1次の反射帯で赤外線を反射し、3次の
反射帯で青色を反射している。
【0043】(具体例4)この具体例4は上記した具体
例1と3を組み合わせたものであり、表4にその膜構成
を示す。
【0044】
【表4】
【0045】この表4からわかるように、第1層から第
10層目までは、上記具体例1に相当する部分であり、
制御波長を600nmとし、TiO2層の光学膜厚を1
/2λとし、SiO2層の光学膜厚を1/4λとした。
第11層から第20層目までは、上記具体例3に相当す
る部分であり、第11層から第19層目までの制御波長
を1200nmとし、第20層目の制御波長を600n
mとし、第11層から第20層目までの光学膜厚を1/
4λとしたものである。
【0046】上記表4の光学多層干渉膜の透過率特性を
図5に示す。この図5から800〜1500nmまでの
範囲の赤外線を50%以上反射しているのは、表4に示
した膜構成での1次の反射帯によるものである。また、
500nm以下の範囲の青色及び紫外線を50%以上反
射しているのは、表4に示した膜構成での2次及び3次
の反射帯及び高屈折率物質として使用したTiO2の吸
収によるものである。
【0047】(比較例1)次に、青色可視光線のみを反
射する膜及び赤外線のみを反射する膜を重ねてコートし
たものを比較例1として示す。この比較例の蒸着条件は
制御波長及び膜構成以外は上記した具体例1と同じ条件
で行った。膜構成は表5に示す。
【0048】
【表5】
【0049】この比較例1は第1層から第10層目まで
が青色域を反射する膜の構成であり、第11層から第2
0層目までが赤外線を反射する膜の構成である。すなわ
ち、青色反射特性を有する膜と赤外線反射特性を有する
膜とを重層したものである。
【0050】上記表5の光学多層干渉膜の透過率特性を
図6に示す。図6から比較例1は、800〜1200n
mまでの赤外線が第11層から第20層までの膜構成で
50%以上反射することができ、500nm以下の波長
域が第1層から第10層までの膜構成で50%以上反射
することができるものである。
【0051】以上で説明した具体例1ないし4及び比較
例1の膜層厚、コート時間、電球特性を表6に示す。ま
た、表中には比較例1の第1層から第10層目までの青
色を反射する膜のみを被覆した比較例2も示す。なお、
表中の膜層厚は物理膜厚を示したものであり、コート時
間はTiO2及びSiO2を全て同じ蒸着レートで被覆し
た場合の時間である。また、電球特性に使用した光源は
ハロゲン電球であり、110V、65Wのものを使用
し、色度の測定は電球から1mの位置での色度を測定し
たものであり、効率は直径1mの積分球型全光束測定器
で測定した。これらのデータは電球5本の平均値から求
めた。
【0052】
【表6】
【0053】この表6から、比較例2は光学多層干渉膜
に赤外線反射特性がないため、コート後効率/コート前
効率が89.75%となっているが、具体例1ないし4
及び比較例1は光学多層干渉膜に赤外線反射特性を有し
ているので、コート後効率/コート前効率が94.21
〜99.21%までの高い発光効率を有している。具体
例1ないし4及び比較例1では、具体例4が一番高い発
光効率を示している。これは具体例4の赤外線反射特性
が他の4つの例よりも広い赤外線域を反射するため、フ
ィラメントに帰還する赤外線が多いからである。また、
具体例1ないし3及び比較例1は同じような発光効率で
あるが、具体例1ないし3は比較例1よりもコート時間
が短く、生産性が高いというメリットがある。さらに、
具体例1及び2については比較例1よりも合計膜厚が少
ないので、さらに、効率よく光学多層干渉膜を得ること
ができる。
【0054】また、上記具体例ではTiO2とSiO2
交互に積層したものであるが、これに限定されることな
く以下の表7に示した蒸着物質から2つの物質の屈折率
比を勘案し、nH/nLが1.20以上となる組み合わ
せを選択すればよい。
【0055】
【表7】
【0056】
【発明の効果】本発明は、1次の反射帯で赤外線域を反
射し、高次(2次又は3次)の反射帯で青色域を反射す
ることができるので、従来よりも少ない積層数で発光効
率の優れた黄色電球を提供することができる。また、光
の干渉作用により青色域を反射することができるので、
青色域の反射帯を自由に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学多層干渉膜を被覆した黄色電球
の概念図である。
【図2】 具体例1の光学多層干渉膜の分光透過率であ
る。
【図3】 具体例2の光学多層干渉膜の分光透過率であ
る。
【図4】 具体例3の光学多層干渉膜の分光透過率であ
る。
【図5】 具体例4の光学多層干渉膜の分光透過率であ
る。
【図6】 比較例1の光学多層干渉膜の分光透過率であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月27日(2000.1.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】 (具体例1) コート真空度 :3.0×10-3Pa 蒸着剤 :二酸化チタン(高屈折率物質n=2.35) :二酸化ケイ素(低屈折率物質n=1.46) nH/nL :1.61 制御波長 :600nm 膜構成 :表1に示す

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高屈折率物質膜と低屈折率物質膜を交互
    に積層した光学多層干渉膜において、1次の反射帯が赤
    外線域を反射し、高次の反射帯が青色域を反射すること
    を特徴とする光学多層干渉膜。
  2. 【請求項2】 青色域を反射する高次の反射帯が2次又
    は3次の反射帯であることを特徴とする請求項1記載の
    光学多層干渉膜。
  3. 【請求項3】 高屈折率物質膜の屈折率をnH、低屈折
    率物質膜の屈折率をnLとしたとき、以下の関係を満足
    することを特徴とする請求項1又は2記載の光学多層干
    渉膜。 1.20≦nH/nL
  4. 【請求項4】 高屈折率物質膜と低屈折率物質膜とを交
    互に積層した光学多層干渉膜を表面にコートした電球で
    あって、1次の反射帯が赤外線域を反射し、高次の反射
    帯が青色域を反射することを特徴とする黄色電球。
  5. 【請求項5】 青色域を反射する高次の反射帯が2次又
    は3次の反射帯であることを特徴とする請求項4記載の
    黄色電球。
  6. 【請求項6】 高屈折率物質膜の屈折率をnH、低屈折
    率物質膜の屈折率をnLとしたとき、以下の関係を満足
    することを特徴とする請求項4又は5記載の黄色電球。 1.20≦nH/nL
  7. 【請求項7】 高屈折率物質膜と低屈折率物質膜を交互
    に積層した光学多層干渉膜において、高屈折率物質膜又
    は低屈折率物質膜のいずれか一方を光学膜厚で1/2λ
    被覆し、他方を1/4λ被覆し、赤外線域及び青色域に
    反射帯を形成させ黄色光を透過することを特徴とする光
    学多層干渉膜。なお、前記λは制御波長である。
  8. 【請求項8】 高屈折率物質膜及び低屈折率物質膜のそ
    れぞれの最外層の膜厚を光学膜厚で1/4λとしたこと
    を特徴とする請求項7記載の光学多層干渉膜。
  9. 【請求項9】 高屈折率物質膜と低屈折率物質膜を光学
    膜厚で1/4λずつ交互に積層した光学多層干渉膜にお
    いて、高屈折率物質膜及び低屈折率物質膜のそれぞれの
    最外層の少なくとも一方の制御波長を最外層以外の制御
    波長と異ならせ、赤外線域及び青色域に反射帯を形成さ
    せ黄色光を透過することを特徴とする光学多層干渉膜。
    なお、前記λは制御波長である。
  10. 【請求項10】 高屈折率物質膜と低屈折率物質膜を光
    学膜厚で1/4λずつ交互に積層した光学多層干渉膜に
    おいて、高屈折率物質膜及び低屈折率物質膜のいずれか
    一方の制御波長を他方の整数倍とし、赤外線域及び青色
    域に反射帯を形成させ黄色光を透過することを特徴とす
    る光学多層干渉膜。なお、前記λは制御波長である。
  11. 【請求項11】 高屈折率物質膜及び低屈折率物質膜の
    それぞれの最外層の少なくとも一方の制御波長を最外層
    以外の制御波長と異ならせたことを特徴とする請求項1
    0記載の光学多層干渉膜。
  12. 【請求項12】 高屈折率物質膜と低屈折率物質膜を交
    互に積層した光学多層干渉膜において、高屈折率物質膜
    又は低屈折率物質膜のいずれか一方の光学膜厚を1/2
    λ、他方を1/4λとし交互に複数層積層した多層膜
    と、高屈折率物質膜と低屈折率物質膜を光学膜厚で1/
    4λずつ交互に積層した多層膜の高屈折率物質膜及び低
    屈折率物質膜のそれぞれの最外層の少なくとも一方の制
    御波長を最外層以外の制御波長と異ならせた多層膜とを
    重層させ、赤外線域及び青色域に反射帯を形成させ黄色
    光を透過することを特徴とする光学多層干渉膜。なお、
    前記λは制御波長である。
  13. 【請求項13】 高屈折率物質の屈折率をnH、低屈折
    率物質の屈折率をnLとしたとき、以下の関係を満足す
    ることを特徴とする請求項7ないし12のいずれかに記
    載の光学多層干渉膜。 1.20≦nH/nL
  14. 【請求項14】 請求項7ないし13のいずれかに記載
    した光学多層干渉膜を被覆したことを特徴とする黄色電
    球。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017534076A (ja) * 2014-10-17 2017-11-16 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 重複する調波を有する多層光学フィルム

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