JP3963964B2 - 光学被膜及びそれを使用するランプ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は薄膜による光学被膜に関し、特定すると、電気ランプ外囲器表面上に被着される光学被膜に関する。
【0002】
【従来技術、発明の課題】
干渉フィルタ類の薄膜光学被膜は、フィラメントにより発される電磁スペクトルの異なる部分を選択的に反射、透過するため、シリカのような低屈折率物質と、タンタラ、チタニア、ニオビアおよび類似物のような高屈折率物質の交番層より成る。ある応用においては、これらの被膜は、ランプフィラメントにより発せられる赤外線エネルギをフィラメントに選択的に反射し、他方フィラメントにより発せられる電磁スペクトルの可視光部分を透過するための光学的干渉フィルタを形成する。その結果、フィラメントの動作温度を維持するに必要とされる電気エネルギの量は低減される。
【0003】
この種のフィルタおよびこれを採用したランプは、例えば、1980年10月21日付にてRancourt等に発行された米国特許第4,229,066号に開示されている。Rancourt等は、複数の高および低屈折率物質層を少なくとも1周期(1回)積層し、一つおきの層が高反射(屈折率の誤訳)率を有する物質より形成され、他の層が低屈折率の物質より形成されるものより成る可視透過性、赤外線反射性のフィルタを開示している。1周期の隣接層間には、1または複数の反射防止層が配置されている。Rancourt等の特許の第5コラムに例として提示されている47層のフィルタは、37層の薄膜(すなわち400オングストロム以下)を含む。
【0004】
1992年8月11日付にてKrisl等に発行された米国特許第5,138,219号は、第1積層体を少なくとも2周期積層した従来形式の短波長パス積層体とした、三つのスペル的に隣接した多周期積層体より成るフィルタを開示している。第2および第3積層体は、スペルトル的に、相互に異なりかつ第1積層体の積層体波長よりも長い波長にて位置づけられている。後者の2積層体は、少なくとも2周期を含み、各周期が、高および低屈折率物質の7層の交番層を含んでいる。表1に提示される例において、Krisl 等は、400および770ナノメータ間のスペクトル的に広い高透過性を提供するため24の薄層を含むフィルタを開示している。
【0005】
Rancourt等およびKrisl 等の上述のフィルタは、赤外放射線を反射し、他方において可視放射線を透過するのに有効であり得るが、或る種の欠点がなお存在する。例えば、この種の薄層は厚い層よりも被着するのがより困難であることが知られている。
【0006】
1987年5月5日付でMartine,Jr等に発行された米国特許第4,663,557号は、第1積層体および第3積層体が従来形式の短波長パス積層体であり、第2積層体が2:1誘電体積層体であるスペクトル的に隣接する三つの多周期積層体を含むフィルタを開示している。フィルタの全層は比較的厚く(すなわち400nmメータより大)であり、それゆえずっと被着し易いが、製造されたフィルタは付着のエラーにより敏感である。何故ならば、可視透過の窓が非常に狭いからである。
【0007】
従来技術の光学的被膜は、赤外放射線について反射を最大にし、可視放射線について透過を最大にするように設計されることがしばしばある。しかしながら、この設計基準は、ランプがプランク放射体であり、平坦な放射エネルギ分布を有さないという事実を無視している。
【0008】
それゆえ、本発明の目的は、従来技術の上述の欠点を排除することである。
【0009】
本発明の特定の目的は、従来より少数の薄層しか必要としない改良された光学的被膜を提供することである。
【0010】
本発明の他の特定の目的は、単に厚層のみから構成されない光学被膜を提供することである。
【0011】
本発明のさらに他の特定の目的は、フィラメントからの赤外線放射が最高である電磁スペクトル部分に最大の赤外線反射を生ずる光学的被膜を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の1側面において、これらの目的は、スペクトル的に隣接する三つの多周期積層体を含み、赤外放射線を反射し、可視放射線を透過する光学干渉被膜を提供することによって達成される。積層体のうちの二つは短波長パス積層体であり、前記積層体のうちの残りの積層体は、高および低屈折率物質の7層の交番層を含む。第3層は、[L/a H/b L/c H/d L/c H/b L/a]の形式の周期を有する。ここで、LおよびHは、それぞれ低および高屈折率物質である。LおよびHは、各々の物質の層が積層体波長の1/4波長の倍数の光学的厚さを有するものとして定義される。a,b,cおよびdは上記倍数を定める値であって、2≦a≦4,5≦b≦15,5≦c≦15および1≦d≦2.5を満足し、更に好ましくは,a=2.63、b=9.07、c=9.65およびd=1.22である。
【0013】
本発明の教示に従うと、短波長パス積層体の各々は、[L/2 H L/2] の形式の反復を含む1/4波長積層体である。好ましくは、第3積層体は、スペクトル的に、短波長パス積層体の積層体波長よりも長い波長に位置づけられるのがよい。好ましい実施例において、積層体の各々は少なくとも3周期の反復を有する。
【0014】
本発明の他の目的、特徴および新規な特徴は、以下に続く説明に記載されており、また一部は以下の検討の際に当業者に明らかとなるものであり、あるいは本発明の実施により教示されよう。
【0015】
以下、図面を参照して、本発明のこれらおよびその他の目的、利点および可能性について説明する。
【0016】
図面を参照して詳細に説明すると、図1には本発明の好ましい実施例が示されている。詳述すると、溶融シリカのようなガラス質透光性材料の密封外囲器12を含む両端部型管状白熱ランプ10を例示している。ランプ外囲器12は下記の部分を含み得る。すなわち、中央部分14、好ましくは中央部分14の両端部に接続された二つの遷移部分16および18、それぞれ遷移部分16および18に接続された二つのフィラメント支持部分20および22、ランプ外囲器の両端部に配置された二つのプレスシール部分24および26である。
【0017】
フィラメント30は、二端部型管状ランプ外囲器12内に機械的に支持されており、好ましくは巻かれたコイル状形態を有しており、三つの同軸部分、すなわち、中央部分32および二つの端部部分34および36を備えるのがよい。フィラメント30は、中心軸線38を有しており、三つの部分はこの軸線に沿って同軸的に配置されている。中央部分32は、それぞれスキップ巻き40および42を介して端部部分34および36に連なる。導入部分44および46は、フィラメント30の両端部に配置されており、それぞれ端部部分34および36に接続する。フィラメントの端部部分は、動作中電気的に不活性である。スキップ巻きは、端部部分34および36と中央部分32との間を軸方向に離間させることによって、フィラメント部分を二端部型外囲器内に軸線方向において正確に位置づける。そのようにすることにより、スキップ巻き40および42は、動作中フィラメントの電気的活性部分と不活性部分間を離間させる。
【0018】
フィラメントスキップ巻き40および42を取り巻く遷移部分16および18は、一定の直径を有し、スキップ巻きの外径より若干大きい内径を有しており、遷移部分16および18においてフィラメント30と外囲器12間に正確に間隙が存するようになされている。この間隙は、ランプの動作中、フィラメント30の活性部分とランプ外囲器12との間に有害な相互作用が生ずるのを防ぐために提供される。遷移部分16および18内において、フィラメント30は、端部部分34および36内に保持される心棒(図示せず)の存在に起因してスキップ巻き40および42を介して活性部分から不活性部分に遷移する。
【0019】
フィラメント支持部分20および22は、フィラメント端部部分34および36をそれぞれ機械的に保持しており、中央部分14内においてフィラメント30を中央に正確に位置づけるのに役立つ。フィラメント支持部分20および22の内表面48および49は、フィラメント端部部分34および36とそれぞれ接触する。端部部分34および36は電気的に不活動であるから、フィラメント30と石英ランプ外囲器間になんら有害な相互作用は生じない。
【0020】
フィラメント導入部分44および46は、それぞれモリブデン箔導体54および56により外部リード50および52に接続される。箔導体54および56は、それぞれランプ外囲器12の両端にてプレスシール部分24および26中を通る。プレスシール部分24および26は、石英ランプ外囲器12と箔導体54および56間に密封シールを提供する。電力は、外部リード50および52を介してフィラメント30に供給される。
【0021】
この点まで論述したランプに類似のランプの例は、1992年10月23日付にて出願された米国特許出願第07/965,503号開示されているから、この特許出願も参照されたい。
【0022】
フィラメント端部部分34および36の回りにフィラメント支持部分20および22をそれぞれ焼き嵌めするタッキング法を、親密な係止止めを形成しランプ製造中フィラメント30をランプ外囲器12の固定位置に固定するのに利用できる。適当なタッキング方法は、1993年5月11日付で発行された米国特許第5,209,689号に開示されているので、この特許を参照されたい。
【0023】
製造中、外囲器12は排気され、不活性充填ガスと1種または2種のハロゲン(すなわち沃素、臭素、塩素およびフッ素)が導入される。低電圧ランプ(例えば12ボルト)の好ましい実施例においては、ランプ充填物は、0.3%(容積)の臭化ハロゲン、ホスフィンゲッター、残部のクリプトンより成る。総充填圧力は、室温にて約5絶対気圧である。120Vランプの好ましい実施例において、ランプ充填物は、0.17%(容積)の臭化水素、ホスフィンゲッターを含み、残部は95%のクリプトン/5%の窒素混合物である。総充填圧力は、室温にて約5絶対気圧である。本発明の白熱ランプの外囲器およびフィラメント構造体は、図1に示されるもの以外の形態を有してよいことを認められたい。
【0024】
ランプ動作中、ハロゲンガスは、フィラメントから蒸発したタングステンと反応する。生じたガスは、タングステンフィラメントの熱い表面にて化学的に分解され、その中のタングステン原子はフィラメント上に付着し、ハロゲンは追加の遊離された原子を除去するように解放される。ハロゲンサイクルランプが適正に動作するようにするためには、外囲器12は約800℃の近傍の高温に維持されなければならないが、一般に、これは外囲器の直径を比較的小さく維持することにより遂行される。
【0025】
図2は、3,000ケルビン温度黒体から放射される放射エネルギスペクトルを例示するグラフであり、ハロゲンサイクルランプのフィラメントからの総放射線の小割合(%)のみが400ないし700ナノメータ間の可視光領域内にあることを示している。図2の曲線64は、人間の目のスペクトル感度を例示している。図2から、フィラメントにより放射される放射線の大部分は、スペクトルの可視領域より上の(すなわち700ナノメータより大きい)赤外線領域にある。ランプが加熱および照明の両方に対して使用されない限り、ランプからの赤外線の放射はエネルギの浪費であり、ある種の応用においては周囲環境の望ましくない加熱を生じる。
【0026】
したがって、外囲器14の中央部分の外部表面は、光学被膜60を含む。光学被膜60は、フィラメント30により放射される赤外線エネルギを選択的にフィラメントに反射する光学的干渉フィルタを含んでおり、そして赤外放射線の少なくとも一部はフィラメントにより吸収される。この反射エネルギはフィラメントを加熱するのを補助するが、これは、フィラメントをその設計された動作温度に維持するに必要なエネルギの量を減ずる。外囲器12の中央部分14は、フィラメント30の電気的に活性な中央部分32に反射される赤外線光線を光学的に最適化するように幾何学的に賦型されており、好ましくは楕円形状がよい。
【0027】
図3は、スペクトル的に隣接する三つの多周期積層体S1,S2およびS3より成り、各々それぞれの積層体波長λ1、λ2、λ3を有して成る、本発明に従う光学的フィルタを表わす構成図である。スペクトル的に隣接するとは、一つの積層体の最長の高反射率波長が他の積層体の最短の高反射率波長とおおむね一致していることを意味する。積層体波長は、最強の反射またはストップバンドが位置する波長として定義される。
【0028】
光学的フィルタは、フィラメントにより放射される電磁スペクトルの異なる部分を選択的に反射、透過するため、シリカのような低屈折率物質(Lにより表わされる)と、タンタラ、チタニカ、ニオビアおよび類似物のような高屈折率物質(Hにより表される)の交番層を含む。物質LおよびHは、各々、積層体波長の1/4として定義される光学厚さ、すなわち1/4波長光学厚さを有する。周期反復を形成する層は、括弧で囲んであり、上付き文字x,y,zは周期が積層内において繰り返される度数である。残りの層における分母数a,b,cおよびdの値は、下式に従い各層の必要とされる光学的厚さToに基づいて選ばれる。
【数1】
0=λ/(4×分母数)
ここで、λは積層体の設計波長である。各層の物理的厚さTpは、光学的厚さToを物質の屈折率により分割したものに等しい。
【0029】
第1の誘電体積層体S1は、最短波長パス積層体であり、[L/2 H L/2]xとして一般的に表される誘電体積層設計を有する従来形式の短波長パス積層体フィルタである。積層体S1は短波長パスフィルタと考えることができる。何故ならば、この積層体は、設計波長よりも低い波長にて非常に低い屈折率を有し、ついで設計波長よりも高い波長にて相当の屈折率領域を有するからである。
【0030】
好ましい実施例において、第1積層体S1は基板と接触しているものとして示されている。しかしながら、積層体の二つまたは全部の順序は切り換えることができる、例えば、第1積層体は、基板と接触している代わりに、環境と接触してよい。もしもシリカが第1積層体S1の第1の層L/2として選ばれ、溶融シリカが基板として選ばれると、第1の層は基板の一部として考えることができる。
【0031】
代表的に、分母数a,b,c,dの値は下記のごとくである。
2≦a≦4
5≦b≦15
5≦c≦15
1≦d≦2.5
第1層S1における周期xの数は、一般に3に等しいかそれよりも大きい。
【0032】
第2すなわち中央層S2は、[L/2 H L/2]yとして一般的に表される誘電体設計を有する第2の従来形式の短波長パス積層体フィルタである。第2短波長パス積層体の設計波長は、代表的には、第1短波長パス積層体S1の設計波長より大きい。第2積層体S2における周期yの数は、一般に3に等しいかそれよりも大きい。
【0033】
図3に例示されるように、光フィルタの第3層S3の各周期zは、高および低屈折率物質の7層の交番層を含む。第3層S3は、環境と接触しているものとして示されている。
【0034】
図4は、本発明の1つの実施例である光学的干渉フィルタの非最適化の例である。この例において、第1短波長パスフィルタ(すなわち積層体S1)は、4周期を含み、1000ナノメータの設計波長を有する。第2短波長パスフィルタ(すなわち、積層体S2)は、6つの周期を含み、1184ナノメータの設計波長を有する。第3誘電体積層体S3は、3.5周期を含み、1648nmの設計波長を有している。図3の分母数a,b,cおよびdの実際の値は図4に示してある。
【0035】
屈折率2.18および1.46をそれぞれ有するタンタラ(Ta24)およびシリカ(SiO2)より成る高および低屈折率の交番層に対して、図4に例示される完全なフィルタに必要な計算を適用した。表1は、従来形式のコンピュータ最適化技術に従う層の数および各層の物理的厚さを示す。
【0036】
【表1】
Figure 0003963964
【表2】
Figure 0003963964
【0037】
表1の例を詳しく参照すると、光学的干渉フィルタは、三つのスペクトル的に隣接する多周期誘電体積層体S1,S2およびS3を含む。ここで、各層は少なくとも3周期を有する。
【0038】
表1の1〜8を付した層は、基板との組合せで第1の誘電体積層体S1を形成するが、これは1000ナノメータの設計波長の短波長光学干渉フィルタを構成する。表1に示されるように、短波長パスフィルタは4周期A,B,CおよびDを含む。第1周は、溶融シリカ基板の一部を層1および2とともに含む。層2〜4,4〜6および6〜8は、周期B,CおよびDをそれぞれ含む。誘電体積層体S1は、1000ナノメータの設計波長以下の波長にて非常に低い反射率を有し、ついで1000ナノメータより高い波長にて相当の反射率の領域を有する。
【0039】
表1の層8〜20は、1184ナノメータの設計波長を有する短波長パス干渉フィルタの形式で第2の誘電体積層体S2を形成する。この第2短波長パスフィルタは、6周期A,B,C,D,EおよびFを含む。
【0040】
光学干渉フィルタの第3層S3は、層20〜41を含む。表1に示されるように、積層体S3は3.5周期A,B,CおよびDを含む。完全周期のA,BおよびCは、高および低屈折率物質の7層の交番層を含む。層20〜26,26〜32および32〜38は、それぞれ周期A,BおよびCを構成する。部分周期Dは層38および41含む。反射を減ずるために、光学干渉フィルタは、反射防止層を含んでよいが、これはこの例においては、95.2ナノメータの物理的厚さを有する。
【0041】
図5は、表1に記載された最適化光学フィルタのスペクトル反射率のグラフである。コンピュータによる最適化は、高い赤外線反射率と最低の層数の要求を平衡させるために使用される。本発明の光学フィルタは、従来のフィルタよりも高い平均赤外線反射率を有さなくてよいが、より高い平均エネルギ反射を有する。
【0042】
【発明の効果】
以上に図示説明されるように、赤外線反射能力の損失を伴うことなく必要とされる透過窓を得るために包含される薄層の数が低減された改良された光学被膜が提供される。光学被膜は、単に厚層より成るだけでなく、フィラメントからの赤外放射線が最高である電磁スペクトルの一部に最大の赤外線反射を生じさせる。
【0043】
以上本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明の技術思想から逸脱することなく、種々の変化変更をなし得ることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ランプ外囲器の外表面上に配された本発明の光学被膜を有する白熱ランプの1具体例の一部断面の正面図である。
【図2】 3000ケルビン温度黒体からの放射エネルギスペクトルと、人間の目のスペクトル感度を例示するグラフである。
【図3】 各積層体の設計を示す本発明に従う光学フィルタを表わす構成図である。
【図4】 本発明に従う実際のフィルタを表わす構成図である。
【図5】 本発明に従う光学フィルタのスペクトル反射を示すグラフである。
【符号の説明】
10 白熱ランプ
12 密封外囲器
14 中央部分
16,18 遷移部分
20,22 フィラメント支持部分
24,26 プレスシール部分
30 フィラメント
32 フィラメント中央部分
34,36 フィラメント端部部分
38 フィラメント中央軸線
40,41 スキップ巻き
44,46 フィラメント導入部分
50,52 外部リード
54,56 箔導体
60 光学被膜

Claims (12)

  1. 赤外放射線を反射し可視放射線を透過するための光学干渉被膜であって、前記被膜はスペクトル的に隣接する三つの多周期積層体より成り、これらの積層体のうちの二つが短波長パス積層体であり、残りの積層体が高屈折率物質および低屈折率物質の7層の交番層であって下記の形式の周期、すなわち
    [L/a H/b L/c H/d L/c H/b L/a]
    の周期を有(ここで、LおよびHはそれぞれ低屈折率物質および高屈折率物質の層であって各々が積層体波長の1/4の倍数の光学的厚さを有し、a,b,cおよびdは上記倍数を定める分母数であり、括弧内の順序はLおよびHの物質の積層の順序を示す)、a,b,cおよびdの値が、2≦a≦4,5≦b≦15,5≦c≦15および1≦d≦2.5を満足することを特徴とする光学干渉被膜。
  2. 前記二つの短波長パス積層体の各々が、[L/2 H L/2]の形式の周期を含む1/4波長積層体である請求項1記載の光学干渉被膜。
  3. 前記低屈折率物質がシリカであり、前記高屈折率物質がタンタラである請求項1記載の光学干渉被膜。
  4. 前記残りの層が、スペクトル的に前記短波長パス積層体の積層体波長より長い波長に位置づけられている請求項1記載の光学干渉被膜。
  5. 前記積層体の各々が少なくとも3周期を有する請求項1記載の光学干渉被膜。
  6. a,b,cおよびdの値が、a=2.63、b=9.07、c=9.65およびd=1.22を満足する請求項1記載の光学干渉被膜。
  7. 透光性物質の外囲器およびフィラメントを備え、前記外囲器の表面の少なくとも一部が赤外放射線を反射し、可視放射線を透過するための、該外囲器表面上に配された光学干渉被膜を有し、この光学干渉被膜が、スペクトル的に隣接する、三つの多周期積層体より成り、この積層体のうちの二つが短波長パス積層体であり、残りの積層体が高屈折率物質および低屈折率物質の層の交番層を含み、下記の形式、すなわち
    [L/a H/b L/c H/d L/c H/b L/a]
    の周期の7層の交番層を有(ここで、LおよびHはそれぞれ低および高屈折率物質の層であって各々が積層体波長の1/4波長の倍数の光学的厚さを有する層であり、a,b,cおよびdはLおよびHの上記倍数を定める分母数であり、括弧内の順序はLおよびHの物質の積層の順序を示す)、a,b,cおよびdの値が、2≦a≦4,5≦b≦15,5≦c≦15および1≦d≦2.5を満足することを特徴とする電気ランプ。
  8. 前記二つの短波長パス積層体の各々が、[L/2 H L/2]の形式の周期を含む1/4波長積層体である請求項7記載の電気ランプ。
  9. 前記低屈折率物質がシリカであり、前記高屈折率物質がタンタラである請求項7記載の電気ランプ。
  10. 前記残りの層が、スペクトル的に前記短波長パス積層体の積層体波長より長い波長に位置づけられている請求項7記載の電気ランプ。
  11. 前記積層体の各々が少なくとも3周期を有する請求項7記載の電気ランプ。
  12. a,b,cおよびdの値が、a=2.63、b=9.07、c=9.65およびd=1.22を満足する請求項7記載の電気ランプ。
JP33035694A 1993-12-08 1994-12-07 光学被膜及びそれを使用するランプ Expired - Lifetime JP3963964B2 (ja)

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