JPH08236085A - 管球および反射鏡付管球ならびに照明装置 - Google Patents

管球および反射鏡付管球ならびに照明装置

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JPH08236085A
JPH08236085A JP3971495A JP3971495A JPH08236085A JP H08236085 A JPH08236085 A JP H08236085A JP 3971495 A JP3971495 A JP 3971495A JP 3971495 A JP3971495 A JP 3971495A JP H08236085 A JPH08236085 A JP H08236085A
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index layer
light
film
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JP3971495A
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Tsutomu Watanabe
力 渡辺
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 層数を増やしても被膜にひび割れや剥離等の
発生のない耐熱性のすぐれた管球およびこの管球を装着
した照明装置を提供することを目的とする。 【構成】 内部に発光構体6が封装された高けい酸ガラ
スからなるバルブ1と、このバルブ1の表面に酸化錫S
nO2 を主成分としこれに金属原子比で20〜70%未
満の酸化チタンTiO2 を添加して構成した高屈折率層
H、…および酸化けい素SiO2 からなる低屈折率層
L、…を交互に重層して形成した光干渉膜2を備えた管
球Lおよび反射形管球LRならびに照明装置である。 【効果】 個々の被膜の光学特性は低下するが、重層数
を多くしても被膜にひび割れや剥離の発生がなく重層化
の可能な、発光効率および被膜強度の向上した管球を提
供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン電球等のガラス
バルブの表面に、可視光透過赤外線反射膜などの多層膜
からなる光干渉膜を形成した管球に関する。
【0002】
【従来の技術】省エネルギ化の一環として管球分野にお
いても種々の対応がなされており、例えばハロゲン電球
においてバルブの表面に可視光透過赤外線反射作用を有
する多層光干渉膜を形成することによって、フィラメン
トから放射した可視光はバルブを透過させるとともに、
赤外線はこの光干渉膜で反射してフィラメントに帰還さ
せ、これによってフィラメントを加熱して発光効率を高
め、かつ、放射光中の赤外線を減らすようにしたことが
知られている。
【0003】このような可視光透過赤外線反射作用を有
する光干渉膜としては、高屈折率を示す例えば酸化チタ
ン(TiO2 )膜と低屈折率を示す例えば酸化けい素
(SiO2 )膜とを交互に積層して多層化したものが用
いられ、その層数や層の厚さを適宜選ぶことにより光の
干渉を利用して、所望の波長域の光を選択的に透過およ
び反射させるものである。この電球においては、膜の層
数が多いほど赤外線の反射率を高くすることができ省電
力の効果も大きい。
【0004】従来のこの可視光透過赤外線反射作用を有
する光干渉膜は、長期使用中にひび割れや剥離が発生す
ることがあり、特に点灯温度の高いハロゲン電球や点滅
を頻繁に繰り返して使用する電球、あるいは光干渉の層
数を特に多くして赤外線放射量を低くした電球におい
て、このような現象が起こることがあった。
【0005】この多層の被膜にひび割れや剥離などを生
じるのは、酸化けい素(SiO2 )膜は圧縮性の真性応
力(膜の形成方法に依存した膜の微細構造による応力)
が強く(文献によれば40〜60メガパスカル)、層数
が多くになるにつれてその歪みが積み重ねられ、膜強度
(膜内界面)を越えると膜中の欠陥部を起点にひび割れ
が発生し、さらにひび割れが浮き上がるようになって剥
離することが分かり、さらに特性を向上するために層数
を増やすということは困難であった。
【0006】また、ほうけい酸ガラスやアルミノけい酸
ガラスなどの硬質ガラスあるいはソーダライムガラスや
鉛ガラスなどの軟質ガラスに多層膜を形成する場合は層
数を多くしても石英ガラスに形成した場合に比べ、ひび
割れや剥離などの発生は少なかった。この石英ガラスに
形成した場合の不具合の原因は明確ではないが、石英ガ
ラスは熱膨張率が低く、このガラス表面に形成される酸
化チタン(TiO2 )膜との間の熱応力が大きいことと
石英ガラスバルブ自体が圧縮性の強い応力を有している
ことが考えられる。
【0007】ここで、上記問題を解決するために、例え
ば特開昭62−105357号公報に記載される通り、
上記光干渉膜として酸化チタン(TiO2 )、酸化タン
タル(Ta2 2 )および酸化ジルコニウム(Zr
2 )の少なくとも一種を主成分とし、これにりん
(P)、ほう素(B)、ひ素(As)、アンチモン(S
b)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、カリウ
ム(K)、ニッケル(Ni)およびコバルト(Co)の
少なくとも一種を含有させてなる高屈折率層と、酸化け
い素(SiO2 )を主成分としこれにリン(P)および
硼素(B)の少なくとも一種を含有させてなる低屈折率
層とを9〜12層以上交互に重層してなるものがある。
【0008】これにより、光干渉膜を構成する各層間の
熱膨脹率差に起因する歪みの緩和および層間の結合力の
強化をはかり、この結果として光干渉膜のひび割れや剥
離を防止したものである。
【0009】しかしがら、上記各物質毎にその含有量に
応じ、強度は確保され被膜にひび割れや剥離等の発生は
防げるが、反面光干渉膜の光学特性である例えば耐熱性
低下による光束等の低下の危惧が出てきた。
【0010】また、本願出願人は先に特願平1−305
545号(特開平3−165452号)に、光干渉膜と
して酸化チタン(TiO2 )にけい素(Si)、錫(S
n)、アンチモン(Sb)、タンタル(Ta)等の物質
を0.1〜30%添加させた管球を出願した。この出願
によって耐熱性を維持しつつ、さらに光学特性の改善が
はかれた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この被膜の場
合光学特性を高めるために層数を増やし30層以上にす
ると、被膜にひび割れや剥離等の発生が見られることが
ある。
【0012】本発明は上記の事情に鑑みなされたもの
で、個々の被膜の光学特性が低くても層数を増やすこと
によって光学特性の低下をカバーし、かつ、被膜にひび
割れや剥離等の発生のない耐熱性のすぐれた管球および
この管球を装着した照明装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の管球は、内部に発光構体が封装された高けい酸ガラス
からなるバルブと、このバルブの表面に酸化錫SnO2
を主成分としこれに金属原子比で20〜70%未満の酸
化チタンTiO2 を添加して構成した高屈折率層および
酸化けい素SiO2 からなる低屈折率層を交互に重層し
て形成した光干渉膜とを具備したことを特徴としてい
る。
【0014】本発明によれば、上記の可視光透過赤外線
反射膜を構成する高屈折率層と低屈折率層の層数は全層
数を30層以上に重層化する場合にも適用できる。ま
た、バルブ表面への可視光透過赤外線反射膜の形成は外
表面側に限らず、内表面側でもあるいは内外の両表面で
あってもよい。
【0015】本発明の請求項2に記載の管球は、バルブ
の材質が石英ガラスからなることを特徴としている。
【0016】また、ガラス材質は所要の透光性および光
屈折率と耐熱性を併有する、石英ガラスと同質の高けい
酸系のガラス材質であっても、もちろん適用が可能であ
る。本発明の請求項3に記載の管球は、発光構体がフィ
ラメントであることを特徴としている。
【0017】本発明の請求項4に記載の管球は、発光構
体が放電電極であることを特徴としている。
【0018】本発明の請求項5に記載の管球は、内部に
コイル状のフィラメントと不活性ガスおよびハロゲンを
封装した高けい酸ガラスからなるバルブと、このガラス
バルブの表面に形成した酸化錫SnO2 を主成分としこ
れに金属原子比で20〜70%未満の酸化チタンTiO
2 を添加して構成した高屈折率層および酸化けい素Si
2 からなる低屈折率層を交互に重層して形成した光干
渉膜とを具備したことを特徴としている。
【0019】本発明の請求項6に記載の反射鏡付管球
は、反射鏡と、この反射鏡の背面に形成した収容孔に配
設された上記請求項1ないし請求項5のいずれか一記載
の管球とを具備していることを特徴としている。
【0020】本発明の請求項7に記載の照明装置は、器
具または灯体と、この器具または灯体に装着された上記
請求項1ないし請求項6のいずれか一記載の管球とを具
備していることを特徴としている。
【0021】
【作用】請求項1に記載の構成によれば、バルブの表面
に形成される高屈折率層の材料を酸化錫SnO2 と酸化
チタンTiO2 との混合物として屈折率を下げずに、熱
膨脹率をバルブのそれと近似するように低下させ、被膜
に加わる応力を低減できる。
【0022】また、請求項2に記載の構成によれば、石
英ガラスに適用して上記請求項1の記載と同様の作用を
奏する。
【0023】また、請求項3および請求項4に記載の構
成によれば、電球や高圧放電ランプ等の管球に適用して
上記請求項1の記載と同様の作用を奏する。
【0024】また、請求項5に記載の構成によれば、ハ
ロゲン電球に適用して上記請求項1の記載と同様の作用
を奏する。
【0025】また、請求項6に記載の構成によれば、反
射鏡付管球に適用して上記請求項1の記載と同様の作用
を奏する。
【0026】さらに、請求項7に記載の構成によれば、
上記請求項1ないし請求項6のいずれか一記載の管球を
装着した照明装置において、上記請求項1の記載と同様
の作用を奏する。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は第一の実施例を示す管球たとえば展示品照
明用の定格が100V100Wのハロゲン電球Lの正面
図、図2はバルブの表面に形成した光干渉膜の構成説明
図である。
【0028】図中1は石英ガラスからなる外径が約11
mmの直管状をなすバルブ、2はこのバルブ1の内外両
面のうち少なくとも一方の面、例えば外面上に形成され
た可視光を透過し赤外線を反射する光干渉膜である。3
はバルブ1の端部に形成された圧潰封止部、4、4はこ
の封止部3内に気密に封止されたモリブデン箔等からな
る金属箔、5、5はこの金属箔4、4の一端に接続され
た内部リード線、6はこの内部リード線5、5間に継線
されたフィラメントからなる発光構体である。なお、7
はバルブ1端部の封止部3を覆って接合された口金で、
この口金7には上記金属箔4、4の他端に接続して延在
した外部リード線(図示していない。)が接続されてい
る。また、上記バルブ1内には臭素(Br)、塩素(C
l)、よう素(I)やふっ素(F)等の少なくとも一種
のハロゲンおよびアルゴン(Ar)等の不活性ガスが封
入してある。
【0029】また、上記の可視光透過赤外線反射をする
光干渉膜2は、酸化錫(SnO2 )とこの酸化錫(Sn
2 )に対して金属原子比で20〜70%未満の酸化チ
タン(TiO2 )とを主成分とし高屈折率層Hと、酸化
けい素(SiO2 )を主成分とした低屈折率層Lとを交
互に重層して構成されたものである。
【0030】この実施例において、上記高屈折率層を形
成するには、図示しない反応容器に、錫(Sn)のアル
コキシドとチタン(Ti)のアルコキシドとを仕込み、
エタノールを加えて均一に混合した後、室温下で攪拌し
ながらアシル化剤またはキレート化剤を添加し、加温し
て環流した後に1時間保持して反応を行った。得られた
反応液に、ガラス質形成剤およびエタノールを添加し、
複合酸化物に換算した濃度が4.5重量%の複合酸化物
薄膜形成用組成物塗布液を調整した。
【0031】次に、上記塗布液を上記バルブ1に均一な
厚さに塗布する。
【0032】上記塗布液は、有機溶剤可溶性の無機また
は有機のリン化合物、硼素化合物等のガラス質形成剤を
含有していてもよい。また、これらのガラス質形成剤
は、酸化物基準で複合金属酸化物に換算した合計に対し
て10重量%以下、好ましくは0.1〜5.0重量%の
範囲で添加される。
【0033】すなわち、上記塗布液に上記バルブ1を浸
漬し、この後一定速度で上記バルブ1を引上げ、大気中
400〜900℃で10分間焼成することにより高屈折
率層を構成する酸化錫・酸化チタン(SnO2 ・TiO
2 )膜H1を形成する。
【0034】ついで、上記低屈折率層を形成するには有
機けい素化合物、例えばテトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシラン、ジエトキシジイソプロポキトシラン、
ジクロルジメトキシシラン等のシランアルコキシド/ま
たはこれらの加水分解縮合体を含有する溶液を調整す
る。この溶液中に上記酸化錫・酸化チタン(SnO2
TiO2 )膜からなる高屈折率層H1が形成されたバル
ブ1を浸漬し、この後一定速度で引上げ、上記と同様に
大気中400〜900℃で10分間焼成することにより
低屈折率層を構成する酸化けい素(SiO2 )膜L1を
形成する。そして、この工程を複数回繰り返して、バル
ブ1の外表面に複数層の高屈折率層H…と低屈折率層L
…とを交互に形成する。
【0035】そして、石英ガラスからなるバルブ1の外
表面の奇数層目には酸化錫・酸化チタン(SnO2 ・T
iO2 )膜からなる高屈折率層H1〜H41を、偶数層
目には酸化けい素(SiO2 )からなる低屈折率層L2
〜L40を交互に浸漬方式により重層して全部で例えば
41層形成してある。
【0036】そして、上記高屈折率層H…は、上述した
ように酸化錫(SnO2 )と酸化チタン(TiO2 )と
の混合物質からなり、一般に、チタン化合物を高温熱分
解することにより、アモルファス型のTiO2 、アナタ
ーゼ型および/またはルチル型のTiO2 結晶が生成さ
れる。アモルファス型のTiO2 およびアナターゼ型
は、高可視光透過率を示すがルチル型のTiO2 に比較
して屈折率が低く、また、高温下に長時間加熱すること
により高温安定型であるルチル型TiO2 に相変換す
る。ルチル型TiO2 薄膜は、アナターゼ型TiO2
膜に比較して熱的に安定であり、かつ、高い屈折率を示
すが薄膜中でアモルファス相およびアナターゼ型結晶相
から相変換すると、薄膜の可視光の透過率が低下する。
【0037】したがって、高屈折率かつ高可視光透過率
の要求される例えば光干渉膜の高屈折率層においては、
アナターゼ型TiO2 からルチル型TiO2 への相変換
を抑制することによりその目的が達成される。
【0038】本発明においては、酸化錫(SnO2 )と
酸化チタン(TiO2 )とを含有させることにより、ア
モルファス型のTiO2 およびアナターゼ型のTiO2
の高温加熱時におけるルチル型TiO2 への相変換およ
び結晶粒の成長が抑制される結果、可視光透過率の低下
が抑制され高耐熱性の高屈折率層が得られる。
【0039】このような構成の電球Lを点灯すると、バ
ルブ1の中心軸上に配設したフィラメント6は発熱して
可視光とともに大量の赤外線を放射し、フィラメント6
から放射した光のうち可視光はバルブ1および光干渉膜
2を透過してバルブ1外方へと放射される。また、フィ
ラメント6から放射した赤外線は光干渉膜2で反射され
てフィラメント6に戻り、フィラメント6を加熱して発
光をより高くし、この結果フィラメント6からの可視光
放射が増して、発光効率が向上できた。
【0040】この電球Lは、バルブ1の表面に形成した
光干渉膜2が可視光透過赤外線反射の作用をなし、石英
ガラス(SiO2 、線膨張係数α=4×10 -7 /℃)
バルブ1上に形成した低屈折率層L2〜L40はバルブ
1と同質の酸化けい素(SiO2 、線膨張係数α=4×
10 -7 /℃)からなるので線膨張係数は同じか近似し
ており問題なく、50層程度の重層化も可能であった。
また、高屈折率層H1〜H41は酸化錫(SnO2 、線
膨張係数α=3.65×10 -6 /℃)と酸化チタン
(TiO2 、線膨張係数α=9×10 -6 /℃)とから
なり、酸化チタン(TiO2 )は石英ガラス(Si
2 )と熱膨張率差が大きく、この酸化チタン(TiO
2 )に酸化錫(SnO2 )を加えることによってバルブ
1の石英ガラス(SiO2 )との熱膨張率差を縮小し
て、電球の点滅時等に熱応力が加わった場合でも光干渉
膜2にひび割れや剥離の虞がなく、外観的および発光特
性が向上できた。
【0041】本発明は上記のように、酸化チタン(Ti
2 )に比べて屈折率は高い(約2.0)が熱膨張率が
約半分と小さく、かつ、その結晶が酸化チタン(TiO
2 )と同じで、酸化チタン(TiO2 )と混合し易い物
質である酸化錫(SnO2 )を選び、酸化チタン(Ti
2 )と混合して高屈折率層を形成したものである。
【0042】そして、上記高屈折率層H1〜H41を形
成する酸化錫(SnO2 )と酸化チタン(TiO2 )と
の混合比率は、酸化錫(SnO2 )に対して酸化チタン
(TiO2 )の混合量が金属原子比で2O〜70%未満
で、好ましくは30〜50%の範囲であればよかった。
この酸化チタン(TiO2 )の混合量が金属原子比で2
O%以下であると合成屈折率が低下するとともに均等に
混合せず、また、70%を越すと多層性が低下してひび
割れ等の発生がある。
【0043】また、図3は本発明の第二の実施例を示す
ハロゲン電球Lで、上記図1と同一部分には同一の符号
を付してその説明は省略する。
【0044】この実施例の電球Lは石英ガラス製のバル
ブ1が封止部3を除きほぼ球状をなしている。このバル
ブ1は球状の最大径部11と封止部3との間で封止部3
寄りの部分12を球に対して逆の円弧Rの外形をなして
いる。
【0045】このようなバルブ1形状とすることによ
り、例えば上述した実施例のようにバルブ1の外面に多
層の光干渉膜2を形成する際に最大径部11と封止部3
との間に急激な外形の変化がないので、塗布液がスムー
ズに流れバルブ1の外面にほぼ均一の厚さの光干渉膜2
が形成できる。
【0046】また、バルブ1開口部の被封止部にマウン
トを配置して封止する場合に、加熱により軟化してきた
バルブ1のガラスが不所望に流動してマウントを押圧し
てフィラメントの位置ずれを起こし、配光不良を生じた
り短寿命となったりする不具合があったが、このバルブ
1形状とすればこのようなことの発生を防ぐことが可能
となる。
【0047】また、上記第一および第二の実施例の電球
Lは図4に示される反射鏡8に組込み使用される。例え
ば第二実施例の電球Lが組込まれた反射鏡付電球LR
は、反射鏡8の焦点付近にコイル状のフィラメント6が
位置するよう、電球Lの封止部3が背面側に形成した収
容孔81内に接着剤9等を介して接合固定されている。
そして、この反射鏡付電球LRは赤外線の少ない可視光
を効率よく指向性をもって放射させることができる。
【0048】また、このとき電球L内のコイル状のフィ
ラメント6は反射鏡8の焦点付近にあることが望まし
く、フィラメント6長さはできるだけ短いものが要求さ
れている。しかし、フィラメント6は電圧や電流が決め
られている関係から大きな設計変更はできず、コイル径
を大きくする等の手段で対処している。このため、この
反射鏡付電球LRを点灯した場合に、対流によるガスロ
スが大きく電球LRの放射効率が低下する。これは、フ
ィラメント6のコイル部の最端部周囲は外方に存在物が
なく温度が低下するなど不均一な部分を生じ、コイル状
のフィラメント6に変形を等を生じ短寿命となる。さら
に、バルブ1の外面に多層光干渉膜2を形成した電球L
は、光干渉膜2により反射された赤外線のコイル状部へ
の入射があり、上記の温度不均衡を拡大する等の問題が
発生する。
【0049】すなわち、このような短コイル長でコイル
径の大きなフィラメント6では、熱損失が大きく効率が
低く、フィラメント6の温度分布不均衡が大きく短寿命
である問題がある。
【0050】この問題を解消するためには、図5にコイ
ル状のフィラメント6を拡大して示すように、フィラメ
ント6のコイル部61の最端部の上方にフィラメント6
線や内部リード線5が近づいて位置するように配置させ
ればよい。
【0051】このような構成とすることによって、フィ
ラメント6のコイル部61の最端部の放熱は少なく発光
するので、この電球Lは発光効率が向上するとともに寿
命のばらつきも少なくなる。
【0052】また、上記図1および図2に示すハロゲン
電球Lは内面にアルミニウムなどの反射面を形成した反
射鏡あるいは反射鏡が筐体内に収容された照明装置、す
なわち照明器具を構成する部材に装着され、必要に応じ
この反射鏡の開口部をレンズ等のカバー部材で覆って使
用される。
【0053】なお,本発明は上記実施例に限定されな
い。たとえば、被膜の形成は浸漬方法に限らず、真空蒸
着、PVD、CVD、イオンプレーティング等の方法に
よるものであってもよい。
【0054】また、本発明の管球は図1に示すバルブの
片端に封止部を形成したハロゲン電球に限らず、バルブ
の両端に封止部を形成したものでもよく、また、他の投
光用や他の用途のハロゲン電球またはハロゲンを封入し
ない種類の電球あるいはメタルハライドランプなどの高
圧放電ランプ等であってもよく、本発明でいう放電ラン
プの場合の発光構体とは放電電極を指すものである。
【0055】さらに、上記管球が装着して使用される照
明装置は、投光用器具に限らず、光・熱反射膜やダイク
ロイック膜などの可視光反射赤外線透過膜が形成された
反射鏡内や各種の照明器具、灯具であっても差支えな
い。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の請求項1に
記載の構成によれば、個々の被膜の光学特性は低下する
が、重層数を多くしても被膜にひび割れや剥離の発生が
なく、30層以上の重層化も可能で、この重層化により
光学的な発光特性の低下をカバーした管球を提供でき
る。
【0057】また、請求項2に記載の構成によれば、高
屈折率層の構成材料をバルブの石英ガラスの材質に近付
けたので、熱膨脹率差等に起因する被膜のひび割れや剥
離の発生を防止できる。
【0058】また、請求項3および請求項4に記載の構
成によれば、電球や高圧放電ランプ等の管球に適用して
上記請求項1および請求項2の記載と同様の効果を奏す
る。また、請求項5に記載の構成によれば、ハロゲン電
球に適用して上記請求項1および請求項2の記載と同様
の効果を奏する。
【0059】また、請求項6に記載の構成によれば、反
射鏡付管球に適用して上記請求項1ないし請求項5の記
載と同様の効果を奏する。
【0060】さらに、請求項7に記載の構成によれば、
上記請求項1ないし請求項6のいずれか一記載の管球を
装着した照明装置において、上記請求項1ないし請求項
6の記載と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すハロゲン電球の正面図で
ある。
【図2】図1の電球の可視光透過赤外線反射膜部分を拡
大して示す説明図である。
【図3】本発明の他の実施例を示すハロゲン電球の正面
図である。
【図4】本発明の反射鏡付電球の実施例を示す正面断面
図である。
【図5】本発明のコイル状フィラメントを示す説明図で
ある。
【符号の説明】
L:電球(管球) LR:反射鏡付電球(反射鏡付管球) 1:ガラスバルブ 2:光干渉膜 H…:高屈折率層 L…:低屈折率層 3:封止部 6:コイル状のフィラメント(発光構体) 8:反射鏡 81:収容孔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に発光構体が封装された高けい酸ガ
    ラスからなるバルブと;このバルブの表面に酸化錫Sn
    2 を主成分としこれに金属原子比で20〜70%未満
    の酸化チタンTiO2 を添加して構成した高屈折率層お
    よび酸化けい素SiO2 からなる低屈折率層を交互に重
    層して形成した光干渉膜と;を具備したことを特徴とす
    る管球。
  2. 【請求項2】 上記バルブの材質が石英ガラスからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の管球。
  3. 【請求項3】 上記発光構体がフィラメントであること
    を特徴とする請求項1に記載の管球。
  4. 【請求項4】 上記発光構体が放電電極であることを特
    徴とする請求項1に記載の管球。
  5. 【請求項5】 内部にコイル状のフィラメントと不活性
    ガスおよびハロゲンを封装した高けい酸ガラスからなる
    バルブと;このガラスバルブの表面に形成した酸化錫S
    nO2 を主成分としこれに金属原子比で20〜70%未
    満の酸化チタンTiO2 を添加して構成した高屈折率層
    および酸化けい素SiO2 からなる低屈折率層を交互に
    重層して形成した光干渉膜と;を具備したことを特徴と
    する管球。
  6. 【請求項6】 反射鏡と;この反射鏡の背面に形成した
    収容孔に配設された上記請求項1ないし請求項5のいず
    れか一記載の管球と;を具備していることを特徴とする
    反射鏡付管球。
  7. 【請求項7】 器具または灯体と;この器具または灯体
    に装着された上記請求項1ないし請求項6のいずれか一
    記載の管球と;を具備していることを特徴とする照明装
    置。
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