JP3438289B2 - 電球および照明装置 - Google Patents

電球および照明装置

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JP3438289B2
JP3438289B2 JP00983994A JP983994A JP3438289B2 JP 3438289 B2 JP3438289 B2 JP 3438289B2 JP 00983994 A JP00983994 A JP 00983994A JP 983994 A JP983994 A JP 983994A JP 3438289 B2 JP3438289 B2 JP 3438289B2
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  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン電球などのガラ
スバルブの表面に、可視光透過赤外線反射作用を有する
多層光干渉膜を形成した球に関する。
【0002】
【従来の技術】省エネルギ化の一環として管球分野にお
いても種々の対応がなされており、たとえばハロゲン電
球においてはバルブの表面に可視光透過赤外線反射作用
を有する多層光干渉膜を形成することによって、フィラ
メントから放射した可視光はバルブを透過させるととも
に、赤外線はこの光干渉膜で反射してフィラメントに帰
還させ、これによってフィラメントを加熱して発光効率
を高めるようにすることが知られている。
【0003】このような可視光透過赤外線反射作用を有
する光干渉膜としては、高屈折率を示すたとえば酸化チ
タン(TiO2 )膜と低屈折率を示すたとえば酸化けい
素(SiO2 )膜とを交互に積層して多層化し、層数や
層の厚さを適宜選ぶことにより光の干渉を利用して、所
望の波長域の光を選択的に透過および反射させるもので
ある。
【0004】この電球においては、膜の層数が多いほど
赤外線の反射率を高くすることができ省電力の効果も大
きい。
【0005】一般的にはこの可視光透過赤外線反射作用
を有する光干渉膜は、いわゆるλ/4の光干渉膜でその
波長λを電球フィラメントの赤外線放射エネルギのピー
ク波長(1μ近傍)に合わせたものであり、同一膜厚の
ものを形成していく場合には成膜作業も容易で多く採用
されている。
【0006】しかし、昨今のエネルギ事情に鑑み、さら
なる省エネルギ化とともに電球の高効率化が要望され、
光干渉膜の材質、膜層数、各層の膜厚や形成方法を選ぶ
ことによって、さらに高い品質の電球が得られるように
なってきた。また、この光干渉膜の形成方法としては、
コスト事情などから浸漬方式が多く採用されてきてい
る。
【0007】この浸漬方式では、たとえばテトライソプ
ロピルチタネートなどの有機チタン化合物をアセチルア
セトン、ポリエチレングリコールに反応させエタノール
系の溶剤に溶かしたチタン溶液と、エチルシリケート重
合体などの有機けい素化合物を同様にしてけい素溶液と
したものを使用して多層膜を形成していた。
【0008】しかし、このような多層膜は層数が増える
と互いの材料の熱膨脹率差による歪みにより被膜にクラ
ックや層間に剥離などを生じ、上記溶液をハロゲン電球
に塗布して多層の被膜を形成する場合14層程度が限度
であった。
【0009】すなわち、図6は従来の可視光透過赤外線
反射膜を模型的に示し、バルブ1(ガラス)の外表面側
から奇数層目には高屈折率を示す第一の金属酸化膜たと
えば酸化チタン(TiO2 )膜が、偶数層目には低屈折
率を示す第二の金属酸化膜たとえば酸化けい素(SiO
2 )膜が交互に浸漬方式により重層形成されたものであ
る。これら各膜の光学膜厚は、バルブ1の表面の第1層
目ないし第13層目の奇数層目の高屈折率層をなす酸化
チタン(TiO2 )膜5H1〜5H13がλ/4で、ま
た、第2層目および第4層目の低屈折率層をなす酸化け
い素(SiO2)膜5L2および5L4がλ/2で、第
6層目ないし第12層目の偶数層目の低屈折率層をなす
酸化けい素(SiO2 )膜5L6〜5L12がλ/4、
第14層目の最外層の低屈折率層をなす酸化けい素(S
iO2 )膜5L14がλ/8で形成してある。
【0010】なお、バルブ1を形成する石英ガラスと高
屈折率層をなす第1層目の酸化チタン(TiO2 )膜5
H1との間には、石英ガラスと酸化チタン(TiO2
膜5H1との中間の熱膨張率を有する屈折率がバルブ1
のガラスと近似した、光学膜厚がλ/8の酸化けい素
(SiO2 )膜を形成しておいて、光干渉膜の光学特性
を変化することなく熱膨張率差による歪みを緩和させた
ものもある。
【0011】上記浸漬による被膜形成で低屈折率層を構
成する酸化けい素(SiO2 )膜5L…は、一回の浸漬
によって形成できる膜厚には限界があり、上記第2層目
の被膜5L2および第4層目の被膜5L4のλ/2膜を
作るには、λ/4膜を2回重層して形成することを要す
る。
【0012】しかし、この酸化けい素(SiO2 )膜は
圧縮性の真性応力(膜の形成方法に依存した膜の微細構
造による応力)が強く(文献によれば40〜60メガパ
スカル)、層数が多くになるにつれてその歪みが積み重
ねられ、膜強度(膜内界面)を越えると膜中の欠陥部を
起点にクラックが発生し、さらにクラックが浮き上がる
ようになって剥離が発生する。酸化けい素(SiO2
膜5L…の真性応力は、浸漬塗布回数に依存するため、
重層する被膜は14層程度が限界であり、さらに特性を
向上するために層数を増やすということは困難であっ
た。
【0013】また、硬質ガラスバルブや軟質ガラスバル
ブなどに可視光透過赤外線反射膜を形成する場合、バル
ブの融点が低いため塗布膜の焼成を400〜600℃と
低い温度で行わなければならず、酸化チタン(Ti
2 )膜5Hの屈折率が2,0〜2,112(石英ガラ
スの場合は焼成温度が700〜900℃で、屈折率が
2,15〜2,25となる。)と低くなってしまってい
た。この屈折率の低下は、赤外線域(800〜1500
nm)でのカット率が下がり、透過のピークが高く幅広
くなるため赤外線のカット率が低下する問題があった。
【0014】特に、回転楕円体状などの複雑曲面形のバ
ルブや、曲率が小さく異方性の大きい非円筒状のバルブ
では、センター中心から多少ずれた部分を中心として被
膜にクラックや剥離が発生し始め、円筒状のバルブより
影響がで易い。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は石英ガラスは
もとより硬質ガラスや軟質ガラスからなるバルブにも、
赤外線域でのカット率の低下および被膜の剥離やクラッ
クの発生のない多層光干渉膜を形成した球およびこの
球を装着した照明装置を提供することを目的とする。
【0016】本発明の請求項1に記載の球は、内部に
コイル状のフィラメントと不活性ガスを封装したガラス
バルブと、このガラスバルブの表面に高屈折率を示す第
一の金属酸化物膜と低屈折率を示す第二の金属酸化物膜
とを交互に積層して形成した多層光干渉膜とを具備した
球において、上記フィラメントの赤外線放射エネルギ
のピーク波長をλとしたとき、上記第一の金属酸化物膜
はガラスバルブに最も近い側および光干渉膜の最外側に
近い側の光学膜厚がλ/2残りの第一の金属酸化物膜
がλ/4で、第二の金属酸化物膜の光学膜厚がλ/4で
あることを特徴としている
【0017】本発明の請求項2に記載の球は、多層光
干渉膜の最外層の光学膜厚がλ/8であることを特徴と
している。
【0018】本発明の請求項3に記載の球は、バルブ
の材質が硬質ガラス、軟質ガラスまたは石英ガラスであ
ることを特徴としている。
【0019】本発明の請求項4に記載の球は、バルブ
が非円筒状であることを特徴としている。
【0020】本発明の請求項5に記載の球は、バルブ
が円筒状であることを特徴としている。
【0021】本発明の請求項6に記載の球は、上記バ
ルブ内には不活性ガスおよびハロゲンが封入されてい
ことを特徴としている。
【0022】
【0023】本発明の請求項7に記載の照明装置は、
記請求項1ないし請求項6のいずれか一に記載の球が
器具または灯体に装着されていることを特徴としてい
る。
【0024】
【作用】金属酸化物膜形成時の焼成温度が低くて屈折率
が低下するが、剥離やクラックを生じさせることなく成
膜層数を増すことがで、この層数の増加によって可視光
の透過率および赤外線の反射率を高くして発光効率の向
上ができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は管球たとえば自動車の前照灯に使用される
定格が12V55Wのハロゲン電球Lを示す。図中1は
アルミノシリケートガラスからなる外径が約16mmの
球形状をなすバルブで、このバルブ1の内部には発光源
をなすコイル状のフィラメント2と臭素(Br)、塩素
(Cl)よう素(I)やふっ素(F)などの少なくとも
一種のハロゲンおよびアルゴン(Ar)などの不活性ガ
スが封入してある。このコイル状のフィラメント2は内
部導線3a,3bに支持され、バルブ1の中心軸に沿っ
て配設されている。なお、4は圧潰封止部、6は封止部
4に接合された取付位置調整フランジ6a付の口金であ
る。
【0026】また、5はバルブ1の外表面上に形成され
た多層光干渉膜からなる可視光透過赤外線反射膜であ
る。
【0027】この可視光透過赤外線反射膜5(以下、赤
反膜と称する。)は図2に模型的に示すように、バルブ
1(ガラス)の外表面側から奇数層目には高屈折率を示
すたとえば酸化チタン(TiO2 )からなる第一の金属
酸化膜5H…が、偶数層目には低屈折率を示すたとえば
酸化けい素(SiO2 )からなる第二の金属酸化膜5L
…が交互に浸漬方式により重層して全部でたとえば18
層形成してある。
【0028】これら各膜の光学膜厚は、上記奇数層目の
高屈折率層をなす酸化チタン(TiO2 )膜5H1〜5
H17、バルブ1の外表面の第1層目5H1ないし第
5層目5H5、第15層目5H15および第17層目5
H17がλ/2、第7層目5H7ないし第1層目5H
がλ/4で、偶数層目の低屈折率層をなす酸化けい
素(SiO2 )膜5L2〜5L16がλ/4、最外層の
第18層目5L18がλ/8で形成してある。なお、波
長λは1μ近傍であって、赤外線放射エネルギのピーク
波長にしてある。
【0029】そして、上記のような赤反膜5を形成する
には、まず、バルブ1内にフィラメント2を封装して排
気し、ハロゲンおよび不活性ガスなどを封入した電球を
用意する。また別途に、第一の金属酸化膜5H…を形成
させるたとえばテトライソプロピルチタネートなどの有
機チタン化合物をアセチルアセトン、ポリエチレングリ
コールに反応させエタノール系の溶剤に溶かしたチタン
含有量が2〜10重量%、粘度約2.0cpsに調整し
たチタン溶液と、第二の金属酸化膜5L…を形成させる
たとえばエチルシリケート重合体などの有機けい素化合
物を有機溶剤に溶かし、けい素含有量が2〜10重量
%、粘度約1.0cpsに調整したけい素溶液とを用意
する。
【0030】まず、上記電球のバルブ1を、恒温恒湿の
雰囲気中で上記のチタン溶液中に浸漬して所定速度で引
き上げ、乾燥後空気中約550℃(400〜600℃)
で約10分間焼成して第1層目の酸化チタン(Ti
2 )膜5H1からなる高屈折率層を形成する。(石英
ガラスであれば700〜900℃で焼成する。)つぎ
に、この第1層目の酸化チタン(TiO2 )膜5H1を
形成したバルブ1を恒温恒湿の雰囲気中で上記のけい素
溶液中に浸漬して所定速度で引き上げ、乾燥後空気中約
550℃(400〜600℃)で約10分間焼成して第
2層目の酸化けい素(SiO2 )膜からなる低屈折率層
5L2を形成する。
【0031】このようにして、酸化チタン(TiO2
膜5H…からなる高屈折率層と酸化けい素(SiO2
膜5L…からなる低屈折率層とを交互に形成して18層
(5H1,5L2,〜5H17,5L18)を積層す
る。
【0032】上記浸漬による被膜形成では一回の浸漬に
よって形成できる膜厚には限界があり、λ/2膜を作る
上記高屈折率層を構成する酸化チタン(TiO2 )膜の
第1、3、5、15、17層目5H1、5H3、5H
5、5H15、5H17はλ/4膜を2回重層形成する
ことによって成される。
【0033】前述したように低屈折率層を構成する酸化
けい素(SiO2 )膜5L…は、強い圧縮性の真性応力
を有し、λ/2膜を作るに際しλ/4膜を2回重層形成
すると被膜にクラックや剥離が発生し易かった。
【0034】これに対し本発明では、酸化けい素(Si
2 )膜5L…の塗布回数を少なくして、かつ、浸漬方
式による酸化チタン(TiO2 )膜5H…の被膜形成は
弱いながら(酸化けい素(SiO2 )膜の1/10以
下)酸化けい素(SiO2 )膜5L…の逆の引張応力を
有しているため、酸化チタン(TiO2 )の塗布回数が
多いほど膜全体の応力が緩和され均衡してクラックや剥
離の発生がなく、層数を増加することができる。上記と
同じ溶液を使用して酸化チタン(TiO2 )膜のλ/2
を5回以上形成して18層の塗布も可能であった。
【0035】このような構成の電球Lを点灯すると、バ
ルブ1の中心軸上に配設したフィラメント2は発熱して
可視光とともに大量の赤外線を放射し、フィラメント2
から放射した光のうち可視光はバルブ1および赤反膜5
を透過してバルブ1外方へと放射される。また、フィラ
メント2から放射した赤外線は赤反膜5で反射されてフ
ィラメント2に戻り、フィラメント2を加熱して発光を
より高くし、この結果フィラメント2からの可視光放射
が増して、発光効率が向上できた。
【0036】なお、上述したように可視光透過赤外線反
射膜5を形成する場合にバルブ1を加熱して焼成する
が、硬質ガラスバルブや軟質ガラスバルブなどはバルブ
1の融点が低いため塗布膜の焼成を400〜600℃と
低い温度で行わなければならず、酸化チタン(Ti
2 )膜5Hの屈折率が2,0〜2,112(石英ガラ
スの場合は焼成温度が700〜900℃で、屈折率が
2,15〜2,25となる。)と低くなってしまってい
た。このため、赤外線域(800〜1500nm)での
カット率が下がり、透過のピークが高く幅広くなるため
赤外線のカット率が低下する。
【0037】したがって、バルブ1に重層する被膜の層
数を上述の従来と同じ14層とした場合は、従来品の電
球より約10%ほど発光効率は低下したが、被膜層数を
18層とすることによって剥離することなく強固な被膜
で、かつ、発光効率を赤反膜5を形成しない電球に比べ
従来被膜品が約25%の向上に対し、本発明被膜品は従
来被膜品を上回る約34%の向上をみることができた。
【0038】つぎに、本発明品と従来品との光学特性を
図3のグラフに示す。図3において横軸は波長(n
m)、縦軸は光透過率(%)で、曲線Aは本発明品、曲
線Bは従来品の光透過率・スペクトル特性をそれぞれ示
す。
【0039】この図3から明らかなように、本発明の電
球に適用した赤反膜は可視光域では従来品とほぼ同じで
あるが、赤外線域において透過ピークの高くなるところ
があり、分光分布ピーク約1000nm付近の透過率低
下域が幅広く、かつ、大きいため、すなわち赤外域での
反射率が高くなるので発光効率が向上できる。
【0040】また、赤反膜5を上記全18層で構成する
場合、上記高屈折率を示す酸化チタン(TiO2 )5H
…膜のうち光学膜厚をλ/2とする層は、上記実施例の
場合バルブ1に近い側に3層、最外層側に近い側に2層
の合計5層(3層と2層)を形成したが、本発明はこの
層分布数に限らず、3層と1層、2層と2層、1層と1
層など最低2層あればよい。なお、層数が多くなるとそ
れまでの応力が蓄積され膜の乱れが多くなっていて、最
外層側にλ/2層上に厚目の被膜を形成すると剥離が発
生することがあるので、最外層側に形成するλ/2層の
数は少ない方がよい。
【0041】そして、上記ハロゲン電球Lは図4に示す
照明装置すなわち前照灯の灯具を構成する、内面にアル
ミニウムなどの反射面7aを形成した反射鏡7に装着し
て使用される。なお、8は前面レンズである。
【0042】なお,本発明は上記実施例に限定されな
い。たとえば、上記の可視光透過赤外線反射膜を構成す
る高屈折率層と低屈折率層およびλ/2層の層数は上記
実施例の全層数が18層およびλ/2層が上述したよう
に5層に限定されるものではない。また、バルブ表面へ
の可視光透過赤外線反射膜の形成は外表面側に限らず、
内表面側でもあるいは内外の両表面であってもよい。
【0043】また、高屈折率を示す第一の金属酸化物膜
の材料としては酸化チタン(TiO2 )に限らず、酸化
タンタル(Ta2 5 )、酸化ジルコニウム(Zr
2 )、酸化亜鉛(ZnS)、酸化セリウム(Ce
2 )などでも、また、低屈折率を示す第二金属酸化物
膜の材料としては酸化けい素(SiO2 )に限らず、ふ
っ化マグネシウム(MgF2 )、ふっ化セリウム(Ce
4 )、氷晶石(Na2 AlF6 )などでもよい。
【0044】また、上記実施例ではバルブの外表面に直
接に高屈折率を示す第一の金属酸化物膜(酸化チタン
(TiO2 ))を形成したものについて説明したが、予
めバルブの外表面にバルブを形成するガラスと酸化チタ
ン(TiO2 )との中間の熱膨脹率を有する酸化けい素
(SiO2 )などからなる緩衝膜を形成しておき、この
緩衝膜の表面上に光干渉膜を形成するようにしてもよ
く、この緩衝膜によって光干渉膜の剥離が防止される。
【0045】また、被膜の形成は浸漬方法に限らず、真
空蒸着、PVD、CVD、イオンプレーティングなどの
方法によるものであってもよい。
【0046】さらに、バルブのガラス材質は硬質ガラス
に限らず、所要の透光性と光屈折率と耐熱性を併有する
ものであれば他の硬質や石英ガラスあるいはソーダライ
ムガラスなどの軟質のガラス材質であってもよい。
【0047】また、本発明は上記球形状のバルブ1を用
いた電球Lに限らず、図5(a)に示すような円筒形状
や(b)に示すようなレモン形状などの非円筒形状のバ
ルブ1を用いた球であってもよく、このような曲面を
有するバルブ1への被膜の形成は溶液に浸漬したバルブ
1の引上げ速度を曲面の状態に応じて変化させ膜厚を調
整するようにしても差支えない。
【0048】さらにまた、本発明の管球はバルブの一端
に封止部を形成した自動車用の前照灯に限らず、他の用
途の投光用などのハロゲン電球やハロゲンを封入しない
種類の電球あってもよく、また、封止部がバルブの両
端部に設けてある両口金形の球であってもよい。
【0049】そして、この管球が装着して使用される照
明装置は、実施例の自動車用の前照灯に限らず、光・熱
反射膜やダイクロイック膜などの可視光反射赤外線透過
膜が形成された反射鏡内や各種の照明器具であっても差
支えない。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、多
層化しても光干渉膜(可視光透過赤外線反射膜)にクラ
ックや剥離の発生がなく、石英ガラスはもちろん比較的
融点の低い硬質や軟質のガラスバルブにも成膜でき、発
光効率の向上がはかれた球およびこの球を装着した
照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す自動車前照灯用ハロゲン
電球の正面図である。
【図2】図1の電球の可視光透過赤外線反射膜部分を示
す拡大断面図である。
【図3】波長と光透過率との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例を示す前照灯用灯具の断面図で
ある
【図5】(a)、(b)は本発明の他の実施例を示すハ
ロゲン電球の正面図である。
【図6】従来品の可視光透過赤外線反射膜部分を示す拡
大断面図である。
【符号の説明】
L:電球 1:ガラスバルブ 2:コイル状のフィラメント(発光源) 5:多層光干渉膜(可視光透過赤外線反射膜) 5H1〜5H17:第一の金属酸化物膜(高屈折率層) 5L2〜5L18:第二の金属酸化物膜(低屈折率層)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01J 61/40 H01J 61/40 H01K 1/28 H01K 1/28

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にコイル状のフィラメントと不活性
    ガスを封装したガラスバルブと; このガラスバルブの表面に高屈折率を示す第一の金属酸
    化物膜と低屈折率を示す第二の金属酸化物膜とを交互に
    積層して形成した多層光干渉膜と;を具備した電球にお
    いて、上記フィラメントの赤外線放射エネルギのピーク波長を
    λとしたとき、 上記第一の金属酸化物膜はガラスバルブ
    に最も近い側および光干渉膜の最外側に近い側の光学膜
    厚がλ/2残りの第一の金属酸化物膜がλ/4で、第
    二の金属酸化物膜の光学膜厚がλ/4であることを特徴
    とする電球
  2. 【請求項2】 上記多層光干渉膜の最外層の光学膜厚が
    λ/8であることを特徴とする請求項1に記載の電球
  3. 【請求項3】 上記バルブの材質が硬質ガラス、軟質ガ
    ラスまたは石英ガラスであることを特徴とする請求項1
    または2に記載の電球
  4. 【請求項4】 上記バルブが非円筒状であることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の電球
  5. 【請求項5】 上記バルブが円筒状であることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれか一に記載の電球
  6. 【請求項6】 上記バルブ内には不活性ガスおよびハロ
    ゲンが封入されていることを特徴とする請求項1ないし
    5のいずれか一に記載の電球。
  7. 【請求項7】 上記請求項1ないし請求項6のいずれか
    一に記載の電球が器具または灯体に装着されていること
    を特徴とする照明装置。
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