JP3295026B2 - 赤外線反射被膜およびそれを用いたランプ - Google Patents

赤外線反射被膜およびそれを用いたランプ

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JP3295026B2
JP3295026B2 JP28207697A JP28207697A JP3295026B2 JP 3295026 B2 JP3295026 B2 JP 3295026B2 JP 28207697 A JP28207697 A JP 28207697A JP 28207697 A JP28207697 A JP 28207697A JP 3295026 B2 JP3295026 B2 JP 3295026B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線を反射し可
視光線を透過させる赤外線反射被膜およびそれを用いた
ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高屈折率物質と低屈折率物質の交
互層からなる誘電体多層干渉膜は電磁波の選択的な反射
および透過特性を有することから、光学用としては三色
分離フィルタ、干渉フィルタ、赤外線カットフィルタ、
紫外線カットフィルタなどに、照明用としてはコールド
ミラー・熱線反射ミラーなどさまざまの用途に利用され
ている。このうち、特にランプの管球表面に被着し赤外
線反射・可視光透過膜として利用される赤外線反射被膜
は、フィラメントから発せられる電磁波の中の赤外線を
選択的に反射し可視光線を透過する。そして、反射され
た赤外線はフィラメントに戻り、フィラメントの温度を
維持するためのエネルギとして再利用される。これによ
りランプの使用電力が低減でき、近年広く利用されると
ころとなつた。
【0003】こうした赤外線反射被膜として誘電体多層
干渉膜を利用するランプの例としては、特開昭58−6
5403号公報や特開昭61−285652号公報に、
高屈折率物質として五酸化タンタル、低屈折率物質とし
て二酸化シリコンを用いた27層構成のものが示されて
いる。また特開昭61−285652号公報には、高屈
折率物質として五酸化ニオブ、低屈折率物質として二酸
化シリコンを用いた28層構成のものが示されている。
しかし、これらは、[L/2;H;L/2]積層物、あ
るいは[L;H;L]積層物の周期を持つ構成であり、
1.3μm(1300nm)以下の赤外線を反射させる
場合には良いが、1.3μm以上の赤外線を反射させよ
うとすると、可視光域に2次の反射帯が現われ可視光の
透過率が低下し、1.3μm以上の赤外線を利用するこ
とができない。
【0004】これに対し、特許第2542108号の明
細書には、3つの多周期積層物からなり、その内の第1
の積層物は少なくとも2周期積層した[L/2;H:L
/2]の短波長透過積層物で、残りの第2および第3の
積層物は各周期が少なくとも2周期以上の高および低屈
折率物質の7層構成の交互層からなる47層の光学干渉
被膜が示されている。しかし、この多周期積層物では、
次のような状況が生じる。すなわち、約800〜190
0nmに関し約70%の平坦な赤外線反射率特性を示す
ものの、これはランプの放射エネルギ分布が900〜1
000nmに最大値があるプランク放射体であり、平坦
な放射エネルギ分布を有しないことから、最大の赤外線
反射率を得ようとする場合には適正な特性とは言えな
い。
【0005】また、特開平7−198938号公報に
は、3つの多周期誘電体積層体からなり、誘電体積層体
のうちの基板側の第1および第2の積層体の2つが短波
長パス積層体であり、残り1つの第3の積層体は7層の
高および低屈折率物質を含む光学干渉被膜が示されてい
る。しかし、この多周期誘電体積層体では、次のような
状況が生じる。すなわち、 (1)短波長パス積層体を2つにすることにより、第2
の積層体の2次反射帯が可視光域に現れやすく透過率が
低下する。したがって、第2の積層体の膜厚制御が難し
いものとなる。
【0006】(2)上記(1)の理由から、第2の積層
体の中心波長を長波長側に設定できず、第3の積層体の
中心波長と乖離し、第2の積層体と第3の積層体のスペ
クトル間に低反射率の部分ができやすい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような状況に鑑
みて本発明はなされたもので、フィラメントからの赤外
線放射エネルギの分布に反射特性をあわせることによ
り、最大の赤外線反射を生じるようにし、かつ膜形成が
難しくなくて生産性が良好なものとした赤外線反射被膜
およびそれを用いたランプを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の赤外線反射被膜
およびそれを用いたランプは、赤外線反射被膜が基板面
に被着された赤外線を反射し可視光線を透過する赤外線
反射被膜であって、スペクトルにおいて隣接する波長域
を反射する3つの多周期積層物からなり、多周期積層物
の1つを構成する第1の積層物は4つ以上の周期からな
る短波長透過積層物であり、残りのそれぞれを構成する
第2の積層物および第3の積層物は[L/a;H/b;
L/c;H/d;L/c;H/b;L/a](ただし、
a,b,c,dは所定の値であって、LおよびHはそれ
ぞれ低屈折率および高屈折率物質の該積層物の波長の1
/4に等しい光学的厚さであり、該積層物の波長で最も
強い反射が生じる。)の高および低屈折率物質の交互層
からなる7層構成の周期を有し、第1の積層物の基板側
に設けられた第2の積層物は第1の積層物の波長より長
い波長位置にあって4つ以上の7層構成の周期からな
り、基板と第2の積層物の間に設けられた第3の積層物
は第2の積層物の波長より長い波長位置にあって1つ以
下の7層構成の周期からなることを特徴とするものであ
り、また、基板面に被着された赤外線を反射し可視光線
を透過する赤外線反射被膜であって、スペクトルにおい
て隣接する波長域を反射する2つの多周期積層物からな
り、多周期積層物の片方を構成する第1の積層物は4つ
以上の周期からなる短波長透過積層物であり、他方を構
成し基板側に設けられた第2の積層物は[L/a;H/
b;L/c;H/d;L/c;H/b;L/a](ただ
し、a,b,c,dは所定の値であって、LおよびHは
それぞれ低屈折率および高屈折率物質の該積層物の波長
の1/4に等しい光学的厚さであり、該積層物の波長で
最も強い反射が生じる。)の高および低屈折率物質の交
互層からなる7層構成の周期を有し、かつ第1の積層物
の波長より長い波長位置にあり、さらに4つ以上の7層
構成の周期からなり、7層構成の各周期の層厚さが一方
向に向けて漸次増加または減少することを特徴とするも
のであり、さらに、短波長透過積層物が、[L/2;
H;L/2]の周期からなる1/4波長積層物であるこ
とを特徴とするものであり、さらに、低屈折率物質がシ
リカであり、高屈折率物質がタンタラであることを特徴
とするものであり、さらに、a、b、c、dの値が、2
≦a≦4、5≦b≦15、5≦c≦15、1≦d≦2.
5であることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の赤外線反射被膜を用いたラ
ンプは、内部にタングステンフィラメントを有した光透
過性の管球の外表面の少なくとも一部分に上記の赤外線
反射被膜で被覆されていることを特徴とするものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0011】先ず第1の実施形態を図1及び図2により
説明する。図1は赤外線反射被膜の膜構成を示す図であ
り、図2は赤外線反射被膜の分光反射率を示す図であ
る。
【0012】図1及び図2において、基板の表面を被覆
する赤外線反射被膜は、図示しないランプの管球外表面
を被覆するものであり、ランプ及び赤外線反射被膜ラン
プの構成は、以下の通りとなっている。すなわち、ラン
プは、タングステンハロゲンランプ等であり、石英ガラ
スや耐熱性アルミノけい酸塩ガラスなどの光透過性材料
により形成され片端が閉塞された円筒状直管の管球、あ
るいは略楕円球形状をなす管球を備えて構成されてお
り、管球の外方側の円筒面、あるいは楕円球面には、後
述する赤外線反射被膜が公知の膜形成技術によって被覆
されている。
【0013】さらに管球の内部中央部にはタングステン
フィラメントが軸方向に設けられている。またタングス
テンフィラメントは、内部リード線となる2本の支持部
材によって両端が支持されている。また2本の支持部材
は、絶縁部材に片端部側が離間して固定された2本の導
入線の片端にそれぞれ接続されている。またさらに導入
線は、管球の内部を所定雰囲気となるようにして他端部
側を溶融し閉塞した気密封止部に、気密に貫通するよう
にして固定されている。そして気密封止部は、接着部を
設けてランプ基部に設けられた口金に固着されており、
また口金には導入線の他端が接続されていて、ソケット
に口金をねじ込むことによりタングステンフィラメント
への給電が行われるようになっている。
【0014】また、ランプの管球外表面に被覆されてい
る赤外線反射被膜は、以下の通りの構成となっている。
すなわち、赤外線反射被膜は、図1に示すように管球で
ある基板の表面に被覆された、スペクトルにおいて隣接
する波長域を反射する第1の積層物と第2の積層物と第
3の積層物の3つからなる多周期積層物で、各積層物は
高屈折率物質としてタンタラ(Ta)、低屈折率
物質としてシリカ(SiO)を使用している。また第
1の積層物は800〜1100nmの波長域の赤外線を
反射する積層物であり、第2の積層物は1100〜15
50nmの波長域の赤外線を反射する積層物であり、第
3の積層物は1550〜1900nmの波長域の赤外線
を反射する積層物であって、基板の表面に第3の積層物
を積層し、第3の積層物の上に第2の積層物を積層し、
第2の積層物の上に第1の積層物を積層するように構成
されていて、その具体的な構成は表1に示す通りであ
る。
【0015】
【表1】 そして、この赤外線反射被膜の最上部に設けられ大気に
接触する第1の積層物は短波長透過積層物で、[L/
2;H;L/2](ただし、LおよびHはそれぞれ低屈
折率および高屈折率物質の第1の積層物の波長λの1
/4に等しい光学的厚さで、この波長で最も強い反射が
生じる。)の高および低屈折率物質の交互層による3層
構成(X)を5周期(X〜X)設けて構成したも
のである。そして、本実施形態では、例えば第1の積層
物の波長λを920nmとしている。
【0016】また、この第1の積層物は最小の交互層数
で、ランプのフィラメントであるタングステンフィラメ
ントからの相対放射エネルギが、1.0〜0.85程度
と最も放射エネルギの大きな波長域である800〜11
00nmの範囲の赤外線を最も効率的に反射する。な
お、このような構成のものは、一次の反射帯の1/3波
長の位置に2次の反射帯を生じるので可視域に二次の反
射が現れる1200nm以上の赤外線の反射には使用で
きず、このため、第1の積層物は800〜1100nm
の波長域の赤外線を反射するようにしてある。
【0017】また、第1の積層物と第3の積層物の間に
設けられた第2の積層物は、[L/a;H/b;L/
c;H/d;L/c;H/b;L/a](ただし、a,
b,c,dは、2≦a≦4、5≦b≦15、5≦c≦1
5、1≦d≦2.5の各範囲で定められた所定の値であ
り、LおよびHは、それぞれ低屈折率および高屈折率物
質の第2の積層物の波長λの1/4に等しい光学的厚
さで、この波長で最も強い反射が生じる。)の高および
低屈折率物質の交互層による7層構成(Y)を5周期
(Y〜Y)設けて構成したもので、すべての周期
(Y,Y,Y,Y,Y)で層厚さが同一とな
る構成となっており、この第2の積層物の波長λは第
1の積層物の波長λより長いものとなっている。そし
て、本実施形態では、例えば第2の積層物の波長λ
1300nmとし、a=2.6〜2.7、b=9.2
6、c=9.3、d=1.3としてある。これにより、
第2の積層物は、ランプのタングステンフィラメントか
らの相対放射エネルギが0.85〜0.4程度である1
100〜l550nmの波長域の赤外線を反射する。
【0018】なお、この第2積層物は、7層構成の周期
からなる反射帯が1100〜1550nmの波長域のも
のであるにもかかわらず、二次の反射帯が可視域に現れ
ない。このような多周期構成の積層物を使用して可視域
の二次の反射帯の発生を防止する方法については、19
63年にALFRED THELENによって記された
『Multilayer Filters with
Wide Transmittance Bands』
(JOURNAL OF THE OPTICAL S
OCIETY OF AMERICA. VOLUME
53,NUMBER 11,1963)に示されてお
り、この文献の記載に基づき、高および低屈折率の2種
類の物質で可視域に二次の反射帯のない広帯域の赤外線
を反射する第2積層物を得ている。
【0019】また、第2の積層物と基板の間に設けられ
た第3の積層物は、[L/a;H/b;L/c;H/
d;L/c;H/b;L/a](ただし、a,b,c,
dは、2≦a≦4、5≦b≦15、5≦c≦15、1≦
d≦2.5の各範囲で定められた所定の値であり、Lお
よびHはそれぞれ低屈折率および高屈折率物質の第3の
積層物の波長λの1/4に等しい光学的厚さで、この
波長で最も強い反射が生じる。)の高および低屈折率物
質の交互層による7層構成(Z)を1周期(Z)設
けて構成したもので、この第3の積層物の波長λは、
第1の積層物の波長λより長いものとなっている。そ
して、本実施形態では、例えば第3の積層物の波長λ
を1700nmとし、a=3.1、b=10.1、c=
10.1、d=1.4としてある。これにより、第3の
積層物は、ランプのタングステンフィラメントの相対放
射エネルギが0.4以下となっている1550〜l90
0nmの波長域の赤外線を反射する。なお、タングステ
ンフィラメントからの1600nm以上の長波長の赤外
線相対放射エネルギは0.4以下であるから、1550
〜l900nmの波長域の赤外線を反射する第3の積層
物は、赤外線反射被膜全体における赤外線反射への寄与
は大きくない。このため、第3の積層物は7層構成を1
周期だけ設ける構成としてある。
【0020】このように、800〜1100nmの波長
域の赤外線を反射する第1の積層物と、1100〜15
50nmの波長域の赤外線を反射し可視域に二次の反射
帯のない第2の積層物と、1550〜l900nmの波
長域の赤外線を反射する第3の積層物とを設けて構成さ
れた赤外線反射被膜は、その分光反射率曲線が図2に示
すものとなり、l900nmまで反射帯が広がり、相対
エネルギ放射率分布により近づいた反射特性が実現す
る。これにより、タングステンフィラメントからの赤外
線の相対放射エネルギが最も大きい、1.0〜0.4の
エネルギ部分を効率的に反射すると共に、0.4以下の
エネルギ部分も反射し、かつ、可視域に反射帯のない赤
外線の反射膜が、特に難しい膜厚制御を要するなどの膜
形成の難しさもなく、良好な生産性のもとに得られる。
【0021】なお、ランプの管球形状が円筒状直管の場
合よりも、楕円球形状をなすものに赤外線反射被膜を被
着したほうが、ランプを点灯する際のエネルギ効率を高
めることができる。なおまた、上記の実施形態において
は赤外線反射被膜を高屈折率物質としてタンタラを用い
て構成したが、高屈折率物質として同じく耐熱性を有す
るチタニアやニオビアを用い、これらを同一設計手法に
より、それぞれタンタラと置き換えるようにしてもよ
い。また、上記の実施形態の第1の積層物が3層構成を
5周期設け、第2の積層物が7層構成を5周期設けたも
のであるが、それぞれ4周期以上設けるようにしてもよ
い。
【0022】次に、第2の実施形態を図3及び図4によ
り説明する。図3は赤外線反射被膜の膜構成を示す図で
あり、図4は赤外線反射被膜の分光反射率を示す図であ
る。
【0023】図3及び図4において、基板の表面を被覆
する赤外線反射被膜は、第1の実施形態に示したランプ
と同様に構成された図示しないランプの管球外表面を被
覆するもので、その構成は、以下の通りとなっている。
すなわち、赤外線反射被膜は、管球である基板の表面に
被覆された、スペクトルにおいて隣接する波長域を反射
する第1の積層物と第2の積層物の2つからなる多周期
積層物で、各積層物は高屈折率物質としてタンタラ(T
)、低屈折率物質としてシリカ(SiO)を
使用している。また第1の積層物は800〜1100n
mの波長域の赤外線を反射する積層物であり、第2の積
層物は1100〜1550nmの波長域の赤外線を反射
する積層物であって、基板の表面に第2の積層物を積層
し、第2の積層物の上に第1の積層物を積層するように
構成されていて、その具体的な構成は表2に示す通りで
ある。
【0024】
【表2】 そして、この赤外線反射被膜の最上部に設けられ大気に
接触する第1の積層物は、第1の実施形態の第1の積層
物と同一構成を有するもので、[L/2;H;L/2]
の交互層による3層構成(X)を5周期(X
)設けて構成しており、本実施形態での第1の積層
物の波長λは、例えば920nmとしていて、800
〜1100nmの波長域の赤外線を効率的に反射する。
【0025】また、第1の積層物と基板の間に設けられ
た第2の積層物は、[L/a;H/b;L/c;H/
d;L/c;H/b;L/a](ただし、a,b,c,
dは、2≦a≦4、5≦b≦15、5≦c≦15、1≦
d≦2.5の各範囲で定められた所定の値であり、Lお
よびHはそれぞれ低屈折率および高屈折率物質の第2の
積層物の波長λ2 の1/4に等しい光学的厚さで、この
波長で最も強い反射が生じる。)の高および低屈折率物
質の交互層による7層構成(Y)を5周期(Y〜Y
)設けて構成したもので、各周期Y,Y,Y
,Y,Yでの層厚さが、Y、Y、Y、Y
、Y、Yの順に厚くなる構成[薄い;Y<Y
<Y<Y<Y<Y;厚い]であり、基板側に向
けて順に層厚さが厚くなっていて、この第2の積層物の
波長λは第1の積層物の波長λより長いものとなっ
ている。
【0026】そして、本実施形態では、例えば第2の積
層物の波長λを1300nmとし、周期Yではa=
4.0と3.6、b=13.1、c=13.1、d=
1.83とし、層厚さを251.9nmとしてある。ま
た、周期Yではa=3.6と3.24、b=11.
8、c=11.8、d=1.65とし、層厚さを29
4.9nmとしてあり、周期Yではa=3.24と
2.9、b=10.6、c=10.6、d=1.48と
し、層厚さを312.7nmとしてある。さらに、周期
ではa=2.9と2.6、b=9.55、c=9.
55、d=1.34とし、層厚さを362.5nmとし
てあり、周期Yではa=2.6と2.36、b=8.
6、c=8.6、d=1.2とし、層厚さを387.8
nmとしてあり、周期Yではa=2.36、b=7.
7、c=7.7、d=1.08とし、層厚さを445.
9nmとし、各層厚さを基板側に向けて漸次厚くなるよ
うにしてある。これにより、第2の積層物は、ランプの
タングステンフィラメントの相対放射エネルギが0.8
5〜0.4程度である1100〜l550nmの波長域
の赤外線を反射する。
【0027】このように、800〜1100nmの波長
域の赤外線を反射する第1の積層物と、各周期Y,Y
,Y,Y,Y,Yの層厚さを基板側に向けて
順に厚くして、1100〜1550nmの波長域の赤外
線を反射し可視域に二次の反射帯のない第2の積層物と
により構成された赤外線反射被膜は、その分光反射率曲
線が図4に示すものとなり、ランプのタングステンフィ
ラメントの相対放射エネルギ強度の分布により近似した
反射率分布を有するものとなる。この結果、タングステ
ンフィラメントからの赤外線の内、1.0〜0.4と相
対放射エネルギが最も大きな部分を効率的に反射し、か
つ、可視域に反射帯のない赤外線の反射膜が、2つの積
層物で形成することができ、また特に難しい膜厚制御を
要するなどの膜形成の難しさもなく、良好な生産性のも
とに得ることができる。また、ランプの管球形状が円筒
状直管に赤外線反射被膜を被着した場合、ランプを点灯
する際のエネルギ効率向上が15%以上であるのに対
し、楕円球形状をなすものに被着した場合には30%以
上と、より向上したものとなる。
【0028】なお、上記の実施形態においては赤外線反
射被膜を高屈折率物質としてタンタラを用いて構成した
が、高屈折率物質として同じく耐熱性を有するチタニア
やニオビアを用い、これらを同一設計手法により、それ
ぞれタンタラと置き換えるようにしてもよい。また、上
記の実施形態の第1の積層物が3層構成を5周期設け、
第2の積層物が7層構成を6周期設けたもので、さらに
第2の積層物の7層構成の層厚さが基板側に向けて漸次
厚くなるものであるが、それぞれ4周期以上設けるよう
にし、第2の積層物の各層厚さについては基板側に向け
て漸次薄くするよう構成してもよい。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、フィラメントからの赤外線放射エネルギの分
布に反射率分布をほぼ合わせることができ、最大の赤外
線反射が得られ、また膜形成も難しくなく生産性も良好
である等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の赤外線反射被膜の膜
構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の赤外線反射被膜の分
光反射率を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の赤外線反射被膜の膜
構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の赤外線反射被膜の分
光反射率を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/26 F21V 7/00 G02B 5/08 G02B 5/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板面に被着された赤外線を反射し可視
    光線を透過する赤外線反射被膜であって、スペクトルに
    おいて隣接する波長域を反射する3つの多周期積層物か
    らなり、前記多周期積層物の1つを構成する第1の積層
    物は4つ以上の周期からなる短波長透過積層物であり、
    残りのそれぞれを構成する第2の積層物および第3の積
    層物は[L/a;H/b;L/c;H/d;L/c;H
    /b;L/a](ただし、a,b,c,dは所定の値で
    あって、LおよびHはそれぞれ低屈折率および高屈折率
    物質の該積層物の波長の1/4に等しい光学的厚さであ
    り、該積層物の波長で最も強い反射が生じる。)の高お
    よび低屈折率物質の交互層からなる7層構成の周期を有
    し、前記第1の積層物の前記基板側に設けられた前記第
    2の積層物は前記第1の積層物の波長より長い波長位置
    にあって4つ以上の前記7層構成の周期からなり、前記
    基板と前記第2の積層物の間に設けられた前記第3の積
    層物は前記第2の積層物の波長より長い波長位置にあっ
    て1つ以下の前記7層構成の周期からなることを特徴と
    する赤外線反射被膜。
  2. 【請求項2】 基板面に被着された赤外線を反射し可視
    光線を透過する赤外線反射被膜であって、スペクトルに
    おいて隣接する波長域を反射する2つの多周期積層物か
    らなり、前記多周期積層物の片方を構成する第1の積層
    物は4つ以上の周期からなる短波長透過積層物であり、
    他方を構成し前記基板側に設けられた第2の積層物は
    [L/a;H/b;L/c;H/d;L/c;H/b;
    L/a](ただし、a,b,c,dは所定の値であっ
    て、LおよびHはそれぞれ低屈折率および高屈折率物質
    の該積層物の波長の1/4に等しい光学的厚さであり、
    該積層物の波長で最も強い反射が生じる。)の高および
    低屈折率物質の交互層からなる7層構成の周期を有し、
    かつ前記第1の積層物の波長より長い波長位置にあり、
    さらに4つ以上の前記7層構成の周期からなり、前記7
    層構成の各周期の層厚さが一方向に向けて漸次増加また
    は減少することを特徴とする赤外線反射被膜。
  3. 【請求項3】 前記短波長透過積層物が、[L/2;
    H;L/2]の周期からなる1/4波長積層物であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の 赤外線
    反射被膜。
  4. 【請求項4】 前記低屈折率物質がシリカであり、前記
    高屈折率物質がタンタラであることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の赤外線反射被膜。
  5. 【請求項5】 a、b、c、dの値が、2≦a≦4、5
    ≦b≦15、5≦c≦15、1≦d≦2.5であること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の赤外線反
    射被膜。
  6. 【請求項6】 内部にタングステンフィラメントを有し
    た光透過性の管球の外表面の少なくとも一部分が請求項
    1乃至請求項5のいずれか1項に記載の赤外線反射被膜
    で被覆されていることを特徴とするランプ。
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