JP2001102006A - 管 球 - Google Patents

管 球

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JP2001102006A
JP2001102006A JP28023499A JP28023499A JP2001102006A JP 2001102006 A JP2001102006 A JP 2001102006A JP 28023499 A JP28023499 A JP 28023499A JP 28023499 A JP28023499 A JP 28023499A JP 2001102006 A JP2001102006 A JP 2001102006A
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film
light
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Makoto Bessho
誠 別所
Makoto Sakai
誠 酒井
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光特性および品質の向上したハロゲン電球
等の管球を提供することを目的とする。 【解決手段】 発光部3Aを封装した外囲容器1の表面
に蒸着法、スパッタリング法あるいはイオンプレーティ
ング法により高屈折率を示す多結晶体の金属酸化物層7
Hと低屈折率を示す多結晶体からなる金属酸化物層7L
とを交互に積層して多層光干渉膜7を形成した管球L1
において、上記金属酸化物層7H,7Lは、少なくとも
一層が充填率80%以上の多結晶体からなる管球であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン電球や高圧
放電ランプ等の外囲容器を構成するガラスバルブの表面
に、可視光透過赤外線反射作用等を有する多層光干渉膜
を形成した管球に関する。
【0002】
【従来の技術】電球はタングステン線を巻回したコイル
状のフィラメントに通電して発光させるものであるが、
実際の光輻射エネルギーは(二重コイルで)約12%程
度、熱輻射エネルギーが約74%程度、残りはバルブ内
ガスやリード線等による熱損失となって、エネルギーの
大部分が発光には寄与しないものであることが知られて
いる。
【0003】そして、この電球の一種であるハロゲン電
球は、バルブ内に封入したハロゲンの循環サイクルを利
用して、フィラメントから蒸発したタングステンを元の
フィラメントに戻しバルブの黒化を防ぎ効率を高めると
ともに長寿命化をはかっている。このハロゲン電球は、
ハロゲンの循環サイクルを円滑に行うため、ガラスバル
ブが高い温度になるよう管形等の細径に設計されてい
る。
【0004】そして、このハロゲン電球は、汎用の不活
性ガス入り電球に比べ、光束を同じとすれば寿命を約2
倍、また、寿命を同じとすれば光束を約2倍にできる高
効率で、しかも小形化できる利点を有する電球である。
【0005】しかし、このハロゲン電球においてもさら
にの効率アップが要求され、電球から無駄に放散される
熱エネルギーを利用する手段として、電球のバルブの表
面に可視光透過赤外線反射作用を有する多層光干渉膜を
形成することによって、フィラメントから放射された可
視光はバルブを透過させるとともに、赤外線を反射膜で
反射してフィラメントに帰還させ、これによってフィラ
メントをさらに加熱して発光効率を高めさせることが行
われている。
【0006】上記可視光透過赤外線反射作用を有する光
干渉膜の具体例としては、高屈折率を示す例えば酸化チ
タン(TiO2 )膜と低屈折率を示す例えば酸化ケイ素
(SiO2 )膜とを交互に積層して多層化したもので、
その層数や層の厚さを適宜選ぶことにより光の干渉を利
用して、所望の波長域の光を選択的に透過および反射さ
せることができるものである。
【0007】一般的にはこの可視光透過赤外線反射作用
を有する光干渉膜は、いわゆるλ/4の光干渉膜でその
波長λを電球フィラメントの赤外線放射エネルギのピー
ク波長(1μ近傍)に合わせたものであり、同一膜厚の
ものを形成していく場合には成膜作業も容易で多く採用
されている。なお、この電球において、膜の層数が多い
ほど赤外線の反射率を高くすることができ省電力の効果
も大きくなる。
【0008】そして、家庭、店舗、事務所、工場や競技
場等の各方面で多用される管球においても、昨今の省エ
ネルギーや省資源の問題から高効率化や長寿命化が要望
されている。
【0009】そこで、本発明者等はさらにこの多層光干
渉膜の形成について種々究明を行い、従来対応されてき
た光干渉膜の材料、膜層数、各層の膜厚等のほかその形
成手段によってもその特性等に差が生じることが分っ
た。
【0010】すなわち、蒸着法、スパッタリング法ある
いはイオンプレーティング法等の物理的なPVD方法
(Physical Vapor Depositio
n)で多層光干渉膜を形成したものは、CVD法等の化
学的な方法により干渉膜を形成したものに比べ、発光特
性や外観がやや低下していることが分った。
【0011】そして、この差の原因について追及したと
ころ、これは被層中の結晶体密度が関係していることが
認められた。これは、CVD法(Chemical V
apor Deposition)等の化学的方法によ
れば、ガラスバルブ(容器)の表面上や下層上にるつぼ
等の材料蒸発源から飛来した被膜を形成する金属の微粒
子がほぼ均等に堆積被着して、焼成後その結晶体から形
成された金属酸化物層の表面はどの部分をみてもほぼ均
等でその層厚さもほぼ同じであった。
【0012】これに対して、蒸着法、スパッタリング法
あるいはイオンプレーティング法等の物理的なPVD法
で多層光干渉膜を形成したものは、金属酸化物層の表面
が化学的な方法で形成したものに比べ凹凸が大きく、部
分的に層厚さが変わっていることが認められた。
【0013】本発明者等はこの化学的方法による成膜と
物理的方法による成膜との相違について究明したとこ
ろ、被膜材料の微粒子がガラスバルブ(容器)の表面や
下層面に対し化学的方法によればほぼ垂直方向から入射
堆積し、物理的方法によると斜め方向から入射堆積して
いくことが分った。また、一般的にこれらの微粒子は帯
電している関係で結合し易いことから、先に被着した微
粒子を核にして後続の微粒子が次々とその周囲に被着し
堆積していく。
【0014】このようなことを勘案しながら、化学的方
法と物理的方法による成膜について分析すると、化学的
方法によるものでは成膜中における結晶の密度(充填
率)が80%以上であるのに対して、物理的方法による
ものでは結晶の密度(充填率)が80%未満であること
が分った。すなわち、図7(a)および(b)に、層を
形成する過程の一例を拡大断面して示す。これは層蒸着
時の微粒子の入射角に起因し、入射角が大きいと図7
(a)に示すようにバルブ(容器)Bの表面や下層面に
対し堆積していく微粒子n,n,…群からなる少々傾斜
した山M,M,…が幾つもでき、堆積が続くとこれら山
M,M,…間に空隙部c,c,…が生じる結果、焼成後
は図(b)に示すように被膜Tの結晶体の密度(充填
率)が低くなるものと推定される。
【0015】そして、この結晶体の密度(充填率)が低
いとその表面の凹凸が大きくなって被層の層厚が変化す
る結果、たとえばこの一層ではなく次々と積層される表
面においては層数が増えるほど凹凸が大きくなってしま
う。
【0016】この多層光干渉膜を形成する金属酸化物層
の結晶体の密度(充填率)が低かったり、結晶の密度
(充填率)に起因する膜(層)厚さにばらつきがある
と、上記所定波長の透過や反射が行えず、管球の発光特
性を低下したり、甚だしい場合には被膜の剥離等の不具
合を生じることがある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】そこで、多層光干渉膜
の形成は上記の化学的方法により行えばよいことが分る
が、CVD法等による成膜法は設備および生産性に問題
がある。すなわち、管球は特殊のものではなく、大量に
しかも安価であることが要求され、複雑な作業や工程を
要する製造設備では対応できない。
【0018】現在、量産をする管球の多層光干渉膜の形
成は、作業性のよい蒸着法、スパッタリング法あるいは
イオンプレーティング法等の物理的なPVD方法で行わ
れており、本発明者等はこれらの物理的方法によっても
外囲容器(バルブ)の表面に結晶体の密度(充填率)を
高くに形成できることを見出だしたもので、発光効率が
高まるとともに省電力の効果も大きく、また、製造も容
易な生産性が高い管球を提供できる。
【0019】また、この多層光干渉膜の膜厚さが不均一
であると、所定波長の透過や反射が行なわれず所望の光
学特性が得られないで、電球の発光特性の低下を招くと
ともに、異質の物質が複数層積層された多層被膜は、被
層物質の熱膨脹率も相違することから管球の点滅による
高低温が繰り返えされる熱的な衝撃を受けると被膜にひ
び割れや剥離を生じ易かった。
【0020】本発明は物理的方法によって外囲容器(バ
ルブ)の表面に結晶体の密度(充填率)を高くに形成で
きる、発光特性および品質の向上したハロゲン電球等の
管球を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の管球は、発光部を封装した外囲容器の表面に蒸着法、
スパッタリング法あるいはイオンプレーティング法によ
り高屈折率を示す多結晶体の金属酸化物層と低屈折率を
示す多結晶体からなる金属酸化物層とを交互に積層して
多層光干渉膜を形成した管球において、上記金属酸化物
層は、少なくとも一層が充填率80%以上の多結晶体か
らなるなることを特徴とする。
【0022】例えば多層光干渉膜として外囲容器(バル
ブ)に可視光透過赤外線反射膜を形成したハロゲン電球
は、点灯時外囲容器内の中心軸上に配設したコイル状フ
ィラメントが発熱して可視光とともに大量の赤外線を放
射するが、フィラメントから放射した光のうち可視光の
殆どは外囲容器および赤外線反射膜を透過して容器の外
方へと放射される。また、フィラメントから放射した赤
外線は、赤外線反射膜で反射してフィラメントに戻し、
フィラメントを再加熱して発光をより高くすることがで
きる。
【0023】そして、本発明の多層光干渉膜は、蒸着
法、スパッタリング法あるいはイオンプレーティング法
等の物理的なPVD法(Physical Vapor
Deposition)により結晶体の密度(充填
率)を高くしたことにより緻密でほぼ均等厚さの被膜が
得られるので、被着強度も強く剥離等の発生を抑制でき
る。
【0024】この発明が重要なのは被膜形成時の蒸着の
条件で、金属酸化物層の融点をTm、外囲容器(バル
ブ)の温度をTとしたときにT/Tmが0.2〜0.4
で、雰囲気のガス分圧を0.1〜10Pa(パスカル)
としておけば、結晶の成長の仕方が変化して、結晶体の
密度(充填率)が80%以上の緻密な酸化物層を得るこ
とができたことである。
【0025】なお、本発明が適用される管球は、外囲容
器の一端部に封止部を形成したものに限らず、外囲容器
の両端に封止部が設けられているものであってもよく、
外囲容器は二重管等の多重管であってもよい。さらに、
封止部は圧潰封止部に限らず、外囲容器を構成するガラ
スを収縮して形成した封止部であってもよい。
【0026】本発明の請求項2に記載の管球は、上記金
属酸化物層の充填率80%以上の層が、下層側にあるこ
とを特徴とする。
【0027】結晶体の密度(充填率)を高くすることに
より層が緻密となってその厚さをほぼ均等にでき、本発
明のように多層の金属酸化物層を形成する場合には、基
体(外囲容器)に近い下層側にこのほぼ均等厚さの層を
配設することにより、積層によって蓄積される凹凸差を
小さくすることができ、多層光干渉膜の膜厚により左右
される光の透過や反射特性のばらつきを低減できる。
【0028】なお、この金属酸化物層の充填率80%以
上の層が全層であるのが望ましく、また、この下層側で
も中間層より下側にあるのが好ましい。
【0029】本発明の請求項3に記載の管球は、上記多
層光干渉膜が、可視光透過赤外線反射膜または可視光反
射赤外線透過膜であることを特徴とする。
【0030】管球の外囲容器に形成される多層光干渉膜
を、可視光透過赤外線反射膜や可視光反射赤外線透過膜
とすることにより,上記請求項1または2に記載したと
同様な作用を奏する。
【0031】本発明の請求項4に記載の管球は、上記発
光部が、コイル状フィラメントを備えた電球または放電
電極を備えた放電ランプであることを特徴とする。
【0032】本発明で表す発光部とは、電球の場合はコ
イル状フィラメントを、放電ランプの場合は放電電極を
指し、電球は汎用のガス入り電球、ハロゲン電球や管形
赤外線電球等に、また、放電ランプは高圧放電ランプや
メタルハライドランプ等に適用して上記請求項1ないし
3に記載したと同様な作用を奏する。
【0033】本発明の請求項5に記載の管球は、上記電
球または放電ランプが、反射鏡を備えていることを特徴
とする。
【0034】反射鏡を一体的または別体として設けた管
球において、上記請求項1ないし4に記載したと同様な
作用を奏する。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の管球の実施の形態
を図面を図1ないし図2を参照して説明する。図1は管
球、例えば一端封止形の投光用ハロゲン電球L1の一部
断面正面図、図2は図1の電球L1の外囲容器に形成し
た多層光干渉膜の一部を模型的に示す拡大断面図であ
る。
【0036】図1において、1は石英ガラス製の外囲容
器(バルブ)、11は外囲容器1の一端部を溶融圧潰し
て形成した封止部で、この封止部11内には封止用のモ
リブデンからなる金属箔2,2が埋め込まれ石英ガラス
と気密に封止されている。また、この金属箔2,2の一
端部に溶接されるとともに外囲容器1内に延出して先端
部に発光部をなすコイル状のフィラメント3Aを継線し
た内部導線4,4が、また、金属箔2,2の他端部に溶
接されるとともに外囲容器1外に導出して外部導線5,
5が設けられている。なお、12は排気管である。
【0037】また、上記コイル状のフィラメント3Aは
タングステン線をコイル状に二重に巻回したもので、外
囲容器1の中心軸上に配設されてその両端部近傍が内部
導線4,4の先端部に溶接やかしめ等の手段で継線され
ている。41は両方の内部導線4,4を所定間隔を隔て
て支持するビード、42はビード41に植設されたアン
カでフィラメント3Aの中間部を支持している。
【0038】また、外囲容器1内には少量のCH2 Br
2 やCH3 Br等のハロゲン化物およびアルゴン(A
r)と窒素(N2 )とを混合したガスが封入してある。
また、6は封止部11に耐熱性の接着剤61を介し接合
された口金で、この口金6のシェルおよび頂部のアイレ
ット部に、上記外部導線5,5が溶接やろう付け等の手
段で電気的に接続してある。
【0039】また、外囲容器(バルブ)1の外表面に
は、内部に配設されているフィラメント3Aと対応して
蒸着法、スパッタリング法あるいはイオンプレーティン
グ法等の物理的なPVD法で可視光透過赤外線反射膜
(以下、赤反膜と称する。)7が形成してある。この赤
反膜7は、容器1のガラス面に高屈折率層膜を作る例え
ば酸化チタン(TiO2 )からなる金属酸化物層7H,
…と低屈折率層膜を作る例えば酸化ケイ素(SiO2
からなる金属酸化物層7L,…とを交互に繰り返えし積
層した多層光干渉膜からなる。
【0040】さらに、この赤反膜7について図2を参照
して詳述すると、外囲容器(バルブ)1のガラスの外表
面上に高屈折率を示す酸化チタン(TiO2 )からなる
金属酸化物層7Hが、また、この金属酸化物層7Hの表
面には低屈折率を示す酸化ケイ素(SiO2 )からなる
金属酸化物層7Lが形成され、さらにこの表面上に高屈
折率を示す金属酸化物層7Hと、低屈折率を示す金属酸
化物層7Lが交互に重層して全部で例えば40層形成し
てある。また、これら各層の光学膜厚はλ/4としてあ
る。
【0041】そして、上記赤反膜(多層光干渉膜)7を
イオンプレーティング装置を用い形成する場合について
図3を参照して説明する。
【0042】上記のような赤反膜7の形成は、まず、透
明な外囲容器(バルブ)1内にフィラメント2を封装し
て、容器1内を排気し、所定のハロゲン化物および不活
性ガス等を封入して排気管12を溶封した封止済みの電
球を用意する。
【0043】イオンプレーティング装置の一例を示す図
3においてBXはチェンバで,このチェンバBXには真
空ポンプVPに接続する排気管E,アルゴンガスArを
供給するためのアルゴンガス供給管A,酸素ガスO2
供給するための酸素ガス供給管Oが連結されており、こ
れら各管E、A、Oにはそれぞれ弁EC、AC、OCが
設けられている。
【0044】また,チェンバBX内の底部には蒸着物質
を収容するルツボRが設けられ,このルツボRの上方に
は螺旋状の高周波コイルCが配置されている。この高周
波コイルCの上方には複数層からなる可視光透過赤外線
反射膜7を形成する電球の外囲容器(バルブ)1が治具
(図示しない)により容器軸を傾斜θ(0〜30度)さ
せた状態で、かつ矢印X方向に自転するとともに矢印Y
方向に公転するように、駆動装置(図示しない)により
支持されている。
【0045】また、HFは高周波発信器でマッチングボ
ックスMを介し上記高周波コイルCに接続され、ESは
可変直流電源で負極側を外囲容器(バルブ)1に接続し
ている。なお、HはチェンバBX内の上方に設けられた
ヒータである。
【0046】このような装置を用いた電球の外囲容器
(バルブ)1外表面への被膜の形成方法を述べる。ま
ず、外囲容器(バルブ)1への被膜形成前の表面処理は
チェンバBX内の図示しない治具に、電球の外囲容器
(バルブ)1を容器軸がθ度(0〜30度)傾斜させた
状態で支持させる。また、多層光干渉膜7の第一層とし
てたとえば高屈折率層膜7Hを作る材料としてルツボR
内に金属チタン(Ti)を収容する。
【0047】そして、この状態で弁ECを開放しチェン
バBX内を排気管Eを通じ排気し、所定の真空度とす
る。
【0048】つぎに、外囲容器(バルブ)1を図示しな
い駆動装置を介して矢印X方向に自転させるとともに矢
印Y方向に公転させ、かつ、チェンバBX内の上部に設
けたヒータHにより外囲容器(バルブ)1の外表面温度
を約300〜350℃となるように加熱する。そして、
弁OCを開放し酸素ガス供給管Oを通じてチェンバBX
内に酸素ガスO2 を供給し、このチェンバBX内の酸素
2 分圧を2.0×10−4 トール程度にする。この状
態で高周波発信器HFから高周波コイルCに13.56
MHZ 、300W程度の高周波電力を供給する。
【0049】このようにすれば、ルツボRで蒸発したT
iの蒸気が高周波プラズマによりイオン化され、このイ
オンは負に帯電されている外囲容器(バルブ)1の表面
に引かれて、外囲容器(バルブ)1の外表面に高屈折率
を示すTiO2 の多結晶体からなる金属酸化物層7Hの
蒸着膜が付着される。
【0050】つぎに、低屈折率層膜7Lを作る材料とし
てルツボR内にSiO2 粉末を収容して、上記と同様に
SiO2 を蒸発させれば上記TiO2 の蒸着膜7H上に
低屈折率を示すSiO2 の多結晶体からなる金属酸化物
層7Lの蒸着膜が付着される。
【0051】このようにして、高屈折率層7H,…を作
るTiO2 と、低屈折率層7L,…を作るSiO2 とを
交互に繰り返えし所定層積層して蒸着させれば、図2に
その要部を示すような多層光干渉膜(赤反膜)7を形成
したハロゲン電球L1が得られる。
【0052】そして、重要なのはこの蒸着時の条件で、
金属酸化物層7Hおよび7Lの融点をTm、外囲容器
(バルブ)1の温度をTとしたときにT/Tmが0.2
〜0.4で、雰囲気のガス分圧を0.1〜10Pa(パ
スカル)としておけば、結晶の成長の仕方が変化して、
結晶体の密度(充填率)が80%以上の緻密な酸化物層
7Hおよび7Lを得ることができた。
【0053】上述したようにして多層光干渉膜(赤反
膜)7が形成されたハロゲン電球L1は、口金6をソケ
ット(図示しない。)に装着して点灯すると、外囲容器
1内の中心軸上に配設したコイル状フィラメント3Aが
発熱して可視光とともに大量の赤外線を放射し、フィラ
メント3Aから放射した光のうち可視光の殆どは外囲容
器1および赤反膜7を透過して容器1の外方へと放射さ
れる。また、フィラメント3Aから放射した赤外線は、
赤反膜7で反射されてフィラメント3Aに戻し、(この
赤外線のフィラメント3Aからの放射と赤反膜7での反
射は反復行われる。)フィラメント3Aを再加熱して発
光をより高くし、この結果フィラメント3Aからの可視
光放射が増して、発光効率を向上できる。
【0054】また、多層光干渉膜(赤反膜)7は、結晶
体の密度(充填率)が高く緻密で、ほぼ均等厚さの被膜
が得られるので、被着強度も強く剥離等の発生を抑制で
きる。
【0055】したがって、ハロゲン電球L1を構成する
外囲容器(バルブ)1に形成した多層光干渉膜(赤反
膜)7の働きにより、発光特性および外観特性等の品質
が向上できるとともに被膜7の形成作業が容易な電球L
1を提供できる。
【0056】なお、多層光干渉膜の形成方法は上述した
イオンプレーティング法に限らず、蒸着法やスパッタリ
ング法により結晶体の密度を高く、すなわち充填率が高
くなるよう被膜を形成しても実施の形態と同様な作用効
果を奏する。
【0057】また、図4および図5は本発明管球の他の
実施の形態を示す正面図で、図中、図1および図2と同
一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0058】図4はメタルハライドランプ等の高圧放電
ランプ(HIDランプ)の内管である発光管L2を示
す。直管状の外囲容器(バルブ)1は石英ガラス製で、
容器1の両端部にはそれぞれ圧潰封止部11,11が形
成され内部には上記実施の形態で示すと同様な金属箔
2,2が気密に封止埋設されている。
【0059】このモリブデン箔2,2には、それぞれ一
端部側に外囲容器1の内部側に延出するタングステン製
の電極棒をなす内部導線4が、また、他端部側に外囲容
器1の外部側に導出されたモリブデン製の外部導線5が
それぞれ溶接等により接続されている。そして、内部導
線4の先端側にはタングステン線を巻回した放電電極3
Bが設けられている。また、発光管L2の外囲容器1の
外表面には上記実施の形態で示したと同様な多層光干渉
膜(赤反膜)7が形成してある。また、この発光管L2
の外囲容器1内には、ハロゲン化物および水銀が封入さ
れていて、この状態のままあるいは図示しない硬質ガラ
ス等からなる外管内に封装されてランプが完成される。
【0060】そして、この発光管L2を構成する外囲容
器1には多層光干渉膜(赤反膜)7が形成してあるの
で、ランプ点灯時に放電熱が多層光干渉膜(赤反膜)7
により放電電極3B部等に戻され再加熱することにより
電極3Bを昇温して発光効率の向上がはかれる高圧放電
ランプを提供できる。
【0061】また、図5は反射鏡付き管球L3であっ
て、図中8は反射鏡で、この反射鏡8内には上記ハロゲ
ン電球L1(口金6の有無は問はない。)や発光管L2
が設けられているとともに反射鏡8の背面中央の基端部
81内には封止部11が収容され耐熱性接着剤82を介
し接合固定されている。
【0062】なお、この反射鏡8と管球L1,L2は耐
熱性接着剤82を介し一体に固定されていても、あるい
は別体で一体的に組立てられるものであってもよい。
【0063】このような反射鏡付き管球L3は、内部の
管球L1,L2の特性が高く、また、反射鏡8との組み
合わせでさらに発光特性を向上できるので、展示品等の
スポット照明、液晶表示装置のバックライトや半導体露
光装置の光源等として提供できる。
【0064】また、図6は上記ハロゲン電球L1を用い
た照明器具9の斜視図である。この図6中、91は天井
面等に取着される基台、92は支持ポール、93はポー
ル92の先端に回動自在に取付けられた自在継手、94
はこの自在継手が設けられた器具本体、95は器具本体
の前方開口部内に設けられた反射体で、この反射体95
の部分にはソケット(図示しない。)が配設され、この
ソケット(図示しない。)に図1に示すハロゲン電球L
1の口金6を装着することにより照明器具9が構成され
ている。
【0065】この器具9のソケット(図示しない。)へ
の電球L1の取り付けは、口金6のシェル部を捩じ込み
型のソケットに捩じ込み取り付けると、アイレット側端
子部がく字型板状体やコイル状の弾性を有するソケット
の奥の端子と接触して電気的接続および電球L1の支持
がなされる。そして、ソケットを介しフィラメント3A
に通電して発光させることにより電球L1は点灯する。
【0066】上記ハロゲン電球L1は、発光効率が高
く、また、寿命が長く管球交換等の手間を多く要しない
照明器具9を提供することができる。
【0067】なお、この種照明器具9において、図4に
示す放電ランプL2を点灯させる場合には、安定器等の
点灯回路装置が必要であることはいうまでもない。ま
た、制光のために器具本体94や図4に示す反射鏡8の
前方開口部を覆うようにカバーやレンズ等の制光体を設
けることは差支えない。
【0068】なお、本発明は上記実施の形態に限らず、
例えば外囲容器(バルブ)の形状も管形に限らず、長円
や楕円形、球形等あるいはこれらの複合形状であっても
よい。
【0069】また、上記実施の形態のハロゲン電球は、
外囲容器の外表面に多層光干渉膜を形成したが、被膜は
外囲容器の外表面に限らず内表面であってもあるいは両
面に形成してあっも差支えない。また、多層光干渉膜と
しては可視光透過赤外線反射膜に限らず、可視光反射赤
外線透過膜等であってもよく、被膜の種類は適用する管
球の種類に応じ適宜決めればよい。
【0070】また、高屈折率を示す金属酸化物層の材料
としては酸化チタン(TiO2 )に限らず、酸化タンタ
ル(Ta2 5 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸
化亜鉛(ZnS)等でも、また、低屈折率を示す金属酸
化物層の材料としては酸化ケイ素(SiO2 )に限ら
ず、ふっ化マグネシウム(MgF)等でもよい。
【0071】また、電球はバルブの一端に封止部を形成
した投光用ハロゲン電球に限らず、他の用途やハロゲン
を封入していない種類の電球でもよく、このような電球
は光・熱反射膜やダイクロイック膜等の可視光反射赤外
線透過膜が形成された反射鏡内や各種の照明器具内に装
着され使用される。また、封止部がバルブの両端部に設
けてある両端封止形の電球であってもよい。
【0072】さらに、バルブのガラス材質は石英ガラス
に限らず、所要の透光性と光屈折率と耐熱性を併有する
ものであれば他の硬質や軟質のガラス材質であってもよ
い。
【0073】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、多層光干渉膜
は、結晶体の密度(充填率)が高く緻密で、ほぼ均等厚
さの被膜が得られるので、発光特性が向上するとともに
被着強度も強く剥離等の発生を抑制できる。
【0074】したがって、発光特性および外観特性等の
品質が向上できるとともに被膜の形成作業が容易な管球
を提供することができる。
【0075】請求項2の発明によれば、多層の金属酸化
物層を形成する場合に、基体(外囲容器)に近い下層側
にほぼ均等厚さの層を配設することにより、積層によっ
て蓄積される凹凸差を小さくすることができ、多層光干
渉膜の膜厚により左右される光の透過や反射特性のばら
つきを低減した、発光特性の向上ができる管球を提供す
ることができる。
【0076】請求項3の発明によれば、可視光透過赤外
線反射膜または可視光反射赤外線透過膜を形成した管球
において、上記請求項1または2に記載したと同様な効
果を奏する。
【0077】請求項4の発明によれば、ハロゲン電球等
の白熱電球および水銀ランプやメタルハライドランプ等
の高圧放電ランプに適用して、上記請求項1ないし3の
いずれか一に記載したと同様な効果を奏する。
【0078】請求項5の発明によれば、反射鏡を備えた
電球または高圧放電ランプに適用して、上記請求項4に
記載したと同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す投光用ハロゲン電球
の一部断面正面図である。
【図2】図1の可視光透過赤外線反射膜部分を模型的に
示す拡大断面図である。
【図3】多層光干渉膜を形成するイオンプレーティング
装置の概要を示す説明図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す管球(高圧放電
ランプ)の正面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を示す管球(反射鏡付
きランプ)の正面図である。
【図6】本発明の管球を用いた照明器具を示す斜視図で
ある。
【図7】図(a)および(b)は、層を形成する過程の
一例を拡大断面して示す説明図である。
【符号の説明】
L1:管球(ハロゲン電球) L2:管球(高圧放電ランプ) L3:管球(反射鏡付き管球) 1:外囲容器(バルブ) 3A:発光部(コイル状フィラメント) 3B:発光部(放電電極) 7:多層光干渉膜(可視光透過赤外線反射膜) 7H:金属酸化物層(高屈折率層) 7L:金属酸化物層(低屈折率層) 8:反射鏡

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光部を封装した外囲容器の表面に蒸着
    法、スパッタリング法あるいはイオンプレーティング法
    により高屈折率を示す多結晶体の金属酸化物層と低屈折
    率を示す多結晶体からなる金属酸化物層とを交互に積層
    して多層光干渉膜を形成した管球において、上記金属酸
    化物層は、少なくとも一層が充填率80%以上の多結晶
    体からなるなることを特徴とする管球。
  2. 【請求項2】 上記金属酸化物層の充填率80%以上の
    層が、下層側にあることを特徴とする請求項1に記載の
    管球。
  3. 【請求項3】 上記多層光干渉膜が、可視光透過赤外線
    反射膜または可視光反射赤外線透過膜であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の管球。
  4. 【請求項4】 上記発光部が、コイル状フィラメントを
    備えた電球または放電電極を備えた放電ランプであるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の
    管球。
  5. 【請求項5】 上記電球または放電ランプが、反射鏡を
    備えていることを特徴とする請求項4に記載の管球。
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